(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095514
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】個別の梱包容器を作成する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
B31B 50/14 20170101AFI20170306BHJP
B31B 50/25 20170101ALI20170306BHJP
【FI】
B31B1/14 301
B31B1/25 301
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-150372(P2013-150372)
(22)【出願日】2013年7月19日
(65)【公開番号】特開2014-31006(P2014-31006A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2016年7月14日
(31)【優先権主張番号】13/563,079
(32)【優先日】2012年7月31日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・アラン・クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ジェス・ロバート・ゼントナー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ジェイ・ノーワーク
(72)【発明者】
【氏名】ライナー・エシュバッハ
【審査官】
西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−248575(JP,A)
【文献】
特開昭53−095776(JP,A)
【文献】
特表2003−508252(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/006050(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 50/00−50/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置によって、バーコードの画像を取り込み、
画像取り込みモジュールによって、前記バーコードを復号して、データを検索し、前記データには、梱包容器が展開された2次元平面における寸法を含むサイズ寸法、基準点、ならびに、梱包容器の立体形状及び梱包容器を構成する複数の小平面のうち任意の小平面の形状を含む構造パラメータが含まれ、
プロセッサによって、
前記梱包容器のサイズ寸法および前記構造パラメータを用いて、梱包容器の平面の第1の小平面の寸法を規定し、
前記梱包容器のサイズ寸法、前記第1の小平面の寸法および前記基準点を用いて、前記梱包容器の平面に関して、前記バーコードのデータによってはその形状が特定されていない複数の追加の小平面の寸法を決定し、
前記第1の小平面の寸法および前記追加の小平面の寸法に基づき、一連の切り抜き命令を規定し、
自動の梱包容器作成装置によって、前記切り抜き命令を基材に適用し、切り抜き装置を用いて、前記梱包容器の平面を作成して、梱包容器を作成する、
方法。
【請求項2】
前記取り込みには、前記基材上に印刷された、前記バーコードの画像を取り込むことが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の追加の小平面の寸法の決定には、前記梱包容器の寸法および前記梱包容器の構造パラメータに基づいて、データベースからテンプレートを検索することも含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記梱包容器の構造パラメータには、前記梱包容器の小平面の形状が含まれ、前記テンプレートには、規則セットが含まれ、前記複数の追加の小平面の寸法の決定には、
前記形状および前記梱包容器の寸法を、前記規則セットに適用して、前記梱包容器の平面に関する複数の追加の小平面、および各小平面に関する少なくとも1つのその他の小平面に関する寸法セットおよび位置を特定することがさらに含まれる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の小平面の寸法の規定および前記追加の小平面の寸法の決定には、小平面ごとに、複数の縁を作成するための一連の命令を規定することがさらに含まれ、少なくとも1つの前記縁には、切り抜き線が含まれ、少なくとも第2の前記縁には、折り線が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の小平面の寸法の規定には、
前記バーコード内の指標に基づいてアルゴリズムを選択し、
前記構造パラメータを前記アルゴリズムに適用することが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記梱包容器の構造パラメータには、少なくとも1つの梱包容器の小平面に関する情報が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記梱包容器の構造パラメータには、たった1つの梱包容器の小平面に関する情報が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
自動梱包容器作成システムであって、
バーコードを復号して、梱包容器が展開された2次元平面における寸法を含むサイズ寸法、基準点、ならびに、梱包容器の立体形状及び梱包容器を構成する複数の小平面のうち任意の小平面の形状を含む構造パラメータに対応するデータを作成するよう設定された画像取り込みモジュールと、
プロセッサと、
切り抜き装置と、
プログラミング命令を保持するコンピュータ可読メモリであって、前記プログラミング命令が実行されると、
前記梱包容器の寸法および前記構造パラメータを用いて、前記梱包容器の第1の小平面の寸法を規定し、
前記梱包容器のサイズ寸法、前記第1の小平面の寸法および前記基準点を用いて、前記バーコードのデータによってはその形状が特定されていない前記梱包容器の複数の追加の小平面の寸法を決定し、
前記第1の小平面の寸法および前記追加の小平面の寸法に基づいて、一連の切り抜き命令を規定し、
前記切り抜き装置に、前記切り抜き命令を基材に適用して、前記梱包容器の2次元平面を作成するよう前記プロセッサに命令する、コンピュータ可読メモリと、を含むシステム。
【請求項10】
前記基材から前記バーコードの画像を取り込み、復号するために前記画像を前記画像取り込みモジュールに供給するよう設定された撮像装置をさらに含む請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
複数の梱包容器のテンプレートを格納するデータベースをさらに含み、
前記プログラミング命令は、実行されると、前記梱包容器の寸法および前記梱包容器の構造パラメータに基づいて、前記プロセッサに前記複数の追加の小平面の寸法を決定させ、前記命令には、前記データベースからテンプレートを選択する命令も含まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記梱包容器の構造パラメータは小平面の形状を含み、
前記選択されたテンプレートは規則セットを含み、
実行されると、前記プロセッサに前記複数の追加の小平面の寸法を決定させる前記プログラミング命令には、
前記形状および前記梱包容器の寸法を前記規則セットに適用して、前記梱包容器の平面に関する複数の追加の小平面を特定し、
小平面ごとに、前記他の小平面のうちの少なくとも1つに関する寸法のセットおよび位置を特定するための命令も含まれる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
実行されると、前記プロセッサに前記第1の小平面の寸法を規定させ、前記追加の小平面の寸法を決定させる前記プログラム命令には、小平面ごとに、一連の命令を規定して、複数の縁を作成するための命令も含まれ、少なくとも1つの前記縁には、切り抜き線が含まれ、少なくとも第2の前記縁には、折り線が含まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
実行されると、前記プロセッサに前記第1の小平面の寸法を規定させる前記プログラム命令には、
前記バーコード内の指標に基づいてアルゴリズムを選択し、
前記構造パラメータを前記アルゴリズムに適用するための命令も含まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記梱包容器の構造パラメータには、たった1つの梱包容器の小平面に関する情報が含まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記梱包容器の構造パラメータには、少なくとも1つの梱包容器の小平面に関する情報が含まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
実行されると、電子装置のプロセッサに、
バーコードの画像を取り込ませ、
前記バーコードを復号して、梱包容器が展開された2次元平面における寸法を含むサイズ寸法、基準点、ならびに、梱包容器の立体形状及び梱包容器を構成する複数の小平面のうち任意の小平面の形状を含む構造パラメータを検索させ、
前記梱包容器の寸法データおよび前記梱包容器の構造パラメータを用いて、梱包容器の第1の小平面の寸法を規定させ、
前記梱包容器のサイズ寸法、前記第1の小平面の寸法および前記基準点を用いて、前記バーコードのデータによってはその形状が特定されていない前記梱包容器の複数の追加の小平面の寸法を決定させ、
前記第1の小平面の寸法および前記追加の小平面の寸法に基づいて、一連の切り抜き命令を規定させ、
自動の梱包容器作成装置に、前記切り抜き命令を梱包容器の平面に適用するよう命令させるプログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記梱包容器の構造パラメータには、梱包容器の小平面の形状が含まれ、実行されると、前記プロセッサに前記複数の追加の小平面の寸法を決定させる前記命令には、
前記梱包容器の寸法データおよび前記梱包容器の構造パラメータに基づいて、データベースからテンプレートを検索するための命令と、
前記形状および前記梱包容器の寸法を、前記テンプレートに適用して、前記梱包容器の平面に関する複数の追加の小平面、および各小平面に関する少なくとも1つのその他の小平面に関する寸法セットおよび位置を特定するための命令と、が含まれる、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
実行されると、前記プロセッサに前記複数の追加の小平面の寸法を決定させる前記命令には、
複数の縁を作成するための命令もさらに含まれ、前記縁の第1のサブセットには、切り抜き線が含まれ、前記縁の第2のサブセットには、折り線が含まれる、請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
実行されると、前記プロセッサに前記第1の小平面の寸法を規定させる前記命令には、
前記バーコード内の指標に基づいてアルゴリズムを選択し、
前記構造パラメータを前記アルゴリズムに適用するための命令もさらに含まれる、請求項19に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個別の梱包容器を作成する方法およびシステムに関する。処理装置により一連の切り抜き命令を規定する。自動梱包容器作成装置により切り抜き命令が適用し、切り抜き装置を用いて梱包容器を梱包容器の平面の形態で作成する。
【背景技術】
【0002】
一般に、商品の製造業者や販売業者は、販売または発送する商品のための梱包容器を選択する際、特定の利用可能な梱包容器のサイズおよび形状の一覧表から梱包容器を選択しなければならない。しかし、これにより、その完全に商品には適していない梱包容器を選択しなければならなくなる可能性もある。例えば、商品が必要とするサイズより大きな梱包容器を用いると、配送中の商品が損傷を受けることを避けるために、追加の梱包材料が必要となる可能性がある。それに加え、大きな梱包容器を用いることで出荷や配送の費用がさらにかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、小さい容積の用途に対する個別の梱包材料の製造に大きな関心が寄せられてきた。例えば、美術品などの固有の商品では、固有の梱包容器を用いることの恩恵を得ることができる。しかし、固有の梱包容器の作成には、追加の費用およびかなりの設定時間が必要となる可能性がある。現在の自動のパッケージングソリューションは、中から大の容積用に設計されており、商品の流通中に個々の梱包容器の物理的特性を変更することは容易ではない。本明細書では、上記の問題に対するソリューションを提案し、追加的な恩恵を与えることができるシステムおよび方法を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、梱包容器を作成する方法で、バーコードの画像を取り込む撮像装置を用いる。画像取り込みモジュールによりバーコードを復号して、梱包容器の寸法データおよび1つ以上の梱包容器の構造パラメータなどのデータを検索する。検索された梱包容器の寸法および構造パラメータに基づいて、処理装置により一連の切り抜き命令を規定する。自動梱包容器作成装置により切り抜き命令が適用し、切り抜き装置を用いて梱包容器を梱包容器の平面の形態で作成する。
【0005】
いくつかの実施形態では、画像が取り込まれる際、撮像装置はバーコードも同時に取り込む。このバーコードは基材上に印刷され、切り抜き装置がこの基材を用いて、梱包容器を作成する。
【0006】
いくつかの実施形態では、一連の切り抜き命令を規定する際、プロセッサにより、梱包容器の寸法データ、および梱包容器の構造パラメータに基づくテンプレートをデータベースから検索することができる。梱包容器の構造パラメータには梱包容器の小平面の形状が含まれ得る。このテンプレートには規則セットが含まれ得る。一連の切り抜き命令を規定する際、プロセッサが形状および梱包容器の寸法を規則セットに適用して、梱包容器の平面に関する付加的な小平面を特定することができる。プロセッサにより、寸法セット、およびその他の小平面のうちの少なくとも1つに対する位置を小平面ごとに適用することができる。それに加えて、プロセッサにより一連の命令を規定して、小平面ごとに縁を作成することができる。これらの縁のうちの少なくとも1つは切り抜き線を含み、その他の1つ以上の縁は折り線を含む。
【0007】
随意的に、プロセッサは、バーコード内の指標に基づいて、アルゴリズムを選択し構造パラメータをこのアルゴリズムに適用するしてもよい。この構造パラメータには、少なくとも1つの梱包容器の小平面に関する情報が含まれ得る。いくつかの実施形態では、構造パラメータには、たった1つの梱包容器の小平面に関する情報が含まれてよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、印刷された梱包容器の平面の一例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、バーコードおよびそのバーコード内に符号化可能なデータの一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、梱包容器を作成するための一連の命令を生成するプロセスを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、3次元の梱包容器の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、
図4に示される3次元の梱包容器に対応する2次元の梱包容器の平面を示す説明図である。
【
図6】
図6は、本明細書に記載するプロセスの種々の実施形態を実施するために使用可能なコンピュータシステムの構成要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書は変更される可能性があるため、記載された特定なシステム、装置、および方法には限定されない。本明細書で使用される専門用語は、特定なバージョンまたは実施形態を説明する目的のみで用いられ、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0010】
本明細書で使用される単数形「ある(a)」、「ある(an)」、および「その(the)」には、文脈により明らかに示されている場合を除き、複数への言及も含まれる。特に規定されない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、当業者が一般的に理解していることと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語「含む」とは、「含むが、それらには限定されない」ことを意味する。
【0011】
本明細書の説明のための「バーコード」とは、例えば、万国製品コード(UPC)、データ行列コード、クイックレスポンス(QR)コードまたはその他の1次元コードまたは2次元コード、グリフ、Aztecコード、Maxiコードなどの全ての符号化データの全てのマシン可読表現形式のことを指す。
【0012】
「撮像装置」とは、対象を光学的に捉えることができその対象の解釈を電気信号に変換することができる全ての装置のことを指す。撮像装置の例として、カメラレンズが挙げられる。を行うことができる画像取り込みモジュール」とは、バーコードおよびその他のシンボルの画像を取り込むために用いられる、ソフトウェア・アプリケーション、および/または電子装置の画像検知用ハードウェアのことを指す。
【0013】
基材上で印刷および切り抜きの作業を行うことができる印刷装置により、梱包容器の作成を実行可能である。この装置は、折り目付け、被膜、および/または積み重ねなど、その他の作業も行うことができる。自動の梱包容器作成装置の例には、ゼロックスコーポレーションで市販されているデジタルプロダクション印刷機のiGen(商標)シリーズの梱包容器作成装置が含まれる。使用される基材は、一般に、普通の紙よりも厚い。例えば、ボール紙、カード用紙、または折り曲げられて梱包容器になると自立可能な3次元構造を提供するその他の材料でよい。
【0014】
図1には、自動の梱包容器作成装置で作成することができる印刷済みの梱包容器の平面10の一例が示される。この装置は、梱包容器の寸法および構造特性などの梱包容器のデータファイル内に保存されたデータに基づいて、平面を作成することができる。この装置は、この寸法および特性を用いて平面を作成することができる。この平面には、面11、12、13、18と、蓋14、15と、および/または、糊代16、17などの1つ以上の小平面が含まれる。より大きな基材から、この装置が平面10を作成する際、1本以上の切り抜き線(
図1に実線で示される線20などを参照)に沿って基材を切り抜き、基材1本以上の折り線(
図1には点線で示される線21などを参照)に沿って刻み目、または、くぼみを付けられる。これらの小平面、折り線、および切り抜き線などのアイテムは全て、梱包容器の構造特性と見なされる。任意のまたは全ての構造特性、あるいは特性の組み合わせは、梱包容器のデータファイル内に含まれる幅や高さなどの関連寸法を有し得る。
【0015】
基材には、文字、数字、絵、バーコード、またはその他の基材に印刷される資料などの印刷済みのコンテンツ25も含まれ得る。基材が梱包容器作成装置に入る前に、いくつか、または全ての印刷済みコンテンツ25を基材上に印刷することができる。例えば、バーコードを基材上に印刷することができる。その場合、本明細書に記載する実施形態では、バーコードを用いて、梱包容器を作成するためのデータ、および/または、命令を取得することができる。
【0016】
印刷物作成ジョブを特定するために、バーコードおよびその他のデータが使用されてきた。例えば、米国特許出願公開番号第2010/0214622号明細書(Ruegg et al.)および米国特許出願公開番号第2008/0273945号明細書(Levine et al.)には、カバー上の印刷済み資料に基づいて、本を作成する方法およびシステムが記載されており、この開示を引用することにより本明細書に組み込むものとする。カバーを走査して印刷済み資料を見つけて、その本を識別することができ、次いで、その本の識別情報に基づいて、収納場所から木版本を検索することができる。次いで、その木版本のラスタ画像処理に基づいて本を印刷する。
【0017】
自動の梱包容器作成では、木版本のラスタ画像処理よりもはるかに多いデータが必要となる。梱包容器を作成するために、梱包容器上に印刷されるコンテンツだけでなく、梱包容器の小平面ごとの構造パラメータおよび寸法を作成装置は必要とする。しかし、これらの特性の全てをバーコード内に収めることは実用的ではない、というのも、作成されるバーコードが、符号化された形態の全データを含むため、とてつもなく大きくなる必要があるためである。さらに、可能性のある梱包容器構造設計およびサイズを全てデータベースで管理することも実用的ではない、というのも、そうすることで、ユーザが固有の1つのユニットのランレングスに至るまでの、本当に個別の梱包材料を作成することができなくなるためである。
【0018】
したがって、本明細書に記載の実施形態には基材の上にバーコードを印刷する、梱包容器の作成プロセスが含まれ、例えば、その基材から梱包容器が切り抜かれる。
図2には、梱包容器を作成するために使用可能な符号化されたデータを含むバーコード201の一例が示される。梱包容器の全体サイズ211、梱包容器に関する基準点213、および少なくとも1つの梱包容器の小平面に関する情報215を供給する1つ以上の構造パラメータを示す符号化データがバーコードには含まる。この構造パラメータ215には、小平面の種類(例には、面、蓋、または糊代が挙げられる)および1つ以上の小平面の寸法(例には、全長および幅が挙げられる)などの特性が含まれ得る。
【0019】
しかし、バーコードには、梱包容器の小平面に関する詳細の全てが含まれる必要はない。その代わり、バーコードには、1つだけの梱包容器の小平面など、梱包容器の一部の小平面の詳細が含まれるだけでよい。次いで、プロセッサがその情報を用いて、残りの梱包容器の小平面を特定し、梱包容器全体を作成するための命令を決定することができる。これらのプロセスの種々の機能が、
図3のフローチャートに示される。最初にステップ301で、画像処理装置はバーコードを走査することができ、ステップ303で、バーコード内に含まれるデータを復号することができる。上記の通り、梱包容器を形成するための基材の上にバーコードを印刷することができる。あるいは、異なる基材の上にバーコードを印刷することができ、または、電子ディスプレイ上に表示することができ、これにより、そのバーコードを撮像装置が受信することができ、受信されたバーコードを画像取り込みモジュールが復号することができるようになる。撮像装置、および/または、画像取り込みモジュールは、梱包容器作成システムの構成要素でよい、または、梱包容器作成システムに電気信号を直接的、または間接的に送信する1つ以上の異なる装置の一部でもよい。
【0020】
プロセッサがこの復号されたデータを精査して、ステップ305で、少なくとも梱包容器の寸法を特定し、ステップ307で、梱包容器の構造パラメータを特定する。これらのデータ点は、メタデータに基づいて、バーコード内の位置に基づいて、データに付随するヘッダのフォーマットに基づいて、またはその他の全ての好適な手段により特定することができる。ステップ305で特定される梱包容器の寸法には、全体の最大高さ、および/または、最大幅(X座標およびY座標)、最小高さ、および/または、最小幅、またはその他の全ての2次元の梱包容器の平面に関する寸法が含まれ得る。ステップ307で特定される構造パラメータには、梱包容器の種類、および/または、対称性や形状などの1つ以上の梱包容器の小平面の識別情報が含まれ得る。パラメータには、面、蓋、糊代、またはその他の小平面が、随意的に、長方形、正方形、三角形、または円形などの小平面の形状に関する分類的な構成要素とともに含まれ得る。ステップ309で、復号データにより、随意的に、基準点を作成することもでき、プロセッサがこの基準点を用いて、基材上の位置を特定することができる。基準点には、例えば、切り抜かれていない基材の左下の角からXインチだけ上の位置に対応する座標や、切り抜かれていない基材の左下の角の位置に対応する座標や、その角の右にYインチの位置に対応する座標などの1つ以上の座標が含まれ得る。あるいは、各基材が、中心点、または、基材の角の点など、初期設定の基準点を有し得る。いずれの状況においても、構造パラメータには、その基準点からの距離も随意的に含まれ得る。例えば、切り抜かれていない基材の中心が基準点の場合、長方形の小平面が、中心点まで2インチ右で、中心点から5インチ上に位置する左上の角を有すると、構造パラメータで表すことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、ステップ311で、符号化データに、付加的な小平面およびそれらの小平面の位置を計算するためのアルゴリズムも含むことができる。例えば、符号化データにより、密封される箱が示される場合、追加データが存在し得、このデータにより、張出面を有する蓋が用いられることが示される。その場合は、次いでプロセッサは、ステップ313で、アルゴリズムを用いて、バーコードからのデータを処理し、残りの構造特性を判定することができる。
【0022】
あるいは、システムは、ステップ315で、既知の情報を用いて、プロセッサと通信するコンピュータ可読メモリ内に格納されたデータベースからテンプレートを特定することができる。このテンプレートには、一連の規則が含まれ得、これにより、既知の情報に基づいて、その他の小平面が何に生成されるかをプロセッサが特定することができる。テンプレートには、1つ以上のアルゴリズム、または、1つ以上の選択基準も含まれ得る。次いで、プロセッサは、ステップ317で、このバーコードデータをテンプレートに適用して残りの構造パラメータを特定することができる。
【0023】
例として
図4を参照すると、3次元の梱包容器は三角柱401になることが構造パラメータにより示される場合、梱包容器が4インチベースの縁407を有する三角形の小平面405を含むことを示すデータもバーコードにより含まれ得る。梱包容器を形成するための、2次元の切り抜き平面全体の幅および高さは、10インチの高さ×10インチの幅であることもこのデータにより示され得る。その場合、このテンプレートには規則セットが含まれ得、残りの構造特性には、基部の縁407に隣接する第1の小平面411が含まれ、この第1の面は全体の高さ(10インチ)に対応する高さと、基部の幅に対応する幅を有することが、この規則セットにより示される。次いで、このテンプレート内に含まれた規則に基づいて、プロセッサは、もう2つの小平面413が残りの構造特性に必要であることを判定し、この2つの小平面413が、それぞれその10インチの縁に沿って第1の小平面411に隣接し、かつ、その2つの面に沿って三角形の小平面405に隣接する。それぞれの側面の小平面413の高さは、全高(10インチ)と等しく、それぞれの側面の小平面413の幅は、(全幅−三角形の幅の基部)/2または3インチと等しい。
【0024】
随意的に、テンプレートにより、三角形の小平面または任意の長方形の小平面のどちらかに1つ以上の糊代(図示せず)を取り付けなければならないことも示され得る。取り付けられる小平面の寸法に基づいて、各糊代の高さ、幅、およびその他の特性がテンプレートにより規定される。糊代、および/または、蓋の数とそれらの位置とは、梱包容器の全体のサイズに基づいて変更可能である。例えば、
図1を参照すると、正方形の箱に関するテンプレートには、規則が含まれ得、この規則には、面18の長さが10インチ以下の場合、面18の外側の縁に沿って2つの糊代17を、それぞれ面18の外角から3インチ離して配置しなければならいことが示される。その一方で、面18の長さが10インチより長く、20インチより短い場合、3つの糊代17が必要となり得、そのうちの1つは中心面18の縁に沿って中心となることが規則により示される。
【0025】
さらに、柱が密封される柱の場合、第1の三角形の小平面405と同じ寸法を有する第2の三角形の小平面を供給しなければならないことがテンプレートにより示される。これらの特性がどのように2次元の梱包容器の平面上に表されているかの1つの例が
図5に示される。
図4に示される特性に加えて、
図5には、第2の側面の小平辺423および第2の三角形の小平面425も示される。
【0026】
このように、システムは、全てのデータをバーコード内に符号化する必要なしに、または梱包容器専用のデータファイルを格納する必要なしに、バーコードデータを用いて、梱包容器の小平面および各小平面に関する寸法を特定することができる。いくつかの実施形態では、わずか10文字、11文字、または12文字がバーコード内に必要となるだけである。例えば、最初の1文字を用いて媒体構造体の種類(立方体、三角形の箱401、コンパクトディスクの箱など)を特定することができ、続く3文字を用いて梱包容器に関する第1の全体寸法(例えば、幅、すなわちX軸に沿った距離)を特定することができ、次の3文字を用いて梱包容器に関する第2の全体寸法(例えば、高さ、すなわちY軸に沿った距離)を特定することができ、次の3字文を用いて梱包容器に関する第3の寸法全ての(例えば、奥行き、すなわちZ軸に沿った距離)を特定することができる。最後の1文字により、用いられる蓋の種類を示すことができる。アルゴリズムが、この情報に基づいて、残りのデータとともに最初の1文字により示されるテンプレートに関する規則を用いて、梱包容器の平面に適用される、対応する切り抜き線、および折り線の配置を決定する。
【0027】
図3に戻ると、システムが梱包容器の平面、およびその小平面の寸法を特定した後、このシステムは、ステップ319で、一連の切り抜き命令、および/または、折り目付け命令を規定することができ、梱包容器作成装置がこれらの命令を用いて切り抜き線、および/または、折り線を基材に適用する。これらの命令は梱包容器作成ファイルなどのコンピュータ可読メモリに保存される。システムは、各小平面の縁に関する命令のグループを命令のデータベースから読み出し、梱包容器内の小平面の相対的位置に基づいて、必要に応じてグループを変更し、次いで、検索されたグループを組み合わせて梱包容器の平面に関して設定された命令全体を作成することにより、これを行うことができる。この命令には、(a)切り抜き線、または折り線を基材に適用するための一連の命令、または(b)基材を変更することなく、基材上の新しい位置にツールを移動させるための一連の命令のどちらかが含まれ得る。例えば、
図5を参照すると、蓋405を作成するための命令には、(1)蓋の辺421と413との交点にカッターを移動させるための命令と、(2)その点から辺421と422との交点までの直線を切るための命令と、(3)その点から辺422と423との交点までの直線を切るための命令と、(4)その点から辺413と421との交点までの直線に折り線を付けるための命令と、が含まれ得る。その縁が梱包容器の平面の外周の縁かどうか(この場合は、切り取られる)、あるいは、その縁が別の小平面に隣接するかどうか(この場合は、折り曲げられる)により、このシステムは、小平面の縁(またなその一部)ごとの、特定な命令が線なのか折り目なのか判断することができる。
【0028】
図3に戻ると、切り抜き命令を規定した後、次いで、梱包容器作成システムは、この切り抜き命令を基材に適用して、ステップ321で、梱包容器の平面を作成することができる。
【0029】
図6には、梱包容器作成システム、および/または、上記の関連装置に関する、内部ハードウェアのブロック図が示され、これらの内部ハードウェアを用いて、プログラム命令を格納、または実行することができる。バス600は、その他の例示するハードウェアの構成部品どうしを相互接続するメイン情報ハイウェイとして機能する。CPU605は、このシステムの中央処理装置であり、プログラムを実行するために必要な計算および論理演算を行う。CPU605は、単独で、または
図6内に配置される1つ以上のその他の構成要素と併せて、処理装置、コンピュータ装置、またはプロセッサであり、これらの用語は、本開示内で用いられる。記憶装置、またはプロセッサ可読媒体の例として、リード・オンリ・メモリ(ROM)610、およびランダム・アクセス・メモリ(RAM)615が挙げられる。
【0030】
制御装置620は、インターフェースを介して、1つ以上の随意的な有形のコンピュータ可読記憶装置625をシステムバス600に接続させる。これらの記憶装置625には、例えば、外付けDVDドライブ、または内蔵DVDドライブ、CDROMドライブ、ハードドライブ、フラッシュメモリ、USBドライブなどが含まれ得る。前述し通り、様々なドライブ、および制御装置は随意的な装置である。
【0031】
インターフェースを提供し、1つ以上のデータセットに関するクエリまたは分析を行うためのプログラム命令、ソフトウェア、または対話式モジュールを、ROM610および/またはRAM615内に格納することができる。随意的には、プログラム命令を、のコンパクトディスク、デジタルディスク、フラッシュメモリ、メモリカード、ドライブ、Blu−ray Disc(商標)などの光ディスク記憶媒体、および/または、その他の記憶媒体などの有形のコンピュータ可読媒体上に格納してもよい。
【0032】
随意的に、ディスプレイインターフェース640により、バス600からの情報を、音声、視覚、映像または英数字のフォーマットでディスプレイ645上に表示してもよい。種々の通信ポート650を用いて、印刷装置などの外部の装置との通信が可能となる。通信ポート650は、インターネットまたはイントラネットなどの通信ネットワークに接続可能である。
【0033】
ハードウェアには、インターフェース655が含むまれ、このインターフェース655により、キーボード660などの入力装置、またはマウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、リモートコントロール、ポインティングディバイス、ビデオ入力装置、および/または、音声入力装置などのその他の入力装置665からデータを受信可能である。
【0034】
上記に開示された特性および機能、および、その代替物は、様々なシステムまたはアプリケーションに組み込むことが可能である。現在は予期しない、または予見しない様々な代替形態、修正形態、変更形態、または改良形態が、当業者によりなされ得るが、それらも全て開示された実施形態に包含されることを意図するものとする。