特許第6095337号(P6095337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6095337シール付きドライフィルムレジストロール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095337
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】シール付きドライフィルムレジストロール
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   G03F7/004 512
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-259182(P2012-259182)
(22)【出願日】2012年11月27日
(65)【公開番号】特開2014-106374(P2014-106374A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年8月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231361
【氏名又は名称】日本写真印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】面 了明
(72)【発明者】
【氏名】橋本 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】礒田 典理
(72)【発明者】
【氏名】滋野 博誉
(72)【発明者】
【氏名】春尾 雅信
(72)【発明者】
【氏名】有賀 草平
【審査官】 倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−095345(JP,A)
【文献】 特開2007−240879(JP,A)
【文献】 特開平11−282154(JP,A)
【文献】 特開平02−054255(JP,A)
【文献】 特開2001−194778(JP,A)
【文献】 特開2001−255633(JP,A)
【文献】 特開2003−160175(JP,A)
【文献】 特開2001−188319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性支持フィルムの一方の面上に少なくとも感光層を形成してなるドライフィルムレジストをロール状に巻き取ったドライフィルムレジストロールと、当該ドライフィルムレジストロールの端面に貼り付けられた接着性を有する端面処理シールとを備え
前記端面処理シールが、シール基材の一方の面上に粘着剤が塗布されてなるものであり、
前記粘着剤の粘着力が、400〜600g/25mm(JIS Z−0237に準拠)であるシール付きドライフィルムレジストロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板、リードフレーム及び半導体パッケージ用途のほか、フレキシブルディスプレイ、フィルム太陽電池、フィルムタイプの静電容量式タッチパネル等々のフィルムデバイス用途のドライフィルムレジストロールに関し、詳しくは室温で長期間保存しても端部でのレジストの滲み出しがないシール付きドライフィルムレジストロールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント配線板等の導電パターンを形成するためには、一般に銅張積層板等の対象物にドライフィルムレジストをラミネートし、パターンマスクを通して露光、現像及びエッチングする方法が実施されてきた。かかるドライフィルムレジストは光透過性支持フィルム、感光層、保護フィルムの三層構成よりなり、これを用いて画像形成するには、先ず保護フィルムを剥離した後、感光層を銅張積層板等の対象物上に圧着、光透過性支持フィルム上にパターンマスクを密着し、活性光(通常は紫外線)を照射し(露光)、次いでアルカリ水溶液又は有機溶剤を噴霧又は浸漬してレジストパターンを形成し(現像)、更に塩化鉄、塩化銅、過酸化水素/硫酸、アルカリ性アンモニア等の溶液で露呈している銅箔等の導電膜部分を除去(エッチング)し、最後にアルカリ水溶液又は有機溶剤で硬化レジスト部を剥離(レジスト剥離)する方法がとられてきた。
【0003】
このようなドライフィルムレジストは、通常は、ロール状に巻かれて製品化され、市場に流通しているが、かかるドライフィルムレジスト中の感光層は粘着性、流動性を有するものであり、保存中に感光性樹脂組成物(レジスト)がロール端面から滲み出し、つまりエッジフュージョンが発生し(図5参照)、ロール端部で層間が接着してしまい使用時にロールが巻き戻せなかったり、巻き戻せても巻き戻し作業性を著しく悪くする問題があった。また、ロール端面から滲み出した感光性樹脂組成物(レジスト)がロールから粉状や線状となって分離し、これらがレジストパターンを形成後に再度付着することで異物となり、エッチングによって得られた配線パターン等にカケ等の欠陥を引き起こすという問題もあった。
【0004】
上記エッジフュージョンの発生を解決するため、特許文献1及び特許文献2では、ドライフィルムレジストのロール端部にシート状乾燥剤を接触させることにより、ロール端部を覆うことが提案されており、これらの方法により巻き取り保存時の感光層の端部からの滲み出しを抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2730630号公報
【特許文献2】特開2001−188319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの特献文献に記載の発明では、エッジフュージョンの抑制効果は十分とは言えなかった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記問題点を解消し、レジストのエッジフュージョン抑制効果を向上させたシール付きドライフィルムレジストロールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に課題を解決するための手段を述べる。
【0009】
本発明は、光透過性支持フィルムの一方の面上に少なくとも感光層を形成してなるドライフィルムレジストをロール状に巻き取ったドライフィルムレジストロールと、当該ドライフィルムレジストロールの端面に貼り付けられた接着性を有する端面処理シールとを備え
前記端面処理シールが、シール基材の一方の面上に粘着剤が塗布されてなるものであり、
前記粘着剤の粘着力が、400〜600g/25mm(JIS Z−0237に準拠)であるシール付きドライフィルムレジストロールを提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、端面処理シールが接着性を有し、ドライフィルムレジストロールの端面に貼り付けているので、単にロール端面に接触させているだけの従来技術と比べてレジストのエッジフュージョン抑制効果が向上した。その結果、ロール端面から滲み出した感光性樹脂組成物(レジスト)がロール端部で層間が接着してしまい使用時にロールが巻き戻せなかったり、巻き戻せても巻き戻し作業性を著しく悪くすることを防止できる。また、ロール端面から滲み出した感光性樹脂組成物(レジスト)がロールから粉状や線状となって分離し、これらがレジストパターンを形成後に再度付着することで異物となり、エッチングによって得られた配線パターン等にカケ等の欠陥を引き起こすことも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るシール付きドライフィルムレジストロールを示す外観図である。
図2図1のドライフィルムレジストロールを示す外観図である。
図3図1のシール付きドライフィルムレジストロールについて、ドライフィルムレジスト1層分のみを取り出した要部拡大断面図である。
図4図1の端面処理シールを示す正面図及び断面図である。
図5】端面の露出したドライフィルムレジストロールについてドライフィルムレジスト1層分のみを取り出した要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るシール付きドライフィルムレジストロールの一実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1に示すシール付きドライフィルムレジストロール1は、ドライフィルムレジスト7を円筒状の巻芯8に巻き取って形成されるドライフィルムレジストロール2と、当該ドライフィルムレジストロール2の端面に貼り付けられた接着性を有する端面処理シール3とを備えている。
【0018】
円筒状の巻芯8としては、例えば、外径30〜300mmの程度のプラスチック、紙等からなるものが挙げられる。
【0019】
<ドライフィルムレジスト>
本発明において接着性を有する端面処理シール3で保護されるドライフィルムレジストロール2(図2参照)を構成するドライフィルムレジスト7は、透光性支持フィルム4上に少なくとも感光層5を積層することにより形成する(図3参照)。ドライフィルムレジスト7は、用途に合わせて幅300〜1000mm、長さ100〜500mの範囲で選択するとよい。
【0020】
ここで用いられる透光性支持フィルム4としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じて延伸されたものも使用できる。
【0021】
透光性支持フィルム4のヘーズは5.0以下であることが好ましい。また、透光性支持フィルム4の厚みは薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持するために、10〜30μmのものが一般的である。
【0022】
感光層5を構成する感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物は、特に制限はなく公知のものを使用しうるが、例えば、(a)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600であり、かつ、重量平均分子量が5000〜500000であるバインダー用樹脂、(b)光重合可能な不飽和化合物、及び(c)光重合開始剤を含有するものを用いることができる。(a)バインダー用樹脂、(b)光重合可能な不飽和化合物及び(c)光重合開始剤は、それぞれ1種又は複数種の化合物を含んでよい。
【0023】
上記した感光性樹脂組成物の例の(a)バインダー用樹脂に含まれるカルボキシル基の量については、酸当量が100〜600であり、好ましくは300〜400である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する重合体(すなわちバインダー用樹脂)の質量(グラム)をいう。
【0024】
(a)バインダー用樹脂中のカルボキシル基は、アルカリ水溶液に対する現像性及び剥離性を感光層に与えるために必要である。酸当量が100未満では、現像耐性が低く、解像性及び密着性に悪影響を及ぼし、一方、600を超えると、現像性及び剥離性が低い。酸当量の測定は、自動滴定装置(例えば平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555))を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
【0025】
上記した感光性樹脂組成物の例の(a)バインダー用樹脂の重量平均分子量は、5000〜500000である。重量平均分子量が500000を超えると現像性が低く、一方、5000未満ではテンティング膜強度が低く、エッジフューズが起こる。プロジェクション露光機を使用してi線単色露光した際の解像度が良好であるという点から、重量平均分子量は10000〜40000であることが好ましい。
【0026】
重量平均分子量は、ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(例えば日本分光(株)製ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプルによる検量線使用))により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
【0027】
上記した感光性樹脂組成物の例の(a)バインダー用樹脂は、典型的には、下記の2種類の単量体からなる群からそれぞれ1種以上選択される2種以上の単量体を共重合させることにより得られる。
【0028】
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を1個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、第一の単量体としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル等が挙げられる。
【0029】
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を1個有し、感光層の現像性、エッチング及びめっき工程での耐性、並びに硬化膜の可とう性等の種々の特性を保持するように選ばれる。このようなものとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。また、本発明の好ましい実施態様では、高解像度を得るために、フェニル基を有するビニル化合物(例えば、スチレン)を用いる。
【0030】
上記した感光性樹脂組成物の例の(a)バインダー用樹脂は、上記単量体の混合物を、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノール等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、加熱攪拌することにより合成されることが好ましい。また、混合物の一部を反応液に滴加しながら、(a)バインダー用樹脂を合成してもよい。また、反応終了後、さらに溶剤を加えて、(a)バインダー用樹脂を所望の濃度に調整してもよい。さらに、合成手段としては、上記のような溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合又は乳化重合を用いてもよい。
【0031】
上記した感光性樹脂組成物の例の(b)光重合可能な不飽和化合物としては、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドとを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート、又はビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(例えば新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)や、平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モル付加したグリコールのジメタクリレートが挙げられる。
【0032】
また、(b)光重合可能な不飽和化合物の別の例として、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、一分子中にヒドロキシル基と(メタ)アクリル基とを有する化合物(例えば、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オリゴプロピレングリコールモノメタクリレート、オリゴエチレングリコールモノメタクリレート、オリゴエチレンプロピレングリコールモノメタクリレート等)とのウレタン化合物等も挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPP1000)との反応物、ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPE−200)との反応物、ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴエチレンプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマー70PEP−350B)との反応物が挙げられる。本明細書において、ジイソシアネート残基とは、原料となるジイソシアネート化合物に由来するウレタン結合を含む残基を意味する。
【0033】
また、(b)光重合可能な不飽和化合物の別の例として、平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールと平均7モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールとをノニルフェノールに付加した化合物のアクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、又は平均8モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物のアクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコールアクリレート(例えば東亞合成(株)製、M−114)等が挙げられる。
【0034】
上記した感光性樹脂組成物の例の(b)光重合可能な不飽和化合物として、上記の化合物に加えて、下記に示される光重合可能な不飽和化合物を併用することもできる。併用可能な化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、及びβ−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルオキシ)プロピルフタレート等が挙げられる。
【0035】
次に、上記した感光性樹脂組成物の例の(c)光重合開始剤について説明する。本明細書において、光重合開始剤とは、各種の活性光線、例えば紫外線等により活性化され、重合を開始する化合物を意味する。光重合開始剤は公知の化合物であってもよい。
【0036】
好ましい実施形態では、高解像度の観点から、(c)光重合開始剤が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含み、さらに好ましくは、(c)光重合開始剤が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体である。さらに好ましい実施形態では、(c)光重合開始剤として、上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体と、ベンゾフェノン及び/又はベンゾフェノン誘導体とを併用する。このようなベンゾフェノン誘導体としては、感度の観点からp−アミノフェニルケトンが特に好ましい。p−アミノフェニルケトンとしては、例えば、p−アミノベンゾフェノン、p−ブチルアミノフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0037】
また、上記で示された化合物以外に、他の光重合開始剤の併用も可能である。他の光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインエーテル類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン化合物、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。例えば、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類と、ジメチルアミノ安息香酸アルキルエステル化合物等の三級アミン化合物との組み合わせも挙げられる。また、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類等も挙げられる。さらに、N−アリール−α−アミノ酸化合物も用いることが可能であり、これらの中では、N−フェニルグリシンが特に好ましい。
【0038】
また、感光層5の熱安定性及び保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤を含有させることも好ましい。このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
【0039】
また、感光性樹脂組成物に、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含有させることもできる。そのような添加剤としては、例えば、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類及びp−トルエンスルホンアミド、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。
【0040】
感光層5の厚みは、用途において異なるが、印刷回路板作製の用途では通常5〜100μmであり、好ましくは5〜50μmである。感光層5が薄い程、解像力は向上し、一方、感光層が厚い程、膜強度が向上する。よって所望の解像度及び膜強度に応じて感光層5の厚みを設定すればよい。
【0041】
感光層5上、すなわち透光性支持フィルム4側とは反対側の表面上に、必要に応じて保護フィルム6を積層することができる。透光性支持フィルム4よりも保護フィルム6の方が感光層5との密着力が十分に小さく容易に剥離できることが、保護フィルム6の重要な特性である。このような保護フィルム6としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
【0042】
上記のドライフィルムレジスト7を用いたフィルムタイプの静電容量式タッチパネルの作製工程は、公知の技術により実施できるが、以下に簡単に述べる。
【0043】
保護フィルム6が形成されている場合は、まず保護フィルム6を剥離した後、感光層5をタッチパネル用積層体、すなわちフィルム基材の両面に各々、透明導電膜層及び遮光性の金属箔層が全面的に積層された部材の両金属箔表面に加熱圧着し積層する。
【0044】
次に、両面に異なるパターンを有するマスクフィルムを重ね、該マスクフィルムを通して両面から活性光により画像露光する。
【0045】
次いで、感光層5上に透光性支持フィルム4がある場合にはこれを除き、続いてアルカリ水溶液を用いて感光層5の未露光部を現像除去して、硬化レジストパターンを形成する。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液を用いることができる。これらのアルカリ水溶液は感光層の特性に合わせて選択されるが、一般的に0.5〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
【0046】
次に、現像により露出した金属箔面に既知のエッチングを行うことにより、金属箔およびその下の透明導電膜の画像パターンを形成する。
【0047】
その後、一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりもさらに強いアルカリ性の水溶液により硬化レジストパターンを剥離する。剥離用のアルカリ水溶液についても特に制限はないが、1〜5質量%の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が一般的に用いられる。
【0048】
フィルムタイプの静電容量式タッチパネルの場合、この後、タッチパネルの入力領域となる部分の金属箔のみを、さらにエッチング除去する。
【0049】
<接着性を有する端面処理シール>
上記の接着性を有する端面処理シール3は、巻芯貫通孔9を有しており(図4参照)、巻芯8に通してドライフィルムレジストロール2の端面に貼り付けられている。なお、巻芯8がロール端面より突出していない場合には、端面処理シール3が巻芯貫通孔9を有していなくても構わない。
【0050】
エッジフュージョンの発生は、従来から空気中の水分による影響を受けこれが特に大きいと考えられ、その解決手段としてロール端面を覆う被覆材自体の水分透過率を抑えることに注力されてきた。しかし、本発明者らは、むしろロール端面を覆う被覆材とロール端面との密着性の要因が大きいことを見出した。そこで、接着性を有する端面処理シール3を用いてロール端面と接着させ、力が加わらない状態で容易に剥がれないようにすることにより、有効にエッジフュージョンを抑制できるようにした。
【0051】
接着性を有する端面処理シール3としては、シール基材の一方の面上に粘着剤が塗布されてなるものを挙げることができる。その材料等については特に制限はなく、例えば、シール基材としては、ポリオレフィン系やポリスチレン系の合成紙等の無塵紙、OPP、PETそしてCPP等の合成フィルムが挙げられる。本発明のシール付きドライフィルムレジストロールの用いられる現場は、微細な埃や塵等が製品等の不良を引き起こす原因とならないように高レベルに清浄化されたクリーンルーム内であることが多いので、シール基材に紙を用いる場合には上記の無塵紙を用いるのが好ましい。
【0052】
粘着剤としては、公知の粘着剤を使用することができるので特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤等が挙げられる。また、これらの粘着剤から選択される一種または二種以上の粘着剤の組合せであってもよい。粘着剤の接着力は、好ましくは300〜700g/25mm(JIS Z−0237に準拠)である。接着力が300g/25mmに満たないと、エッジフュージョンの発生の抑制効果が低くなる。接着力が700g/25mmを超えると、再剥離性やロール端面の非汚染性が低くなる。さらに好ましくは400〜600g/25mmである。
【0053】
このように端面処理シールが接着性を有し、ドライフィルムレジストロールの端面に貼り付けているので、単にロール端面に接触させているだけの従来技術と比べてレジストのエッジフュージョン抑制効果が向上させることができる。したがって、ロール端面から滲み出した感光性樹脂組成物(レジスト)がロール端部で層間が接着してしまい使用時にロールが巻き戻せなかったり、巻き戻せても巻き戻し作業性を著しく悪くすることを防止できる。また、ロール端面から滲み出した感光性樹脂組成物(レジスト)がロールから粉状や線状となって分離し、これらがレジストパターンを形成後に再度付着することで異物となり、エッチングによって得られた配線パターン等にカケ等の欠陥を引き起こすことも防止できる。
【実施例】
【0054】
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0055】
光透過性支持フィルム/感光層/保護フィルムの3層構成のドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ社製「SUNFORT」)を、外径75mmの塩化ビニルパイプに500mm幅で長さ300m、巻き取ってなる外径200mmのドライフィルムレジストロールを用意した。
【0056】
このロール端面に、厚さ30μmのポリプロピレン合成紙からなるシール基材上にアクリル共重合物エマルジョン型粘着剤が塗布されてなる外径200mm、内径76mmのドーナツ状をした端面処理シールを、貼り付けてシール付きドライフィルムレジストロールを得た。
【0057】
実施例に用いる端面処理シールは、粘着剤の接着力が500g/25mm(JIS Z−0237に準拠)のものである。実施例のシール付きドライフィルムレジストロールを30℃、90%HR恒温恒湿槽中で保存し、保存安定性を調べたところ、10日経ってもエッジフュージョンの発生は無かった。
【0058】
本発明の技術内容および技術的特徴は上記のように開示したが、本発明が属する技術分野における当業者であれば、本発明の教示および開示に基づいて、本発明の技術的思想に違わない様々な置換および付加を行うことは可能である。したがって、本発明の保護範囲は実施例に開示するものに限定されることなく、本発明に違わない様々な置換および付加が含まれるものであるとともに、別紙の特許請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0059】
1 シール付きドライフィルムレジストロール
2 ドライフィルムレジストロール
3 端面処理シール
4 光透過性支持フィルム
5 感光層
6 保護フィルム
7 ドライフィルムレジスト
8 巻芯
9 巻芯貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5