特許第6095357号(P6095357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095357
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】内視鏡処置のための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/068 20060101AFI20170306BHJP
   A61B 17/28 20060101ALI20170306BHJP
   A61B 1/04 20060101ALI20170306BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   A61B17/068
   A61B17/28
   A61B1/04 370
   A61B1/00 300G
【請求項の数】16
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-279107(P2012-279107)
(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公開番号】特開2013-132559(P2013-132559A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2015年10月7日
(31)【優先権主張番号】13/336,098
(32)【優先日】2011年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アーネスト アラーニ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ピー. ホイットマン
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド マリヌスカス
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エー. ニコラス
【審査官】 吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−279411(JP,A)
【文献】 特表2004−537362(JP,A)
【文献】 米国特許第06648816(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0073109(US,A1)
【文献】 特開2007−075604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068
A61B 1/00
A61B 17/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術デバイスであって、該外科手術デバイスは、
ジョーアセンブリと、
該ジョーアセンブリに結合されたカメラアセンブリと
を含み、
該カメラアセンブリは、
内部空間を規定するカメラハウジングであって、該カメラハウジングは、該カメラハウジングの側面において少なくとも1つの開口部を有し、該カメラハウジングは、該カメラハウジング内に配置されたステムを有する、カメラハウジングと、
第1の支持アームおよび第2の支持アームであって、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームの各々は、近位端部および遠位端部を有し、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームは、それらの近位端部において、該カメラハウジング内に配置された該ステムに旋回可能に結合されており、かつ該カメラハウジングから展開可能である第1の支持アームおよび第2の支持アームと、
該第1の支持アームおよび第2の支持アームの遠位端部結合されたカメラ本体であって、該カメラ本体は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、該第1の位置では、該カメラ本体該カメラ本体が該カメラハウジングの該内部空間内に位置決めされ、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームが平行整列状態にあり、該第2の位置では、該カメラ本体が該カメラハウジングの該少なくとも1つの開口部から延在し、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームが非平行整列状態にある、カメラ本体と
を含む、外科手術デバイス。
【請求項2】
前記カメラ本体は、少なくとも1つのカメラ少なくとも1つの光源とを含む、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの開口部は、前記カメラハウジングのそれぞれの半径方向に対向する側面において第1の開口部および第2の開口部を含む、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項4】
前記カメラアセンブリは、該カメラアセンブリの半径方向に対向する前記第1の開口部および前記第2開口部のうちの1つから延在するように移動可能である、請求項3に記載の外科手術デバイス。
【請求項5】
前記カメラハウジングに結合された第1のギアと、該第1のギアと機械的に係合され、かつ、前記第1の支持アームおよび前記第2の支持アームに旋回可能に結合された第2のギアとさらに含む、請求項に記載の外科手術デバイス。
【請求項6】
前記第1の支持アームおよび前記第2の支持アームは、それぞれ、第1のピンおよび第2のピンによって前記カメラ本体に結合されており、該第2のピンは、該第1のピンの近位に配置されている、請求項に記載の外科手術デバイス。
【請求項7】
前記第2の支持アームは、長手方向スロットを含み、前記第2のピンは、該第2の支持アームが旋回されている場合、該長手方向スロットを通して移動するように構成されている、請求項に記載の外科手術デバイス。
【請求項8】
前記カメラアセンブリは、
前記カメラハウジング内に支持されたドライブスクリューと、
該ドライブスクリューにねじ回転可能に結合された作動ナットと、
旋回アーム
をさらに含み、
該旋回アームは、前記第1の支持アームに旋回可能に結合された近位端部と、該作動ナットに旋回可能に結合された遠位端部とを有し該ドライブスクリューの回転が該作動ナットの長手方向移動を与え、それによって該第1の支持アームの作動を引き起こす請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項9】
外科手術器具カメラアセンブリであって、該外科手術器具カメラアセンブリは、
内部空間を規定するカメラハウジングであって、該カメラハウジングは、該カメラハウジングの側面において少なくとも1つの開口部を有し、該カメラハウジングは、該カメラハウジング内に配置されたステムを有する、カメラハウジングと、
第1の支持アームおよび第2の支持アームであって、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームの各々は、近位端部および遠位端部を有し、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームは、それらの近位端部において、該カメラハウジング内に配置された該ステムに旋回可能に結合されており、かつ該カメラハウジングから展開可能である第1の支持アームおよび第2の支持アームと、
該第1の支持アームおよび第2の支持アームの遠位端部結合されたカメラ本体であって、該カメラ本体は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、該第1の位置では、該カメラ本体が該カメラハウジングの該内部空間内に位置決めされ、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームが平行整列状態にあり、該第2の位置では、該カメラ本体が該カメラハウジングの該少なくとも1つの開口部から延在し、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームが非平行整列状態にある、カメラ本体と
を含む、外科手術器具カメラアセンブリ。
【請求項10】
前記カメラ本体は、少なくとも1つのカメラ少なくとも1つの光源とを含む、請求項に記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの開口部は、前記カメラハウジングのそれぞれの半径方向に対向する側面において第1の開口部および第2の開口部を含む、請求項に記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
【請求項12】
前記カメラハウジングに結合された第1のギアと、該第1のギアと機械的に係合され、かつ、前記第1の支持アームおよび前記第2の支持アームに旋回可能に結合された第2のギアとさらに含む、請求項に記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の支持アームおよび前記第2の支持アームは、それぞれ、第1のピンおよび第2のピンによって前記カメラ本体に結合されており、該第2の支持アームは、長手方向スロットを含み、該第2の支持アームが旋回されている場合、該第2のピンは、該長手方向スロットを通して移動するように構成されており、該第2のピンは、該第1のピンの近位に配置されている、請求項12に記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
【請求項14】
前記第2の支持アームは、長手方向スロットを含み、前記第2のピンは、該第2の支持アームが旋回されている場合、該長手方向スロットを通して移動するように構成されており、該第2のピンは、前記第1のピンの近位に配置されている、請求項13に記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
【請求項15】
前記カメラアセンブリは、
前記カメラハウジング内に支持されたドライブスクリューと、
該ドライブスクリューにねじ回転可能に結合された作動ナットと、
旋回アーム
をさらに含み、
該旋回アームは、前記第1の支持アームに旋回可能に結合された近位端部と、該作動ナットに旋回可能に結合された遠位端部とを有し該ドライブスクリューの回転が該作動ナットの長手方向移動を与え、それによって該第1の支持アームの作動を引き起こす請求項に記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
【請求項16】
外科手術デバイスであって、該外科手術デバイスは、
ジョーアセンブリと、
該ジョーアセンブリに結合されたカメラアセンブリと
を含み、
該カメラアセンブリは、
内部空間を規定するカメラハウジングであって、該カメラハウジングは、該カメラハウジングの側面において少なくとも1つの開口部を有し、該カメラハウジングは、該カメラハウジング内に配置されたステムを有する、カメラハウジングと、
第1の支持アームおよび第2の支持アームであって、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームの各々は、近位端部および遠位端部を有し、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームは、それらの近位端部において、該カメラハウジング内に配置された該ステムに旋回可能に結合されており、かつ該カメラハウジングから展開可能である第1の支持アームおよび第2の支持アームと、
該カメラハウジングに結合された第1のギアと、
該第1の支持アームおよび第2の支持アームに旋回可能に結合された第2のギアと、
該第1の支持アームおよび第2の支持アームの遠位端部結合されたカメラ本体であって、該カメラ本体は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、該第1の位置では、該カメラ本体が該カメラハウジングの該内部空間内に位置決めされ、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームが平行整列状態にあり、該第2の位置では、該カメラ本体が該カメラハウジングの該少なくとも1つの開口部から延在し、該第1の支持アームおよび該第2の支持アームが非平行整列状態にあり、かつ該第1の支持アームの旋回に応答して該ジョーアセンブリに向かって向けられているカメラ本体と
を含む、外科手術デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への引用)
本出願は、2009年1月12日に出願された米国特許出願第12/352,397号の利益および優先権を主張する一部係属出願である。上記出願は、2008年1月10日に出願された米国仮出願第61/020,298号の利益および優先権を主張する。上記文献のすべての全内容は、本明細書において参照することによって援用される。
【0002】
(背景)
1.技術分野
本開示は、内視鏡の外科手術処置およびその使用の方法を実施するための外科手術装置、デバイスおよび/またはシステムに関する。特に、本開示は、組織をクランプし、切断し、そして/またはステープル留めるための取り外し可能で使い捨てのローディングユニットおよび/または単回使用ローディングユニットとの使用のために構成された電気機械的手持ち式外科手術装置、デバイスおよび/またはシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
多くの外科手術デバイスメーカーは、電気機械外科手術デバイスを作動および/または操作するための専用ドライブシステムを有する製品ラインを開発している。多くの場合において、電気機械外科手術デバイスは、再利用可能なハンドルアセンブリ、および処分可能または単回使用ローディングユニットを含む。ローディングユニットは、使用の前にハンドルアセンブリに選択的に接続され、次に、廃棄されるために、または一部の場合において再利用のために滅菌されるために、使用の後にハンドルアセンブリから切り離される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの電気機械外科手術デバイスのうちの多くは、製造、購買および/または動作コストが比較的に高い。メーカーおよびエンドユーザーにとって、製造、購買および/または動作コストが比較的に高くない電気機械外科手術デバイスを開発することは、常に望みである。
【0005】
加えて、上述の外科手術デバイスは、一体型撮像システムを含まない。結果として、第2のデバイスが、外科手術部位の画像を外科医に提供するために使用される。第2のデバイスの使用は、より侵襲性であり得、適正な画像を提供するために、オペレータが、外科手術および撮像デバイスが調整されることを確実にすることを要求し得る。
【0006】
従って、改善された撮像能力を有する電気機械外科手術装置、デバイスおよび/またはシステムに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
本発明の例示的な実施形態のさらなる詳細および局面は、添付された図面を参照して以下により詳細に説明される。
【0008】
本開示の一局面に従って、外科手術デバイスが開示される。外科手術デバイスは、ジョーアセンブリと、ジョーアセンブリに連結されたカメラアセンブリとを含む。カメラアセンブリは、内部空間を規定するカメラハウジングであって、カメラハウジングは、カメラハウジングの側面において少なくとも1つの開口部を有する、カメラハウジングと、カメラハウジング内において旋回可能に連結されており、かつカメラハウジングから展開可能である第1および第2の支持アームと、第1および第2の支持アームに連結されたカメラ本体であって、カメラ本体は、カメラ本体がカメラハウジングの内部空間内に位置決めされている第1の位置と、カメラ本体がカメラアセンブリの少なくとも1つの開口部から延在する第2の位置との間において移動可能である、カメラ本体とを含む。
【0009】
本開示の別の局面に従って、外科手術器具カメラアセンブリが開示される。カメラアセンブリは、内部空間を規定するカメラハウジングであって、カメラハウジングは、カメラハウジングの側面において少なくとも1つの開口部を有する、カメラハウジングと、カメラハウジング内において旋回可能に連結されており、かつカメラハウジングから展開可能である第1および第2の支持アームと、第1および第2の支持アームに連結されたカメラ本体であって、カメラ本体は、カメラ本体がカメラハウジングの内部空間内に位置決めされている第1の位置と、カメラ本体がカメラアセンブリの少なくとも1つの開口部から延在する第2の位置との間において移動可能である、カメラ本体とを含む。
【0010】
本開示のさらなる局面に従って、外科手術デバイスが開示される。外科手術デバイスは、ジョーアセンブリと、ジョーアセンブリに連結されたカメラアセンブリとを含む。カメラアセンブリは、内部空間を規定するカメラハウジングであって、カメラハウジングは、カメラハウジングの側面において少なくとも1つの開口部を有する、カメラハウジングと、カメラハウジング内において旋回可能に連結されており、かつカメラハウジングから展開可能である第1および第2の支持アームと、カメラハウジングに連結された第1のギアと、第1および第2の支持アームに旋回可能に連結された第2のギアと、第1および第2の支持アームに連結されたカメラ本体であって、カメラ本体は、カメラ本体がカメラハウジングの内部空間内に位置決めされている第1の位置と、カメラ本体がカメラアセンブリの少なくとも1つの開口部から延在し、かつ第1の支持アームの旋回に応答してジョー部材に向かって向けられている第2の位置との間において移動可能である、カメラ本体とを含む。
【0011】
前述の局面のそれぞれは、以下の変更も含み得る。外科手術デバイスまたはカメラアセンブリのカメラ本体は、少なくとも1つのカメラと、少なくとも1つの光源とを含み得る。
【0012】
カメラアセンブリのカメラハウジングは、カメラハウジングのそれぞれの半径方向に対向する側面において第1および第2の開口部を含み得る。外科手術デバイスのカメラアセンブリまたはカメラアセンブリは、カメラアセンブリの第1および第2の半径方向に対向する開口部のうちの1つから延在するように移動可能である。
【0013】
外科手術デバイスまたはカメラアセンブリの第1および第2の支持アームは、それらの近位端部においてカメラハウジングに旋回可能に連結されており、かつ、それらの遠位端部においてカメラ本体に旋回可能に連結されている。さらなる実施形態において、外科手術デバイスまたはカメラアセンブリはまた、カメラハウジングに連結された第1のギアと、第1のギアと機械的に係合され、かつ、第1および第2の支持アームに旋回可能に連結された第2のギアとを含み得る。第1および第2の支持アームは、それぞれ、第1および第2のピンによってカメラ本体に連結されており、第2のピンは、第1のピンの近位に配置されている。第2の支持アームは、長手方向スロットも含み得、第2のピンは、第2の支持アームが旋回されている場合、長手方向スロットを通して移動するように構成されている。
【0014】
外科手術デバイスまたはカメラアセンブリはまた、作動ナットと、第1の支持アームに旋回可能に連結された近位端部と、作動ナットに旋回可能に連結された遠位端部とを有する旋回アームと、カメラハウジング内に支持されたドライブスクリューとを含み得、作動ナットは、ドライブスクリューの回転が作動ナットの長手方向移動を与え、それによって第1の支持アームの作動を引き起こすように、ドライブスクリューにねじ回転可能に連結されている。
【0015】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術デバイスであって、該外科手術デバイスは、
ジョーアセンブリと、
該ジョーアセンブリに連結されたカメラアセンブリと
を含み、
該カメラアセンブリは、
内部空間を規定するカメラハウジングであって、該カメラハウジングは、該カメラハウジングの側面において少なくとも1つの開口部を有する、カメラハウジングと、
該カメラハウジング内において旋回可能に連結されており、かつ該カメラハウジングから展開可能である第1および第2の支持アームと、
該第1および第2の支持アームに連結されたカメラ本体であって、該カメラ本体は、該カメラ本体が該カメラハウジングの該内部空間内に位置決めされている第1の位置と、該カメラ本体が該カメラアセンブリの該少なくとも1つの開口部から延在する第2の位置との間において移動可能である、カメラ本体と
を含む、外科手術デバイス。
(項目2)
上記カメラ本体は、少なくとも1つのカメラと、少なくとも1つの光源とを含む、上記項目に記載の外科手術デバイス。
(項目3)
上記少なくとも1つの開口部は、上記カメラハウジングのそれぞれの半径方向に対向する側面において第1および第2の開口部を含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術デバイス。
(項目4)
上記カメラアセンブリは、該カメラアセンブリの上記第1および第2の半径方向に対向する開口部のうちの1つから延在するように移動可能である、上記項目のいずれかに記載の外科手術デバイス。
(項目5)
上記第1および第2の支持アームは、それらの近位端部において上記カメラハウジングに旋回可能に連結されており、かつ、それらの遠位端部において上記カメラ本体に旋回可能に連結されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術デバイス。
(項目6)
上記カメラハウジングに連結された第1のギアと、該第1のギアと機械的に係合され、かつ、上記第1および第2の支持アームに旋回可能に連結された第2のギアとさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術デバイス。
(項目7)
上記第1および第2の支持アームは、それぞれ、第1および第2のピンによって上記カメラ本体に連結されており、該第2のピンは、該第1のピンの近位に配置されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術デバイス。
(項目8)
上記第2の支持アームは、長手方向スロットを含み、上記第2のピンは、該第2の支持アームが旋回されている場合、該長手方向スロットを通して移動するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術デバイス。
(項目9)
上記カメラアセンブリは、
上記カメラハウジング内に支持されたドライブスクリューと、
旋回アームと、
作動ナットと
をさらに含み、
該旋回アームは、上記第1の支持アームに旋回可能に連結された近位端部と、該作動ナットに旋回可能に連結された遠位端部とを有し、
該作動ナットは、該ドライブスクリューの回転が該作動ナットの長手方向移動を与え、それによって該第1の支持アームの作動を引き起こすように、該ドライブスクリューにねじ回転可能に連結されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術デバイス。
(項目10)
外科手術器具カメラアセンブリであって、該外科手術器具カメラアセンブリは、
内部空間を規定するカメラハウジングであって、該カメラハウジングは、該カメラハウジングの側面において少なくとも1つの開口部を有する、カメラハウジングと、
該カメラハウジング内において旋回可能に連結されており、かつ該カメラハウジングから展開可能である第1および第2の支持アームと、
該第1および第2の支持アームに連結されたカメラ本体であって、該カメラ本体は、該カメラ本体が該カメラハウジングの該内部空間内に位置決めされている第1の位置と、該カメラ本体が該カメラアセンブリの該少なくとも1つの開口部から延在する第2の位置との間において移動可能である、カメラ本体と
を含む、外科手術器具カメラアセンブリ。
(項目11)
上記カメラ本体は、少なくとも1つのカメラと、少なくとも1つの光源とを含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
(項目12)
上記少なくとも1つの開口部は、上記カメラハウジングのそれぞれの半径方向に対向する側面において第1および第2の開口部を含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
(項目13)
上記第1および第2の支持アームは、それらの近位端部において上記カメラハウジングに旋回可能に連結されており、かつ、それらの遠位端部において上記カメラ本体に旋回可能に連結されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
(項目14)
上記カメラハウジングに連結された第1のギアと、該第1のギアと機械的に係合され、かつ、上記第1および第2の支持アームに旋回可能に連結された第2のギアとさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
(項目15)
上記第1および第2の支持アームは、それぞれ、第1および第2のピンによって上記カメラ本体に連結されており、該第2の支持アームは、長手方向スロットを含み、該第2の支持アームが旋回されている場合、該第2のピンは、該長手方向スロットを通して移動するように構成されており、該第2のピンは、該第1のピンの近位に配置されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
(項目16)
上記第2の支持アームは、長手方向スロットを含み、上記第2のピンは、該第2の支持アームが旋回されている場合、該長手方向スロットを通して移動するように構成されており、該第2のピンは、上記第1のピンの近位に配置されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
(項目17)
上記カメラアセンブリは、
上記カメラハウジング内に支持されたドライブスクリューと、
旋回アームと、
作動ナットと
をさらに含み、
該旋回アームは、上記第1の支持アームに旋回可能に連結された近位端部と、該作動ナットに旋回可能に連結された遠位端部とを有し、
該作動ナットは、該ドライブスクリューの回転が該作動ナットの長手方向移動を与え、それによって該第1の支持アームの作動を引き起こすように、該ドライブスクリューにねじ回転可能に連結されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具カメラアセンブリ。
(項目18)
外科手術デバイスであって、該外科手術デバイスは、
ジョーアセンブリと、
該ジョーアセンブリに連結されたカメラアセンブリと
を含み、
該カメラアセンブリは、
内部空間を規定するカメラハウジングであって、該カメラハウジングは、該カメラハウジングの側面において少なくとも1つの開口部を有する、カメラハウジングと、
該カメラハウジング内において旋回可能に連結されており、かつ該カメラハウジングから展開可能である第1および第2の支持アームと、
該カメラハウジングに連結された第1のギアと、
該第1および第2の支持アームに旋回可能に連結された第2のギアと、
該第1および第2の支持アームに連結されたカメラ本体であって、該カメラ本体は、該カメラ本体が該カメラハウジングの該内部空間内に位置決めされている第1の位置と、該カメラ本体が該カメラアセンブリの該少なくとも1つの開口部から延在し、かつ該第1の支持アームの旋回に応答して該ジョー部材に向かって向けられている第2の位置との間において移動可能である、カメラ本体と
を含む、外科手術デバイス。
(項目19)
上記第1および第2の支持アームは、それらの近位端部において上記カメラハウジングに旋回可能に連結されており、かつ、それらの遠位端部において上記カメラ本体に旋回可能に連結されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術デバイス。
【0016】
(摘要)
本開示は、外科手術デバイスを提供する。外科手術デバイスは、ジョーアセンブリと、ジョーアセンブリに連結されたカメラアセンブリとを含む。カメラアセンブリは、内部空間を規定するカメラハウジングであって、カメラハウジングは、カメラハウジングの側面において少なくとも1つの開口部を有する、カメラハウジングと、カメラハウジング内において旋回可能に連結されており、かつカメラハウジングから展開可能である第1および第2の支持アームと、第1および第2の支持アームに連結されたカメラ本体であって、カメラ本体は、カメラ本体がカメラハウジングの内部空間内に位置決めされている第1の位置と、カメラ本体がカメラアセンブリの少なくとも1つの開口部から延在する第2の位置との間において移動可能である、カメラ本体とを含む。
【0017】
本開示の実施形態は、添付する図面を参照して本明細書において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本開示に従う電気機械外科手術システムの透視図である。
図2図2は、本開示に従う図1の電気機械外科手術システムの分解されている外科手術器具、細長い部材、およびエンドエフェクターの透視図である。
図3図3は、本開示に従う、図1の3−3にわたってとられた本開示に従う外科手術器具の側断面図である。
図4図4は、本開示に従う、図1の4−4にわたってとられた図1の外科手術器具の正断面図である。
図5図5は、本開示に従う図1の外科手術器具およびそこから分離された図2の細長い部材の前面透視図である。
図6A図6Aは、本開示に従う図1のエンドエフェクターの背面透視図である。
図6B図6Bは、本開示に従う図1のエンドエフェクターの前面透視図である。
図7A図7Aは、図6Aの7A−7Aにわたってとられた図6Aおよび6Bのエンドエフェクターの正面長手方向断面図である。
図7B図7Bは、図6Aの7B−7Bにわたってとられた図6Aおよび6Bのエンドエフェクターの側面長手方向断面図である。
図8図8は、本開示に従う図1のエンドエフェクターの分解された透視図である。
図9A図9Aは、本開示に従う、左側に展開されたカメラアセンブリを有する図1のエンドエフェクターの前面透視図である。
図9B図9Bは、本開示に従う、左側に展開されたカメラアセンブリを有する図1のエンドエフェクターの背面透視図である。
図10A図10Aは、本開示に従う右側に展開されたカメラアセンブリを有する図1のエンドエフェクターの前面透視図である。
図10B図10Bは、本開示に従う右側に展開されたカメラアセンブリを有する図1のエンドエフェクターの背面透視図である。
図11A図11Aは、本開示に従う展開されていない構成におけるカメラアセンブリの正面透視図である。
図11B図11Bは、本開示に従う展開されていない構成におけるカメラアセンブリの底面透視図である。
図12A図12Aは、本開示に従う右側に展開された構成におけるカメラアセンブリの正面透視図である。
図12B図12Bは、本開示に従う右側に展開された構成におけるカメラアセンブリの底面透視図である。
図13A図13Aは、本開示に従う左側に展開された構成におけるカメラアセンブリの正面透視図である。
図13B図13Bは、本開示に従う右側に展開された構成におけるカメラアセンブリの正面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に開示された電気機械外科手術システム、装置および/デバイスの実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、同様な参照数字が、一部の図面のそれぞれにおいて同一または対応する構成要素を示す。本明細書において使用される場合、用語「遠位」は、ユーザーからより離れた電気機械外科手術システム、装置および/またはデバイスまたは、それらのコンポーネントの一部を指し、その一方で、用語「近位」は、ユーザーにより近い電気機械外科手術システム、装置および/またはデバイス、またはそれらのコンポーネントの一部を指す。用語「左」および「右」は、それぞれ、電気機械外科手術システム、装置および/またはデバイスが、非回転の構成に向けられている状態において、ユーザーが近位端部から電気機械外科手術システム、装置および/またはデバイスの遠位端部に面する視点から、左側(例えば、左舷)および右側(例えば、右舷)にある電気機械外科手術システム、装置および/またはデバイス、またはそれらのコンポーネントの一部を指す。
【0020】
最初に図1〜5を参照すると、本開示の実施形態に従う電気機械的手持ち式動力外科手術システムが示され、かつ、概して10で示される。電気機械外科手術システム10は、電気機械的手持ち式動力外科手術器具100の形態の外科手術装置またはデバイスを含み、外科手術器具100は、シャフトアセンブリ200を介する、複数の異なるエンドエフェクター400の外科手術器具100への選択的取り付けのために構成されている。エンドエフェクター400およびシャフトアセンブリ200は、電気機械的手持ち式動力外科手術器具100による作動および操作のために構成されている。特に、外科手術器具100は、シャフトアセンブリ200との選択的接続のために構成されており、次に、シャフトアセンブリ200は、複数の異なるエンドエフェクター400のいずれかとの選択的接続のために構成されている。
【0021】
2008年9月22日に出願された国際出願第PCT/US2008/077249号(国際公開第WO 2009/039506号)および2009年11月20日に出願された米国特許出願第12/622,827号に対して参照がなされ得る。上記文献のそれぞれの全内容は、例示的な電気機械的手持ち式動力外科手術器具100の構成および動作の詳細な説明のために、参照することによって本明細書において援用される。
【0022】
概して、図1〜4に例示されるように、外科手術器具100は、ハンドルハウジング102を含み、ハンドルハウジング102は、下部ハウジング部分104と、下部ハウジング部分104から延在し、そして/またはその上に支持される中間ハウジング部分106と、中間ハウジング部分106から延在し、そして/またはその上に支持される上部ハウジング部分108とを有する。中間ハウジング部分106および上部ハウジング部分108は、下部部分104と一体型に形成され、下部部分104から延在する遠位ハーフセクション110aと、複数のファスナーによって遠位ハーフセクション110aに接続可能な近位ハーフセクション110bとに分離される(図3および4)。接合された場合、近位および遠位ハーフセクション110a、110bは、その中においてキャビティ102aを有するハンドルハウジング102を規定し、回路ボード150およびドライブ機構160が、キャビティ102a内に配置される。器具100は、電力供給源(示されていない)も含み、電力供給源は、回路ボード150およびドライブ機構160に連結されている。以下にさらに詳細に議論されるように、回路ボード150は、器具100、特にドライブ機構160のさまざまな動作を制御する。
【0023】
器具100の下部ハウジング部分104は、その上部表面において形成されたアパーチャ(示されていない)を規定し、アパーチャは、中間ハウジング部分106の下またはその中に配置される。下部ハウジング部分104のアパーチャは、通路を提供し、ワイヤおよび他のさまざまな電気リードは、通路を通して、下部ハウジング部分104に位置している電気的コンポーネント(例えば、電力供給源および任意の対応する電力制御回路網)を中間ハウジング部分106および/または上部ハウジング部分108に位置している電気的コンポーネント(例えば、回路ボード150、ドライブ機構160等)と相互接続する。
【0024】
図3および4を参照すると、上部ハウジング部分108の遠位ハーフセクション110aは、ノーズまたは接続部分108aを規定する。ノーズ円錐114は、上部ハウジング部分108のノーズ部分108a上に支持される。ハンドルハウジング102の上部ハウジング部分108は、ドライブ機構160が配置されているハウジングを提供する。ドライブ機構160は、器具100のさまざまな動作を実施するために、シャフトおよび/またはギアコンポーネントを駆動するように構成されている。ドライブ機構160は、ハンドルハウジング102に対して長手方向軸A−A(図6Aおよび6B)の周りにエンドエフェクター400を選択的に回転させ、エンドエフェクター400のジョー部材を互いに対して動かし、そして/またはファスナーを発射し、エンドエフェクター400内に把持された組織を切断し、そしてカメラアセンブリ500(図9Aおよび9B)を旋回させるために、シャフトおよび/またはギアコンポーネントを駆動するように構成されている。
【0025】
図3および4で理解されるように、ドライブ機構160は、細長い部材200に対してすぐ近位に配置されている選択器ギアボックスアセンブリ162を含む。選択器ギアボックスアセンブリ162の近位には、選択器ギアボックスアセンブリ162内においてギア要素を選択的に動かし、第2のモータ166を有する入力ドライブコンポーネント165と係合させるように機能する第1のモータ164を有する機能選択モジュール163がある。特に図5を参照すると、上部ハウジング部分108の遠位ハーフセクション110aは、細長い部材200の対応するドライブ連結アセンブリ210を受けるように構成された接続部分108aを規定する。
【0026】
引き続き図5を参照すると、器具100の接続部分108aは、細長い部材200のドライブ連結アセンブリ210を受け取る円筒形凹所108bを含む。接続部分108aは、3つの回転可能なドライブコネクタ118、120、122を収容する。細長い部材200が器具100に嵌め合わされる場合、器具100の回転可能なドライブコネクタのそれぞれ、すなわち、第1のコネクタ118、第2のコネクタ120、および第3のコネクタ122は、細長い部材200の対応する回転可能なドライブスリーブ、すなわち、第1のコネクタスリーブ218、第2のコネクタスリーブ220、および第3のコネクタスリーブ222を機械的に係合する。
【0027】
細長い部材200のコネクタスリーブ218、220、222との器具100のドライブコネクタ118、120、122の嵌め合いは、回転力が3つのそれぞれのコネクタインターフェースの各々を介して独立して伝達されることを可能にする。器具100のドライブコネクタ118、120、122は、ドライブ機構160によって独立して回転されるように構成されている。この点において、ドライブ機構160の機能選択モジュール163は、器具100のどのドライブコネクタまたは複数のコネクタ118、120、122がドライブ機構160の入力ドライブコンポーネント165によって駆動されるか選択する。
【0028】
引き続き図3および4を参照すると、ドライブ機構160は、選択器ギアボックスアセンブリ162と、選択器ギアボックスアセンブリ162の近位に配置され、選択器ギアボックスアセンブリ162内においてギア要素を第2のモータ166との係合内に選択的に動かすように機能する機能選択モジュール163とを含む。従って、ドライブ機構160は、所与の時間で器具100の1つ以上のドライブコネクタ118、120、122を選択的に駆動する。
【0029】
器具100のドライブコネクタ118、120、122の各々が、細長い部材200のコネクタスリーブ218、220、222との固定されたおよび/または実質的に回転しないインターフェースを有するので、細長い部材200が器具100に連結される場合、回転力は、器具100のドライブ機構160から細長い部材200へ選択的に移転される。
【0030】
器具100のドライブコネクタ118、120および/または122の選択的回転は、器具100がエンドエフェクター400の異なる機能を選択的に作動させることを可能にする。一実施形態において、任意数のドライブコネクタ118、120および/または122は、エンドエフェクター400を動作させるために使用され得る。以下により詳細に議論されるように、器具100の第1のドライブコネクタ118の選択的かつ独立的回転は、エンドエフェクター400のジョー部材の選択的かつ独立的開閉、およびエンドエフェクター400の作動スレッド440(図8)の駆動に対応する。器具100の第3のドライブコネクタ120、122の選択的かつ独立的回転は、エンドエフェクター400に対するカメラアセンブリ500の選択的かつ独立的旋回、回転に対応する。ドライブコネクタ120は、細長い部材200に対してエンドエフェクター400を旋回および/または回転するために使用され得る。
【0031】
図6A〜8は、エンドエフェクター400のコンポーネントおよび動作を例示する。エンドエフェクター400は、その近位端部においてカメラハウジング502を有するカメラアセンブリ500に連結されたジョーアセンブリ430を含む。ジョーアセンブリ430は、カートリッジアセンブリ432とアンビル434とを含む1対のジョー部材を含む。カートリッジアセンブリ432は、その中に配置されている1つ以上のファスナー433(図8)を収容し、かつファスナー433を展開するように構成されている。アンビル434は、エンドエフェクター400に移動可能に(例えば、旋回的に)取り付けられ、カートリッジアセンブリ432から間隔を空けられた開放位置と、アンビル434がカートリッジアセンブリ432と接近して協働的な整列にある閉じた位置との間に移動可能であり、それによって組織をクランプする。
【0032】
図8を参照すると、エンドエフェクター400の分解図が示される。ジョーアセンブリ430は、細長いチャンネル410を有するキャリア431も含み、キャリア431は、カートリッジアセンブリ432およびアンビル434を支持するためのベース412と、2つの平行の直立した壁414および416とを有する。
【0033】
引き続き図8を参照すると、チャンネル410の遠位部分は、カートリッジアセンブリ432を支持し、カートリッジアセンブリ432は、複数の外科手術ファスナー433と、複数の対応するエジェクタまたはプッシャー433aとを含み、実施形態においてさまざまな大きさ(例えば、約30mmの長さ)であり得る。以下により詳細に説明されるように、直立したカムウェッジ444を有する作動スレッド440は、プッシャー433aにファスナー駆動力を働かせ、次に、プッシャー433aは、カートリッジアセンブリ432からのファスナー433を駆動する。
【0034】
図7Aおよび8を参照すると、複数の間隔を空けられた長手方向スロット442は、作動スレッド440の直立したカムウェッジ444を収容するために、カートリッジアセンブリ432を通して延在する。スロット442は、複数の横保持スロット446と連絡し、複数のファスナー433およびプッシャー433aは、それぞれ複数の横保持スロット446内に支持される。動作中、作動スレッド440がカートリッジアセンブリ432を通して並進する場合、カムウェッジ444の角度のあるリーディングエッジは、連続してプッシャー433aと接触し、プッシャーがスロット446内において垂直に並進するようにし、そこからファスナー433を推進する。カートリッジアセンブリ432は、ナイフブレードがそこを通して移動することを可能にする長手方向スロット485も含む。
【0035】
図7Bおよび8を参照すると、ジョーアセンブリ430は、アンビル434の上に配置されたアンビルカバー435を含む。アンビルカバー435は、アンビル434の外側に沿って移動するパーツによって、影響を受けること、または作用を受けることから組織を保護する。以下により詳細に説明されるように、カバー435を有するアンビル434は、閉じられるまで開放構成のままであるように構成される。カバー435は、その近位端部において提供された1対の作動ショルダー457および459も含む。
【0036】
アンビル434およびアンビルカバー435は、キャリア431に旋回的に連結される。アンビルカバー435の作動ショルダー457および459と、キャリア431の壁414および416との各々は、それぞれ、開口部457a、459a、407および409も含む。旋回ピン417、または1対のピンは、開口部457a、459a、407および409を通過する。キャリア431は、取り付け部材420に連結され、そして、取り付け部材420は、カメラハウジング502に連結される。
【0037】
図8において示されるように、コイルばねとして示される付勢部材458aおよび458bは、取り付け部材420に連結され、または他の方法で取り付け部材420内に固定される。付勢部材458aおよび458bは、取り付け部材420内において規定された内部ベアリング表面に支持され、アンビル434を開放位置内に付勢し、開放位置において、アンビル434は、カートリッジアセンブリ432から間隔を空けられる。特に、前述のように、アンビル434は、その近位端部において配置された作動ショルダー457および459を含む。作動ショルダー457および459の各々は、それぞれ、付勢部材458aおよび458bに当たり、アンビル434を開放位置へ押す。アンビル434が閉じられる場合に、付勢部材458aおよび458bは、取り付け部材420に対して圧縮される。
【0038】
図6A〜10Bを参照すると、取り付け部材420は、カメラハウジング502の遠位端部に連結される。取り付け部材420およびカメラハウジング502の各々は、それぞれ、そこにおいて規定された開口部421および504を含む。開口部421および504は、取り付け部材420が(ボルトを介して)カメラハウジング502に連結される場合、互いに対して整列される。
【0039】
エンドエフェクター400は、エンドエフェクター400を細長い部材200に連結するための連結部材428も含む。特に、連結部材428は、取り付け部分428aとリブ状のスリーブ428bとを含む。連結部材428は、取り付け部分428aの上に挿入され、複数のバイオネットコネクタ428cを介して取り付け部分428aをカメラハウジング502の近位端部に固定するように構成される。リブ状のスリーブ428bは、連結部材428の上に挿入され、細長い部材200からのエンドエフェクター400の取り付けおよび取り外しの際に把持表面を提供する。
【0040】
引き続き図8を参照すると、連結部材428は、エンドエフェクター400を細長い部材200の遠位端部と整列および連結するための1つ以上のJ形スロット437を含む。スロット437は、従来のバイオネット型連結を規定し得、バイオネット型連結は、細長い部材200からのエンドエフェクター400の迅速および簡単な係合および取り外しを容易にする。図6Aおよび6Bにおいて示されるように、細長い部材200は、3つのドライブシャフト218a、220a、222aを含み、ドライブシャフト218a、220a、222aは、コネクタスリーブ218、220、222(図5)のうちのそれぞれの1つに連結され、またはそれを支持する。一旦エンドエフェクター400が細長い部材200に接続されると、以下により詳細に説明されるように、細長い部材200の第1および第3のドライブシャフト218aおよび222aは、エンドエフェクター400と係合され、エンドエフェクター400の作動を提供する。
【0041】
図8で理解されるように、エンドエフェクター400は、第1の連結464をさらに含み、第1の連結464は、第1のドライブシャフト218aを機械的に係合するための近位開口部464aと、伝達リンク465を機械的に係合するための遠位開口部464bとを有する。伝達リンク465は、第1の連結464の遠位開口部464bを係合するための近位オス型端部465aと、軸方向ドライブスクリュー460を機械的に係合するための開口部465bとを含む。
【0042】
ドライブスクリュー460は、キャリア431内において回転可能に支持され、ねじ部分460aと、近位係合部分460bとを含む。近位係合部分460bは、伝達リンク465の遠位開口部465bを係合するための寸法および構成を有する多重ファセットまたは非円形オス型接続(例えば、六角形)を含む。図7Bおよび8に示されるように、ドライブスクリュー460は、キャリア431の長手方向スロット内に配置される。ドライブスクリュー460は、カートリッジ432の遠位端部において回転可能に固定され、係合部分460bの周りに摩擦嵌めされたベアリング466を含む。これは、ドライブスクリュー460がキャリア431に対して回転されることを可能にする。
【0043】
引き続き図8を参照すると、ドライブビーム462も、ジョーアセンブリ430内に配置される。ドライブビーム462は、垂直支持ストラット472と、クランプされた組織を切断するためのナイフを含むアバットメント表面476とを含み、アバットメント表面476は、作動スレッド440を係合する。ドライブビーム462は、垂直支持ストラット472の上部に配置されたカム部材480も含む。カム部材480は、発射の際に体の組織に対してアンビルを次第にクランプするために、アンビル434の外側カム表面482を係合し、かつそれと並進するための寸法および構成を有する。
【0044】
長手方向スロット484は、垂直ストラット472の並進を収容するために、アンビル434を通して延在する。一実施形態において、アンビルカバー435は、その下側において形成された対応する長手方向スロット(示されていない)も含み得、それらの間のチャンネルを形成するために、アンビル434の上部表面に固定される。これは、発射の際に、カム部材480が、カバー435とアンビル434との間において移動することを可能にする。
【0045】
ドライブビーム462は、移動ナット488を含み、移動ナット488は、それを通して規定されたねじ穴489を有する。ドライブスクリュー460は、ねじ穴489を通してドライブビーム462にねじ回転可能に連結され、その結果、ドライブスクリュー460が回転される場合、ドライブビーム462は、軸A−Aに沿って長手方向において移動する。ドライブスクリュー460が第1の方向「例えば、右回り」で回転される場合、ドライブビーム462は、遠位方向に移動し、カム部材480がそのカム表面482上において下へ押すように、アンビル434を閉じる。ドライブビーム462も、遠位方向にスレッド440を押し、そしてスレッド440は、ファスナー433aを射出するために、カムウェッジ444を介してプッシャー433aを係合する。
【0046】
図6A〜13Bを参照すると、カメラアセンブリ500は、ジョーアセンブリ430に連結され、カメラアセンブリ500がカメラハウジング502の内部空間内において位置決めされる第1の位置と、カメラアセンブリ500がハウジング502の半径方向に対向したスロットを少なくとも部分的に通し、またはそれから延在する他の位置との間において移動可能である。
【0047】
カメラアセンブリ500の例示的実施形態が、図6A〜13Bにおいて示される。カメラアセンブリ500は、ハウジング502内において支持される。カメラアセンブリ500は、カメラ本体505と、ハウジング502からカメラ本体505を展開するために、カメラ本体505に連結された展開アセンブリ506とを含む。カメラ本体505は、(図6Aおよび6Bにおいて示されるように)カメラ本体505がハウジング500内に配置される展開されていない位置と、(図9A〜10Bにおいて示されるように)カメラ本体505がハウジング500から少なくとも部分的に露出される少なくとも1つの展開された位置との間において移動可能である。カメラハウジング500は、それぞれ、その半径方向に対向した左側および右側上に規定された左スロット502aおよび右スロット502b(すなわち、2つのスロット)を含む。一実施形態において、カメラハウジング502は、1つのスロットを含み得る。図9Aおよび9Bは、左スロット502aから展開されたカメラアセンブリ500を示し、図10Aおよび10Bは、右スロット502bから展開されたカメラアセンブリ500を示す。
【0048】
カメラ本体505は、長手方向軸D−Dを規定し、カメラ508と、カメラ508によって観察されるエリアを照射するように構成された1つ以上の光源509および510とを含む。カメラ508は、静止画また動画の撮像のために構成された任意の適切な撮像装置であり得、撮像装置は、デジタルデバイス(例えば、電荷結合素子(CCD)カメラ、相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサー、アクティブピクセルセンサー(APS)、および、アナログデバイス(例えば、ビジコン管)を含むが、それらに限定されない。一実施形態において、カメラ508は、前述のセンサーに光を伝達するための任意の適切なレンズまたは光学装置(例えば、光学ファイバー)も含み得る。
【0049】
光源509、510は、LED、電球、ファイバー光学要素およびカメラアセンブリ500から遠隔に生成された光を提供することが可能である他のデバイスであり得る。一実施形態において、カメラ本体505は、カメラ508の両側に配置された2つの光源509、510を含み得る。
【0050】
カメラ本体505は、本明細書において複数のリードを有するリボン状ケーブルとして示される1つ以上のケーブル512も含み得る。ケーブル512は、1つの端部において光源509、510およびカメラ508に接続され得るか、またはカメラアセンブリ500の他のコンポーネントにも接続され得る。ケーブルの遠隔の端部は、電力供給源、制御デバイス、ディスプレイ、またはそれらのデバイスの任意の組み合わせ、または任意の他のデバイスに接続され得る。
【0051】
図8および11A〜13Bを参照すると、カメラ本体505は、それぞれ、長手方向軸B−BおよびC−Cを規定する第1および第2の支持アーム518および520に旋回可能に連結される。カメラ本体505は、第1の開口部514および第2の開口部516を含み、第2の開口部516は、第1の開口部514の近位に配置される。第1および第2の支持アーム518および520の各々も、それぞれ、それらの遠位端部において配置された遠位開口部518aおよび520aを含む。カメラ本体505は、第1の開口部514および開口部518aを通過し、かつ軸A−A、B−B、C−C、およびD−Dを横切る長手方向軸E−Eを規定する第1のピン522を介して第1の支持アーム518に連結される。カメラ本体505は、第2の開口部516および開口部520aを通過する第2のピン524を介して第2の支持アーム518に連結される。開口部520aは、ピン524およびカメラ本体505が軸C−Cに沿って長手方向に移動することを可能にするための実質的に細長く、またはスロットのような形状を有する。
【0052】
カメラアセンブリ500は、ハウジング502内に配置された取り付けブラケット526も含む。取り付けブラケット526は、(例えば、ボルトを介して)ハウジング502に連結され、軸E−Eに平行し、かつ軸A−A、B−B、C−C、およびD−Dを横切る長手方向軸F−Fを規定するステム528を含む。第1および第2の支持アーム518および520の各々は、それぞれ、それらの近位端部に配置された近位開口部518bおよび520bも含む。第1および第2の支持アーム518および520は、開口部518bおよび520bを通してステム528の周りに取り付けブラケット526に旋回可能に連結される。
【0053】
カメラアセンブリ500は、第1または太陽(sun)のギア530をさらに含み、第1または太陽のギア530は、そこにおいて規定された開口部530aを有する。第1のギア530は、ステム528の周りに配置され、またはステム528で支持される。ステム528および開口部530aの各々は、それぞれ、1つ以上の対応する平坦な表面528aおよび530bを含む。平坦な表面528a(図11B、12B、13B)および530a(図8)は、ステム528の周りの第1のギア530の回転移動を防ぐ。
【0054】
第1のギア530は、第2または惑星(planetary)のギア532と機械的に係合される。ギア530および532の両方は、支持アーム518と520との間において配置される。特に、第1および第2の支持アーム518および520の各々は、支持アーム間において第2のギア532を回転的に連結するための開口部518cおよび520cを含む。第2のギア532は、その上部表面に中央配置された第1のステム532aと、その底部表面において中心から離れて配置された第2のステム532bと含む。
【0055】
第1の支持アーム518も、その遠位端部に配置された開口部518dを含む。一実施形態において、第1の支持アーム518の開口部518dは、よりよいテコ比を提供するために、軸C−Cから横方向にオフセットされている延長部材518eに配置され得る。
【0056】
図8を参照すると、エンドエフェクター400は、第2の連結564をさらに含み、第2の連結564は、別のドライブシャフト(例えば、第2または第3のドライブシャフト220a、222a)を機械的に係合するための近位開口部564aと、第2の軸方向ドライブスクリュー560を機械的に係合するための遠位開口部564bとを有する。一実施形態において、1つ以上の追加の連結565が含まれ得る。
【0057】
ドライブスクリュー560は、ねじ部分560aと、近位係合部分560bとを含む。係合部分560bは、第2の連結564または連結565の遠位開口部564bを係合するための寸法および構成を有する多重ファセットまたは非円形オス型接続(例えば、六角形)を含む。ドライブスクリュー560は、ハウジング502内に配置され、ハウジング502の遠位端部において回転可能に固定され、これは、ドライブスクリュー560がハウジング502に対して回転されることを可能にする。
【0058】
展開アセンブリ506は、作動ナット588を含み、作動ナット588は、そこを通るねじ穴589を有する。ドライブスクリュー560は、穴589を通して作動ナット588にねじ回転可能に連結され、その結果、ドライブスクリュー560が回転される場合、作動ナット588は、軸A−Aに沿って長手方向において移動する。
【0059】
旋回アーム590は、作動ナット588と第1の支持アーム518との両方に旋回可能に連結される。特に、旋回アーム590は、遠位端部590aと近位端部590bとを含む。旋回アーム590の遠位端部590aは、作動ナット588の延長部588bにおいて規定された開口部588aに旋回可能に連結されるように構成されている実質的にフック状またはL形の部分を有し得る。旋回アーム590の近位端部590bも、遠位端部590aと実質的に類似する形状を有し得、第1の支持アーム518の開口部518dに旋回可能に連結されている。
【0060】
旋回アーム590の旋回可能な構成は、第1の支持アーム518、第2の支持アーム590、およびカメラ本体505の旋回を提供する。ドライブスクリュー560が第1または右回り方向で回転される場合、作動ナット588は、遠位方向に移動する。これは、結果として作動ナット588が遠位方向に旋回アーム590を引っ張ることをもたらす。旋回アーム590が、オフセットされた延長部材518e上の開口部518cの近位に配置された開口部518dにおいて第1の支持アーム518に連結されるので、近位方向で旋回アーム590を引っ張ることは、結果として旋回ステム528の周りに第1または右回り方向で第1の支持アーム518を旋回することをもたらす。
【0061】
ドライブスクリュー560が第2または左回り方向で回転される場合、作動ナット588は、近位方向において移動する。これは。結果として作動ナット588が近位方向に旋回アーム590を押すことをもたらし、次に、旋回ステム528の周りに第2または右回り方向で第1の支持アーム518を旋回させる。
【0062】
第1の支持アーム518の旋回は、カメラ本体505の展開を提供する。前述のように、カメラ本体505は、ピン522、524を介して第1の支持アーム518に旋回可能に連結される。従って、第1の支持アーム518が旋回されると、カメラ本体505は、ハウジング502から第1の支持アーム518と共に展開される。
【0063】
第1の支持アーム518がステム528の周りに旋回される場合、第2または惑星のギア532は、第1または太陽のギア530の周りに回転する。惑星のギア532の回転は、第2の支持アーム532に移転され、これは、結果としてステム528の周りの第2の支持アームの旋回をもたらす。特に、惑星のギア532の底部表面において中心から離れて配置されている第2のステム532bは、開口部520c内において移動する。第2のステム532bの回転運動は、半径方向(例えば、横方向)成分と角度成分とを含み、角度成分は、開口部520c内の第2のステム532bの長手方向移動内に移転され、その一方で、半径方向成分は、ステム528の周りにアーム520を旋回させる第2の支持アーム520の横方向移動内に移転される。
【0064】
ギア530と532との間のギア比率は、第2の支持アーム520が第1の支持アーム518より速い速度で回転されることを可能にする。結果として、第2の支持アーム520は、より広い移動の範囲を有する(例えば、第1の支持アーム518の近位に配置される)。特に、図12Aおよび12Bと、図13Aおよび13Bとは、それぞれ、右側および左側において展開されたカメラアセンブリ500の正面図および底面図を示す。各展開された構成(例えば、左または右)において、第2の支持アーム520は、第1の支持アーム518を超えて旋回される。その結果、第1および第2の支持アーム518および520は、平行の整列ではなく(例えば、0ではない角度)、すなわち、長手方向軸B−Bは、軸C−Cとは平行の整列ではない。第1および第2の支持アーム518および520間のこの旋回関係は、長手方向軸D−Dが軸B−BにもC−Cにも平行の整列ではないように、軸F−Fの周りのカメラ本体505の旋回を可能にし、従ってカメラ本体505をエンドエフェクター400に向かって方向付ける。
【0065】
カメラアセンブリ500の旋回は、オペレータによって手動で、または自動的に制御され得る。カメラアセンブリ500の手動動作は、対応するスイッチを押すことによってドライブシャフト222aを作動させることによって達成され得る。自動動作中、カメラアセンブリ500の旋回は、エンドエフェクター400が関節運動される場合、カメラアセンブリ504がエンドエフェクター400の撮像を提供する対応する方法で自動的に移動されるように、エンドエフェクター400の関節運動に対応し、例えば、それに連結され得る。これは、同時に動作するために、ドライブシャフト218a、220a、222aを連結することによって達成され得る。これは、カメラアセンブリ500がエンドエフェクター400に向かって連続して向けられることを確実にする。同時に。カメラアセンブリ500の回転は、観察されるエリアをより細かく制御するために、オペレータによって制御され得る。
【0066】
さまざまな変更は、本明細書において開示された実施形態に加えられ得ることが理解される。例えば、当技術分野において既知であるように、外科手術器具100は、ステープルを適用する必要がないが、むしろ2パーツのファスナーを提供し得る。さらに、直線列のステープルまたはファスナーの長さは、特定の外科手術処置の要求に合うように変更され得る。従って、ステープルカートリッジアセンブリ内の直線列のステープルおよび/またはファスナーの長さは、適宜変えられ得る。それゆえ、上記説明は、限定としてではなく、むしろ単なる好ましい実施形態の実施例として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された請求項の範囲および精神内において他の変更を想到する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B