(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリマーは、α,β,β−トリフルオロスチレン、α,β−ジフルオロスチレン、β,β−ジフルオロスチレン、α−フルオロスチレン、およびβ−フルオロスチレンのホモポリマーを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の光学補償フィルム。
前記溶媒は、トルエン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、およびメチルイソアミルケトンを含む群から選択される溶媒の1つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光学補償フィルム。
前記ポリマーフィルムは、400nm<λ<800nmの波長範囲全体にわたって、0.01を超える正複屈折を有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の光学補償フィルム。
前記ポリマーは、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、イソプレン、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、トリメチルプロピルトリアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ニトロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、シアノスチレン、クロロスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−メチルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルトリフェニル、ビニルトルエン、クロロメチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、テトラフルオロエチレン、フルオロエチレン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸カルボジイミド、C1−C18クロトン酸アルキル、マレイン酸n−ジブチル、マレイン酸ジオクチル、メタクリル酸アリル、マレイン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、メタクリル酸メトキシブテニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ヒドロキシブテニル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アセトアセトキシエチル、アクリル酸アセトアセトキシエチル、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、炭酸ビニルエチレン、エポキシブテン、3,4−ジヒドロキシブテン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メタクリルアミド、アクリルアミド、ブチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ブタジエン、ビニルエステルモノマー、ビニル(メタ)アクリレート、イソプロペニル(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ化合物(メタ)アクリレート、エチルホルムアミド、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、2,2−ジメチル−4ビニル−1,3−ジオキソラン、3,4−ジ−アセトキシ−1−ブテン、およびアジピン酸モノビニル、t−メタクリル酸ブチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、2−t−メタクリル酸ブチルアミノエチル、N,N−アクリル酸ジメチルアミノエチル、N−(2−メタクリロイルオキシ−エチル)エチレン尿素、およびメタクリルアミド−エチルエチレン尿素、を含む群から選択されるエチレン系の不飽和モノマーの1つ以上を有するα,β,β−トリフルオロスチレンのコポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の光学補償フィルム。
前記ポリマーは、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸、メタクリル酸、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ビニルビフェニル、アクリロニトリル、およびイソプレン、の群から選択されるエチレン系の不飽和モノマーの1つ以上を有する、α,β,β−トリフルオロスチレンのコポリマーであることを特徴とする、請求項11に記載の光学補償フィルム。
Rは、アルキル、置換されたアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、ニトロ、アルコキシ、アミノ、スルホナート、リン酸塩、アシル、アシルオキシ、フェニル、アルコキシカルボニル、およびシアノ、を含む群から選択される置換基の1つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光学補償フィルム。
前記ポリマー溶液は、リン酸トリフェニル、トリ(エチレングリコール)ビス(2−エチルヘキサノエート)、トリ(エチレングリコール)ビス(n−オクタノアート)、水素化したガムロジン、二塩基酸グリコールポリエステル、ペンタエリトリトールテトラベンゾアート、ポリエチレングリコールジ−2−カプロン酸エチル、および蔗糖安息香酸エステル、を含む群から選択される可塑剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至4、7乃至13のいずれかに記載の光学補償フィルム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1つの実施形態において、ポリマーフィルムおよび基板を含む、光学補償フィルム組成物が提供され、ここで、ポリマーフィルムは、400nm<λ<800nmの波長(λ)範囲全体にわたって0.005を超える正複屈折を有し、溶媒およびポリマーを含むポリマー溶液からキャスティングされたポリマーフィルムは、以下の部分を有し:
【0015】
式中、R
1、R
2、およびR
3は、各々独立して、水素原子、アルキル基、置換されたアルキル基、またはハロゲンであり、R
1、R
2、およびR
3の少なくとも1つは、フッ素原子であり、Rは、水素またはスチレン環上の置換基である。1つの態様において、R
1、R
2およびR
3の少なくとも2つは、フッ素原子であり、別の態様において、R
1、R
2およびR
3はすべて、フッ素原子である。
【0016】
スチレン環上の置換基Rの例は、アルキル、置換されたアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、ニトロ、アルコキシ、アミノ、スルホナート、リン酸塩、アシル、アシルオキシ、フェニル、アルコキシカルボニル、シアノなどの1つ以上を含む。
【0017】
1つの実施形態において、ポリマー溶液は、前記基板上にキャスティングされ、基板上にポリマーコーティングを形成する。溶液キャストポリマーフィルムは、熱処理、光照射、または延伸を受けることなく、溶剤蒸発後に面外異方性のアライメントを形成することができ、400nm<λ<800nmの波長範囲全体にわたって、0.005、0.01、または0.015を超える正複屈折を有している。
【0018】
正複屈折(Δn)は、n
z>(n
x+n
y)/2として定義され、ここで、n
xとn
yは、面内屈折率を表わし、n
zは、フィルムの厚さ方向の屈折率を表わす(Δn=n
z−(n
x+n
y)/2)。これらのポリマーから作られた光学補償フィルムの各々は、熱処理、光照射、または延伸を受けることなく、400nm<λ<800nmの波長範囲全体にわたって、0.005を超える正複屈折を有している。しかしながら、特定の実施形態において、これらのプロセスは、正複屈折をさらに高めるために使用され得る。少なくとも1つの実施形態において、補償フィルムは、400nm<λ<800nmの波長範囲全体にわたって、0.01または0.015を超える複屈折を有し得る。
【0019】
複屈折(Δn)は、異なるインクリメントで約400nmから約800nmまでの波長範囲上のフィルムの複屈折を決定することによって測定され得る。あるいは、フィルムの複屈折は、当該技術分野で慣例であるように、633nmで測定され得る。波長<633nmでの複屈折が、一般的に、正複屈折を有するフィルムに対する633nmでの複屈折より高い上に、波長>633nmでの複屈折が、一般的に、633nmでの複屈折と同じであるか又はそれよりわずかに低いため、633nmでのΔnへの言及は慣習的である。したがって、633nmでの複屈折は、400nm<λ<800nmの波長範囲全体にわたる複屈折が、633nmでの複屈折より高いか又はそれと略同じであることを示すと当該技術分野において理解される。
【0020】
別の実施形態において、溶液キャストポリマーフィルムは、乾燥後に基板から取り除かれることで、自立フィルムをもたらし、これは一軸延伸または二軸延伸され得る。自立フィルムは、ラミネーションによって基板に付けられ得る。
【0021】
基板上へのポリマー溶液のキャスティングは、例えば、スピンコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、カーテンコーティング、またはディップコーティングなどの、当該技術分野に既知の方法によって実行され得る。基板は、当該技術分野に公知であり、トリアセチルセルロース(TAC)、環状オレフィンポリマー(COP)、ポリエステル、ポリビニルアルコール、セルロースエステル、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、ガラス、およびLCD装置において一般に使用される他の物質を含む。
【0022】
本発明の別の実施形態において、ポリマー組成物は、トルエン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、およびそれらの混合物などの溶媒において可溶性である。
【0023】
本発明のポリマーフィルムは、ホモポリマーまたはコポリマーでもよい。ホモポリマーは、以下の構造を有するフッ素含有モノマーの重合によって調製され得:
【0025】
式中、R
1、R
2およびR
3は、各々独立して、水素原子、アルキル基、置換されたアルキル基、またはハロゲンであり、R
1、R
2およびR
3の少なくとも1つは、フッ素原子であり、Rは、水素またはスチレン環上の置換基である。
【0026】
このようなフッ素含有モノマーの例は、限定されないが、α,β,β−トリフルオロスチレン、α,β−ジフルオロスチレン、β,β−ジフルオロスチレン、α−フルオロスチレン、およびβ−フルオロスチレンを含む。1つの実施形態において、ホモポリマーは、ポリ(α,β,β−トリフルオロスチレン)である。
【0027】
コポリマーは、1つ以上のフッ素含有モノマーの、1つ以上のエチレン系の不飽和モノマーとの共重合によって調製され得る。エチレン系の不飽和モノマーの例は、限定されないが、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、イソプレン、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸イソ−オクチル、メタクリル酸イソ−オクチル、トリメチルプロピルトリアクリレート(trimethyolpropyl triacrylate)、スチレン、α−メチルスチレン、ニトロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、シアノスチレン、クロロスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−メチルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルトリフェニル、ビニルトルエン、クロロメチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、テトラフルオロエチレン(および他のフルオロエチレン)、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸カルボジイミド、C
1−C
18クロトン酸アルキル、マレイン酸n−ジブチル、ジオクチルマレイン酸、メタクリル酸アリル、マレイン酸ジアリル、ジアリルマロン酸、メタクリル酸メトキシブテニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ヒドロキシブテニル、ヒドロキシエチル(メタ(meth))アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アセトアセトキシエチル、アクリル酸アセトアセトキシエチル、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、炭酸ビニルエチレン、エポキシブテン、3,4−ジヒドロキシブテン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メタクリルアミド、アクリルアミド、ブチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ブタジエン、ビニルエステルモノマー、ビニル(メタ)アクリレート、イソプロペニル(メタ)アクリレート、シクロアリファティックエポキシ(メタ)アクリレート、エチルホルムアミド、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、2,2−ジメチル−4ビニル−1,3−ジオキソラン、3,4−ジ−アセトキシ−1−ブテン、およびアジピン酸モノビニル t−メタクリル酸ブチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、2−t−メタクリル酸ブチルアミノエチル、N,N−アクリル酸ジメチルアミノエチル、N−(2−メタクリロイルオキシ−エチル)エチレン尿素、およびメタクリルアミド−エチルエチレン尿素を含む。さらなるモノマーは、The Brandon Associates, 2nd edition, 1992 Merrimack, N.H., and in Polymers and Monomers, the 1966−1997 Catalog from Polyscience, Inc., Warrington, Pa., U.S.A.に記載されている。
【0028】
1つの実施形態において、ポリマーは、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、 アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸、メタクリル酸、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ビニルビフェニル、アクリロニトリル、およびイソプレンの群から選択されるエチレン系の不飽和モノマーの1つ以上を有する、α,β,β−トリフルオロスチレンのコポリマーである。
【0029】
重合は、バルク、溶液、エマルション、または懸濁の重合などの当該技術分野に既知の方法によって行われる。その反応は、フリーラジカル、カチオン、アニオン、両性イオン、Ziegler−Natta、または原子移動ラジカルのタイプの重合でもよい。エマルション重合は、特に高い分子量が望まれるときの重合の1つの方法である。高分子量ポリマーは、より好適なフィルム品質且つより高い正複屈折につながり得る。モノフルオロ、ジフルオロ、およびトリフルオロスチレンのホモポリマーおよびコポリマーの調製のための方法は、Progress in Polymer Science, Volume 29 (2004), pages 75−106, Elsevier Ltd., MO, USAに見られ得、その内容は、引用によって本明細書に組み込まれる。
【0030】
溶液フィルムキャスティングは、フルオロ−ホモポリマー溶液、フルオロ−ホモポリマー溶液と他のポリマーとの混合物を含む溶液、またはフルオロ−コポリマーとともに行われ、後者2つは、フィルム品質を改善し、コストを下げ得るため、利点がある。ポリマー溶液は、他のポリマーまたは添加剤などの他の成分をさらに含んでもよい。可塑剤は、フィルム特性を改善するためのフィルム形成に使用される一般的な添加剤である。
【0031】
本発明に適した可塑剤の例は、Eastman Chemical Companyから入手可能なもの: Abitol E(水素化したガムロジン)、Permalyn 3100(ペンタエリトリトールのタル油ロジンエステル)、Permalyn 2085(グリセロールのタル油ロジンエステル)、Permalyn 6110(ペンタエリトリトールのガムロジンエステル)、Foralyn 110(ペンタエリトリトールの水素化したガムロジンエステル)、Admex 523(二塩基酸グリコールポリエステル)、およびOptifilm Enhancer 400(固有の低い(proprietary low)VOC、低臭性凝集剤(low odor coalescent));Unitex Chemical Corp.から入手可能なもの:Uniplex 552(ペンタエリトリトールテトラベンゾアート)、Uniplex 280(蔗糖安息香酸エステル)、およびUniplex 809(PEG ジ−2−カプロン酸エチル);リン酸トリフェニル、トリ(エチレングリコール)ビス(2−エチルヘキサノエート、トリ(エチレングリコール)ビス(n−オクタノアート)、およびそれらの混合物を含む。
【0032】
別の実施形態において、ポリマー溶液は、リン酸トリフェニル、トリ(エチレングリコール)ビス(2−エチルヘキサノエート)、トリ(エチレングリコール)ビス(n−オクタノアート);Eastman Chemical Companyから入手可能な、Optifilm Enhancer 400、Abitol E、およびAdmex 523;Unitex Chemical Corp.から入手可能な、Uniplex 552、Uniplex 809、およびUniplex 280、から成る群から選択される可塑剤の1つ以上をさらに含む。
【0033】
組成物によって、本発明のポリマーは、例えば、トルエン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、またはそれらの混合物において可溶性であり得る。
【0034】
1つの実施形態において、ポリマーフィルムは、ポリ(α,β,β−トリフルオロスチレン)、およびシクロペンタノン、塩化メチレン、およびトルエンから選択される溶媒の1つ以上を含む溶液からキャスティングされる。このように得られたポリ(α,β,β−トリフルオロスチレン)フィルムは、400nm<λ<800nmの波長範囲全体にわたって、0.015を超える正複屈折を有し得る。1つの態様において、シクロペンタノンにおけるポリ(α,β,β−トリフルオロスチレン)の溶液は、COPフィルム上へとキャスティングされ、改善された付着を有するコーティングをもたらす。別の態様において、トルエンあるいは塩化メチレン及び/又はシクロペンタノンとのその混合物におけるポリ(α,β,β−トリフルオロスチレン)の溶液は、TACフィルム上へとキャスティングされ、改善された付着を有するコーティングをもたらし、ここで、溶媒は、約80−100重量%(限定されないが、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100重量%を含む)のトルエン含量を有する。
【0035】
本発明の特有の特徴は、フルオロポリマーの溶液キャストから結果として生じるフィルムの高い面外複屈折(Δn=n
z−(n
x+n
y)/2)である。これは、基板上への薄膜コーティングフィルムのキャスティングを可能にし、所望の面外位相差(R
th)を有する補償フィルムをもたらす。当該技術分野で一般に知られるように、光学フィルムの位相差は、R=Δn x dとして定義され、ここで、dはフィルムの厚さである。1つの実施形態において、光学フィルムの適用のための基板上のコーティングの厚さは、約3−15μm(限定されないが、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および15μmを含む)であり、別の実施形態において、厚さは、約8−12μmである。
【0036】
複屈折ポリマーフィルムは、厚さ方向において面外位相差(R
th=(n
z−(n
x+n
y)/2)x d)及び/又は面内位相差(R
e=(n
x−n
y)x d)を有し得、ここで、n
xおよびn
yは、面内屈折率を表わし、n
zは、フィルムの厚さ方向の屈折率を表わす。本発明のポリマーフィルムは、R
th>0および0に近いReを有し、このようなフィルムは、しばしば、ポジティブCプレートであると言及される。IPS−LCDのための光学補償フィルムの構成の1つは、ポジティブAプレート(n
x>n
y=n
z)上でコーティングされたポジティブCプレート(屈折率特性:n
z>n
x=n
y)を有することである。このような構成において、Cプレートに関するR
thは、約45nmから約150nmまでであり、Aプレートに関するReは、約50から約200nmまでである。
【0037】
したがって、別の実施形態において、本発明は、約45nmから約150nmまでの面外位相差(R
th)を有するポリマーフィルムを含む光学補償フィルム組成物を提供し、ポリマーフィルムは、反射率特性 n
x>n
y=n
zおよび約50nmから約200nmまでの面内位相差(R
e)を有する基板上へと溶液をキャスティングされ、ここで、コーティングは、約3−10μm(限定されないが、3、4、5、6、7、8、9、および10を含む)の厚さを有する。このような基板の例は、延伸したCOPおよび延伸したポリカーボネートを含む。
【0038】
IPS−LCDのための別の光学補償フィルムの構成は、二軸フィルム上にコーティングされたポジティブCプレート(n
x>n
y>n
z)を有することである。このような構成において、Cプレートに関するR
thは、約150nmから約250nmまでであり、二軸フィルムに関する位相差は、R
e=約60〜100nmおよびR
th=約−100nm〜−200nmである。
【0039】
したがって、別の実施形態において、本発明は、約150nmから約250nmまでの面外位相差(R
th)を有するポリマーフィルムを含む光学補償フィルム組成物を提供し、ポリマーフィルムは、反射率特性n
x>n
y>n
z、約60nmから約100nmまでの面内位相差(R
e)、および約−100nmから約−200nmまでの面外位相差(R
th)を有する基板上へと溶媒がキャスティングされ、ここで、コーティングは、約8−12μmの厚さを有する。このような基板の例は、CAP(セルロースアセテートプロピオネート)およびTACのフィルムなどの延伸したセルロースエステルフィルム、および延伸したポリイミドフィルムを含む。
【0040】
上記の2つの構成において、本発明のポリマーフィルムは、R
thとR
eとの所望の組み合わせを得るために、例えばCOP、ポリカーボネート、TAC、およびCAPの延伸したフィルム上へと溶液がキャスティングされる。あるいは、ポリマーフィルムは、前記物質の未延伸フィルム上へとキャスティングされ得、その後、結果として生じるコーティングされた基板は、指定された全体的なR
th値およびR
e値にまで延伸され得る。
【0041】
別の実施形態において、本発明のポリマーフィルムは、n
x<n
y<n
zの屈折率特性がある二軸フィルムまたはn
x<n
y=n
zを有するネガティブAプレートをもたらすために延伸される。このようなフィルムの調製のための方法は、米国特許出願公開番号2009/0068380に開示され、その内容は、引用によって本明細書に組み込まれる。
【0042】
別の実施形態において、補償フィルムは、面内スイッチングの液晶表示装置を含む、液晶表示装置において使用される。液晶表示装置は、テレビまたはコンピューター用のスクリーンとして使用されてもよい。
【実施例】
【0043】
実施例1:ポリマーフィルム調製および複屈折測定
ポリ(α,β,β−トリフルオロスチレン)(PTFS)ポリマーのサンプルを、5%の重量/容積の濃度で塩化メチレン中に溶解した。溶液を、20ミルの隙間を有するブレードキャスティングの方法を使用して、平板ガラス基板に適用した。フィルムを、一晩空気中で乾燥させ、続いて、室温で8時間真空オーブンに置いた。乾燥後、フィルムを慎重にはがした。自立PTFSフィルムの複屈折を、633nmの波長で片面フィルムのモードを使用して、Metricon Model 2010/M Prism Couplerによって0.0190であると測定した。
【0044】
実施例2:PTFSフィルムの複屈折対フィルムの厚さ
本実施例は、溶液キャストPTFSフィルムの複屈折に対するフィルムの厚さの効果を示す。実施例1において提供される方法を使用して、様々な厚さを有するPTFSフィルムを、キャスティングブレードの隙間の設定を変えることによって、溶媒としてのトルエン中でPTFSの溶液からキャスティングし、それらの複屈折を測定した。複屈折対厚さを
図1に図示する。図で示されるように、厚さが2μm未満であるとき、フィルムの複屈折は、厚さが減少するにつれて急速に増加するが、厚さが2μmを超えるとき、フィルムの複屈折は、厚さが増加するにつれて一定値までゆっくり減少する。
【0045】
実施例3:PTFSフィルムの複屈折対溶媒
本実施例は、溶液キャストPTFSフィルムの複屈折に対する溶媒の効果を示す。実施例1において提供される方法を使用して、様々な厚さを有するPTFSフィルムを、塩化メチレン、シクロペンタノン、およびトルエンの溶液からそれぞれキャスティングし、それらの複屈折を測定した。複屈折データを
図2に図示する。トルエンからのフィルムと比較して、シクロペンタノン溶液からキャスティングされたフィルムは、より高い複屈折を有し、塩化メチレンからのフィルムは、最も高い複屈折を有する。
【0046】
実施例4:PTFSフィルムの複屈折対キャスティング条件
本実施例は、溶液キャストPTFSフィルムの複屈折に対するキャスティング条件の効果を示す。実施例1において提供される方法を使用して、様々な厚さを有するPTFSフィルムを、シクロペンタノンにおけるPTFSの溶液からキャスティングし、続いて、様々な条件下で乾燥させた。フィルム1をまず、空気中で一晩乾燥し、真空オーブンで8時間さらに乾燥した。フィルム2をまず、カバー皿(cover−dish)下で一晩乾燥し、真空オーブンで8時間さらに乾燥した。フィルム3をまず、皿の下に置かれたシクロペンタノンのカップから生じたシクロペンタノンの蒸気(vapors)によって同じ皿の下で一晩乾燥し、真空オーブンで8時間さらに乾燥した。複屈折データを
図3に図示する。覆われていないフィルムは、最も高い複屈折値を有し、覆われたフィルムは、より低い値を有し、および蒸気が充填されたフィルムは、最低値を有する。
【0047】
実施例5:PTFSフィルムに対する可塑剤の効果
本実施例は、溶液キャストPTFSフィルムの複屈折に対する可塑剤の効果を示す。様々な厚さを有するPTFSフィルムを、5%または10%の割合で可塑剤として、TPP(リン酸トリフェニル)またはOE−400(Eastman Chemical Companyから入手可能なOptifilm Enhancer 400)のいずれかを含む塩化メチレン中のPTFSの溶液から実施例1に従ってキャスティングした。
図4に示されるように、TPPとOE400の両方は、可塑剤の割合が増加するにつれPTFSフィルムの複屈折を減少させる。
【0048】
実施例6:PTFSフィルムの延伸
本実施例は、面外位相差(R
th)および面内位相差(R
e)に対するフィルム延伸の効果を示し、本実施例はまた、どの延伸比率で望ましいR
th値およびR
e値が達成され得るかを実証する。PTFSフィルムを、溶媒として塩化メチレンを使用することによって実施例1に従って調製し、結果として生じるフィルムを延伸用に使用した。延伸を、220℃、20mm/分の速度で一軸で行った。3つの垂直方向に沿った延伸したフィルムの屈折率を、測定し、
図5に図示した。下付き文字xは延伸方向を示し、yは面内の垂直方向を示し、およびzはフィルムの正常方向を示す。延伸後に、n
xは減少し、n
yとn
zの両方は増加した。面内および面外の複屈折の絶対値の両方は、
図6に図示されるように、延伸の割合が増加するつれ増加した。
【0049】
実施例7:ポリマーコーティング調製および複屈折測定
<TAC基板上のPTFSコーティング>
PTFSポリマーを、5%の重量/容積の濃度でトルエン中に溶解した。溶液を、8ミルの隙間を有するブレードキャスティングの方法を使用して、平らなTAC基板に適用した。コーティングを、まず空気中で一晩、その後、真空オーブンで8時間乾燥させた。PTFS/TACコーティングの複屈折を、633nmの波長で片面フィルムのモードを使用して、Metricon Model 2010/M Prism Couplerによって0.0189であると測定した。PTFSの屈折率がTACの屈折率より高いため、片面フィルムのモードを使用する上部(top)のPTFSコーティングの測定は、TAC基板による影響を受けなかった。
【0050】
<COP基板上のPTFSコーティング>
PTFSポリマーを、5%の重量/容積の濃度でシクロペンタノン(Cp)中に溶解した。溶液を、8ミルの隙間を有するブレードキャスティングの方法を使用して、平らなCOP基板に適用した。コーティングを、まず空気中で一晩、その後、真空オーブンで8時間乾燥させた。PTFS/COPコーティングの複屈折を、633nmの波長で片面フィルムのモードを使用して、Metricon Model 2010/M Prism Couplerによって0.0190であると測定した。
【0051】
実施例8:様々なPTFSコーティングの複屈折
本実施例は、異なる基板及び/又は異なる溶媒を使用して得られた様々なPTFSコーティングの複屈折値を比較する。実施例7に記載される方法を使用して、TAC上のPTFSの3つのコーティングを、溶媒として、それぞれ、トルエン、トルエン/CH
2Cl
2(9/1の重量)、およびトルエン/Cp(9/1の重量)を使用することによって調製し、それらの複屈折を様々な厚さで測定した。結果を、COP(溶媒:Cp)上のPTFSコーティングおよびトルエン溶液からキャスティングされた自立フィルムの結果と比較した。
図7に示されるように、トルエンおよびトルエン/CH
2Cl
2の混合物からのTAC上のPTFSコーティングの複屈折値は類似し、両方とも自立フィルムの複屈折値よりわずかに高く、一方で、トルエン/Cpの混合物からのTAC上のコーティングの複屈折値は、自立フィルムの複屈折値より低い。COP上のPTFSコーティングは、トルエンまたはトルエン/CH
2Cl
2のいずれかからのTAC上のコーティングと比較可能である。
【0052】
実施例9:PTFSのフィルムおよびコーティングの位相差および波長分散
塩化メチレンからのPTFS自立フィルムおよび異なる厚さを有するCOP(溶媒:Cp)上の2つのPTFSコーティングの位相差を、(J. A. Woollam Co., Inc.から入手可能な)VASE(登録商標)Ellipsometerによって測定した。サンプルの面外位相差を
図8に図示した。
図8におけるPTFSフィルムの位相差曲線を、その波長分散をより好適に示すために、550nmでその位相差値に対して標準化した。
図9に示されるように、PTFSフィルムのRth/Rth
550値は、400nm−800nmの波長で1.09から0.95までの小幅で変化する。理論的適合も
図9に図示し、これは実験曲線に完全に重なった。理論的適合は、以下の方程式に基づき:
【0053】
【化5】
【0054】
式中、Gは、物質および手順に関連する定数であり、λ
rは、物質の基礎的な光学ユニットの共振波長である。160nmは、PTFSに対するλ
rの最も適合する値であった。
【0055】
実施形態を以上に記載した。上記の方法および装置が、本発明の一般的な範囲から逸脱することなく、変更および修正を組み込み得ることは当業者に明らとなる。添付の請求項またはその同等物の範囲内にある限り、このような修正および変更をすべて含むことが意図される。上の記載は、多くの特異性を含んでいるが、これは、本発明の範囲の限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明の実施形態のうちのいくつかの実例を単に提供するもとして解釈されるべきである。様々な他の実施形態および波及効果はその範囲内にあることが可能である。
【0056】
さらに、本発明の広い範囲を明示する数値の範囲およびパラメーターは概略ではあるが、具体的な例において言及された数値は、できるだけ正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それぞれの試験測定に見られる標準偏差から必然的に結果として生じる特定の誤差を元来含んでいる。このように本発明が記載されるように、ここで請求される。