特許第6095329号(P6095329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6095329シリンダ駆動装置およびこれを具備したゲート設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095329
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】シリンダ駆動装置およびこれを具備したゲート設備
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/15 20060101AFI20170306BHJP
   F15B 15/22 20060101ALI20170306BHJP
   F15B 15/14 20060101ALI20170306BHJP
   E02B 7/20 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   F15B11/15
   F15B15/22 E
   F15B15/14 355Z
   F15B15/14 360
   E02B7/20 102
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-248890(P2012-248890)
(22)【出願日】2012年11月13日
(65)【公開番号】特開2014-98398(P2014-98398A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】594117995
【氏名又は名称】三基工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501481621
【氏名又は名称】株式会社ノムラフォーシーズ
(73)【特許権者】
【識別番号】507039774
【氏名又は名称】株式会社東京建設コンサルタント
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神谷 靖
(72)【発明者】
【氏名】野村 康博
(72)【発明者】
【氏名】巻幡 敏秋
(72)【発明者】
【氏名】田辺 卓朗
【審査官】 柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−51106(JP,A)
【文献】 特開昭58−39804(JP,A)
【文献】 特開2000−130408(JP,A)
【文献】 特開2004−308289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/15
E02B 7/20
F15B 15/14
F15B 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドを前後方向に出退させ得る流体圧シリンダを備えるとともに、当該流体圧シリンダを連続して駆動するシリンダ駆動装置であって、
上記流体圧シリンダが、シリンダチューブの前後端に取り付けられた前後のカバーと、シリンダチューブの内部でロッドに接続されて前後方向に移動可能なピストンと、シリンダチューブの内部でピストンの前後から流体を給排する前後の給排ポートとを有し、
上記ピストンの前後面にプランジャが突設されるとともに、上記カバーにプランジャを嵌合させ得る嵌合凹部が形成されて、前後の移動限に達したピストンによる流体の圧力上昇が急激になるように構成され、
上記前後のカバーと前後の移動限に達した上記ピストンとの衝撃をやわらげるとともに、上記流体の急激な圧力上昇を調整し得る緩衝部が設けられ、
流体を一方の給排ポートから供給しつつ他方の給排ポートから排出する回路と、流体を他方の給排ポートから供給しつつ一方の給排ポートから排出する回路とを切り換え得る切換弁を備え、
上記切換弁が、上記調整された急激な圧力上昇となった流体により直接的に上記回路を切り換えるように構成されていることを特徴とするシリンダ駆動装置。
【請求項2】
給排ポートからの流体を急速に排出可能な急速排出弁が上記回路に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ駆動装置。
【請求項3】
上記緩衝部が、上記カバーのピストン側の面から嵌合凹部まで連通する流路と、この流路を通過する流体の流量を調整し得る弁体とを有することを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダ駆動装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリンダ駆動装置と、このシリンダ駆動装置により開閉されるゲートとを具備したゲート設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ駆動装置およびこれを具備したゲート設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水門などのゲート設備は、非常時に使用されるもので、一般の機械設備とは異なり、頻繁に使用されるものではない。しかしながら、ゲート設備は、高潮や洪水など人命に関わる状況で使用されるので、動作の安定性、つまり故障しにくさが要求される。
【0003】
大型のゲート設備に使用されるゲート開閉駆動ユニットとしては、2本の流体圧シリンダを使用するとともに、これら流体圧シリンダに接続される給排管に介在された切換弁を、上記流体圧シリンダにより駆動される駆動軸に連動して切り換えるようにしたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−308289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載のゲート開閉駆動ユニットは、正確に説明すると、駆動軸を回転中心としたクランクアームが設けられ、当該クランクアームの先端が切換弁に作用するように構成されている。このように、流体圧シリンダと切換弁との間にクランクアームという機械的な構成を介在させると、クランクアームに不具合が発生した場合、切換弁が作動しなくなる。このため、上記ゲート開閉駆動ユニットには、故障の発生を低減しきれていないという問題がある。
【0006】
また仮に、クランクアームという機械的な構成ではなく、センサのような電気的な構成を介在させたとしても、センサに不具合が発生した場合、同様に切換弁が作動しなくなる。このため、上記ゲート開閉駆動ユニットには、機械的な構成の替わりに電気的な構成を用いても、故障の発生を低減しきれていないという問題がある。
【0007】
さらに、上記ゲート開閉駆動ユニットは、流体圧シリンダのクッション圧の調整ができないので、高いクッション圧を必要とする高速の連続駆動に適していないという問題もある。
【0008】
そこで、本発明は、高速の連続駆動に適し、故障の発生を低減させることができるシリンダ駆動装置およびこれを具備して確実にゲートを開閉することができるゲート設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に係る本発明のシリンダ駆動装置は、ロッドを前後方向に出退させ得る流体圧シリンダを備えるとともに、当該流体圧シリンダを連続して駆動するシリンダ駆動装置であって、
上記流体圧シリンダが、シリンダチューブの前後端に取り付けられた前後のカバーと、シリンダチューブの内部でロッドに接続されて前後方向に移動可能なピストンと、シリンダチューブの内部でピストンの前後から流体を給排する前後の給排ポートとを有し、
上記ピストンの前後面にプランジャが突設されるとともに、上記カバーにプランジャを嵌合させ得る嵌合凹部が形成されて、前後の移動限に達したピストンによる流体の圧力上昇が急激になるように構成され、
上記前後のカバーと前後の移動限に達した上記ピストンとの衝撃をやわらげるとともに、上記流体の急激な圧力上昇を調整し得る緩衝部が設けられ、
流体を一方の給排ポートから供給しつつ他方の給排ポートから排出する回路と、流体を他方の給排ポートから供給しつつ一方の給排ポートから排出する回路とを切り換え得る切換弁を備え、
上記切換弁が、上記調整された急激な圧力上昇となった流体により直接的に上記回路を切り換えるように構成されているものである。
【0010】
また、請求項2に係る本発明のシリンダ駆動装置は、請求項1に記載のシリンダ駆動装置において、給排ポートからの流体を急速に排出可能な急速排出弁が上記回路に設けられたものである。
【0011】
さらに、請求項3に係る本発明のシリンダ駆動装置は、請求項1または2に記載の上記緩衝部が、上記カバーのピストン側の面から嵌合凹部まで連通する流路と、この流路を通過する流体の流量を調整し得る弁体とを有するものである。
【0012】
また、請求項4に係る本発明のゲート設備は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリンダ駆動装置と、このシリンダ駆動装置により開閉されるゲートとを具備したものである。
【発明の効果】
【0013】
上記シリンダ駆動装置によると、高速の連続駆動に適し、故障の発生を低減させることができる。また、上記シリンダ駆動装置を具備したゲート設備によると、確実にゲートを開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例1に係るシリンダ駆動装置における空圧クッションシリンダおよびこれに接続された空圧機器の回路図である。
図2】同空圧クッションシリンダの詳細を示す縦断面図であり、手動切換弁の切換前において、(a)がピストンロッドの突出時を示す図、(b)がピストンロッドの引退時を示す図である。
図3】同空圧クッションシリンダの詳細を示す縦断面図であり、手動切換弁の切換後において、(a)がピストンロッドの引退時を示す図、(b)がピストンロッドの突出時を示す図である。
図4】同シリンダ駆動装置を用いたエンジンを示す図であり、(a)が側面断面図、(b)が斜視図である。
図5】本発明の実施例1および2に係るシリンダ駆動装置を具備した横引きゲート設備を示す図であり、(a)が平面図、(b)が一部切欠き正面図である。
図6】本発明の実施例2に係るシリンダ駆動装置における空圧クッションシリンダおよびこれに接続された空圧機器の回路図である。
図7】本発明の実施例3に係るシリンダ駆動装置における空圧クッションシリンダおよびこれに接続された空圧機器の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の実施例1に係るシリンダ駆動装置およびこれを具備したゲート設備について説明する。
まず、このシリンダ駆動装置について説明した後、このシリンダ駆動装置を具備したゲート設備について説明する。
【0016】
図1に示すように、このシリンダ駆動装置は、空圧クッションシリンダ1と、空圧機器41〜45と、これら空圧クッションシリンダ1および空圧機器41〜45を接続する空圧回路とを備えている。
【0017】
上記空圧クッションシリンダ1は、長円筒形のシリンダチューブ11を備えたシリンダ本体10と、このシリンダチューブ11の内部で長手方向に移動自在なピストン部21とから構成されている。
【0018】
上記シリンダ本体10は、シリンダチューブ11の一端部の開口を覆うフロントカバー12Fと、シリンダチューブ11の他端部の開口を覆うリヤカバー12Rと、シリンダチューブ11の円周面に取り付けられてシリンダチューブ11内の圧縮気体(例えば窒素ガス)を給排する2つのポート(給排気ポート)20F,20Rとを備えている。ここで、以下では、フロントカバー12F側(つまりロッド側)を前側、リヤカバー12R側(つまりキャップ側)を後側という。上記2つのポート20F,20Rは、フロントカバー12Fの後面に向けて取り付けられた前ポート20Fと、リヤカバー12Rの前面に向けて取り付けられた後ポート20Rとであり、一方/他方のポート(20F/20R)で給気しつつ他方/一方のポート(20R/20F)で排気するものである。
【0019】
図2および図3に示すように、上記ピストン部21は、シリンダチューブ11の内周面に摺動しながら当該シリンダチューブ11の内部を前後に移動し得る短円柱形のピストン22と、このピストン22の前後面にそれぞれ突設された前後のクッションプランジャ23F,23Rと、前のクッションプランジャ23Fに取り付けられるとともに上記フロントカバー12Fを貫通して前方に伸びたピストンロッド24とを有している。上記前後のクッションプランジャ23F,23Rは、いずれも短円柱形である。
【0020】
上記フロントカバー12Fの後面側には、前のクッションプランジャ23Fと略同一形状で当該クッションプランジャ23Fよりも僅かに大きい開口の嵌合凹部13Fと、ピストンロッド24を貫通させるロッド穴14と、ピストン22との衝撃をやわらげる緩衝ゴム(緩衝部の一例である)31と、シリンダチューブ11に隣接してピストン22とフロントカバー12Fとの隙間になる起動用加圧溝15Fとが、シリンダ軸心の周囲に同一軸心上に形成されている。また、フロントカバー12Fの後面側には、前ポート20Fから嵌合凹部13Fまで連通した連通溝16Fが形成されている。このため、この連通溝16Fは、前ポート20Fからの圧縮気体を起動用加圧溝15Fおよび嵌合凹部13Fまで案内して、ピストン22をスムーズに反転(逆転)移動させるものである。なお、上記フロントカバー12Fの外周側には、シリンダチューブ11に嵌合固定させるためのねじ部17Fが形成されるとともに、このねじ部17Fの後側に形成されたシール溝18Fにシールリング19Fが装着されている。
【0021】
上記リヤカバー12Rの前面側には、後のクッションプランジャ23Rと略同一形状で当該クッションプランジャ23Rよりも僅かに大きい開口の嵌合凹部13Rと、ピストン22との衝撃をやわらげる緩衝ゴム(緩衝部の一例である)31と、シリンダチューブ11に隣接してピストン22とフロントカバー12Fとの隙間になる起動用加圧溝15Rとが、シリンダ軸心の周囲に同一軸心上に形成されている。また、リヤカバー12Rの前面側には、後ポート20Rから嵌合凹部13Rまで連通した連通溝16Rが形成されている。このため、この連通溝16Rは、後ポート20Rからの圧縮気体を起動用加圧溝15Rおよび嵌合凹部13Rまで案内して、ピストン22をスムーズに反転(逆転)移動させるものである。なお、上記リヤカバー12Rの外周側には、シリンダチューブ11に嵌合固定させるためのねじ部17Rが形成されるとともに、このねじ部17Rの前側に形成されたシール溝18Rにシールリング19Rが装着されている。
【0022】
ここで、上記クッションプランジャ23F,23Rは短円柱形として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記クッションプランジャ23F,23Rは、嵌合凹部13R,13Fに入り込んだ時に当該嵌合凹部13R,13Fの圧縮気体の圧力上昇が急激になるように構成されていればよく、短角柱形などであってもよい。また、上記緩衝ゴム31は、それぞれ嵌合凹部13F,13Rの縁に沿って配置されている。上記緩衝ゴム31の厚さおよび硬度は、クッションプランジャ23F,23Rが嵌合凹部13F,13Rに入り込んだ時の圧縮気体の急激な圧力上昇が適切になるようにされている。すなわち、上記緩衝ゴム31は、その厚さおよび硬度により、嵌合凹部13F,13Rの圧縮気体の急激な圧力上昇を調整するものである。
【0023】
次に、上記空圧機器41〜45および空圧回路について説明する。
図1に示すように、このシリンダ駆動装置では、圧縮気体の上流側から順に、圧縮気体を給気する給気部45と、給気された圧縮気体の流量を制御し得る流量制御弁44と、ピストンロッド24の出退方向を手動で反転(逆転)させる手動切換弁43と、自動的にピストン22の前後の移動限を検出してピストンロッド24の出退方向を自動で反転(逆転)させる方向切換弁42と、上記空圧クッションシリンダ1とが、空圧回路で接続されている。
【0024】
この空圧クッションシリンダ1の前後のポート20F,20Rには、前後の急速排気弁(急速排出弁である)41が設けられている。これら急速排気弁41(41F,41R)は、給気時に方向切換弁42からの圧縮気体をポート20F,20Rに供給し、排気時にポート20F,20Rからの圧縮気体を空圧回路外に排出するものである。すなわち、急速排気弁41F,41Rは、排気時にポート20F,20Rからの圧縮気体を方向切換弁42に戻さず空圧回路外に排出するので、排気を高速に行い得るものである。
【0025】
また、上記方向切換弁42は、嵌合凹部13F,13Rの圧縮気体の急激な圧力上昇が調整されたものであれば、その圧力上昇を切換信号として、圧縮気体を供給するポート20F,20Rが前後で切り換わるように構成されている。具体的に説明すると、図2(a)に示すように、圧縮気体が後ポート20Rから供給されると、ピストン22は前へ移動するとともに、圧縮気体が前ポート20Fから前の急速排気弁41Fを介して排出される。そして、クッションプランジャ23Fが嵌合凹部13Fに入り込み、ピストン22が前の緩衝ゴム31で受けられると(ピストン22が前の移動限に達すると)、嵌合凹部13Fの圧縮気体の急激な圧力上昇が調整される。この圧力上昇が切換信号として方向切換弁42に達すると、この方向切換弁42は、図2(b)に示すように、圧縮気体を前ポート20Fから供給する回路に切り換わる。これにより、ピストンロッド24が突出から引退へ反転移動する。次いで、図2(b)に示すように、圧縮気体が前ポート20Fから供給されると、ピストン22は後へ移動するとともに、圧縮気体が後ポート20Rから後の急速排気弁41Rを介して排出される。そして、クッションプランジャ23Rが嵌合凹部13Rに入り込み、ピストン22が後の緩衝ゴム31で受けられると(ピストン22が後の移動限に達すると)、嵌合凹部13Rの圧縮気体の急激な圧力上昇が調整される。この圧力上昇が切換信号として方向切換弁42に達すると、この方向切換弁42は、図2(a)に示すように、圧縮気体を後ポート20Rから供給する回路に切り換わる。これにより、ピストンロッド24が引退から突出へ反転移動する。したがって、上記空圧クッションシリンダ1は、方向切換弁42に直接接続されるという極めて簡素な機構により、ピストンロッド24が連続して出退するように構成されている。
【0026】
ここで、手動切換弁43は、ピストン22が前後の移動限に達していなくても、ピストンロッド24を反転移動させ得るものである。具体的に説明すると、図2(a)に示すように、圧縮気体が後ポート20Rから供給されるとともに前ポート20Fから排出されてピストン22が前へ移動していても、手動切換弁43を切り換えることにより、図3(a)に示すように、圧縮気体を前ポート20Fから供給する回路に切り換わる。同様に、図2(b)に示すように、圧縮気体が前ポート20Fから供給されるとともに後ポート20Rから排出されてピストン22が後へ移動していても、手動切換弁43を切り換えることにより、図3(b)に示すように、圧縮気体を後ポート20Rから供給する回路に切り換わる。
【0027】
以下、上記シリンダ駆動装置を用いたエンジンについて説明する。
図4(a)に示すように、このエンジン74は、少なくとも5つ(前側から順に第1〜第5を冠して称する)の支持部材76が立設固定された架台75と、この架台75に設置される機器類1〜8と、上記架台75および機器類1〜8を納める箱体77とを備える。
【0028】
上記機器類1〜8は、第4および第5の支持部材76に固定されて支持された上記空圧クッションシリンダ1と、この空圧クッションシリンダ1のピストンロッド24の先端に後端が接続されたコンロッド2と、このコンロッド2を前後方向に移動可能に支持するとともに第3の支持部材76に支持されたコンロッドガイド8と、上記コンロッド2の前端に接続されるとともに第2の支持部材76のクランク軸2Aを介して回転自在に支持された回転盤4と、この回転盤4の回転に同期する駆動スプロケット3とを有する。すなわち、上記回転盤4は、空圧クッションシリンダ1のピストンロッド24の出退によりクランク軸2Aを中心に回転し、駆動スプロケット3を回転駆動させ得るものである。なお、この駆動スプロケット3の回転は、図示しないフライホイールに補助されてトルクが一定になる。また、上記機器類1〜8は、第1の支持部材76に設けられた駆動軸7と、この駆動軸7に中心が固定された受動スプロケット5と、上記駆動スプロケット3および受動スプロケット5を連結連動させるチェーン6とを有する。すなわち、上記駆動軸7は、駆動スプロケット3の回転により回転駆動するものである。さらに、上記駆動軸7は、左側[図4(a)では手前側]まで伸びて箱体77を貫通し、図4(b)に示すように、箱体77の外部に突出した先端に、出力スプロケット78が取り付けられている。また、上記エンジン74は、図4には示さないが、上述した空圧機器41〜45を箱体77の内部または外部に有する。以上より、上記エンジン74は、上記シリンダ駆動装置により出力スプロケット78を回転駆動させ得るものである。
【0029】
次に、上記エンジン74を具備したゲート設備について説明する。
このゲート設備は、例えば横引きゲート設備であり、図5(a)に示すように、通常時には休止位置R(ゲートが開)にあるゲート部60を、非常時には締切位置S(ゲートが閉)まで移動させて、止水を行うものである。
【0030】
図5(a)および(b)に示すように、上記ゲート設備は、大きく分けて、躯体部50、ゲート部60、および開閉装置部70からなる。
上記躯体部50は、戸溝が形成された前壁体51Fと、上記開閉装置部70が設置される後壁体51Rとを具備する。これら前壁体51Fおよび後壁体51Rは、同一高さの床部に立設されたコンクリート構造物である。また、これら前壁体51Fおよび後壁体51Rには、それぞれ、扉体61を介して水圧を受けるための側部戸当金物52が表面(左面)を露出して埋設されている。さらに、上記床部には、ゲート部60の移動方向(前後方向)に亘って、ゲート部60を走行案内するためのレール53と、ゲート部60の自重を受けるための底部戸当金物(図示省略)とが、表面(上面)を露出して埋設されている。
【0031】
上記ゲート部60は、スキンプレート62に側部および底部の水密ゴム63を取り付けてなる扉体61と、ゲート部60の移動時に上記レール53に案内される走行車輪64と、ゲート部60の移動時に底部の水密ゴム63が底部戸当金物に擦れて損傷するのを防ぐために扉体61を上昇させ得る扉体昇降装置67とを有する。上記扉体61は、スキンプレート62に複数の水平補強桁65Hおよび垂直補強桁65Vが溶接されるとともに、最上部の水平補強桁65Hの上面に上記移動方向へ伸びた開閉用ピンラック66が取り付けられたものである。また、扉体昇降装置67は、最下部の水平補強桁65Hの上面にクレビス68Cを介して取り付けられた扉体昇降シリンダ68と、この扉体昇降シリンダ68により走行車輪64をスキンプレート62の下端から出退させて扉体61を昇降させ得るクランク部材69とを有する。
【0032】
上記開閉装置部70は、上述したエンジン74と、このエンジン74の出力スプロケット78により回転駆動されてゲート部60を水平移動させる減速機71とからなる。この減速機71は、上記後壁体51Rの上面に固定されたものであり、入力側において、上記出力スプロケット78とチェーンにより連結連動される入力スプロケット72を有し、出力側において、上記開閉用ピンラック66に噛み合う開閉駆動ピンギヤ73を有する。すなわち、上記開閉装置部70は、開閉駆動ピンギヤ73の回転による駆動力を開閉用ピンラック66に伝えることで、ゲート部60を水平移動させるものである。
【0033】
以下、上記シリンダ駆動装置を具備したゲート設備の使用方法について説明する。
まず、休止位置Rにあるゲート部60を、締切位置Sまで移動させる操作について説明する。
【0034】
ゲート設備のオペレータは、ゲート部60を締切位置Sまで移動させる前に、扉体61を上昇させる。具体的には、扉体昇降シリンダ68を作動させることで、扉体61から走行車輪64を下方に突出させる。そして、扉体61が上昇限に達するとリミットバルブ(図示省略)に検出され、扉体61の上昇が停止する。
【0035】
その後、空圧クッションシリンダ1が出退運動して、エンジン74の出力スプロケット78が回転駆動することにより、ゲート部60が締切位置Sに向けて移動を始める。具体的には、出力スプロケット78の回転駆動により、後壁部に固定された減速機71の開閉駆動ピンギヤ73が回転し、この回転による駆動力が開閉駆動ピンギヤ73に嵌合する開閉用ピンラック66に伝えられ、ゲート部60が前方へ水平移動する。
【0036】
ゲート部60が前方限(締切位置S)まで達したことがリミットスイッチ(図示省略するが扉体61に設けられている)により検出されると、扉体61を下降させる。具体的には、扉体昇降シリンダ68を作動させることで、扉体61に走行車輪64を収納させる。これにより、扉体61の下部では、底部の水密ゴム63が底部戸当金物に押し付けられて、水密が保たれる。また、扉体61の側部は、扉体61が水圧を受けることにより側部の水密ゴム63が側部戸当金物52に押し付けられて、水密が保たれる。
【0037】
次に、締切位置Sにあるゲート部60を、休止位置Rまで移動させる操作について説明する。
オペレータは、ゲート部60を休止位置Rまで移動させる前に、扉体61を上昇させる。具体的には、扉体昇降シリンダ68を作動させることで、扉体61から走行車輪64を下方に突出させる。そして、扉体61が上昇限に達するとリミットバルブに検出され、扉体61の上昇が停止する。
【0038】
その後、空圧クッションシリンダ1が出退運動して、エンジン74の出力スプロケット78が回転駆動することにより、ゲート部60が休止位置Rに向けて移動を始める。具体的には、出力スプロケット78の回転駆動により、後壁部に固定された減速機71の開閉駆動ピンギヤ73が回転し、この回転が開閉駆動ピンギヤ73に嵌合する開閉用ピンラック66に伝えられ、ゲート部60が後方へ水平移動する。
【0039】
ゲート部60が後方限(休止位置R)まで達したことがリミットスイッチ(図示省略するが扉体61に設けられている)により検出されると、扉体61を下降させる。具体的には、扉体昇降シリンダ68を作動させることで、扉体61に走行車輪64を収納させる。これにより、底部の水密ゴム63を圧迫しないようにして扉体61が休止金物(図示省略)に預けられる。
【0040】
このように、上記実施例1に係るシリンダ駆動装置によると、空圧クッションシリンダ1と方向切換弁42との間に機械的または電気的な構成を介在させず、空圧クッションシリンダ1と方向切換弁42とを直接接続するので、部品点数が削減されて極めて簡素な構造となり、故障の発生を低減することができる。
【0041】
また、緩衝ゴム31により、嵌合凹部13F,13Rの圧縮気体の急激な圧力上昇を調整して方向切換弁42を切り換えるだけでなく、ピストン22との衝撃をやわらげるので、空圧クッションシリンダ1の高速の連続駆動に適している。
【0042】
さらに、上記実施例1のゲート設備によると、シリンダ駆動装置の故障が低減されるとともに、空圧クッションシリンダ1の高速の連続駆動をゲートの極めて大きな開閉力に転換するので、高潮や洪水などの非常時においても、確実にゲートを開閉することができる。
【実施例2】
【0043】
以下、本発明の実施例2に係るシリンダ駆動装置およびこれを具備したゲート設備について説明する。
本実施例2に係るシリンダ駆動装置は、緩衝部として、緩衝ゴム31ではなく、ニードル弁を用いたものである。
【0044】
以下、本発明の実施例2に係るシリンダ駆動装置について図6に基づき説明するが、上記実施例1と異なる構成に着目して説明するとともに、上記実施例1と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
図6に示すように、このフロントカバー12Fおよびリヤカバー12Rのピストン22側の面には、空圧クッションシリンダ1の外部および嵌合凹部13F,13Rに連通する連通路32が形成されている。これら連通路32における空圧クッションシリンダ1の外部に連通する部分には、ニードル35が調整可能に設けられて、ニードル弁34が構成されている。すなわち、これら前後のニードル弁34は、容易に、連通路32の流量を調整可能にして、圧縮気体の急激な圧力上昇を調整可能にするものである。勿論、前後のニードル弁34は、連通路32の流量を調整することにより、ピストン22との衝撃をやわらげるものである。また、上記連通路32には、圧縮気体の調整された急激な圧力上昇が信号として方向切換弁42に達するように、伝達路33が形成されている。
【0046】
上記構成により、クッションプランジャ23F,23Rが嵌合凹部13F,13Rに入り込むと、フロントカバー12Fまたはリヤカバー12Rのピストン22側の面とピストン22の面との間で圧縮気体の圧力上昇が急激になる。しかし、ニードル弁34を調整することで、この圧縮気体の急激な圧力上昇が調整されて適切になる。
【0047】
また、本実施例2のゲート設備についても、上記実施例1と同様に、図4および図5に示す通りである。
このように、本実施例2に係るシリンダ駆動装置およびゲート設備によると、上記実施例1に係るシリンダ駆動装置およびゲート設備と同一の効果を奏する。
【0048】
また、本実施例2に係るシリンダ駆動装置は、ニードル弁34が用いられることにより、容易に圧縮気体の急激な圧力上昇を調整可能にして幅広い用途に適用するとともに、ピストン22に衝突する部材が無く耐久性を向上させることができる。
【実施例3】
【0049】
以下、本発明の実施例3に係るシリンダ駆動装置およびこれを具備したゲート設備について説明する。
本実施例3に係るシリンダ駆動装置は、上記実施例1における空圧機器41〜45の一部42,43および空圧回路を、よりゲート設備に適する構成にしたものである。
【0050】
以下、本発明の実施例3に係るシリンダ駆動装置について図7に基づき説明するが、上記実施例1と異なる構成に着目して説明するとともに、上記実施例1と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図7に示すように、本実施例3に係るシリンダ駆動装置では、給気部45および流量制御弁44と空圧クッションシリンダ1との間に、圧縮気体の上流側から順に、給気部45からの圧縮気体の供給/停止を切り換える駆動切換弁43Aと、空圧クッションシリンダ1からの上記切換信号によりピストンロッド24の出退方向を自動で反転(逆転)させる第1方向切換弁42Aおよび第2方向切換弁42Bと、上記切換信号が第2方向切換弁42Bに伝達される方向を切り換える信号切換弁43Bとが空圧回路で接続されている。また、上記駆動切換弁43Aには、信号回路を介して、全開全閉停止リミットおよび非常停止ボタンと、運動始動ボタンとが接続されている。さらに、上記第1方向切換弁42Aおよび信号切換弁43Bには、他の信号回路および操作切換弁46を介して、開閉切換ボタンが接続されている。なお、上記第1方向切換弁42Aおよび信号切換弁43Bには、上記他の信号回路を介して、他のシリンダ駆動装置の信号回路が接続されており、上記第1方向切換弁42Aおよび上記第2方向切換弁42Bには、他の空圧回路を介して、他のシリンダ駆動装置の空圧回路が接続されている。
【0052】
上記構成により、開閉切換ボタンの操作によりピストンロッド24の出退方向が反転(逆転)し、非常停止ボタンの操作によりピストンロッド24の出退が停止する。
また、本実施例3のゲート設備についても、上記実施例1および2と同様に、図4および図5に示す通りである。
【0053】
ところで、上記実施例1〜3では、流体圧シリンダの一例として、空圧クッションシリンダ1について説明したが、油圧シリンダや水道圧シリンダなど、他の流体を使用するシリンダであってもよい。この場合、空圧機器41〜45,42’,43A,43Bは、これらと同様の機能を有するとともに油圧シリンダまたは水道圧シリンダに適した機器に置き替えられる。
【0054】
また、上記実施例1〜3では、急速排気弁41F,41Rが設けられたものとして説明したが、これらが設けられない構成であってもよい。
さらに、上記実施例1〜3では、シリンダ駆動装置を具備したゲート設備の一例として横引きゲート設備について説明したが、スライドゲート、起伏ゲートまたはラジアルゲートなど、確実性が要求されるゲート設備であればよい。
【0055】
また、上記実施例2では、ニードル弁34について説明したが、オリフィス弁など、容易に連通路32の流量を調整可能なものであればよい。
また、上記実施例3では、空圧クッションシリンダ1として、上記実施例1の空圧クッションシリンダ1と同一のものについて説明したが、上記実施例2の空圧クッションシリンダ10を用いてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 空圧クッションシリンダ
12F フロントカバー
12R リヤカバー
13F,13R 嵌合凹部
20F,20R ポート
22 ピストン
24 ピストンロッド
42 方向切換弁
74 エンジン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7