(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095467
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】食器乾燥機
(51)【国際特許分類】
A47L 19/00 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
A47L19/00 B
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-96204(P2013-96204)
(22)【出願日】2013年5月1日
(65)【公開番号】特開2014-217416(P2014-217416A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2015年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】石井 貴子
(72)【発明者】
【氏名】金井 孝博
(72)【発明者】
【氏名】吉川 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】上岡 孝暢
(72)【発明者】
【氏名】杉山 直也
【審査官】
村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−121617(JP,A)
【文献】
実開昭55−042624(JP,U)
【文献】
特開2007−007169(JP,A)
【文献】
実開平02−086341(JP,U)
【文献】
特開2012−066038(JP,A)
【文献】
実開昭57−018461(JP,U)
【文献】
実開平03−103951(JP,U)
【文献】
実開昭58−136527(JP,U)
【文献】
カナダ国特許出願公開第02164765(CA,A1)
【文献】
英国特許出願公開第02143012(GB,A)
【文献】
特開平01−076821(JP,A)
【文献】
特開2011−217812(JP,A)
【文献】
特開平02−147044(JP,A)
【文献】
特開平08−294476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温風吹出口が設けられた乾燥室を有する本体と、
前記本体の乾燥室を開閉する蓋体と、
前記温風吹出口の開口面積を可変させる調節蓋と、
前記調節蓋の移動位置を検知する複数の蓋検知手段と、
前記本体内に設けられたヒーターおよび送風機と、
前記蓋検知手段により検知された前記調節蓋の移動位置に応じて前記ヒーターおよび前記送風機を制御し、前記温風吹出口から前記乾燥室内に温風を送り込ませる制御手段と
を備えたことを特徴とする食器乾燥機。
【請求項2】
前記温風吹出口は、前記本体の幅方向に延びる長方形状に形成され、
前記調節蓋を前記温風吹出口の長手方向に移動させて、当該温風吹出口の開口面積を可変することを特徴とする請求項1記載の食器乾燥機。
【請求項3】
前記調節蓋には、当該調節蓋を前記温風吹出口の長手方向に移動させる摘み部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の食器乾燥機。
【請求項4】
表示手段を備え、
前記制御手段は、前記ヒーターおよび前記送風機の制御状態を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の食器乾燥機。
【請求項5】
前記蓋検知手段は、前記温風吹出口の上方に配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の食器乾燥機。
【請求項6】
前記蓋検知手段を、前記温風吹出口の上方に少なくとも2個設けたことを特徴とする請求項5記載の食器乾燥機。
【請求項7】
前記蓋検知手段に磁気センサーを使用し、
前記調節蓋の裏面の前記磁気センサーと対向する位置にマグネットが設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の食器乾燥機。
【請求項8】
前記蓋検知手段に赤外線センサーを使用し、
前記調節蓋の裏面の前記赤外線センサーと対向する位置に鏡面状のシールが設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の食器乾燥機。
【請求項9】
前記乾燥室内に取り外し自在に設けられた仕切板を備えていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の食器乾燥機。
【請求項10】
前記乾燥室内に出し入れ自在に設けられた食器籠を備え、
前記仕切板は、前記食器籠内に取り外し自在に設けられていることを特徴とする請求項9記載の食器乾燥機。
【請求項11】
前記仕切板の下端部に直角に折り曲げられて形成されたリブが設けられていることを特徴とする請求項10記載の食器乾燥機。
【請求項12】
前記仕切板をまな板として使用することを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載の食器乾燥機。
【請求項13】
温風吹出口が設けられた乾燥室を有する本体と、
前記本体の乾燥室を開閉する蓋体と、
前記温風吹出口の開口面積を可変させる調節蓋と、
前記本体内に設けられ、一端部に前記温風吹出口を有する風路と、
前記調節蓋の前記温風吹出口と対向する位置に設けられた開口部と、
前記調節蓋の前記温風吹出口側の裏面から前記風路内に延びて設けられ、当該調節蓋と共に移動する可動式風路壁とを備え、
前記調節蓋の可動式風路壁の移動に応じて、当該調節蓋の開口部の面積および前記風路内の面積を同時に可変することを特徴とする食器乾燥機。
【請求項14】
前記可動式風路壁は、前記調節蓋の開口部側に折り曲げられて、その先端部が前記風路の内壁に接触していることを特徴とする請求項13記載の食器乾燥機。
【請求項15】
前記可動式風路壁は、当該可動式風路壁の裏面側と対向する前記風路の内壁の形状に沿うことを特徴とする請求項14記載の食器乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器を温風で乾燥させる食器乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の食器乾燥機として、乾燥室を高温乾燥室と耐熱温度の低い食器を乾燥させる低温乾燥室とに仕切板で仕切ったものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−7169号公報(要約)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の食器乾燥機は、高温に耐える食器と耐熱温度の低い食器を同時に乾燥させることができる。しかし、仕切板を外して、少数の食器を乾燥させる場合、乾燥室内が広く時間がかかり、効率が悪い。また、ユーザーによっては使用頻度の高い食器を常時入れた状態、つまり食器棚代わりに使用している場合もある。その場合、乾いた食器の中に少数の濡れた食器を入れて、そのまま放置するのは衛生的にも良くない。しかし、少数の食器のために全体を乾燥した場合、食器が多い分全ての食器を温めるだけで相当量のエネルギーが必要となり、乾燥の効率が悪くなる。
【0005】
また、乾燥室内を完全に分割したものは、構造が複雑となり大型化になりやすく、コストも掛かる。また、仕切板などで簡易的に仕切った場合は、温風の制御と連携をとるのが難しかった。
【0006】
本発明は、前述のような課題を解決するためになされたもので、食器の数が少なくても効率良く乾燥させることができ、また、耐熱温度の低い食器も乾燥させることができる食器乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る食器乾燥機は、温風吹出口が設けられた乾燥室を有する本体と、本体の乾燥室を開閉する蓋体と、温風吹出口の開口面積を可変させる調節蓋と
、調節蓋の移動位置を検知する複数の蓋検知手段と、本体内に設けられたヒーターおよび送風機と、蓋検知手段により検知された調節蓋の移動位置に応じてヒーターおよび送風機を制御し、温風吹出口から乾燥室内に温風を送り込ませる制御手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乾燥室に設けられた温風吹出口の開口面積を調節蓋で可変できるようにしたので、乾燥室内の食器の数に応じて温風吹出口の開口面積を可変できる。このため、食器の数が少なくても効率良く乾燥させることができる。また、調節蓋により可変される温風吹出口を小さくでき、これにより、耐熱温度の低い食器も乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る食器乾燥機の外観を示す正面図および側面図。
【
図2】実施の形態1に係る食器乾燥機の蓋体を開放して示す斜視図。
【
図3】
図2に示す食器乾燥機内に収容される食器籠および仕切板の斜視図。
【
図4】
図2に示す温風吹出口および調節蓋の拡大正面図。
【
図5】実施の形態1に係る食器乾燥機の概略構成を示すブロック回路図。
【
図6】実施の形態1に係る食器乾燥機の動作を示すフローチャート。
【
図7】実施の形態2に係る食器乾燥機の調節蓋および風路を模式的に示す正面図および横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る食器乾燥機の外観を示す正面図および側面図、
図2は実施の形態1に係る食器乾燥機の蓋体を開放して示す斜視図、
図3は
図2に示す食器乾燥機内に収容される食器籠および仕切板の斜視図、
図4は
図2に示す温風吹出口および調節蓋の拡大正面図である。
【0011】
実施の形態1に係る食器乾燥機は、上面に開口を有する本体1と、本体1の開口を円弧状に開閉自在に覆う第1蓋体2aおよび第2蓋体2bとを備えている。本体1の正面には、点灯色の異なる例えば2個のLED3a、3bを有する操作部3が設けられている。一方のLED3aは、温風が「強」のときに点灯し、もう一方のLED3bは、温風が「弱」のときに点灯するように構成されている。本体1の後部には、本体1を側面から見て、円弧形状の背面カバー4が設けられている。背面カバー4には、本体1を正面から見て、その背面カバー4の幅方向に配列された複数のスリット状の排気口4aが設けられている。なお、LED3a、3bで表示手段が構成されている。
【0012】
本体1および背面カバー4と第1および第2蓋体2a、2bとで、
図3に示す食器籠7が出し入れ自在に収容される乾燥室5が形成されている。第1および第2蓋体2a、2bは、背面カバー4の両側面に設けられた軸6に前後方向に回動自在に取り付けられている。食器籠7は、例えばステンレス製の鋼線を格子状に組み立てて構成されている。
【0013】
仕切板8は、例えばシリコンもしくはステンレスで形成され、下端部にL字形状のリブ7aが設けられている。このリブ7aは、食器籠7の鋼線状に載置される。この仕切板8は、リブ7aによって直立し、その状態が保持されるように固定具(図示せず)により食器籠7に固定される。なお、仕切板8をまな板として利用できるようにしても良い。その場合、仕切板8の表面をシリコンで覆う。
【0014】
乾燥室5内の奥の壁面には、
図2および
図4に示すように、乾燥室5の幅方向に延びる長方形状の温風吹出口10と、温風吹出口10の長手方向に沿って移動自在の調節蓋11と、温風吹出口10の上方に配置された蓋検知手段である左磁気センサー12aおよび右磁気センサー12bとが設けられている。温風吹出口10は、乾燥室5の幅方向に配列された複数のスリット状の穴によって構成されている。温風吹出口10をスリット状の穴にすることにより、風向きの調整や風路への指の侵入を防止している。
【0015】
調節蓋11の長手方向の長さは、温風吹出口10の長さよりも短く形成されている。調節蓋11の前面の右側には、摘み部11aが設けられている。この摘み部11aは、調節蓋11を温風吹出口10の長手方向に沿って移動させるための突起部である。調節蓋11の裏面の上部には、左磁気センサー12aおよび右磁気センサー12bと対向するように、長方形状のマグネット11bが貼り付けられている。左磁気センサー12aと右磁気センサー12bとを、温風吹出口10の上方に配置しているのは、食器から落ちた水に掛かりにくくするためである。
【0016】
図5は実施の形態1に係る食器乾燥機の概略構成を示すブロック回路図である。
図5に示す制御装置20、ヒーター21および送風機22は、本体1の内部に設置され、そのうちのヒーター21と送風機22は、温風吹出口10に接続された風路内に設置されている。制御装置20は、操作部3の操作に応じて、温風を強にする温風強モードと温風を弱にする温風弱モードとを備え、温風強モードのときには、温風弱モードのときよりも、ヒーター21の電力と送風機22の回転数を上げる。
【0017】
次に、前記のように構成された食器乾燥機において、温風強モードあるいは温風弱モードの何れかを選択する動作について、
図4および
図6に基づいて説明する。
【0018】
図6は実施の形態1に係る食器乾燥機の動作を示すフローチャートである。なお、
図4の(a)は温風吹出口10の全開を示し、(b)は温風吹出口10の左半分を閉じた状態を示し、(c)は温風吹出口10の右半分を閉じた状態を示し、(d)は温風吹出口10の中央部を閉じた状態を示している。
【0019】
食器籠7に配置した食器の個数に応じて、調節蓋11を温風吹出口10に沿って移動させ、操作部を操作して電源をONすると、制御装置20は、左磁気センサー12aと右磁気センサー12bの両方がマグネット11bの磁界を検知したかどうかを判定する(S1)。制御装置20は、左磁気センサー12aと右磁気センサー12bの両方がマグネット11bの磁界を検知しているときには、温風弱モードを選択する(S4)。この場合は、
図4(d)に示すように、調節蓋11が温風吹出口10の中央部を閉じている状態で、マグネット11bが左磁気センサー12aと右磁気センサー12bの両方を覆っている。
【0020】
制御装置20は、S1において、左磁気センサー12aと右磁気センサー12bの両方がマグネット11bの磁界を検知していないと判定したときには、左磁気センサー12aのみが磁界を検知しているかどうかを判定する(S2)。制御装置20は、左磁気センサー12aのみが磁界を検知していると判定したときには、温風弱モードを選択する(S4)。この場合は、
図4(b)に示すように、調節蓋11が温風吹出口10の左半分を閉じている状態で、マグネット11bが左磁気センサー12aのみを覆っている。
【0021】
制御装置20は、S2において、左磁気センサー12aがマグネット11bの磁界を検知していないと判定したときには、右磁気センサー12bのみが磁界を検知しているかどうかを判定する(S3)。制御装置20は、右磁気センサー12bのみが磁界を検知していると判定したときには、温風弱モードを選択する(S4)。この場合は、
図4(c)に示すように、調節蓋11が温風吹出口10の右半分を閉じている状態で、マグネット11bが右磁気センサー12bのみを覆っている。
【0022】
また、制御装置20は、S3において、右磁気センサー12bが磁界を検知していないと判定したときには、左磁気センサー12aと右磁気センサー12bの両方がマグネット11bの磁界を検知していないとして、温風強モードを選択する(S5)。この場合は、
図4(a)に示すように、調節蓋11が左端に位置して温風吹出口10を全開にしている状態で、マグネット11bが左磁気センサー12aと右磁気センサー12bの両方を覆っていない。
【0023】
以上のように実施の形態1によれば、食器の数が少ないときには、温風吹出口10の右側あるいは左側の何れからも温風を乾燥室内に送り込むことができるので、容易に短時間で無駄なく少ない食器を効率良く乾燥させることができる。また、温風吹出口10の左右両側から温風を乾燥室内に送り込むことができるので、乾燥室内全体が更に低温となり、耐熱温度の低い食器も効率良く乾燥させることができる。
【0024】
なお、実施の形態1では、左磁気センサー12aと右磁気センサー12bとで調節蓋11の位置を検知するようにしたが、磁気センサーに代えて、赤外線センサーあるいはバネ式センサーで調節蓋11の位置を検知するようにしても良い。赤外線センサーの場合は、調節蓋11の裏面には、マグネット11bではなく、鏡面状のシートを貼り付け、温風吹出口10の上方には、赤外線発光と赤外線受光のそれぞれ2つずつ取り付ける。バネ式センサーの場合は、調節蓋11がそのセンサーの箇所に来ると、調節蓋11が当たりバネが縮んでONとなり、調節蓋11がない状態では、バネが伸びてOFFとなる。
【0025】
また、実施の形態1では、温風を強あるいは弱にする場合、ヒーターの電力を可変するようにしたが、複数のヒーターを設け、ヒーターの使用本数によって電力を可変するようにしても良い。送風機22は、ファンの回転数により可変する。なお、温風の強弱で可変するのは、ヒーターのみとしても良い。また、調節蓋11の位置により、温風が強弱の何れのモードなのかを操作部3に設けられたLED3a、3bで表示するようにしても良い。
【0026】
また、実施の形態1では、仕切板8の下端部にL字形状のリブ7aを設けたが、そのL字形状のリブ7aを仕切板8とは別の部品としても良い。その場合、リブ7aの垂直片の片面に、その垂直片とで板形状の仕切板8および食器籠7の鋼線を狭持する洗濯ばさみのような固定具を設ける。
【0027】
実施の形態2.
図7は実施の形態2に係る食器乾燥機の調節蓋および風路を模式的に示す正面図および横断面図である。図中の(a)は調節蓋の正面図、(b)は風路の開口部を全開にしているときの横断面図、(c)は風路の開口部の右半分を閉じているときの横断面図である。なお、
図1および
図2で説明した実施の形態1と同様あるいは相当部分には同じ符号を付して説明する。
【0028】
実施の形態2の食器乾燥機においては、乾燥室5内の奥の壁面に乾燥室5の幅方向に移動自在の調節蓋31が設けられている。調節蓋31は、
図7(a)、(b)に示すように、乾燥室5の幅方向に延びる長方形状に形成され、片側に風路32の温風吹出口と連通する開口部30を有している。この開口部30は、乾燥室5の幅方向に配列された複数のスリット状の穴によって構成されている。開口部30をスリット状の穴にすることにより、風向きの調整や風路32への指の侵入を防止している。
【0029】
調節蓋31の風路32側の裏面には、
図7(b)、(c)に示すように、風路32内を通る温風をスムーズに開口部30に導く可動式風路壁33が設けられている。可動式風路壁33は、調節蓋31を短手方向から見て、可動式風路壁33の裏面側と対向する風路32の内壁の形状に沿うように、開口部30側に曲げられた円弧状に形成されている。その円弧形状の可動式風路壁33の先端部は、風路32の内壁に接触している。
【0030】
温風を強にするときは、
図7(b)に示すように、調節蓋31の可動式風路壁33が風路32の内壁に当たるまで、調節蓋31を右側に移動させる。温風を弱にする場合には、
図7(c)に示すように、調節蓋31を左側に移動させて、可動式風路壁33により調節蓋31の開口部30の開口面積を小さくする。
【0031】
実施の形態2においては、操作部3に温風を強にするスイッチ、温風を弱にするスイッチが設けられ、調節蓋31で調節蓋31の開口部30の開口面積を調節した後に、何れかのスイッチの選択に応じて、乾燥室5内に収容された食器籠7内の食器を乾燥させる。その場合、温風強が選択されたときにはLED3aを点灯し、温風弱が選択されたときにはLED3bを点灯させる。前述の温風の制御、LED3a、3bの何れかの点灯は、制御装置20によって行われる。
【0032】
以上のように実施の形態2によれば、風路32内に調節蓋31に連動して移動する円弧形状の可動式風路壁33を設けているので、調節蓋31で温風吹出口10の開口面積を直接変えるようにした実施の形態1と比べ、温風の圧損が小さくなる。このため、風路32内で温風が逆流して溜まるようなことが無くなり、温風をスムーズに調節蓋31の開口部30から吹き出すことができ、効率よく食器を乾燥させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 本体、 2a 第1蓋体、2b 第2蓋体、 3 操作部、3a、3b LED、4 背面カバー、4a 排気口、5 乾燥室、6 軸、7 食器籠、7a リブ、8 仕切板、10 温風吹出口、11 調節蓋、11a 摘み部、11b マグネット、12a 左磁気センサー、12b 右磁気センサー、30 開口部、31 調節蓋、32 風路、33 可動式風路壁。