特許第6095236号(P6095236)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6095236放射線3次元探知及び可視化装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095236
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】放射線3次元探知及び可視化装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/167 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   G01T1/167 Z
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-8624(P2015-8624)
(22)【出願日】2015年1月20日
(65)【公開番号】特開2016-20889(P2016-20889A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2015年1月20日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0087658
(32)【優先日】2014年7月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500002490
【氏名又は名称】コリア アトミック エナジー リサーチ インスティチュート
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ ナム−ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク、スン−ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヨン グァン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョン ヨル
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヒョン−キュ
【審査官】 藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−210429(JP,A)
【文献】 特開2014−062797(JP,A)
【文献】 特表2001−512570(JP,A)
【文献】 特開2013−108815(JP,A)
【文献】 特開平03−138592(JP,A)
【文献】 特開平06−300846(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3181739(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/16
G01T 1/167
G01T 1/169
G01T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの放射線センサー110を含む第1センシングモジュール100と;
1つのイメージセンサー210を含む第2センシングモジュール200と;
一側及び他側に前記第1センシングモジュール100及び前記第2センシングモジュール200が垂直方向に回転自在に結合された第1支持体300と;
前記第1支持体300が水平方向に回転自在に前記第1支持体300と結合された第2支持体400と;
を含み、
前記放射線センサー110の中心軸C1と前記第1支持体300の回転軸410の間の距離aは、前記イメージセンサー210の中心軸C2と前記第1支持体300の回転軸410の間の距離bと同一である放射線3次元探知及び可視化装置。
【請求項2】
前記第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200を垂直方向に回転させるチルトモーターと;
前記第1支持体300を水平方向に回転させるパンモーターと;
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線3次元探知及び可視化装置。
【請求項3】
前記チルトモーターは、前記第1センシングモジュール100及び前記第2センシングモジュール200を同時に回転させることを特徴とする請求項2に記載の放射線3次元探知及び可視化装置。
【請求項4】
前記チルトモーターが前記第1センシングモジュール100及び前記第2センシングモジュール200を垂直方向に回転させるのと同時に、前記パンモーターが前記第1支持体300を水平方向に回転させることを特徴とする請求項2に記載の放射線3次元探知及び可視化装置。
【請求項5】
前記チルトモーター及び前記パンモーターが前記第1センシングモジュール100及び前記第2センシングモジュール200を回転させることによって、前記放射線センサー110及び前記イメージセンサー210をスキャン対象領域500に向けた後、前記放射線センサー110及び前記イメージセンサー210が前記スキャン対象領域500の第1放射線情報及び第1映像情報をそれぞれ獲得し、
前記チルトモーターが前記第1センシングモジュール100及び前記第2センシングモジュール200を垂直方向に180度回転させ、前記パンモーターが前記第1支持体300を水平方向に180度回転させた後、前記放射線センサー110及び前記イメージセンサー210が前記スキャン対象領域500の第2放射線情報及び第2映像情報をそれぞれ獲得することを特徴とする請求項2に記載の放射線3次元探知及び可視化装置。
【請求項6】
前記チルトモーター及び前記パンモーターが前記第1センシングモジュール100及び前記第1支持体300をあらかじめ設定された角度範囲内で垂直方向及び水平方向に回転させることによって、前記放射線センサー110は、前記スキャン対象領域500をスキャンし、前記第1放射線情報及び前記第2放射線情報のうち少なくとも1つを獲得することを特徴とする請求項5に記載の放射線3次元探知及び可視化装置。
【請求項7】
前記第1放射線情報、第2放射線情報、第1映像情報及び第2映像情報のうち少なくとも1つに基づいて可視映像基盤の放射線源探知情報を立体化する情報処理部をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の放射線3次元探知及び可視化装置。
【請求項8】
前記情報処理部は、
前記第1映像情報及び第2映像情報の視差の算出;前記第1放射線情報及び第2放射線情報の視差の算出;前記第1放射線情報、第2放射線情報、第1映像情報及び第2映像情報の座標カリブレーションの実行;前記第1映像情報及び第2映像情報に基づいて3次元空間映像情報の算出;及び前記第1放射線情報及び第2放射線情報に基づいて3次元空間放射線情報の算出;のうち少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項7に記載の放射線3次元探知及び可視化装置。
【請求項9】
1つの放射線センサー110を含む第1センシングモジュール100と、1つのイメージセンサー210を含む第2センシングモジュール200と、一側及び他側に前記第1センシングモジュール100及び前記第2センシングモジュール200が垂直方向に回転自在に結合された第1支持体300と、前記第1支持体300が水平方向に回転自在に前記第1支持体300と結合された第2支持体400とを含み、前記放射線センサー110の中心軸C1と前記第1支持体300の回転軸410の間の距離aは、前記イメージセンサー210の中心軸C2と前記第1支持体300の回転軸410の間の距離bと同一である放射線3次元探知及び可視化装置を利用した放射線3次元探知及び可視化方法であって、
前記放射線センサー110及び前記イメージセンサー210がスキャン対象領域500に向けるように前記第1センシングモジュール100及び前記第2センシングモジュール200を配置する第1段階S100と;
前記放射線センサー110が前記スキャン対象領域500の第1放射線情報を獲得し、前記イメージセンサー210が前記スキャン対象領域500の第1映像情報を獲得する第2段階S200と;
前記第1センシングモジュール100及び前記第2センシングモジュール200を垂直方向に180度回転させ、前記第1支持体300を水平方向に180度回転させる第3段階S300と;
前記放射線センサー110が前記スキャン対象領域500の第2放射線情報を獲得し、前記イメージセンサー210が前記スキャン対象領域500の第2映像情報を獲得する第4段階S400と;
を含む放射線3次元探知及び可視化方法。
【請求項10】
前記第2段階S200で、前記放射線センサー110は、前記第1センシングモジュール100及び前記第1支持体300をあらかじめ設定された角度範囲内で垂直方向及び水平方向に回動させて前記スキャン対象領域500をスキャンすることによって、前記第1放射線情報を獲得することを特徴とする請求項に記載の放射線3次元探知及び可視化方法。
【請求項11】
前記第3段階S300で、前記第1センシングモジュール100及び前記第2センシングモジュール200の垂直方向への回転と前記第1支持体300の水平方向の回転は、同時に行われることを特徴とする請求項10に記載の放射線3次元探知及び可視化方法。
【請求項12】
前記第4段階S400で、前記放射線センサー110は、前記第1センシングモジュール100及び前記第1支持体300をあらかじめ設定された角度範囲内で垂直方向及び水平方向に回動させて前記スキャン対象領域500をスキャンすることによって、前記第2放射線情報を獲得することを特徴とする請求項10に記載の放射線3次元探知及び可視化方法。
【請求項13】
前記第1放射線情報、第2放射線情報、第1映像情報及び第2映像情報に基づいて可視映像基盤の放射線源探知情報を立体化する第5段階S500;をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の放射線3次元探知及び可視化方法。
【請求項14】
前記第5段階S500は、
前記第1映像情報及び第2映像情報の視差を算出する第5−1段階S510と;
前記第1放射線情報及び前記第2放射線情報の視差を算出する第5−2段階S520と;
前記第1放射線情報、第2放射線情報、第1映像情報及び第2映像情報の座標カリブレーションを行う第5−3段階S530と;
前記第1映像情報及び第2映像情報に基づいて3次元空間映像情報を算出する第5−4段階S540と;
前記第1放射線情報及び第2放射線情報に基づいて3次元空間放射線情報を算出する第5−5段階S550と;
を含むことを特徴とする請求項13に記載の放射線3次元探知及び可視化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線3次元探知及び可視化装置及び方法に関し、具体的には、1つの放射線センサー及び1つのイメージセンサーのみを利用して3次元上での空間放射線情報を算出することができる放射線3次元探知及び可視化装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チェルノブイリ原電や福島原電の放射能漏出事故環境は、漏出された放射線による汚染に起因して大きい困難を経験している。漏出放射線源や放射能汚染源を処理するために多様な除染技術を開発中にあり、この技術は、今後持続的増加が予想される老朽原電の閉路作業過程でも必要である。
【0003】
放射線汚染源の除染のためには、まず、汚染源(放射線源)を捜す作業が先行されなければならないし、現在先進国では、放射線映像化装置(一名としてGamma Camera)が開発され、高価で市販中にある。この装置は、PMTや半導体センサー、またはCCDカメラなどを結合したセンシングモジュール(放射線センサー+イメージセンサー)を利用して放射線源の位置を探知し、実写映像に重畳ディスプレイをすることによって、放射線汚染源の除去に大きく寄与している。
【0004】
しかし、既存の放射線映像化装置を使用して放射線情報を抽出した後、放射線映像とイメージ映像(可視光映像)を重畳して映像化(可視化)する装置は、1つのセンシングモジュールを有しているので、放射線源の方向情報を提供するだけで、放射線源までの距離情報は得ることができないので、放射線源距離及び放射線源の強度を把握することができないという問題点がある。
【0005】
前記問題点を解決するために、ステレオタイプの2台のセンシングモジュールを利用して放射線源までの距離情報を抽出する装置が開発されているが、製造コストが高くなり、荷重が重くなるので、運用性及び商品性に制限をもたらすという問題点がある。
【0006】
特許文献1は、1つの立体放射光及び可視光映像融合装置においてレンズとコリメーターの交替なしに切り替え、交替による作業時間を低減し、交替過程で発生する放射能汚染可能性を最小化するかまたは遮断することができるレンズ/コリメーター切替構造を有する立体放射光及び可視光映像融合装置に関するものであって、本発明の技術的要旨を含んでいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】KR10−1309826B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置及び他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法は、前述した問題点を解決するために次のような解決課題を目的とする。
【0009】
従来の2台の放射線センシングモジュールを使用するか、または1台のセンシングモジュールで位置を移動して放射線3次元探知及び可視化を具現したステレオ放射線映像化装置において問題となる複雑な座標変換またはこれによるエラー発生を最小化することができる放射線3次元探知及び可視化装置及びこれを利用した放射線3次元探知及び可視化方法を提供することにある。
【0010】
本発明の解決課題は、以上で言及されたものに限定されず、言及されない他の解決課題は、下記の記載から当該技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置は、1つの放射線センサーを含む第1センシングモジュールと、1つのイメージセンサーを含む第2センシングモジュールと、一側及び他側に前記第1センシングモジュール及び前記第2センシングモジュールが垂直方向に回転自在に結合された第1支持体と、前記第1支持体が水平方向に回転自在に前記第1支持体と結合された第2支持体と、前記第1センシングモジュール及び第2センシングモジュールを垂直方向に回転させるチルトモーターと、前記第1支持体を水平方向に回転させるパンモーターとを含む。
【0012】
本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法は、本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置を利用した方法であって、前記放射線センサー及び前記イメージセンサーがスキャン対象領域に向けるように前記第1センシングモジュール及び前記第2センシングモジュールを配置する第1段階と、前記放射線センサーが前記スキャン対象領域の第1放射線情報を獲得し、前記イメージセンサーが前記スキャン対象領域の第1映像情報を獲得する第2段階と、前記第1センシングモジュール及び前記第2センシングモジュールを垂直方向に180度回転させ、前記第1支持体を水平方向に180度回転させる第3段階と、前記放射線センサーが前記スキャン対象領域の第2放射線情報を獲得し、前記イメージセンサーが前記スキャン対象領域の第2映像情報を獲得する第4段階と、前記第1放射線情報、第2放射線情報、第1映像情報及び第2映像情報に基づいて可視映像基盤の放射線源探知情報を立体化する第5段階とを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置及び他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法は、放射線センサーを具備した第1センシングモジュール及びイメージセンサーを具備した第2センシングモジュールを互いに対称となるように配置させ、第1センシングモジュールと第2センシングモジュールをパン/チルト方向に回転させるパン/チルトモーターを具備することによって、複雑な座標変換またはこれによるエラー発生を最小化することができる効果がある。
【0014】
また、放射線センサー及びイメージセンサーを共に具備する2個のセンシングモジュールを構成しなくてもよいので、コスト節減が可能であり、ひいては、小型化及び軽量化が可能であるという効果がある。
【0015】
本発明の効果は、以上で言及されたものに限定されず、言及されない他の効果は、下記の記載から当該技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来の放射線3次元探知及び可視化装置の斜視図である。
図2】従来の放射線3次元探知及び可視化装置の斜視図である。
図3】本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置の斜視図である。
図4】本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置の回転軸及び中心軸を説明するための図である。
図5】本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法を時系列的に示すフローチャートである。
図6】本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法において、放射線センサーがスキャン対象領域をスキャンし、第1放射線情報を獲得する方法を示す図である。
図7】本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法において、第1センシングモジュール及び第2センシングモジュールの回転によって第1センシングモジュール及び第2センシングモジュールの位置が変更する内容を説明するための図である。
図8】本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法において、放射線センサーがスキャン対象領域をスキャンし、第2放射線情報を獲得する方法を示す図である。
図9】本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法において、可視映像基盤の放射線源探知情報を立体化する段階を具体的に細分化したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面を参照して本発明による好ましい実施例を詳しく説明するが、参照符号に関係なく、同一または類似の構成要素は、同一の参照番号を付与し、これに対する重複される説明は省略する。
【0018】
また、本発明を説明するに際して、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすることができると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付の図面は、本発明の思想を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、添付の図面によって本発明の思想が制限されるものと解釈されてはならないことを留意しなければならない。
【0019】
以下、図1及び図2を参照して従来の放射線3次元探知及び可視化装置について簡単に説明する。図1及び図2は、従来の放射線3次元探知及び可視化装置の斜視図である。
【0020】
図1に示された放射線3次元探知及び可視化装置は、放射線源の距離情報を抽出するために2台のセンシングモジュール1、2を適用したステレオ方式の放射線3次元探知及び可視化装置である。すなわち、2台のセンシングモジュール1、2を利用して視差を有する2つの二次元映像を獲得し、この二枚の2次元映像から空間及び放射線源に対する3次元情報を計算することによって、放射線源の距離情報の獲得が可能になる。しかし、センシングモジュール1、2それぞれは、映像情報を獲得するためのイメージセンサー及び放射線情報を獲得するための放射線センサーを共に具備しなければならないが、このようなセンシングモジュール1、2は、放射線からセンサーを遮蔽するための高荷重の物質よりなるので、このような高荷重によって運用性及び商品性に制限をもたらす問題がある。
【0021】
前記問題点を解決するために1台のセンシングモジュールを利用してステレオタイプの構造を具現しようとする試みがあった。その一例として、左(右)側に位置する1つのセンシングモジュールで空間をスキャンした後、レールまたはベルトなどを利用して右(左)側に移動させた後、さらに放射線汚染空間をスキャンすることによって、1つのセンシングモジュールとして左/右側の2つのセンシングモジュールの機能を具現する方式が提案されたことがある。しかし、これも、センシングモジュールの移動のための追加的構成が要求されるから、放射線3次元探知及び可視化装置の高荷重化問題を解決するのに困難があった。
【0022】
前記問題点を解決するために、図2のような装置が提案されたことがあり、具体的に、2つのモーターと1つのセンシングモジュール5だけで構成され、ステレオ放射線映像化装置を具現する方式が採用された装置である。図2に示されたように、改善された放射線3次元探知及び可視化装置は、ベース部9と、ベース部9の上端に水平方向に回転自在に結合された支持体8と、前記支持体8の一側に垂直方向に回転自在に結合された1つのセンシングモジュール5とで構成されている。センシングモジュール5は、1つの放射線センサー6と1つのイメージセンサー7を含んでおり、左/右のうち一側空間をスキャンし、放射線情報及び映像情報を獲得し、その後、センシングモジュール5を垂直及び水平方向に180度回転させて左/右のうち他側空間をスキャンし、放射線情報及び映像情報を獲得する。それぞれ獲得された映像に基づいて映像処理を行い、最終的には、3次元放射線情報を獲得することができる。図2の装置は、図1の装置に比べて1つのセンシングモジュール5で構成されることによって、費用及び重量側面での長所を有しているが、放射線センサー6とイメージセンサー7が並んで配置されていて、中心軸が一致しない構造を取っているので、2つの放射線映像及び可視光映像上の映像重畳(Overlay)過程で複雑な座標変換が要求され、これにより、放射線情報3次元可視化過程にエラー発生可能性が高いという問題点がある。
【0023】
本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置及び他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法は、図1及び図2に示されたステレオタイプの放射線3次元探知及び可視化装置の問題点を解消するためのものであって、以下、図3及び図4を参照して本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置について説明する。図3は、本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置の斜視図であり、図4は、本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置の回転軸及び中心軸を説明するための図である。
【0024】
本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置は、図3に示されたように、第1センシングモジュール100、第2センシングモジュール200、第1支持体300及び第2支持体400を含む。第1センシングモジュール100には、1つの放射線センサー110が含まれ、第2センシングモジュール200には、1つのイメージセンサー210が含まれ、イメージセンサー210としては、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal−Oxide Semidonductor)センサーが適用されることができる。本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置は、図1及び図2の装置とは異なって、2つのセンシングモジュール100、200を具備し、且つ第1センシングモジュール100には、放射線センサー110のみを具備し、第2センシングモジュール200には、イメージセンサー210のみを具備する。
【0025】
第1支持体300は、第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200と結合される構成であって、具体的には、第1支持体300の一側に第1センシングモジュール100を結合させ、第1支持体の300の他側に第2センシングモジュール200を結合させる。これにより、放射線センサー110及びイメージセンサー210が第1支持体を中心に左/右に離隔して独立的に配置される。特に、第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200は、垂直方向に回転、すなわち、チルティング(Tilting)回転自在なように結合される。この際、第1支持体300には、第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200を垂直方向に回転させることができるチルトモーター(図示せず)を具備することが好ましい。特に、図4に示されたように、第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200は、同一の回転軸310を持って垂直方向に回転するように構成され、同一の速度で回転することによって、結局、1つのチルトモーターで第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200を同時に回転させるように構成することが好ましい。
【0026】
第2支持体400は、第1支持体300と結合される構成であって、具体的には、第1支持体300が水平方向に回転自在に結合される構成である。第2支持体400には、第1支持体300を水平方向に回転、すなわちパンニング(Panning)回転させるためにパンモーター(図示せず)を具備することによって、パンモーターがパンモーターの回転軸410を中心に第1支持体300を水平方向に回転させることによって、結局、第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200が同時に水平方向に回転する。また、チルトモーターによる第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200の垂直方向の回転とパンモーターによる第1支持体300の水平方向の回転が同時に行われるようにすることによって、さらに迅速且つ効率的な放射線3次元探知及び可視化を図ることが可能である。
【0027】
一方、前記第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200にそれぞれ配置されている放射線センサー110及びイメージセンサー210によって後述する第1放射線情報、第2放射線情報、第1映像情報及び第2映像情報を獲得することができ、本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置には、前記情報のうち少なくとも1つに基づいて可視映像基盤の放射線源探知情報を立体化する情報処理部をさらに含むことができる。このような情報処理部は、前記第1映像情報及び第2映像情報の視差(Disparity)の算出;前記第1放射線情報及び第2放射線情報の視差(Disparity)の算出;前記第1放射線情報、第2放射線情報、第1映像情報及び第2映像情報の座標カリブレーションの実行;前記第1映像情報及び第2映像情報に基づいて3次元空間映像情報の算出;及び前記第1放射線情報及び第2放射線情報に基づいて3次元空間放射線情報の算出;のうち少なくとも1つの機能を行うことが可能であり、詳しい内容は、本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法に対する説明で後述する。
【0028】
一方、第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200の配置と関連して図4を参照して具体的に説明する。第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200は、図4に示されたように、放射線センサー110の中心軸C1及び第1支持体300の回転軸410の間の距離aがイメージセンサー210の中心軸C2と第1支持体300の回転軸410の間の距離bが同一のように第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200を配置しなければならない。すなわち、 放射線センサー110の中心軸C1とイメージセンサー210の中心軸C2が第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200の垂直回転軸上に配置されるように構成されることが好ましい。これは、本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置の動作で後述するが、第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200が回転する前の放射線センサー110の中心軸C1及びイメージセンサー210の中心軸C2を、回転が完了した後の中心軸C1、C2と一致させることによって、放射線情報と可視光映像情報を重畳(Overlay)する場合、一致した座標の使用が可能なので、正確で且つ簡単な座標変換が可能になる。
【0029】
以下では、図5図9を参照して本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法について具体的に説明する。図5は、本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法を時系列的に示すフローチャートであり、図6は、本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法において、放射線センサー110がスキャン対象領域をスキャンし、第1放射線情報を獲得する方法を示す図であり、図7は、本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法において、第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200の回転によって第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200の位置が変更する内容を説明するための図であり、図8は、本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法において、放射線センサー110がスキャン対象領域をスキャンし、第2放射線情報を獲得する方法を示す図であり、図9は、本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法において、可視映像基盤の放射線源探知情報を立体化する段階を具体的に細分化したフローチャートである。
【0030】
本発明の他の実施例による放射線3次元探知及び可視化方法は、前述した本発明の一実施例による放射線3次元探知及び可視化装置を利用した方法であって、図5に示されたように、第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200の位置を初期化する第1段階S100と、第1放射線情報及び第1映像情報を獲得する第2段階S200と、第1センシングモジュール100、第2センシングモジュール200及び第1支持体300を回転させる第3段階S300と、第2放射線情報及び第2映像情報を獲得する第4段階S400と、可視映像基盤の放射線源探知情報を立体化する第5段階S500とを含む。以下では、前記各段階S100〜S500についてさらに具体的に説明する。
【0031】
前記第1段階S100は、放射線センサー110及びイメージセンサー210がスキャン対象領域500に向けるように第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200を配置させる段階であって、チルトモーター及びパンニングモーターを利用して第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200を回転させることによって、放射線センサー110及びイメージセンサー210がスキャン対象領域500を感知することができるようにすることが好ましい。以下では、第1段階での第1センシングモジュール100は、第1支持体300の左側に配置され、第2センシングモジュール200は、第1支持体300の右側に配置されるものと前提し、次の段階について後述する。
【0032】
第2段階S200では、まず、第2センシングモジュール200に含まれたイメージセンサー210がスキャン対象領域500を撮像し、第1映像情報を獲得する。その後、第1センシングモジュール100に含まれた放射線センサー110を用いてスキャン対象領域500をスキャンし、第1放射線情報を獲得する。特に、放射線センサー110を含んでいる第1センシングモジュール100を上下及び左右方向に移動させて、スキャン対象領域500の放射線情報を獲得し、これは、前述したチルトモーターを利用して第1センシングモジュール100を上下に回転させ、パンモーターを利用して第1支持体300を水平方向に回転させることによって、スキャン対象領域500をスキャンするようになり、この際、回転許容角度は、一般的に+/−20度程度に設定することが一般的である。このような放射線センサー110がスキャン対象領域500をスキャンする一例を図6を参照して具体的に説明すれば、まず、放射線センサー110の中心軸C1を初期設定位置からスキャン対象領域500の左上端C3に移動させる。この際、図6に示されたように、チルトモーター及びパンモーターを同時に駆動し、放射線センサー110の中心軸C1が初期設定位置からスキャン対象領域500の左上端まで最短経路L1に移動するようにすることが好ましい。その後、放射線センサー110がスキャンを開始し、図6に示されたように、ジグザグ経路L2に沿ってスキャン対象領域500をスキャンし、スキャン対象領域500の右すみというC4までスキャンが行われた後、スキャニングを終了することによって、第1放射線情報を獲得する。
【0033】
第3段階S300では、第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200をチルトモーターを利用して垂直方向に180度回転させ、第1支持体300をパンモーターを利用して水平方向に180度回転させる。具体的に第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200が垂直方向に180度回転すれば、放射線センサー110及びイメージセンサー210は、それぞれスキャン対象領域500の反対方向に向けるようになり、この状態で第1支持体300が水平方向に180度回転すれば、放射線センサー110及びイメージセンサー210は、スキャン対象領域500に向けるようになるが、最初設定位置とは異なって、放射線センサー110及びイメージセンサー210は、それぞれ右側及び左側に配置される。このような第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200の水平及び垂直回転は、チルトモーター及びパンモーターを同時に駆動させることによって、図7に示されたように、前記過程が同時に行われるようにすることが、回転時間の短縮を考慮すれば好ましい。このような第1センシングモジュール100及び第2センシングモジュール200の垂直、水平方向への180度移動によって放射線センサー110及びイメージセンサー210の左/右位置が変わるようになり、この場合、イメージセンサー210の撮像面が最初設定に対して上下及び左右反転される。
【0034】
第4段階S400では、第1センシングモジュール100に含まれた放射線センサー110を通じてスキャン対象領域500をスキャンし、第2放射線情報を獲得する。放射線センサー110の位置が第3段階S300の実行によって水平回転軸を中心に左側から右側に変更されたから、第4段階S400での放射線センサー110のスキャン対象領域は、第2段階S200での放射線センサー110のスキャン対象領域と一致せず、第2段階S200でのイメージセンサー210の撮像領域とは一致する。特に、放射線センサー110を含んでいる第1センシングモジュール100を上下及び左右方向に移動させて、スキャン対象領域500の放射線情報を獲得するようになり、これは、第2段階S200での既に説明した内容と重複される部分に対する説明は省略する。特に、第4段階S400で放射線センサー110でスキャン対象領域500をスキャンする様々な例を図8を参照して説明すれば、まず、第2段階S200での放射線センサー110のスキャン以後の中心点C4を開始点C5としてスキャンを開始し、且つ、図8aのように、ジグザグ経路L2を通じてスキャン対象領域500の全体をスキャンする方法がある。また、放射線センサー110のスキャン時間を最小化するために、図8b及び図8cのように、第2段階S200で抽出された放射線映像情報を活用して放射線領域510の位置を中心にスキャンを進行することが可能である。具体的に、図8bのように、放射線センサー110の中心軸C1が第2段階S200で確認された放射線領域510のエッジ(Edge)に近接する座標C6に移動できるように、第1センシングモジュール100をチルトモーター及びパンモーターを利用してスキャンなしに移動させ、エッジ(Edge)に近接する座標C6から放射線源スキャン経路L2に沿ってスキャンを開始することができる。さらに、第2段階S200で抽出された放射線映像情報を確認した結果、放射線が小さいと判断される場合なら、図8cのように、スキャンなしに開始点C5から放射線領域510に近接する座標C6に放射線センサー110の中心軸C1を移動させた後、放射線領域510をX軸方向へのラインに沿って簡単にスキャンを行うことによって、放射線センサー110のスキャン時間をさらに短縮することが可能である。前述した過程を通じて、放射線センサー110は、第2放射線情報を獲得する。その後、チルトモーター及びパンモーターを利用して放射線センサー110の中心軸C1及びイメージセンサー210の中心軸C2を第1段階で設定された位置に移動させ、イメージセンサー210を利用してスキャン対象領域500を撮像することによって、第2映像情報を獲得する。イメージセンサー210の位置が第3段階S300の実行によって水平回転軸を中心に右側から左側に変更されたから、第4段階S400でのイメージセンサー210の撮像領域は、第2段階S200でのイメージセンサー210の撮像領域とは一致せず、第2段階S200での放射線センサー110のスキャン領域と一致する。
【0035】
第5段階S500では、第2段階S200及び第4段階S400で獲得した第1放射線情報、第2放射線情報、第1映像情報及び第2映像情報に基づいて可視映像基盤の放射線源探知情報を立体化する。第5段階をさらに細分化して具体的に説明すれば、まず、第1映像情報及び第2映像情報の視差(Disparity)を算出する第5−1段階S510が行われる。この際、前述したように、第1映像情報及び第2映像情報は、互いに上下及び左右反転されているから、第2映像情報の反転が行われるべきである。次に、第1放射線情報及び第2放射線情報の視差(Disparity)を算出する。第5−1段階S510及び第5−2段階S520で算出されたそれぞれの視差(Dispartiry)は、3次元映像の獲得及び放射線源の距離を算出するのに基礎となる。また、第1映像情報、第2映像情報、第1放射線情報及び第2放射線情報の座標カリブレーションを行う第5−3段階S530を行うようになり、また、第1映像情報及び第2映像情報に基づいて3次元空間映像情報を算出する第5−4段階S540及び第1放射線情報及び第2放射線情報に基づいて3次元空間放射線情報を算出する第5−5段階S550が行われる。このような各段階を経て、結局、3次元空間映像情報に3次元空間放射線情報を重畳(Overlay)させることによって、放射線源の位置を3次元空間上で可視化することができる。
【0036】
本明細書で説明される実施例と添付される図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を例示的に説明するものに過ぎない。したがって、本明細書に開示された実施例は、本発明の技術的思想を限定するためのものではなく、説明するためのものなので、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではないことは自明である。本発明の明細書及び図面に含まれた技術的思想の範囲内で当該技術分野における通常の知識を有する者が容易に類推することができる変形例と具体的な実施例は、いずれも本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0037】
100 第1センシングモジュール
110 放射線センサー
200 第2センシングモジュール
210 イメージセンサー
300 第1支持体
400 第2支持体
500 スキャン対象領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9