(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バンドソー支持構造体は前記バンドソー装置を前記ワーク受け台に支持された前記ローター軸の外側に退避させる位置まで前記バンドソー移動ベース上を移動可能であり、
前記ワーク受け台は、前記ローター軸の切断位置の軸部に対して該ローター軸の中心軸の方向の前記バンドソー支持構造体が退避する方向と反対側の少なくとも2箇所の軸部で該ローター軸を自立支持するワーク受け台を含む請求項1に記載の廃止処理装置。
前記ローター軸を自立支持するワーク受け台は、該ローター軸を前記バンドソー移動ベースを介さずに前記基礎上に自立支持するワーク受け台である請求項2に記載の廃止処理装置。
発電用蒸気タービンのローター軸を、該ローター軸のホイール部を外れた軸部の位置で、バンドソー装置を用いて輪切り状に切断して解体するローター軸の廃止処理方法。
前記ローター軸を基礎上に支持し、前記バンドソー装置を前記ローター軸に対して該ローター軸の中心軸の方向に移動可能に前記基礎上に配置し、該バンドソー装置を切断位置の軸部に移動して前記切断を行う請求項9に記載の方法。
前記バンドソー装置を前記切断を行う位置から前記ローター軸の中心軸の方向に退避させた状態で前記ローター軸をクレーンで吊り上げて前記基礎上に支持し、次いで前記バンドソー装置を前記ローター軸の中心軸の方向に移動し前記切断位置の軸部で前記切断を行う請求項10に記載の方法。
前記ワーク受け台は、前記ローター軸をその切断位置の軸部で支持するワーク受け台を含み、該切断位置の軸部で支持するワーク受け台は、該切断位置を挟んで該ローター軸の中心軸の方向の両側で該切断位置の軸部を支持する請求項12に記載の方法。
前記ワーク受け台は、前記ローター軸を、その切断位置の軸部よりも中心軸の方向の一端側寄りの少なくとも2箇所の軸部で前記基礎上に自立支持する基礎上ワーク受け台を含む請求項12から14のいずれか1つに記載の方法。
前記ローター軸が該ローター軸の中心軸の方向の中央位置に対し複数のホイール部を左右対称に配置した構造を有し、該ローター軸を前記基礎上に支持して一方の端部側の軸部を切断し、次いで該ローター軸の残りの部分をクレーンで吊り上げて左右を反転させて前記基礎上に支持して他方の端部側の軸部を切断する請求項9から16のいずれか1つに記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ローター軸は寸法および重量が大きいため、保管場所までの移動は、特殊クレーン車両や特殊移動車両を必要としていた。また輸送運搬中の搬送路や安全の確保など、移動には非常に時間と労力を必要としていた。また現在では使用済みローター軸の台数が増え、保管場所の確保が非常に難しい状況になっている。しかしながら本発明者らが調査した限り、従来はこれらの問題を解決する廃止処理方法は存在しなかった。
【0004】
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、前述した問題を解決できる使用済みローター軸の廃止処理装置および廃止処理方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の廃止処理装置は、基礎上に支持されるバンドソー移動ベースと、前記バンドソー移動ベースに水平方向に移動自在に支持されるバンドソー支持構造体と、前記バンドソー支持構造体に昇降自在に支持されるバンドソー装置と、発電用蒸気タービンのローター軸が前記下降するバンドソー装置で輪切り状に切断されるように、該ローター軸を該ローター軸の中心軸の方向の
、ホイール部を除けた複数箇所の軸部で前記基礎上に支持するワーク受け台とを具備してなるものである。これによれば、ローター軸をワーク受け台に支持した状態で、バンドソー支持構造体をバンドソー移動ベース上で移動してバンドソー装置をローター軸の予定された切断位置に移動し、その位置でバンドソー装置を下降させてローター軸を輪切り状に切断することができる。これによれば、ローター軸を輪切り状に切断するので運搬が容易になり、発電所からの搬出も容易になる。
【0006】
この発明の廃止処理装置において、前記バンドソー支持構造体は前記バンドソー装置を前記ワーク受け台に支持された前記ローター軸の外側に退避させる位置まで前記バンドソー移動ベース上を移動可能であり、前記ワーク受け台は、前記ローター軸の切断位置の軸部に対して該ローター軸の中心軸の方向の前記バンドソー支持構造体が退避する方向と反対側の少なくとも2箇所の軸部で該ローター軸を自立支持するワーク受け台を含むものとすることができる。これによれば、バンドソー装置を退避させた状態でローター軸をワーク受け台に自立支持し、該支持後にバンドソー装置を切断位置に移動してローター軸の切断を行うことができる。
【0007】
この発明の廃止処理装置において、前記ローター軸を自立支持するワーク受け台は、該ローター軸を前記バンドソー移動ベースを介さずに前記基礎上に自立支持するワーク受け台であるものとすることができる。これによれば、ローター軸をバンドソー移動ベースを介さずに基礎上に自立支持することができる。
【0008】
この発明の廃止処理装置において、前記ワーク受け台は、前記バンドソー移動ベースに支持されて前記バンドソー装置の鋸刃の直下位置の軸部を支持する切断位置ワーク受け台を含むものとすることができる。これによれば、ローター軸をその切断位置の軸部でワーク受け台に支持して切断を行うことができる。
【0009】
この発明の廃止処理装置において、前記切断位置ワーク受け台はその上面に、前記鋸刃を除ける溝部が形成されているものとすることができる。これによれば、ローター軸をその切断位置の軸部で溝部により鋸刃を除けて支持して切断を行うことができる。切断後も、溝部を挟んでその両側で、両切断部分を支持することができる。
【0010】
この発明の廃止処理装置において、前記ワーク受け台は、前記バンドソー移動ベースに支持されて前記バンドソー装置の鋸刃の直下位置以外の軸部を支持する非切断位置ワーク受け台をさらに含み、前記切断位置ワーク受け台と前記非切断位置ワーク受け台は、前記ローター軸の中心軸の方向に相互に接近離隔可能に前記バンドソー移動ベースに支持されているものとすることができる。これによれば、ローター軸をバンドソー移動ベース上の複数箇所のワーク受け台で支持して切断を行うことができる。切断位置ワーク受け台と非切断位置ワーク受け台はローター軸の中心軸の方向に相互に接近離隔可能なので、ローター軸の軸部相互間の距離が様々異なっても、両ワーク受け台間の距離を調整して別々の位置の軸部をそれぞれ支持することができる。
【0011】
この発明の廃止処理装置において、前記バンドソー移動ベースに支持されたワーク受け台は、支持面が昇降可能なワーク受け台を含むものとすることができる。これによれば、ローター軸の軸部の径が軸部によって異なっても、ワーク受け台の支持面を昇降させることにより、該支持面で軸部を支持することができる。
【0012】
この発明の廃止処理装置は、前記バンドソー移動ベース上に脚で支持されるワーク積載テーブルをさらに具備し、前記バンドソー移動ベースに支持されるワーク受け台は、前記ワーク積載テーブルを介して該バンドソー移動ベースに支持されるワーク受け台を含み、前記バンドソー支持構造体は左側支柱、右側支柱、上部連結梁、下部連結梁を相互に連結した枠型構造を有し、前記下部連結梁は前記バンドソー移動ベース上に前記脚で支持された前記ワーク積載テーブルと該バンドソー移動ベースとの間に形成された空間に配置され、前記バンドソー支持構造体が前記バンドソー移動ベース上で移動するときに、前記下部連結梁は前記空間を移動するものとすることができる。これによれば、バンドソー支持構造体は枠型構造を有するので剛性が高く、バンドソー装置を安定に支持することができる。またバンドソー移動ベースに支持されるワーク受け台をワーク積載テーブルを介してバンドソー移動ベースに支持し、バンドソー支持構造体の下部連結梁をワーク積載テーブルとバンドソー移動ベースとの間に形成された空間に配置したので、バンドソー支持構造体が移動するときに、下部連結梁はバンドソー移動ベースに支持されるワーク受け台を除けて移動することができる。
【0013】
この発明の廃止処理装置において、前記バンドソー移動ベースに支持されたワーク受け台は、前記ローター軸を支持する上面が平坦な水平面を有するワーク受け台を含み、該ワーク受け台の該水平面には、切断したローター軸の転がりを防止する対の矢板が前記ローター軸の中心軸を挟んで両側に配置され、該対の矢板は該ローター軸の中心軸に直交する方向にスライド自在に該水平面に支持されるものとすることができる。これによれば、ローター軸を他のワーク受け台で支持した状態でローター軸の中心軸が予定された位置に対してずれていても、水平面を有するワーク受け台は該水平面でずれを吸収してローター軸を支持することができる。また対の矢板で切断したローター軸の転がりを防止することができる。
【0014】
この発明の廃止処理装置は、前記バンドソー移動ベースが、前記ローター軸の中心軸に平行な分割位置で分割可能な構造を有するものとすることができる。これによれば、バンドソー移動ベースをローター軸の中心軸に平行な分割位置で分割してトラック等の車両に載せて運搬することができる。
【0015】
この発明
の廃止処理装置を分解組立可能に構成し
た場合には、該廃止処理装置を分解して複数のパーツに分けた状態で複数台の車両に積載して発電所に搬入し、使用を終えたタービンシャフトの切断を行う場所で該廃止処理装置を組み立ててローター軸の切断処理を行い、切断処理を終了後に、該廃止処理装置を分解し複数台の車両に積載して該発電所から搬出する
ことができる。これによれば、一台の廃止処理装置を分解し複数台の車両に積載して各地の発電所に搬入してローター軸の解体を行うことができる。
【0016】
この発明の廃止処理方法は、発電用蒸気タービンのローター軸を、該ローター軸のホイール部を外れた軸部の位置で、バンドソー装置を用いて輪切り状に切断して解体するものである。これによれば、ローター軸を輪切り状に切断するので運搬が容易になり、発電所からの搬出も容易になる。またローター軸のホイール部を外れた軸部の位置で切断するので、切断を短時間で行うことができる。また仮に原子力発電で使用されたローター軸についてバーナーで切断した場合には、ローター軸に付着していた放射性物質がバーナーで溶けた金属中に取り込まれて除染できなくなる恐れがある。これに対しバンドソー装置を用いれば、金属を溶かさずに切断できるので、切断後の除染も容易である。
【0017】
この発明の廃止処理方法は、前記ローター軸を基礎上に支持し、前記バンドソー装置を前記ローター軸に対して該ローター軸の中心軸の方向に移動可能に前記基礎上に配置し、該バンドソー装置を切断位置の軸部に移動して前記切断を行うものとすることができる。これによれば、ローター軸を基礎上に支持し、バンドソー装置をローター軸の中心軸の方向に移動して、該ローター軸の予定された切断位置で切断を行うことができる。
【0018】
この発明の廃止処理方法は、前記バンドソー装置を前記切断を行う位置から前記ローター軸の中心軸の方向に退避させた状態で前記ローター軸をクレーンで吊り上げて前記基礎上に支持し、次いで前記バンドソー装置を前記ローター軸の中心軸の方向に移動し前記切断位置の軸部で前記切断を行うものとすることができる。これによれば、ローター軸をバンドソー装置に衝突させることなく、クレーンで吊り上げて基礎上に支持することができる。
【0019】
この発明の廃止処理方法は、前記ローター軸を、その複数箇所の軸部で、ワーク受け台を介して前記基礎上に支持して前記切断を行うものとすることができる。これによれば、ローター軸を複数箇所の軸部でワーク受け台を介して基礎上に支持して切断を行うことができる。
【0020】
この発明の廃止処理方法において、前記ワーク受け台は、前記ローター軸をその切断位置の軸部で支持するワーク受け台を含み、該切断位置の軸部で支持するワーク受け台は、該切断位置を挟んで該ローター軸の中心軸の方向の両側で該切断位置の軸部を支持するものとすることができる。これによれば、ローター軸をその切断位置の軸部で支持して切断を行うことができ、切断後も該切断位置の軸部を該切断位置の両側で引き続き支持することができる。
【0021】
この発明の廃止処理方法において、前記ワーク受け台は、前記ローター軸を、前記切断位置を挟んで該ローター軸の中心軸の方向の両側のそれぞれ複数箇所の軸部で支持するものとすることができる。これによれば、切断後も切断位置の両側でローター軸を引き続き支持することができる。
【0022】
この発明の廃止処理方法において、前記ワーク受け台は、前記ローター軸を、その切断位置の軸部よりも中心軸の方向の一端側寄りの少なくとも2箇所の軸部で前記基礎上に自立支持する基礎上ワーク受け台を含むものとすることができる。これによれば、ローター軸をその切断位置の軸部よりも中心軸の方向の一端側寄りの少なくとも2箇所の軸部で基礎上ワーク受け台により基礎上に自立支持した状態で切断を行うことができる。
【0023】
この発明の廃止処理方法は、前記ローター軸からローター翼を取り外した状態で前記切断を行うものとすることができる。これによれば、ローターの最大径が小さくなるので、軸部への鋸刃の進入が容易になる。
【0024】
この発明の廃止処理方法は、前記ローター軸が該ローター軸の中心軸の方向の中央位置に対し複数のホイール部を左右対称に配置した構造を有し、該ローター軸を前記基礎上に支持して一方の端部側の軸部を切断し、次いで該ローター軸の残りの部分をクレーンで吊り上げて左右を反転させて前記基礎上に支持して他方の端部側の軸部を切断するものとすることができる。これによれば、ローター軸を一方の端部側からのみ順次切断する場合に比べて、ローター軸の中心軸の方向の重心位置が、該ローター軸の中心軸の方向の中心位置からずれる量を少なくできる。したがってクレーンでローター軸を吊り上げたときの該ローター軸の傾きを抑制することができ、安全に作業を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<<実施の形態1>>
この発明の実施の形態1を
図1〜
図11を参照して説明する。
図1および
図2はこの発明による廃止処理装置(解体装置)12を用いて発電用タービンローターのローター軸(以下「ワーク」という場合がある)10を切断して解体する状態を示す。ワーク10はホイール部10bの外周縁部からローター翼(図示せず)を外してから解体装置12で切断される。解体装置12は、発電所の建屋の床等の基礎14上に載置支持されたバンドソー移動ベース16と、バンドソー移動ベース16上に水平方向に移動自在に支持されたバンドソー支持構造体18と、バンドソー支持構造体18の前面に昇降自在に支持されたバンドソー装置20と、ワーク10をバンドソー移動ベース16上で支持する(すなわちワーク10をバンドソー移動ベース16を介して基礎14上に間接に支持する)バンドソー移動ベース上ワーク受け台(架台)22,24と、ワーク10を基礎14上に直接に支持する基礎上ワーク受け台(架台、ヤゲン台)26,28(ワーク受け台28は
図10A(1)参照)を具える。ローター軸10の軸部10a(ホイール部10bを外れた細径の部分)は場所によって径が異なるので、中心軸Xを常に一定の高さの水平の姿勢にしてローター軸10を支持して切断できるように、ワーク受け台22,24,26,28はいずれも高さ調節が可能に構成されている。解体装置12はワーク10をワーク受け台22,24,26,28で基礎14上に水平に支持し、バンドソー支持構造体18をバンドソー移動ベース16上でワーク10の中心軸Xの方向に移動してバンドソー装置20を所定の切断位置に位置決めし、その位置で鋸刃139を回転させながらバンドソー装置20を下降させて、ワーク10の軸部10aを切断する。
【0027】
解体装置12は
図3に示す次の13個のパーツに分解および組立可能に構成されている。各パーツはコンテナに収容してトラックで運搬することができる。なおワーク10の解体にはこれら13個のパーツのほか、基礎上ワーク受け台26,28(
図1、
図2、
図10、
図11)を使用する。
・バンドソー移動ベース16の左側分割ベース16L
・バンドソー移動ベース16の右側分割ベース16R
・バンドソー支持構造体18の左側支柱18L
・バンドソー支持構造体18の右側支柱18R
・バンドソー支持構造体18の上部連結梁18U
・バンドソー支持構造体18の下部連結梁18B
・ワーク積載テーブル66
・固定式ワーク受け台22
・移動式ワーク受け台24
・バンドソー装置(切断ヘッドユニット)20
・切断ヘッドバランス油圧シリンダ51
・油圧ユニット52
・電源盤58
解体装置12をこれら13個のパーツに分解した状態でトラックに積載して発電所に搬入し、該発電所内のローター軸の切断を行う場所で解体装置12を組み立ててローター軸の切断を行い、該切断を終了後に、解体装置12を再度分解してトラックに積載して該発電所から搬出する。これにより1台の解体装置12を各地の発電所に搬送してローター軸の切断を行うことができる。以下
図3の各パーツについて説明する。
【0028】
《バンドソー移動ベース16》
バンドソー移動ベース16を
図4に示す。バンドソー移動ベース16は切断時のワーク10の中心軸Xの直下に相当する位置で左右の部分16L,16Rに分割可能な構造を有する。左側分割ベース16Lは駆動機構付きである。右側分割ベース16Rは固有の駆動機構を持たず、左側分割ベース16Lから駆動力が分配供給される。左側分割ベース16Lは、4本の鋼材30L1,30L2,30L3,30L4を矩形の枠状に組んで溶接した本体部30Lを有する。本体部30Lの外側の長辺30L1の上面には、切断時のワーク10の中心軸Xに平行になるように2本のリニアレール32L,32Lが水平に敷設されている。リニアレール32L,32Lの間にはボールねじ33Lが敷設されている。ボールねじ33Lはモータ34L(ギヤドモータ)の回転がベベルギヤボックス36Lを介して伝達されて回転駆動される。リニアレール32L,32Lには左側支柱取付座38Lがリニアレール32L,32Lに沿って移動自在に支持されている。左側支柱取付座38Lにはボールねじ33Lが螺合している。左側支柱取付座38Lはボールねじ33Lの回転に従動してリニアレール32L,32Lに沿って移動する。ベベルギヤボックス36Lからは短辺30L3に沿ってカウンター軸40Lが引き出されている。カウンター軸40Lはその先端の少し手前の位置で軸受42Lに支持されている。本体部30Lの短辺30L3,30L4の上面にはワーク積載テーブル座44a,44bが固定装着されている。
【0029】
右側分割ベース16Rは、4本の鋼材30R1,30R2,30R3,30R4を矩形の枠状に組んで溶接した本体部30Rを有し、左側の本体部30Lに対し線対称形状を有する。本体部30Rの外側の長辺30R1の上面には、切断時のワーク10の中心軸Xに平行になるように2本のリニアレール32R,32Rが水平に敷設されている。リニアレール32R,32Rの間にはボールねじ33Rが敷設されている。リニアレール32R,32Rには右側支柱取付座38Rがリニアレール32R,32Rに沿って移動自在に支持されている。右側支柱取付座38Rにはボールねじ33Rが螺合している。右側支柱取付座38Rはボールねじ33Rの回転に従動してリニアレール32R,32Rに沿って移動する。ボールねじ33Rの一端部はベベルギヤボックス36Rに連結されている。本体部30Rの短辺30R3にはカウンター軸40Rが敷設されている。カウンター軸40Rの一端部はベベルギヤボックス36Rを介してボールねじ33Rに接続されている。カウンター軸40Rはその他端部の少し手前の位置で軸受42Rに支持されている。軸受42Rにはカウンター軸手動ブレーキ46が設けられている。カウンター軸40L,40Rが連結されていないときはカウンター軸手動ブレーキ46を掛けて、カウンター軸40Rが回転しないようにしておく。カウンター軸40Rの他端部にはカウンター軸接続カップリング48が設けられている。
【0030】
左右分割ベース16L,16Rは、短辺30L3,30R3の対向する端面に設けられた接続フランジ50L1,50R1どうし、短辺30L4,30R4の対向する端面に設けられた接続フランジ50L2,50R2どうしをそれぞれボルト締めで相互に連結することにより、分解可能に組み立てられて一体化される。このとき左右のカウンター軸40L,40Rはカウンター軸接続カップリング48で連結される。カウンター軸40L,40Rを連結したら、カウンター軸手動ブレーキ46を解除する。これによりモータ34Lの回転は左右のボールねじ33L,33Rに伝達され、左右の支柱取付座38L,38Rは常にワーク10の中心軸Xの方向の同じ位置に移動して、バンドソー支持構造体18をワーク10の中心軸Xの方向に平行移動させる。
【0031】
《バンドソー支持構造体18》
バンドソー支持構造体18は
図3に示すいずれも鋼製の左側支柱18L、右側支柱18R、上部連結梁18U、下部連結梁18Bどうしを、矩形の枠状に組んでボルト締めで相互に連結することにより、分解可能に組み立てられて一体化される。バンドソー支持構造体18は矩形の枠状(箱形のフレーム構造)を有するので、高い剛性を有する。左右支柱18L,18Rを
図5に示す。左側支柱18LはL字状に形成されている。L字の下部を構成する横辺部18Laはバンドソー移動ベース16の左側支柱取付座38L(
図4)にボルト締めで着脱可能に固定される。横辺部18Laの上面には油圧ユニット52が着脱可能に装着される。油圧ユニット52は
図3の切断ヘッドバランス油圧シリンダ51、
図7の固定式ワーク受け台22のワーク支持面昇降用油圧シリンダ102、
図8の移動式ワーク受け台24のワーク支持面昇降用油圧シリンダ127、
図9のバンドソー装置20のテンション用油圧シリンダ55等の油圧駆動源である。L字の縦辺部18Lbの前面にはリニアレール54Lが垂直に敷設されている。リニアレール54Lにはバンドソー取付座56Lが昇降自在に装着されている。
【0032】
右側支柱18Rは左側支柱18Lと同じL字状に形成されている。L字の下部を構成する横辺部18Raはバンドソー移動ベース16の右側支柱取付座38R(
図4)にボルト締めで着脱可能に固定される。横辺部18Raの上面には電源盤58が着脱可能に装着される。電源盤58は解体装置12の各電動装置
(
図4のバンドソー支持構造体移動用モータ34L、
図5のバンドソー昇降用モータ62、
図5の油圧ユニット52、
図9の鋸刃回転用モータ141等に駆動電源を供給する。L字の縦辺部18Rbの前面にはリニアレール54Rとボールねじ60が垂直に敷設されている。リニアレール54Rにはバンドソー取付座56Rが昇降自在に装着されている。バンドソー取付座56Rにはボールねじ60が螺合している。ボールねじ60はモータ62(サーボモータ)の回転が減速機64を介して伝達されて回転駆動される。バンドソー取付座56Rはボールねじ60の回転に従動してリニアレール54Rに沿って移動する。左右のバンドソー取付座56L,56Rにはバンドソー装置20(
図3)が装着される。これによりバンドソー装置20はモータ62の駆動により左右支柱18L,18Rに沿って平行移動(昇降)する。このときバンドソー取付座56Lはバンドソー装置20の昇降に従動して昇降する。
【0033】
《ワーク積載テーブル66》
ワーク積載テーブル66を
図6に示す。ワーク積載テーブル66は鋼材で平面形状が矩形に形成されている。矩形の各角部には下方に伸びる脚68a,68b,68c,68dが設けられ、ワーク積載テーブル66の下面に空間69を形成する。ワーク積載テーブル66は各脚68a,68b,68c,68dをバンドソー移動ベース16(
図4)のワーク積載テーブル座44a,44b,44c,44dにボルト締めでそれぞれ固定することにより、バンドソー移動ベース16上に載置固定される。ワーク積載テーブル66のテーブル面の前端部には固定式ワーク受け台座70が固定装着されている。固定式ワーク受け台座70には固定式ワーク受け台22(
図3、
図7)が固定支持される。ワーク積載テーブル66のテーブル面の固定式ワーク受け台座70の後方位置には移動式ワーク受け台座72が配置されている。移動式ワーク受け台座72には移動式ワーク受け台24(
図3、
図8)が固定支持される。ワーク積載テーブル66のテーブル面にはリニアレール74,76が敷設され、リニアレール74,76には移動式ワーク受け台座72が水平方向かつワーク10の中心軸Xに平行な方向(バンドソー装置20によるワーク10の切断面に直交する方向)に移動自在に装着されている。リニアレール74,76の間にはボールねじ78が敷設されている。ボールねじ78は移動式ワーク受け台座72に固定装着されたボールねじナット80に螺合している。ボールねじ78はワーク積載テーブル66の中間連結鋼材67に固定されたボールねじハウジング82に軸周り方向に回転自在かつ軸方向に移動不能に支持されている。ボールねじ78の後端部にはハンドル84が取り付けられている。以上の構成により、ハンドル84を手動で回転すると、移動式ワーク受け台座72はワーク10の中心軸Xに平行な方向に移動し、その結果固定式ワーク受け台座70と移動式ワーク受け台座72との間の距離が変更される。ワーク積載テーブル66の上面の中間連結鋼材67を挟んでワーク受け台座70,72を配置した領域と反対側の領域にはメッシュ状のエキスパンドメタルを展張した点検架台86が構成されている。点検架台86では作業者が上に乗って各種作業(ハンドル84の回転、
図7の固定式ワーク受け台22のボルト98および
図8の移動式ワーク受け台24のボルト121の操作、
図8の軸部用矢板126,126および
図1、
図2のホイール部用矢板128,128の操作等)をする。点検架台86はメッシュ状のエキスパンドメタルで構成されているので、ワーク10の切断時に発生する切り粉をメッシュを通して下に落下させることができる。
【0034】
《固定式ワーク受け台22》
固定式ワーク受け台22を
図7に示す。固定式ワーク受け台22は鋼材で構成される。固定式ワーク受け台22は高さを調整可能に構成されている。これにより中心軸Xの方向の位置によって径が異なる(したがって支持する位置の高さが異なる)軸部10aに応じて高さを調節して、該軸部10aを支持することができる。固定式ワーク受け台22は、ワーク積載テーブル66(
図6)の固定式ワーク受け台座70にボルト締めで着脱自在に固定されるフランジ座88と、フランジ座88に溶接で立設固定されたベース90と、ベース90の上部を前後に挟んでベース90に昇降可能に支持された昇降板92,94を具える。昇降板92,94の左右側縁部付近には上下方向に延在する長穴96がそれぞれ形成され、各長穴96にはボルト98がそれぞれ通されている。ボルト98はベース90にねじ込まれる。ボルト98を締め付けることにより昇降板92,94はベース90に固定され、ボルト98を緩めることにより昇降板92,94はベース90に対し昇降可能になる。
図7では手前側の昇降板92についてのみ長穴96とボルト98が現れているが、後側の昇降板94側にも同様に長穴96とボルト98が配置されている。昇降板92,94の上部には受け部材100が挟み込まれて溶接で一体化されている。したがって昇降板92,94および受け部材100はベース90に対し一体となって昇降する。ベース90の上面と受け部材100の下面との間には油圧シリンダ102が配置されている。全ボルト98を緩めた状態で油圧シリンダ102を駆動することにより、昇降板92,94および受け部材100は一体となって昇降する。受け部材100の上面(支持面)100aは、基礎上ワーク受け台26,28と異なりヤゲン台状でなく平坦面に形成されている。これは基礎上ワーク受け台26,28で自立支持されているワーク10に対して固定式ワーク受け台22の位置に多少のずれ(ワーク10の中心軸Xに直交する水平方向のずれ)があっても、受け部材100でワーク10を支持できる(つまり受け部材100の上面の長手方向の中央部を外れた位置でもワーク10を支持できる)ようにするためである。ベース90には昇降板92,94の左右両側部をガイドするガイド104が固定されている。ガイド104により昇降板92,94および受け部材100は傾くことなく昇降し、受け部材100の上面100aは常に水平面に保たれる。固定式ワーク受け台22の高さ調整は、油圧シリンダ102の上面を受け部材100の下面に当接させた状態で全ボルト98(1箇所に2本ずつで、全部で8本)を緩め、油圧シリンダ102を駆動して受け部材100の高さを調整し、調整終了後に全ボルト98を締め付けて受け部材100をベース90に固定することにより行われる。受け部材100の上面100aの短手方向中央部には長手方向(ワーク10の中心軸Xに直交する方向)に沿ってバンドソー装置20(
図9)の鋸刃139を除ける溝部108が形成されている。受け部材100には受け皿106が傾斜して固定されている。受け皿106はワーク10の切断時に切り粉および切削油を受ける。受け皿106で受けた切り粉および切削油は傾斜に沿って流れて、受け皿106の端部に形成されたクーラント槽106aに回収される。
【0035】
《移動式ワーク受け台24》
移動式ワーク受け台24を
図8に示す。移動式ワーク受け台24はフランジ座111、ベース113、長穴119が形成された昇降板115,117、ボルト121、ガイド123、受け部材125、油圧シリンダ127を具える。受け部材125の上面(支持面)125aに溝部(
図7の溝部108に相当するもの)が形成されていないこと、受け部材125に固定式ワーク受け台22の受け皿106(
図7)が形成されていないこと以外は固定式ワーク受け台22と同じ構成を有し、かつ同じ方法で操作される。移動式ワーク受け台24はフランジ座111をワーク積載テーブル66(
図6)の移動式ワーク受け台座72にボルト締めで固定することにより移動式ワーク受け台座72に着脱自在に固定される。該固定された状態で
図6のハンドル84を回すことにより移動式ワーク受け台24はワーク10の中心軸Xの方向に移動し、固定式ワーク受け台22との間の距離が調整される。なお受け部材125の上面125aでワーク10を支持した後に、受け部材125の上面125aに、切断品(切り落とした部分)の転がり防止のために
図8に二点鎖線で示すようにくさび状の一対の軸部用矢板126,126が該上面の延在方向にスライド自在に載せて嵌合され、この状態でワーク10の切断が行われる。
【0036】
《バンドソー装置20》
バンドソー装置20を
図9に示す。バンドソー装置20は下向きC字型のヘッドフレーム129内に駆動用ホイール131、従動用ホイール133,135、テンションホイール137が収容配置され、これらホイール131,133,135,137にエンドレスの帯状の鋸刃(ブレード)139が掛け回されている。駆動用ホイール131はモータ141(サーボモータまたはインバーターモーター)の回転が減速機142を介してを介して伝達されて回転駆動され、鋸刃139をその延在方向に回転させる。テンションホイール137は油圧シリンダ55によって駆動用ホイール131に対して接近・離隔するように水平方向に移動し、鋸刃139のテンションが設定された値になるように調整する。鋸刃139は切断ヘッドフレーム129の下向きの開口部143の下部に水平方向に延在して露出する。開口部143は、
図1(b)からわかるように、ワーク10の中心軸Xの方向へのバンドソー支持構造体18の移動時およびバンドソー装置20を下降してワーク10を切断する時にヘッドフレーム129がワーク10のホイール部10bを跨いでホイール部10bに接触しない十分な大きさに形成されている。鋸刃139は切断ヘッドフレーム129の開口部143の下部の互いに対向する面に設置されたブレードガイド145,147に掛けられて90度回転され、ブレードガイド145,147で挟まれた区間で鋸刃139の面が垂直に立てられる。これにより、鋸刃139をその延在方向に回転駆動しながらバンドソー装置20全体を下降させることにより、ブレードガイド145,147の間で鋸刃139によりワーク10を中心軸Xに対し直角に切断することができる。
【0037】
《切断ヘッドバランス油圧シリンダ51》
バンドソー装置20の自重を左右のバンドソー取付座56L,56Rだけで受けるとボールねじ60の負担が大きくなるので、バンドソー装置20のヘッドフレーム129とバンドソー支持構造体18の下部連結梁18Bとの間に切断ヘッドバランス油圧シリンダ51を垂直に連結する。バンドソー装置20の昇降に連動して切断ヘッドバランス油圧シリンダ51を伸縮させることにより、バンドソー装置20の自重の多くの部分を切断ヘッドバランス油圧シリンダ51に負担させる。これによりボールねじ60の負担が軽減される。
【0038】
図3の各パーツは次の手順1〜10で組み立てられて解体装置12が構成される。
・手順1:左側分割ベース16Lと右側分割ベース16Rを連結してバンドソー移動ベース16を組み立てる。
・手順2:左側支柱18Lをバンドソー移動ベース16の左側支柱取付座38Lに立てて固定する。
・手順3:右側支柱18Rをバンドソー移動ベース16の右側支柱取付座38Rに立てて固定する。
・手順4:上部連結梁18Uを左側支柱18Lの上部と右側支柱18Rの上部との間に取り付ける。
・手順5:下部連結梁18Bを左側支柱18Lの下部と右側支柱18Rの下部との間に取り付ける。
・手順6:左右支柱18L,18Rのバンドソー取付座56L,56Rをその移動方向の同じ位置に配置してバンドソー装置20を取り付ける。
・手順7:バンドソー装置20のヘッドフレーム129とバンドソー支持構造体18の下部連結梁18Bとの間に切断ヘッドバランス油圧シリンダ51を連結する。
・手順8:バンドソー移動ベース16にワーク積載テーブル66を載せて固定する。
・手順9:ワーク積載テーブル66の固定式ワーク受け台座70に固定式ワーク受け台22を取り付ける。
・手順10:ワーク積載テーブル66の移動式ワーク受け台座72に移動式ワーク受け台24を取り付ける。
・手順11:油圧ユニット52、電源盤58を取り付け、電源ケーブル、油圧ホース等の接続を行い、組み立てを完了する。
【0039】
以上説明した構成を有する解体装置12を使用してワーク10を複数の軸部で切断して解体する手順を
図10および
図11に基づいて説明する。
図10は全切断箇所の切断が終了するまでの工程(ただし途中の繰り返し工程は図示を省略)を示し、
図11はn回目の切断を行う1サイクル分の工程を示す。
【0040】
《工程(1)(ローター軸セット準備):
図10A(1)》
発電所内のローター軸が保管されている場所の近くの基礎14(発電所の建屋の床等)上に解体装置12を載置(置くだけまたはアンカーボルトで固定)して設置する。バンドソー支持構造体18をバンドソー移動ベース16上で切断位置に対して水平方向外側(ワーク10をセットするのに邪魔にならない位置)に退避させる。バンドソー支持構造体18の下部連結梁18Bはワーク積載テーブル66の下面の空間69に配置されているので、バンドソー支持構造体18はワーク受け台22,24に邪魔されることなく移動することができる。さらにバンドソー装置20を上方位置に退避させる。次いで、切断位置を挟んでバンドソー装置20を水平方向に退避させる方向と反対側の基礎14上に基礎上ワーク受け台26,28を設置する(置くだけ。アンカーボルトによる固定は不要)。このとき基礎上ワーク受け台26,28を、解体装置12に対してワーク10の配置すべき中心軸Xの方向および中心軸Xに直交する水平方向に位置決めして置く。すなわち、ワーク10の中心軸Xの方向については、解体装置12は固定式ワーク受け台22の上面の短手方向中央部(溝部108の位置)の上方位置から鋸刃139を下降させてワーク10を切断するので、ワーク10の切断予定位置が固定式ワーク受け台22の上面の短手方向中央部に配置されたときに、基礎上ワーク受け台26,28がワーク10のホイール部10bを除けて軸部10aを支持してワーク10を自立支持できる位置(基礎上ワーク受け台26,28の中間位置にワーク10の重心位置が来る位置)に基礎上ワーク受け台26,28を予め位置決めする。また中心軸Xに直交する水平方向については、ワーク10の中心軸Xの配置予定位置を通る垂直面が基礎上ワーク受け台26,28の支持中心軸を通るように基礎上ワーク受け台26,28を予め位置決めする。基礎上ワーク受け台26,28の高さは、基礎上ワーク受け台26,28で支持する位置の軸部10aの径に応じて、中心軸Xを基礎14に対して常に一定の高さの水平の姿勢にしてワーク10を支持できる高さに予め調整する。ホイール部10b相互間の距離は場所によって異なるので、ホイール部10bを除けて固定式ワーク受け台22および移動式ワーク受け台24を配置するために、両ワーク受け台22,24間の距離を調整する必要がある。そこで移動式ワーク受け台24について、固定式ワーク受け台22に対して基礎上ワーク受け台26,28と反対側の所定の軸部10aを支持するように、ハンドル84を回して予め固定式ワーク受け台22との間の距離を調整する。固定式ワーク受け台22および移動式ワーク受け台24は予めボルト98,121を緩めて高さを下げておく。これでワーク10をセットする準備が整う。準備が整ったら、近くに保管されているワーク10の両端の軸部10aにワイヤーロープ149,149を掛けて、ワーク10を該保管場所に設置されているクレーン151で吊り上げる。
【0041】
《工程(2)(ワークセット):
図10A(2)》
クレーン151で吊り上げたワーク10を最初の切断箇所が固定式ワーク受け台22の上面の短手方向中央部に来るように位置を調整して基礎上ワーク受け台26,28上に水平に降ろす。1回目の切断はワーク10の一端の最外部のホイール部10bのすぐ外側の軸部10aを切断するので、この切断位置が固定式ワーク受け台22の上面の短手方向中央部に位置に来るようにする。このときワーク10の中心軸Xの方向の重心位置が基礎上ワーク受け台26,28の間に来るように、基礎上ワーク受け台26,28の位置が予め調整されているので、基礎上ワーク受け台26,28はワーク10を自立支持することができる。また基礎上ワーク支持台26,28の上面には
図1(b)に示すようにV字溝153が形成されているので、基礎上ワーク受け台26,28はワーク10の軸部10aを安定に支持することができる。この時点では固定式ワーク受け台22および移動式ワーク受け台24はまだワーク10を支持していないので、移動式ワーク受け台24はホイール部10bに当たらない範囲でワーク10の中心軸Xの方向の位置を微調整することができる。次いで固定式ワーク受け台22(
図7)の油圧シリンダ102を駆動して受け部材100をワーク10に突き当て、ボルト98を締め付けて受け部材100の支持面100aでワーク10の切断位置の軸部10aを支持する。同様に移動式ワーク受け台24(
図8)の油圧シリンダ127を駆動して受け部材125をワーク10に突き当て、ボルト121を締め付けて受け部材125の支持面125aでワーク10の他の軸部10a(切断位置の軸部10aを挟んで基礎上ワーク支持台26,28で支持されている軸部10aと反対側の軸部10a)を支持する。これにより、ワーク10の中心軸Xの方向の位置によって軸部10aの径が異なっても、中心軸Xが常に一定の高さの水平の姿勢になるように各ワーク受け台22,24,26,28でワーク10を支持して切断することができる。固定式ワーク受け台22および移動式ワーク受け台24のボルト98,121は、作業者がワーク積載テーブル66の点検架台86(
図6)に乗って、ホイール部10bとの間の隙間から工具を差し込んで操作することができる。移動式ワーク受け台24については受け部材125でワーク10を支持した後に、切断品の転がり防止のために、受け部材125の上面125aに一対の軸部用矢板126(
図8)が作業者によって装着されてワーク10の軸部10aの下部に両側から突き当てられる。また受け部材125でワーク10を支持した後に、ワーク積載テーブル66上の固定式ワーク受け台座70と移動式ワーク受け台座72との間の矢板載置箇所73,75(
図6)には、切断品の転がり防止のために、くさび状の一対のホイール部用矢板128,128(
図1、
図2)が作業者によって載せられてワーク10のホイール部10bの下部に両側から突き当てられる。固定式ワーク受け台22については、切断を行う場所なので矢板は配置されない。
【0042】
《工程(3)(バンドソー位置セット):
図10A(3)》
バンドソー装置20を上方位置に退避させたまま、バンドソー支持構造体18をバンドソー移動ベース16上で移動させてバンドソー装置20の鋸刃139が切断予定位置(固定式ワーク受け台22の溝部108(
図7)の直上位置)に来るように位置決めする。バンドソー装置20を上方位置に退避させた状態では、鋸刃139をワーク10のホイール部10bに接触させることなくバンドソー支持構造体18を移動させて、バンドソー装置20を切断位置まで移動させることができる。
【0043】
《工程(4)(切断):
図10B(4)》
バンドソー装置20の鋸刃139を回転駆動し、ブレードガイド145,147のうちワーク入口側に位置するものに切削液をミストにしてまたは直に掛けながら、バンドソー装置20を下降させてワーク10の一端部をワーク10の中心軸Xに直角に輪切り状に切断する。バンドソー装置20の下降は鋸刃139が固定式ワーク受け台22の溝部108(
図7)に入り込んだ位置で停止する。ワーク10の切断を終了したら、鋸刃139の回転を止め、バンドソー装置20を上昇させて上方位置に退避させる。ワーク10の切断品10−1は固定式ワーク受け台22の上面の溝部108を挟んだ一方側の部分と移動式ワーク受け台24とで水平に支持された状態が保たれる。ワーク10の残存品(残された部分)10−2は基礎上ワーク受け台26,28で水平に支持された状態が保たれる。固定式ワーク受け台22の上面の溝部108を挟んだ他方側の部分でもワーク10の残存品10−2を引き続き支持する。
【0044】
《工程(5)(切断品撤去):
図10B(5)》
切断品10−1にワイヤーロープ149を掛けて、切断品10−1をクレーン151で吊り上げて所定の場所に移動して降ろす。
【0045】
《工程(6)(切断箇所の位置換え):
図10B(6)》
残存品10−2にワイヤーロープ149を掛けて、残存品10−2をクレーン151で吊り上げて方向を水平方向に反転させる。
【0046】
《工程(7)(ワークセット):
図10C(7)》
クレーン151で残存品10−2を吊り上げたら、基礎上ワーク受け台26,28の位置および固定式ワーク受け台22と移動式ワーク受け台24との間の距離を2回目の切断箇所に応じて再調整する。また固定式ワーク受け台22および移動式ワーク受け台24の高さを下げておく。これらの準備が終了したら、クレーン151で吊り上げた残存品10−2を2回目の切断箇所が固定式ワーク受け台22の位置に来るように位置を調整して基礎上ワーク受け台26,28上に水平に降ろす。2回目の切断はワーク10−2の他端の最外部のホイール部10bのすぐ外側の軸部10aを切断するので、この切断位置が固定式ワーク受け台22の位置に来るようにする。このときワーク10−2の中心軸Xの方向の重心位置が基礎上ワーク受け台26,28の間に来るように基礎上ワーク受け台26,28の位置を設定することにより、基礎上ワーク受け台26,28でワーク10−2を自立支持することができる。ワーク10−2を基礎上ワーク支持台26,28に支持したら、固定式ワーク受け台22(
図7)の油圧シリンダ102を駆動して受け部材100をワーク10−2に突き当て、ボルト98を締め付けて受け部材100でワーク10−2の切断位置の軸部10aを支持する。同様に移動式ワーク受け台24(
図8)の油圧シリンダ127を駆動して受け部材125をワーク10−2に突き当て、ボルト121を締め付けて受け部材125でワーク10−2の他の軸部10aを支持する。受け部材125でワーク10−2を支持した後に、受け部材125の上面に一対の軸部用矢板126(
図8)を装着してワーク10−2の軸部10aの下部に両側から突き当てる。また受け部材125でワーク10−2を支持した後に、ワーク積載テーブル66上に一対のホイール部用矢板128(
図1、
図2)を載せてワーク10−2のホイール部10bの下部に両側から突き当てる。
【0047】
《工程(8)(バンドソー位置セット):
図10C(8)》
バンドソー支持構造体18をバンドソー移動ベース16上で移動させてバンドソー装置20を切断位置に位置決めする。
【0048】
《工程(9)(切断):
図10C(9)》
バンドソー装置20の鋸刃139を回転駆動し、切断箇所に切削液を掛けながら、バンドソー装置20を下降させてワーク10−2の他端部を輪切り状に切断する。ワーク10−2の切断を終了したら、鋸刃139の回転を止め、バンドソー装置20を上昇させて上方位置に退避させる。ワーク10−2の切断品10−3は固定式ワーク受け台22の上面の溝部108(
図7)を挟んだ一方側の部分と移動式ワーク受け台24とで水平に支持された状態が保たれる。ワーク10−2の残存品10−4は基礎上ワーク受け台26,28で水平に支持された状態が保たれる。固定式ワーク受け台22の上面の溝部108を挟んだ他方側の部分でもワーク10−2の残存品10−4を引き続き支持する。
【0049】
《工程(10)(切断品移動):
図10D(10)》
切断品10−3にワイヤーロープ149を掛けて、切断品10−3をクレーン151で吊り上げて所定の場所に移動して降ろす。
【0050】
《工程(11)〜(19)(工程繰り返し):
図10D(11)〜
図10F(19)》
以後、残存品の吊り上げ・反転・セット、バンドソー装置20の位置セット、ホイール部10b,10b間に鋸刃139を進入させて行う軸部10aの両端側からの切断、切断品の撤去の操作を複数回繰り返す。これにより例えば120トンの重量を有する1本のローター軸10を5〜20トン程度の塊に分割することができるので、塊ごとに通常のクレーンで保管場所から降ろしてトラックに載せて発電所内の保管場所へ搬出し、必要に応じて除染して再資源化することもできる。また1回の切断ごとにワークの方向を反転させるので、ワーク10の重心位置が、当初の重心位置(中心軸Xの方向の中心位置)からずれる量を少なくできる。したがってクレーン151でワーク10を吊り上げたときにワーク10の傾きを抑制することができ、安全に作業を行うことができる。なお工程(15)(
図10E(15))ではホイール部10bの2枚を1つの切断品として切断しているが、1枚のホイール部10bごとに切断することもできる。
【0051】
図11に示すn回目の切断を行う1サイクル分の工程について説明する。
《工程(n1)(ローター軸セット準備):
図11A(n1)》
1回目の切断の工程(1)(
図10A(1))と同様の、ワーク10のセットを行う前の準備工程である。ここでは基礎上ワーク受け台26,28および移動式ワーク受け台24の位置(ワーク10の中心軸Xの方向の位置)、基礎上ワーク受け台26,28の高さが調整される。ここではホイール部10bの2枚を1つの切断品として切断する場合を想定している。固定式ワーク受け台22および移動式ワーク受け台24は高さを下げておく。ワーク10をセットする準備が整ったら、ワーク10の軸方向の両端側にワイヤーロープ149を掛けて(
図11A(1)は一方端側のみ示す)、ワーク10をクレーン151(
図10A(1))で吊り上げる。
【0052】
《工程(n2)(ワークセット):
図11A(n2)》
1回目の切断の工程(2)(
図10A(2))と同様の、ワーク10のセットを行う工程である。クレーン151で吊り上げたワーク10をn回目の切断箇所が固定式ワーク受け台22の上面の短手方向中央部に来るように位置を調整して基礎上ワーク受け台26,28上に水平に降ろす。このときワーク10の中心軸Xの方向の重心位置が基礎上ワーク受け台26,28の間に来るように、基礎上ワーク受け台26,28の位置が予め調整されているので、基礎上ワーク受け台26,28はワーク10を自立支持することができる。次いで、必要に応じて移動式ワーク受け台24の位置を微調整した後、固定式ワーク受け台22(
図7)の支持面100aを油圧シリンダ102で上昇させてワーク10に突き当て、ボルト98を締め付けて支持面100aでワーク10の切断予定箇所を支持する。同様に、移動式ワーク受け台24(
図8)の支持面125aを油圧シリンダ127で上昇させてワーク10に突き当て、ボルト121を締め付けて、支持面125aでワーク10の所定の支持位置(ワーク10の中心軸Xの方向について、固定式ワーク受け台22の支持面100aによる支持位置に対し、基礎上ワーク受け台26,28による支持位置と反対側の位置にある軸部10a)を支持する。さらに受け部材125の支持面125aに一対の軸部用矢板126(
図8)を装着してその位置の軸部10aに突き当て、ワーク積載テーブル66上の矢板載置箇所73,75(
図6)に一対のホイール部用矢板128,128(
図1、
図2)を置いて、その位置(固定式ワーク受け台22と移動式ワーク受け台24の間の位置)のホイール部10bに突き当てて、ワーク10の切断後に切断品が転がるのを防止する。
【0053】
《工程(n3)(バンドソー位置セット):
図11B(n3)》
1回目の切断の工程(3)(
図10A(3))と同様の、バンドソー装置20を切断位置に移動する工程である。バンドソー装置20を上方位置に退避させたまま、バンドソー支持構造体18をバンドソー移動ベース16上で移動させてバンドソー装置20の鋸刃139が切断予定位置(固定式ワーク受け台22の溝部108(
図7)の直上位置)に来るように位置決めする。
【0054】
《工程(n4)(切断):
図11B(n4)》
1回目の切断の工程(4)(
図10B(4))と同様の、バンドソー装置20を下降させてワーク10の切断を行う工程である。バンドソー装置20の鋸刃139を回転駆動し、バンドソー装置20を下降させてワーク10を輪切り状に切断する。
【0055】
《工程(n5)(切断完了):
図11C(n5)》
1回目の切断の工程(4)(5)(
図10B(4)(5))の中間に相当する工程である。ワーク10の切断を終了したら、鋸刃139の回転を止め、バンドソー装置20を上昇させて上方位置に退避させる。このときワーク10の切断品10−nは固定式ワーク受け台22の上面の溝部108(
図7)を挟んだ一方側(
図11C(n5)では左側)の部分と移動式ワーク受け台24とで水平に支持された状態が保たれる。ワーク10の残存品10−(n+1)は基礎上ワーク受け台26,28で水平に支持された状態が保たれる。固定式ワーク受け台22の上面の溝部108を挟んだ他方側(
図11C(n5)では右側)の部分でもワーク10の残存品10−(n+1)を引き続き支持する。
【0056】
《工程(n6)(切断品撤去):
図11C(n6)》
1回目の切断の工程(5)(
図10B(5))と同様の、切断品を撤去撤去する工程である。切断品10−nにワイヤーロープ149を掛けて、切断品10−nをクレーン151で吊り上げて所定の場所に移動して降ろす。
【0057】
<<実施の形態2>>
この発明の実施の形態2を
図12〜
図13に示す。これは実施の形態1におけるバンドソー移動ベース16によるバンドソー支持構造体18の移動を両軸駆動で行ったのに対し、これを片軸駆動で行うように変更したものである。実施の形態1と共通する部分には同一の符号を用いる。変更箇所は実施の形態1のバンドソー移動ベース16の左右支柱取付座38L,38Rの駆動機構のみである。
図12の廃止処理装置(解体装置)12’のバンドソー移動ベース16’を
図13に左右の分割ベース16L’,16R’に分解した状態で示す。左側分割ベース16L’は
図4の左側分割ベース16Lからベベルギヤボックス36L、カウンター軸40Lおよびカウンター軸40Lの軸受42Lを除去したものとして構成されている。右側分割ベース16R’は
図4の右側分割ベース16Rからカウンター軸40R、カウンター軸40Rの軸受42R、ベベルギヤボックス36R、ボールねじ33Rを除去したものとして構成されている。左右の分割ベース16L’,16R’を連結してバンドソー支持構造体18を左右の支柱取付座38L,38Rに固定支持した状態で、モータ34Lを駆動して左側支柱取付座38Lを移動させてバンドソー支持構造体18を移動させると、右側支柱取付座38Rはバンドソー支持構造体18に従動して左側支柱取付座38Lとワーク10の中心軸Xの方向の同じ位置に従動する。
【0058】
前記実施の形態では切断位置の軸部10aに配置するワーク受け台を1台のワーク受け台22(
図7)で構成し、その受け部材100の上面に鋸刃除けの溝部108を形成したが、切断位置の軸部10aに配置するワーク受け台を2台のワーク受け台で別々に構成して、両ワーク受け台を隙間を空けて配置し、鋸刃139を該隙間で除けるように構成することもできる。また前記実施の形態では切断位置の軸部10aをワーク受け台22で支持するようにしたが、切断位置の軸部10aをワーク受け台22で支持することは必須ではなく、切断位置の軸部10aを除けてワーク受け台を配置することもできる。