特許第6095361号(P6095361)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095361
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】ロボット制御システム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/02 20060101AFI20170306BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   B25J13/02
   B25J19/00 K
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-281978(P2012-281978)
(22)【出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-124703(P2014-124703A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(72)【発明者】
【氏名】谷 信博
【審査官】 木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/119379(WO,A1)
【文献】 特開2006−341356(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/137239(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0010006(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0106299(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0279245(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0078615(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0297890(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットと、充電可能な二次電池で作動する可搬式操作装置と、この可搬式操作装置と無線通信により接続され、前記可搬式操作装置から入力された教示データに基づいて前記ロボットを自動運転する一方、前記無線通信が途絶えたときに前記ロボットを非常停止させる非常停止機能を有するロボット制御装置と、を備えたロボット制御システムにおいて、
前記自動運転中に前記二次電池の充電量が予め定めた第1の所定値以下になった場合は、前記非常停止機能を無効化する制御手段を備え
前記可搬式操作装置は前記二次電池からの電源供給を制御するための電源ボタンを備え、
前記制御手段は前記二次電池から電源が供給された状態で前記電源ボタンが長押し操作されると、前記二次電池の充電量に関係なく、押下時間に応じて前記非常停止機能の無効化および前記電源遮断を順番に実行することを特徴とするロボット制御システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記二次電池の充電量が前記第1の所定値よりも大きい第2の所定値以下になったときに警告を発することを特徴とする請求項1記載のロボット制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット制御装置と可搬式操作装置との間で無線通信によって各種データを送受信するロボット制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ロボットを動作制御するロボット制御装置と、ロボットを操作するための可搬式操作装置との間の通信を、IEEE802の規格に対応したネットワーク通信技術により無線化した産業用のロボット制御システムが提案されている(特許文献1、2参照)。以下、これらの特許文献に記載された従来のロボット制御システムについて説明する。
【0003】
図4は、可搬式操作装置とロボット制御装置の間の通信を無線により行うようにしたロボット制御システム51の構成図である。同図に示すように、ロボット制御システム51は、アーク溶接、スポット溶接等の作業を行うロボットR、作業者HMが教示作業を行う際に用いる可搬式操作装置TP、そしてロボットRの動作制御を行うロボット制御装置RCから大略構成される。可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとは無線通信が可能になっており、1対1の対向通信が行われる。
【0004】
ロボットRは、防護柵52の内側領域に設置されており、手首部先端にはアーク溶接トーチ、スポット溶接ガン等の作業ツールTが取り付けられている。
【0005】
可搬式操作装置TPは、各種データを表示する表示部としてのディスプレイ5、ロボットRに教示操作を行うためのキーボード6、ロボットRを非常停止させるための非常停止スイッチ4、および電源ボタン7を備えている。内部には二次電池(図示せず)を備えており、電源ボタン7により二次電池からの電源供給が可能となっている。可搬式操作装置TPからの信号(以下では教示操作信号という)は、無線通信によりロボット制御装置RCに送信される。教示操作信号には、ロボットRを手動操作により移動させるためのジョグ送り信号、ロボットRの作業位置を記憶する教示信号、緊急時にロボットRを非常停止させる非常停止信号等が含まれる。これら教示操作信号が送信されることにより、ロボット制御装置RCは、ロボットRのジョグ送り操作、教示データの作成、非常停止等の各処理を行う。
【0006】
ロボット制御装置RCは、可搬式操作装置TPからの入力に従って教示データを作成し、内部の記憶部(図示せず)に記憶する。また、外部から起動信号が入力されることにより教示データを再生する。この結果、ロボットRが自動運転される。接続ケーブル54は、ロボットRの自動運転時にロボット制御装置RCと可搬式操作装置TPとを電気的に接続するための接続手段であり、可搬式操作装置に対してコネクタ(図示せず)を介して着脱可能に構成されている。可搬式操作装置TPが接続ケーブル54で電気的に接続されている間は、二次電池が充電されるようになっている。
【0007】
図5は、可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの間の送受信データについて説明するための図である。同図に示すように、可搬式操作装置TPは作業者HMからの入力に基づいて操作データDs(教示操作信号)を生成し、送信部72を介してロボット制御装置RCに送信する。ロボット制御装置RCは、操作データDsを受信部62により受信して解釈し、教示処理を行う。また、ロボット制御装置RCは、表示データDhを生成して送信部61により送信し、可搬式操作装置TPは表示データDhを受信部71により受信し、図示しない表示制御部がディスプレイ5に表示させるための表示処理を行う。
【0008】
可搬式操作装置TPに備えられた非常停止スイッチ4が押下された場合には、送信部72にて、非常停止スイッチ4が押下された旨の操作データDsを生成し、ロボット制御装置RCに送信する。ロボット制御装置RCでは、受信した操作データDsに基づいてロボットRを非常停止させる処理を行う。すなわち、ロボットRの駆動モータへの電源供給を停止することにより、ロボットRを即座に停止させる。なお、非常停止スイッチ4が押されなくても、無線通信中にノイズ、電波強度不足等が原因で一時的に通信が遮断されたような場合は、ロボットRが非常停止するように構成されている。これらの処理のことを、以下では、非常停止機能と呼ぶ。
【0009】
図4に戻り、従来のロボット制御システムは、接続ケーブル54による可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの電気的接続が確立されていない状態(充電されていない状態)を検出する検出手段(図示せず)を備えている。この検出手段を用いて、特許文献1および2では、以下の手段を講じている。
【0010】
すなわち、特許文献1においては、ロボットRの自動運転中に可搬式操作装置TPの電気的接続が確立されていない状態を上記検出手段が検出すると、警告を発するように構成している。このことによって、二次電池の充電不足による通信途絶のためにロボットRが非常停止して生産ラインが停止することを未然に防止している。さらに、電気的接続が確立されていない場合は、通信は無線で行われるように構成されていることから、警告に従って可搬式操作装置を接続しなくても自動運転を継続することができる。しかしながら、警告が発せられたにも関わらず自動運転を継続した場合、時間の経過につれて二次電池の充電量が低下するために、最終的に非常停止信号が入力されてしまい、生産ラインを停止させてしまう問題がある。
【0011】
この問題に対し、特許文献2では、ロボットRを自動運転する際は可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの無線通信を終了した状態が好ましいとし、ロボットの自動運転中に電気的接続が確立されていない状態を上記検出手段が検出すると、可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの無線通信を終了し、上述した非常停止機能が働かないようにして自動運転を継続させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−80475号公報
【特許文献2】国際公開WO2009/119379号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献2では、ロボットRの自動運転中に電気的接続が確立されていない状態を検出手段が検出すると、即座に可搬式操作装置TPとの無線通信を終了している。このため、自動運転中に作業者が接続ケーブル54による電気的接続を解除して(すなわち可搬式操作装置TPを持ち出して)、ディスプレイ5に表示される内容を見たり、自動運転と並行して起動可能な別の機能を使うことができないという問題がある。
【0014】
そこで、本発明は、自動運転中に可搬式操作装置の電気的接続が確立されていない状態を検出したとしても即座に無線通信を終了するのではなく、可搬式操作装置の駆動源である二次電池の充電量が、予め定めたレベルになるまで可搬式操作装置を使用可能な状態に維持するロボット制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、
ロボットと、充電可能な二次電池で作動する可搬式操作装置と、この可搬式操作装置と無線通信により接続され、前記可搬式操作装置から入力された教示データに基づいて前記ロボットを自動運転する一方、前記無線通信が途絶えたときに前記ロボットを非常停止させる非常停止機能を有するロボット制御装置と、を備えたロボット制御システムにおいて、
前記自動運転中に前記二次電池の充電量が予め定めた第1の所定値以下になった場合は、前記非常停止機能を無効化する制御手段を備え
前記可搬式操作装置は前記二次電池からの電源供給を制御するための電源ボタンを備え、
前記制御手段は前記二次電池から電源が供給された状態で前記電源ボタンが長押し操作されると、前記二次電池の充電量に関係なく、押下時間に応じて前記非常停止機能の無効化および前記電源遮断を順番に実行することを特徴とするロボット制御システムである。
【0017】
請求項の発明は、前記制御手段は、前記二次電池の充電量が前記第1の所定値よりも大きい第2のレベルになったときに警告を発することを特徴とする請求項1記載のロボット制御システムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、自動運転中も無線通信を用いた可搬式操作装置の操作を可能にして利便性を向上させつつ、二次電池の充電量不足が懸念される状態のときは非常停止機能を無効化することにより生産ラインの停止リスクを低減することができる。さらには、可搬式操作装置に備えた電源ボタンが長押し操作されると、二次電池の充電量に関係なく、押下時間に応じて非常停止機能の無効化および電源遮断を順番に実行するようにしたことによって、充電量の低下を待つことなく、作業者が任意のタイミングで非常停止機能を無効化することができるので、利便性をも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るロボット制御システムのブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係る可搬式操作装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図3】本発明の実施形態2に係る可搬式操作装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図4】可搬式操作装置とロボット制御装置の間の通信を無線により行うようにしたロボット制御システムの構成図である。
図5】可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの間の送受信データについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施の形態1]
図1は、本発明の第1実施形態を示すロボット制御システムのブロック図である。ロボット制御システム1は、ロボットRを動作制御するロボット制御装置RC、ロボットRの操作を行うための可搬式操作装置TP、この可搬式操作装置TPを充電するための充電装置CUを備えている。
【0022】
まず、可搬式操作装置TPについて説明する。可搬式操作装置TPは、自動運転中にロボットRを手動で緊急停止させるための非常停止スイッチ4、教示データ等の各種データが表示されるディスプレイ5、ロボットRに対するジョグ送り信号や教示信号を入力するためのキーボード6、中央演算処理装置であるCPU33、一時的な計算領域であるRAM34、ロボット制御装置RCと通信を行うための送受信機32、可搬式操作装置TPの駆動源としての二次電池36、この二次電池36からの電源供給を入/切する電源ボタン7、各種データを記憶するためのハードディスクや半導体メモリからなる記憶部15、制御中枢である主制御部35の各部を備えている。なお、各部はバス39を介して接続されている。
【0023】
上述した二次電池36は、充電装置CUにより充電することが可能になっている。具体的には、可搬式操作装置TPを充電装置CUの所定位置に搭載することによって、図示しない充電回路が充電装置CUに電気的に接続され、二次電池36が充電される。充電装置CUの電源は、ロボット制御装置RCから供給しても良いし、商用電源から供給するようにしても良い。
【0024】
送受信機32は、無線LANインタフェースを有しており、ロボット制御装置RCと可搬式操作装置TPとの間で無線通信を行う。記憶部15の接続情報格納部47には、ロボット制御装置RCと通信を行うための接続情報が記憶されている。接続情報とは、例えばIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、MACアドレス等を指す。
【0025】
主制御部35は、図示しないオペレーティングシステム上で上記各部の総括的な制御を行うと共に、ソフトウェアプログラムとしての表示制御部45、キー入力監視部46、通信処理部41、充電量計測部48および電源制御部49等を備えている。表示制御部45は、ディスプレイ5に表示用データを表示する。キー入力監視部46は、キーボード6からのキー入力を監視する。通信処理部41は、ロボット制御装置RCとの通信確立・遮断処理および通信そのものを制御する処理を行う。また、接続したロボット制御装置RCの識別番号、IPアドレス等のネットワーク接続情報等を記憶部15やRAM34に記憶する処理を行う。キーボード6によって入力された各種データは、通信処理部41および送受信機32を介してロボット制御装置RCにパケット形式のデータで送信される。充電量計測部48は、二次電池の充電量を所定の計測周期で計測する。電源制御部49は、可搬式操作装置TP自身の電源を入/切するものであり、電源ボタン7を押下することにより、二次電池からの電源供給および電源遮断を制御する。
【0026】
次に、ロボット制御装置RCについて説明する。ロボット制御装置RCは、中央演算処理装置であるCPU13、一時的な計算領域であるRAM14、制御中枢となる主制御部16、教示データ等の各種データや定数等を記憶するためのハードディスクや半導体メモリからなる記憶部19、ロボットRの軌跡演算等を行って演算結果を駆動信号として駆動指令部18に出力する動作制御部17、ロボットRの各サーボモータを回転制御するためのサーボ制御信号を出力する駆動指令部18、可搬式操作装置TPと通信を行うための送受信機12の各部を備えている。なお、各部はバス9を介して接続されている。
【0027】
送受信機12は、無線LANインタフェースを有しており、ロボット制御装置RCと可搬式操作装置TPとの間で無線通信を行う。記憶部19の教示データ格納部30には、可搬式操作装置TPからの入力に応じて作成された教示データが記憶されている。接続情報格納部27には、可搬式操作装置TPと通信を行うための接続情報が記憶されている。接続情報とは、例えばIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、MACアドレス等を指す。
【0028】
主制御部16は、図示しないオペレーティングシステム上で上記各部の総括的な制御を行うと共に、ソフトウェアプログラムとしての通信処理部21、表示処理部25および解釈実行部26等を備えている。通信処理部21は、可搬式操作装置TPとの通信処理を行う。表示処理部25は、可搬式操作装置TPのディスプレイ5に表示する表示用データを生成する。解釈実行部26は、教示データ格納部30に記憶された教示データを解釈して動作制御部17に動作制御信号を出力する。
【0029】
このように、ロボット制御システム1においては、可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの間で無線通信が可能に構成されている。また、無線通信中にノイズや電波強度不足等が原因で一時的に通信が遮断されたような場合においては、ロボットRを非常停止させる非常停止機能を有している。以下、上記のように構成されたロボット制御システム1における作用について説明する。
【0030】
図2は、可搬式操作装置TPの主制御部35で実行される処理の様子を示すフローチャートである。本実施形態では、自動運転中でも可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの無線通信を継続する一方で、二次電池36の充電量が所定値以下になった場合に、上述した非常停止機能を無効化するように構成している。より好ましくは、充電量が上記所定値よりも大きい段階で警告を発して作業者に注意喚起を促しておくと良い。以下、充電量の残量に応じて、まず警告を発し、その後、充電量がさらに低くなった段階で非常停止機能を無効化する処理について説明する。なお、上記所定値(非常停止機能を無効化する場合の判断基準となる充電量)は、非常停止機能の無効化処理に要する時間を確保できる程度の充電量をプリセットしておく。任意の値を可搬式操作装置TPによって設定できるようにしておくとさらに良い。
【0031】
同図のステップS1において、上述した充電量計測部48により計測された充電量を取得してRAM34に記憶する。
【0032】
ステップS2において、計測された充電量を確認し、充電量が第2所定値以下であるか否かを判断する。第2所定値とは、非常停止機能を無効化する時期が近づいていることを作業者に知らせるための判断基準となる充電量である。充電量が第2所定値以下でない場合(Noの場合)は、ステップS1に戻って次の計測周期での判断を行う。充電量が第2所定値以下である場合(Yesの場合)は、ステップS3に移行する。
【0033】
ステップS3において、充電量が第1所定値以下であるか否かを判断する。第1所定値とは、非常停止機能を無効化する判断基準となる充電量である。充電量が第1所定値以下でない場合(Noの場合)は、ステップS4に移行し、表示制御部45に警告表示を行うための指令を出力する。この警告表示により、非常停止機能を無効化する時期が近づいていることを作業者に知らせている。充電量が第1所定値以下である場合(Yesの場合)は、ステップS5に移行する。
【0034】
ステップS5において、通信処理部41により非常停止機能を無効化するための指令をロボット制御装置RCに出力する。
【0035】
ステップS6において、表示制御部45により非常停止機能を無効化した旨をディスプレイ5に表示し、ステップS7に移行する。無効化した旨の表示は、ロボット制御装置RCから非常停止機能を無効化した旨のアンサーを待ってから行うことが望ましいが、ここでは簡略化するために説明を省略する。
【0036】
ステップS7において、電源制御部49によりシャットダウン処理を行った上で電源を遮断する。以上で処理は終了である。
【0037】
以上説明したように、本発明によれば、自動運転中も無線通信を用いた可搬式操作装置TPの操作を可能にして利便性を向上させつつ、二次電池の充電量不足が懸念される状態のときは非常停止機能を無効化することによって、生産ラインの停止リスクを低減することができる。
【0038】
また、非常停止機能の無効化前に警告を発するようにしたことによって、作業者に注意喚起を与えることができる。すなわち、作業者が可搬式操作装置TPを継続して使用したい場合は充電装置CUにより充電を行うなど、事前に対策を講じておくことができる。
【0039】
さらに、本実施形態1においては、非常停止機能を無効化した後、可搬式操作装置TPのシャットダウン処理および電源遮断処理を行うようにした。この処理がない場合は、二次電池36の充電量が完全になくなった段階で、突然、電源が遮断されることになるため、オペレーティングシステムを正常終了できなかったことが原因で次回起動時に動作が不安定になったり、起動そのものができなくなる不具合が考えられる。本発明では、非常停止機能を無効化した後に自動的に可搬式操作装置TPのシャットダウン処理および電源遮断処理を行うようにしたことによって、上述した不具合を未然に防止することができる。
【0040】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態1では、充電量の低下に応じて自動的に非常停止機能を無効化したり、シャットダウン処理および電源遮断処理を実行するようにした。実施形態2では、充電量の低下に応じた上記処理に加えて、充電量に関係なく、作業者の意志により上記処理を実行できるようにしている。より具体的には、二次電池36から電源が供給された状態で電源ボタン7が長押し操作されると、二次電池の充電量に関係なく、押下時間に応じて非常停止機能の無効化および電源遮断を順番に実行するようにしている。
【0041】
図3は、実施形態2における可搬式操作装置TPの主制御部35で実行される処理の様子を示すフローチャートである。
【0042】
同図のステップS1において、電源ボタン7が押下されたか否かを確認する。押下されている場合(Yesの場合)は、ステップS2に移行する。
ステップS2において、押下時間の計測を開始する。
【0043】
ステップS3において、押下時間が予め定めた所定時間(例えば2秒)以上経過したかを確認する。所定時間以上経過していない場合(Noの場合)は、ステップS2に戻り、押下時間の計測を継続する。所定時間以上経過した場合(Yesの場合)は、ステップS4に移行する。
ステップS4において、非常停止機能を無効化するための指令をロボット制御装置RCに出力する。
【0044】
ステップS5において、表示制御部45により非常停止機能を無効化した旨をディスプレイ5に表示し、ステップS6に移行する。無効化した旨の表示は、ロボット制御装置RCから非常停止機能を無効化した旨のアンサーを待ってから行うことが望ましいが、ここでは簡略化するために説明を省略する。
【0045】
ステップS6において、電源ボタン7の押下が継続されているか否かを確認する。押下が継続されていない場合(Noの場合)は、ステップS1に戻る。押下が継続している場合(Yesの場合)は、ステップS7に移行する。
【0046】
ステップS7において、電源制御部49によりシャットダウン処理を行った上で電源を遮断する。以上で処理は終了である。
【0047】
以上説明したように、実施形態2においては、電源ボタン7が長押し操作されると、二次電池の充電量に関係なく、押下時間に応じて非常停止機能の無効化および電源遮断を順番に実行するようにした。このようにすることによって、充電量の低下を待つことなく、作業者が任意のタイミングで非常停止機能を無効化することができるので、利便性が向上する。
【符号の説明】
【0048】
1 ロボット制御システム
4 非常停止スイッチ
5 ディスプレイ
6 キーボード
7 電源ボタン
9 バス
12 送受信機
13 CPU
14 RAM
15 記憶部
16 主制御部
17 動作制御部
18 駆動指令部
19 記憶部
21 通信処理部
25 表示処理部
26 解釈実行部
27 接続情報格納部
30 教示データ格納部
32 送受信機
33 CPU
34 RAM
35 主制御部
36 二次電池
39 バス
41 通信処理部
45 表示制御部
46 キー入力監視部
47 接続情報格納部
48 充電量計測部
49 電源制御部
51 ロボット制御システム
52 防護柵
54 接続ケーブル
61 送信部
62 受信部
71 受信部
72 送信部
CU 充電装置
Dh 表示データ
Ds 操作データ
HM 作業者
R ロボット
RC ロボット制御装置
T 作業ツール
TP 可搬式操作装置
図1
図2
図3
図4
図5