(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態における飲料充填設備は、供給コンベア01、転送ホイール02、液体充填装置03、転送ホイール04、キャッパ05、排出ホイール06、排出コンベア07を構成要素として備える。
この飲料充填設備では、容器PB(例えばペットボトル)を把持しつつ搬送することができるように、転送ホイール02、液体充填装置03、転送ホイール04、キャッパ05、排出ホイール06のそれぞれは、外周部分に円周方向に沿い等間隔でホルダを備えている。これにより、転送ホイール02〜排出ホイール06は回転しつつ、容器PBを把持して搬送し受け渡しするようになっている。
【0014】
このため、供給コンベア01により搬送されてきた容器PBは、位置P1にて転送ホイール02のホルダにより把持されて、位置P1から位置P2にまで搬送される。位置P2では、容器PBは転送ホイール02から液体充填装置03に受け渡され液体充填装置03のホルダで把持されて位置P2から位置P3にまで搬送される。位置P2から位置P3にまで搬送される際に、液体充填装置03が備える充填ノズルを介して容器PBには液体が充填される。
【0015】
更に、容器PBは位置P3にて液体充填装置03から転送ホイール04に、位置P4にて転送ホイール04からキャッパ05に、位置P5にてキャッパ05から排出ホイール06に、位置P6にて排出ホイール06から排出コンベア07に受け渡されて搬送される。キャッパ05では、容器PBに蓋をするキャッピングが行われる。
【0016】
以下、飲料充填装置の特徴部分である液体充填装置03について、
図2以降を参照しながら説明する。なお、充填する液体Lの対象は炭酸ガスを溶解させた炭酸水とする。
図2に示す液体充填装置03は、旋回テーブルTが旋回軸心Cを中心として水平面内で回転する。この旋回テーブルTの外周縁には、周方向に沿って等間隔に、複数の充填ノズル1と複数のホルダ20とが対になって配置されている。
充填ノズル1の上方位置には、貯液タンク30が配置されている。この貯液タンク30は、充填ノズル1及び旋回テーブルTと一体となって同期回転する。貯液タンク30と各充填ノズル1は、液体供給管40により接続されている。
充填ノズル1は、容器PBに対する液体Lの充填方向、つまり鉛直方向の相対的な位置関係が維持されながら、その先端から流下する液体Lを容器PB内に注ぐ。液体Lを充填する最中は、充填ノズル1と容器PBとの間は封止される。貯液タンク30の配置は任意であり、旋回テーブルTと分離された位置に置くことを本発明はもちろん許容する。なお充填ノズル1の詳細は後述する。
【0017】
充填ノズル1と貯液タンク30との間には排気路26が設けられている。排気路26は、充填ノズル1の側で、排気路26Aと排気路26Bに分岐する。
排気路26Aは、その一端が、充填ノズル1の内部に形成されるガス排気流路16に連通するように充填ノズル1に接続される(
図3も参照)。排気路26Aは、他端が、貯液タンク30の貯留されている液体Lの液面よりも上側を占める空間Sに連通するように貯液タンク30に接続されている。排気路26Aは、液体Lの充填時に容器PBから排出される炭酸ガスを空間Sに向けて戻す。排気路26A上には、オリフィス22が設けられている。
排気路26Bは、その一端が、充填ノズル1の内部に形成されるガス排気流路16に連通するように充填ノズル1に接続される(
図3も参照)。排気路26Bは、他端が、大気に開放されている。排気路26B上には、スニフト弁24が設けられている。充填処理終了後に行うスニフト処理において、スニフト弁24を開いて容器PB内の気体を系外に排出させ、容器PB内を大気圧まで下げる。
【0018】
オリフィス22は、開度を変更することにより、液体Lの充填時に容器PBから排出される炭酸ガスが空間Sに流れる量を調整する。本実施形態では、オリフィス22の開度を、充填ノズル1の開度に連動して調整する。オリフィス22には、オリフィス22の開度を調整する開閉制御部23が設けられている。開閉制御部23は、例えば、電動のアクチュエータを使用することができ、制御部50から指令を受けることで動作する。
ここで、液体Lを容器PBに充填する間は、貯液タンク30、液体供給管40、充填ノズル1、容器PB及び排気路26Aにより形成される系は密閉された空間となる。この密閉空間内では、充填ノズル1(可動弁体15)から容器PBに液体Lを供給しようとしても、オリフィス22が閉じている(全閉)と、液体Lは容器PBに向けて流れない。一方で、オリフィス22が開いていると、その開度に応じた量の液体Lを容器PBに向けて流すことができる。つまり、オリフィス22の開度は、充填ノズル1から容器PBに液体Lが充填される量を決定する要素の一つとなる。
【0019】
ホルダ20は旋回テーブルTに固定されており、容器PBを充填ノズル1の下方位置に保持する。ホルダ20には、ロードセル21(充填量計測部)が組み付けられており、充填される液体Lの重量を計測することができる。液体Lの重量の測定は、容器PBの重量をキャリブレーションによりゼロリセットして行なうことができる。ロードセル21で得られた計測データは、制御部50(演算部51)に向けて出力される。ロードセル21の代わりに、通過する液体Lの体積を計測する流量計41により充填量を計測することもできる。以下では、ロードセル21を用いた例について説明する。
貯液タンク30の内部には、容器PBに充填すべき飲料等の液体Lが貯留されている。
また、貯液タンク30の内部のうち、空間Sには、液体Lに溶解させている炭酸ガスが貯えられており、この炭酸ガスは液体Lの劣化を防止する。また、炭酸ガスは、所定の圧力で空間Sに封入されているために、貯えられている液体Lには当該圧力が負荷されている。
液体供給管40は、その上端が貯液タンク30に連通しており、その下流端が充填ノズル1の給液パイプ11cに連通して、貯液タンク30と充填ノズル1とを接続している。
【0020】
次に、充填ノズル1について説明する。
図3に示すように、充填ノズル1は、結合構造体2並びに軸継手17により、バルブ本体11が電動シリンダ3(電動機)に連結されている。さらに充填ノズル1には、貯液タンク30からの液体供給管40が給液パイプ11cに接続されている。かつ排気路26が排気ポート19に接続されている。
充填ノズル1は、バルブ本体11の下部の弁吐出口11a、上部の弁軸ガイド11d、中間部の弁取付フランジ11b、並びに給液パイプ11cを備えており、内部には弁軸10、弁体ロッド13、絞り14、可動弁体15が軸方向に移動可能に組み込まれている。また、弁吐出口11aの先端部には、シール12が円環状に設けられている。液体Lの充填時、容器PBはシール12を介して弁吐出口11aと当接され、容器PBの内部が密閉される。なお、弁軸10の上端は、軸継手17により、電動シリンダ3のロッド軸32と緊密に連結されている。
バルブ本体11には、排気路26が接続される排気ポート19が形成されている。排気ポート19は、一端がバルブ本体11の外部に連通し、他端がガス排気流路16に連通する。ガス排気流路16は、一端がバルブ本体11の先端に開口している。ガス排気流路16は、排気ポート19と接続される他端面側から当該先端までは円環状の空隙をなしている。ガス排気流路16は、充填液通路18よりも径方向の外側に形成されている。
液体Lを容器PBに充填する際に、また、スニフト処理時には、容器PBで余剰となった気体がガス排気流路16、排気ポート19を順に通ってから排気路26に送られる。一方、カウンタ処理時には、貯液タンク30の空間Sの炭酸ガスが、排気路26A、排気ポート19を順に通ってガス排気流路16に送られる。各処理の詳細については、後述する。
【0021】
電動シリンダ3は、種々の構成が公知であるのでここでの詳細は省略するが、例えばサーボモータなどの電動機の回転運動をボールねじにより直線運動に変換するもの、中空の電動機を使うことでナット側を回転させてネジ式の軸(ロッド)を直線運動に変換するもの、が一般的である。
電動シリンダ3は、シリンダ本体31と、ロッド軸32と、を備えている。シリンダ本体31内には例えば上述したサーボモータが設けられ、このサーボモータの回転運動を直線運動に変換するボールねじとロッド軸32とが緊密に連結される。この電動シリンダ3は、サーボモータの回転位置、速度を制御することにより、ロッド軸32の進退位置、進退速度を制御できる。可動弁体15は弁軸10などを介してロッド軸32に連結されているので、電動シリンダ3は、可動弁体15の進退位置、進退速度を制御できる。後述する制御部50により電動シリンダ3の駆動が制御される。
【0022】
可動弁体15は、弁吐出口11aの直上に設けられた固定弁座11eに密着或いは隙間を隔てて対峙することにより、給液パイプ11c経由で飲料などの充填液が供給される充填液通路18の開度を調整する流量調整弁5の機能を備えている。
また、弁体ロッド13は、下端に可動弁体15が、また、上端部には絞り14を備えた軸状の部品であり、例えばねじ止めによって弁軸10に、緊密に連結されている。
【0023】
充填ノズル1は、電動シリンダ3を駆動することにより可動弁体15の固定弁座11eに対する位置を制御して、液体Lの吐出口の開度(以下、単に開度)を調整することができる。液体Lを充填する場合には、可動弁体15を固定弁座11eから離なす。その中で、充填流量を少なくする場合には可動弁体15を固定弁座11eに近づけ開度を小さくし、充填流量を多くする場合には可動弁体15を固定弁座11eから遠ざけ開度を大きくする。本実施形態は、可動弁体15から固定弁座11eまでの距離を液体Lの液位に対応して変化させるが、容器PBに充填される液体L(液種)の粘度によっても調整される。つまり、同じ充填流量を得る場合、粘度の低い充填液は可動弁体15を固定弁座11eに近づけ、粘度の高い充填液は可動弁体15を固定弁座11eから遠ざける。そのために、可動弁体15から固定弁座11eまでの距離が調整される。このように、充填ノズル1は、可動弁体15の位置を適宜調整しながら液体Lの充填を行なう。
【0024】
可動弁体15の駆動源を電動シリンダ3とする充填ノズル1によると、可動弁体15の駆動速度が容易に変更できるので、任意の充填流量の設定を迅速に行なうことができる。また、任意の位置で可動弁体15を容易に停止できるので、充填流量を多段階に設定することができる。したがって、充填ノズル1は様々な充填条件に対応するのが容易かつ迅速に行えるのであって、このことが後述する液位による充填流量の制御を可能にする。
【0025】
液体充填装置03は、制御部50を備えている。
制御部50は、可動弁体15の駆動源である電動シリンダ3の動作を調整することで、充填ノズル1から容器PBに充填する液体Lの流量を制御する。さらに、制御部50は、開閉制御部23の動作を介してオリフィス22の開度を調整し、オリフィス22を通過する炭酸ガスの量を制御する。
この制御を実行する制御部50は、演算部51と、データ保持部52と、指示部53と、を備えている。
【0026】
演算部51は、容器PBに充填された液体Lの液位を演算により求める。演算部51(制御部50)は、ロードセル21から出力される容器PBの重量に関するデータ(液体重量データ)を取得する。また、演算部51は、データ保持部52から、容器PBについて、容器仕様データ及び液位−充填流量データを取得する。
【0027】
演算部51は、容器PBに充填されている液体L表面の容器PB底面からの位置、つまり液位をhLとすると、演算部51は液位hLを
図4に示す式(1)により求めることができる。
ここで、容器PBを
図5に示すように、容器PBを高さ方向に微小間隔Δhを置いてn等分に分割し、各分割断面を容器PBの下方から、d1、d2、…、dnとする。各断面d1、d2、…、dnは円形の開口を有しており、この開口の面積をa1、a2、…、anとする。そうすると、容器PBの最下面から断面d1までに充填される液体Lの重量W1は
図4に示す式(2)により求められ、また、容器PBの最下面から最上位の断面dnまでに充填される容器PBに充填される液体Lの重量Wは
図4に示す式(3)により求められる。Δhは、H/nであるから、容器PBの底面から高さ方向の任意の位置(液位)hL(t)までに充填される液体Lの重量W(t)は、
図4に示す式(4)により求めることができる。式(4)より、当該位置hL(t)は
図4に示す式(5)により表されるところ、容器PBに充填された液体Lの重量W(t)が既知であれば、容器PBにおける液体Lの液位を求めることができる。式(5)において、重量W(t)は式(1)におけるロードセル21からの計測データと等価であり、容器PBに関する部分は
図4に示す式(6)のように式(1)の容器仕様データと等価である。この容器仕様データは、データ保持部52に予め保持されている。
以上のように、演算部51は、ロードセル21から容器PBに充填される液体Lの液体重量データ(充填量)を取得することで、データ保持部52が保持している容器仕様データを用いることにより、当該重量に対応する液位の推定値を式(1)に基づいて演算により求めることができる。
【0028】
本実施形態の飲料充填設備が、異なる仕様を有する複数種の容器PBに液体Lを充填する場合には、容器PB毎の容器仕様データをデータ保持部52に保持させておく。そして、液体Lの充填を行なうのに先立って、液体Lが充填される容器PBに対応する容器仕様データを選択することで、演算部51は当該容器仕様データをデータ保持部52から取得して、液位を求めることができる。この点については、容器仕様データの例を後述する。
【0029】
次に、演算部51は、以上のようにして得られた液位と液位−充填流量データに基づいて、当該液位に対応する充填流量を特定する。
データ保持部52に保持される液位−充填流量データの一例を
図6に示している。液位−充填流量データは、液位と、当該液位において気泡の巻き込みが生じない液体Lの充填流量と、を対応付けたデータである。
図6の液位−充填流量曲線よりもハッチングが施されている下方の領域の充填流量で液体Lを充填すれば、気泡の巻き込みは生じない。特に、液位−充填流量曲線上の充填流量を採用すれば、気泡の巻き込みを生じさせることなく、かつ、最短で充填を完了させることができることになる。
また、データ保持部52は、
図13に示す充填流量―開度データを保持している。充填流量―開度データは、充填流量とオリフィス22の開度とが対応付けられている。前述したように、オリフィス22の開度は、充填ノズル1から容器PBに液体Lが充填される量を決定する要素となるから、充填流量―開度データを用いることで、充填流量に対応するオリフィス22の開度を選択できるようにしている。
演算部51は、式(1)に基づいて液位が得られたならば、
図6に示す液位−充填流量データと対比し、当該液位に対応する充填流量を特定する。
【0030】
指示部53は、演算部51で特定された充填流量に基づいて、電動シリンダ3を介して可動弁体15を動作させることに加え、オリフィス22も連動して動作させる。具体的には、指示部53は充填流量に対応する充填ノズル1の開度データを保持しており、演算部51で特定された充填流量を取得することで、当該充填流量に対応する充填ノズル1の開度を特定するとともに、この開度に基づいて電動シリンダ3を動作させる。
さらに、指示部53は、電動シリンダ3の動作と連動して、開閉制御部23も動作し、オリフィス22の開度を調整する。そうすると、容器PBに充填された液体Lの液位に適する量の炭酸ガスがオリフィス22を通過して貯液タンク30の空間Sに戻される。
また、指示部53は、1つの容器PBに最終的に充填されるべき液体Lの総重量(設定充填量)に関するデータを保持するとともに、ロードセル21からの液体重量データを取得する。指示部53は、液体重量データを設定充填量と照合することで、容器PBへの液体Lの充填が設定充填量に達するまで行なわれたことを検知すると、電動シリンダ3を動作させて充填ノズル1が所定の時間で閉じるように指示する。
【0031】
ここで、液位−充填流量データを得るのに有効な手法の一例を、
図7を参照して紹介する。
[条件]
容器PB(例えば、容量500mlのペットポトル)に下記する規定の液位までは液面が揺動しない程度の充填流量(例えば、50ml)で液体Lを充填する。
規定の液位=30,50,60,80,100,120mm
規定の液位に達したら、下記する所定の充填流量に増加させる。
所定の充填流量=100〜300ml/secの範囲で25ml/sec刻み
[評価方法]
充填流量を増加させた直後の液位の最大値と最小値を読み取り、下記により液位変動量を求める。
液位変動量=液位最大値−液位最小値
発明者らは、上記評価方法により、液位が低いほど液面変動量が大きくなること、また、増加する充填流量が大きいほど液面変動量が大きくなることを確認している。
【0032】
また、充填流量を増加させた直後の気泡巻き込み状況を観察することにより、
図8のように気泡巻き込みの有無を、充填流量を増加した液位及び増加した充填流量に対応付けてまとめることができる。
図8に示されるように、充填流量を増加した液位及び増加した充填流量について、気泡の巻き込みが生じない境界が存在する。そして、
図8は、気泡の巻き込みを生じさせることなく液体Lの充填を最短で完了させるには、当該液位において気泡の巻き込みが生じない最大の充填流量(臨界充填流量)で液体Lを充填すればよいことを示唆している。例えば、液位が30mmの場合には充填流量を100mlとし、液位が60mmの場合には充填流量を150mlとし、さらに液位が100mmの場合には充填流量を175mlとする、という具合に充填流量を制御すれば、気泡の巻き込みを生じさせることなく液体Lの充填を最短で完了させることができる。このようにして、
図8より、液位−充填流量データを得ることができ、この液位−充填流量データは、制御部50のデータ保持部52に保持される。なお、臨界充填流量に対応する液位変動量は、
図8に示されている通りであり、これを尺度として充填流量を制御することもできる。
【0033】
なお、液位−充填流量データは、液体Lの種類、液体Lが充填される容器PBの仕様によって変動し得る。したがって、本実施形態の飲料充填設備が、異なる種類の液体L、異なる仕様の容器PBに対応する場合には、液体Lの種類、容器PBの仕様に対応する液位−充填流量データをデータ保持部52に保持させることが必要である。そして、演算部51は、当該液位−充填流量データに基づいて充填流量を特定する。
【0034】
次に、液体充填装置03による容器PBへの液体Lの充填の手順を、
図9を参照して説明する。
液体充填装置03の所定の充填位置(
図1 位置P2)に容器PBが搬送され、容器PBの挿入口と充填ノズル1の先端を、シール12を介して密着させてから、容器PBに液体Lを充填する一連の処理が行われる。
【0035】
はじめに、カウンタ処理を行う(
図9 S100)。カウンタ処理とは、前述した圧力が吹かされている液体Lが、当該圧力よりも低い大気圧の容器PBに充填されることで、容器PB内で発泡することを防止するために、予め容器PB内の圧力を液体Lに付加されている圧力にバランスさせる処理である。具体的には、オリフィス22を開いて、排気路26Aおよびガス排気流路16を介して、貯液タンク30の空間Sに封入されている炭酸ガスを容器PB内に移送する。カウンタ処理後、オリフィス22は一旦閉じられる。
【0036】
カウンタ処理の次に、充填処理を行う。
流量調整弁5およびオリフィス22を開いて、液体Lの充填が開始される(
図9 S101)。液体Lの充填が始まると、制御部50の演算部51は、ロードセル21から出力される液体重量データを取得するとともに、データ保持部52から容器仕様データ及び液位−充填流量データを取得する(
図9 S103,S105,S107)。
【0037】
演算部51は、取得した液体重量データ及び容器仕様データを用いて、当該液体重量における液位を演算により求める(
図9 S109)。この演算は、
図4に示した式(1)〜式(6)に基づいて行なわれる。
【0038】
次いで演算部51は、得られた液位と液位−充填流量データに基づいて、当該液位に対応する充填流量を特定する(
図9 S111)。この充填流量に関するデータは演算部51から指示部53に送られる。指示部53は、充填ノズル1から容器PBに向けて吐出される液体Lの流量が演算部51で特定された充填流量に一致するように、電動シリンダ3を動作させて、固定弁座11eに対する可動弁体15の位置、つまり充填ノズル1の開度を調整する。
充填流量が特定されると、データ保持部52から充填流量―開度データに基づき、対応する開度を特定したデータが指示部53に送られる。指示部53は、特定された開度となるように開閉制御部23を動作させ、オリフィス22の開度を調整する。そうすると、容器PB内における液体Lの液位に対応する量の炭酸ガスが、オリフィス22を通過し貯液タンク30に移送される(
図9 S113)。
【0039】
以上の手順(S103〜S113)は、設定された充填重量に達するまで継続的に行なわれる(
図9 S115 No)。そうすることで、気泡の巻き込みを生じさせることなく液体充填を短時間で行なうことができる。
一方、設定された充填重量に達したならば、指示部53は、充填ノズル1およびオリフィス22を閉じるように、電動シリンダ3および開閉制御部23に指示する(
図9 S115 Yes,
図9 S117)。
【0040】
充填処理が終了した時の容器PB内の圧力は大気圧よりも高いため、スニフト弁24を開き、容器PB内の気体を系外に排出させ、容器PB内を大気圧まで下げる(スニフト処理)(
図9 S118)。
こうして液体充填装置03の所定の充填位置(
図1 位置P3)まで液体Lが充填された容器PBが搬送されると、液体Lの充填処理が終了する(
図9 S119)。
【0041】
以上説明した実施形態によると、容器PBへの液体Lの充填量に基づいて算出された液位に応じて充填流量を制御するフィードフォワード的な制御を採用するので、容器PBへの炭酸ガスを含む液体Lの充填を迅速に完了させることができる。特に、本実施形態は、充填ノズル1に加えてオリフィス22の開度を、液体Lの充填の経緯に適合するように調整しているので、充填ノズル1の開度だけを調整するのに比べて、液体Lの迅速な充填に寄与する。
また、本実施形態は、計測された充填量と容器仕様データとに基づいて、容器PBに液体Lを供給しながら液位を演算によって求めるので、充填される容器PBが変更されたとしても、それに対応する容器仕様データを保持しておき、それを選択するだけで、液位を正確に求めることができる。
さらに本実施形態は、液位と、気泡の巻き込みを生じさせることなく液体Lを充填できる充填流量と、が対応付けられた液位−充填流量データに基づいて容器PBに充填する液体Lの充填流量を特定するので、気泡の巻き込みを生じさせることなく迅速な充填をより確実に実現できる。
【0042】
本実施形態では、ロードセル21を使用して、充填流量を特定する方法について説明したが、ロードセル21の代わりに、通過する液体Lの体積を計測する流量計41により充填流量を特定することもできる。
この場合、演算部51は、充填する液体の密度、流量計41で計測される単位時間当たりの流量、及び、充填時間から算出される、容器PB内の液体重量データを取得する。そして、ロードセル21を使用した場合と同様に、液位―充填流量データに基づいて、液位に対応する充填量を特定することができる。
【0043】
また、以上の説明では充填流量―開度データを保持しているが、充填流量は求められた液位に対応する値であるから、実体としては、充填流量―開度データは液位と開度とが対応付けられたデータ(液位―開度データ)とみなすことができる。つまり、本発明は、充填流量―開度データの代わりに液位―開度データを保持し、求められた液位と液位―開度データとに基づいてオリフィス22の開度を特定することもできる。
本実施形態の液体充填装置は、例えばみかんの砂のうを予め詰めた容器PBに炭酸液を充填するのに使用できる。この炭酸液の充填は、充填ノズル1の開度を全開にして行われるが、オリフィス22の開度を調整することで容器PBへの充填流量を制御できる。また、第1実施形態の液体充填装置は、炭酸ガスを含まない液体を容器PBに充填する場合に使用できる。この場合、充填ノズル1の開度を調整することで、容器PBへの液体の充填流量を制御できる。
【0044】
[第2実施形態]
上述した通り、液体Lを充填する過程では、貯液タンク30、充填ノズル1、容器PB等を含んだ系が密閉状態となる。したがって、流量調整弁5が開いていても、オリフィス22が閉じていれば液体Lを容器PBに充填することができないが、オリフィス22の開度を調整することで容器PBに充填される液体Lの量を調整することができる。そこで、第2実施形態は、オリフィス22の開度を調整するだけで、容器PBへの液体Lの充填流量を制御する方法を説明する。
第2実施形態に係る装置の構成は、第1実施形態と同様であるため、ここでの説明は相違点を中心に説明する。
【0045】
第2実施形態における流量調整弁5は、全開及び全閉のいずれかを選択できる開閉弁として機能するものとし、カウンタ処理時及び液体Lの充填処理時には全開とし開度を固定にするが、それ以外の時には全閉(開度がゼロ)とする。
また、データ保持部52は、液体Lの種類、容器PBの仕様に対応する液位−充填流量データと、充填流量−開度データのみを保持している。
【0046】
第2実施形態による容器PBへの液体Lの充填の手順を、
図12を参照して説明する。
液体充填装置03の所定の充填位置(
図1 位置P2)に容器PBが搬送され、カウンタ処理が行われる(
図12 S200)。
カウンタ処理後、充填ノズル1およびオリフィス22の間を封止することで、液体Lの充填が開始される(
図12 S201)。
そして、演算部51は、ロードセル21から出力される液体重量データを、データ保持部52から容器仕様データ及び液位−充填流量データをそれぞれ取得する(
図12 S203,S205,S207)。
【0047】
演算部51は、取得した液体重量データ及び容器仕様データを用いて、当該液体重量における液位を演算により求める(
図12 S209)。次いで、演算部51は、得られた液位と液位−充填流量データに基づいて、当該液位に対応する充填流量を特定する(
図12 S111)。この充填流量に関するデータは演算部51から指示部53に送られる。指示部53は、充填流量―開度データを基に、演算部51で特定された充填流量に一致するように、開閉制御部23を動作させて、オリフィス22の開度を調整する(
図12 S213)。
【0048】
以上の手順(S203〜S213)は、設定された充填重量に達するまで継続的に行なわれる(
図12 S215 No)。そうすることで、気泡の巻き込みを生じさせることなく液体充填を短時間で行なうことができる。
一方、設定された充填重量に達したならば、指示部53は、充填ノズル1およびオリフィス22を閉じるように電動シリンダ3および開閉制御部23に指示する(
図12 S215 Yes,
図12 S217)。
そして、スニフト処理を行うことにより、容器PB内を大気圧まで下げる(
図12 S218)。
こうして液体充填装置03の所定の充填位置(
図1 位置P3)まで液体Lが充填された容器PBが搬送されると、液体Lの充填処理が終了する(
図12 S219)。
【0049】
第2実施形態によると、第1実施形態と同様の効果が得られるのに加えて、以下の効果が得られる。すなわち、流量調整弁5は開閉弁で足りるので、駆動源も含めた構成が簡易でかつ安価な機器を用いることができるので、液体充填装置のコストを低減できる。
また、以上の説明では、液位−充填流量データを参照することで充填流量を求めてから、充填流量−開度データに基づいてオリフィス22の開度を特定したが、液位と開度を関連付けた液位−開度データのみを保持しておき、演算により求められた液位から直接的に開度を特定することもできる。この場合、液位−充填流量データを保持する必要がないことと、充填流量を特定する演算を行なう必要がないので、制御部50の構成を簡易にすることができる。さらに、第2実施形態によると、液体Lを充填する間に流量調整弁5の開度を調整する必要がないので、その分だけ電力の消費を省くことができる。
【0050】
第1実施形態および第2実施形態は、1種類の容器PB及び1種類の液体Lを対象に説明したが、本発明は容器PB及び液体Lともに複数種であっても対応することができる。
仮に、処理される容器PBが容器A、容器B、…、容器Nであり、充填される液体Lが液体α、液体β及び液体γとする。データ保持部52は、
図10に示すように、容器A、容器B、…、容器Nに対応する容器仕様データを保持する。また、データ保持部52は、液体L(液種)ごとに、容器A、容器B、…、容器Nに対応する液位−充填流量データを保持する。そして、制御部50に容器PB及び液体Lを選択する機能を持たせる。そうすれば、飲料充填装置による処理を行うのに先立って、液体Lが充填される容器PBを容器A、容器B、…、容器Nから選択し、また、充填される液体Lを液体α、液体β、液体γから選択することで、演算部51が取得する容器仕様データ及び液位−充填流量データを容器種、液種に応じて特定することができる。
同様に、充填流量―開度データにおいても、容器種、液種に応じて特定することができる(
図13)。
【0051】
以上、本発明を第1実施形態、第2実施形態に基づいて説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりることができる。
例えば、第1実施形態および第2実施形態では、計測された充填量と容器仕様データに基づいて液位を特定し、液位−充填流量データおよび充填流量−開度データを基に、オリフィス22の開度を特定していたが、これに限定されない。
例えば、液体Lが充填される容器PBの充填量と開度が関連付けられた充填量−開度データをデータ保持部52が予め保持する。充填量−開度データは、例えば
図11に示されるように、容器PB毎に、充填量と開度が対応付けられている。演算部51がロードセル21から充填量を取得すると、充填量−開度データを対比して当該充填量における開度を特定することもできる。
充填量−開度データを参照して開度を特定する方法は、データテーブル(例えば
図11)から参照するため、演算を行わなくて済むので開度の特定を迅速に行える利点がある。
【0052】
また、上記実施形態では、
図6に示すように、液位に応じて充填流量を連続的に変化させる例を示したが、本発明はこれに限定されず、充填流量を段階的に変化させることを許容する。ただし、充填流量を連続的に変化させる方が、臨界充填流量を反映する充填流量で液体Lの充填を行なうのに有利である。