特許第6095506号(P6095506)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クボタの特許一覧

<>
  • 特許6095506-収穫機 図000002
  • 特許6095506-収穫機 図000003
  • 特許6095506-収穫機 図000004
  • 特許6095506-収穫機 図000005
  • 特許6095506-収穫機 図000006
  • 特許6095506-収穫機 図000007
  • 特許6095506-収穫機 図000008
  • 特許6095506-収穫機 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095506
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20170306BHJP
   B60K 20/00 20060101ALI20170306BHJP
   B60K 17/28 20060101ALI20170306BHJP
   A01D 69/00 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   B60K20/02 E
   B60K20/00 E
   B60K17/28
   A01D69/00 303F
   A01D69/00 302G
   A01D69/00 303C
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-136520(P2013-136520)
(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公開番号】特開2015-8675(P2015-8675A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2015年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180507
【弁理士】
【氏名又は名称】畑山 吉孝
(74)【代理人】
【識別番号】100137590
【弁理士】
【氏名又は名称】音野 太陽
(72)【発明者】
【氏名】大谷 大樹
(72)【発明者】
【氏名】一二三 慶城
(72)【発明者】
【氏名】林 茂幸
(72)【発明者】
【氏名】籔中 歩荷
(72)【発明者】
【氏名】奥山 天
(72)【発明者】
【氏名】高崎 和也
(72)【発明者】
【氏名】有本 敬
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−059444(JP,A)
【文献】 特開昭56−167522(JP,A)
【文献】 実開昭60−017634(JP,U)
【文献】 実開平04−062955(JP,U)
【文献】 実開平02−093562(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/12
A01D 67/00
A01D 69/06
B60K 17/06
B60K 17/28
B60K 20/00
B60K 20/02
F16H 39/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの駆動力を正逆無段に変速する主変速装置と、
ミッションケースに内装されると共に、複数の組合せが可能なギア列が設けられ、前記主変速装置から出力された駆動力を作業状態に応じた複数段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置と、
作業部への駆動力伝達を入り切りする作業クラッチと、
前記主変速装置を変速操作する主変速操作具と、
前記副変速装置を変速操作する副変速操作具と、
前記作業クラッチの入り切り操作をするクラッチ操作具と、
前記作業クラッチが入り操作されると、前記主変速操作具が前記主変速操作具の前進側操作経路における所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのを牽制する牽制機構と、が備え
前記主変速操作具として、前後揺動操作式の主変速レバーが備えられると共に、前記クラッチ操作具として、前後揺動操作式のクラッチレバーが備えられ、
前記主変速レバーを前記前進側操作経路の前端側に操作するほど、増速されるように構成され、
前記牽制機構に、前記前進側操作経路に対して出退可能な牽制部と、前記牽制部と前記クラッチレバーとを連係するリンク部と、が備えられ、
前記クラッチレバーがクラッチ入り位置へ操作されると、前記牽制部が、前記前進側操作経路の前端側から前記主変速レバーの前側に突出し、前記前進側操作経路のうち前記所定の指令位置に対応する位置に位置する収穫機。
【請求項2】
エンジンからの駆動力を正逆無段に変速する主変速装置と、
ミッションケースに内装されると共に、複数の組合せが可能なギア列が設けられ、前記主変速装置から出力された駆動力を作業状態に応じた複数段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置と、
作業部への駆動力伝達を入り切りする作業クラッチと、
前記主変速装置を変速操作する主変速操作具と、
前記副変速装置を変速操作する副変速操作具と、
前記作業クラッチの入り切り操作をするクラッチ操作具と、
前記作業クラッチが入り操作されると、前記主変速操作具が前記主変速操作具の前進側操作経路における所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのを牽制する牽制機構と、が備え、
前記主変速操作具として、前後揺動操作式の主変速レバーが備えられると共に、前記クラッチ操作具として、前後揺動操作式のクラッチレバーが備えられ、
前記牽制機構に、前記前進側操作経路に対して出退可能な牽制部と、前記牽制部と前記クラッチレバーとを連係するリンク部と、が備えられ、
前記クラッチレバーがクラッチ入り位置へ操作されると、前記牽制部が前記前進側操作経路のうち前記所定の指令位置に対応する位置に突出し、
前記クラッチレバーが前記クラッチ入り位置からクラッチ切り位置とは反対側に移動するのを規制する規制部が備えられ、
前記リンク部に、前記クラッチレバーの揺動軸芯周りに前記クラッチレバーと一体的に揺動するアーム部材と、一端が前記アーム部材に対して第一軸芯回りに回動可能に連係されると共に他端が前記牽制部に対して第二軸芯回りに回動可能に連係されたロッド部材と、が備えられ、
前記リンク部は、前記クラッチレバーがクラッチ切り位置から前記クラッチ入り位置に操作されると、前記揺動軸芯の方向に沿って見て、前記第一軸芯が前記揺動軸芯の後方側を通過し、かつ、前記第一軸芯と前記第二軸芯とを結ぶ直線が、前記揺動軸芯を跨いで移動するように構成されている収穫機。
【請求項3】
エンジンからの駆動力を正逆無段に変速する主変速装置と、
ミッションケースに内装されると共に、複数の組合せが可能なギア列が設けられ、前記主変速装置から出力された駆動力を作業状態に応じた複数段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置と、
作業部への駆動力伝達を入り切りする作業クラッチと、
前記主変速装置を変速操作する主変速操作具と、
前記副変速装置を変速操作する副変速操作具と、
前記作業クラッチの入り切り操作をするクラッチ操作具と、
前記作業クラッチが入り操作されると、前記主変速操作具が前記主変速操作具の前進側操作経路における所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのを牽制する牽制機構と、が備え、
前記主変速操作具として、前後揺動操作式の主変速レバーが備えられると共に、前記クラッチ操作具として、前後揺動操作式のクラッチレバーが備えられ、
前記牽制機構に、前記前進側操作経路に対して出退可能な牽制部と、前記牽制部と前記クラッチレバーとを連係するリンク部と、が備えられ、
前記クラッチレバーがクラッチ入り位置へ操作されると、前記牽制部が前記前進側操作経路のうち前記所定の指令位置に対応する位置に突出し、
前記牽制部に、前記前進側操作経路から外れた位置で前記前進側操作経路に沿って延びると共に、前後方向に沿ってスライド移動可能なガイド部材が備えられ、
前後方向に沿った異なる二位置に支持ブラケットが備えられ、
前記ガイド部材は、前記支持ブラケットに支持されている収穫機。
【請求項4】
前記クラッチレバーが前記クラッチ入り位置からクラッチ切り位置とは反対側に移動するのを規制する規制部が備えられ、
前記リンク部に、前記クラッチレバーの揺動軸芯周りに前記クラッチレバーと一体的に揺動するアーム部材と、一端が前記アーム部材に対して第一軸芯回りに回動可能に連係されると共に他端が前記牽制部に対して第二軸芯回りに回動可能に連係されたロッド部材と、が備えられ、
前記リンク部は、前記クラッチレバーがクラッチ切り位置から前記クラッチ入り位置に操作されると、前記揺動軸芯の方向に沿って見て、前記第一軸芯が前記揺動軸芯の後方側を通過し、かつ、前記第一軸芯と前記第二軸芯とを結ぶ直線が、前記揺動軸芯を跨いで移動するように構成されている請求項1または3に記載の収穫機。
【請求項5】
前記牽制部に、前記前進側操作経路から外れた位置で前記前進側操作経路に沿って延びると共に、前後方向に沿ってスライド移動可能なガイド部材が備えられ、
前後方向に沿った異なる二位置に支持ブラケットが備えられ、
前記ガイド部材は、前記支持ブラケットに支持されている請求項1または2に記載の収穫機。
【請求項6】
前記支持ブラケットに、前後方向に沿った異なる二位置に位置する二つの貫通孔が備えられ、
前記ガイド部材は、前記貫通孔に貫通支持されている請求項3または5に記載の収穫機。
【請求項7】
前記牽制部に、前記ガイド部材の先端部に設けられると共に、前記前進側操作経路に突出可能な突出部材が備えられ、
前記支持ブラケットとは別の支持ブラケットが備えられ、
前記別の支持ブラケットに、前記突出部材が貫通されて前記突出部材の前後方向のスライド移動を許容する長孔が形成され、
前記別の支持ブラケットは、前記前進側操作経路を挟んで前記支持ブラケットとは反対側に設けられている請求項3、5、6の何れか一項に記載の収穫機。
【請求項8】
前記作業クラッチが入り操作されても、前記前進側操作経路のうち前記所定の指令位置と中立位置との間の経路、及び、後進側操作経路における前記主変速操作具の操作は自在である請求項1から7の何れか一項に記載の収穫機。
【請求項9】
前記所定の指令位置は、前記前進側操作経路のうち中間位置よりも増速側の位置に設定されている請求項1から8の何れか一項に記載の収穫機。
【請求項10】
前記副変速装置は、高速変速状態と低速変速状態との二つの状態に切り換え可能であり、
前記牽制機構は、前記副変速装置が前記高速変速状態に操作されている状態においても前記低速変速状態に操作されている状態においても、前記作業クラッチが入り操作されると、前記主変速操作具が前記前進側操作経路における前記所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのを牽制する請求項1からの何れか一項に記載の収穫機。
【請求項11】
前記副変速装置は、高速変速状態と低速変速状態との二つの状態に切り換え可能であり、
前記牽制機構は、前記副変速装置が前記高速変速状態に操作されている状態において前記作業クラッチが入り操作されると、前記主変速操作具が前記前進側操作経路における前記所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのを牽制する請求項1からの何れか一項に記載の収穫機。
【請求項12】
前記主変速レバーは、運転部のサイドパネルに備えられ、
前記クラッチレバーは、前記サイドパネルにおいて前記主変速レバーの後方に備えられ、
前記牽制部は、前後方向に沿ってスライド移動可能であり、かつ、前記クラッチレバーがクラッチ切り位置に操作されると前記前進側操作経路の前方側に引退する請求項1から11の何れか一項に記載の収穫機。
【請求項13】
前記作業部は刈取部であり、かつ、前記作業クラッチは刈取クラッチである請求項1から12の何れか一項に記載の収穫機。
【請求項14】
前記主変速装置は、静油圧式無段変速装置である請求項1から13の何れか一項に記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンからの駆動力を正逆無段に変速する主変速装置と、ミッションケースに内装されると共に、複数の組合せが可能なギア列が設けられ、主変速装置から出力された駆動力を作業状態に応じた複数段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置と、作業部への駆動力伝達を入り切りする作業クラッチと、前記主変速装置を変速操作する主変速操作具と、前記副変速装置を変速操作する副変速操作具と、前記作業クラッチの入り切り操作をするクラッチ操作具と、が備えられた収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、このような収穫機として、特許文献1に記載のようなものがあった。特許文献1に記載の収穫機では、副変速操作具(文献では、「副変速レバー」)を操作することで、副変速装置(文献では、「変速装置」)を、刈取作業に適した低速変速状態・中速変速状態、及び、路上走行に適した高速変速状態に切り換えられる。そして、この収穫機では、相互牽制機構が備えられ、この相互牽制機構は、作業クラッチ(文献では、「刈取クラッチ」)が入り操作されると、副変速装置が高速変速状態に切り換えられないように副変速操作具を牽制すると共に、副変速装置が高速変速状態に操作されると、作業クラッチが入り操作されないようにクラッチ操作具(文献では、「刈取クラッチレバー」)を牽制する。
【0003】
この収穫機であれば、高速路上走行時における刈取部の不測の作動や、低速刈取収穫作業時における機体の急激な高速発進を確実に回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭61−003310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、収穫機は、通常の刈取作業、倒伏穀稈の刈取作業、畔越え、路上走行等の種々の作業を行うものであり、これら夫々の作業に応じて種々の適正走行速度(ある程度の範囲を有する)が存在する。このため、特許文献1に記載の収穫機では、主変速装置とは別に、三段に切り換え可能な副変速装置が備えられ、適正走行速度を簡単に現出できるようにしている。
【0006】
しかしながら、ギア式の副変速装置において切り換え段数を多く設定するには、ギア列のギア組合せ数を増やす必要があり、その結果、ギア列の占めるスペースが広くなって、ミッションケースが大型化する。つまり、特許文献1に記載のような収穫機では、適正走行速度以外への変速を防止できるものの、適正走行速度を一種類増やそうとすると、ギア列のギア組合せを一組増やす必要があり、部品点数やスペースの観点から効率が悪い。
【0007】
このような実情に鑑み、本発明は、 部品点数やスペースの増加を最小限にしてコンパ
クトなミッションケースとしつつ、簡単に種々の適正走行速度が現出可能であり、かつ、適正走行速度以外への変速を防止できるコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、
エンジンからの駆動力を正逆無段に変速する主変速装置と、
ミッションケースに内装されると共に、複数の組合せが可能なギア列が設けられ、主変速装置から出力された駆動力を作業状態に応じた複数段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置と、
作業部への駆動力伝達を入り切りする作業クラッチと、
前記主変速装置を変速操作する主変速操作具と、
前記副変速装置を変速操作する副変速操作具と、
前記作業クラッチの入り切り操作をするクラッチ操作具と、
前記作業クラッチが入り操作されると、前記主変速操作具が前記主変速操作具の前進側操作経路における所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのを牽制する牽制機構と、が備え
前記主変速操作具として、前後揺動操作式の主変速レバーが備えられると共に、前記クラッチ操作具として、前後揺動操作式のクラッチレバーが備えられ、
前記主変速レバーを前記前進側操作経路の前端側に操作するほど、増速されるように構成され、
前記牽制機構に、前記前進側操作経路に対して出退可能な牽制部と、前記牽制部と前記クラッチレバーとを連係するリンク部と、が備えられ、
前記クラッチレバーがクラッチ入り位置へ操作されると、前記牽制部が、前記前進側操作経路の前端側から前記主変速レバーの前側に突出し、前記前進側操作経路のうち前記所定の指令位置に対応する位置に位置する点にある。
また、本発明の特徴は、
エンジンからの駆動力を正逆無段に変速する主変速装置と、
ミッションケースに内装されると共に、複数の組合せが可能なギア列が設けられ、前記主変速装置から出力された駆動力を作業状態に応じた複数段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置と、
作業部への駆動力伝達を入り切りする作業クラッチと、
前記主変速装置を変速操作する主変速操作具と、
前記副変速装置を変速操作する副変速操作具と、
前記作業クラッチの入り切り操作をするクラッチ操作具と、
前記作業クラッチが入り操作されると、前記主変速操作具が前記主変速操作具の前進側操作経路における所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのを牽制する牽制機構と、が備え、
前記主変速操作具として、前後揺動操作式の主変速レバーが備えられると共に、前記クラッチ操作具として、前後揺動操作式のクラッチレバーが備えられ、
前記牽制機構に、前記前進側操作経路に対して出退可能な牽制部と、前記牽制部と前記クラッチレバーとを連係するリンク部と、が備えられ、
前記クラッチレバーがクラッチ入り位置へ操作されると、前記牽制部が前記前進側操作経路のうち前記所定の指令位置に対応する位置に突出し、
前記クラッチレバーが前記クラッチ入り位置からクラッチ切り位置とは反対側に移動するのを規制する規制部が備えられ、
前記リンク部に、前記クラッチレバーの揺動軸芯周りに前記クラッチレバーと一体的に揺動するアーム部材と、一端が前記アーム部材に対して第一軸芯回りに回動可能に連係されると共に他端が前記牽制部に対して第二軸芯回りに回動可能に連係されたロッド部材と、が備えられ、
前記リンク部は、前記クラッチレバーがクラッチ切り位置から前記クラッチ入り位置に操作されると、前記揺動軸芯の方向に沿って見て、前記第一軸芯が前記揺動軸芯の後方側を通過し、かつ、前記第一軸芯と前記第二軸芯とを結ぶ直線が、前記揺動軸芯を跨いで移動するように構成されている点にある。
また、本発明の特徴は、
エンジンからの駆動力を正逆無段に変速する主変速装置と、
ミッションケースに内装されると共に、複数の組合せが可能なギア列が設けられ、前記主変速装置から出力された駆動力を作業状態に応じた複数段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置と、
作業部への駆動力伝達を入り切りする作業クラッチと、
前記主変速装置を変速操作する主変速操作具と、
前記副変速装置を変速操作する副変速操作具と、
前記作業クラッチの入り切り操作をするクラッチ操作具と、
前記作業クラッチが入り操作されると、前記主変速操作具が前記主変速操作具の前進側操作経路における所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのを牽制する牽制機構と、が備え、
前記主変速操作具として、前後揺動操作式の主変速レバーが備えられると共に、前記クラッチ操作具として、前後揺動操作式のクラッチレバーが備えられ、
前記牽制機構に、前記前進側操作経路に対して出退可能な牽制部と、前記牽制部と前記クラッチレバーとを連係するリンク部と、が備えられ、
前記クラッチレバーがクラッチ入り位置へ操作されると、前記牽制部が前記前進側操作経路のうち前記所定の指令位置に対応する位置に突出し、
前記牽制部に、前記前進側操作経路から外れた位置で前記前進側操作経路に沿って延びると共に、前後方向に沿ってスライド移動可能なガイド部材が備えられ、
前後方向に沿った異なる二位置に支持ブラケットが備えられ、
前記ガイド部材は、前記支持ブラケットに支持されている点にある。
【0009】
本発明によれば、作業クラッチが入り操作されているときと、切り操作されているときとで、主変速装置による前進速度領域が異なるものになる。つまり、作業クラッチの入り切りを条件として、二種類の速度領域が現出される。したがって、副変速装置の変速領域数の二倍の数の適正走行速度領域を現出可能なコンバインとなる。しかも、主変速操作具の操作を牽制するだけであって、ミッションケース内における部品点数やスペースを増加させる必要がなく、副変速装置のギア組合せ数を増やすのと比較してコンパクトなミッションケースとすることができる。また、スペースが増加しないので、その分を利用して、ギア厚を厚くして、副変速装置の耐久性を向上させることも可能になる。
【0010】
さらに、作業クラッチが入り操作されると、牽制機構によって、主変速操作具が前進側操作経路における所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのが牽制されるので、作業部が駆動している状態において、走行速度が一定の走行速度以上に変速されることがない。したがって、誤操作によって走行装置が適正走行速度以上になることが防止される。
また、本発明によると、主変速操作具が前後揺動式の主変速レバーであるので、牽制部が所定の指令位置に対応する位置に突出すると、主変速レバーが増速側に操作されて主変速レバーと牽制部とが当接すると、主変速レバーがそれ以上増速側へ操作されることが確実に防止できる。また、本発明によれば、クラッチ操作具が前後揺動操作式のクラッチレバーであって動きが単純であり、かつ、牽制部が前進操作経路に対して出退するものであって動きが単純であるので、クラッチレバーと牽制部とを連係するリンク部を簡単な構造にすることができる。
【0011】
本発明においては、
前記作業クラッチが入り操作されても、前記前進側操作経路のうち前記所定の指令位置と中立位置との間の経路、及び、後進側操作経路における前記主変速操作具の操作は自在であると好適である。
【0012】
本発明によれば、作業部が駆動している状態である一定の走行速度以上に変速されることはないが、後進走行を含む低速側への変速は可能である。したがって、現在の作業の途中で、現在の作業についての適正走行速度以下の適正走行速度の作業や後進走行が必要となった場合に、走行速度の円滑な変更が可能となる。
【0013】
本発明においては、
前記所定の指令位置は、前記前進側操作経路のうち中間位置よりも増速側の位置に設定されていると好適である。
【0014】
本発明によれば、牽制時における主変速操作具の操作可能領域は、前進側操作経路の半分以上に設定されている。つまり、牽制時と非牽制時とにおける上限速度の差が比較的小さいので、作業状態と非作業状態において適正走行速度の差が小さいような場合に有効である。
【0015】
本発明においては、
前記副変速装置は、高速変速状態と低速変速状態との二つの状態に切り換え可能であり、
前記牽制機構は、前記副変速装置が前記高速変速状態に操作されている状態においても前記低速変速状態に操作されている状態においても、前記作業クラッチが入り操作されると、前記主変速操作具が前記前進側操作経路における前記所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのを牽制すると好適である。
【0016】
本発明であれば、副変速装置が高速変速状態であり、かつ、大きな駆動力を必要とする作業部が駆動しているようなエンジン高負荷状態のときに、主変速装置が高速変速側に操作されて、エンジンに更に負荷かかってしまう事態を未然に防止できる。
【0017】
また、副変速装置が低速変速状態に操作されて低速で走行している状態から、作業部を駆動させると共に現状速度よりもかなり高速で走行する状態に移行しようとする場合は、作業クラッチを入り状態に操作した上で、副変速装置を高速変速状態に操作すると効率良く適正走行速度に増速できる。しかし、副変速装置を高速変速状態に操作し忘れることも考えられる。この場合において、本発明であれば、運転者が、増速をしようと、主変速操作具を操作しても所定の指令位置よりも増速側には操作できず、走行速度は適正走行速度よりも低いものとなる。この結果、運転者は、副変速装置が低速変速状態であることに気付くこととなる。
【0018】
このように、本発明であれば、適正走行速度以上への主変速操作具の誤操作を未然に防止できると共に、副変速装置の操作し忘れ等の誤操作を運転者に気付かせられる。
【0019】
本発明においては、
前記副変速装置は、高速変速状態と低速変速状態との二つの状態に切り換え可能であり、
前記牽制機構は、前記副変速装置が前記高速変速状態に操作されている状態において前記作業クラッチが入り操作されると、前記主変速操作具が前記前進側操作経路における前記所定の指令位置よりも増速側へ操作されるのを牽制すると好適である。
【0020】
本発明であれば、副変速装置が高速変速状態であり、かつ、大きな駆動力を必要とする作業部が駆動しているようなエンジン負荷の高い作業時に、主変速装置が高速変速側に操作されて、エンジン負荷が更に高まってしまうようなことを防止できる。
【0021】
このように、本発明であれば、適正走行速度以上への主変速操作具の誤操作が未然に防止される。
【0022】
【0023】
【0024】
本発明においては、
前記主変速レバーは、運転部のサイドパネルに備えられ、
前記クラッチレバーは、前記サイドパネルにおいて前記主変速レバーの後方に備えられ、
前記牽制部は、前後方向に沿ってスライド移動可能であり、かつ、前記クラッチレバーがクラッチ切り位置に操作されると前記前進側操作経路の前方側に引退すると好適である。
【0025】
本発明によれば、前後揺動式の主変速レバーとクラッチレバーとが、サイドパネルにおいて前後に並べられ、かつ、牽制部が、前進側操作経路の前方から前後方向にスライドして前進側操作経路に突出する。つまり、全ての部材の動きが前後方向に沿っているので、リンク部を前後方向に沿った形状かつ前後方向に沿った動きのものとすることができる。この結果、簡単な構造かつ左右方向にコンパクトな牽制機構となる。
【0026】
本発明においては、
前記クラッチレバーが前記クラッチ入り位置からクラッチ切り位置とは反対側に移動するのを規制する規制部が備えられ、
前記リンク部に、前記クラッチレバーの揺動軸芯周りに前記クラッチレバーと一体的に揺動するアーム部材と、一端が前記アーム部材に対して第一軸芯回りに回動可能に連係されると共に他端が前記牽制部に対して第二軸芯回りに回動可能に連係されたロッド部材と、が備えられ、
前記リンク部は、前記クラッチレバーがクラッチ切り位置から前記クラッチ入り位置に操作されると、前記揺動軸芯の方向に沿って見て、前記第一軸芯が前記揺動軸芯の後方側を通過し、かつ、前記第一軸芯と前記第二軸芯とを結ぶ直線が、前記揺動軸芯を跨いで移動するように構成されていると好適である。
【0027】
本発明によれば、クラッチレバーがクラッチ切り位置からクラッチ入り位置に操作されると、第一軸芯と第二軸芯とを結ぶ直線が、揺動軸芯を跨いで移動するように構成され、かつ、規制部が備えられているので、作業クラッチがクラッチ入り操作されるときのリンク部の動作と、作業クラッチが切り操作されるときのリンク部の動作とは、逆の動作でなければならない。即ち、作業クラッチが入り操作されるときに辿った経路を第一軸芯が逆に辿るようにリンク部が動作するしか、作業クラッチが切り操作されることはない。
【0028】
したがって、主変速レバーが牽制機構によって牽制されている際に、例えば、誤って運転者が強づくに主変速レバーを増速側へ動かそうとしても、その力によって不測にリンク機構が動いてしまってクラッチレバーが切り位置に移動させられるということがない。
【0029】
本発明においては、
前記牽制部に、前記前進側操作経路から外れた位置で前記前進側操作経路に沿って延びると共に、前後方向に沿ってスライド移動可能なガイド部材が備えられ、
前後方向に沿った異なる二位置に支持ブラケットが備えられ、
前記ガイド部材は前記支持ブラケットに支持されていると好適である。
【0030】
本発明によれば、ガイド部材は、その移動方向に並ぶ二箇所において支持ブラケットに支持、案内されるので、ガイド部材の移動が安定し、かつ、円滑になる。
【0031】
本発明においては、
前記支持ブラケットに、前後方向に沿った異なる二位置に位置する二つの貫通孔が備えられ、
前記ガイド部材は、前記貫通孔に貫通支持されていると好適である。
【0032】
本発明によれば、ガイド部材を案内支持する部材として一つの支持ブラケットを備えるだけで良い。また、一つの支持ブラケットに並ぶ貫通孔を二つ設ける構成であるので、二つのブラケットの夫々に一つの貫通孔が備えられている場合と異なって、貫通孔の位置合わせ作業が不要である。
【0033】
本発明においては、
前記牽制部に、前記ガイド部材の先端部に設けられると共に、前記前進側操作経路に突出可能な突出部材が備えられ、
前記支持ブラケットとは別の支持ブラケットが備えられ、
前記別の支持ブラケットに、前記突出部材が貫通されて前記突出部材の前後方向のスライド移動を許容する長孔が形成され、
前記別の支持ブラケットは、前記前進側操作経路を挟んで前記支持ブラケットとは反対側に設けられていると好適である。
【0034】
本発明によると、突出部材は、主変速レバーと当接する箇所を挟んで一方側が支持ブラケットに支持され、かつ、他方側が別の支持ブラケットに支持されている。つまり、突出部材は、当接部を挟んで両端側共に安定して支持されている。したがって、本発明であると、ガイド部材全体として安定支持されるのは当然ながら、主変速レバーを牽制するに際して、主変速レバーが当接しても牽制部に変形やこじれが生じ難く、主変速レバーの増速側への移動を確実に牽制できる。
【0035】
本発明においては、
前記作業部は刈取部であり、かつ、前記作業クラッチは刈取クラッチであると好適である。
【0036】
本発明であれば、刈取作業時には上限速度が低くなり、かつ、非刈取作業時には上限速度が高くなって、夫々に最適な速度領域を簡単な構成で現出可能である。
【0037】
本発明においては、
前記主変速装置は、静油圧式無段変速装置であると好適である。
【0038】
本発明のように、主変速装置として静油圧式無段変速装置を採用すると、コンパクトな変速装置となる上、中立状態では、ブレーキをかけたのと同じ効果が得られ、操作性が高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の具体的な実施形態であるコンバインの左側の側面図である。
図2】本発明の具体的な実施形態であるコンバインの上面図である。
図3】HST及びトランスミッションの内部構造を模式的に示す線図である。
図4】サイドパネル周辺の一部断面上面図である。
図5】サイドパネル内部を示す縦断左側面図であって、(a)は刈取クラッチレバーが切り位置のときの状態を示し、(b)は刈取クラッチレバーが入り位置のときの状態を示す。
図6】牽制機構の牽制の仕組みを示す斜視図である。
図7】牽制機構による速度領域の変化を示す図である。
図8】別実施形態における牽制機構による速度領域の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に、本発明の具体的な実施形態の一つである全稈投入型のコンバインを、図面に基づいて説明する。
【0041】
〔全体構成について〕
図1に示すごとく、コンバインには、自走式の走行機体1と、自走を可能にするクローラ式の走行装置2と、走行機体1の前部に上下揺動可能に支持された刈取部3と、脱穀装置4と、脱穀装置4の横隣に配置されたグレンタンク5と、グレンタンク5の後下部に接続されたアンローダ6と、が備えられている。
【0042】
刈取部3には、リール3Aと、刈取装置3Bと、オーガ3Cと、フィーダ3Dとが備えられている。植立穀稈はリール3Aよって掻き込まれ、刈取装置3Bで刈取られる。刈取穀稈は、オーガ3Cによってフィーダ3Dの前方に集められてフィーダ3Dに掻き込まれ、フィーダ3Dによって脱穀装置4に搬送される。刈取穀稈は、脱穀装置4によって脱穀選別され、脱穀された穀粒はグレンタンク5に搬送されて貯留される。貯留された穀粒は、アンローダ6によって外部に排出される。
【0043】
図2に示すごとく、運転部7が、走行機体1の前部のうち一側側(右側)に配置されている。脱穀装置4は、走行機体1の後部において運転部7とは反対側に配置され、グレンタンク5は、運転部7と同じ側に配置されて、脱穀装置4とグレンタンク5とは左右に並んでいる。脱穀装置4は、前後方向において、その前端部分が運転部7の後部と重複している。
【0044】
図1図2に示すごとく、運転部7の下部にエンジン8が備えられ、エンジン8の前方にトランスミッション9が備えられている。図3に示すごとく、トランスミッション9は、本発明の主変速装置としての静油圧式無段変速装置(以下、「HST9A」とする)と、副変速装置9Cや他の減速装置が内装されたミッションケース9Bと、が連結されて構成されている。エンジン8からの駆動力は、HST入力軸11からHST9Aに入力され、HST9Aによって正逆無段に変速される。HST9Aによって変速された駆動力は、HST出力軸12からミッションケース9Bに出力され、副変速装置9Cによって変速され、最終的に左右の駆動スプロケット2A(図1参照)に夫々伝達される。左右のスプロケットの駆動によって、左右の走行装置2が駆動される。
【0045】
なお、エンジン8からの駆動力は、HST入力軸11への伝達経路とは別のルートで、刈取部3及び脱穀装置4へと伝達される。
【0046】
〔副変速装置について〕
図3に示すごとく、副変速装置9Cは、二段切換式かつギア式の変速装置である。副変速装置9Cには、副変速入力軸13と、副変速出力軸16と、本発明の「ギア列」を構成する小径ギア14、大径ギア15、大径固定ギア17、小径固定ギア18と、シフター19と、が備えられている。
【0047】
副変速入力軸13及び副変速出力軸16は、左右方向に沿う状態かつ回転自在な状態でミッションケース9Bに支持されている。小径ギア14及び大径ギア15は、相対回転自在かつスライド移動不能な状態で副変速入力軸13に外挿されている。大径固定ギア17及び小径固定ギア18は、相対回転不能かつスライド移動不能な状態で副変速出力軸16に外嵌されている。また、小径ギア14と大径固定ギア17とは、常時咬合うように左右方向の位置決めがなされ、大径ギア15と小径固定ギア18とは、常時咬合うように左右方向の位置決めがなされている。
【0048】
シフター19は、小径ギア14と大径ギア15との間において、相対回転不能かつスライド移動可能な状態で副変速入力軸13に外嵌(例えば、スプライン嵌合)されている。シフター19は左右方向に移動して、小径ギア14の内径部分と咬み合う状態、または、大径ギア15の内径部分と咬み合う状態、または、小径ギア14及び大径ギア15の何れとも咬み合わない状態に切換自在である。
【0049】
以上の構成によって、副変速装置9Cは、シフター19の移動によって、HST9Aで変速されて副変速入力軸13に入力された駆動力を、シフター19を介して、小径ギア14及び大径固定ギア17の組合せに伝達する状態(本発明の「低速変速状態」)、または、大径ギア15及び小径固定ギア18の組合せに伝達する状態(本発明の「高速変速状態」)とに切り換えられ、上記駆動力を二段に切り換え可能である。なお、シフター19が小径ギア14及び大径ギア15の何れとも咬み合わない状態では、駆動力の伝達が絶たれた「中立状態」となる。
【0050】
このように、走行速度は、副変速装置9Cの変速操作によって高速変速状態または低速変速状態を選択して速度領域を大きく変更し(減速比の大きな変更)、HST9Aの変速操作によって各速度領域内において速度調整を行って現出されるものである。したがって、副変速装置9Cを高速変速状態に操作すれば、高速での刈取作業が可能であり、低速変速状態に操作すれば、低速での刈取作業が可能である。即ち、副変速装置9Cを変速操作することによって、走行速度を作業状態に応じた速度に効率的に変速することができる。
【0051】
〔運転部について〕
図1図2に示すごとく、運転部7には、運転座席23と、運転座席23の前方に位置するフロントパネル21と、運転座席23の左側方に位置し、フロントパネル21の左側端から後方に延びるサイドパネル22と、が備えられている。
【0052】
図1図2に示すごとく、フロントパネル21には、リール昇降レバー34、操向レバー31、メータパネル32、及び、水温計33が、機体右外側から機体内側に向けてこの順に備えられている。操向レバー31を左右に揺動操作すると走行機体1が左右に旋回し、前後に揺動操作すると刈取部3が上下揺動する。リール昇降レバー34を前後に揺動操作すると、リール3Aが上下揺動する。
【0053】
図4に示すごとく、水温計33は、水温を示す領域として温度標識部33aとが備えられており、温度標識部33aに対して針33cが指す位置によって水温が表される。また、水温が許容上限温度(例えば、115℃)になると、不図示のブザーから警報音が発せられるように構成されている。さらに、水温が許容上限温度になる前に予備警報を行うものとして、温度標識部33aの高温側端部に隣接して、警報標識部33bが設けられている。警報標識部33bの最端部位置は、許容上限温度に設定されており、針33cが警報標識部33bの領域を指し示すことにより、水温が許容上限温度に近づいていることが視覚的に報知される。
【0054】
〔各操作具について〕
図2図4に示すごとく、サイドパネル22には、レバーガイド24、レバーガイド25、レバーガイド26、及び、レバーガイド27が備えられている。レバーガイド24は、サイドパネル22の前部において、左右方向中央付近に位置する状態かつ略前後方向に沿う状態で形成されている。レバーガイド25は、サイドパネル22の前部において、レバーガイド25の右横隣に位置する状態かつ前後方向に沿う状態で形成されている。レバーガイド26は、サイドパネル22の前後方向中央部において、レバーガイド25の後方に位置する状態かつ前後方向に沿う状態で形成されている。レバーガイド27は、サイドパネル22の前後方向中央部において、レバーガイド24の後方に位置する状態かつレバーガイド26の左横隣に位置する状態かつ前後方向に沿う状態で形成されている。
【0055】
レバーガイド24には、本発明の「主変速操作具」としての主変速レバー41が前後揺動可能に挿通されている。主変速レバー41の操作によって、HST9Aにおける不図示のトラニオン軸が回動操作されて、不図示の斜板角が変更される。即ち、主変速レバー41の操作によって、HST9Aを変速操作することができる。図4に示すごとく、レバーガイド24には、前後方向に沿った前進側操作経路24aと、前進側操作経路24aの後方側において、前進側操作経路24aに対して左右方向左側に位置ずれした状態かつ前後方向に沿った状態の後進側操作経路24cと、前進側操作経路24aの後端と後進側操作経路24cの前端とを繋ぐように左右方向に沿った状態で設けられた中立経路24b(本発明の「中立位置」)と、が形成されている。前進側操作経路24aにおいて、主変速レバー41を前端側へ操作すればするほど、前進速度が上昇し、後進側操作経路24cにおいて、主変速レバー41を後端側へ操作すればするほど、後進速度が上昇する。主変速レバー41を中立経路24bに操作すると、速度は「0」となる。
【0056】
レバーガイド25には、本発明の「副変速操作具」としての副変速レバー42が前後揺動可能に挿通されている。副変速レバー42の操作によって、上述したシフター19が操作される。即ち、副変速装置9Cを低速変速状態、中立状態、高速変速状態に切換操作することができる。
【0057】
レバーガイド26には、本発明の「クラッチ操作具」及び「クラッチレバー」としての刈取クラッチレバー43が前後揺動可能に挿通されている。刈取クラッチレバー43の操作によって、本発明の「作業クラッチ」としての刈取クラッチ10A(図3参照)を入り状態と切り状態とに切換操作することができる。刈取クラッチ10Aが入り状態となると、エンジン8の駆動力が刈取部3に伝達される。刈取クラッチレバー43は、下端部に位置する揺動軸芯X回りに前後揺動可能である。そして、レバーガイド26の後端側に「クラッチ切り位置(図5(a)参照)」が設定され、かつ、レバーガイド26の前端側に「クラッチ入り位置(図5(b)参照)」が設定されている。
【0058】
なお、刈取クラッチレバー43は、クラッチ入り位置に操作されたとき、レバーガイド26の前端部26aに当接することによって、それ以上前方側へ移動すること、即ち、クラッチ入り位置からクラッチ切り位置とは反対側に移動することが規制される。つまり、前端部26aが、本発明の「規制部」に相当する。
【0059】
レバーガイド27には、脱穀クラッチレバー44が前後揺動可能に挿通されている。脱穀クラッチレバー44の操作によって、脱穀クラッチ10B(図3参照)を入り状態と切り状態とに切換操作することができる。脱穀クラッチ10Bが入り状態となると、エンジン8の駆動力が脱穀装置4に伝達される。
【0060】
なお、刈取部3への動力伝達経路は、エンジン8から脱穀装置4への動力伝達経路の下手側に直列的に設けられているので、脱穀クラッチ10Bが切り状態の際は、刈取クラッチ10Aを入り状態にしても、刈取部3は駆動しない。つまり、「脱穀クラッチ10Bが入り状態、かつ、刈取クラッチ10Aが入り状態」のときは、脱穀装置4及び刈取部3が駆動し、「脱穀クラッチ10Bが入り状態、かつ、刈取クラッチが切り状態」のときは、脱穀装置4のみが駆動し、「脱穀クラッチ10Bが切り状態」のときは、刈取クラッチの状態に拘らず、脱穀装置4及び刈取部3は駆動しない。
【0061】
〔牽制機構について〕
本発明においては、刈取クラッチレバー43の操作によって刈取クラッチ10Aが入り操作されると、主変速操作具が前進側操作経路24aにおける所定の指令位置(以下、「牽制位置」と称する)よりも増速側へ操作されるのを牽制する牽制機構45が備えられている。牽制位置は、前進側操作経路24aのうち、前後方向中間位置よりも増速側の位置に設定されている。
【0062】
図4乃至図6に示すごとく、牽制機構45には、牽制部51とリンク部52とが備えられている。牽制部51は前進側操作経路24aに対して出退可能である。リンク部52は、牽制部51と刈取クラッチレバー43とを連係しており、刈取クラッチレバー43がクラッチ入り位置へ操作されると、牽制部51は前進側操作経路24aのうち所定の指令位置に対応する位置に突出する。これにより、主変速レバー41をそれ以上前進側(前端側)へ移動させようとしても、牽制部51と当接して移動させることができない。
【0063】
以下に、牽制機構45の構造を詳述する。牽制部51には、ガイド部材51aと突出部材51bとが備えられている。ガイド部材51aは、前進側操作経路24a(レバーガイド24)から下方に外れた位置で前進側操作経路24aに沿って延びると共に、前後方向に沿ってスライド移動可能である。突出部材51bは、ガイド部材51aの先端部に設けられ、かつ、前進側操作経路24aに突出可能である。ガイド部材51aと突出部材51bとは、一本の棒状部材(例えば、丸棒)の先端部を屈曲させて形成されている。
【0064】
サイドパネル22の底面に、本発明の「支持ブラケット」に相当するブラケット46と、本発明の「別の支持ブラケット」に相当するブラケット47が取り付けられている。ブラケット46は、図4に示すごとく、平面視において、レバーガイド24とレバーガイド25との間に設けられている。図5図6に示すごとく、ブラケット46は、一枚のプレートを側面視U字状に折り曲げて、さらに両上端部を前方側と後方側とに鍔状に折り曲げて形成されている。ブラケット46は、前後端の鍔部を介してサイドパネル22の底面に固定されている。ブラケット46の前面部と後面部とは、前後方向に沿った異なる位置に位置しており、夫々に貫通孔46aが穿孔されている。二つの貫通孔46aは、前後方向視で重複する状態で形成されている。ガイド部材51aは、二つの貫通孔46aに貫通され、前後方向へのスライド移動自在(摺動自在)な状態でブラケット46に支持されている。
【0065】
ブラケット47は、図4に示すごとく、平面視において、前進側操作経路24aの左側、即ち、前進側操作経路24aを挟んでブラケット46とは反対側に設けられている。図5図6に示すごとく、ブラケット47は、一枚のプレートを正面視L字状に折り曲げて形成されている。ブラケット47は、L字一側部を介してサイドパネル22の底面に固定されている。ブラケット47のL字他側部には、前後方向に沿った長孔47aが形成されている。突出部材51bの先端部が、長孔47aに貫通され、突出部材51bは、一端がガイド部材51aに支持され、かつ、他端(先端部)が前後方向へのスライド移動自在(摺動自在)な状態でブラケット47に支持されている。
【0066】
図5に示すごとく、ブラケット47は、長孔47aの前端が、前進側操作経路24aの前端よりも少なくとも突出部材51bの径長以上前方に位置し、かつ、長孔47aの後端が、牽制位置よりも突出部材51bの径長分後方に位置するように構成かつ位置決めされている。
【0067】
リンク部52には、図4乃至図6に示すごとく、アーム部材52aとロッド部材52bとが備えられている。アーム部は、刈取クラッチレバー43の下端部に連結固定され、刈取クラッチレバー43と共に揺動軸芯X回りに揺動可能である。ロッド部は、前後に延び、後端部がアーム部材52aに対して第一軸芯Y1回りに回動可能に連係されると共に前端部がガイド部材51aの後端部に対して第二軸芯Y2回りに回動可能に連係されている。ロッド部材52bは、やや前端部寄りの中間部分において、下方に向けて屈曲された棒状部材(例えば、丸棒)である。
【0068】
アーム部は、刈取クラッチレバー43がクラッチ切り位置(図5(a)参照)のときは、側面視において、揺動軸芯Xから下方かつやや前方向きに延びる状態であり、刈取クラッチレバー43がクラッチ入り位置(図5(b)参照)のときは、側面視において、揺動軸芯Xから後方かつやや上方向きに延びる状態である。一方、ロッド部材52bは、前後方向に沿ってスライド移動するガイド部材51aに前端部が連結されているので、刈取クラッチレバー43がクラッチ切り位置(図5(a)参照)からクラッチ入り位置(図5(b)参照)に操作されると、前端部の上下位置を維持しながら後方へ移動し、かつ、後端部側が第二軸芯Y2回りに上方に揺動する。
【0069】
即ち、リンク部52は、刈取クラッチレバー43がクラッチ切り位置(図5(a)参照)からクラッチ入り位置(図5(b)参照)に操作されると、側面視において(揺動軸芯Xの方向に沿って見て)、第一軸芯Y1が揺動軸芯Xの後方側を通過し、かつ、第一軸芯Y1と第二軸芯Y2とを結ぶ直線Lが、揺動軸芯Xを跨いで移動するように構成されている。したがって、刈取クラッチレバー43がクラッチ入り位置(図5(b)参照)に操作されているときに、ロッド部材52bに対して前方方向へ引っ張る力が作用した場合、アーム部は、ロッド部材52bによって前方側へ引っ張られ、左側面視で反時計回りに回転しようとする。しかし、上述したように、アーム部材52aが連結固定されている刈取クラッチレバー43が、レバーガイド26の前端部26aに当接していて、反時計回りには回転できない。それ以上前方側へ移動することができない。
【0070】
以上の構成により、突出部材51bは、刈取クラッチレバー43がクラッチ切り位置に操作されていると前進側操作経路24aの前方側に引退した状態であり、刈取クラッチレバー43がクラッチ入り位置に操作されると、アーム部材52aの揺動によってロッド部材52bを介してガイド部材51aが後方へ引っ張られてスライド移動し、突出部材51bが前進側操作経路24aの牽制位置に突出する。したがって、図6に示すごとく、突出部材51bが牽制位置に突出した状態(刈取クラッチ10Aが入り状態)では、主変速レバー41は、中立経路24bの側から前進側に移動させようとしても、牽制位置において突出部材51bと当接し、それ以上前進側へ操作することができない。ただし、刈取クラッチ10Aが入り操作されても、前進側操作経路24aのうち牽制位置と中立経路24bとの間の経路、及び、後進側操作経路24cにおける主変速レバー41の操作は自在である。
【0071】
なお、牽制機構45による牽制時において、主変速レバー41を牽制位置から無理に前進側へ操作しようとしても、刈取クラッチレバー43がレバーガイド26の前端部26aに当接しているため、不測に主変速レバー41が牽制位置よりもさらに前進側へ操作されることはない。
【0072】
〔牽制機構と走行速度との関係について〕
図7に基づいて、牽制機構45と走行速度との関係を説明する。上述したように、牽制機構45は、副変速装置9Cの変速状態に拘らず(高速変速状態であろうが低速変速状態であろうが)、刈取クラッチ10Aが入り状態に操作されるのに追従して、主変速レバー41の前進側の操作領域を狭めるものである。これにより、主変速装置による最大出力値が低くなって、結果的に、主変速装置及び副変速装置9Cによって現出できる最大速度が低くなる。
【0073】
具体的には、副変速装置9Cが「高速変速状態」である場合において、前進側の走行速度領域は、刈取クラッチ10Aが「切り状態」(牽制機構45が「非牽制状態」)であると、「パターンA」として示すように、「0」〜「V1(最大速度)」となり、刈取クラッチ10Aが「入り状態」(牽制機構45が「牽制状態」)であると、「パターンC」として示すように、「0」〜「V3(最大速度)=k×V1」となる。ここで、「k」は「0<k<1」と充たす係数である。
【0074】
副変速装置9Cが「低速変速状態」であっても同様であり、前進側の走行速度領域は、刈取クラッチ10Aが「切り状態」(牽制機構45が「非牽制状態」)であると、「パターンB」として示すように、「0」〜「V2(最大速度)」となり、刈取クラッチ10Aが「入り状態」(牽制機構45が「牽制状態」)であると、「パターンD」として示すように、「0」〜「V4(最大速度)=k×V2」となる。
【0075】
このように、牽制機構45を備えることによって、刈取クラッチ10Aの入り切りを条件として、二種類の速度領域が現出され、副変速装置9Cの変速領域数の二倍の四つの走行速度領域を現出可能となる。したがって、ギア式の副変速装置9Cにおいてギア列数四つにするのと比較して、ミッションケース9Bの左右幅を小さく設計したり、ギア厚を大きくして副変速装置9Cの耐久性を向上させたりすることができる。また、刈取部3が駆動している状態において、走行速度が一定の走行速度(V3、V4)以上に変速されることがないので、誤操作によって走行装置2が適正走行速度以上にならず、エンジン8に高負荷が掛かるのを未然に防止できる。
【0076】
牽制機構45の別の使い方もある。例えば、副変速装置9Cが低速変速状態に操作されて低速で走行している状態から、刈取部3を駆動させると共に現状速度よりもかなり高速で走行する状態に移行しようとする場合は、刈取クラッチ10Aを入り状態に操作した上で、副変速装置9Cを高速変速状態に操作すると効率良く適正走行速度に増速できる。ところが、副変速装置9Cを高速変速状態に操作し忘れることも考えられる。しかし、牽制機構45が備えられているので、増速しようと主変速レバー41を前進側へ操作しても牽制位置よりも増速側には操作できず、運転者に、副変速装置9Cが低速変速状態であることを気付かせ、副変速装置9Cを高速変速状態に操作することを促すことができる。
【0077】
〔別実施形態〕
上述の実施形態においては、副変速装置9Cの変速状態に拘らず(高速変速状態であろうが低速変速状態であろうが)、刈取クラッチ10Aが入り状態となると、牽制機構45が牽制状態となる例をしめしたが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、牽制機構45が牽制状態となる前提条件として、「副変速装置9Cが高速変速状態であること」がさらに加わっていても良い。
【0078】
この場合、特に図示はしないが、例えば、機械的リンクまたは電気的制御によって、副変速装置9Cが低速変速状態となると、ガイド部材51aとロッド部材52bとの連結が切断され、副変速装置9Cが低速変速状態となると、ガイド部材51aとロッド部材52bとの連結が繋がれるような構造とすれば良い。
【0079】
この別実施形態における牽制機構45と走行速度との関係について、図8に基づいて説明する。副変速装置9Cが「高速変速状態」である場合において、前進側の走行速度領域は、刈取クラッチ10Aが「切り状態」(牽制機構45が「非牽制状態」)であると、「パターンA」として示すように、「0」〜「V1(最大速度)」であり、刈取クラッチ10Aが「入り状態」(牽制機構45が「牽制状態」)であると、「パターンC」として示すように、「0」〜「V3(最大速度)=k×V1」となる。ここで、「k」は「0<k<1」と充たす係数である。
【0080】
しかし、副変速装置9Cが「低速変速状態」であると、牽制機構45は作動しないので、前進側の走行速度領域は、刈取クラッチ10Aが「切り状態」(牽制機構45が「非牽制状態」)であっても、「入り状態」(牽制機構45が「牽制状態」)であっても、「パターンB」として示すように、「0」〜「V2(最大速度)」となる。
【0081】
この場合は、特に、副変速装置9Cが高速変速状態であり、かつ、大きな駆動力を必要とする作業部が駆動しているようなエンジン8高負荷状態のときに、主変速装置が高速側に操作されて、エンジン8に更に負荷かかってしまう事態を未然に防止できる。
【0082】
〔その他の別実施形態〕
(1)上述の実施形態においては、牽制機構45が、牽制部51とリンク部52とから構成された例を示したが、これに限られるものではない。主変速レバー41と刈取クラッチレバー43との距離によっては、例えば、牽制部51とリンク部52との間にさらに別のリンク機構を備えても良い。
【0083】
(2)上述の実施形態においては、刈取クラッチレバー43と牽制部51とが機械的リンクによって連係された例を示したが、例えば、刈取クラッチレバー43の入り位置への操作を電気的に検知し、電気的制御によって突出部材51bが前進側操作経路24aに突出するような構成であっても良い。
【0084】
(3)上述の実施形態においては、作業クラッチ及び作業クラッチレバーとして、刈取クラッチ10A及び刈取クラッレバーが備えられた例を示したが、これに限られるものではない。例えば、作業クラッチ及び作業クラッチレバーとして、脱穀クラッチ10B及び脱穀クラッチレバー44を選定しても良いし、その他のクラッチ及びクラッチレバーがある場合は、それらを選定しても良い。
【0085】
(4)上述の実施形態では、エンジン8からの駆動力が、HST入力軸11に入力される前に、走行装置2への動力伝達経路と、刈取部3及び脱穀装置4への動力伝達経路とに分岐して伝達される例を示したが、これに限られるものではない。例えば、走行装置2への動力伝達経路と、刈取部3及び脱穀装置4への動力伝達経路とが、ミッションケース9B内部(例えば、HST出力軸12)で二手に分岐されていても良い。さらに、刈取部3への動力伝達経路と、脱穀装置4への動力伝達経路とが、直列的に設けられておらず、夫々別のルートに構成されていても良い。
【0086】
(5)上述の実施形態においては、副変速装置9Cが、高速変速状態と低速変速状態との二つの状態に切り換え可能な例を示したが、さらに別の変速状態を設けて三つ以上の状態に切り換え可能に構成してあっても良い。
【0087】
(6)上述の実施形態(図7図8参照)における速度「V1」乃至「V4」の大小関係は、図7図8に示すものに限られるものではなく、これらはあくまでも説明用に示したものであり、「V2」の方が「V3」よりも大きい値であったり、「V4」の方が「V3」よりも大きい値であったりしても良い。また、係数「k」が「高速変速状態」と「低速変速状態」とにおいて共通の値であるとは限らない。
【0088】
(7)上述の実施形態において、「支持ブラケット」として、二つの貫通孔46aを二つ有するブラケット46を一つ備えた例を示したが、一つの貫通孔を有するブラケットを二つ前後に並設してあっても良い。
【0089】
(8)上述の実施形態においては、主変速装置として、HST9A(静油圧式無段変速装置)を備えた例を示したが、本発明は、これに限られるものではない。主変速装置は、例えば、HMT(油圧機械式無段変速機)や、その他のCVTであっても良い。
【0090】
(9)上述の実施形態において、副変速操作具、クラッチ操作具として、レバー式のものを備えたが、押しボタン式のスイッチ等であっても良い。また、同様に、主変速操作具は、揺動式のレバーでなくとも、スライド式のレバーやスイッチであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、全稈投入型のコンバインだけでなく、自脱型のコンバインにも適用可能であり、また、操向レバー式の収穫機やクローラ式の走行装置によって走行する収穫機だけでなく、ステアリングホイール式の収穫機やホイール式の走行装置によって走行する収穫機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0092】
2 走行装置
3 刈取部(作業部)
7 運転部
8 エンジン
9A HST(主変速装置)
9B ミッションケース
9C 副変速装置
10A 刈取クラッチ(作業クラッチ)
14 小径ギア(ギア列)
15 大径ギア(ギア列)
17 大径固定ギア(ギア列)
18 小径固定ギア(ギア列)
22 サイドパネル
24a 前進側操作経路
24b 中立経路(中立位置)
24c 後進側操作経路
26a 前端部(規制部)
41 主変速レバー(主変速操作具)
42 副変速レバー(副変速操作具)
43 刈取クラッチレバー(クラッチ操作具・クラッチレバー)
45 牽制機構
46 ブラケット(支持ブラケット)
46a 貫通孔
47 ブラケット(別の支持ブラケット)
47a 長孔
51 牽制部
51a ガイド部材
51b 突出部材
52 リンク部
52a アーム部材
52b ロッド部材
X 揺動軸芯
Y1 第一軸芯
Y2 第二軸芯
L 直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8