【実施例】
【0034】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
なお、実施例及び比較例において各測定値は、次の方法、測定条件に従って測定した。
【0036】
〔1〕HPLC純度
次の測定条件でHPLC測定を行ったときの面積百分率値をHPLC純度とした。
・装置:(株)島津製作所製「LC−2010AHT」
・カラム:一般財団法人 化学物質評価研究機構製「L−column ODS」
(5μm、4.6mmφ×250mm)
・カラム温度:40℃
・検出波長:UV 254nm
・移動相:A液=30%メタノール、B液=メタノール
・移動相流量:1.0ml/分
移動相グラジエント:B液濃度:30%(0分)→100%(25分後)→100%(35分後)
【0037】
〔2〕NMR測定
次の測定条件にて
13C−NMRを測定した。
・内部標準:テトラメチルシラン
・溶媒:CDCl
3
・装置:JEOL−ESC400分光計
【0038】
[3]LC−MS測定
次の測定条件にて分離、質量分析し、目的物を同定した。
・装置:(株)Waters製「Xevo G2 Q−Tof」
・カラム:(株)Waters製「ACQUITY UPLC BEH C18」
(1.7μm、2.1mmφ×100mm)
・カラム温度:40℃
・検出波長:UV 230−800nm
・移動相:A液=超純水、B液=メタノール
・移動相流量:0.3ml/分
移動相グラジエント:B液濃度:60%(0分)→70%(10分後)→100%(12分後)
検出法:Q−Tof
イオン化法:ESI(+)法
Ion Source:電圧(+)2.0kV、温度120℃
Sampling Cone :電圧 10V、ガスフロー50L/h
Desolvation Cas:温度500℃、ガスフロー1000L/h
【0039】
〔4〕エポキシ当量
自動滴定装置(京都電子製 AT−5100)を用いて、JIS K7236による方法で測定した。
【0040】
〔5〕溶融粘度
B型粘度計(TOKIMEC INC製、MODEL:BBH)を用いて、ローターHH−1にて、20〜100rpmで100℃及び150℃に加熱して測定した。
【0041】
〔6〕屈折率及びアッベ数
アッベ屈折計((株)アタゴ製「多波長アッベ屈折計 DR−2M」)を用いて、20℃における屈折率(波長:589nm)及び20℃におけるアッベ数(波長:486、589、656nm)を測定した。なおサンプル調製及び屈折率・アッベ数の算出は以下の方法にて行った。
得られた本発明のジエポキシビナフタレン樹脂をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して10重量%、20重量%及び30重量%溶液を調製し、各溶液について前述の条件にて屈折率及びアッベ数を測定した。次に、得られた3点の測定値から近似曲線を導き、これを100重量%に外挿したときの値を得られた樹脂の屈折率及びアッベ数とした。
【0042】
<実施例1>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた200mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(田岡化学工業(株)製、商品名TBIS−BNE)15.00g(0.040mol)、エピクロルヒドリン74.20g(0.800mol)を仕込み、50℃に昇温、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド1.37g(0.006mol)を添加した。添加後80℃に昇温し、粒状水酸化ナトリウム6.65g(0.166mol)を同温度で80分かけて分割添加し、更に同温度で4時間攪拌した後、HPLCにより反応生成物の分析を行ったところ、原料2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは0.1%以下であった。
得られた反応生成物に水を加え撹拌し、ろ過を行うことによって不溶解分を除去した。その後、水層を分液除去し、さらに水洗・分液を行った後、有機層を130℃まで加熱し、内圧10mmHgで濃縮を行った。その後、80℃まで冷却し、残留物にトルエンを加え残留物を溶解した後、該トルエン溶液に、80℃で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液5.00g(0.030mol)を添加し、同温度で6時間攪拌した。撹拌後、ろ過を行うことによって不溶解分を除去し、更に水層を分液除去した。その後、水及び酸を加えて中和し、水層を分液除去した。次いで、有機層を水洗・分液し、有機層をろ過し不溶解分を除去した後に減圧濃縮することによって、黄褐色粘調性の液体17.27g(みかけ収率89.2%)を得た。
得られた黄褐色粘調性の液体をHPLCにて分析した所、上記式(1)においてn=0のものが86.6%、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンにエピクロヒドリンが1個付加したモノグリシジル体が4.8%、上記式(1)においてn=1のものが1.9%、n=1の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体が1.8%、上記式(1)においてn=2以上のものが0.1%以下含まれていることから、目的とする上記式(1)で表されるジエポキシビナフタレン樹脂が生成していることを確認した。得られたジエポキシビナフタレン樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:256g/eq
・溶融粘度;100℃:80mPa・s、150℃:15mPa・s
・屈折率:1.60
・アッベ数:21.5
【0043】
得られたジエポキシビナフタレン樹脂の
13C−NMR(CDCl
3)チャートを
図1に示す。ここで、115.4〜154.2ppmまではナフタレン骨格の炭素に帰属され、43.9、50.6、69.8ppmはグリシジル基の炭素、71.4、71.7ppmは、エトキシ基の炭素に帰属される。
また、得られたジエポキシビナフタレン樹脂の内、上記式(1)におけるn=0に該当するピークをLC−MSにて分析した結果を
図2に示す。本分析におけるジエポキシビナフタレン樹脂の計算値(TOF MS ESI
+;C
30H
30O
6+Na)は509.1940であり、実測値は509.1955であった。
【0044】
<実施例2>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた200mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(田岡化学工業(株)製、商品名TBIS−BNE)15.00g(0.040mol)、エピクロルヒドリン74.20g(0.800mol)を仕込み、50℃に昇温、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド1.37g(0.006mol)を添加した。添加後80℃に昇温し、粒状水酸化ナトリウム8.00g(0.200mol)を同温度で90分かけて分割添加し、更に同温度で3時間攪拌した後、HPLCにより反応生成物の分析を行ったところ、原料2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは0.1%以下であった。
得られた反応生成物に水を加え、ろ過を行うことによって不溶解分を除去した後、130℃まで加熱し、内圧10mmHgで濃縮を行った。その後、60℃まで冷却し、残留物にトルエンを加え溶解した。このトルエン溶液に、60℃で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液3.30g(0.020mol)を添加し、更に同温度で2時間攪拌した後ろ過を行うことによって不溶解分を除去後、水層を分液除去した。その後、水及び酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。更に、有機層を食塩水及び水で数回洗浄・分液除去操作を行った後、有機層をろ過し不溶解分を除去した後に減圧濃縮することによって、黄褐色粘調性液体16.64g(みかけ収率85.5%)を得た。
得られた黄褐色粘調性液体をHPLCで分析した所、上記式(1)においてn=0のものが82.3%、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンにエピクロヒドリンが1個付加したモノグリシジル体が5.0%、上記式(1)においてn=1のものが2.0%、n=1の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体が2.1%、上記式(1)においてn=2以上のものが0.2%含まれていることから、目的とする上記式(1)で表されるジエポキシビナフタレン樹脂が生成していることを確認した。得られたジエポキシビナフタレン樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:258g/eq
・溶融粘度;100℃:87mPa・s、150℃:17mPa・s
【0045】
<実施例3>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた200mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(田岡化学工業(株)製、商品名TBIS−BNE)15.00g(0.040mol)、エピクロルヒドリン37.10g(0.400mol)を仕込み、50℃に昇温、溶解後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド1.37g(0.006mol)を添加した。添加後80℃に昇温し、粒状水酸化ナトリウム6.65g(0.166mol)を同温度で50分かけて分割添加し、更に同温度で4時間攪拌した後、HPLCにより反応生成物の分析を行ったところ、原料2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは0.1%以下であった。
得られた反応生成物に水を加え、ろ過を行うことによって不溶解分をろ過除去した後、130℃まで加熱し、内圧10mmHgで濃縮した。その後、80℃まで冷却し、残留物にトルエンを加え溶解した。このトルエン溶液に、80℃で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10.95g(0.082mol)を添加し、同温度で3時間攪拌した後、水を追加し水洗を行い、水層を分液除去した。その後、水及び酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。更に水洗・分液除去操作を行い、有機層をろ過し不溶解分を除去した後に、減圧濃縮することによって、黄褐色粘調性液体16.28g(みかけ収率84.2%)を得た。
得られた黄褐色粘調性液体をHPLCで分析した所、上記式(1)においてn=0のものが73.0%で、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンにエピクロヒドリンが1個付加したモノグリシジル体が2.1%、上記式(1)においてn=1のものが4.1%、n=1の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体が6.2%、上記式(1)においてn=2以上のものが1.2%含まれていることから、目的とする上記式(1)で表されるジエポキシビナフタレン樹脂が生成していることを確認した。得られたジエポキシビナフタレン樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:251g/eq
・溶融粘度;100℃:68mPa・s、150℃:15mPa・s
【0046】
<実施例4>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた200mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(田岡化学工業(株)製、商品名TBIS−BNE)20.00g(0.053mol)、エピクロルヒドリン29.70g(0.321mol)を仕込み、80℃に昇温、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド1.82g(0.008mol)を添加した。その後、粒状水酸化ナトリウム8.87g(0.222mol)を同温度で90分かけて分割添加し、更に同温度で3時間攪拌した後、HPLCにより反応生成物の分析を行ったところ、原料2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは0.1%以下であった。
反応生成物にトルエン40gを加えた後にろ過を行うことによって不溶解分を除去した後、このトルエン溶液に、30℃で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液4.50g(0.027mol)を添加し、同温度で3時間攪拌した。その後、水を追加し水洗を行い、水層を分液除去した。その後、水及び酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。更に、水洗、分液除去を行った後、有機層をろ過し不溶解分を除去した後に、減圧濃縮することによって、黄褐色粘調性液体25.26g(みかけ収率97.9%)を得た。
得られた黄褐色粘調性液体をHPLCで分析した所、上記式(1)においてn=0のものが77.9%で、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンにエピクロヒドリンが1個付加したモノグリシジル体が0.6%、上記式(1)においてn=1のものが3.6%、n=1の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体が7.4%、上記式(1)においてn=2以上のものが1.5%含まれていることから、目的とする上記式(1)で表されるジエポキシビナフタレン樹脂が生成していることを確認した。得られたジエポキシビナフタレン樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:254g/eq
・溶融粘度;100℃:77mPa・s、150℃:16mPa・s
【0047】
<実施例5>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた200mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(田岡化学工業(株)製、商品名TBIS−BNE)20.00g(0.053mol)、エピクロルヒドリン20.80g(0.225mol)を仕込み、80℃に昇温、溶解させた後、テトラブチルアンモニウムブロマイド、2.58g(0.008mol)を添加した。その後、粒状水酸化ナトリウム8.87g(0.222mol)を同温度で80分かけて分割添加し、更に同温度で2時間攪拌した後、HPLCにより反応生成物の分析を行ったところ、原料2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは0.1%以下であった。
得られた反応生成物にトルエン40gを加えた後にろ過を行うことによって不溶解分を除去した後、このトルエン溶液に、40℃で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液4.50g(0.027mol)を添加し、同温度で2時間攪拌した後、水を追加し水洗を行い、水層を分液除去した。その後、水及び酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。次いで、水洗・分液操作を行った後、有機層をろ過し不溶解分を除去した後に減圧濃縮することによって、黄褐色粘調性液体25.34g(みかけ収率98.3%)を得た。
得られた黄褐色粘調性液体をHPLCで分析した所、上記式(1)においてn=0のものが68.3%で、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンにエピクロヒドリンが1個付加したモノグリシジル体が0.4%、上記式(1)においてn=1のものが3.9%、n=1の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体が9.0%、上記式(1)においてn=2以上のものが3.2%含まれていることから、目的とする上記式(1)で表されるジエポキシビナフタレン樹脂が生成していることを確認した。得られたジエポキシビナフタレン樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:280g/eq
・溶融粘度;100℃:150mPa・s、150℃:23mPa・s
【0048】
<比較例1>
原料を1,1’−ビ−2−ナフトール11.45g(0.040mol)に変更した以外は実施例1と同様にエポキシ化反応、反応後の後処理を実施し、淡黄色固体の上記式(2)で表されるビナフトールのジグリシジルエーテルを主体とするエポキシ樹脂14.30g(みかけ収率91.9%、HPLC純度90.4%)得た。得られたエポキシ樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:218g/eq
・溶融粘度;100℃:825mPa・s、150℃:40mPa・s