特許第6095393号(P6095393)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6095393ビデオゲーム装置、及びビデオゲーム処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095393
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】ビデオゲーム装置、及びビデオゲーム処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/22 20140101AFI20170306BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20170306BHJP
【FI】
   A63F13/22
   A63F13/79
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-24448(P2013-24448)
(22)【出願日】2013年2月12日
(65)【公開番号】特開2014-151054(P2014-151054A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年5月7日
【審判番号】不服2015-18617(P2015-18617/J1)
【審判請求日】2015年10月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100114720
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100128749
【弁理士】
【氏名又は名称】海田 浩明
(72)【発明者】
【氏名】皆川 裕史
(72)【発明者】
【氏名】前廣 和豊
【合議体】
【審判長】 吉村 尚
【審判官】 黒瀬 雅一
【審判官】 畑井 順一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−24634(JP,A)
【文献】 新生エオルゼア ファイナルファンタジーXIV,週刊ファミ通 2012年10月25日号,株式会社エンターブレイン,2012年10月11日,第156〜157頁
【文献】 「FFXIV:新生エオルゼア」 ロデューサー吉田直樹氏、UIアーティスト皆川裕史氏インタビュー(前編),[online],2012年10月11日,GAME Watch,[2015年12月1日検索],インターネット〈URL:http//game.watch.impress.co.jp/dpcs/interview/20121011 565356.html〉
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム装置であって、
操作入力部に配置されている複数の操作部と、各操作部の機能を示す操作機能とが対応付けされた情報である操作機能対応情報を、前記ビデオゲームの進行状況と対応付けて複数記憶する記憶手段を参照し、前記ビデオゲームの進行状況に応じた複数の操作機能対応情報を特定する特定手段と、
特定された複数の操作機能対応情報に基づいて、前記複数の操作部それぞれに対応する複数の操作部画像であって、対応する各操作部に対応付けされている操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている一群の操作部画像を各操作部の配置位置に対応した配置で画像表示装置の表示画面における操作部画像表示領域に表示する操作部画像表示手段と、
プレイヤによる各操作部の操作に応じた操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、
該操作入力受付手段により受け付けられた操作入力に応じて、プレイヤにより操作された操作部に対応付けされている操作機能のうち有効な操作機能を発揮させるための処理を示す操作対応処理を実行する操作対応処理手段とを含み
前記操作部画像表示手段は、前記複数の操作機能対応情報それぞれに基づいて複数の前記一群の操作部画像を、有効な操作機能に対応する1つの一群の操作部画像(以下「有効な一群の操作部画像」という。)をユーザが識別可能な形態で前記操作部画像表示領域に表示し、かつ、何れの操作部画像が有効な場合であっても、当該複数の一群の操作部画像を相対的位置関係を維持した状態で表示し、
さらに、
プレイヤからの切り替え要求を受け付けた際、有効な一群の操作部画像を他の一群の操作部画像に切り替える操作機能切替手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム装置。
【請求項2】
前記操作部画像表示手段は、前記操作入力受付手段により受け付けられた操作入力に対応する操作部画像を強調表示する
請求項1記載のビデオゲーム装置。
【請求項3】
前記操作部画像表示手段は、
前記複数の一群の操作部画像を、何れの一群の操作部画像が有効であるかを識別可能な有効群識別表示とともに前記操作部画像表示領域に表示し、
前記操作機能切替手段により操作機能の設定が切り替えられたことに応じて、切替後に有効な一群の操作部画像を識別可能に有効群識別表示の表示態様を切り替える
請求項1または請求項2記載のビデオゲーム装置。
【請求項4】
プレイヤの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能をコンピュータに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記コンピュータに、
操作入力部に配置されている複数の操作部と、各操作部の機能を示す操作機能とが対応付けされた情報である操作機能対応情報を、前記ビデオゲームの進行状況と対応付けて複数記憶する記憶手段を参照し、前記ビデオゲームの進行状況に応じた複数の操作機能対応情報を特定する特定機能と、
特定した複数の操作機能対応情報に基づいて、前記複数の操作部それぞれに対応する複数の操作部画像であって、対応する各操作部に対応付けされている操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている一群の操作部画像を各操作部の配置位置に対応した配置で画像表示装置の表示画面における操作部画像表示領域に表示する操作部画像表示機能と、
プレイヤによる各操作部の操作に応じた操作入力を受け付ける操作入力受付機能と、
該操作入力受付機能にて受け付けた操作入力に応じて、プレイヤにより操作された操作部に対応付けされている操作機能のうち有効な操作機能を発揮させるための処理を示す操作対応処理を実行する操作対応処理機能とを実現させ
前記操作部画像表示機能では、前記複数の操作機能対応情報それぞれに基づいて複数の前記一群の操作部画像を、有効な操作機能に対応する1つの一群の操作部画像(以下「有効な一群の操作部画像」という。)をユーザが識別可能な形態で前記操作部画像表示領域に表示し、かつ、何れの操作部画像が有効な場合であっても、当該複数の一群の操作部画像を相対的位置関係を維持した状態で表示する機能を実現させ、
さらに、前記コンピュータに、
プレイヤからの切り替え要求を受け付けた際、有効な一群の操作部画像を他の一群の操作部画像に切り替える操作機能切替機能を
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム装置、及びビデオゲーム処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な仕様のビデオゲームが提案されており、プレイヤによるコントローラの操作に応じてビデオゲームの進行が制御されるものが一般的である(例えば、特許文献1−2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−167326号公報
【特許文献2】特開2007−222549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のビデオゲームでは、コントローラに配置されている複数のボタンそれぞれの機能をプレイヤが記憶しておく必要があるため、特に初心者においては正確に操作することが難しく、ビデオゲームを円滑にプレイすることが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、ビデオゲームにおけるプレイヤの操作を容易かつ円滑に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のビデオゲーム装置は、プレイヤの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム装置であって、操作入力部に配置されている複数の操作部と、各操作部の機能を示す操作機能とが対応付けされた操作機能対応情報を記憶する操作機能対応情報記憶手段と、前記操作入力部に配置された複数の操作部それぞれに対応する複数の操作部画像であって、対応する各操作部に対応付けされている操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている一群の操作部画像を各操作部の配置位置に対応した配置で画像表示装置の表示画面における操作部画像表示領域に表示する操作部画像表示手段と、プレイヤによる各操作部の操作に応じた操作入力を受け付ける操作入力受付手段と、該操作入力受付手段により受け付けられた操作入力に応じて、プレイヤにより操作された操作部に対応付けされている操作機能を発揮させるための処理を示す操作対応処理を実行する操作対応処理手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
上記の構成としたことで、ビデオゲームにおけるプレイヤの操作を容易かつ円滑に行うことができるようになる。
【0008】
操作機能対応情報は、各操作部に対して複数種類の操作機能が対応付けされた情報であり、プレイヤからの操作機能の切り替え要求を受け付ける操作機能切替要求受付手段と、当該切り替え要求に応じて各操作部に対応する操作機能の設定を切り替える操作機能切替手段とを含み、前記操作部画像表示手段は、操作機能の設定が切り替えられたことに応じて、前記操作部画像表示領域に表示する有効な一群の操作部画像を、切替後の操作機能が識別可能な識別表示がそれぞれなされている一群の操作部画像に切り替える構成とされていてもよい。
【0009】
前記操作対応処理手段は、前記操作入力受付手段により受け付けられた操作入力に応じて、プレイヤにより操作された操作部に対応付けされている複数種類の操作機能のうち設定されている操作機能を発揮させるための処理を示す操作対応処理を実行する構成とされていてもよい。
【0010】
操作機能対応情報は、各操作部に対してそれぞれ第1の操作機能と第2の操作機能とが対応付けされた情報であり、前記操作部画像表示手段は、第1の操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている第1の一群の操作部画像と、第2の操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている第2の一群の操作部画像とを、何れの一群の操作部画像が有効であるかを識別可能な有効群識別表示とともに前記操作部画像表示領域に表示し、前記操作機能切替手段により操作機能の設定が切り替えられたことに応じて、切替後に有効な一群の操作部画像を識別可能に有効群識別表示の表示態様を切り替える構成とされていてもよい。
【0011】
さらに、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、プレイヤの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能をコンピュータに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、操作入力部に配置されている複数の操作部と各操作部の機能を示す操作機能とが対応付けされた操作機能対応情報を記憶する操作機能対応情報記憶手段を備えた前記コンピュータに、前記操作入力部に配置された複数の操作部それぞれに対応する複数の操作部画像であって、対応する各操作部に対応付けされている操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている一群の操作部画像を各操作部の配置位置に対応した配置で画像表示装置の表示画面における操作部画像表示領域に表示する操作部画像表示機能と、プレイヤによる各操作部の操作に応じた操作入力を受け付ける操作入力受付機能と、該操作入力受付機能にて受け付けた操作入力に応じて、プレイヤにより操作された操作部に対応付けされている操作機能を発揮させるための処理を示す操作対応処理を実行する操作対応処理機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ビデオゲームにおけるプレイヤの操作を容易かつ円滑に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム装置の構成例を示すブロック図である。
図2】操作機能対応情報の格納状態の例を示す説明図である。
図3】操作機能設定情報の格納状態の例を示す説明図である。
図4】操作関連処理の例を示すフローチャートである。
図5】ゲーム画面の例を示す説明図である。
図6】ゲーム画面の例を示す説明図である。
図7】ゲーム画面の例を示す説明図である。
図8】ゲーム画面の例を示す説明図である。
図9】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態の例について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム装置100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、本例のビデオゲーム装置100は、ビデオゲーム装置本体10と、表示装置50と、サウンド出力装置60とを含む。ビデオゲーム装置本体10は、例えば市販のビデオゲーム機によって構成される。また、表示装置50は、例えばテレビジョン装置や液晶表示装置などによって構成され、画像表示部51を有している。
【0016】
ビデオゲーム装置本体10は、制御部11と、RAM12と、ハードディスクドライブ(HDD)13と、サウンド処理部14と、グラフィック処理部15と、DVD/CD−ROMドライブ16と、通信インターフェイス17と、インターフェイス部18と、フレームメモリ19と、メモリーカードスロット20と、入力インターフェイス部21とを含む。
【0017】
制御部11、RAM12、ハードディスクドライブ(HDD)13、サウンド処理部14、グラフィック処理部15、DVD/CD−ROMドライブ16、通信インターフェイス17、及びインターフェイス部18は、それぞれ内部バス22に接続されている。
【0018】
制御部11は、CPUやROMなどを含み、HDD13や記憶媒体70に格納された制御プログラム(ビデオゲーム処理プログラム)に従ってビデオゲーム装置100全体の制御を行う。制御部11は、タイマ割り込みを発生させるため等に用いられる内部タイマを備えている。RAM12は、制御部11のワークエリアとして用いられる。HDD13は、制御プログラムや各種のデータを保存するための記憶領域である。
【0019】
サウンド処理部14は、例えばスピーカによって構成されるサウンド出力装置60に接続される。サウンド処理部14は、制御プログラムに従って処理を実行している制御部11からのサウンド出力指示に従って、サウンド出力装置60に対してサウンド信号を出力する。なお、サウンド出力装置60は、表示装置50あるいはビデオゲーム装置本体10に内蔵されていてもよい。
【0020】
グラフィック処理部15は、画面表示がなされる画像表示部51を有する表示装置50に接続される。グラフィック処理部15は、制御部11からの描画命令に従って、フレームメモリ19に画像を展開するとともに、画像表示部51に画像を表示させるためのビデオ信号を表示装置50に対して出力する。ビデオ信号によって表示される画像の切替時間は、例えば、1フレームあたり1/30秒とされる。
【0021】
DVD/CD−ROMドライブ16には、DVD−ROMやCD−ROMなどのゲーム用の制御プログラムが格納された記憶媒体70が装着される。DVD/CD−ROMドライブ16は、装着された記憶媒体70から、制御プログラムなどの各種データを読み出す処理を行う。
【0022】
通信インターフェイス17は、インターネットなどの通信ネットワーク80に無線あるいは有線によって接続される。ビデオゲーム装置本体10は、通信インターフェイス17における通信機能を用いて、通信ネットワーク80を介して例えば他のコンピュータとの通信を行う。
【0023】
インターフェイス部18には、入力インターフェイス部21と、メモリカードスロット20とが接続される。インターフェイス部18は、プレイヤによるキーパッド30の操作にもとづく入力インターフェイス部21からの指示データをRAM12に格納する。すると、RAM12に格納された指示データに従って、制御部11が各種の演算処理を実行する。
【0024】
ビデオゲーム装置本体10は、入力インターフェイス部21を介して操作入力部(コントローラ)としてのキーパッド30に接続される。
【0025】
キーパッド30の上部には、十字キー31と、ボタン群32と、左ジョイスティック38と、右ジョイスティック39とが配設されており、十字キー31には、上方キー31a、下方キー31b、右方キー31c及び左方キー31dが含まれ、ボタン群32には、○ボタン32a、×ボタン32b、△ボタン32c及び□ボタン32dが含まれる。また、十字キー31が配設される基部と、ボタン群32とが配設される基部との連結部には、セレクトボタン35が配設されている。なお、キーパッド30の側部にもR1ボタン36やL1ボタン33等の複数のボタンが配設されている。
【0026】
キーパッド30は、十字キー31、○ボタン32a、×ボタン32b、△ボタン32c、□ボタン32d、セレクトボタン35、R1ボタン36及びL1ボタン33等のそれぞれと連係するスイッチを備え、各ボタンに対して押圧力が加えられると(各ボタンが操作されると)、その対応したスイッチがオンする。このスイッチのオン/オフに応じた検出信号がキーパッド30において生成されると共に、左ジョイスティック38及び右ジョイスティック39のそれぞれの傾倒方位に対応した検出信号がキーパッド30において生成される。
【0027】
キーパッド30において生成された2系統の検出信号が入力インターフェイス部21に供給され、キーパッド30からの検出信号が入力インターフェイス部21を介されることによりキーパッド30上のどのボタンがオンされたかを示す検出情報と、左ジョイスティック38及び右ジョイスティック39のそれぞれの状態を示す検出情報となる。このようにキーパッド30に対してなされたプレイヤによる操作指令がビデオゲーム装置本体10に与えられる。
【0028】
また、インターフェイス部18は、制御部11からの指示に従って、RAM12に記憶されているゲームの進行状況を示すデータをメモリーカードスロット20に装着されているメモリーカード90に格納する処理や、メモリーカード90に保存されている中断時のゲームのデータを読み出してRAM12に転送する処理などを行う。
【0029】
ビデオゲーム装置100でゲームを行うための制御プログラムなどの各種のデータは、例えば記憶媒体70に記憶されている。記憶媒体70に記憶されている制御プログラムなどの各種のデータは、記憶媒体70が装着されているDVD/CD−ROMドライブ16によって読み出され、RAM12にロードされる。制御部11は、RAM12にロードされた制御プログラムに従って、グラフィック処理部15に対して描画命令を出力する処理や、サウンド処理部14に対してサウンド出力の指示を出力する処理などの各種の処理を実行する。なお、制御部11が処理を実行している間は、ワークメモリとして用いられるRAM12に、ゲームの進行状況によって中間的に発生するデータ(例えば、ゲームの得点、プレイヤキャラクタの状態を示すデータなど)が保存される。
【0030】
本例では、記憶媒体70に記憶されRAM12にロードされるデータには、操作機能対応情報と、操作機能設定情報とが含まれる。図2は、操作機能対応情報の例を示す説明図である。図3は、操作機能設定情報の例を示す説明図である。
【0031】
操作機能対応情報は、例えば図2に示すように、キーパッド30に配置されている十字キー31とボタン群32の各ボタンについてのボタン名と、その各ボタンの操作機能とが対応付けされた情報である。本例では、図2に示すように、各ボタンの操作機能は、設定に応じた2種類の機能があり、左設定時に発揮される機能と、右設定時に発揮される機能とがある。この操作機能対応情報は、本例では複数種類用意されているものとし、ビデオゲームにおける場面に応じて切り替えられて使用されるものとする。また、本例では、各操作機能に応じて画像(後述する操作部画像)が定められており、操作機能対応情報において、操作部画像を示す画像情報が各操作機能に対応して記憶されているものとする。
【0032】
操作機能設定情報は、例えば図3に示すように、操作機能対応情報の名称と、対応する操作機能対応情報が有効であるか否かを示す使用フラグと、何れの操作機能が設定されているかを示す設定フラグとを含む。使用フラグがオン(本例では「1」)である操作機能対応情報がビデオゲームにおいて有効な(使用されている)操作機能対応情報である。また、使用フラグがオンである操作機能対応情報における設定フラグが示す操作機能が、現在有効であることを示す。具体的には、設定フラグが「0」であれば左設定時の操作機能が有効であり、設定フラグが「1」であれば右設定時の操作機能が有効であることを示す。
【0033】
次に、本例のビデオゲーム装置100の動作について説明する。なお、本発明に関係しない動作や処理については、その内容を省略している。
【0034】
図4は、ビデオゲーム装置100が実行する操作関連処理の例を示すフローチャートである。操作関連処理では、プレイヤXによるキーパッド30の操作に応じた各種の処理が実行される。
【0035】
操作関連処理は、例えば、ビデオゲームが開始されたときや、ビデオゲームにおけるステージやシーンが変更されたときに開始される。ここでは、バトルシーンに変更されたことに応じて開始されたものとする。
【0036】
操作関連処理において、先ず、ビデオゲーム装置100は、現在のビデオゲームの進行状況やシーンなどに応じて使用する操作機能対応情報を特定し、特定した操作機能対応情報が示す一群の操作部画像(操作部画像群)を表示装置50の画像表示部51に表示する(ステップS101)。各進行状況やシーンで使用される操作機能対応情報は、あらかじめ定められているものとする。ステップS101では、ビデオゲーム装置100は、操作機能設定情報を参照し、特定した操作機能対応情報の使用フラグをオンにして、使用する操作機能対応情報を参照して操作部画像群を表示する。ここでは、ビデオゲーム装置100は、操作機能設定情報の設定フラグ(初期設定は0であるものとする)により操作機能を有効とする操作部画像群を特定し、特定した操作部画像群を有効な操作部画像群として識別可能に表示する。
【0037】
図5は、操作部画像群が表示されたゲーム画面の例を示す説明図である。ゲーム画面には、例えば図5に示すように、本例では、敵キャラクタNPCと、第1の操作部画像群GG1と、第2の操作部画像群GG2と、どちらの操作部画像群が有効であるかを識別するための有効群識別枠200とが表示されている。図5に示す例では、ゲーム画面の下方エリアに設けられた操作部画像表示領域に第1の操作部画像群GG1と第2の操作部画像群GG2とが表示されており、有効群識別枠200により囲まれている第1の操作部画像群GG1が有効な状態となっている。
【0038】
「操作部画像」は、キーパッド30に配置された複数の操作部(本例では、上方キー31a、下方キー31b、右方キー31c、左方キー31d、○ボタン32a、×ボタン32b、△ボタン32c及び□ボタン32d)それぞれに対応する画像であって、対応する各操作部に対応付けされている操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている画像を意味する。各操作部画像には、対応する操作機能をプレイヤが識別可能な図形が表示されている。図5に示す例では図形により直接的あるいは間接的に操作機能を識別可能とするようにしているが、図形に限らず、文字や記号などにより直接的あるいは間接的に識別可能とするようにしてもよい。
【0039】
また、「一群の操作部画像(操作部画像群)」は、各操作部画像が対応する各操作部(本例では、上方キー31a、下方キー31b、右方キー31c、左方キー31d、○ボタン32a、×ボタン32b、△ボタン32c及び□ボタン32d)の配置位置に対応した配置で表示された画像を意味する。
【0040】
図5に示す例では、第1の操作部画像群GG1と第2の操作部画像群GG2が表示されている。第1の操作部画像群GG1は、上方キー31aに対応する操作部画像G1、下方キー31bに対応する操作部画像G3、右方キー31cに対応する操作部画像G4、左方キー31dに対応する操作部画像G2、○ボタン32aに対応する操作部画像G8、×ボタン32bに対応する操作部画像G7、△ボタン32cに対応する操作部画像G5、および□ボタン32dに対応する操作部画像G6により構成される。また、第2の操作部画像群GG2は、上方キー31aに対応する操作部画像G9、下方キー31bに対応する操作部画像G11、右方キー31cに対応する操作部画像G12、左方キー31dに対応する操作部画像G10、○ボタン32aに対応する操作部画像G16、×ボタン32bに対応する操作部画像G15、△ボタン32cに対応する操作部画像G13、および□ボタン32dに対応する操作部画像G14により構成される。
【0041】
本例では、ビデオゲーム装置100は、図5に示すように、ステップS101にて、第1の操作部画像群GG1と第2の操作部画像群GG2の2種類の操作部画像群をどちらの操作部画像群が有効であるかを識別可能に表示する処理を行う。
【0042】
次に、ビデオゲーム装置100は、操作機能対応情報を切り替えるタイミングであるか否か確認し(ステップS102)、切り替えるタイミングであれば使用する操作機能対応情報を切り替える処理(該当する操作機能対応情報の使用フラグを切り替える処理)を実行し(ステップS103)、切り替えた操作機能対応情報が示す一群の操作部画像(操作部画像群)の表示に切り替える処理を行う(ステップS104)。なお、操作機能対応情報を切り替えるタイミングや切り替えにより新たに使用する操作機能対応情報は、あらかじめ定められているものとする。
【0043】
次に、ビデオゲーム装置100は、プレイヤXによる操作機能の設定切替操作を受け付けたか否か確認する(ステップS105)。操作機能の設定切替操作は、本例では、キーパッド30に配置されているL1ボタン33とR1ボタン36の操作により行われるものとする。具体的には、L1ボタン33によりゲーム画面において左側に表示されている操作部画像群GG1が示す操作機能に切り替えられ、R1ボタン36によりゲーム画面において右側に表示されている操作部画像群GG2が示す操作機能に切り替えられるものとする。
【0044】
操作機能の設定切替操作を受け付けた場合には、ビデオゲーム装置100は、操作機能設定情報における該当する操作機能対応情報の設定フラグを切り替えることにより操作機能の設定を切り替えるとともに(ステップS106)、操作機能対応情報の設定フラグにより特定される操作機能が有効となったことを報知するために、有効群識別枠200の表示位置を切り替えることにより有効な操作部画像群を切り替える(ステップS107)。具体的には、例えば図5に示す状態からR1ボタン36が押下された場合には、ビデオゲーム装置100は、図5に示すような第1の操作部画像群GG1を囲む位置に表示されていた有効群識別枠200が、図6に示すような第2の操作部画像群GG2を囲む位置に表示されるようにすることで、有効な操作部画像群が第1の操作部画像群GG1から第2の操作部画像群GG2に切り替えられたことをプレイヤXに報知する。
【0045】
次に、ビデオゲーム装置100は、プレイヤXによる操作機能の設定切替操作以外の操作を受け付けたか否か確認する(ステップS108)。本例では、キーパッド30に配置されている操作部のうちL1ボタン33とR1ボタン36以外の操作部の操作を受け付けたか否か確認する。
【0046】
操作機能の設定切替操作以外の操作を受け付けた場合には、ビデオゲーム装置100は、対応する操作部画像が表示されている操作部の操作であった場合には、対応する操作部画像を強調表示(例えば、反転表示、色を変更した表示、拡大表示など)するとともに(ステップS109)、操作機能対応情報に設定されている操作に応じた処理(操作対応処理)を実行する(ステップS110)。図7は、第2の操作部画像群GG2が有効である場合に○ボタン32aの操作を受け付けて、対応する操作部画像G16を強調表示した場合の例を示す説明図である。
【0047】
上記のように構成することで、プレイヤXは、操作部画像群の操作部画像により各操作部の操作機能を容易かつ正確に認識して操作部を操作することができるようになる。また、プレイヤXは、複数の操作部画像群から有効とする操作部画像群を操作機能の設定切替操作によって切り替えることにより、有効とする操作部画像群を操作部に対応付けされている操作機能が異なる複数の操作部画像群の中から選択することができるため、キーパッド30に配置されている操作部により、その操作部の数よりも多い数の操作機能を発揮させるための各操作を容易かつ正確に行うことができるようになる。
【0048】
なお、上記の例では2種類の操作部画像群を切り替えて有効な操作部画像群を特定する構成としていたが、図8に示すように1つの操作部画像群を用いる構成としてもよく、図9に示すように3種類の操作部画像群を同様の処理によって切り替えて有効な操作部画像分を特定する構成としてもよい。また、4種類以上の操作部画像群を同様の処理によって切り替えて有効な操作部画像分を特定する構成としてもよい。
【0049】
また、上記の例では、2種類の操作部画像群を表示し、有効な操作部画像群を有効群識別枠200の表示位置により特定可能とする構成としていたが、有効な操作部画像群のみを表示する構成としてもよい。この場合、操作機能の設定切替操作に応じて、表示する操作部画像群を切り替えるようにすればよい。
【0050】
以上に説明したように、上述した実施の形態においては、プレイヤの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム装置(ビデオゲーム装置10、ビデオゲーム装置本体10)が、操作入力部(例えばキーパッド30)に配置されている複数の操作部(上方キー31a、下方キー31b、右方キー31c、左方キー31d、○ボタン32a、×ボタン32b、△ボタン32c及び□ボタン32d)と、各操作部の機能を示す操作機能とが対応付けされた操作機能対応情報(図2参照)を記憶するRAM12を備え、操作入力部に配置された複数の操作部それぞれに対応する複数の操作部画像であって、対応する各操作部に対応付けされている操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている一群の操作部画像を各操作部の配置位置に対応した配置で画像表示装置50の表示画面51における操作部画像表示領域に表示し、プレイヤによる各操作部の操作に応じた操作入力を受け付け、受け付けられた操作入力に応じて、プレイヤにより操作された操作部に対応付けされている操作機能を発揮させるための処理を示す操作対応処理を実行する構成としているので、ビデオゲームにおけるプレイヤの操作を容易かつ円滑に行うことができるようになる。
【0051】
すなわち、上述した実施の形態では、操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている一群の操作部画像を各操作部の配置位置に対応した配置で表示する構成としているので、一群の操作部画像を見ながら操作することによって、ビデオゲームの初心者であっても容易かつ正確に操作部の操作を行うことができるようになる。このため、ビデオゲームにおけるプレイヤの操作が容易かつ円滑となる。
【0052】
また、上述した実施の形態では、操作機能対応情報は、各操作部に対して複数種類の操作機能が対応付けされた情報であり、ビデオゲーム装置(ビデオゲーム装置10、ビデオゲーム装置本体10)が、プレイヤからの操作機能の切り替え要求を受け付け、その切り替え要求に応じて各操作部に対応する操作機能の設定を切り替え、操作機能の設定が切り替えられたことに応じて、操作部画像表示領域に表示する有効な一群の操作部画像を、切替後の操作機能が識別可能な識別表示がそれぞれなされている一群の操作部画像に切り替える構成としているので、有効とする操作部画像群を操作部に対応付けされている操作機能が異なる複数の操作部画像群の中から選択することができるようになり、操作入力部に配置されている操作部により、その操作部の数よりも多い数の操作機能を発揮させるための各操作を容易かつ正確に行うことができるようになる。
【0053】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム装置(ビデオゲーム装置10、ビデオゲーム装置本体10)が、受け付けられた操作入力に応じて、プレイヤにより操作された操作部に対応付けされている複数種類の操作機能のうち設定されている操作機能を発揮させるための処理を示す操作対応処理を実行する構成としているので、操作入力部に配置されている操作部により、その操作部の数よりも多い数の操作機能を発揮させるための各操作を容易かつ正確に行うことができるようになる。
【0054】
また、上述した実施の形態では、操作機能対応情報は、各操作部に対してそれぞれ第1の操作機能と第2の操作機能とが対応付けされた情報であり、ビデオゲーム装置(ビデオゲーム装置10、ビデオゲーム装置本体10)が、第1の操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている第1の一群の操作部画像と、第2の操作機能を識別可能な識別表示がそれぞれなされている第2の一群の操作部画像とを、何れの一群の操作部画像が有効であるかを識別可能な有効群識別表示(有効群識別枠200)とともに操作部画像表示領域に表示し、操作機能の設定が切り替えられたことに応じて、切替後に有効な一群の操作部画像を識別可能に有効群識別表示の表示態様を切り替える(有効群識別枠200の表示位置を切り替える)構成としているので、操作部画像表示領域に表示されている2種類の操作部画像群を見ながら、その2種類の操作部画像群を切り替えつつ多種類の操作機能を発揮させるための操作を容易かつ正確に行うことができるようになる。
【0055】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム装置10が表示装置50やキーパッド30などを外部に備える構成としていたが、表示装置やコントローラを備えたビデオゲーム装置に本発明を適用することができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明によれば、ビデオゲームにおけるプレイヤの操作を容易かつ円滑に行うことができるようにするのに有用である。
【符号の説明】
【0057】
10 ビデオゲーム装置本体
11 制御部
12 RAM
13 HDD
14 サウンド処理部
15 グラフィック処理部
16 DVD/CD−ROM
17 通信インターフェイス
18 インターフェイス部
19 フレームメモリ
20 メモリーカードスロット
21 入力インターフェイス部
22 内部バス
30 キーパッド
50 表示装置
51 画像表示部
60 サウンド出力装置
70 記憶媒体
80 通信ネットワーク
90 メモリーカード
100 ビデオゲーム装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9