(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095476
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】ルーフキャリア用プロテクター
(51)【国際特許分類】
B60R 9/04 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
B60R9/04
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-103457(P2013-103457)
(22)【出願日】2013年5月15日
(65)【公開番号】特開2014-223838(P2014-223838A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2016年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(72)【発明者】
【氏名】木坂大輔
(72)【発明者】
【氏名】臼杵靖隆
【審査官】
高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】
実開平6−23835(JP,U)
【文献】
実開平4−35936(JP,U)
【文献】
特開2001−47945(JP,A)
【文献】
米国特許第5947354(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状のカバー体の内部に略円筒状のクッションを収納してなり、前記クッションを前記カバー体と共に自動車のルーフキャリアのクロスバーに装着して用いるルーフキャリア用クッションにおいて、
前記カバー体には前記クロスバーにルーフキャリア用クッションを装着した状態を維持するための装着維持手段を有し、
前記クッションは、長手方向に分離部を有し、前記分離部によって形成された一対の端部が、夫々前記カバー体の端部に配置され、
前記クッションは前記一対の端部間において複数の区分を有し、隣接する区分が前記クロスバーの形状に応じて相対的に移動する手段を有することを特徴とするルーフキャリア用クッション。
【請求項2】
隣接する区分が前記クロスバーの形状に応じて相対的に移動する手段が、前記クッションの一対の端部間において長手方向に形成された切断部によって複数の区分に分離された構成を含むことを特徴とする請求項1記載のルーフキャリア用クッション。
【請求項3】
隣接する区分が前記クロスバーの形状に応じて相対的に移動する手段が、前記クッションの一対の端部間において長手方向の内面に形成された切溝によって複数の区分に分離された部分と、前記切溝の先端と外周面間において接続されている薄肉部分と、を有することを特徴とする請求項1記載のルーフキャリア用クッション。
【請求項4】
隣接する区分が前記クロスバーの形状に応じて相対的に移動する手段が、前記クッションの一対の端部間において長手方向に形成された凹溝によって複数の区分に分離された部分と、前記凹溝内において接続されている薄肉部分と、を有することを特徴とする請求項1記載のルーフキャリア用クッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ルーフキャリアのクロスバーに装着して使用するプロテクターの改良に関し、特に様々な断面形状のクロスバーに対して容易に装着することができて良好なプロテクト効果を得ることができる、ルーフキャリア用プロテクターに関する。
【背景技術】
【0002】
ルーフキャリア用プロテクターとして実開平6−23835号公報が公知であり、このルーフキャリア用プロテクター80は
図10に示すように、自動車のルーフキャリアのクロスバー120にプロテクター80を装着した状態で、その上にサーフボード等を固定するものであり、前記のようにクロスバー120に装着して使用するプロテクター80としては、
図11に示すように、長手方向全長にわたって1本のスリット状の切欠81が形成された円筒状のクッション82を、長手方向の両端部で縫合して袋状に縫製したカバー体83の中に、上記カバー体83の開口部84から挿入した構造のものであり、前記カバー体83の両端部付近には、それぞれ面ファスナー85が設けてあり、
図12のように全体をカバー体83で覆ったクッション82の中心部に、断面形状が円形のクロスバー120をスリット形成部から圧入したうえ、クッション82及びカバー体83を面ファスナー85で固定する構造が開示されている。
【0003】
しかしながら、特開2001−47944号公報で開示されるように、最近の自動車に用いられているようにクロスバーの断面形状は
図13に示すような縦幅に対して横幅が広い形状のクロスバー110が増加しており、このような縦幅に対して横幅が広い形状のクロスバー110に前記実開平6−23835号公報で開示される構造のクッション82を圧入することは困難であり、従来のルーフキャリア用プロテクター80を縦幅に対して横幅が広い形状のクロスバー110に装着することができないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−23835号公報
【特許文献2】特開2001−47944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、断面形状が円形のクロスバーのみならず、縦幅に対して横幅が広い形状のクロスバーに対しても容易に装着することができ、良好なプロテクト効果を得ることができる、ルーフキャリア用プロテクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のルーフキャリア用プロテクターは、袋状のカバー体の内部に略円筒状のクッションを収納してなり、前記クッションを前記カバー体と共に自動車のルーフキャリアのクロスバーに装着して用いるルーフキャリア用クッションにおいて、前記カバー体には前記クロスバーにルーフキャリア用クッションを装着した状態を維持するための装着維持手段を有し、前記クッションは、長手方向に分離部を有し、前記分離部によって形成された一対の端部が、夫々前記カバー体の端部に配置され、前記クッションは前記一対の端部間において複数の区分を有し、隣接する区分が前記クロスバーの形状に応じて相対的に移動する手段を有することを特徴とする。
【0007】
更に、隣接する区分が前記クロスバーの形状に応じて相対的に移動する手段が、前記クッションの一対の端部間において長手方向に形成された切断部によって複数の区分に分離された構成を含むと良い。
【0008】
また、隣接する区分が前記クロスバーの形状に応じて相対的に移動する手段が、前記クッションの一対の端部間において長手方向の内面に形成された切溝によって複数の区分に分離された部分と、前記切溝の先端と外周面間において接続されている薄肉部分と、を有しても良い。
【0009】
また、隣接する区分が前記クロスバーの形状に応じて相対的に移動する手段が、前記クッションの一対の端部間において長手方向に形成された凹溝によって複数の区分に分離された部分と、前記凹溝内において接続されている薄肉部分と、を有しても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、前記のように断面形状が円形のクロスバーのみならず、縦幅に対して横幅が広い形状のクロスバーに対しても容易に装着することができ、効果的なプロテクト効果を得ることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例1のルーフキャリア用プロテクターの組立前の斜視図である。
【
図2】本発明の実施例1のルーフキャリア用プロテクターを従来のクロスバーに装着した状態を示す断面図である。
【
図3】本発明の実施例1のルーフキャリア用プロテクターを横幅の広いクロスバーに装着した状態を示す断面図である。
【
図4】本発明の実施例2のルーフキャリア用プロテクターの組立前の斜視図である。
【
図5】本発明の実施例2のルーフキャリア用プロテクターを従来のクロスバーに装着した状態を示す断面図である。
【
図6】本発明の実施例2のルーフキャリア用プロテクターを横幅の広いクロスバーに装着した状態を示す断面図である。
【
図7】本発明の実施例3のルーフキャリア用プロテクターの組立前の斜視図である。
【
図8】本発明の実施例3のルーフキャリア用プロテクターを従来のクロスバーに装着した状態を示す断面図である。
【
図9】本発明の実施例3のルーフキャリア用プロテクターを横幅の広いクロスバーに装着した状態を示す断面図である。
【
図10】従来のルーフキャリア用プロテクターの使用状態を示す参考図である。
【
図11】従来のルーフキャリア用プロテクターの組立前の斜視図である。
【
図12】従来のルーフキャリア用プロテクターを従来のクロスバーに装着した状態を示す部分断面図。
【
図13】横幅の広いクロスバーを示す参考斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の実施例1のルーフキャリア用プロテクター1の組立前の斜視図であり、細長い袋状のカバー体2と、前記カバー体2の内部のほぼ全体に亘って収納されていて前記カバー体2と共に自動車のルーフキャリアのクロスバーの周囲に配置し得るように構成されたポリウレタンなどの柔軟な材料で形成されるクッション3と、前記カバー体2及び前記クッション3を前記クロスバーの周囲に配置した状態で前記カバー体2の外周に巻き付けて前記クロスバーに固定できるようにベルト41と前記ベルト41のカバー体2との固定部42および自由端43に配置固定された面ファスナー44からなる装着維持手段4を有する。
【0013】
前記カバー体2は袋状に縫製され、その内面には縦長の溝状孔からなるクッション挿入口21を有する。
【0014】
前記クッション挿入口21からカバー体2内に収納するクッション3は外径約70mm、内径約34mm(肉厚18mm)の円筒状に形成され、長手方向に形成された切断部31、32によりU字状の2つの区分3a、3bに分離され、前記夫々のクッション3は、前記切断部31によって形成された一対の一方の端面33が、夫々前記カバー体2の端部22に配置され、前記切断部32によって形成された一対の他方の端面34が前記カバー体2内の略中央位置23で他方の端面34同士が向かい合うように収納される。
【0015】
そして、
図2に示すように本発明のルーフキャリア用プロテクター1を従来の角型クロスバー100に装着する際には、前記クッション3は前記切断部32によって形成された2つの区分3a、3bの一対の他方の端面34同士が前記カバー体2内の略中央位置23で互いにほぼ平行に向かい合った状態でクロスバー100に装着され、前記装着維持手段4によって前記クロスバー100からルーフキャリア用プロテクター1が容易に離脱しないように固定される。
【0016】
そして
図3に示すように本発明のルーフキャリア用プロテクター1を縦幅に対して横幅が広い形状のクロスバー110に装着する場合には、前記クッション3の2つの区分3a、3bの一対の他方の端面34間の距離が前記クロスバー110の幅や形状に応じて、上方よりも下方の間隔が広く開く方向に相対的に移動した状態でクロスバー110に装着され、前記装着維持手段4によって前記クロスバー110からルーフキャリア用プロテクター1が容易に離脱しないように固定される。尚、本実施例でクッション3は2つの区分に分離されているが、例えば略3等分に分離するなど、3つ以上の区分に分離して構成しても良い(図示せず)。
【0017】
尚、本実施例において、初めからU字状に形成されたクッション3を組み合わせて使用しても良い。尚、本実施例における装着維持手段は、ベルト41と前記ベルト41のカバー体2との固定部42および自由端43に固定された面ファスナー44から構成されるが、本発明における装着維持手段4は本実施例に限定されず既存の他の構造を用いても良い。
【実施例2】
【0018】
図4は本発明の実施例2のルーフキャリア用プロテクター11の組立前の斜視図であり、本発明の実施例2のルーフキャリア用プロテクター11において、カバー体2および装着維持手段4に関しては、実施例1と共通の構成であるため説明を省略する。
【0019】
そして前記カバー体2の内部のほぼ全体に亘って収納されていて前記カバー体2と共に自動車のルーフキャリアのクロスバーの周囲に配置し得るように構成されたポリウレタンなどの柔軟な材料で形成されるクッション5は外径約70mm、内径約34mm(肉厚18mm)円筒状であり、長手方向に形成された切断部51による一箇所の分離部分による一方の端面53を有し、前記クッション5の中心軸に対して前記分離部分と対称位置でクッション5の内面には長手方向に形成された切溝52によってクッション内面が肉厚の途中まで分離されることにより一対の他方の端面54と、前記クッション5の切溝52よりも外周部分に非分離部55が形成される。
【0020】
前記クッション5は前記非分離部55を介して、肉厚部が2つの区分5a、5bに分離され、前記2つの区分5a、5bは、一対の他方の端面54が前記非分離部55を基点として、クロスバーの幅に応じて相対的に開拡可能に構成される。尚、前記非分離部55の肉厚は薄過ぎると、外力等によって切れ易くなり、厚すぎると前記クロスバーの幅に応じて相対的に移動する際の開拡基部としての機能が損なわれるため、前記非分離部55は2mm〜肉厚は6mm(肉厚の1/9〜1/3)程度が望ましい。
【0021】
図5に示すように本発明のルーフキャリア用プロテクター11を従来の角型クロスバー100に装着する際には、前記クッション5は、前記切溝52によって部分的に分離された2つの区分5a、5bの一対の他方の端面54同士が互いに向かい合った状態でクロスバー100に装着され、前記装着維持手段4によって前記クロスバー100からルーフキャリア用プロテクター11が容易に離脱しないように固定される。
【0022】
そして
図6に示すように本発明のルーフキャリア用プロテクター11を縦幅に対して横幅が広い形状のクロスバー110に装着する際には、前記クッション5が前記非分離部55を基点として、隣接する2つの区分5a、5bが前記クロスバー110の幅や形状に応じて、前記切溝52の下方で広く間隔が開く方向に相対的に移動した状態でクロスバー110に装着され、前記装着維持手段4によって前記クロスバー110からルーフキャリア用プロテクター11が容易に離脱しないように固定される。尚、本実施例でクッション5は1つの切溝52によって2つの区分5a、5bに分離されているが、例えば2つの切り溝によって3つの区分に分離するなど、3つ以上の区分に分離して構成しても良い。(図示せず)
【0023】
尚、クッション5の製法において複数の区分が夫々薄肉部で接続された状態で形成し、使用状態において、前記薄肉部と隣接するクッションの区分同士が、切溝状に近接するように構成しても良い。尚、本発明における装着維持手段4は本実施例に限定されず、既存の他の構造を用いても良い。
【実施例3】
【0024】
図7は本発明の実施例3のルーフキャリア用プロテクター12の組立前の斜視図であり、本発明の実施例3のルーフキャリア用プロテクター12において、カバー体2および装着維持手段4に関しては、実施例1と共通の構成であるため説明を省略する。
【0025】
そして前記カバー体2の内部のほぼ全体に亘って収納されていて前記カバー体2と共に自動車のルーフキャリアのクロスバーの周囲に配置し得るように構成されたポリウレタンなどの柔軟な材料で形成されるクッション6は外径約70mm、内径約34mm(肉厚18mm)の円筒状であり、長手方向に形成された切断部61による一箇所の分離部分による一方の端面63を有し、前記クッション6の中心軸に対して前記分離部分と対称位置でクッション6の内面に長手方向に形成された凹溝62によってクッション内面が肉厚の途中まで分離されることにより一対の他方の端面64と、クッション6の凹溝62よりも外周部に薄肉部65が形成される。
【0026】
前記クッション6は前記凹溝62によって形成された薄肉部65を介して、肉厚部が2つの区分6a、6bに分離され、前記2つの区分6a、6bは、一対の他方の端面64が前記肉薄部65を基点として、クロスバーの幅に応じて相対的に開拡可能に構成される。尚、前記薄肉部65の肉厚は薄過ぎると、外力等によって破損し易くなり、厚すぎると前記クロスバーの幅に応じて相対的に移動する際の開拡基部としての機能が損なわれるため、前記薄肉部65は2mm〜肉厚は6mm(肉厚の1/9〜1/3)程度が望ましい。なお前記凹溝62は本実施例の構成に限定されず、クッション6の外面に設けても良く、更にクッションの内面と外面の両面に設けても良い。
【0027】
図8に示すように本発明のルーフキャリア用プロテクター12を従来の角型クロスバー100に装着する際には、前記クッション6は、前記凹溝62によって部分的に分離された2つの区分6a、6bの一対の他方の端面64同士が互いに向かい合った状態でクロスバー100に装着され、前記装着維持手段4によって前記クロスバー100からルーフキャリア用プロテクター12が容易に離脱しないように固定される。
【0028】
そして
図9に示すように本発明のルーフキャリア用プロテクター12を縦幅に対して横幅が広い形状のクロスバー110に装着する際には、前記クッション6が前記薄肉部65を基点として、隣接する2つの区分6a、6bが前記クロスバー110の幅や形状に応じて、前記凹溝62の下方で広く間隔が開く方向に相対的に移動した状態でクロスバー110に装着され、前記装着維持手段4によって前記クロスバー110からルーフキャリア用プロテクター12が容易に離脱しないように固定される。尚、本実施例でクッション6は1つの凹溝によって2つの区分に分離されているが、例えば2つの凹溝によって3つの区分に分離するなど、3つ以上の区分に分離して構成しても良い。(図示せず)
【0029】
尚、クッション6の製法において複数の区分が夫々薄肉部で接続された状態で形成し、使用状態において、前記薄肉部と隣接するクッションの区分同士が、凹溝状に近接するように構成しても良い。尚、本発明における装着維持手段は本実施例に限定されず、既存の他の構造を用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0030】
ルーフキャリア用のプロテクターとして、産業上有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1:プロテクター、2:カバー体、3:クッション、3a:区分、3b:区分、4:装着維持手段、5:クッション、5a:区分、5b:区分、6:クッション、6a:区分、6b:区分、11:プロテクター、12:プロテクター、21:クッション挿入口、22:端部、23:略中央部、31:切断部、32:切断部、33:一方の端面、34:他方の端面、41:ベルト、42:固定部、43:自由端、44:面ファスナー、51:切断部、52:切溝、53:一方の端面、54:他方の端面、55:非分離部、61:切断部、62:凹溝、63:一方の端面、64:他方の端面、65:薄肉部、80:プロテクター、81:切欠、82:クッション、83:カバー体、84:開口部、85:面ファスナー、86:バンド、100:クロスバー、110:クロスバー、120:クロスバー