(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095652
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】対称光多重化ノード
(51)【国際特許分類】
H04B 10/27 20130101AFI20170306BHJP
H04J 14/02 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
H04B10/27
H04J14/02
【請求項の数】21
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-515903(P2014-515903)
(86)(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公表番号】特表2015-501088(P2015-501088A)
(43)【公表日】2015年1月8日
(86)【国際出願番号】US2012041947
(87)【国際公開番号】WO2013095702
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2015年3月23日
(31)【優先権主張番号】13/163,290
(32)【優先日】2011年6月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502101180
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス サブシー コミュニケーションズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】マナ,マッシモ
【審査官】
後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−153861(JP,A)
【文献】
特開平09−289491(JP,A)
【文献】
特開平10−209965(JP,A)
【文献】
特開2011−82751(JP,A)
【文献】
特開平10−20143(JP,A)
【文献】
特開平10−22919(JP,A)
【文献】
特表平11−513207(JP,A)
【文献】
特開平10−150409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランク局と第2のトランク局を接続する第1のファイバ対に対する第1のインターフェースと、
前記第1のトランク局および前記第2のトランク局をブランチ局と接続する第2のファイバ対に対する第2のインターフェースと、
前記第1のトランク局、前記第2のトランク局、および前記ブランチ局の間の接続性を提供するように構成された複数のフィルタと、
複数のバイパス・スイッチを備え、
各スイッチは、障害が、前記第1のファイバ対または前記第2のファイバ対の上で検出されたときに、1つまたは複数のフィルタをバイパスするように構成されている光アド/ドロップ・マルチプレクサ(OADM)ノード。
【請求項2】
前記複数のバイパス・スイッチは、前記第1のトランク局および前記第2のトランク局によってサポートされる光学バンドと同じ数のスイッチを含んでいる、請求項1に記載のOADMノード。
【請求項3】
前記第1のトランク局、前記第2のトランク局、および前記ブランチ局は、おのおの、第1の光学バンド、第2の光学バンド、および第3の光学バンドをサポートする、請求項1に記載のOADMノード。
【請求項4】
前記第1の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第1のトランク局の間でデータ・トラフィックを搬送し、前記第2の光学バンドは、前記第1のトランク局と前記第2のトランク局の間でデータ・トラフィックを搬送し、また前記第3の光学バンドは、前記第2のトランク局と前記ブランチ局の間でデータ・トラフィックを搬送する、請求項3に記載のOADMノード。
【請求項5】
前記第1のトランク局は、第1のグループの光学バンドをサポートし、前記第2のトランク局は、第2のグループの光学バンドをサポートし、また前記ブランチ局は、前記第2のグループの光学バンドをサポートする、請求項1に記載のOADMノード。
【請求項6】
前記第1のトランク局は、前記第2のトランク局または前記ブランチ局よりも低いバンド幅能力を有するレガシー局である、請求項5に記載のOADMノード。
【請求項7】
前記第1のグループの光学バンドは、第1の光学バンド、第2の光学バンド、および第3の光学バンドを含み、また前記第2のグループの光学バンドは、前記第1の光学バンド、前記第2の光学バンド、前記第3の光学バンド、および第4の光学バンドを含み、前記第1の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第2のトランク局の間でデータ・トラフィックを搬送し、前記第2の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第1のトランク局の間でデータ・トラフィックを搬送し、前記第3の光学バンドは、前記第1のトランク局と前記第2のトランク局の間でデータ・トラフィックを搬送し、また前記第4の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第2のトランク局の間でデータ・トラフィックを搬送する、請求項5に記載のOADMノード。
【請求項8】
第1のトランク局、
第2のトランク局、
ブランチ局、
第1のファイバ対、
第2のファイバ対、ならびに
前記第1のトランク局と前記第2のトランク局を接続する前記第1のファイバ対に対する第1のインターフェースと、
前記第1のトランク局および前記第2のトランク局を前記ブランチ局と接続する前記第2のファイバ対に対する第2のインターフェースと、
前記第1のトランク局、前記第2のトランク局、および前記ブランチ局の間の接続性を提供するように構成された複数のフィルタと、
複数のバイパス・スイッチと
を備える光アド/ドロップ・マルチプレクサ(OADM)ノード
を備え、
各スイッチは、障害が、前記第1のファイバ対または前記第2のファイバ対の上で検出されたときに、1つまたは複数のフィルタをバイパスするように構成されているシステム。
【請求項9】
前記複数のバイパス・スイッチは、前記第1のトランク局および前記第2のトランク局によってサポートされるバンドと同じ数のスイッチを含んでいる、請求項8に記載のOADMノード。
【請求項10】
前記第1のトランク局、前記第2のトランク局、および前記ブランチ局は、おのおの、第1の光学バンド、第2の光学バンド、および第3の光学バンドをサポートする、請求項8に記載のOADMノード。
【請求項11】
前記第1の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第1のトランク局の間でトラフィックを搬送し、前記第2の光学バンドは、前記第1のトランク局と前記第2のトランク局の間でトラフィックを搬送し、また前記第3の光学バンドは、前記第2のトランク局と前記ブランチ局の間でトラフィックを搬送する、請求項10に記載のOADMノード。
【請求項12】
前記第1のトランク局は、第1のグループの光学バンドをサポートし、前記第2のトランク局は、第2のグループの光学バンドをサポートし、また前記ブランチ局は、前記第2のグループの光学バンドをサポートする、請求項8に記載のOADMノード。
【請求項13】
前記第1のトランク局は、前記第2のトランク局または前記ブランチ局よりも低いバンド幅能力を有するレガシー局である、請求項12に記載のOADMノード。
【請求項14】
前記第1のグループの光学バンドは、第1の光学バンド、第2の光学バンド、および第3の光学バンドを含み、また前記第2のグループの光学バンドは、前記第1の光学バンド、前記第2の光学バンド、前記第3の光学バンド、および第4の光学バンドを含み、前記第1の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第2のトランク局の間でトラフィックを搬送し、前記第2の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第1のトランク局の間でトラフィックを搬送し、前記第3の光学バンドは、前記第1のトランク局と前記第2のトランク局の間でトラフィックを搬送し、また前記第4の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第2のトランク局の間でトラフィックを搬送する、請求項12に記載のOADMノード。
【請求項15】
光通信を提供するための方法であって、
第1のファイバ対を介して、光アド/ドロップ・マルチプレクサ(OADM)ノードにおいて第1のトランク局から第1の通信を受信するステップと、
前記第1のファイバ対を介して、前記OADMノードにおいて第2のトランク局から第2の通信を受信するステップと、
第2のファイバ対を介して、前記第1の通信および前記第2の通信をブランチ局に対してルーティングするステップと
を含み、
前記OADMノードは、複数のバイパス・スイッチを備え、各スイッチは、障害が、前記第1のファイバ対または前記第2のファイバ対の上で検出されたときに、1つまたは複数のフィルタをバイパスするように構成されている方法。
【請求項16】
前記OADMノードは、前記第1のトランク局、前記第2のトランク局、および前記ブランチ局の間の接続性を提供するように構成された複数のフィルタを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のトランク局、前記第2のトランク局、および前記ブランチ局は、おのおの、第1の光学バンド、第2の光学バンド、および第3の光学バンドをサポートする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第1のトランク局の間でトラフィックを搬送し、前記第2の光学バンドは、前記第1のトランク局と前記第2のトランク局の間でトラフィックを搬送し、また前記第3の光学バンドは、前記第2のトランク局と前記ブランチ局の間でトラフィックを搬送する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のトランク局は、第1のグループの光学バンドをサポートし、前記第2のトランク局は、第2のグループの光学バンドをサポートし、また前記ブランチ局は、前記第2のグループの光学バンドをサポートする、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のグループの光学バンドは、第1の光学バンド、第2の光学バンド、および第3の光学バンドを含み、また前記第2のグループの光学バンドは、前記第1の光学バンド、前記第2の光学バンド、前記第3の光学バンド、および第4の光学バンドを含み、前記第1の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第2のトランク局の間でトラフィックを搬送し、前記第2の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第1のトランク局の間でトラフィックを搬送し、前記第3の光学バンドは、前記第1のトランク局と前記第2のトランク局の間でトラフィックを搬送し、また前記第4の光学バンドは、前記ブランチ局と前記第2のトランク局の間でトラフィックを搬送する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のトランク局は、前記第2のトランク局または前記ブランチ局よりも低いバンド幅能力を有するレガシー局である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、光ファイバ通信ネットワークの内部で使用される対称光アド・ドロップ多重化ノード(symmetrical optical add and drop multiplexing node)に関する。より詳細には、本開示は、トランク局およびブランチ局において同じ数のファイバ対を使用して、トランクの2つの端局とブランチ局の間で通信を可能にするように構成されている対称光アド・ドロップ多重化ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
海底光ファイバ通信システムは、陸上ケーブル局の間に延びる主要トランク経路を含むことができる。主要トランクは、その中に複数の光ファイバ、およびケーブル局の間で送信される光信号を増幅するために使用される、トランク経路に沿って配置された1つまたは複数のリピータまたは光増幅器を有する海底ケーブルによって規定される。各ケーブル局は、主要トランク経路に沿ってこれらの光信号を送信し、また受信するために使用される端末機器を含んでいる。そのような海底システムは、分岐ユニット(BU:branching unit)によってトランクに結合された1つまたは複数のブランチ・セグメントを含むこともできる。ブランチ・セグメントは、主要トランクに沿って接続された分岐ユニットからブランチ・セグメント・ケーブル局へと延びる。トランク・ケーブル局を使用して、ネットワークのバックボーンを通して情報信号を搬送することができるが、ブランチ・ケーブル局を使用して、トランク経路にトラフィックを追加し、またはトランク経路からトラフィックを脱落させることができる。ケーブル局の間で送信される光信号は、一般的に、その中で複数の光チャネルが、おのおのそれぞれの波長で、一緒に多重化される高密度波長分割多重化(DWDM:dense wavelength−division multiplexed)信号である。
【0003】
図1は、ケーブル局AとBの間に配置されたトランク110と、光アド・ドロップ・マルチプレクサ(OADM:optical add−drop multiplexer)ノード100を経由してケーブル局Cをトランク110に接続するブランチ・セグメント120とを含む従来の簡略化されたトランクおよびブランチのネットワーク構成を示すものである。一般に、OADMノードを使用して、ケーブル局の間でDWDM光信号の内部のチャネルを追加し、かつ/または脱落させ、またOADMノードは、ケーブル化されたファイバを経由して接続された1つまたは複数の別個のユニットまたは本体の形で実装されることもある。この場合にも、トランク経路110は、複数の光ファイバ対115、光ケーブルに沿って配置された1つまたは複数の光増幅器、ならびにケーブル局AからBへ(A〜B)かつ/またはケーブル局BからAへ(B〜A)光信号を送信するために使用される他の光/電気機器を有する光ケーブルによって規定される。一般的に、光信号または「スルー・トラフィック(through traffic)」は、ケーブル局AとBの間でトランク110に沿って伝わるのに対して、ケーブル局Cに向かうことになっている信号は、OADM 100を使用してトランク110から追加され/脱落され、またブランチ・セグメント120に対して供給される。トランク110に沿った各ファイバ対115では、OADM 100からケーブル局Cへの両方向の伝送容量を提供するために、ブランチ・セグメント120の内部の2つの対応するファイバ対125および130が存在しており、それによってすべての3つのケーブル局A、BおよびCの間の接続性をサポートしている。とりわけ、トランク110が、八(8)個のファイバ対を含んでおり、またトランクの上のすべてのファイバ対が、ケーブル局AおよびBとケーブル局Cの接続性をサポートする場合、そのときにはブランチ・セグメント120は、ケーブル局Cへの/からの伝送を受け入れるように十六(16)個のファイバ対を含むことになる。現在の最先端技術においては、トランク・ファイバ対当たりに1つのブランチ・ファイバ対が使用される場合、そのときには3つの端局のうちの2つのおのおのの組合せの間の接続性を有することは可能ではない。それゆえに、1つのトランク・ファイバ対および1つのブランチ・ファイバ対を仮定すると、AとCの間(A〜C)およびAとBの間(A〜B)の接続性、またはBとCの間(B〜C)およびAとBの間(A〜B)の接続性のいずれかが存在することができるが、トランク・ファイバ対の上のすべての3つのA〜C、A〜BおよびB〜Cの接続性は、存在することができない。
【0004】
ケーブル局CをOADM 100に接続するために使用される海底ケーブルは、トランク経路110についてのケーブルと比べて2倍の数のファイバ対を含んでいるので、ブランチ・セグメント120のために製造されるケーブルおよび関連する光リピータは、非常に多数のファイバ経路および光増幅器をそれぞれサポートするために、より多くのコストがかかることになる。さらに、複数のファイバ対が、双方向のトラフィックのために必要とされるので、ブランチ・セグメント120のスペクトル効率は、トランク経路110のスペクトル効率に比べて低いことになる。特に、スペクトル効率は、通信ネットワーク、あるいはこの場合には、ブランチ・セグメント120の内部の、与えられたバンド幅の上の送信される情報レート、または総伝送容量である。言い換えれば、使用可能なスペクトルバンド幅をより効率的に使用することにより、スペクトル効率はより高くなる。ブランチ・セグメント120では、ファイバ対のうちの1つ(例えば、130)は、ケーブル局Cから/へとOADM 100へと/からトラフィックを受け入れ、また他のファイバ対(例えば、125)は、OADM 100から/へとケーブル局Cへと/からトラフィックを受け入れる。方向性のあるトラフィックを受け入れる別個のファイバ対が存在するので、ブランチの中の2つのファイバ対125および130のおのおのについてのスペクトル効率は、対応するトランク・ファイバ対115のスペクトル効率と比べて低い。従来の光ネットワークにおいては、ブランチ・セグメントにおけるファイバ対の、トランク経路に対する1対1の対応が、使用される場合、そのときには3つの端局A、BおよびCのうちの2つのおのおのの組合せの間の接続性は可能ではない。例えば、従来の例示のネットワークにおいては、ブランチ・セグメント120におけるファイバ対130は、ケーブル局BとCの間の双方向通信に排他的に専用になっており、またブランチ・セグメント120におけるファイバ対125は、ケーブル局AとCの間の双方向通信に排他的に専用になっている。したがって、ファイバ対130(代わりに125)が、ブランチ・セグメント120において実施されない場合、そのときにはBとC(代わりにAとC)の間の対応する接続性は、OADMノード100の中に存在しないことになる。それゆえに、1つのトランク・ファイバ対および1つのブランチ・ファイバ対を仮定すると、従来の光ネットワークにおいては、ブランチ・ファイバ対125が実装される場合、またはブランチ・ファイバ130が実装されない場合に、AとCの間(A〜C)およびAとBの間(A〜B)の接続性が存在することができるか、またはブランチ・ファイバ対130が実装される場合、またはブランチ・ファイバ対125が実装されない場合に、BとCの間(B〜C)およびAとBの間(A〜B)の接続性が存在することができるかのいずれかである。しかしながら、ファイバ対125および130の両方は、ブランチ120において、OADMノード100を経由したすべての3つの、A〜Cの接続、A〜Bの接続、およびB〜Cの接続が、
図1に示されるように存在することを可能にするように実装される必要がある。それゆえに、対称ファイバ対が使用されることを可能にするOADMノードについての必要性が存在している。すなわち、トランクの中の各ファイバ対では、単一の対応するファイバ対だけが、ブランチにおいて、3つの端局のうちの2つのおのおのの組合せの間の接続性を可能にするために必要とされる。本改善が必要とされていることは、これらの考察および他の考察に関連している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下は、本明細書において説明されるいくつかの新規の実施形態についての基本的な理解を提供するために簡略化された概要を提示するものである。この概要は、広範囲に及ぶ概説ではなく、また重要な要素を識別し、またはその範囲を示すことを意図してはいない。その唯一の目的は、後で提示される、より詳細な説明に対する前置きとして簡略化された形態でいくつかの概念を提示することである。
【0006】
本開示の実施形態は、光ファイバ通信ネットワークの内部で使用される対称光アド・ドロップ多重化ノードに関する。より詳細には、本開示は、トランク局およびブランチ局において同じ数のファイバ対を使用して、トランクの2つの端局とブランチ局の間の通信を可能にするように構成されている対称光多重化ノードに関する。
【0007】
一実施形態においては、OADMノードは、トランクの中のファイバ対当たりに、ただ1つのブランチ・ファイバ対を使用して、ブランチ局とトランクの両方の端局の間の接続性を可能にするように構成されている。解決法は、トランク局からブランチ局へとトラフィックを提供するために、より効率的な、またあまり高価でないやり方を提供することができる。一実施形態においては、例えば、一連のフィルタは、OADMノードの内部で、トランクの中のファイバ対ごとに、ブランチの中の単一のファイバ対だけを使用して、ブランチ局とトランクの両方の端局の間の接続性を可能にするように構成されている。さらに、一実施形態を使用して、トランクの中のファイバ対ごとに、ブランチの中の単一のファイバ対だけを使用して、低いバンド幅のレガシー・システムをより高いバンド幅の新しいシステムと接続することができる。他の実施形態が、説明され、また請求される。
【0008】
一実施形態は、第1のトランク局と第2のトランク局を接続する第1のファイバ対に対するインターフェースと、第1のトランク局および第2のトランク局をブランチ局と接続する第2のファイバ対に対するインターフェースと、第1のトランク局、第2のトランク局、およびブランチ局の間の接続性を提供するように構成された複数のフィルタとを備えるOADMノードを含むことができる。
【0009】
さらなる一実施形態においては、対称OADMノードは、複数のバイパス・スイッチを含むことができる。各スイッチは、障害が、第1のファイバ対または第2のファイバ対の上で検出されたときに、1つまたは複数のフィルタをバイパスするように構成されてよい。複数のバイパス・スイッチは、第1のトランク局および第2のトランク局によってサポートされるバンドと同じ数のスイッチを含むことができる。
【0010】
一実施形態においては、第1のトランク局、第2のトランク局、およびブランチ局は、おのおの第1のバンド、第2のバンド、および第3のバンドをサポートすることができる。第1のバンドは、ブランチ局と第1のトランク局の間のトラフィックを搬送することができ、第2のバンドは、第1のトランク局と第2のトランク局の間のトラフィックを搬送することができ、また第3のバンドは、第2のトランク局とブランチ局の間のトラフィックを搬送することができる。
【0011】
一実施形態においては、第1のトランク局は、第1のバンドおよび第2のバンドをサポートすることができ、第2のトランク局は、第1のバンド、第2のバンド、第3のバンド、および第4のバンドをサポートすることができ、またブランチ局は、第1のバンド、第2のバンド、第3のバンド、および第4のバンドをサポートすることができる。この実施形態においては、第1のトランク局は、第2のトランク局またはブランチ局よりも低いバンド幅能力を有するレガシー局とすることができる。第1のバンドは、ブランチ局と第2のトランク局の間でトラフィックを搬送することができ、第2のバンドは、ブランチ局と第1のトランク局の間でトラフィックを搬送することができ、第3のバンドは、第1のトランク局と第2のトランク局の間でトラフィックを搬送することができ、また第4のバンドは、ブランチ局と第2のトランク局の間でトラフィックを搬送することができる。
【0012】
上記の目的、および関連した目的を達成するために、ある種の実例となる態様が、以下の説明と添付の図面とに関連して本明細書において説明される。これらの態様は、本明細書において開示される原理が、実行される可能性があり、またすべての態様とその同等形態が、特許請求の範囲の主題の範囲に含まれることが意図されている様々なやり方を示すものである。他の利点および新規の特徴は、図面と併せて考慮されるときに以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】簡略化された従来のトランクおよびブランチのネットワークを示す図である。
【
図2】本開示の例示の一実施形態による、対称OADMノードの一実施形態を示す図である。
【
図3】本開示の例示の一実施形態による、対称OADMノードの一実施形態を示す図である。
【
図4】本開示の例示の一実施形態による、トランクおよびブランチのネットワークOADMノードを示す図である。
【
図5】本開示の例示の一実施形態による、対称OADMノードの一実施形態を示す図である。
【
図6】本開示の例示の一実施形態による、対称OADMノードの一実施形態についての論理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
様々な実施形態は、光ファイバ通信ネットワークの内部で使用するための対称光アド・ドロップ多重化ノードを対象としている。より詳細には、本開示は、同じ数のファイバ対を使用して、複数のトランク局の間で、またトランク局とブランチ局の間で双方向トラフィックを搬送して、トランクの2つの端局とブランチ局の間の通信を可能にするように構成されている対称光アド・ドロップ多重化ノードに関する。
【0015】
一実施形態においては、光ファイバ・システムは、第1のトランク局と第2のトランク局を接続する第1のファイバ対に対するインターフェースと、第1のトランク局および第2のトランク局をブランチ局と接続する第2のファイバ対に対するインターフェースと、第1のトランク局、第2のトランク局、およびブランチ局の間の接続性を提供するように構成された複数のフィルタとを備えるOADMノードを含むことができる。
【0016】
他の実施形態が、説明され、また請求される。様々な実施形態は、1つまたは複数の要素を備えることができる。ある要素は、ある種のオペレーションを実行するように構成された任意の構造を備えることができる。各要素は、与えられた1組の設計パラメータまたは性能制約条件について望ましいように、ハードウェア、ソフトウェア、またはその任意の組合せとして実装されることもある。一実施形態は、例として、ある種のトポロジにおける限られた数の要素を用いて説明されることもあるが、本実施形態は、与えられた実装形態のために望ましいように、代替的なトポロジにおけるより多くの要素、またはより少ない要素を含むことができる。「一実施形態」または「ある実施形態」に対するどのような言及も、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することに注意する価値がある。明細書の中の様々な場所における「一実施形態において」という熟語の出現は、必ずしもすべてが、同じ実施形態のことを意味しているものとは限らない。
【0017】
次に参照が、図面に対して行われ、そこでは、同様な参照番号を使用して、全体を通して同様な要素を参照している。以下の説明では、説明の目的のために、非常に多数の特定の詳細が、その完全な理解を提供するために説明される。しかしながら、新規の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実行され得ることは、明らかとすることができる。他の例では、よく知られている構造およびデバイスが、その説明を容易にするためにブロック図形式で示される。意図は、特許請求の範囲の主題の精神および範囲に含まれるすべての修正形態と、同等形態と、代替形態とを対象として含むことである。
【0018】
図2は、一実施形態による、OADMノード200を示すものである。
図2に示されるOADMノード200は、ある種のトポロジにおける限られた数の要素を有するが、OADMノード200が、与えられた実装形態のために望ましいように、代替的なトポロジにおけるより多くの要素、またはより少ない要素を含むことができることを理解することができる。一実施形態においては、各実線、205、210、215、220は、ファイバ・ケーブルを表しており、それゆえに、2本の実線は、各ファイバ対を表している。それらのファイバ対を使用して、主要トランク経路に沿って、また主要トランク経路とBUを使用して接続される1つまたは複数のブランチ・セグメントの間で、DWDM信号の形態でデータを搬送することができる。ファイバ・ケーブルは、例えば、カプラ/スプリッタ290など、1つまたは複数のカプラまたはスプリッタを使用してOADMノード200の内部で接続されることもある。カプラ/スプリッタ290は、ファイバ・ケーブルに沿ったトラフィックが、結合され、または分割され得るように、1つまたは複数のカプラまたは分割デバイスを含むことができる。さらに、OADMノード200は、LBO 295など、1つまたは複数の損失ビルド・アウト・ユニット(LBO:loss build−out units)を含むことができ、この損失ビルド・アウト・ユニットを使用して、スパン損失を管理することができる。
【0019】
一実施形態においては、OADMノード200は、ノードの各レッグが、同じ数のファイバ対とインターフェースし、また各ファイバ対が、目標の宛先を対象としている3つの使用可能なトラフィックバンドa、Bおよびcのうちの2つを搬送する点で対称とすることができる。ファイバ対によって使用されていない第3のバンドは、ファイバ対の端における宛先ケーブル局を対象としていないローディング波長(loading wavelengths)を搬送することができる。例えば、南ブランチ局270は、a−バンドおよびc−バンドの上で双方向トラフィックを搬送することができ、またローディング波長として西トランク局260からB
Wバンドを受信することができる。
【0020】
一実施形態においては、ファイバ対205、210を使用して、西トランク局260と東トランク局265の間の東−西トランク・リンクに沿って、トラフィックを搬送する。ファイバ対215、220を使用して、そのトランクから南ブランチ局270へとアド/ドロップ・トラフィックを搬送する。OADMノード200は、西トランク局260および東トランク局265においてファイバ対205、210に接続するように構成されたインターフェースを含むことができる。OADMノード200は、西トランク局260、東トランク局265、および南ブランチ局270の間でトラフィックを搬送するためにファイバ対215、220に接続するように構成されたインターフェースをさらに含むことができる。
図2に示されるように、対称OADMノード200は、ブランチに沿ったただ1つのファイバ対215、220およびトランクに沿った1つのファイバ対205、210を有し、南−東リンク、南−西リンク、および東−西リンクについての接続性を可能にすることができる。以前の解決法においては、ブランチに沿った単一のファイバ対およびトランクに沿った単一のファイバ対だけに、東−西リンクと西−南リンクまたは東−南リンクのいずれかのうちの一方についての通信をサポートしており、ブランチにおける追加のファイバ対が、すべての3つのリンク、東−西、西−南、東−南をサポートするための必要性を結果としてもたらし、このようにしてブランチ・ファイバ対のおのおのについてのより低いスペクトル効率をもたらしている。
【0021】
おのおのの局、西局260、東局265、および南局270は、1つまたは複数の光学バンドをサポートすることができ、この光学バンドは、DWDM信号を含むことができる。光学バンドは、3つのサブバンド、a、Bおよびc、例えば、それ自体のそれぞれの波長範囲または複数の波長におけるおのおのへと分割されることもある。しかしながら、より多くのバンド、またはより少ないバンド、あるいはサブバンドが、使用されてもよい。a−バンドは、西トランク260と南ブランチ270の間のトラフィックのために確保されることもある。B−バンドは、西トランク260と東トランク265の間のトラフィックのために確保されることもある。c−バンドは、トランク−東リンクと南−ブランチ・リンクの間のトラフィックのために確保されることもある。単一のOADMノードのみが示されているが、任意の数のOADMノードがトランクに沿って配置され、また対応するBUを使用してトランクに接続され得ることを理解することができる。aバンドやcバンドなど、1つまたは複数のバンドを使用して、OADMノード全体を通してトラフィックを搬送することができる。さらに、トランク・ケーブルは、同じ数のファイバ対を有するブランチ・ケーブルを有する多数のファイバ対を含むことができることにも注意すべきである。トランクの中の各ファイバ対は、OADMノードを経由してブランチの中で1つのファイバ対に接続されるであろう。
【0022】
図2は、3つの光学バンドa、Bおよびcに沿ってトラフィックの起源を識別している。例えば、a
S、B
Sおよびc
Sは、バンドa、Bおよびcの上のトラフィックが、南ブランチ局270を起源としていることを示している。バンドa
W、B
W、c
Wは、バンドa、Bおよびcの上のトラフィックが、西トランク局260を起源としていることを示している。同様に、a
E、B
E、c
Eは、バンドa、Bおよびcの上のトラフィックが、東トランク局265を起源としていることを示しているなどである。
【0023】
一実施形態においては、OADMノード200は、様々な局の間のトラフィックのフローを制御するために使用される1つまたは複数のフィルタを含むことができる。各フィルタは、1つまたは複数の光学バンドをブロックし、または抑制することができる1つまたは複数のフィルタ・デバイスを含むことができる。例えば、フィルタ(a)255を使用して、東トランク局265を起源とするa−バンドを抑制することができる。同様に、フィルタ(c)250は、東トランク局265を起源とするc−バンド・トラフィックを抑制することができる。フィルタ(c、a)235を使用して、cバンドとaバンドとの両方を抑制することができるなどである。フィルタ225、230、235、240、245、250および255は、トランクに沿った単一のファイバ対205、210およびブランチに沿った単一のファイバ対215、220を使用して、西トランク局260、東トランク局265、および南ブランチ局270の間の接続性を提供するように構成されていることもある。例えば、フィルタ225、230、235、240、245、250および255は、a−バンドが、西トランク260と南ブランチ270の間のトラフィックのために確保されることもあり、B−バンドが、西トランク260と東トランク265の間のトラフィックのために確保されることもあり、またc−バンドが、トランク−東リンクと南−ブランチ・リンクの間のトラフィックのために確保されることもあるように、接続性を提供するように構成されていることもある。例示のフィルタ構成が、
図2の内部に示されているが、しかしながら、代替的なフィルタ構成が、使用され得ることを理解することができる。実施形態は、この例によって制限されるものではない。
【0024】
一実施形態においては、フィルタ225および250は、両方ともに、Cバンドを拒絶し、また例えば、ファイバ・ブラッグ格子、干渉フィルタなど、同じ設計を有することができる。フィルタ230、240および245はまた、フィルタ225および250の設計と同じまたは、その設計とは異なる可能性がある同じ設計を有することもできる。しかしながら、実施形態は、この例によって制限されるものではなく、また代替的なフィルタ構成を使用して、様々なケーブル局の間でトラフィックのフローを制御することもできる。
【0025】
一実施形態においては、OADMノード200は、障害の場合に使用され得る3つのスイッチを含むことができる。障害は、例えば、システムが局の内部でダウンすること、停電すること、またはケーブルが切断されることによって引き起こされる可能性がある。使用されるバイパス・スイッチの数は、1つまたは複数のトランク局またはブランチ局によってサポートされるバンドの数に対応する可能性がある。より多くのスイッチ、またはより少ないスイッチが、使用されることもある。一実施形態においては、結果として障害をもたらすファイバ・ケーブルの切断が、西トランク260において起こる場合、スイッチIW 275を使用して、バンドB
Eをその起源に向かって、またファイバ215に向かって回復させるようにフィルタ230をバイパスすることができ、その結果、東トランク局265の中の受信されたスペクトルは、a
S、B
Eおよびc
Sになり、またそれゆえに南ブランチ局270と東トランク局265の間でc−バンドにおいて搬送される双方向トラフィックは、維持される可能性がある。B
Eの中の電力は、障害が、西トランク260において起こった後でさえも、受信局からローカルに直接に調整されて、光学バンドの間の相対電力を維持することができる。同様に、スイッチIS 280を使用して、南ブランチ局270におけるケーブル障害の場合に、フィルタ235をバイパスすることができる。スイッチIE 285を使用して、東トランク265の中のケーブル障害の場合にフィルタ240をバイパスし、またその起源に向かってバンドB
Wを回復させ、その結果、西トランク局260の中の受信されたスペクトルは、a
S、B
Wおよびc
Sになり、またB
Wにおける電力は、障害が、東トランク265において起こった後でさえも、西トランク局260の受信部分からローカルに調整されて、光学バンドの間の相対電力を維持することができる。スイッチ275、280および285の利用により、OADMノード200が、ファイバ対ごとにすべての3つのバンドa、Bおよびcをロードし続けることができるようになる。実施形態は、この例によって制限されるものではない。
【0026】
図3は、OADMノード310を使用して、低減されたバンド幅のレガシー・システム345をより高いバンド幅の新しいシステム350および355と接続する光ファイバ通信システム300を示すものである。例えば、システム345などのレガシー・システムは、より低いバンド幅をサポートすることができ、2つの光学バンドaおよびBだけをサポートしている。システム350や355など、より新しいシステムは、4つの光学バンドa、B、cおよびdを含むより高いバンド幅をサポートすることができる。一実施形態においては、対称OADMノード310は、トランクに沿って、西トランク局320を含むレガシー・システムと、レガシー光学バンドをサポートし、また追加の光学バンドを含む東トランク局330を含むより新しいシステムの間に配置されることもある。南ブランチ局340などのブランチは、東トランク局330と同じバンドをサポートすることができる。
【0027】
光ファイバ通信システム300は、対称OADMノード310を含むことができ、この対称OADMノードは、トランクおよびブランチに沿った同じ数のファイバ対を使用して西トランク局320、東トランク局330、および南ブランチ局340の間の接続性を可能にする。例えば、西トランク局320と東トランク局330の間のトランク・リンクは、2つのセグメント315および325の形で示される単一のファイバ対を含んでいる。同様に、南ブランチ局340は、単一のファイバ対335を使用してトランクに接続される。
【0028】
図3の内部に示されるように、a−バンドを使用して、西−南リンクの上で通信することができ、B−バンドを使用して、西−東リンクの上で通信することができ、またcバンドおよびdバンドを使用して、東−南リンクの上で通信することができる。南ブランチ局340は、B−バンドに含まれる波長をローディング波長として使用することができる。東トランク局330は、a−バンドの中の波長をローディング波長として使用して、ファイバ対325の上で一様なローディングを達成し、またこのようにして対象とされた宛先のためにトラフィックを搬送する他の3つのバンドB、cおよびdにおける波長について電力のより効果的な制御を達成することができる。同様に、南ブランチ局340は、B−バンドの中の波長をローディング波長として使用して、ファイバ対335の上の一様なローディングを達成し、またこのようにして対象とされた宛先のためにトラフィックを搬送する他の3つのバンドa、cおよびdにおける波長についての電力のより効果的な制御を達成することができる。この例においては、レガシー・システムのバンドは、100%の効率で使用される。実施形態は、この例によって制限されるものではない。
【0029】
図4は、1つまたは複数のより新しい、より高いバンド幅のシステムとレガシー・システムを接続するために使用され得るOADMノード410を使用した例示の光ファイバ通信システム400を示すものである。OADMノード410は、例えば、カプラ/スプリッタ418など、1つまたは複数のカプラまたはスプリッタを含むことができる。カプラ/スプリッタ418は、ファイバ・ケーブルに沿ったトラフィックが、結合され、または分割され得るように、1つまたは複数のカプラまたは分割デバイスを含むことができる。OADMノード410は、様々な局の間でトラフィックのフローを制御するために使用される複数のフィルタをさらに含むことができる。例えば、フィルタ412を使用して、東トランク局430を起源とするA−バンドを抑制することができる。フィルタ414および416を使用して、北ブランチ局440において送信モジュール444および446を起源とするB−バンドを抑制することができる。
【0030】
光ファイバ通信システム400は、西レガシー・トランク局420を含むことができ、この西レガシー・トランク局は、送信モジュール422と、受信モジュール424とを含む。西トランク局420は、限られた光学バンド幅のものとすることができ、例えば、2つの光学バンドだけをサポートしている。システム400は、さらに東トランク局430を含むことができ、この東トランク局は、ファイバ対435が、ファイバ対425よりも新しい可能性があり、このようにしてより高いバンド幅をサポートしているので、西トランク局420によってサポートされる2つのバンドとは対照的に、4つのバンドをサポートする。東トランク局は、送信モジュール434と、受信モジュール432とを含むことができる。西トランク局420と東トランク局430は、セグメント425および435によって表される単一のファイバ対を使用して接続されることもある。北ブランチ局440は、4つのバンドをサポートするより新しい、より高いバンド幅のシステムとすることができる。北ブランチ局は、2つのファイバ対445を使用してOADMノード410に接続されることもある。各ファイバ対は、北ブランチ局440の内部の送信モジュールおよび受信モジュールに関連づけられる。例えば、北ブランチ局440は、受信モジュール442と、送信モジュール444と、送信モジュール446と、受信モジュール448とを含むことができる。
【0031】
おのおのの送信モジュールおよび受信モジュールの内部の光学バンドが、送信され、または受信されるバンドを示すように符号化される。例えば、受信モジュール442の内部のA−バンドなどのストライプ・バンド(striped bands)は、アクティブな波長の上のデータ・トラフィックが、以下でラベル付けされる特定の方向に送信され、または受信されることを示している。モジュール442の内部のA−バンドの場合には、データ・トラフィックは、A−バンドの上で西トランク局420から北ブランチ局440へと搬送される。送信モジュール444のD−バンド、C−バンド、またはB−バンドなど、陰影付きのバンドは、ノイズ・ローディングまたは連続波(CW:continuous wave)トーンだけが、送信され、または受信されることを示している。受信モジュール442の内部のB−バンドなどのブランク・バンドは、バンドが、特定のモジュールを対象とするデータ・トラフィックを搬送することはないので、バンドが受信モジュールにおいてブロックされ得ることを示している。実施形態は、この例によって制限されるものではない。
【0032】
例証されるように、余分のファイバ対が、ブランチの内部で必要とされ、またそれらのファイバ対は、効率的に使用されることはない。例えば、A−バンドは、両方の方向に西−北リンクを介してトラフィックを搬送する。B−バンドは、両方の方向に西−東リンクを介してトラフィックを搬送する。C−バンドおよびD−バンドは、両方の方向に北−東リンクの上でトラフィックを搬送する。しかしながら、西局420が、C−バンドおよびD−バンドをサポートしないので、C−バンドおよびD−バンドは、西−東リンクの上でトラフィックを搬送することはできない。西局420からの使用可能なバンドは、分割されて、西トランク局420と北ブランチ局440および東トランク局430の両方の間の接続性を可能にする必要がある。さらに、北ブランチ局440のファイバ対445は、高いバンド幅でありながら、限られた数のバンドの上でトラフィックを搬送することができるだけである。例えば、モジュール442および444に接続されたファイバ対は、A−バンドの上で北局440へと/からデータ・トラフィックを搬送することができるだけであり、またモジュール446および448に接続された他のファイバ対は、C−バンドとD−バンドとの上で北局440へと/からデータ・トラフィックを搬送することができるだけである。これは、高いバンド幅のファイバ対445の非効率的な使用である。例証されるように、それは、2つのファイバ対445を獲得して、北ブランチ局420と、西トランク局420および東トランク局430の両方の間の接続性を達成している。
【0033】
図5は、対称OADMノード510を含む光ファイバ通信システム500の一実施形態を示すものであり、この対称OADMノードを使用して、レガシー・システムと1つまたは複数のより新しい、より高い光学バンド幅のシステムを接続することができる。
図5において示されるシステム500およびOADMノード510は、ある種のトポロジにおける限られた数の要素を有するが、システム500およびOADMノード510は、与えられた実装形態のために望ましいような代替的なトポロジにおけるより多くの要素、またはより少ない要素を含むことができることを理解することができる。一実施形態においては、単一のファイバ対545だけが、北ブランチ局540の内部に、またトランクの中のファイバ対ごとに、北ブランチ局540とOADMノード510の間に必要とされる。このようにして、より高いファイバ・スペクトル効率およびすべての3つの局の間の接続性を提供するように、対称的な数のファイバ対が、利用される。一実施形態においては、北ブランチ局540は、それが、トランクの中でファイバ対当たりに単一のファイバ対を必要とするだけなので、より効率的に使用される。このために、エルビウムをドープしたファイバ増幅器(EFDA:erbium−doped fiber amplifiers)やポンプ・レーザなど、より少ないエレクトロニクスが、北ブランチ局540をファイバ対545を経由してOADMノード510に接続するセグメントに沿って必要である。北局の内部のファイバ対545は、3つの光学バンドA、CおよびDのうちのおのおのが、データ・トラフィックを搬送することになるので、より効率的に使用される。B−バンドは、トランクに沿った西−東の接続性のために使用されることもある。さらに、第2のファイバ対が、北局の内部に、また北局とOADMノード510の間に含まれることになっていた場合、それを利用して、対称OADMノード510と同様に追加の対称OADMノードを使用して追加のトラフィックの北−西および北−東を搬送することができる。
【0034】
光ファイバ通信システム500は、西トランク局520を含むことができ、この西トランク局は、送信モジュール522と、受信モジュール524とを含んでいる。西トランク局520は、ファイバ対セグメント525の上でOADMノード510とインターフェースすることができる。西トランク局520は、2つのバンド、AおよびBだけをサポートするレガシー・システムとすることができる。
【0035】
システム500は、東トランク局530をさらに含むことができ、この東トランク局は、受信モジュール532と、送信モジュール534とを含むことができる。東トランク局530は、ファイバ対セグメント535の上でOADMノード510とインターフェースすることができる。ファイバ対セグメント525および535は、同じファイバ対のセグメントとすることができる。東トランク局530は、西トランク局520などのレガシー・システムよりも高いバンド幅をサポートすることができる、より新しい、より高い光学バンド幅のシステムとすることができる。東トランク局530は、例えば、4つの光学バンド、A、B、CおよびDをサポートすることができる。東トランク局530によってサポートされる4つのバンドは、西トランク局520によってサポートされるバンドを含むことができる。
【0036】
システム500は、北ブランチ局540を含むことができ、この北ブランチ局は、受信モジュール542と、送信モジュール544とを含むことができる。北ブランチ局540は、ファイバ対545を介してOADMノード510とインターフェースすることができる。北ブランチ局540は、西トランク局520よりも高いバンド幅をサポートすることができる、より新しい、より高い光学バンド幅のシステムとすることができる。北ブランチ局540は、例えば、4つのバンド、A、B、CおよびDをサポートすることができる。北ブランチ局540によってサポートされる4つのバンドは、東トランク局530によってサポートされるものと同じバンドとすることができ、また西トランク局520によってサポートされるバンドを含むことができる。
【0037】
おのおのの送信モジュールおよび受信モジュールの内部のバンドは、送信され、または受信されるバンドを示すように符号化される。例えば、受信モジュール542の内部のA−バンドなどのストライプ・バンドは、データ・トラフィックが、以下でラベル付けされる特定の方向に送信され、または受信されることを示している。モジュール542の内部のA−バンドの場合には、データ・トラフィックは、A−バンドの上で西トランク局520から北ブランチ局540へと搬送される。送信モジュール544のB−バンドなど、陰影付きのバンドは、ノイズ・ローディングまたは連続波(CW)トーンだけが、送信され、または受信されることを示している。受信モジュール542の内部のB−バンドなどのブランク・バンドは、バンドが、特定のモジュールを対象とするデータ・トラフィックを搬送することはないので、バンドが、受信モジュールにおいてブロックされ得ることを示している。実施形態は、この例によって制限されるものではない。
【0038】
一実施形態においては、OADMノード510は、例えば、カプラ/スプリッタ521など、1つまたは複数のカプラまたはスプリッタを含むことができる。カプラ/スプリッタ521は、ファイバ・ケーブルに沿ったトラフィックが結合され、または分割され得るように、1つまたは複数のカプラまたは分割デバイスを含むことができる。OADMノード510は、西トランク局520と東トランク局530の間でトラフィックを搬送するために、ファイバ対525、535に接続されるように構成されたインターフェースを含むことができる。OADMノード510は、西トランク局520と北ブランチ局540の間で、また東トランク局530と北ブランチ局540の間でトラフィックを搬送するために、ファイバ対545に接続されるように構成されたインターフェースをさらに含むことができる。
【0039】
一実施形態においては、OADMノード510は、様々な局の間でトラフィックのフローを制御するために使用される1つまたは複数のフィルタを含むことができる。各フィルタは、1つまたは複数の光学バンドをブロックし、または抑制することができる1つまたは複数のフィルタ・デバイスを含むことができる。例えば、フィルタ(A)511を使用して、東トランク局530を起源とするA−バンドを抑制することができる。同様に、フィルタ(B)519は、北ブランチ局540を起源とするB−バンド・トラフィックを抑制することができる。フィルタ(A、B)513を使用して、Aバンドと、Bバンドとの両方を抑制することができ、またその他いろいろである。フィルタ511、513、515、517および519は、トランクに沿った単一のファイバ対525、535およびブランチに沿った単一のファイバ対545を使用して、西トランク局520、東トランク局530、北ブランチ局540のうちの2つの局の各組合せの間で接続性を提供するように構成されていることもある。例えば、フィルタ511、513、515、517および519は、D−バンドが、東トランク局530と北ブランチ局540の間のデータ・トラフィックのために確保されることもあり、A−バンドが、北ブランチ局540と西トランク局520の間のデータ・トラフィックのために確保されることもあり、B−バンドが、西トランク局520と東トランク局530の間のデータ・トラフィックのために確保されることもあり、またC−バンドが、北ブランチ局540と東トランク局530の間のデータ・トラフィックのために確保されることもあるように、接続性を提供するように構成されていることもある。例示のフィルタ構成は、
図5の内部に示されるが、しかしながら、代替的なフィルタ構成が、使用され得ることを理解することもできる。実施形態は、この例によって制限されるものではない。
【0040】
一実施形態においては、
図2の内部に示されるバイパス・スイッチなど、一連のバイパス・スイッチをOADMノード510の内部で使用して、トラフィックが、ネットワークの内部の1つまたは複数の障害中に存続することになることを保証することができる。1つまたは複数のバイパス・スイッチは、フィルタ511、513、515、517または519のうちのどれかをバイパスするようにOADMノード510の内部に含められることもある。さらに、使用されるバイパス・スイッチの数は、1つまたは複数のトランク局またはブランチ局によってサポートされるバンドの数に対応することができる。
【0041】
開示されたアーキテクチャの新規の態様を実行するための例示の方法を表現する1組のフロー・チャートが、本明細書において含められる。説明を簡単にする目的のために、例えば、フロー・チャートまたは流れ図の形式で、本明細書において示される1つまたは複数の方法は、一連の動作として、示され、また説明されるが、本方法は、いくつかの動作が、それに従って、本明細書において示され、また説明される順序とは異なる順序で、かつ/または他の動作と同時に起こり得るので、動作の順序によって限定されないことを理解し、また認識すべきである。例えば、当業者なら、方法は、代わりに、状態図におけるなど一連の相互に関連した状態またはイベントとして表される可能性があることを理解し、認識するであろう。さらに、方法の中で示される必ずしもすべての動作が、新規の実装形態のために必要とされるとは限らないこともある。
【0042】
図6は、論理フロー600の一実施形態を示すものである。論理フロー600は、本明細書において説明される1つまたは複数の実施形態によって実行されるオペレーションのうちの一部または全部を表現することができる。ブロック610は、論理フロー600を開始する。ブロック620において、論理フロー600は、第1のファイバ対の上で第1のトランク局からOADMノードにおいて第1の通信を受信する。例えば、
図2または
図5の内部で示されるOADMノードなどの対称OADMノードは、例えば、西トランク局260または西トランク局520などのトランク局からデータ通信を受信することができる。
【0043】
ブロック630において、論理フロー600は、第1のファイバ対の上で第2のトランク局からOADMノードにおいて第2の通信を受信することができる。例えば、
図2または
図5の内部に示されるOADMノードなどの対称OADMノードは、例えば、東トランク局265または東トランク局530などのトランク局からデータ通信を受信することができる。
【0044】
ブロック640において、論理フロー600は、第2のファイバ対の上で第1の通信および第2の通信をブランチ局に対してルーティングすることができる。例えば、
図2または
図5の内部に示されるOADMノードなど対称OADMノードは、複数のフィルタを使用して、第2の単一のファイバ対の上で2つの異なるトランク局から、南ブランチ局270または北ブランチ局540などのブランチ局へと双方向通信をルーティングすることができる。対称OADMノードはまた、南ブランチ局270または北ブランチ局540などのブランチ局から2つの異なるトランク局への双方向通信を可能にもする。各フィルタは、1つまたは複数の光学バンドをブロックし、または抑制することができる1つまたは複数のフィルタ・デバイスを含むことができる。
【0045】
一実施形態においては、
図2の内部に示されるバイパス・スイッチなど、一連のバイパス・スイッチをOADMノードの内部で使用して、トラフィックが、ネットワークの内部の1つまたは複数の障害中に存続することになることを保証することができる。さらに、使用されるバイパス・スイッチの数は、1つまたは複数のトランク局またはブランチ局によってサポートされるバンドの数に対応することができる。
【0046】
いくつかの実施形態は、表現「結合される」と「接続される」とをそれらの派生語と一緒に使用して説明されることもある。これらの用語は、必ずしも互いに同義語として意図されるものとは限らない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が、互いに直接に、物理的に接触しており、または電気的に接触していることを示すために、用語「接続される」および/または「結合される」を使用して説明されることもある。しかしながら、用語「結合される」はまた、2つ以上の要素が、互いに直接に接触してはいないが、それにもかかわらず依然として互いに協力し、または相互作用することを意味することもできる。
【0047】
本開示の要約は、読者が、技術の開示の本質を迅速に確認することを可能にするように提供されることを強調しておきたい。要約は、それを使用して、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈し、または限定することにはならないという理解とともに提出される。さらに、上記の詳細な説明においては、様々な特徴が、本開示を簡素化して効率を上げる目的のために、単一の実施形態の形で一緒にグループ分けされることが、分かる。開示のこの方法は、特許請求の範囲の実施形態が、各請求項において明示的に列挙されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するように解釈されるべきではない。もっと正確に言えば、下記の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態についてのすべてよりも少ない特徴の中に存在している。したがって、下記の特許請求の範囲は、これによって詳細な説明に組み込まれており、各請求項は、別個の実施形態として自立している。添付の特許請求の範囲においては、用語「含んでいる(including)」および「その中に(in which)」は、それぞれの用語「備えている/含んでいる(comprising)」および「そこで(wherein)」のそれぞれ分かりやすい英語の相当語として使用される。さらに、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、単にラベルとして使用されているにすぎず、またそれらのオブジェクトに数的な必要条件を課すことを意図してはいない。
【0048】
上記で説明されているものは、開示されたアーキテクチャの例を含んでいる。もちろん、構成要素および/または方法のあらゆる考えられる組合せについて説明することは、可能ではないが、当業者なら、多数のさらなる組合せと置換とが可能であることを認識することができる。したがって、新規のアーキテクチャは、添付の特許請求の範囲の精神および範囲に含まれるすべてのそのような変更形態、修正形態および変形形態を包含することを意図している。