特許第6095348号(P6095348)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブリヂストンスポーツ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6095348-ゴルフクラブヘッド 図000002
  • 特許6095348-ゴルフクラブヘッド 図000003
  • 特許6095348-ゴルフクラブヘッド 図000004
  • 特許6095348-ゴルフクラブヘッド 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095348
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20170306BHJP
【FI】
   A63B53/04 C
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-268789(P2012-268789)
(22)【出願日】2012年12月7日
(65)【公開番号】特開2014-113267(P2014-113267A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】592014104
【氏名又は名称】ブリヂストンスポーツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】竹地 隆晴
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−253709(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0064823(US,A1)
【文献】 特開2007−275552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェース部と、クラウン部と、ソール部と、サイド部とを含む中空のゴルフクラブヘッドであって、
前記フェース部の裏面のトウ側周縁部及びヒール側周縁部の少なくともいずれか一方の周縁部に、複数の溝がフェース中央部側から外方へ向かって配列された多重溝部を形成し、
前記フェース中央部側の前記溝の方が、前記外方側の前記溝よりも相対的に全長が長い、
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記クラウン部側の方が、前記ソール部側よりも、単位面積あたりの前記溝の数が多い、
ことを特徴とする請求項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記複数の溝は、それぞれ、前記フェース部の輪郭形状に沿って湾曲して形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記多重溝部は少なくとも前記トウ側周縁部に形成され、
前記トウ側周縁部の前記多重溝部の前記複数の溝は、前記クラウン部側から前記サイド部側に渡って形成されている、
ことを特徴とする請求項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記複数の溝は、
前記フェース中央部側の前記溝の方が、前記外方側の前記溝よりも相対的に前記ソール部側で前記フェース中央部側に延びている、
ことを特徴とする請求項又はに記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ゴルフクラブヘッドは、前記フェース部を含むフェース部材を含む複数の部材を互いに溶接して形成され、
前記フェース部材は、
前記フェース部の端縁からバック側に延びる延設部を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中空のゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ドライバーやフェアウエイウッドに代表される中空のゴルフクラブヘッドでは、フェース部の肉厚の調整や溝の形成により、飛距離性能等を改善したものが提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−187795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドライバーやフェアウエイウッドに代表される中空のゴルフクラブヘッドでは、その飛距離性能が重視される場合が多く、より安定した飛距離が得られることが望まれる。より安定した飛距離を得るためには、スイートエリアを広くして、オフセンターヒット時の飛距離の減少を少なくすることが挙げられる。しかし、フェース部の隅部周辺では、構造的に撓みが得られにくく、スイートエリアが広がり難いという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、スイートエリアをより拡大することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、フェース部と、クラウン部と、ソール部と、サイド部とを含む中空のゴルフクラブヘッドであって、前記フェース部の裏面のトウ側周縁部及びヒール側周縁部の少なくともいずれか一方の周縁部に、複数の溝がフェース中央部側から外方へ向かって配列された多重溝部を形成し、前記フェース中央部側の前記溝の方が、前記外方側の前記溝よりも相対的に全長が長い、ことを特徴とするゴルフクラブヘッドが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スイートエリアをより拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図。
図2図1のゴルフクラブヘッドの分解斜視図。
図3】フェース部材の背面図。
図4図3の線I−Iに沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明の一実施形態のゴルフクラブヘッド10の斜視図、図2はゴルフクラブヘッド10の分解斜視図である。図2において、殻部材2の一部は破断図となっている。各図において、矢印d1はフェース−バック方向を、矢印d2はトウーヒール方向をそれぞれ示している。
【0010】
本実施形態の場合、ゴルフクラブヘッド10は図2に示すように複数の殻部材1乃至3を接合して形成される中空体をなしており、その周壁が、フェース面(打撃面)を形成するフェース部11、ゴルフクラブヘッド10の上部、底部、側部をそれぞれ形成するクラウン部12、ソール部13及びサイド部14を構成している。サイド部14はトウ側、バック側、ヒール側の各部を有している。フェース部11にはトウ−ヒール方向に延びるスコアライン11aが複数、形成されている。また、ゴルフクラブヘッド10はシャフトが取付けられるホゼル部15を備える。
【0011】
ゴルフクラブヘッド10はドライバ用のゴルフクラブヘッドであるが、本発明はドライバ以外のフェアウェーウッド等も含むウッド型のゴルフクラブヘッド、ユーティリティ型(ハイブリッド型)のゴルフクラブヘッド、その他の中空のゴルフクラブヘッドに適用可能である。ゴルフクラブヘッド10は、金属材料から作成することができ、そのような金属材料としては、チタン系金属(例えば、6Al−4V−Tiのチタン合金等)、ステンレス、ベリリウムカッパー等の銅合金が挙げられる。
【0012】
殻部材1乃至3の接合方法としては、溶接、接着等が挙げられるが接合強度の点で溶接が好適である。本実施形態の場合、殻部材1はゴルフクラブヘッド10の本体部を構成しており、クラウン部12の一部、ソール部13の大部分、サイド部14の大部分並びにホゼル部15を含む部材である。殻部材3は、クラウン部12の大部分を含むクラウン部材である。
【0013】
殻部材2は、フェース部11を含むフェース部材である。本実施形態の場合、殻部材2は、フェース部11の端縁からバック側に延びる延設部2a〜2cを備えたカップ状の部材となっている。延設部2a〜2cは、クラウン部12、ソール部13及びサイド部14のフェース部11側の一部分を形成する。すなわち、延設部2aはクラウン部12の一部を形成し、延設部2bはソール部13の一部を形成する。そして、延設部2cはサイド部14の一部を形成する。
【0014】
ここで、隅部CRやホゼル部15の周辺のようにフェース部11の隅部周辺では、構造的に撓みが得られにくく、フェース部11のスイートエリアを広くしずらい。そこで、本実施形態ではフェース部11の裏面の特定の部分に溝を多重的に形成している。図3は殻部材2の背面図であり、フェース部11の裏面11’が図示されている。図4図3の線I−Iに沿う断面図である。
【0015】
本実施形態の場合、裏面11’のトウ側周縁部に多重溝部20を、ヒール側周縁部に多重溝部30を、それぞれ形成している。多重溝部20は、複数の有底溝21〜28から構成され、多重溝部30は複数の有底溝31〜35から構成されている。
【0016】
複数の溝21〜28は、矢印d11で示すように、フェース中央部側から外方へ向かって配列されおり、本実施形態の場合、これらは等ピッチで形成されている。同様に、複数の溝31〜35は、矢印d12で示すように、フェース中央部側から外方へ向かって配列されおり、本実施形態の場合、これらは等ピッチで形成されている。
【0017】
このような多重溝部20、30を、フェース部11のトウ側周縁部、ヒール側周縁部に形成することで、構造的に撓みにくいこれらの部分を撓み易くすることができる。ここで、これらの周縁部では、外方に行くほど(サイド部14に近づくほど)、構造的に剛性が高くなる。そこで、矢印d11及びd12で示すように溝の配列方向を、フェース中央部側から外方としている。これにより、単位面積あたりの溝数がフェース部11の外方ほど多くなり、剛性を低下させる。この結果、フェース部11がより広範囲で撓み易くなり、スイートエリアを広げることができる。また、トウ側周縁部やヒール側周縁部に溝を形成することで、スコアライン11aの形成部位と重ならず、フェース部11の剛性が部分的に極端に低下することを防止することができる。
【0018】
本実施形態の場合、トウ側周縁部の多重溝部20の複数の溝21〜28は、クラウン部12側からサイド部12側に渡って形成されている。これは、剛性が高くなり易い隅部CR周辺の撓み向上に寄与する。
【0019】
本実施形態の場合、溝21〜28及び溝31〜35は、それぞれ、フェース部11の輪郭形状に沿って湾曲して形成されており、外方に向かって凸形状の曲線となっている。これは、フェース部11を、より広範囲に渡って満遍なく撓み易くさせ、スイートエリアをバランスよく拡大することを可能とする。
【0020】
また、本実施形態の場合、フェース中央部側の溝の方が、外方側の前記溝よりも相対的に全長が長くなっている。例えば、溝21〜28についていえば、溝21、溝22、...溝28の順に全長が長い。また、溝31〜35についていえば、溝31、32...溝35の順に全長が長い。これは、フェース部11と、サイド部14との境界部分における剛性が極端に低下することを防止しつつ、フェース部11を、より広範囲に渡って満遍なく撓み易くさせることを可能とする。
【0021】
また、本実施形態の場合、クラウン部12側の方が、ソール部13側よりも、単位面積あたりの溝の数を多くしている。換言すると、各溝は、フェース部11の上下方向上端では、略同じ位置から下方へ延びているが、下端の位置は異なっている。例えば、溝21と溝28とは、上端位置は略同じ高さであるが、下端位置は溝21の方がソール部13に大きく近づいている。これは、フェース部11のクラウン側12を多く撓ませて打ち出し角を大きくすることに寄与する。打ち出し角の増大は飛距離アップに寄与する。
【0022】
また、本実施形態の場合、フェース中央部側の溝の方が、外方側の溝よりも相対的にソール部13側でフェース中央部側に延びている。例えば、溝21と溝28とを、トウ−ヒール方向(矢印d2方向)で比較すると、溝21の方がその下端位置が、溝28よりもソール部13側でフェース中央部側に延びている。これは、これは、フェース部11と、ソール部13との境界部分における剛性が極端に低下することを防止しつつ、フェース部11を、より広範囲に渡って満遍なく撓み易くさせることを可能とする。
【0023】
本実施形態では、フェース部11のトウ側周縁部とヒール側周縁部との双方に、多重溝部を設けたが、いずれか一方でもよい。例えば、トウ側周縁部でのみフェース部11の撓みが悪い場合には、トウ側周縁部にのみ多重溝部を設ければよい。逆に、ヒール側周縁部でのみフェース部11の撓みが悪い場合には、ヒール側周縁部にのみ多重溝部を設ければよい。
【0024】
多重溝部20、30の各溝の形成は、鋳造による成型、酸洗い、切削工具による機械加工、プレス加工等が挙げられる。各溝の深さはフェース部11の剛性が極端に低下させない範囲で適宜選択できる。
【0025】
本実施形態では、ゴルフクラブヘッド10を3つの殻部材1乃至3から構成したが、その分割数は、これに限られず、2つであっても、4つ以上であってもよい。その際、フェース部11を形成する殻部材については、本実施形態の殻部材2のように延設部2a〜2cを有するカップ状に形成することが好ましい。これは、例えば、他の殻部材との接合に際して、溶接を採用する場合、溶接によって多重溝部20、30の各溝が潰れてしまうことを防止できる点で有利である。
図1
図2
図3
図4