(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095656
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 30/18 20060101AFI20170306BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
B65D30/18 B
B65D33/25 A
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-517497(P2014-517497)
(86)(22)【出願日】2012年6月20日
(65)【公表番号】特表2014-522784(P2014-522784A)
(43)【公表日】2014年9月8日
(86)【国際出願番号】EP2012002591
(87)【国際公開番号】WO2013004348
(87)【国際公開日】20130110
【審査請求日】2015年3月11日
(31)【優先権主張番号】202011102943.7
(32)【優先日】2011年7月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514005102
【氏名又は名称】ビショフ プルス クライン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bischof + Klein GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ペーター シュトリュッベ
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ ハイマール
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ヴェーディ
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−153849(JP,A)
【文献】
国際公開第03/051730(WO,A1)
【文献】
特開2003−128091(JP,A)
【文献】
特開2004−238005(JP,A)
【文献】
特開2008−087858(JP,A)
【文献】
特開平10−059385(JP,A)
【文献】
特開2000−334861(JP,A)
【文献】
特表2011−516304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/18
B65D 33/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片側で封止可能なフィルム材料から成る、ばら状のまたは流動性の物品のための包装容器(1,24,32,38)であって、該包装容器(1,24,32,38)が、長手方向縁部(6,7,8,9)もしくは横方向縁部(10,11,12,13,14,15,16)で互いに隣接した、互いに向かい合って位置する一つ置きの方形の主壁(2,3,25,33,40,41)、側壁(4)ならびに端壁(5,31,34)でもって直方体形状に充填可能であり、空の状態では、V字形に折り込まれる側壁および端壁でもって平らに折畳み可能であり、包装容器(1,24,32,38)が、さらに、再封装置(18,27,37,39)を備えたスリット状の取出し開口と、充填後に封止される充填開口(28,35)とを有している包装容器において、主壁(2,3)、側壁(4)および端壁(5)が、互いに対を成して向かい合って位置する面に位置しており、該面が、縁側で専ら縁部において封止シームによって結合されており、取出し開口が、複数の長手方向縁部(6,7,8,9)のうちの1つの長手方向縁部に沿って延びており、
再封装置(18,27,37,39)が、2つの再封条片を有しており、両再封条片が、初めての開封時に不可逆的に切り開かれる結合部を介して閉鎖されており、
注入開口(28,35)が、複数の横方向縁部のうちの1つの横方向縁部に配置されていることを特徴とする、包装容器。
【請求項2】
再封装置(18,27,37,39)が、互いに内外で係止される異形ストリップを備えた2つの再封条片を有している、請求項1記載の包装容器。
【請求項3】
両再封条片が、長手方向可動のスライダ(18a)によって結合されるかもしくは分離されるようになっている、請求項2記載の包装容器。
【請求項4】
再封条片が、初めて開封するまで互いに一体に移行している封止可能な接続タグを備えている、請求項1から3までのいずれか1項記載の包装容器。
【請求項5】
包装容器が、該包装容器と共に平らに折畳み可能な少なくとも1つのグリップ(19)を備えている、請求項1から4までのいずれか1項記載の包装容器。
【請求項6】
グリップ(19)が、フィルムから形成されたストリップ(20)として、主壁、側壁または端壁のうちの1つの壁に平らに載置した状態で固定されている、請求項5記載の包装容器。
【請求項7】
グリップ(19)が、長手方向縁部(6,7,8,9)に対して平行に方向調整されて再封装置(18)から間隔を置いて、主壁(2,3)または側壁(4)のうちの1つの壁に配置されている、請求項5または6記載の包装容器。
【請求項8】
包装容器が、主壁(2)と側壁(4)とを有するチューブ状のフィルムエレメントから形成されており、該フィルムエレメントの開放端横断面が、端壁(5)によって縁部シームを介して閉鎖されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の包装容器。
【請求項9】
包装容器が、互いに重なり合って位置する主壁(2,3)でもって平らに折り畳まれた状態で、V字形に内方に折り込まれている側壁(4)および端壁(5)を有しており、該側壁(4)および該端壁(5)が、主壁(2,3)の角隅の裏側で互いに折り重ねられていて、選択的に、側壁(4)または端壁(5)が、縁部にまでV字形に延びているものの、隣接した側壁(4)または端壁(5)は、三角形に重なるように裏折りされている、請求項1から8までのいずれか1項記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の包装容器に関する。
【0002】
このような包装容器は、横ガゼット袋または底ガゼット袋として広く普及しており、スペース、体積およびコストに関して少ない包装消費を提供しているだけでなく、十分に向上させられた機械処理量で効率よく製造し、充填し、閉鎖することもできる。しかしながら、(充填された)包装品の貯蔵、出荷および商品展示のために一般的に所望される直方体形状は、従来慣用の包装品の場合には、粗雑にしか形成することができない。なぜならば、直方体形状が、前提条件として、達成しがたい完全な充填を要求しており、流動性の包装物品の場合には、全体的に僅かに変形が生じてしまうからである。従来のように、包装品が、取出し開口の形成のために、場合によっては横ガゼットも集合している一方の(上)端部で結合され、場合によっては、他方の端部でも、底側の中間の横方向シームが閉鎖部を形成している場合には、不十分な充填によって包装品の形状が変化してしまう傾向がある。この場合には、包装品が確実に起立(自立)できなくなってしまう。その上、取出しスリットが短く形成されていて、場合によっては、さらに、上側閉鎖部における横ガゼットによって妨げられる限り、再封装置を備えた取出し開口を介して包装品の内部へと良好にアクセスすることはできない。
【0003】
互いに反対の側に位置する端部において互いに集合して、中間シームまたは条片、特に底側シームもしくは上側条片を形成する両主壁の間に設けられた、ほぼ直方体状に展開可能であるものの、襠(まち)において終端する横ガゼット壁を備えた前述したような包装容器は、たとえば独国特許出願公開第102008011471号明細書、米国特許第6481183号明細書、米国特許第6874935号明細書、米国特許第7396163号明細書、米国特許出願公開第2006/0189467号明細書および特開平03−240650公報に基づき公知である。底ガゼット壁と、再封装置を備えて形成された上側条片とを備えた包装容器は、欧州特許出願公開第1266836号明細書から明らかである。ドイツ連邦共和国特許出願公開第10316065号明細書には、種々異なる包装容器に対する方法が説明されている。これらの包装容器は、1つの壁に、それぞれ2つの相並んで位置する襞(ひだ)を有している。これらの襞のうち、1つの襞が、閉鎖装置に接続された開度表示器を形成している。しかしながら、このことは、容器の形状に厄介で複雑な端部・移行領域を招いてしまう。
【0004】
本発明の課題は、ばら状のまたは流動性の物品の際に、より良好な充填度を可能にするばかりか、側壁または端壁で良好に起立可能であると共に、再封装置によって、可能な限り十分かつ快適に内部へアクセス可能な取出し開口を可能にする所望の直方体形状により良好に近づけられる包装容器を提供することである。
【0005】
この課題は、請求項1の上位概念部に記載の包装容器を起点として、請求項1の特徴部に記載の特徴によって解決される。
【0006】
前述した課題を解決するための主要なステップは、本発明によれば、取出し開口が、複数の長手方向縁部のうちの1つの長手方向縁部に沿って延びていることにある。従来では製造技術的に包装容器の上側閉鎖部に配置されていた取出し開口が、本発明では、複数の長手方向縁部のうちの1つの長手方向縁部に位置変更される。この長手方向縁部は、すでに縁部長さから、十分かつ快適に開放することもできるより大きなもしくはより長い注入開口/取出し開口を可能にする。また、包装容器のこの領域は、従来のような横ガゼット壁の結合部もしくは閉鎖部から難なく遠ざけることもでき、この限りにおいて、妨害されずに難なく通過することもできる。特に取出し開口を側縁部に位置変更して、容器壁の中間の領域から離して配置することによって、容器の互いに隣接し合った壁が、開放時にほぼ平らに曲げ拡げられ、これに相応して、ほとんど場所をとらなくなる。このことは、それほど異なっていない縁部長さを備えた直方体形状の包装容器を、たとえば立方体形状により十分に近づけたい場合にも当てはまる。また、側縁部への取出し開口の位置変更により達成される自由な構成可能性によって、包装容器へのより良好な充填が、より正確な直方体形状と、1つの側壁または1つの端壁での起立可能性とに対する利点を伴って可能となる。
【0007】
このためには、本発明において1つの長手方向縁部に「沿って」延びる取出し開口が、当該長手方向縁部に正確に対称的に設けられている必要はない。それどころか、再封装置の構造形態によって、この再封装置を一方または他方の壁(主壁または側壁)に直接隣接させて設けることが可能となる。
【0008】
好ましくは、再封装置が、2つの再封条片を備えて形成されている。両再封条片は、初めての開封時に不可逆的に切り開かれる結合部を有している。これは、包装品の販売において十分にかつ市販の再封装置でも提供されている、販売における「新品保証」および無傷での納品の利点を有している。さらに、こうして、再封条片を、特に出荷および販売において包装容器に特別に負荷がかけられた際の破断に対して付加的に防護することができる。互いに係止される異形ストリップと、場合によっては長手方向可動のスライダとを用いて開閉することができる、たとえば2つの再封条片を備えた再封装置は、両再封条片の間の分離可能な結合部によって安全確保することができ、密封することができる。しかし、初めて開封するまで、再封条片は、引剥し可能な(除去可能な)可能なフィルムウェブを介して互いに結合されてもよい。このフィルムウェブによって、道具なしでの初めての開封が可能となる。
【0009】
空の、ひいては、これから初めて充填される包装袋は、好適には、充填後に閉鎖される広幅の注入開口を備えていてよい。本発明によれば、この注入開口は、従来のように、取出し開口にじかに並んで再封装置に隣接して設けられているのではなく、より良好に別の長手方向縁部のうちの1つに沿って延びているかまたは横方向縁部のうちの1つに延びている。これによって、充填後に初めて、たとえば封止シームによって閉鎖される注入開口を、取出し開口および再封装置と関係なく広幅かつ良好にアクセス可能に形成することができる。これによって、快適な充填だけでなく、高い充填度も可能となる。この充填度は、従来の10%〜15%の代わりに、5%を大幅に下回る残存容積にまで改善することができる。機械的な充填の状況に応じて、注入開口を、まず、充填後に分離・封止シームによって快適に閉鎖しかつ切り離すことができる張り出した注入管片によって形成することが有利である。このような注入管片は、たとえば隣接し合った壁の余剰のフィルム領域によって形成することができる。このフィルム領域は、互いに接触し合うストリップとして引き出されていて、縁側で互いに結合されて、チューブ形状を形成している。
【0010】
特に本発明において考えられているような包装容器が、大きな嵩により「手で扱える」寸法を上回っている限り、本発明に係る包装容器は、好適には、少なくとも1つのグリップを備えていてよい。このグリップは、有利には包装容器と共に平らに折畳み可能である。このようなグリップは、充填された包装容器を家に持ち運ぶ際の購入者側の取扱いのために有利となるだけでなく、開放時にグリップを介して取出し開口の一方の側を引き上げるためにも有利となる。グリップは、フィルムから形成されたストリップであってよい。このストリップは、1つの壁に平らに載置した状態で固定されている。引上げのために、グリップは、再封装置から設定された間隔を置いて1つの壁に配置されていてよい。
【0011】
従来では確かに簡単に形成することができたものの、特に充填された状態では不利であった、上部および場合によっては底部における中間の横方向封止部もしくは横方向シームによる構造を回避するために、本発明に係る包装容器は、厳密に幾何学的な構造を獲得することができる。この構造では、封止シームが全体的に壁の間の縁部でしか延びていない。このことは、適切かつ十分な充填によって最初には獲得することができない本来設定された直方体形状を提供する。好ましくは、たとえばチューブ状に押出し成形されるブローフィルムによるチューブ形状、しかし、より一般的には、1つの長手方向シームによってチューブに成形されるフラットフィルムから成るチューブ形状が形成される。このチューブ形状の開放端横断面は、直方体形状に相応の相互間隔を置いて位置していて、端壁によって全辺の縁部シームを介して閉鎖される。
【0012】
チューブのための長手方向シームは、有利には、縁部に設けることができる。しかし、チューブ形状は、個々の壁、たとえば主壁および側壁が、長手方向縁部を形成する4つのサイドシームによって互いに封止されることによっても得ることができる。長手方向シームは、縁部を補強して直方体形状を形成することに貢献している。
【0013】
前述した包装容器はその特別な利点を、改善された充填度と、より正確な直方体形状とが特に有利に適用されるより大きな容器において示している。この容器は、包装体積に関して減じられた材料消費で形成することができ、極めて低損失のスペース消費で運搬しかつ貯蔵することができ、特に販売展示の際には、1つの側壁で起立(「横置き型」)させるかまたは1つの端壁で起立(「縦置き型」)させて、主壁を購入者に向けることによって、有効に販売棚に展示することができる。提供された展示スペース、たとえば販売棚の奥行きは、包装品が相前後して位置していることによって利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】充填された状態における本発明に係る包装容器の斜視図である。
【
図2】充填されていて、取出し開口において開放された
図1に示した包装容器を裏側から見た図である。
【
図3】折り畳まれた状態における第2の実施の形態に係る包装容器を示す図である。
【
図4】充填のために展開された状態における
図3に示した包装容器の斜視図である。
【
図5】折り畳まれた状態における別の包装容器の斜視図である。
【
図6】充填のために展開された状態における
図5に示した包装容器の斜視図である。
【0015】
本発明の対象に対する4つの実施の形態を図面に示し、以下に詳しく説明する。
【0016】
図1に全体を符号1で示した包装容器は、図面によれば(かつ実際の使用にも近づけられて)、直方体形状を有している。この直方体形状は、互いに向かい合って位置する3対の直方体面を備えている。これらの直方体面は、典型的には、対ごとに異なるサイズで形成されている。包装容器1はフィルム材料から製造されている。このフィルム材料は、少なくとも内側で封止可能である、すなわち、封止可能なプラスチック材料を少なくとも内側に有している。フィルム材料は全体的に一様であってよいものの、プラスチック材料または金属材料から成る積層体を有していてもよく、これによって、耐湿性、蒸気透過性、保香性、引裂き強さ等に関して包装に課せられる種々異なる要求が満たされている。
【0017】
組み合わされて直方体形状を形成する壁を、サイズに応じて、主壁2,3、側壁4および端壁5と呼ぶことにする。主壁2,3と側壁4とは、それぞれ長手方向縁部6,7,8,9によって互いに画定されている。この長手方向縁部6,7,8,9は、一様に直方体の最長の縁部も成している。端壁5を取り囲む残りの縁部は、2種類の長さに分けることができるとしても、ひとまとめにして横方向縁部として図面に符号10,11,12,13,14,15,16で示してある。
【0018】
図1では、さらに、側壁4および端壁5に一点鎖線17が、一部では、主面2,3に対して平行に記入してあり、一部では、角隅から斜めに面内方に延びるように記入してある。一点鎖線17は、単に、包装容器1が、V字形に折り込まれた側壁4および端壁5と、平坦に重なり合って位置する主壁2,3とを備えて平らに(発送準備された状態に)折り畳まれている場合の折り線もしくは折り目である。主壁2,3に対して平行に延びる中間線は、本来の折り線を表している。斜めに延びる線は、角隅領域でのV字折りが一方の面でしか縁部にまで実施することができないのに対して、他方の面の折りは三角形の裏折り部を介して適合されなければならないことを示している。
【0019】
しかし、図示の包装容器1は全体的に中間シームを有していない。この中間シームは、製造技術に起因して、従来の横ガゼット袋または底ガゼット袋では一般的であり、主面と側面とを組み合わせて直方体形状に対する唯一のシームを形成する場合に不利な移行部を提供する。本実施の形態では、方形の壁を成すフィルム片が、全ての長手方向縁部および横方向縁部に沿って延びる封止シームを介して互いに結合されている。
【0020】
当然ながら、確かに、直方体形状は、たとえばフィルム片によって形成することもできる。このフィルム片は、主面2,3と側面4とを一体に形成していて、1つの長手方向縁部、たとえば長手方向縁部6でのみ結合されて、チューブ形状を形成し、その後、開いたチューブ端部が端壁5によって閉鎖される。しかし、手間のかかる図示の実施の形態では、確かに、製造技術的に場合により節約すべき長手方向縁部シームが、長手方向縁部を目立たせ、補強していて、これによって、直方体形状をより良好に形成するという利点も有している。
【0021】
長手方向縁部6は、完全にまたは少なくとも十分に再封装置18によって開放することができる。この限りにおいて、主壁3と側壁4との間には、封止シームの代わりに、再封装置18が封着されている。1つの長手方向縁部、本実施の形態では長手方向縁部6に沿った再封装置18の配置は、大きな開放が可能であり、取出しの際、大きな面積が得られるように、隣接し合った壁を互いに離れる方向に運動させることができ、取出し開口を通しての流出の際、隣り合った壁の内面によって滑り面が形成されているという一般的な利点を有している。
【0022】
さらに、側壁4のほぼ中心にグリップ19が配置されている。このグリップ19によって、特に大きな嵩の包装容器1の取扱いが可能になる。グリップ19を(一方の主壁2;3の代わりに)側壁4に配置することによって、側方にほとんど張り出さない持運び位置が達成される。グリップ19は、従来のように、たとえば国際公開第2005012122号に記載の1つの実施の形態により形成されていてよい。同号にて提供されている配置形態では、グリップ19が、中間における折り線のうちの1つの折り線上に平らに形成されているだけでなく、この折り線に沿って折畳み可能に形成されている。この構成は、中心において下側から把持可能な平らなグリップバンド20を有している。このグリップバンド20は端部に向かって支持プレート21に封着されている。この支持プレート21それ自体は、側壁4のより肉薄のフィルムにかかる負荷を移すために、さらに、封止フィルム22に固定されている。しかし、グリップ19は、(充填された)包装を搬送するためだけでなく、
図2に示したように、開放時の操作部としても役立つ。側壁4はグリップ19によって引き上げることができ、これによって、再封装置18の開放時に、包装品の充填物へのアクセス(到達)が可能となる。しかし、特に手による接触が回避されなければならない包装充填物の場合には、グリップ19を介しての開放と、道具(スプーン)23を用いての取出しとを行うことができる。
【0023】
再封装置18は、図示の形態では、フィルム包装において慣用の「スライダ」ファスナ、すなわち、長手方向で互いに内外に係止することができる2つの異形ストリップを備えた、既製品として入手可能なファスナとして形成されている。このスライダファスナでは、係止がスライダ18aによって付加的に容易になる。異形条片は、公知のように、プラスチックから成る接続タグ(図示せず)を備えている。この接続タグによって、異形条片は、フィルム包装品内に本実施の形態のように封着することができる。また、接続タグは互いに結合されてもいる。これによって、再封装置18は、スライダ18aの万が一の変位に関係なく閉鎖されていて、包装容器1の密封性、たとえば運搬時に包装容器1にかかる外圧に対して充填された状態も確保している。
【0024】
接続タグの結合部は、従来の形式で裂開することができるかまたは切り開くことができ、これによって、包装容器1の初めての開封を認識することも可能となる。再封条片もしくは接続タグを分離するための本発明における択一的な解決手段は、結合部を、引上げ可能(引剥し可能)なストリップの形で形成することにあり、これによって、分離の際に道具が不要となる。
【0025】
包装容器1は、特に正確な直方体形状によって、運搬スペース、貯蔵スペースおよび展示スペースの十分な利用に関する利点を有している。包装容器1は、たとえば、上側のグリップ19と、じかに認めることができる主面2とを備えた(所望の包装品形状を有する)
図1に示した位置で販売棚に起立させることができ、また、さらに、この棚の奥行きを利用するために、その背後に平行に位置する同様の別の包装品を覆い隠すこともできる。
【0026】
正確な直方体形状のためには、高度な充填が重要となる。しかしながら、この充填は、同時にまた、包装すべき製品量が設定されている場合には、最小限に抑えられた包装を再び招く。充填のためには、有利な注入開口を設けることができる。この注入開口は、迅速で機械的な充填のために十分に大きいことが望ましく、包装容器1の全ての角隅への充填物のアクセスを可能にする。
【0027】
図3には、折り畳まれた状態で別の包装容器24が示してある。この包装容器24には、長手方向縁部26と、この長手方向縁部26に設けられた再封装置27とを備えた主壁25が示してある。注入開口28が、本来の主壁25を越えて上方に張り出して、管片29を備えて形成されている。展開された状態における包装容器24の構成が
図4に示してある。この
図4では、主壁25に隣接して、側壁30と端壁31とが展開されている。本来の主壁25と端壁31とを越えて上方に張り出した管片29は、一方では、主壁25のフィルム材料の余剰分によって形成されていて、他方では、端壁31のフィルム材料の余剰分によって形成されている。両余剰分は長手方向縁部の延長部で封合されていて、ひいては、主壁25の全幅にわたって延びる注入開口28を提供している。これによって、包装容器24への、たとえば流動性の材料の快適かつ十分な充填が良好に可能となる。また、その際、この流動性の材料が充填される包装容器24は、さらに、端壁31が管片29から離れる方向に傾斜させられて、充填時に端壁31の下側も完全に充填されるように傾けられてもよい。充填後、管片部分29を、たとえば封止分離シームで切り離すことができる。その際には、注入開口28も閉鎖されている。
【0028】
図5および
図6には、包装容器24に対して僅かに変更された包装容器32が、折り畳まれた形(
図5参照)もしくは展開された形(
図6参照)で示してある。この包装容器32は、手前側の主壁33と、端壁34と、管片36に設けられた注入開口35とを備えている。この実施の形態ならびに包装容器24では、再封装置37が1つの長手方向縁部に配置されているのに対して、注入開口35は、たとえば、しばしば再封装置を備えた従来の横ガゼット袋のように直接再封装置に設けられているのではなく、別の面もしくは縁部に設けられている。包装容器24では、注入開口28が1つの横方向縁部に設けられていたのに対して、
図5および
図6に示した包装容器32の実施の形態では、注入開口35が注入管片36を含めて端壁34の中間に設けられている。この実施の形態でも、注入管片36は、隣接し合った壁、すなわち、この実施の形態では端壁34の張り出したフィルム材料によって製作されている。端壁34は、2つの半部から形成されており、両半部の間で、張り出したフィルム材料が結合されていて、縁側で封合されている。中間への管片36の配置は、特に包装容器を傾けずに行われる機械的な充填時に、上側の角隅領域のより良好な充填可能性のために役立つ。