(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095433
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】溶解物質の析出除去装置及び析出除去方法
(51)【国際特許分類】
B03C 3/40 20060101AFI20170306BHJP
B03C 3/02 20060101ALI20170306BHJP
B03C 3/41 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
B03C3/40 C
B03C3/02 A
B03C3/40 A
B03C3/41 B
B03C3/41 J
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-59381(P2013-59381)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-184363(P2014-184363A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】596171384
【氏名又は名称】株式会社 徳武製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】594095349
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100086221
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 裕也
(74)【代理人】
【識別番号】100128794
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 庸悟
(72)【発明者】
【氏名】徳武 利洋
(72)【発明者】
【氏名】田代 哲
(72)【発明者】
【氏名】久保田 強
【審査官】
高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−202094(JP,A)
【文献】
実開昭49−042577(JP,U)
【文献】
特開平10−199653(JP,A)
【文献】
特公昭36−009249(JP,B1)
【文献】
特開2005−078980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C 3/40、 3/41、 3/02
B05B 5/00− 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液に溶解されている物質を乾燥・析出させて分離・除去する溶解物質の析出除去装置において、
溶液からミストを発生させる霧発生装置と、
該霧発生装置によって発生されたミストが導かれる部位に配され、上方へ先端が延びるように設けられて高電圧が印加される針電極と、
該針電極の上方に円筒形状に設けられ、前記針電極の先端から最も近い部位となる円形の下端縁内周の全周について等距離となるように、前記針電極の少なくとも先端部と同心の上下方向に立てられた状態に配され、接地されて前記針電極と円筒形状の内周面との間でコロナ放電がなされて上昇流のイオン風が生じると共に前記ミストを微細化させてナノミストを発生させる円筒電極と、
前記溶液に溶解されていた物質が析出されて生じる極小微粒子を付着させて取り出すように、前記円筒電極の上方に配され、微粒子が付着するように接地されている被付着面を備える集塵部とを具備することを特徴とする溶解物質の析出除去装置。
【請求項2】
前記円筒電極に凝集して生じた液滴が流れやすいように、前記円筒電極の下端縁内周に切り欠かれて形成された切り欠き溝を備えることを特徴とする請求項1記載の溶解物質の析出除去装置。
【請求項3】
前記針電極を内包して前記円筒電極を支持するように設けられたボディ部であって、前記円筒電極の直下の部位の下方へ向って徐々に拡径する円錐筒体状に形成された拡径部において、該拡径部の内周面が多孔質状に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の溶解物質の析出除去装置。溶解物質の析出除去装置。
【請求項4】
前記針電極に凝集して生じた液滴が流れやすいように、前記針電極の先端部から後端側の支持される部位に至る屈曲部に下方へ尖って形成された下向き尖部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶解物質の析出除去装置。
【請求項5】
前記霧発生装置が、溶液に接するように配される超音波振動子を構成要素として備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶解物質の析出除去装置。
【請求項6】
前記ミストが前記円筒電極を通過することで微細化されて生じるナノミストを、送り出すように送風するナノミスト送風用ファンを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶解物質の析出除去装置。
【請求項7】
前記ミストが発生される部位と前記針電極との間の前記ボディ部内へ、前記ミストを送り出すように送風するミスト送風用ファンを備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の溶解物質の析出除去装置。
【請求項8】
溶液に溶解されている物質を乾燥・析出させて分離・除去する溶解物質の析出除去方法において、
溶液から霧発生装置によってミストを発生させる工程と、
前記ミストを、高電圧が印加されてコロナ放電がなされている空間へ導いて該コロナ放電によって前記ミストを微細化させてナノミストを発生させる工程と、
微粒子が付着するように接地されている被付着面を備える集塵部へ前記ナノミストを導いて、前記溶液に溶解されていた物質が析出されて生じる極小微粒子を付着させて取り出す工程とを有することを特徴とする溶解物質の析出除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、溶液に溶解されている物質を乾燥・析出させて分離・除去する溶解物質の析出除去装置及び析出除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水溶液等の溶液にイオン化して溶け込んでいる金属などの物質を、析出させて乾燥状態で取り出すには、従来、加熱乾燥や真空乾燥によって、溶解物質を結晶化させることなどによって分離・除去する方法がとられている。しかしながら、この加熱乾燥や真空乾燥の場合、大量のエネルギーを消費することになり、効率的ではなかった。
【0003】
また、使用目的は全く異なるが、本願発明に類似する構成を備える先行技術として、超音波霧化とコロナ放電とを用いた超音波霧化消煙装置(特許文献1参照)が開示されている。この超音波霧化消煙装置は、容器に液が入れられ、又、容器の液は予め決められた深さになるように、液供給装置から消費された液が供給されるように構成され、この液中に超音波振動子が装着され、この超音波容器に発振器から発振出力が供給され、又、超音波振動子の上部のミストが発生する位置にマイナス電極が装着され、このマイナス電極に高電圧電源が接続され、さらに、マイナス電極の上部にリング状の捕集電極が装着され、リング状の捕集電極はアースされている。
【0004】
この超音波霧化消煙装置によれば、超音波振動子から発生する超音波によって、液のミストを発生し、このミストをコロナ放電する領域を通過させることによって、液のミストを帯電し、この帯電したミストを煙に吹き付けることにより、煙が瞬時に帯電することにより、帯電した煙は床や壁に付着するので、煙が瞬時に消え、又、この帯電した液のミストを建物の解体時に吹き付けることにより、発生するほこりを消し、さらに、焼き肉やの煙除去や畜舎の消臭、又は工場の排煙処理などの環境保護に使用することができる。
しかし、この装置は、消煙などの汚染空気を清浄化するためのもので、溶解物質を取り出す技術ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−159345号公報(第1頁、[0005])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
溶解物質の析出除去装置及び析出除去方法に関して解決しようとする問題点は、水溶液等の溶液に溶け込んでいる物質を析出させて乾燥状態で取り出す技術として、従来の加熱乾燥や真空乾燥によっては、大量のエネルギーを消費することになり、効率的ではないことにある。
そこで本発明の目的は、従来の加熱乾燥や真空乾燥によらないで、溶液のミスト化とコロナ放電とを利用して、溶解物質を効率良く析出させて乾燥状態で取り出すことができる溶解物質の析出除去装置及び析出除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる溶解物質の析出除去装置の一形態によれば、溶液に溶解されている物質を乾燥・析出させて分離・除去する溶解物質の析出除去装置において、溶液からミストを発生させる霧発生装置と、該霧発生装置によって発生されたミストが導かれる部位に配され、上方へ先端が延びるように設けられて高電圧が印加される針電極と、該針電極の上方に円筒形状に設けられ、前記針電極の先端から最も近い部位となる円形の下端縁内周の全周について等距離となるように、前記針電極の少なくとも先端部と同心で上下方向に立てられた状態に配され、接地されて前記針電極と円筒形状の内周面との間でコロナ放電がなされて上昇流のイオン風が生じると共に前記ミストを微細化させてナノミストを発生させる円筒電極と、前記溶液に溶解されていた物質が析出されて生じる極小微粒子を付着させて取り出すように、前記円筒電極の上方に配され、微粒子が付着するように接地されている被付着面を備える集塵部とを具備する。
【0008】
また、本発明にかかる溶解物質の析出除去装置の一形態によれば、前記円筒電極に凝集して生じた液滴が流れやすいように、前記円筒電極の下端縁内周に切り欠かれて形成された切り欠き溝を備えることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる溶解物質の析出除去装置の一形態によれば、前記針電極を内包して前記円筒電極を支持するように設けられたボディ部であって、前記円筒電極の直下の部位の下方へ向って徐々に拡径する円錐筒体状に形成された拡径部において、該拡径部の内周面が多孔質状に設けられていることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明にかかる溶解物質の析出除去装置の一形態によれば、前記針電極に凝集して生じた液滴が流れやすいように、前記針電極の先端部から後端側の支持される部位に至る屈曲部に下方へ尖って形成された下向き尖部を備えることを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明にかかる溶解物質の析出除去装置の一形態によれば、前記霧発生装置が、溶液に接するように配される超音波振動子を構成要素として備えることを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明にかかる溶解物質の析出除去装置の一形態によれば、前記ミストが前記円筒電極を通過することで微細化されて生じるナノミストを、送り出すように送風するナノミスト送風用ファンを備えることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる溶解物質の析出除去装置の一形態によれば、前記ミストが発生される部位と前記針電極との間の前記ボディ部内へ、前記ミストを送り出すように送風するミスト送風用ファンを備えることを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明にかかる溶解物質の析出除去装置の一形態によれば、前記針電極が前記ボディ部の側周部に設けられた開口から挿入された状態に配され、該針電極にミストが凝集することを可及的に防止するように、前記開口が前記ナノミスト送風用ファンからの送風を導入する部位になっていることを特徴とすることができる。
【0013】
また、本発明にかかる溶解物質の析出除去方法の一形態によれば、溶液に溶解されている物質を乾燥・析出させて分離・除去する溶解物質の析出除去方法において、溶液から霧発生装置によってミストを発生させる工程と、前記ミストを、高電圧が印加されてコロナ放電がなされている空間へ導いて該コロナ放電によって前記ミストを微細化させてナノミストを発生させる工程と、微粒子が付着するように接地されている被付着面を備える集塵部へ前記ナノミストを導いて、前記溶液に溶解されていた物質が析出されて生じる極小微粒子を付着させて取り出す工程とを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる溶解物質の析出除去装置及び析出除去方法によれば、従来の加熱乾燥や真空乾燥によらないで、溶液のミスト化とコロナ放電とを利用して、溶解物質を効率良く析出させて乾燥状態で取り出すことができるという特別有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明にかかる溶解物質の析出除去装置の一例を示す説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明にかかる溶解物質の析出除去装置及び析出除去方法の形態例を添付図面(
図1及び2)に基づいて詳細に説明する。
この溶解物質の析出除去装置は、溶液(W)に溶解されている物質を乾燥・析出させて分離・除去するものである。
【0017】
10は霧発生装置であり、溶液(W)からミスト(M)を発生させる構成を備えていればよい。
図1に示す形態例の霧発生装置10は、溶液(W)に接するように配される超音波振動子11を構成要素として備えるものになっている。12は超音波発振装置であり、超音波振動子11に接続されている。本形態例では、超音波振動子11が溶液中に浸漬された状態に配されている。15は溶液供給装置であり、ボディ部40の液槽に、所要量の溶液が貯留された状態を維持できるように、接続されている。また、本形態例では、霧発生装置10の上部で、超音波振動子11の真上には、邪魔板13が配されており、大きな粒のミスト又は水滴などの液滴が、上方のコロナ放電がなされるスペースに到達しないように遮られてトラップされるように設けられている。ミスト(M)は、
図1の矢印のように、邪魔板13の脇をすり抜けて上方へ移動する。
なお、この霧発生装置10としては、これに限られず、例えば噴射ノズルによって溶液を噴霧することで霧を発生させるものであってもよい。
【0018】
20は針電極であり、霧発生装置10によって発生されたミスト(M)が導かれる部位に配され、上方へ先端が延びるように設けられて高電圧が印加されることで、尖った先端からコロナ放電を生じさせることができる。なお、25は高圧電源装置であり、針電極20に接続されている。本形態例では、霧発生装置10の上方の真上に相当する部位に、針電極20の先端が位置するように設けられている。
また、この針電極20には、正電圧又は負電圧のいずれかを印加して、正放電又は負放電のいずれかとすることができる。なお、正放電よりも負放電のほうが高い流速のイオン風を得やすい。
【0019】
30は円筒電極であり、針電極20の上方に円筒形状に設けられ、その針電極20の先端から最も近い部位となる円形の下端縁内周32の全周について等距離となるように、針電極20の少なくとも先端部と同心で上下方向に立てられた状態に配され、接地されて針電極20と円筒形状の内周面31との間でコロナ放電がなされて上昇流のイオン風が生じると共にミスト(M)を微細化させてナノミスト(NM)を発生させることができる。
【0020】
このように、ミスト(M)が、上昇流のイオン風が生じている部位に導入されて、その部位(スペース)を通過すると、コロナ放電の作用によって効率良く細分化される。これによれば、粒径がサブミクロン以下(100ナノ以下)という極小のミスト粒子であるナノミスト(NM)を、効率良く発生させることができる。また、コロナ放電によって、ナノミスト(NM)に電荷を与えることができる。
以上の構成によって効率よく生じるナノミスト(NM)が、水のミスト(M)から発生される場合、殺菌効果、消臭効果、消煙効果、集塵効果などの高い空気清浄効果を奏する。すなわち、以上の構成によれば、空気浄化装置として好適に利用することができる。
【0021】
50は集塵部であり、溶液(W)に溶解されていた物質が析出されて生じる極小微粒子を付着させて取り出すように、円筒電極30の上方に配され、微粒子が付着するように接地(アース)されている被付着面51を備える。本形態例では、板状に形成されたアルミニウムなどの金属製の集塵板によって構成されており、その下面が被付着面51として設けられている。この被付着面51は、微粒子が付着しやすいようにイオン風及び送風機による上昇流の気流が適切に当たる共に、その気流が方向性を持ってスムースに通過できるように案内する斜面となっている。本形態例では、前記集塵板が傾斜されることで、被付着面51が斜面になっている。
【0022】
以上の構成を備える溶解物質の析出除去装置によれば、溶液がナノミスト(NM)になって微小な粒子となることで、乾燥し易く、溶解物質の濃度が急激に濃縮されて効率良く析出される。これによって、溶解物質が、析出・乾燥された状態で被付着面51に付着されやすくなる。そして、コロナ放電によって、水などの液体として存在する微粒子はマイナスに帯電しやすく、析出した微粒子である固体粒子はプラスに帯電しやすい。そのプラスに帯電された固体粒子は、アースされた被付着面51に吸引されて、その被付着面51において効率よく付着される。これによれば、他の方法と比較して、溶解物質を効率良く乾燥・析出でき、効率良く分離・除去できるという特有の効果を奏する。
【0023】
33は切り欠き溝であり、円筒電極30に凝集して生じた水滴等の液滴が流れやすいように、円筒電極30の下端縁内周32に切り欠かれて形成されている(
図2参照)。この切り欠き溝33は、例えば下端縁内周32の内側角部の少なくとも一箇所にV字状に切り欠かれて形成されていればよい。この切り欠き溝33によれば、円筒電極30の下端縁内周32の下方に水等の液体が表面張力によってリング状に溜まって流れない状態になることを防止できる。すなわち、液滴をスムースに流すことができ、液滴が円筒電極30の下端縁内周32よりも針電極20に近づくことを防止できるため、火花放電などを生じて電気が短絡してコロナ放電が中断することを防止できる。これは切り欠き溝33によって液滴を大きくするような表面張力が生じることを防止することができるためで、コロナ放電を好適に維持させることができる。
【0024】
なお、コロナ放電によってイオン風を発生させるには、本願発明のような円筒電極30に限定されず、例えば板状の電極を利用できるが、円筒電極30の方が強いイオン風を発生できる利点がある。また、円筒電極30では、凝集によって生じる水滴などの液滴を、本形態例のように適切且つ容易に処理できる。
【0025】
また、本形態例では、針電極20を内包して円筒電極30を支持するように設けられたボディ部40であって、円筒電極30の直下の部位の下方へ向って徐々に拡径する円錐筒体状に形成された拡径部41において、その拡径部の内周面41aが多孔質状に設けられている。拡径部41の全体が多孔質状に形成されていてもよいし、その内周面41aの表面部のみが、例えば吸水性スポンジによって形成されていてもよい。これによれば、ミスト(M)が凝集して生じる液滴を好適に流すことができ、コロナ放電を好適に維持させることができる。
【0026】
22は下向き尖部であり、針電極20に凝集して生じた水滴等の液滴が流れやすいように、針電極20の先端部から後端側の支持される部位に至る屈曲部に下方へ尖って形成されている。これによっても、ミスト(M)が凝集して生じる液滴を好適に流すように積極的に滴下させることができ、コロナ放電を適切に維持させることができる。なお、21は針電極20を保護する絶縁体である。
【0027】
70はナノミスト送風用ファンであり、ミスト(M)が円筒電極30を通過することで微細化されて生じるナノミスト(NM)を、送り出すように送風する送風機である。このナノミスト送風用ファン70によれば、ボディ部40は上方が開放されているため、上昇流であるイオン風と合体するように外部空気が導かれ、ナノミスト(NM)を混合して上方へ送風される。また、本形態例のナノミスト送風用ファン70によれば、ボディ部40の外周壁45の内側接線方向へ空気を導くように送風路が形成されていることで、渦流を生じさせて、効率良く送風できるように構成されている。
なお、本形態例のボディ部40では、側周部42と外周壁45とが同心円状に設けられおり、ナノミスト送風用ファン70はその側周部42と外周壁45との間の筒状の空間へ送風するように空気の吐出口が接続されている。また、ボディ部40の少なくとも円筒電極30を支持する部位は、樹脂製など絶縁体によって構成されている。
【0028】
60はミスト送風用ファンであり、ミスト(M)が発生される部位と針電極20との間のボディ部40内へ、ミスト(M)を送り出すように送風する送風機である。このミスト送風用ファン60によれば、ミスト(M)と混合されるように外部空気がボディ部40内に導かれ、針電極20の上方が中空の円筒電極30に連通されて開放されているため、ミスト(M)が混合された空気が上方へ送風される。また、このミスト送風用ファン60によれば、ボディ部40の内側接線方向へ空気を導くように送風路が形成されていることで、渦流を生じさせて、効率良く送風できるように構成されている。なお、このミスト送風用ファン60は、ナノミスト送風用ファン70よりも風量の小さい送風機になっている。
【0029】
また、本形態例では、針電極20がボディ部40の側周部42に設けられた開口43から挿入された状態に配され、その針電極20にミスト(M)が凝集することを可及的に防止するように、開口43がナノミスト送風用ファン70からの送風を導入する部位になっている。これによれば、ミスト(M)が凝集して液滴が生じることを可及的に防止でき、コロナ放電を好適に維持させることができる。
【0030】
以上の構成による溶解物質の析出除去装置によれば、本発明にかかる溶解物質の析出除去方法の工程を好適に行うことができる。すなわち、溶液(W)から霧発生装置10によってミスト(M)を発生させる工程と、ミスト(M)を、高電圧が印加されてコロナ放電がなされている空間へ導いてそのコロナ放電によってミスト(M)を微細化させてナノミスト(NM)を発生させる工程と、微粒子が付着するように接地されている被付着面51を備える集塵部50へナノミスト(NM)を導いて、溶液(W)に溶解されていた物質が析出されて生じる極小微粒子を付着させて取り出す工程とを有する溶解物質の析出除去方法を、好適に実施できる。
【0031】
本発明にかかる水溶液などの溶液中に溶け込んだ溶解物質としては、金属や金属化合物を含み、その金属や金属化合物としては放射性物質である重金属を含むもので、本発明によれば、これらを好適に分離・除去することができる。また、例えば水道水は、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムやシリカ等のミネラル成分が、溶解物質として溶け込んだ水溶液であり、本発明によれば、これらのミネラル成分を好適に分離・除去することもできる。
【0032】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【符号の説明】
【0033】
10 霧発生装置
11 超音波振動子
12 超音波発振装置
13 邪魔板
15 溶液供給装置
20 針電極
21 絶縁体
22 下向き尖部
25 高電圧電源装置
30 円筒電極
31 内周面
32 下端縁内周
33 切り欠き溝
40 ボディ部
41 拡径部
41a 拡径部の内周面
42 側周部
43 開口
45 外周壁
50 集塵部
51 被付着面
60 ミスト送風用ファン
70 ナノミスト送風用ファン
(W) 溶液
(M) ミスト
(NM) ナノミスト