(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095685
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】電気機械および電気機械ロータ
(51)【国際特許分類】
H02K 1/27 20060101AFI20170306BHJP
H02K 1/22 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
H02K1/27 501K
H02K1/27 501F
H02K1/22 A
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-544730(P2014-544730)
(86)(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公表番号】特表2015-500620(P2015-500620A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】US2012054183
(87)【国際公開番号】WO2013081703
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2015年6月10日
(31)【優先権主張番号】61/565,066
(32)【優先日】2011年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594075499
【氏名又は名称】アーベーベー・リサーチ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ABB RESEARCH LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ダレン ディー. トレメリング
【審査官】
田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−069677(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0255679(US,A1)
【文献】
特開2011−114893(JP,A)
【文献】
特開2006−158008(JP,A)
【文献】
特開平09−042266(JP,A)
【文献】
特開2000−134837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/22
H02K 1/27
H02K 15/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械ロータであって、
中空の非磁性の軸と、
ロータ上に磁極を形成するように配置された一対の永久磁石と、
該一対の永久磁石の間に配置され、かつ前記軸に固定された極鉄と、
一対の向き合った補極鉄と、を備え、前記極鉄は、前記一対の磁石のそれぞれを、前記一対の向き合った補極鉄の対応する1つに対して押し付けており、
前記極鉄は、前記磁石を前記軸に対して半径方向に保持し、前記一対の磁石のそれぞれは、前記一対の向き合った補極鉄のうち対応する1つの補極鉄を軸の外面に対して押し付けることを特徴とする、電気機械ロータ。
【請求項2】
前記軸は、繊維強化複合材の軸であり、
前記一対の永久磁石は、前記軸の周囲に周方向に配置された複数の永久磁石対を有し、
前記極鉄は、複数の極鉄を有し、各極鉄は、該複数の永久磁石対のうちの1つの永久磁石対の第1及び第2の永久磁石の間に配置されており、
前記一対の向き合った補極鉄は、複数の向き合った補極鉄対を有し、各極鉄は、前記永久磁石対のうちの1つの永久磁石対の第1及び第2の永久磁石を、前記向き合った補極鉄対のうちの1つの補極鉄対のそれぞれの第1及び第2の補極鉄に対して保持している、請求項1記載のロータ。
【請求項3】
前記極鉄および/または前記補極鉄の少なくとも一方は、積層された構造である、請求項1又は2記載のロータ。
【請求項4】
前記積層された構造は、少なくとも1つの軸方向に延びた部材によって支持された、軸方向に積層された層を含む、請求項3記載のロータ。
【請求項5】
前記軸は、中空の繊維強化複合材の軸であり、
前記一対の永久磁石は、前記ロータ上に前記磁極を形成するように配置された、一対の、斜めに向けられた永久磁石である、請求項1記載のロータ。
【請求項6】
前記永久磁石のそれぞれは、実質的に矩形の横断面を有し、前記軸の外面に対して斜めに向けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載のロータ。
【請求項7】
前記軸は、少なくとも部分的に繊維強化複合材料から製造されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のロータ。
【請求項8】
前記軸の少なくとも一部分は、少なくとも部分的に、実質的に円筒形のマンドレルに巻き付けられたフィラメントまたはテープである、請求項7記載のロータ。
【請求項9】
少なくとも1つの締結具を備え、前記軸は、内面および外面を有し、前記少なくとも1つの締結具は、前記軸の内面に対して当接し、前記極鉄を前記軸の外面に向かって押し付ける、請求項1から7までのいずれか1項記載のロータ。
【請求項10】
前記軸は、少なくとも部分的に、フィラメントまたはテープ巻付けプロセスによって製造された実質的に円筒形の中空の本体を有し、少なくとも1つの締結具は、前記内面から前記外面まで延びた孔を通って実質的に円筒状の中空の本体を貫通しており、前記孔は、前記フィラメントまたはテープ巻付けプロセスの間にマンドレルから延びたピンによって形成される、請求項9記載のロータ。
【請求項11】
少なくとも1つの支持部材を有し、前記少なくとも1つの締結具は、前記少なくとも1つの支持部材によって前記軸の内面に当接しており、前記少なくとも1つの支持部材を前記軸の内面に対して押し付けるように前記少なくとも1つの締結具は前記少なくとも1つの支持部材に当接している、請求項9または10記載のロータ。
【請求項12】
電気機械に組み付けられ、該電気機械は、ロータと、ステータ鉄および少なくとも1つのコイルを含むステータとを備える、請求項1から11までのいずれか1項記載のロータ。
【請求項13】
前記軸は、内面と、外面と、少なくとも1つの締結具とを有し、前記少なくとも1つの締結具は、前記軸の内面に対して当接し、前記極鉄を前記軸の外面に押し付けて、前記極鉄が前記一対の永久磁石を前記軸に対して半径方向に保持し、
前記一対の永久磁石は、対応する前記補極鉄の各々を前記軸の前記外面に押し付けて、前記補極鉄を前記軸に保持する、請求項1に記載のロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本願は、2011年11月30に出願された、“Electrical Machines and Electrical Machine Rotors”という名称の米国特許仮出願第61/565066号明細書の利益および優先権を主張する。上に特定した特許出願の完全な開示は、全ての目的のために参照によりここに組み込まれる。
【0002】
開示の分野
本開示は、電気機械、特に電気機械ロータに関する。
【0003】
背景
永久磁石電気機械およびそのためのロータの例は、米国特許第6452301号明細書、第6879075号明細書、第6967420号明細書および第7619342号明細書、米国特許出願公開第2006/0255679号明細書および第2008/0088193号明細書、国際公開第01/65663号、第2004/019467号、第2006/124704号、第2007/110282号、第2007/147922号および第2011/012131号、欧州特許出願公開第0955714号明細書、ならびに特開2006−158008号公報に開示されている。複合材の軸を備えた電気機械ロータの例は、米国特許第6072252号明細書および第7617582号明細書に開示されている。ここで引用されたこれらのおよび全ての他の刊行物の開示は、全ての目的のためにその全体が引用により組み込まれる。
【0004】
概要
幾つかの例では、電気機械ロータは、中空の非磁性の軸と、ロータに磁極を形成するために配置された一対の永久磁石と、極鉄と、一対の向き合った補極鉄と、を含んでよい。極鉄は、軸に固定された一対の永久磁石の間に配置されてもよく、一対の磁石のそれぞれを、一対の向き合った補極鉄のうちの対応する1つに対して押し付けてもよい。
【0005】
幾つかの例では、電気機械ロータは、繊維強化複合材の軸と、軸の周囲に周方向に配置された複数の永久磁石対と、複数の極鉄と、複数の向き合った補極鉄対と、を含んでよい。それぞれの極鉄は、複数の永久磁石対のうちの1つの永久磁石対の第1および第2の永久磁石の間に配置されていてもよく、永久磁石対のうちの1つの永久磁石対の第1および第2の永久磁石を、向き合った補極鉄対のうちの1つの補極鉄対のそれぞれの第1および第2の補極鉄に対して保持してもよい。
【0006】
幾つかの例では、電気機械ロータは、中空の繊維強化複合材の軸と、ロータに磁極を形成するために配置された一対の斜めに向きづけられた永久磁石と、磁石の対の間に配置された極鉄と、を含んでよい。極鉄は、磁石を軸に関して半径方向で保持してもよい。
【0007】
幾つかの例では、電気機械ロータは、ロータ本体と、少なくとも1つの中空の繊維強化複合材の軸と、を含んでよい。ロータ本体は、軸線に沿って端部まで延びていてもよい。中空の複合材の軸は、ロータ本体の端部に固定されてもよく、そこから軸線に沿って延びていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電気機械およびそのロータの非排他的な例示的な例の部分断面図である。
【
図2】
図1の電気機械などの、電気機械ロータ用の繊維強化複合材の軸の少なくとも一部に巻き付けられるフィラメントまたはテープに適したマンドレルの非排他的な例示的な例の部分断面図である。
【
図3】電気機械ロータの別の非排他的な例示的な例の長手方向の軸方向断面図である。
【
図4】軸が省略されて示された、
図3の電気機械ロータの長手方向の軸方向断面図である。
【
図5】電気機械ロータの別の非排他的な例示的な例の長手方向の軸方向断面図である。
【0009】
詳細な説明
電気機械の非排他的な例示的な例は、概して
図1において10で示されている。そうでないことが明示されない限り、電気機械10は、説明された、例示されたおよび/またはここに組み込まれた構造、構成部材、機能および/または変化態様のうちの少なくとも1つを含んでよいが、それらを含むことが要求されるわけではない。例示した例では、電気機械10は、電気機械ロータ12およびステータ14の非排他的な例示的な例を含む。ステータ14は、ステータ鉄16および少なくとも1つのコイル18を含む。
【0010】
電気機械ロータ12は、軸20と、ロータに磁極を形成するように配置された永久磁石22,24の少なくとも1つの対と、少なくとも1つの極鉄26と、向き合った補極鉄28,30の少なくとも1つの対と、を含む。幾つかの例では、電気機械ロータ12は、複数の極鉄および複数の向き合った補極鉄対とともに、軸の周囲に周方向に配置された複数の永久磁石対を含んでよい。理解されるように、軸の周囲に周方向に配置された複数の永久磁石対は、ロータに複数の磁極対を形成してもよい。
【0011】
図1に示したように、軸20は、内面36および外面38によって規定された壁部34を有する中空本体32を有してもよい。幾つかの例では、軸20は、非磁性であってもよい、繊維強化されていてもよいおよび/または少なくとも部分的に適切な複合材料から製造されていてもよい。例えば、軸は、少なくとも部分的に、適切なマトリックスに埋め込まれた複数の適切な強化繊維を含む繊維強化複合材料から製造された、繊維強化複合材の軸であってもよい。幾つかの例では、繊維強化複合材の軸は、実質的に完全に、適切な強化繊維が埋め込まれた適切なマトリックス材料を含む繊維強化複合材料から製造されていてもよい。幾つかの例では、繊維強化複合材の軸は、非磁性であってもよいあらゆる適切な材料から製造された軸を含んでよく、軸は、適切な強化繊維の1つ以上の層によって強化されており、この繊維は、適切なマトリックス材料に埋め込まれている。
【0012】
軸20用の適切な繊維の非排他的な例示的な例は、カーボン、アラミド(Kevlar
(R)など)、ガラス、ポリエステル、ポリエチレン(Spectra
(R)など)、石英、ホウ素、およびアルミニウム繊維を含む。特定のタイプの繊維、または複数の繊維タイプの組合せは、軸20が、高い強度また高い弾性率、および/または低い熱膨張率などの1つ以上の所望の材料特性を具備または提供するように選択されてもよい。幾つかの例では、軸20は、約350GPaよりも大きい弾性率、約450GPaよりも大きい弾性率またはさらに約500GPaよりも大きな弾性率を有するような、高弾性率、またはさらには超高弾性率の炭素繊維を用いて製造されてもよい。
【0013】
軸20の繊維強化複合材用の適切なマトリックス材料の非排他的な例示的な例は、エポキシおよびその他の架橋性ポリマ樹脂などの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含む無機高分子および有機重合体を含む。幾つかの例では、所望の機械的、熱的および/または電気的特性を提供するなどのために、1つ以上のフィラー材料がマトリックス材料に付加または含有されてもよい。例えば、窒化ホウ素または酸化アルミニウム粒子がマトリックス材料に付加または含有されてもよい。
【0014】
幾つかの例では、軸20の少なくとも一部は、実質的に円筒形の、中空の、繊維強化複合材本体32を形成するために、繊維の適切なフィラメントまたはテープを、実質的に円筒形であってもよい適切なマンドレルに巻き付けることによってフィラメントまたはテープによって製造されてもよい。フィラメントまたはテープの繊維は巻付けプロセスの間に樹脂で被覆されてもよい、またはフィラメントまたはテープは“プリプレグ”形式であってもよく、硬化されていないまたは部分的に硬化された樹脂によって予め含浸された繊維を備える。幾つかの例では、軸20の少なくとも一部は、マンドレルおよび/または前もってフィラメントまたはテープが巻き付けられた繊維に、プリプレグ形式であってもよい織られたおよび/または一方向の繊維のシートまたはプライを巻き付けるまたはレイアップすることによって製造されてもよい。理解されるように、軸本体32の内面36は、マンドレルの外面によって形成されてもよい。軸本体32の外面38は、その巻き付けられたままのまたはラップされたままの仕上げ面を保持してもよいおよび/または所定の程度の平滑度および/または真円度を提供するように加工されてもよい。例えば、本体32の外面38は、所定の程度の平滑度および/または真円度を提供するためにマトリックス材料を硬化させた後に旋削または機械加工されてもよい。幾つかの例では、外面には、硬化プロセスのためにおよび/または硬化プロセス中に管に提供されるラップを使用することによって、硬化プロセス中に所定の程度の平滑度および/または真円度を有する仕上げが提供されてもよい。
【0015】
理解されるように、軸20の機械的特性は、少なくとも部分的に繊維強化複合材料から製造されている場合、繊維の配向の適切な組合せを用いることによって選択、調整または調節されてもよい。特に、軸20の軸線42に対して平行により近い、または実質的に軸方向に整列させられた繊維の含有は、横方向剛性または曲げ抵抗を提供または改善してもよく、軸20の軸線に関して斜めに向きづけられたまたは傾斜した、もしくは軸がずれた繊維の含有は、ねじり剛性を提供または改善してもよく、これに対して、軸20の軸線に対してより周方向に近く向きづけられたまたは横方向の繊維の含有は、軸のフープ強度、または横方向圧縮またはバックリングに対する抵抗を提供または改善してもよい。非排他的な例示的な例によれば、繊維は、繊維が軸20の軸線に対して約プラスまたはマイナス10度(±10°)未満の角度で向きづけられているときには実質的に軸方向に整列させられており、繊維が約プラスまたはマイナス10度(±10°)と約プラスまたはマイナス80度(±80°)との間の角度で向きづけられているときには斜めに向きづけられているまたは傾斜しており、繊維が軸20の軸線に対して約プラスまたはマイナス80度(±80°)と約90度(90°)との間の角度で向きづけられているときには周方向に向きづけられているまたは横方向である、と考えられてもよい。幾つかの非排他的な例示的な例では、軸20は、実質的に軸方向に整列させられているまたは軸の軸線に対して約ゼロ度(0°)である繊維、軸の軸線に対して約プラスまたはマイナス45度(±45°)の角度で向きづけられているまたはラップされている繊維、および/または軸の軸線に対して約90度(90°)の角度で向きづけられているまたはラップされている繊維、の適切な組合せを含んでよい。
【0016】
鍛造および/または機械加工された金属の軸と比較して、少なくとも部分的に繊維強化複合材料から形成された軸は、減じられた重量、増大した直径、および/または同様のまたは増大したまたは減じられた剛性を有してもよい。特に、繊維強化複合材料から中空の軸を製造することは、増大した直径を有する軸を提供してもよく、これは、金属の軸と比較して、同様のまたはさらに減じられた重量の、しかしながら同等のまたはより大きな、またはさらに著しく大きな剛性および/または強度の軸を提供してもよい。理解されるように、軸の重量または質量を減じることは、ロータの重量または質量の付随的な減少とともに、軸受の寸法、重量、負荷および/または損失を低減してもよく、これは、改良された軸受寿命を提供してもよい。
【0017】
幾つかの例では、軸20は、ロータの能動的な部分からの熱の伝達および放散を補助または改善することなどによって、ロータ10内の熱伝達を補助または改善してもよい。例えば、中空の軸20の比較的大きな表面積対体積比は、軸20から大気への改善されたまたは効率的な熱放散を可能にしてもよい。加えて、軸20を、少なくとも部分的に、繊維のうちの少なくとも一部が少なくとも部分的に軸方向に整列させられた、炭素繊維などの、比較的高い熱伝導率を有する繊維を含む繊維強化複合材から製造することは、軸を通じたロータの能動的な部分からの熱の改善されたまたは効率的な伝導を可能にしてもよい。比較的大きな直径の繊維強化複合材の軸を通じた熱のこのような改善されたまたは効率的な伝導または放散は、ロータ温度の低下および/またはロータ熱膨張の減少を許容または補助してもよい。加えて、非排他的な例示的な例である炭素繊維強化複合材によって達成されてもよい比較的低い、またはさらにはゼロの熱膨張率は、さもなければ温度上昇とともに生じ得る軸方向および/または半径方向の軸成長を減じてもよい。
【0018】
理解されるように、より大きな直径を有する電気機械ロータ軸は、より大きな空隙半径または直径を許容してもよく、これは、より高いトルク、より高い速度、より低い周波数、より高い動力、任意のトルクにおけるより高い動力、および/または任意の電気機械トルクおよび/または動力定格のための軸方向機械長さ減少の形式で、電気機械の性能を高めてもよい。さらに、磁気軸軸受とともに使用される場合、少なくとも部分的に繊維強化複合材軸によって実現されてもよいより大きな直径の軸は、軸方向でより短いおよび/またはよりコンパクトな磁気軸軸受の使用を可能にしてもよい。
【0019】
軸20は、内面36から外面38まで軸の壁部34を貫通した少なくとも1つの孔44を有してもよい。孔44は、硬化した繊維強化複合材軸の壁部を穿孔することを含むあらゆる適切な方法を用いて形成または製造されてもよい。幾つかの例では、孔44は、フィラメントまたはテープ巻付けプロセス中に少なくとも部分的に形成または製造されてもよい。例えば、軸20は、
図2に示されたマンドレル48などのマンドレルに巻き付けられたフィラメントまたはテープであってもよい。マンドレル48は、シャフトの壁部34を貫通した孔を形成するためにその外面から延びた少なくとも1つのピン50を有する。マンドレル48の外面52は、軸壁部の内面を形成する。
【0020】
永久磁石22,24は、あらゆる適切な構成のものであってもよく、あらゆる適切な材料から製造されてもよい。例えば、
図1に示したように、永久磁石22,24のそれぞれは、実質的に矩形の断面を有してもよく、磁石22,24の対が共同でロータ12に磁極を形成するように軸20の外面38または周面に対して斜めに向きづけられていてもよい。それぞれの磁石22,24の磁極は、矢印55によって提案されているように配置されていてもよい。
【0021】
図1に示したように、極鉄26は、磁石22,24の対の第1及び第2の磁石の間に配置されており、ボルト60などの適切な締結具58によって軸20に固定されており、極鉄26は軸20に対して磁石22,24を半径方向で保持している。特に、締結具58は、孔44を貫通しており、軸20の内面36に当接し、極鉄26を軸38の外面に向かって押し付けている。極鉄26は、磁石22,24の対の第1及び第2の磁石のそれぞれを、向き合った補極鉄28,30の対の対応する1つに対して押し付け、これにより、磁石22,24の対の第1及び第2の磁石を、補極鉄28,30の対応する補極鉄に対して保持している。磁石22,24の対の第1及び第2の磁石は、対応する補極鉄28,30を軸20に対して保持するために、補極鉄28,30の対応する補極鉄を軸20の外面38に対して押し付ける。幾つかの例では、極鉄26および/または補極鉄28,30は、磁石22,24の1つに係合してもよいおよび/または磁石22,24の1つを保持することを補助する、突出部、エッジ、レッジまたはリップなどの1つ以上の特徴部62を有してもよい。
【0022】
図1に示したように、ロータ12は、ワッシャなどの支持部材64を有してもよく、締結具58は支持部材64に対して当接し、支持部材64は、軸20の内面36に対して押し付けられる。支持部材は、接触応力を締結具から軸の内面のより大きな部分に分散させてもよい。支持部材64には、軸20の内面36と係合するおよび/または軸20の内面36に合致するように構成された外面65が設けられていてもよい。例えば、
図1に示したように、外面65は、軸の内面と合致するように丸み付けられていてもよいまたは半径付けられていてもよい。幾つかの例では、軸20の内面36は、支持部材64に係合するようにまたは支持部材64を受容するように構成されていてもよい。例えば、軸20の内面36は、少なくとも1つの支持部材64を受容するように構成された、少なくともロータのアクティブな部分内などに、少なくとも1つのファセット状のおよび/または概して平坦な領域を有してもよい。軸20の内面36におけるこのようなファセット状のおよび/または概して平坦な領域は、幾つかの例では、マンドレルの外面における対応するファセットおよび/または概して平坦な領域によって、フィラメントまたはテープ巻付けプロセス中に製造および/または形成されてもよい。
【0023】
幾つかの例では、ロータ12は、複数の締結具58を有してもよく、これらの締結具58は、軸方向に延びた列において配置されており、かつ複数の孔44を通って軸20の壁部34を貫通して極鉄26内へ延びている。このような例では、ロータ12は、それぞれが締結具58のうちの少なくとも1つに関連した複数の支持部材64を有してもよいか、またはロータ12は、軸方向に延びた支持部材64を有してもよく、この支持部材64を通って、特定の軸方向に延びた列における締結具58のうちの幾つかまたは全てが延びている。幾つかの例では、特定の支持部材は、支持部材が軸の内面の周面に沿って少なくとも部分的に延びているところなどにおいて、極鉄の2つ以上に関連した締結具に関連させられていてもよい。
【0024】
極鉄26および補極鉄28,30は、あらゆる適切な構成のものであってもよい。例えば、極鉄および/または補極鉄は、レーザ切断またはその他の方式で切断された鉄積層体のスタックから製造または積層されていてもよく、それぞれの鉄積層体は、半ミリメートルと約5ミリメートルとの間(0.5〜5mm)の厚さを有してもよい。幾つかの例では、鉄積層体のうちの少なくとも幾つかは、約半ミリメートル(0.5mm)未満または約5ミリメートル(5mm)よりも大きい厚さを有してもよい。
【0025】
幾つかの例では、極鉄26および/または補極鉄28,30は、1つ以上の軸方向に延びた補剛材または補強部材66を有してもよい。このような例では、補強部材66は、張力を受けるようにプレストレスまたはポストストレスをかけられてもよく、補強部材66が鉄積層体を軸方向圧縮状態に維持するように、末端の積層体に溶接またはその他の形式で固定されてもよい。
【0026】
幾つかの例では、極鉄26および/または補極鉄28,30は、1つ以上の軸方向に延びたベントまたはチャネル68を有してもよく、このベントまたはチャネル68は、ロータ12および電気機械10を通るおよび/またはロータ12および電気機械10の周囲の冷却材または空気循環を可能にするまたは高める。幾つかの例では、軸20は、軸の壁部34を貫通してもよい、1つ以上の、概して半径方向に向けられた通気特徴部、通路または開口を有してもよい。
【0027】
磁石22,24と軸20との間の領域70は、
図1に示したように開放していてもよいか、またはこれらの領域は、少なくとも1つの、軸方向に延びたチャネルまたは通気通路を有してもよい適切な構造で充填されていてもよい。
【0028】
幾つかの例では、ロータ12は、空隙72の近くで、周囲に沿って延びたスリーブを有してもよい。
【0029】
理解されるように、軸20のために繊維強化複合材などの非磁性材料を使用することは、軸を通る磁束漏れを減じてもよい。さらに、非磁性軸材料の使用は、締結具58のために、ステンレス鋼などの非磁性材料を使用する必要性を排除してもよく、これは、磁性材料または強磁性材料から製造されたものを含む、より高い強度の締結具の使用を許容してもよい。
【0030】
理解されるように、繊維強化複合材などの非磁性材料から製造された比較的大きな直径の中空の軸20と、締結具が非磁性である必要がない場合に使用されてもよいより高い強度の締結具58との組合せは、より大きな空隙直径を有するおよび/またはより高速の運転を可能にする電気機械設計を許容または補助してもよい。例えば、電気機械10は、ロータ12が、約200N/mmを超える、またはさらに約500N/mmを超える、約800N/mm以上の、軸方向単位長さ当たりの遠心力を受けるように寸法決めされてもよい、および/またはこのような遠心力を受ける速度で運転されてもよい。
【0031】
電気機械10などの電気機械において使用するのに適していてもよい、電気機械ロータの別の非排他的な例示的な例は、
図3および
図4において概して82で示されている。そうでないことが明示されない限り、電気機械ロータ82は、説明された、例示されたおよび/またはここに組み込まれた構造、構成部材、機能および/または変化態様のうちの少なくとも1つを含んでよいが、それらを含むことが要求されるわけではない。例示した例では、電気機械ロータ82は、軸線86に沿って端部88まで延びたロータ本体84を有し、軸線86に沿ってロータ本体84の端部88から延びた少なくとも1つの中空の軸90を備えている。幾つかの例では、ロータ本体84は、少なくとも部分的に中空であってもよいおよび/またはロータ本体84を貫通した開口を有してもよい。幾つかの例では、ロータ本体84は、少なくとも1つの永久磁石92を有してもよい。ロータ82が巻線界磁型同期機械に組み込まれている場合などの幾つかの場合には、ロータ本体84は、界磁巻線94を有してもよい。
【0032】
軸90は、ここで説明されているように、繊維強化複合材料を含んでよいまたは繊維強化複合材料から製造されていてもよく、接着剤ボンディングなどによってロータ本体84の端部88に固定されていてもよい。例えば、
図3および
図4に示したように、ロータ本体84の端部88は、軸線86と同軸に配置された少なくとも1つの環状の開口96を有してもよく、軸90の端部は、対応する環状の開口96に接着で結合されているまたはその他の方法で固定されている。
【0033】
幾つかの例では、ロータ本体84は、軸線86に沿って端部88から、端部88とは反対側の第2の端部まで延びていてもよい。このような例では、少なくとも1つの中空の軸は、ロータ本体84の第2の端部から軸線86に沿って延びていてもよい。
【0034】
幾つかの例では、軸90および/または環状の開口96の端部は、軸90と端部88との間の継手の機械的特性を高めるように対応して構成されていてもよい。例えば、軸90の端部および環状の開口96は、1つ以上のカステレーションなどの1つ以上の機械的にインターロックするまたはキーするエレメントを有してもよく、これは、軸90とロータ本体84の端部88との間のトルク伝達を補助するまたはさらに高めてもよい。
【0035】
幾つかの例では、ロータ82は、誘導電気機械において使用するために構成されていてもよい。例えば、ロータ82は、かご形回転子、スリップリングロータまたはソリッドコアロータとして構成されていてもよい。
【0036】
電気機械10などの電気機械において使用するのに適していてもよい、電気機械ロータの別の非排他的な例示的な例は、
図5において概して102で示されている。そうでないことが明示されない限り、電気機械ロータ102は、説明された、例示されたおよび/またはここに組み込まれた構造、構成部材、機能および/または変化態様のうちの少なくとも1つを含んでよいが、それらを含むことが要求されるわけではない。例示した例では、電気機械ロータ102は、中央開口106を有するロータ本体104を有しており、このロータ本体104は軸線108に沿って端部110まで延びている。複数の同軸に配置された中空の軸112は、ロータ本体104の端部110から軸線108に沿って延びている。幾つかの例では、ロータ本体104は、少なくとも1つの永久磁石114を有してもよい。ロータ102が巻線界磁型同期機械に組み込まれている場合などの幾つかの場合には、ロータ本体104は、界磁巻線115を有してもよい。幾つかの例では、ロータ102は、スリーブ116を有してもよい。
【0037】
図5に示したように、ロータ本体104の端部110は、同軸に配置された複数の環状の開口118を有し、これらの開口118には、同軸に配置された複数の中空の軸112の端部が、接着結合などによって固定されていてもよい。幾つかの例では、中空の軸12の壁厚および/または繊維の向きは異なってもよい、および/または隣接する中空の軸112の間の間隙120は異なってもよい。
【0038】
幾つかの例では、ロータ本体104は、軸線108に沿って端部110から第2の端部まで延びていてもよい。このような例では、同軸に配置された複数の軸は、ロータ本体104の第2の端部から軸線108に沿って延びていてもよい。
【0039】
隣接する中空の軸112の間の間隙120の存在により、隣接する中空の軸112の間に空気または冷却流が提供されてもよい。幾つかの例では、1つ以上の軸112は、軸112の壁部を貫通した少なくとも1つの開口または孔を有してもよく、これにより、空気または冷却流はロータ本体104のアクティブな部分へ方向付けられてもよく、これは、ロータおよび/またはその様々な構成部材のいずれかの冷却を補助してもよい。
【0040】
幾つかの例では、ロータ102は、誘導電気機械において使用するために構成されていてもよい。例えば、ロータ102は、かご形回転子、スリップリングロータまたはソリッドコアロータとして構成されていてもよい。
【0041】
ここで使用される場合、“構成されている”という用語は、特定されたエレメント、構成部材、またはその他の主体が、指示された作用を行うおよび/または指示された形式で行う、操作する、動作するおよび/または反応するように選択、形成、実施、利用、設計、修正、調整および/または意図されていることを意味すると解釈されるべきである。
【0042】
ここに示された開示は、独立したユーティリティを備えた複数の個別の発明を包含すると考えられている。これらの発明のそれぞれはその好適な形態で開示されているが、ここに開示および例示された発明の特定の実施の形態は、制限する意味で考えられるべきではない。なぜならば、多くの変化態様が可能であるからである。開示の主体は全て、ここに開示された様々な要素、特徴、機能および/または特性の新規でかつ非自明な組合せおよび部分的組合せを含む。同様に、開示および/または請求項における“1つの”または“第1の”エレメント、またはその均等物の引用は、1つ以上のこのようなエレメントの組込みを含むものと理解されるべきであり、2つ以上のこのようなエレメントを要求または排除しない。
【0043】
以下の請求項は特に、開示された発明のうちの1つに向けられかつ新規で非自明なある組合せおよび部分的組合せを特に指摘すると考えられる。特徴、機能、エレメントおよび/または特性のその他の組合せおよび部分的組合せにおいて具体化された発明は、本願請求項の補正または本願または関連出願における新たな請求項の提示によって請求されてもよい。このような補正されたまたは新たな請求項は、異なる発明に向けられているかまたは同じ発明に向けられているか、元の請求項に対して範囲が異なる、より広い、より狭いまたは等しいかにかかわらず、本開示の発明の主体に含まれるものと見なされる。