特許第6095454号(P6095454)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095454
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20170306BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20170306BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H01R13/46 301M
   H01R13/52 301H
   H01L31/04 260
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-82481(P2013-82481)
(22)【出願日】2013年4月10日
(65)【公開番号】特開2014-207062(P2014-207062A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2015年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近野 幸司
(72)【発明者】
【氏名】山田 英一
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−141537(JP,A)
【文献】 特開2012−094740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/46
H01R 13/52
H01L 31/0224
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に開いた収容室を有し、且つ前記第1の方向に直交する第2の方向においてケーブルの端部に設けられた相手側コネクタが挿入される開口が形成されているハウジングと、
前記収容室に収容され、前記相手側コネクタの端子が接続される導体部材と、
前記第1の方向において前記ハウジングに取り付けられ、前記収容室を閉じるカバーと、
前記カバーと前記ハウジングのうち一方に形成され、他方に向かって突出し、前記収容室の外周を囲む複数のリブと、
前記カバーと前記ハウジングのうちの前記他方に形成され、前記複数のリブが嵌まる溝と、を有し、
前記複数のリブは、前記収容室に対して前記第1の方向と前記第2の方向の双方に直交する第3の方向に位置する第1リブと、前記収容室に対して前記開口側に位置する第2リブとを含
前記第2リブの突出長さは前記第1リブよりも小さい、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項に記載のコネクタにおいて、
前記複数のリブは、前記収容室に対して前記開口側に位置する複数の第2リブを含んでいる、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
第1の方向に開いた収容室を有し、且つ前記第1の方向に直交する第2の方向においてケーブルの端部に設けられた相手側コネクタが挿入される開口が形成されているハウジングと、
前記収容室に収容され、前記相手側コネクタの端子が接続される導体部材と、
前記第1の方向において前記ハウジングに取り付けられ、前記収容室を閉じるカバーと、
前記カバーと前記ハウジングのうち一方に形成され、他方に向かって突出し、前記収容室の外周を囲む複数のリブと、
前記カバーと前記ハウジングのうちの前記他方に形成され、前記複数のリブが嵌まる溝と、を有し、
前記複数のリブは、前記収容室に対して前記第1の方向と前記第2の方向の双方に直交する第3の方向に位置する第1リブと、前記収容室に対して前記開口側に位置する第2リブとを含
前記ハウジングは、前記第2の方向において互いに反対側に位置し且つ2つの相手側コネクタがそれぞれ挿入される2つの開口を有し、
前記複数のリブは、前記収容室を挟んで前記第3の方向において互いに反対側に位置する2つの第1リブと、前記収容室を挟んで前記第2の方向において互いに反対側に位置する2つの第2リブとを含む、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
第1の方向に開いた収容室を有し、且つ前記第1の方向に直交する第2の方向においてケーブルの端部に設けられた相手側コネクタが挿入される開口が形成されているハウジングと、
前記収容室に収容され、前記相手側コネクタの端子が接続される導体部材と、
前記第1の方向において前記ハウジングに取り付けられ、前記収容室を閉じるカバーと、
前記カバーと前記ハウジングのうち一方に形成され、他方に向かって突出し、前記収容室の外周を囲む複数のリブと、
前記カバーと前記ハウジングのうちの前記他方に形成され、前記複数のリブが嵌まる溝と、を有し、
前記複数のリブは、前記収容室に対して前記第1の方向と前記第2の方向の双方に直交する第3の方向に位置する第1リブと、前記収容室に対して前記開口側に位置する第2リブとを含
前記カバーと前記ハウジングのうち前記一方に形成され、前記他方に引っ掛かるフックを有し、
前記フックは前記複数のリブとともに前記収容室を囲み、前記第1リブに繋がっている、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれかに記載のコネクタにおいて、
前記カバーと前記ハウジングとの隙間をシールする環状のシール部材をさらに備え、
前記シール部材は前記複数のリブよりも内側に配置されている、
ことを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の太陽光発電パネルのそれぞれに取り付けられ、それらをケーブルを介して接続するためのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムは、多くの場合、複数の太陽光発電パネルによって構成されている。複数の太陽光発電パネルは上下方向及び/又は左右方向に並んで設置され、ケーブルを介して互いに接続されている。各パネルにはケーブルを接続するためのコネクタが取り付けられている。下記特許文献1はこのように利用されるコネクタを開示している。このコネクタは、ケーブルの電線が接続される導体部材(特許文献1において端子板)を収容するハウジング(特許文献1においてボックスハウジング本体)を有している。ハウジングは上面が開いた箱形である。ハウジングの上面はカバー(特許文献1において蓋板)によって閉じられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3069523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導体部材に対する絶縁性能を十分に確保するためには、導体部材からハウジングの外面までの距離(空間距離及び沿面距離、以下において絶縁距離)を大きくすることが望ましい。ところが、その絶縁距離を大きくしようとすると、コネクタのサイズが大きくなるという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的の一つは、コネクタの大型化を抑制しながら、導体部材からハウジングの外面までの絶縁距離を増すことのできるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るコネクタは、第1の方向に開いた収容室を有し、且つ前記第1の方向に直交する第2の方向においてケーブルの端部に設けられた相手側コネクタが挿入される開口が形成されているハウジングと、前記収容室に収容され、前記相手側コネクタの端子が接続される導体部材と、前記第1の方向において前記ハウジングに取り付けられ、前記収容室を閉じるカバーと、前記カバーと前記ハウジングのうちの一方に形成され、他方に向かって突出し、前記収容室の外周を囲む複数のリブと、前記カバーと前記ハウジングのうちの前記他方に形成され、前記複数のリブが嵌まる溝と、を有している。前記複数のリブは、前記収容室に対して前記第1の方向と前記第2の方向の双方に直交する第3の方向に位置する第1リブと、前記収容室に対して前記開口側に位置する第2リブとを含んでいる。前記コネクタによれば、コネクタの大型化を抑制しながら、導体部材からハウジングの外面までの絶縁距離を増すことができる。
(2)前記第2リブの突出長さは前記第1リブよりも小さくてもよい。こうすることにより、導体部材又は相手側コネクタの端子と、第2リブとの干渉を生じることなく、導体部材から相手側コネクタが挿入される開口に向けた方向において絶縁距離を増すことができる。
(3)前記複数のリブは、前記収容室に対して前記開口側に位置する複数の第2リブを含んでもよい。こうすることにより、導体部材から相手側コネクタが挿入される開口に向けた方向において絶縁距離をさらに増すことができる。
(4)前記ハウジングは、前記第2の方向において互いに反対側に位置し且つ2つの相手側コネクタがそれぞれ挿入される2つの開口を有してもよい。そして、前記複数のリブは、前記収容室を挟んで前記第3の方向において互いに反対側に位置する2つの第1リブと、前記収容室を挟んで前記第2の方向において互いに反対側に位置する2つの第2リブとを含んでもよい。これによれば、2つの相手側コネクタが挿入されるコネクタにおいて、絶縁距離を増すことができる。
(5)前記コネクタは、前記カバーと前記ハウジングのうち前記一方に形成され、前記他方に引っ掛かるフックを有してもよい。そして、前記フックは前記複数のリブとともに前記収容室を囲み、前記第1リブに繋がってもよい。これによれば、前記第1リブが前記フックに繋がっているので、コネクタの絶縁性能を向上できる。
(6)前記カバーと前記ハウジングとの隙間をシールする環状のシール部材をさらに備え、前記シール部材は前記複数のリブよりも内側に配置されてもよい。こうすることにより、コネクタのサイズが大きくなることを抑えながら、カバーとハウジングとの隙間をシールできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るコネクタの分解斜視図である。
図2】コネクタが備えるハウジングの平面図である。
図3】コネクタが備えるカバーの下側を斜めに臨む斜視図である。
図4図2に示すIV−IV線で得られるコネクタの断面図である。
図5図2に示すV−V線で得られるコネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係るコネクタ1の分解斜視図である。図2はコネクタ1が備えるハウジング10の平面図である。図3はコネクタ1が備えるカバー30の下側を斜めに臨む斜視図である。図4図2に示すIV−IV線で得られるコネクタ1の断面図である。図5図2に示すV−V線で得られるコネクタ1の断面図である。
【0009】
以下の説明では、図1に示すX1,X2が示す方向をそれぞれ右方向,左方向とする。また、Y1,Y2が示す方向をそれぞれ前方,後方とする。また、Z1,Z2が示す方向をそれぞれ上方,下方とする。
【0010】
コネクタ1は、その使用時には、図示していない太陽光発電パネルに取り付けられる。また、コネクタ1にはケーブル90の端部に設けられた相手側コネクタ92が接続される(図1参照)。ケーブル90の他方の端部には別の太陽光発電パネルのコネクタ1が接続されており、2つの太陽光発電パネルはケーブル90とコネクタ1とを通して互いに電気的に連結される。ここで説明する例のコネクタ1は、2本のケーブル90が接続可能となっている。
【0011】
図1に示すように、コネクタ1はハウジング10と、ハウジング10に取り付けられるカバー30とを有している。ハウジング10とカバー30はプラスチックなどの絶縁材料によって形成されている。
【0012】
図1及び図2に示すように、ハウジング10は、その中央部分に、ハウジング本体11を有している。ハウジング本体11は箱形であり、その内側に、導体部材21を収容する収容室Sを有している。導体部材21には相手側コネクタ92の端子である図示されないリセプタクルターミナルが接続される。導体部材21は、例えば、金属の板を複数の位置で折り曲げることにより形成される。収容室Sは上方に開いている。カバー30は上下方向においてハウジング本体11に取り付けられ、収容室Sを閉じる。カバー30がハウジング本体11に取り付けられると、カバー30の上面とハウジング10の他の部分(この説明では、連結部12)の上面は概ね面一となる。
【0013】
図1に示すように、ハウジング10は、その側部に、連結部12を有している。この例のハウジング10はハウジング本体11を挟んで互いに反対側に位置する2つの連結部12を有している。2つの連結部12はハウジング本体11から右方向及び左方向にそれぞれ延びている。ここで示す例では、相手側コネクタ92は筒状の嵌合部92aを有し、連結部12には嵌合部92aが挿入される開口12bが形成されている。この嵌合部92aの内側にはリセプタクルターミナルが配置されている。開口12bは、収容室Sが開いた方向(上方)に対して直交する方向においてケーブル90の嵌合部92aが挿入可能となるように形成されている。この例では、左側の連結部12に形成された開口12bと、右側の連結部12に形成された開口12bは、それぞれ左方向及び右方向に開口している。連結部12には、開口12bから収容室Sに向かって延びる挿入孔12aが形成されている。ケーブル90の嵌合部92aは開口12bを通して挿入孔12aに挿入され、リセプタクルターミナルは収容室Sの導体部材21に接続される。なお、図1に示す相手側コネクタ92は嵌合部92aの両側にフック92bを有している。連結部12は開口12bの両側に孔12cを有している。フック92bは孔12cに嵌められ、連結部12に引っ掛かる。詳細には、孔12cの深部は、連結部12の側壁に形成された孔12dに繋がっており、フック92bは孔12dの縁に引っ掛かる。
【0014】
図5に示すように、導体部材21は、ケーブル90のリセプタクルターミナルが接続される第1接続部21aを有している。この例では、ハウジング本体11の側部11bには、側部11bを左右方向において貫通する孔hが形成されている。収容室Sと挿入孔12aは孔hを介して繋がっている。第1接続部21aは導体部材21から孔hを通って挿入孔12aに延びている。この例の第1接続部21aは略筒状である。ケーブル90のリセプタクルターミナルも端部が開いた略筒状である。リセプタクルターミナルは第1接続部21aの外側に接続される。なお、第1接続部21aやケーブル90が備えるターミナルの形状には種々の変更がなされていてよい。
【0015】
図2及び図4に示すように、導体部材21は、太陽光発電パネルに設けられた端子(不図示)に接続される第2接続部21bを有している。ハウジング本体11の底面には開口11mが形成されている。第2接続部21bは下方に露出するように、この開口11mに配置されている。これにより、コネクタ1が太陽光発電パネルに取り付けられたとき、第2接続部21bはパネルの端子に接触できる。第2接続部21bは例えばパネルの端子に半田付けされる。第1接続部21aの基部と第2接続部21bとの間の部分は階段状に形成され、導体部材21は第1接続部21aの基部から第2接続部21bに向けて段階的に下がっている。
【0016】
図2に示すように、収容室Sには2つの導体部材21が配置されている。2つの導体部材21は左右方向において離れて配置され、ダイオード22を通して互いに接続されている。各導体部材21は、ダイオード22の電線が取り付けられる第3接続部21cを有している。ダイオード22の電線22aは例えば半田によって第3接続部21cに取り付けられる。2つの導体部材21は左右対称となっている。なお、コネクタ1は必ずしも2本のケーブル90が接続可能なように構成されていなくてもよい。すなわち、連結部12の数と導体部材21の数はそれぞれ1つでもよい。
【0017】
図3に示すように、カバー30は、ハウジング10に向かって突出し且つ収容室Sを囲む複数のリブ31,32を有している。具体的には、カバー30は、収容室Sに対して前方及び後方に位置する複数の第1リブ31を有している。また、カバー30は、収容室Sに対して、嵌合部92aが挿入される開口12b側に位置する、すなわち、収容室Sに対して右方向及び左方向に位置する複数の第2リブ32を有している。これらは全体として収容室Sを囲むように配置されている。
【0018】
この例のカバー30は、収容室Sを挟んで左右方向において互いに反対側に位置する2つの第2リブ32を有している。後において詳説するように、ここで説明する例では、収容室Sの右方向及び左方向のそれぞれに、2つの第2リブ32が設けられている。また、カバー30は、収容室Sを挟んで前後方向において互いに反対側に位置する2つの第1リブ31を有している。後において詳説するように、収容室Sの前方及び後方のそれぞれに、左右方向で並ぶ2つの第1リブ31が設けられてる。
【0019】
ハウジング本体11には、リブ31,32がそれぞれ嵌まる溝11c,11dが形成されている。詳細には、ハウジング本体11は、収容室Sを規定する壁部11aと側部11bとを有している(図4及び図5参照)。互いに反対側に位置する2つの壁部11aはそれぞれ収容室Sの前面と後面とを構成している。互いに反対側に位置する2つの側部11bは、収容室Sの右側面と左側面とをそれぞれ構成している。第1リブ31が嵌まる溝11cは壁部11aに形成されている(図4参照)。第2リブ32が嵌まる溝11dは側部11bの上面に形成されている(図6参照)。
【0020】
リブ31,32によって、コネクタ1のサイズが大きくなるのを抑えながら、導体部材21からハウジング10の外面までの距離(空間距離及び沿面距離、以下において絶縁距離と称する)を増すことができる。すなわち、導体部材21からコネクタ1の前面までの絶縁距離、及び導体部材21からコネクタ1の後面までの絶縁距離は、第1リブ31によって増すことができる。また、導体部材21(例えば、導体部材21における収容室Sの内側に位置する部分A(図5参照))から連結部12の上面B(図5参照)までの絶縁距離は、第2リブ32によって増すことができる。
【0021】
図5に示すように、第2リブ32は第1接続部21aの上方に位置している。換言すると、第2リブ32は、ハウジング本体11の側部11bに形成された孔hの上方に位置している。第2リブ32は前後方向に延びる壁状であり、平面視においては第1接続部21aや、孔h、ケーブル90のリセプタクルターミナルと交差する。第2リブ32の突出長さは、第1リブ31よりも小さい。これにより、導体部材21と第2リブ32との干渉を生じさせることなく、左右方向での絶縁距離を確保できる。第2リブ32の位置は上述したものに限られず、例えば挿入孔12aの上方に位置してもよい。
【0022】
図5に示すように、収容室Sの右方向には、平行に配置され且つ互いに向き合う複数の第2リブ32が形成されている。すなわち、複数の第2リブ32が、収容室Sに対して、右の連結部12の開口12b側に位置している。この例では、収容室Sの右方向には2つの第2リブ32が形成されている。同様に、収容室Sの左方向には、平行な2つの第2リブ32が形成されている。このように収容室Sに対して同一方向に複数の第2リブ32を設けることにより、より大きな絶縁距離を確保できる。
【0023】
図5に示すように、ハウジング本体11の側部11bの上面には、2つの第2リブ32がそれぞれ嵌まる2つの溝11dが形成されている。側部11bの上面には、上方に突出し且つ前後方向で平行に延びる2つのリブ11eが形成されている。これら2つのリブ11eの間が溝11dとして機能している。
【0024】
カバー30に形成された第2リブ32又はハウジング本体11に形成されたリブ11eのうち少なくとも一方の側面(右方向又は左方向に面)は斜めに形成されてもよい。こうすることにより、絶縁距離をさらに増すことができる。ここで説明する例では、リブ11eの側面が上下方向に対して僅かに傾斜している。
【0025】
図5に示すように、カバー30は、コネクタ1の上面を構成する矩形の板である天板部35を有している。天板部35は、その右側部分と左側部分とに、ハウジング本体11の側部11bに重なる部分35aを有している(以下では、この部分35aをカバー側部と称する)。第2リブ32はカバー側部35aに形成されている。カバー側部35aには孔が形成され、第2リブ32は孔の底部からハウジング本体11に向かって延びている。この構造により、第2リブ32及びリブ11eの突出長さを増すことができる。
【0026】
図3に示すように、カバー30には複数のコーナーフック33が形成されている。コーナーフック33は天板部35の4つの角に設けられている。コーナーフック33はハウジング10に向かって延びる棒状である。ハウジング本体11は、その4つの角のそれぞれに、孔11fを有している(図2では、明瞭化のために孔11fに網掛けが施されている)。この例の孔11fは上下方向においてハウジング本体11を貫通している。コーナーフック33は孔11fにそれぞれ嵌まり、ハウジング10に引っ掛かる。この例では、前側のコーナーフック33は、その端部に、前方に突出する係合部33aを有している。後側のコーナーフック33は、その端部に、後方に突出する係合部33aを有している。係合部33aは、ハウジング本体11の壁部11aに形成された切り欠き11g(図1参照)の縁に引っ掛かる。
【0027】
第2リブ32は前後方向で並ぶ2つのコーナーフック33の間に位置している。すなわち、第2リブ32と2つのコーナーフック33は前後方向において並んでいる。2つの第2リブ32がそれぞれ嵌まる2つの溝11dは、前後方向で並ぶ2つの孔11fの間に位置している。このレイアウトにより、ハウジング本体11の左右方向のサイズが大きくなることを抑えることができる。
【0028】
図3に示すように、カバー30にはハウジング10に向かって延びる壁状の中央フック34が形成されている。カバー30は、その前縁と後縁のそれぞれに中央フック34を有している。前側の中央フック34は前側の2つのコーナーフック33の中間位置に位置し、後側の中央フック34は後側の2つのコーナーフック33の中間位置に位置している。ハウジング本体11の壁部11aには孔11iが形成されている(図2では孔11iに網掛けが施されている)。中央フック34は孔11iに嵌まり、ハウジング10に引っ掛かる。このように、上述したコーナーフック33に加えて、中央フック34をカバー30に設けることにより、カバー30のハウジング10への取付強度を増すことができる。この例では、前側の中央フック34は、その端部に、前方に突出する係合部34aを有している。後側の中央フック34は、その端部に、後方に突出する係合部34aを有している。係合部34aは、ハウジング本体11の壁部11aに形成された切り欠き11j(図1参照)に引っ掛かる。
【0029】
図3に示すように、第1リブ31は左右方向で延びる壁状である。第1リブ31とフック34は、全体として左右方向で並びる1つの壁を構成するように、互いに繋がっている。この構造により、中央フック34と第1リブ31との間に隙間が形成される構造に比べて、コネクタ1の絶縁性能を向上できる。
【0030】
図3に示すカバー30は、その前側に、左右方向で並ぶ(カバー30の前縁に沿って並ぶ)2つの第1リブ31を有している。また、カバー30は、その後側に、左右方向で並ぶ(カバー30の後縁に沿って並ぶ)2つの第1リブ31を有している。中央フック34は、左右方向で並ぶ2つの第1リブ31の間に位置している。中央フック34は2つの第1リブ31に繋がっており、2つの第1リブ31とその間のフック34は全体として大きな壁を構成している。
【0031】
図3に示すように、第1リブ31は、中央フック34から右方向又は左方向に離れて位置しているメイン部31aと、メイン部31aと中央フック34との間に位置し、且つメイン部31aと中央フック34の双方に繋がっている接続部31bとを有している。接続部31bはメイン部31aよりも小さな突出長さ(上下方向の長さ)を有する壁状である。接続部31bにより、中央フック34の円滑な弾性変形(撓み)を許容できる。
【0032】
カバー30をハウジング10に取り付けた状態では、導体部材21の前方と後方のそれぞれに、第1リブ31が位置する。より詳細には、導体部材21の前方と後方のそれぞれに、第1リブ31のメイン部31aが位置する。これにより、導体部材21に対する絶縁性能を向上できる。なお、ダイオード22の後方及び前方に、中央フック34が位置する。
【0033】
上述したように、ハウジング本体11の壁部11aには、第1リブ31が嵌まる溝11cが形成されている。図2に示すように、前側の壁部11aと後側の壁部11aのそれぞれには、左右方向で並ぶ2つの溝11cが形成されている。2つの溝11cの間に、中央フック34が嵌まる孔11iが形成されている。溝11cは、コーナーフック33が嵌まる孔11fから、中央フック34が嵌まる孔11iまで延びている。第1リブ31の左右方向の長さは溝11cの長さに対応している。このような長さを有する溝11c及び第1リブ31によれば、コネクタ1の絶縁性能をさらに向上できる。
【0034】
この例の第1リブ31は、メイン部31aに対して傾斜した傾斜部31cを有している。傾斜部31cはコーナーフック33寄りの端部に位置している。カバー30がハウジング10に取り付けられているときに、傾斜部31cは収容室Sの角C(図2参照)の外側に位置する。傾斜部31cによって、収容室Sの角Cを通って斜めに延びる直線(前後方向及び左右方向の双方に傾斜している直線)上での絶縁距離を大きくできる。第1リブ31が嵌まる溝11cは、第1リブ31のこの形状に合わせて、その端部に傾斜した部分を有している。
【0035】
図4及び図5に示すように、カバー30には、カバー30とハウジング10との隙間をシールする環状のシール部材36が設けられている。シール部材36はリブ31,32よりも内側に配置されている。詳細には、図3図4及び図5に示すように、カバー30は、ハウジング10に向かって突出し且つ収容室Sの内形に対応した外形を有する凸部37を有している。この例の凸部37は四角形であり、また環状である。凸部37はリブ32,31及びフック33,4よりも内側に位置している。詳細には、凸部37は収容室Sの内面の内側に位置している。凸部37の4つの辺は収容室Sの内面に沿って配置される。シール部材36は凸部37の外側に取り付けられている。シール部材36は例えばゴムなどの弾性部材によって構成され、その弾性力によって凸部37を保持している。シール部材36は、凸部37と収容室Sの内面とによって挟まれる。このように、シール部材36を複数のリブ32,31よりも内側に配置することにより、ハウジング本体11の大型化を抑制できる。
【0036】
収容室Sの内側の構造について説明する。図4に示すように、収容室Sの内側には、導体部材21の第3接続部21cが上面に配置される台座部11nが形成されている。台座部11nには孔が形成されており、この孔に第3接続部21cから延びる延伸部21dが嵌まっている。これにより、導体部材21は台座部11nに固定されている。この例では、左右方向に離れて位置する2つの台座部11nが形成されている。2つの台座部11nの間にダイオード22が配置されている。台座部11nは、収容室Sの内側の後側部分に形成されている。収容室Sの前側部分には、上述した導体部材21の第2接続部21bが配置される開口11mが形成されている。図4に示すように、上述した第1リブ31は台座部11nの上面よりも低い位置まで延びている。
【0037】
以上説明したように、ハウジング10は、上方に開いた収容室Sと、左右方向において相手側コネクタ92が挿入される開口12bとを有している。収容室Sにはケーブル90のリセプタクルターミナルが接続される導体部材21が収容されている。カバー30は、上下方向においてハウジング10に取り付けられ、収容室Sを閉じている。カバー30には、ハウジング10に向かって突出し、収容室Sを囲む複数のリブが形成されている。ハウジング10にはリブが嵌まる溝11c,11dが形成されている。カバー30に形成された複数のリブは、収容室Sに対して前方又は後方に位置する第1リブ31と、収容室Sに対して開口12b側に位置する第2リブ32とを含んでいる。このようなコネクタ1によれば、コネクタの大型化を抑制しながら、導体部材21からハウジング10の外面までの絶縁距離を増すことができる。
【0038】
本発明は、以上説明した実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、次の変更が可能である。
【0039】
第1リブ31と第2リブ32はハウジング10に形成されてもよい。また、第1リブ31がカバー30に形成される一方で、第2リブ32はハウジング10に形成されてもよい。
【0040】
また、第1リブ31と第2リブ32は互いに接続されていてもよい。
【0041】
また、相手側コネクタ92が挿入される開口12bの数及び導体部材21の数はそれぞれ1つでもよい。
【0042】
また、第1リブ31と中央フック34は必ずしも繋がっていなくてもよい。
【0043】
また、コネクタ1は、中央フック34とコーナーフック33のうちいずれかのみを備えてもよい。例えば、コネクタ1はコーナーフック33のみを備えてもよい。また、フックの位置は適宜変更されてよい。
【符号の説明】
【0044】
1 コネクタ、10 ハウジング、11 ハウジング本体、11c,11d 溝、11e リブ、11f 孔、11i 孔、12 連結部、12a 挿入孔、12b 開口、21 導体部材、30 カバー、31 第1リブ、32 第2リブ、33 コーナーフック、34 中央フック、36 シール部材、37 凸部。
図1
図2
図3
図4
図5