特許第6095307号(P6095307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095307
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 5/01 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   B60C5/01 A
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-203654(P2012-203654)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-58199(P2014-58199A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 政弘
(72)【発明者】
【氏名】宮本 健史
【審査官】 細井 龍史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03208500(US,A)
【文献】 特開昭52−047203(JP,A)
【文献】 米国特許第04006767(US,A)
【文献】 特開2010−285113(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02261063(EP,A1)
【文献】 特開昭61−030403(JP,A)
【文献】 特開昭59−053209(JP,A)
【文献】 米国特許第04428411(US,A)
【文献】 特開昭63−291709(JP,A)
【文献】 米国特許第03734157(US,A)
【文献】 特開昭54−008302(JP,A)
【文献】 特開平11−189019(JP,A)
【文献】 特開平03−079401(JP,A)
【文献】 特開平03−143701(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00425299(EP,A1)
【文献】 米国特許第00320850(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏面を構成するトレッドゴムと、
前記トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配されるクラウン部、前記クラウン部のタイヤ幅方向両側からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部、及び、前記サイドウォール部のタイヤ径方向内側に連なり、リムのビードシート部の外周にセットされる一対のビード部を有し、樹脂により形成されたシェルとを備え、
前記シェルのクラウン部にタイヤ内面から突出した多数のリブが設けられ、その多数のリブがタイヤ周方向に沿って延び且つタイヤ幅方向に間隔を置いて櫛歯状に配置されていて、
タイヤ赤道を含むセンター領域に設けられた前記リブの体積を、前記センター領域のタイヤ幅方向外側に位置するショルダー領域に設けられた前記リブの体積と異ならせており、
前記センター領域に設けられた前記リブの体積が、前記ショルダー領域に設けられた前記リブの体積よりも大きく、
前記センター領域に設けられた前記リブの幅が、前記ショルダー領域に設けられた前記リブの幅よりも大きい空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記センター領域に設けられた前記リブの幅が、前記ショルダー領域に設けられた前記リブの幅の2倍以上である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂により形成されたシェルによりタイヤ骨格が構成された空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
一般の空気入りタイヤでは、複数のコードをゴム被覆してなるカーカスプライによりタイヤ骨格が構成され、タイヤ内面に設けられたインナーライナーゴムにより空気圧が保持される。また、タイヤのクラウン部には、カーカスプライを補強するためのベルトや、周方向剛性を高めるためのベルト補強層などのコード補強材が設けられる。
【0003】
一方、タイヤの軽量化や製造コストの低減などを目的として、カーカスプライやインナーライナーゴムを具備せずに、タイヤ形状を有するシェルによりタイヤ骨格を構成した空気入りタイヤも提案されている(例えば、特許文献1〜4)。シェルは、例えばポリウレタンなどの樹脂材料により形成され、その製造には注型や射出成型が利用される。
【0004】
ところが、そのようなシェルが骨格をなすタイヤでは、クラウン部の周方向剛性が不足しがちで、インフレート時の形状安定性が不十分であることが判明した。これによりトレッド曲率が適正に調整されないと、耐偏摩耗性能や操縦安定性能の低下などタイヤ性能の悪化を生じるため、インフレートによる径成長を制御する手立てが必要である。但し、クラウン部を単に増厚する手法は、タイヤ質量の過分な増加を伴うために実用的でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭59−74105号公報
【特許文献2】特開昭64−56204号公報
【特許文献3】特開平3−143701号公報
【特許文献4】特開2011−42091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タイヤ質量の増加を抑えながら、インフレート時の形状安定性を高めることができる空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、踏面を構成するトレッドゴムと、前記トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配されるクラウン部、前記クラウン部のタイヤ幅方向両側からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部、及び、前記サイドウォール部のタイヤ径方向内側に連なり、リムのビードシート部の外周にセットされる一対のビード部を有し、樹脂により形成されたシェルとを備え、前記シェルのクラウン部にタイヤ内面から突出した多数のリブが設けられ、その多数のリブがタイヤ周方向に沿って延び且つタイヤ幅方向に間隔を置いて櫛歯状に配置されているものである。
【0008】
かかる構成によれば、タイヤ内面に設けた多数のリブによって、クラウン部の周方向剛性を向上できる。これにより、インフレートによる径成長を抑制して、形状安定性が高められる。しかも、リブはタイヤ幅方向に間隔を置いて櫛歯状に配置されるため、クラウン部を単に増厚する場合に比べてタイヤ質量の増加を抑えられる。また、クラウン部のタイヤ外面ではなくタイヤ内面にリブを設けていることから、トレッドゴムの形状等に影響を及ぼさずに済む。
【0009】
本発明では、タイヤ赤道を含むセンター領域に設けられた前記リブの体積を、前記センター領域のタイヤ幅方向外側に位置するショルダー領域に設けられた前記リブの体積と異ならせている。これにより、センター領域とショルダー領域の夫々に応じた径成長の抑制を図ることができるため、トレッド曲率を適正に調整するうえで都合がよい。
【0010】
上記においては、前記センター領域に設けられた前記リブの体積が、前記ショルダー領域に設けられた前記リブの体積よりも大きい。シェルが骨格をなすタイヤでは、センター領域の径成長が相対的に大きくなってトレッド曲率が増大しやすいのに対し、上記構成によれば、センター領域の径成長を相対的に抑えてトレッド曲率を小さくできるため、トレッド曲率を適正に調整するうえで都合がよい。
【0011】
上記においては、前記センター領域に設けられた前記リブのタイヤ内面からの突出量が、前記ショルダー領域に設けられた前記リブのタイヤ内面からの突出量よりも大きいものが好ましい。かかる構成によれば、センター領域の径成長を効果的に抑えて、インフレート時の形状安定性を良好に高めることができる。
【0012】
本発明では、タイヤ赤道を含むセンター領域に設けられた前記リブのタイヤ内面からの突出量が、そのリブの幅よりも大きいことが好ましい。かかる形状のリブによれば、クラウン部の周方向剛性の向上効果が高められ、その結果、センター領域の径成長を効果的に抑えて、インフレート時の形状安定性を良好に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図(但し、本発明に含まれるものではない)
図2】リブの変形例を示す断面図
図3】リブの変形例を示す断面図(但し、本発明に含まれるものではない)
図4】リブの変形例を示す断面図(但し、本発明に含まれるものではない)
図5】リブの変形例を示す断面図(但し、本発明に含まれるものではない)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明は、図2に示すようにセンター領域に設けられたリブの幅がショルダー領域に設けられたリブの幅よりも大きいものであるが、図1において、かかる構造を有しない場合について、この空気入りタイヤの構成を予め説明する。
【0015】
図1に示した空気入りタイヤTは、踏面を構成するトレッドゴム1と、樹脂により形成されたシェル2を備える。シェル2は、トレッドゴム1のタイヤ径方向内側に配されるクラウン部23、クラウン部23のタイヤ幅方向両側からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部22、及び、サイドウォール部22のタイヤ径方向内側に連なり、リム9のビードシート部91の外周にセットされる一対のビード部21を有する。
【0016】
トレッドゴム1は、シェル2のクラウン部23のタイヤ径方向外側に接合されている。トレッドゴム1とシェル2のクラウン部23との間には、例えば接合力を高める接着剤などの接合材や、弾力性を高めるクッションゴムなどの弾性材を介在させてもよい。図示していないが、踏面となるトレッドゴム1の表面には、ブロックやリブなどの陸部を区分する溝部が設けられ、要求されるタイヤ性能や使用条件に応じたトレッドパターンが、シェル2との接合前または接合後に形成される。
【0017】
このタイヤTは、一般の空気入りタイヤが備えているカーカスプライやインナーライナーゴムを有しておらず、トロイダル状のシェル2がタイヤ骨格を構成している。タイヤ内腔8にはシェル2が面するとともに、ビード部21がビードシート部91に密着することにより、タイヤ内部の空気の漏洩が防止される。図1ではシェル2が一体的な構造として描かれているが、複数の分割片の組み合わせにより構成してもよく、例えばクラウン部23をタイヤ幅方向に二分割または三分割とした割り構造の採用が可能である。
【0018】
タイヤTは、一般の空気入りタイヤが備えているベルトやベルト補強層などのコード補強材を有しておらず、トレッドゴム1とシェル2のクラウン部23との間には、金属コードや有機繊維コードを含まない部材のみが配されている。ベルトやベルト補強層、不織布、織布からなる補強材の貼付または埋設によりシェル2を補強することは構わないが、軽量化のためには補強材を省略することが好ましい。シェル2の断面形状は、タイヤサイズや車種、用途などに応じて種々に設定され、扁平率などは適宜に変更可能である。
【0019】
シェル2を形成する樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が例示される。熱可塑性樹脂はリサイクル性に優れ、熱硬化性樹脂は耐熱性に優れる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、フッ素樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、ポリイミド、尿素樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。更に、シェル2を形成する樹脂の物性値としては、100%モジュラス(M100)が100MPa以上であるものが好ましい。これによりクラウン部23の厚みT1を小さく(例えば0.5〜3.0mm)しながらも、後述するリブ3の採用によりインフレート時の形状安定性を良好に高められる。上記のM100は、JIS K6301に準拠して3号ダンベルを用いて測定される。
【0020】
リム9に対するタイヤTの嵌合力を高めるために、ビード部21には環状のビードコア21aが埋設されている。ビードコア21aの材料としては、ゴムや樹脂で被覆した金属コード又は有機繊維コード、硬質樹脂、硬質ゴムが例示される。リム9に対するタイヤTの嵌合力が確保されるものであれば、ビードコア21aを省略しても構わない。
【0021】
シェル2のクラウン部23には、タイヤ内面から突出した多数のリブ3が設けられ、その多数のリブ3がタイヤ周方向に沿って延び且つタイヤ幅方向に間隔を置いて櫛歯状に配置されている。リブ3の本数は、特に限られないが、好ましくは3本以上であり、より好ましくは4本以上であり、更に好ましくは8本以上である。リブ3は、シェル2のクラウン部23におけるタイヤ内面を局部的に隆起させてなり、注型や射出成型によりシェル2を製造するときに一体的に成形できる。
【0022】
このような多数のリブ3を設けていることにより、クラウン部23の周方向剛性を向上でき、延いてはインフレートによる径成長を抑制して形状安定性を高められる。しかも、リブ3はタイヤ幅方向に間隔を置いて櫛歯状に配置されるため、クラウン部23を単に増厚する場合に比べてタイヤ質量の増加を抑えられる。また、クラウン部23のタイヤ外面ではなくタイヤ内面にリブ3を設けていることから、トレッドゴム1の形状等に影響を及ぼさずに済む。
【0023】
図1の例では、リブ3のタイヤ内面からの突出量P1が一律に設定されている。突出量P1は、タイヤ断面高さの3%以上且つ30%以下が好ましい。突出量P1がタイヤ断面高さの3%を下回ると、径成長の抑制効果が小さくなる傾向にある。突出量P1がタイヤ断面高さの30%を上回ると、タイヤ質量が増す傾向にある。リブ3の非設定箇所でのクラウン部23の厚みT1に対し、リブ3の設定箇所でのクラウン部23の厚みT2は、例えば5〜30倍である。
【0024】
リブ3の幅W1は、トレッド幅(トレッドゴム1のトレッド端Eの一方から他方までの幅寸法)の2%以上且つ50%以下が好ましい。幅W1がトレッド幅の2%を下回ると、径成長の抑制効果が小さくなる傾向にある。幅W1がトレッド幅の50%を上回ると、タイヤ質量が増す傾向にある。リブ3の間隔Dは、トレッド幅の2%以上且つ10%以下が好ましい。間隔Dがトレッド幅の2%を下回るとタイヤ質量が増し、トレッド幅の10%を上回ると径成長の抑制効果が小さくなる傾向にある。
【0025】
リブ3は、タイヤ周方向に沿って連続的に延びるものが好ましく、個々に環状をなすものに限られず、ねじ山のように螺旋状に延在するものでも構わない。リブ3の断面形状としては、三角形状や半円形状など他の形状も採用可能であるが、クラウン部23の周方向剛性を向上して径成長の抑制効果を発現するうえでは、本実施形態のような矩形状や、断面二次モーメントが高いI形状又はH形状(タイヤ子午線断面にてI字状又はH字状をなす形状)、矩形中抜き形状(タイヤ周方向で部分的に中抜きを有する矩形状)などが好ましい。また、タイヤ赤道CLを含むセンター領域Ce(図2〜5参照)に設けられるリブ3においては、突出量P1が幅W1よりも大きいことが好ましい。
【0026】
図2〜5は、タイヤ赤道CLを含むセンター領域Ceに設けられたリブ3の体積を、センター領域Ceのタイヤ幅方向外側に位置するショルダー領域Shに設けられたリブ3の体積と異ならせた変形例である。ここで、センター領域Ceは、トレッド端E(トレッドゴム1のタイヤ幅方向外側端)とタイヤ赤道CLとの間の領域を二等分する位置に両端を有し、ショルダー領域Shは、センター領域Ceの両端からトレッド端Eに至る。
【0027】
図2,3の変形例では、センター領域Ceに設けられたリブ3cの体積が、ショルダー領域Shに設けられたリブ3sの体積よりも大きい。シェル2が骨格をなすタイヤにおいては、センター領域Ceの径成長が相対的に大きくなってトレッド曲率が増大しやすいのに対し、かかる構成によれば、センター領域Ceの径成長を相対的に抑えてトレッド曲率を小さくできるため、トレッド曲率を適正に調整するうえで都合がよい。
【0028】
図2の例では、センター領域Ceに設けられたリブ3cの幅W2が、ショルダー領域Shに設けられたリブ3sの幅W3よりも大きい。リブ3c及びリブ3sは、一律の突出量を有しているが、幅寸法の違いにより体積に差異が生じている。これにより、後述する実施例のように、センター領域Ceの径成長を効果的に抑えて、インフレート時の形状安定性を良好に高めることができる。幅W2は、幅W3の2倍以上が好ましい。また、幅W3の好ましい範囲は、上述した幅W1と同じである。
【0029】
図3の例では、センター領域Ceに設けられたリブ3cのタイヤ内面からの突出量P2が、ショルダー領域Shに設けられたリブ3sのタイヤ内面からの突出量P3よりも大きい。リブ3c及びリブ3sは、一律の幅を有しているが、突出量の違いにより体積に差異が生じている。これにより、後述する実施例のように、センター領域Ceの径成長を効果的に抑えて、インフレート時の形状安定性を良好に高めることができる。突出量P2は、突出量P3の2倍以上が好ましい。突出量P3の好ましい範囲は、上述した突出量P1と同じである。
【0030】
一方で、場合によっては、図4,5の変形例のように、ショルダー領域Shに設けられたリブ3sの体積を、センター領域Ceに設けられたリブ3cの体積よりも大きくし、それによりトレッド曲率を調整することも可能である。図4の例では、センター領域Ceに設けられたリブ3cの幅W4が、ショルダー領域Shに設けられたリブ3sの幅W5よりも小さい。図5の例では、センター領域Ceに設けられたリブ3cのタイヤ内面からの突出量P4が、ショルダー領域Shに設けられたリブ3sのタイヤ内面からの突出量P5よりも小さい。
【0031】
上記の他、センター領域Ceとショルダー領域Shの夫々に応じて径成長を抑制する手法としては、リブ3の間隔Dを異ならせることが挙げられる。例えば、図1において、センター領域におけるリブ3の間隔Dを相対的に小さくし、ショルダー領域におけるリブ3の間隔Dを相対的に大きくすることにより、センター領域の径成長を相対的に抑えてトレッド曲率を小さくでき、トレッド曲率を適正に調整するうえで都合がよい。
【0032】
リブ3が設けられる領域の幅寸法、具体的にはタイヤ幅方向最外側における一方のリブ端REから他方のリブ端REまでの幅寸法は、トレッド幅の55〜95%が好ましく、65〜80%がより好ましい。また、多数のリブが櫛歯状に配置されているものであれば、クラウン部のタイヤ内面における一部の領域、例えばセンター領域のみ、またはショルダー領域のみにリブが設けられたものでも構わない。
【0033】
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【実施例】
【0034】
本発明の効果を確認するために、インフレート時の形状安定性を調査したので、以下に説明する。形状安定性は、インフレート前の外径が592mmであるタイヤに対し、内圧が50kPaになるまで空気を充填(インフレート)したときのタイヤ形状(タイヤ外径、踏面の曲率半径、接地形状)に基づいて評価した。リブの形態を除いて各例におけるタイヤ構造は共通しており、具体的には図1に示した通りである。
【0035】
評価項目にある接地形状は、荷重3.7kNを加えたときの、タイヤ赤道上で測定されるセンター領域の接地長に対する、接地端からタイヤ幅方向内側に10mmのラインで測定されるショルダー領域の接地長の比(ショルダー/センター)であり、数値が大きいほど良好である。評価結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
表1に示すように、実施例及び参考例1〜4では、いずれもタイヤ外径が比較例よりも小さく、インフレートによる径成長が抑制されている。特に実施例及び参考例2では、インフレートによる径成長を効果的に抑制されたことで、トレッド曲率を小さく(曲率半径を大きく)できている。これは、シェルが骨格をなすタイヤにおいては、望ましい傾向にあると言える。

【符号の説明】
【0038】
1 トレッドゴム
2 シェル
3 リブ
9 リム
21 ビード部
22 サイドウォール部
23 クラウン部
91 ビードシート部
T 空気入りタイヤ
図1
図2
図3
図4
図5