特許第6095686号(P6095686)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6095686空間光学型及び時空間光学型指向性光変調器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095686
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】空間光学型及び時空間光学型指向性光変調器
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/08 20060101AFI20170306BHJP
   G02B 27/22 20060101ALI20170306BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20170306BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20170306BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   G02B26/08 C
   G02B27/22
   G09F9/33
   G09F9/40 301
   G09F9/30 397
【請求項の数】36
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-546036(P2014-546036)
(86)(22)【出願日】2012年12月5日
(65)【公表番号】特表2015-501951(P2015-501951A)
(43)【公表日】2015年1月19日
(86)【国際出願番号】US2012068029
(87)【国際公開番号】WO2013086046
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2015年12月7日
(31)【優先権主張番号】61/567,520
(32)【優先日】2011年12月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/329,107
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/616,249
(32)【優先日】2012年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/546,858
(32)【優先日】2012年7月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507349503
【氏名又は名称】オステンド・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】エル−ゴーロウリー,フセイン・エス
(72)【発明者】
【氏名】アルパスラン,ザヒール・ワイ
(72)【発明者】
【氏名】カイ,ジングボー
(72)【発明者】
【氏名】メイヤーズ,マーティ
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】マクニール,デイル・エイ
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−054281(JP,A)
【文献】 特開2007−025601(JP,A)
【文献】 特開2011−100090(JP,A)
【文献】 特表2010−541248(JP,A)
【文献】 特開2008−304572(JP,A)
【文献】 特開2010−068435(JP,A)
【文献】 特開平09−109455(JP,A)
【文献】 特表2008−545550(JP,A)
【文献】 特開2011−095730(JP,A)
【文献】 米国特許第06795241(US,B1)
【文献】 米国特許第05059008(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0109813(US,A1)
【文献】 特開2010−117398(JP,A)
【文献】 特表2009−506384(JP,A)
【文献】 特表2010−510643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/00 − 26/08
G02B 26/10 − 26/12
G02B 27/22 − 27/26
G09F 9/30 − 9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素のマイクロアレイを有する発光マイクロエミッタアレイ装置と、
WLO(ウェハレベルオプティクス)マイクロレンズアレイと、
を備え、前記画素のマイクロアレイは、複数の画素からなる複数の画素グループを含み、前記画素グループは空間変調アレイを表し、前記マイクロレンズアレイ内の各マイクロレンズは、前記発光マイクロエミッタアレイの前記画素グループにわたり、これにより前記マイクロレンズアレイ内のマイクロレンズが、それぞれの画素グループ内の各画素からの照明を異なる方向に導く、
ことを特徴とする光変調器。
【請求項2】
各画素グループは、2次元画素グループである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項3】
前記発光マイクロエミッタアレイ装置の前記画素の各々は、発光ダイオード及びレーザーダイオードから成る群から選択される個別にアドレス指定可能な固体発光体である、
ことを特徴とする請求項2に記載の光変調器。
【請求項4】
前記発光マイクロエミッタアレイ装置の各画素は、複数色の光を出射することができ、各画素は、選択された色及び強度の光を出射するように個別にアドレス指定可能である、
ことを特徴とする請求項3に記載の光変調器。
【請求項5】
前記発光マイクロエミッタアレイ装置の前記画素は、10μm又はそれ未満の長さ寸法を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光変調器。
【請求項6】
前記マイクロレンズアレイは、複数の積層マイクロレンズアレイで構成される、
ことを特徴とする請求項3に記載の光変調器。
【請求項7】
前記光変調器の方向、色及び強度のアドレス指定能力は、前記画素グループの空間アレイ内の指定された画素グループアドレス毎に、少なくとも1つの入力データフィールドを用いて出射光の方向を指定し、少なくとも1つのフィールドを用いて、前記指定された方向に出射された光の色及び強度を指定する、前記光変調器への複数のフィールドデータ入力を用いて達成される、
ことを特徴とする請求項4に記載の光変調器。
【請求項8】
光変調器のタイル状アレイを複数含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の光変調器。
【請求項9】
タイル状アレイの形の光変調器の集合的な組を複数含み、各光変調器において、前記発光マイクロエミッタアレイ装置の前記画素は多色画素であるとともに、選択された色及び強度の光を出射するように個別にアドレス指定可能であり、前記マイクロレンズアレイは、複数の積層マイクロレンズアレイで構成され、前記マイクロレンズアレイの前記レンズの各々は、前記それぞれの発光マイクロエミッタアレイ装置のそれぞれの画素グループ内の複数の画素に関連付けられて位置合わせされ、各レンズは、前記複数の画素から出射される前記光を前記レンズの開口数の範囲内の対応する離散的な方向の組に光学的にマッピングして、前記離散的な方向の組の各個々の方向に出射される前記光の前記色及び強度を可能にすることにより、前記光変調器が、前記集合的な光変調器の組にわたる開口部全体を通じて、色、強度及び方向を変調された光を生成することができる、
ことを特徴とする請求項4に記載の光変調器。
【請求項10】
前記光変調器の各画素の方向、色及び強度のアドレス指定能力は、前記画素グループの空間アレイ内の指定された画素グループアドレス毎に、少なくとも1つの入力データフィールドを用いて出射光の空間方向を指定し、少なくとも1つのフィールドを用いて、前記指定された方向に出射された光の色及び強度を指定する、前記個々の光変調器への複数のフィールドデータ入力を用いて達成される、
ことを特徴とする請求項4に記載の光変調器。
【請求項11】
前記光変調器は、前記複数のフィールドデータ入力の前記フォーマットを望の動作モードに見合うように適合させることにより、3Dディスプレイとして、又は高解像度2Dディスプレイとして動作するように切り換えることができる、
ことを特徴とする請求項4に記載の光変調器。
【請求項12】
液晶ディスプレイに、該液晶ディスプレイのバックライトとして含まれて3Dディスプレイ又は2Dディスプレイを形成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の光変調器。
【請求項13】
前記発光マイクロエミッタからの照明の異なる方向は角度範囲を定め、前記発光マイクロエミッタアレイ装置及び前記マイクロレンズアレイは共に組み立てられ、少なくとも1つの軸を中心に単一のアセンブリとして角関節運動して、前記発光マイクロエミッタアレイの発光面の平面内かつプラス及びマイナスの最大角関節運動の範囲内で光を出射する、
ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の光変調器。
【請求項14】
前記発光マイクロエミッタアレイ装置及び前記マイクロレンズアレイは、2本の直交する軸を中心とするプラス及びマイナスの最大角関節運動の範囲内で、それぞれの軸を中心に単一のアセンブリとして角関節運動するように構成される、
ことを特徴とする請求項13に記載の光変調器。
【請求項15】
前記角関節運動は、前記異なる方向の間の角度分解能を増加させ、又は前記発光マイクロエミッタからの照明の前記異なる方向の前記角度範囲を増加させるように構成される、
ことを特徴とする請求項14に記載の光変調器。
【請求項16】
前記タイル状アレイ内の隣接する光変調器は、隣接する画素グループ内のアクティブな画素間にいくつかの非アクティブなエッジ画素を有する、
ことを特徴とする請求項13に記載の光変調器。
【請求項17】
前記発光マイクロエミッタアレイ装置の前記画素は多色画素であるとともに、選択された色及び強度の光を出射するように個別にアドレス指定可能であり、前記マイクロレンズアレイは、複数の積層マイクロレンズアレイを有し、前記マイクロレンズアレイの前記レンズの各々は、前記発光マイクロエミッタアレイ装置の画素グループ内の複数の画素に関連付けられて位置合わせされ、各レンズは、前記それぞれの複数の画素から出射される前記光を前記それぞれのレンズの開口数の範囲内の対応する離散的な方向の組に光学的にマッピングして、前記離散的な方向の組の各個の方向に出射される前記光の前記色及び強度を可能にすることにより、前記光変調器が、色、強度及び方向を変調された光を生成することができる、
ことを特徴とする請求項3に記載の光変調器。
【請求項18】
光変調器のタイル状アレイを複数含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項19】
前記光変調器は、前記複数のフィールドデータ入力の前記フォーマットを望の動作モードに見合うように適合させることにより、3Dディスプレイとして、又は高解像度2Dディスプレイとして動作するように切り換えることができる、
ことを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項20】
2次元発光マイクロエミッタアレイ装置と、
マイクロレンズ素子のマイクロレンズアレイと、
を備え、前記2次元発光マイクロエミッタアレイ装置及び前記マイクロレンズアレイは共に組み立てられ、2つの軸を中心に単一のアセンブリとして角関節運動して、前記発光マイクロエミッタアレイの発光面の平面内かつ各それぞれの軸におけるプラス及びマイナスの最大角関節運動の範囲内で光を出射し、
前記2次元発光マイクロエミッタアレイは画素のアレイを含み、各画素は個別にアドレス指定可能な固体発光体であり、
前記2つの軸のまわりの前記各関節運動の周期性は、前記最大角関節運動の時間的範囲が、入力画像データのフレームレート内に収まるように選択される
ことを特徴とする指向性光変調器。
【請求項21】
前記2次元発光マイクロエミッタアレイの各画素は、20×20ミクロンを超えない寸法を有する、
ことを特徴とする請求項20に記載の指向性光変調器。
【請求項22】
各画素は、該画素が出射する光の色及び強度をいずれも変調するように個別にアドレス指定可能である、
ことを特徴とする請求項20に記載の指向性光変調器。
【請求項23】
前記角関節運動は、前記2次元発光マイクロエミッタアレイ装置及び前記マイクロレンズアレイの前記アセンブリのジンバル支持部によって行われ、前記ジンバル支持部の前記角関節運動によって前記2つの軸の各々における前記角度範囲を時間的に拡大させることにより、前記2つの軸の各々に沿った前記光の方向の組が時間的に拡大する、
ことを特徴とする請求項20に記載の指向性光変調器。
【請求項24】
前記時間的に拡大する角度範囲は、時間的に連続的又は不連続的なものであるとともに、画像入力データのフレームレートに比例してこれに同期された繰り返し率を有し、これにより前記指向性光変調器の前記拡大された角度範囲、前記角度のカバレッジ、形状及びアスペクト比が前記2つの軸の各々を中心とする前記最大角関節運動によって決まる、
ことを特徴とする請求項23に記載の指向性光変調器。
【請求項25】
前記2つの軸の各々を中心とする前記角関節運動は、少なくとも前記入力画像データのフレームレートに、前記拡大された角度範囲と各それぞれの軸に沿った前記角度範囲との比率に等しい係数を乗じたものに等しい、
ことを特徴とする請求項24に記載の指向性光変調器。
【請求項26】
各画素のアドレス指定能力は、前記画素グループの空間アレイ内の指定された画素グループアドレス毎に、少なくとも1つの入力データフィールドを用いて出射光の方向を指定し、少なくとも1つのフィールドを用いて、前記指定された方向に出射された光の色及び強度を指定する、前記指向性光変調器への複数のフィールドデータ入力を用いて達成される、
ことを特徴とする請求項23に記載の指向性光変調器。
【請求項27】
2次元発光マイクロエミッタアレイ装置と、
マイクロレンズ素子のマイクロレンズアレイと、
を備え、前記2次元発光マイクロエミッタアレイ装置及び前記マイクロレンズアレイは共に組み立てられ、2つの軸を中心に単一のアセンブリとして角関節運動して、前記発光マイクロエミッタアレイの発光面の平面内かつ各それぞれの軸におけるプラス及びマイナスの最大角関節運動の範囲内で光を出射する、
ことを特徴とする指向性光変調器であって、
入力データのフォーマットを所望のモードに見合うように適合させることにより、3Dディスプレイモード又は高解像度2Dディスプレイモードで動作するように切り換えることができるディスプレイとして使用される、
ことを特徴とする指向性光変調器。
【請求項28】
2次元発光マイクロエミッタアレイ装置と、
マイクロレンズ素子のマイクロレンズアレイと、
を備え、前記2次元発光マイクロエミッタアレイ装置及び前記マイクロレンズアレイは共に組み立てられ、2つの軸を中心に単一のアセンブリとして角関節運動して、前記発光マイクロエミッタアレイの発光面の平面内かつ各それぞれの軸におけるプラス及びマイナスの最大角関節運動の範囲内で光を出射する、
ことを特徴とする指向性光変調器であって、
3Dディスプレイ又は高解像度2Dディスプレイとして動作するように切り換えることができる液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトとして使用される、
ことを特徴とする指向性光変調器。
【請求項29】
2次元発光マイクロエミッタアレイ装置と、
マイクロレンズ素子のマイクロレンズアレイと、
を備え、前記2次元発光マイクロエミッタアレイ装置及び前記マイクロレンズアレイは共に組み立てられ、2つの軸を中心に単一のアセンブリとして角関節運動して、前記発光マイクロエミッタアレイの発光面の平面内かつ各それぞれの軸におけるプラス及びマイナスの最大角関節運動の範囲内で光を出射する、
ことを特徴とする指向性光変調器であって、
拡大された角度範囲内で、ヒトの視覚系の眼の角度分離に相応する角度分解能値で多数のビューを変調し、従って表示する3Dコンテンツを視聴するために眼鏡を使用する必要がない3Dディスプレイになることができる、
ことを特徴とする指向性光変調器。
【請求項30】
指向性光変調器を形成する方法であって、
発光マイクロエミッタアレイ装置を設けるステップと、
マイクロレンズ素子のWLO(ウェハレベルオプティクス)マイクロレンズアレイを設けるステップと、
前記発光マイクロエミッタアレイ装置は、マイクロエミッタの2次元アレイを含み、前記マイクロエミッタの2次元アレイは、複数のマイクロエミッタからなる複数のグループを含み、前記グループは空間変調アレイを表し、
前記マイクロレンズアレイの各マイクロレンズ素子が、前記発光マイクロエミッタアレイ装置のマイクロエミッタの2次元アレイ内の対応する前記グループの複数のマイクロエミッタに関連付けられて位置合わせされ、前記発光マイクロエミッタアレイの発光面の平面内かつプラス及びマイナスの最大角度範囲内で2つの軸を中心に光を出射し、これにより各マイクロレンズ素子が、前記対応する複数のマイクロエミッタから出射された光を、各マイクロレンズ素子の開口数により定められる角度範囲内の対応する離散的な方向の組に光学的にマッピングするように、前記マイクロレンズアレイを前記発光マイクロエミッタアレイ装置に位置合わせして指向性光変調器サブアセンブリにするステップと、
前記指向性光変調器サブアセンブリを前記アセンブリの平面内の少なくとも第1の軸を中心に時間的に関節運動させて、該角関節運動に応答して前記離散的な方向の組が含まれる角度範囲を拡張するステップと、
を含み、
前記第1の軸についての前記時間的な関節運動の周期性は、前記拡張した角度範囲の角関節運動の時間的範囲が、入力画像データのフレームレート内に収まるように選択されることを特徴とする変調器の形成方法。
【請求項31】
前記指向性光変調器サブアセンブリは、前記アセンブリの前記平面内の前記第1の軸に垂直な第2の軸を中心とした関節運動も行い、該角関節運動に応答して前記離散的な方向の組が含まれる角度範囲をさらに拡張する、
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記発光マイクロエミッタアレイ装置を設けるステップは、単一の基板上にマトリクス状のマイクロエミッタアレイ装置を設けるステップを含み、
前記マイクロレンズアレイを設けるステップは、
マトリクス状のマイクロレンズアレイを設けるステップと、
前記マトリクス状のマイクロレンズアレイを前記マトリクス状のマイクロエミッタアレイ装置上に取り付けてマトリクス状の指向性光変調器を形成するステップと、
前記マトリクス状の指向性光変調器をダイシングして複数の個々の指向性光変調器を提供するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記マトリクス状のマイクロレンズアレイは、半導体ウェハレベルのアラインメント技術を用いて前記マトリクス状のマイクロエミッタアレイ装置に対して位置合わせされてマトリクス状の指向性光変調器を形成する、
ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記マトリクス状のマイクロレンズアレイを設けるステップは、複数のマイクロレンズアレイ層を設けるステップを含み、該マイクロレンズアレイ層は、スタックの形で取り付けられ互いに位置合わせされて前記マトリクス状のマイクロレンズアレイを形成する、
ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項35】
各マイクロエミッタは、該マイクロエミッタの色及び輝度を制御するように個別にアドレス指定可能である、
ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記対応する複数のマイクロエミッタから各マイクロレンズ素子の開口数によって定められる角度範囲内の対応する離散的な方向の組に出射される光は、対応する画素グループを形成し、各画素グループ内の画素を、時間的に拡張された方向の組及び前記個別の画素アドレス指定能力に関連付けることにより、前記時間的に拡張された方向の組の前記個別のアドレス指定能力が可能になり、これにより前記指向性光変調器が、時間的に拡張された光方向の組を含む前記方向のいずれかに方向を変調された光を生成する、
ことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2011年12月6日に出願された米国仮特許出願第61/567,520号、及び2012年3月27日に出願された米国仮特許出願第61/616,249号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、指向性光変調、3Dディスプレイ、発光マイクロディスプレイ、2D/3D切換可能ディスプレイ及び2D/3D切換可能裸眼立体ディスプレイの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
3Dディスプレイでは、3D視聴の知覚を生み出すために出射光の方向変調が必要である。典型的な3Dディスプレイでは、空間光変調器において空間多重化と時間多重化の何らかの組み合わせを利用することによって異なる方向からの同じシーンの画像を表示するために、複数の照明方向に均一に照明を行うバックライトが必要である。これらの3Dディスプレイでは、一般に指向性のバックライトから到来する光が、通常は(例えば、回折プレート又はホログラフィック光プレートなどの)方向選択的なフィルタによって処理された後に空間光変調器の画素に到達して、その指向性を保ちながら光の色及び強度を変調される。
【0004】
2D/3D切換可能ディスプレイの中には、ディスプレイを異なる表示モードで動作させるために指向性バックライトを必要とするものもある。2D表示モードでは、(液晶ディスプレイ(LCD)などの)空間光変調器によって単一の画像を表示するために、均一な照明を行う角度範囲の大きなバックライトが必要である。3D表示モードでは、空間光変調器において空間多重化と時間多重化の何らかの組み合わせを利用することによって異なる方向からの同じシーンの画像を表示するために、複数の照明方向に均一に照明を行うバックライトが必要である。
【0005】
2Dモード及び3Dモードのいずれにおいても、指向性のバックライトから到来する光は、通常は(回折プレート、ホログラフィック光プレートなどの)方向選択的なフィルタによって処理された後に空間光変調器の画素に到達して、指向性を保ちながら光ビームが均一に拡大される。
【0006】
現在利用可能な指向性光変調器は、複数の光源を含む照明装置と、光源から出射された光を指定方向に導く方向変調装置とを組み合わせたものである(図1図2及び図3を参照)。先行技術の複数の変形例を示す図1図2及び図3に示すように、通常、照明装置は、走査ミラー又は回転障壁などの電気機械的動作装置(米国特許第6,151,167号、第6,433,907号、第6,795,221号、第6,803,561号、第6,924,476号、第6,937,221号、第7,061,450号、第7,071,594号、第7,190,329号、第7,193,758号、第7,209,271号、第7,232,071号、第7,482,730号、第7,486,255号、第7,580,007号、第7,724,210号及び第7,791,810号、並びに米国特許出願公開第2010/0026960号及び第2010/0245957号を参照)、又は液体レンズ又は偏光スイッチングなどの電気光学的動作装置(図1図2及び図3、並びに米国特許第5,986,811号、第6,999,238号、第7,106,519号、第7,215,475号、第7,369,321号、第7,619,807号及び第7,952,809号を参照)と組み合わせられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,151,167号明細書
【特許文献2】米国特許第6,433,907号明細書
【特許文献3】米国特許第6,795,221号明細書
【特許文献4】米国特許第6,803,561号明細書
【特許文献5】米国特許第6,924,476号明細書
【特許文献6】米国特許第6,937,221号明細書
【特許文献7】米国特許第7,061,450号明細書
【特許文献8】米国特許第7,071,594号明細書
【特許文献9】米国特許第7,190,329号明細書
【特許文献10】米国特許第7,193,758号明細書
【特許文献11】米国特許第7,209,271号明細書
【特許文献12】米国特許第7,232,071号明細書
【特許文献13】米国特許第7,482,730号明細書
【特許文献14】米国特許第7,486,255号明細書
【特許文献15】米国特許第7,580,007号明細書
【特許文献16】米国特許第7,724,210号明細書
【特許文献17】米国特許第7,791,810号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2010/0026960号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2010/0245957号明細書
【特許文献20】米国特許第5,986,811号明細書
【特許文献21】米国特許第6,999,238号明細書
【特許文献22】米国特許第7,106,519号明細書
【特許文献23】米国特許第7,215,475号明細書
【特許文献24】米国特許第7,369,321号明細書
【特許文献25】米国特許第7,619,807号明細書
【特許文献26】米国特許第7,952,809号明細書
【特許文献27】米国特許第7,623,560号明細書
【特許文献28】米国特許第7,829,902号明細書
【特許文献29】米国特許第8,049,231号明細書
【特許文献30】米国特許第8,098,265号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2010/0066921号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2012/0033113号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電気機械変調型の指向性光変調器及び電気光学変調型の指向性光変調器には、いずれも以下の3つの主な欠点がある。
1.応答時間:通常、機械的動作又は光学面の変更は瞬時に行われず、変調器の応答時間に影響を与える。また、通常、これらの動作速度は画像フレーム時間の一部を占め、これにより達成可能な表示輝度が落ちる。
2.体積面:これらの方法では、光源と、協働する方向変調装置との間に距離が必要であり、これによりディスプレイの総体積が増す。
3.光損失:光を可動ミラーに連結すると光損失が生じ、これにより表示システムの出力効率が劣化するとともに、巨大な冷却方法を組み込むことによって排除する必要がある熱が発生し、これによりさらなる体積が加わって電力消費量が増す。
【0009】
先行技術の指向性バックライト装置は、低速、大型で光学的に損失が大きいだけでなく、3D表示を行う目的で方向選択的なフィルタと組み合わせるために、狭いスペクトル帯域幅、高いコリメーション及び個別の制御性を有している必要がある。狭いスペクトル帯域幅及び高いコリメーションを達成するには、装置レベルの革新、及び光学的な光調整が必要であり、ディスプレイシステム全体のコスト及び体積が増すことになる。個別の制御性を達成するには、回路及び複数の光源を追加する必要があり、システムの複雑性、容量及びコストが増すことになる。
【0010】
従って、本発明の目的は、先行技術の欠点を解決し、従って実用的な体積及び視聴体験を提供する3Dディスプレイの形成を実現可能にする空間光学型光変調器を提供することである。本発明の別の目的は、先行技術の制約を解決し、従って体積上の利点に加えて広い視野角にわたる視聴体験を提供する3D及び高解像度2Dディスプレイの形成を実現可能にする、角度範囲を拡大した時空間光学型光変調器を提供することである。添付図面を参照しながら行う以下の好ましい実施形態の詳細な説明から、本発明のさらなる目的及び利点が明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
添付図面では、本発明を限定ではなく一例として示し、同様の要素は同じ参照番号で示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】液体レンズを使用する先行技術の指向性光変調器を示す図である。
図2】走査ミラーを使用する先行技術の指向性光変調器を示す図である。
図3】先行技術の方向変調型3D光変調器を示す図である。
図4】時空間光学型指向性光変調器の空間光学的指向性光変調の態様を示す図である。
図5】空間光学型指向性光変調器の指向性光変調の原理を示す等角図である。
図6】空間光学型指向性光変調器の例示的な平行ウェハレベルオプティクスの設計を示す図である。
図7図6に示すウェハレベルオプティクスの例示的な設計を使用する空間光学型指向性光変調器の例示的な設計を示す図である。
図8】時空間光学型指向性光変調器の空間変調画素グループの1つにおける方向的アドレス指定能力の例示的な実施形態を示す図である。
図9】時空間光学型指向性光変調器の空間変調画素グループの1つにおける方向変調の例示的な実施形態を示す図である。
図10】空間光学型指向性光変調器のデータ処理ブロック図を説明するブロック図である。
図11】多数の空間光学型指向性光変調器をタイル配置することにより実装される3D/2D切換可能ディスプレイの例示的な実施形態を示す等角図である。
図12】時空間光学型指向性光変調器の原理の態様を示す等角図である。
図13A】時空間光学型指向性光変調器の時間的関節運動の態様によって可能になる角放出の拡大を示す図である。
図13B】時空間光学型指向性光変調器の時間的角関節運動を示す図である。
図14】時空間光学型指向性光変調器の拡大された角度範囲の断面を示す図である。
図15】時空間光学型指向性光変調器の1つの実施形態の等角図、側面図及び上面図である。
図16】時空間光学型指向性光変調器の別の実施形態の等角図、側面図及び上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明における「1つの実施形態」又は「ある実施形態」に対する言及は、その実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本詳細な説明における様々な箇所で出現する「1つの実施形態では」という表現は、必ずしも全てが同じ実施形態を示すわけではない。
【0014】
最近になって、新たなクラスの発光マイクロスケール画素アレイ装置が導入された。これらの装置は、全ての駆動回路を含む超小型の単一装置サイズにおける高輝度、超高速光多色強度及び空間変調能力を特徴とする。1つのこのような装置の固体発光画素は、発光マイクロスケール画素アレイが固着したCMOSチップ(又はデバイス)に含まれる駆動回路によってオン/オフ状態を制御される発光ダイオード(LED)又はレーザーダイオード(LD)とすることができる。通常、このような装置の発光アレイを含む画素のサイズは、約5〜20ミクロンであり、この装置の典型的な発光表面積は、約15〜150平方ミリメートルである。発光マイクロスケール画素アレイ装置内の画素は、通常はCMOSチップの駆動回路を通じて空間的、彩色的及び時間的に個別にアドレス指定が可能である。このような装置の一例に、以下で説明する例示的な実施形態において言及するQPI装置(米国特許第7,623,560号、第7,767,479号、第7,829,902号、第8,049,231号及び第8,098,265号、並びに米国特許出願公開第2010/0066921号、第2012/0033113号を参照)がある。このような装置の別の例に、OLEDベースのマイクロディスプレイがある。しかしながら、QPI装置は、本発明の実施形態で使用できる装置のタイプの一例にすぎないと理解されたい。従って、以下の説明では、QPI装置に対する言及は、開示する実施形態を明確にするためのものであり、本発明を限定するためのものではないと理解されたい。
【0015】
本発明は、QPI装置の発光マイクロ画素アレイの能力を、受動的なウェハレベルオプティクス(WLO)のみと、又はアセンブリ全体の関節運動と組み合わせて、先行技術の指向性光源の機能性と回折プレートの機能性を同時に実行できる光変調器を形成するものである。本明細書におけるウェハレベル又はウェハとは、直径が少なくとも2インチの、より好ましくは直径が4インチ又はそれ以上の装置又はマトリクス状の装置のことを意味する。WLOは、紫外線(UV)インプリントリソグラフィを使用して、ポリマーからウェハ上に一体的に作製される。WLOの主な利点に、小さな特徴部のマイクロレンズアレイ(MLA)を作製し、複数のWLOマイクロレンズアレイ層を共に、或いはCMOSセンサ又はQPIなどのオプトエレクトロニクス装置と正確に位置合わせできる能力がある。典型的なWLO作製技術によって達成できる位置合わせ精度は1ミクロン未満になり得る。QPIの発光マイクロエミッタ画素アレイの個々の画素のアドレス指定能力と、QPIのマイクロエミッタアレイに対して正確に位置合わせできるWLOマイクロレンズアレイ(MLA)とを組み合わせることにより、システム内に方向選択的なフィルタを有することという先行技術において直面する必要性が排除されると同時に、光源における狭いスペクトル帯域幅の要件が緩和され、システムの体積、複雑性及びコストが低減される。本発明のいくつかの実施形態では、出射光の方向変調が、WLOにより実現される光の発散によって実現され、他の実施形態では、WLOにより実現される光の発散と、アセンブリ全体の関節運動との組み合わせによって実現される。
【0016】
図4及び図5を参照すると、2次元マイクロレンズアレイMLA220を構成するマイクロレンズ素子400の各々が、個別にアドレス指定可能なQPI画素(p1,p2,...,pn)のグループに関連付けられており、これによりこの画素グループ内の各画素から出射される光は、関連するマイクロレンズ素子の開口数(角度範囲)内の一意の方向(d1,d2,...,dn)の1つに屈折されるようになる。QPI装置210のマイクロ画素アレイ全体は、本明細書では画素変調グループとも呼ばれる多数のQPI画素グループ(G1,G2,...,Gn)を含み、これにより各変調グループGiは、2次元アレイMLA220のレンズ素子の1つに関連付けられ、この結果、この画素変調グループ(G1,G2,...,Gn)は、集合的に本発明の空間光学型指向性光変調器の空間変調アレイを表すようになる。図12に示す時間的関節運動、及び各画素グループ内の個々の画素(p1,p2,...,pn)と出射光方向(d1,d2,...,dn)との1対1の関連付けにより、図12に概念的に示す本発明の時空間光学型指向性光変調器は、各画素グループ(G1,G2,...,Gn)内の個々の画素(p1,p2,...,pn)を時間的にアドレス指定することによって各々が個別にアドレス指定可能である多数の時間的に多重化された方向(d1i,d2i,...,dni);i=1,2,...,を画素グループGiの各々に関連付けることが可能になる。この結果、図12の2次元アレイMLA220に関連付けられた多数のQPI画素グループ(G1,G2,...,Gn)は、本発明の時空間光学型指向性光変調器の空間変調アレイを表し、時間的に多重化された方向(d1i,d2i,...,dni);i=1,2,...,は、各画素変調グループを含むQPI装置210の画素(p1,p2,...,pn)の時間的アドレス指定能力を通じて個別にアドレス指定可能な多数の光変調方向を表すようになる。換言すれば、時空間光学型指向性光変調器は、QPI画素グループ(G1,G2,...,Gn)のアドレス指定能力を通じて光を空間的に変調し、各グループを含む画素(p1,p2,...,pn)の時間的アドレス指定能力を通じて、各画素グループから出射された光を方向(d1i,d2i,...,dni);i=1,2,...,に方向的に変調できるようになる。従って、図12に示す時空間光学型指向性光変調器は、空間的及び方向的に変調できる光を生成できるようになり、これにより画素グループのアドレス指定能力を通じて、QPI画素グループ(G1,G2,...,Gn)の発光領域に等しい空間的位置の各々から出射される光が個別にアドレス指定可能になるとともに、各画素グループ内の個々の画素の時間的アドレス指定能力を通じて方向的にもアドレス指定可能になる。
【0017】
図5に、本発明の空間的及び方向的変調の原理を示す。図5には、各々がウェハレベルのマイクロレンズアレイ(MLA)の1つのマイクロレンズに関連付けられる多数のQPI装置画素グループG1,G2,...,GNを含む2次元アレイを示している。各グループ内の個々の画素p1,p2,...,pnと出射光の方向d1,d2,...,dnとの1対1の関連付けにより、図5に示す発光装置は、空間的及び方向的に変調できる光を生成することが可能になる。従って、QPI装置の画素グループG1,G2,...,GNの発光領域内の空間的位置の各々から光を出射することができ、この光は、画素グループのアドレス指定能力を通じて個別にアドレス指定可能であるとともに、各画素グループ内の個々の画素のアドレス指定能力を通じて方向的にもアドレス指定可能である。QPI装置の個々の画素は、MLA内の各レンズが同時に複数の方向に光を出射できるように変調することができる。個別の画素制御により、QPI装置の画素の個々のアドレス指定能力を通じて、光振幅、発光継続時間、特定の光方向、及び各マイクロレンズから出射される光方向の総数を個別に調整することができる。
【0018】
当業者には、レンズタイプ(すなわち、レンチキュラレンズアレイ又は2軸レンズアレイ)を選択することによってレンズによる方向変調を単一の軸上で、又は2つの軸上で行えることが明らかである。しかしながら、これまでは、レンズアレイと画素化された光源との正確な位置合わせ、及び(数ミクロンの、或いは10ミクロン又はそれ未満の程度の)小さな画素サイズの達成可能性が、高精細3Dディスプレイを形成するために必要な指向性光変調能力を生み出すことができる指向性光変調器の実現を妨げてきた。本発明では、QPI装置の発光マイクロ画素アレイを利用することによって高い画素分解能が実現され、これにより10ミクロン未満の画素ピッチを達成することができ、ウェハレベルオプティクスにより、1ミクロン未満とすることができるレンズアレイの高精度の位置合わせが可能になる。これにより、この空間光学型光変調器は、高精細3Dディスプレイを実現するのに十分な空間的及び方向的変調分解能を達成できるようになる。
【0019】
図6及び図7に、本発明の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態を示す図6を参照して分かるように、画素グループGi内の各個々の画素から出射された光は、QPI装置の発光面から、3つの光学素子610、620及び630を含むマイクロレンズの出射孔に進む。画素グループGi内の各個々の画素から出射された光は、平行化され拡大されてWLOマイクロレンズアレイ220の出射孔を満たし、Θ=±15°の角度発散内で特定の方向に横断するようになる。基本的に、WLOマイクロレンズアレイ220は、QPI装置を含む2次元画素グループGiの個々の画素から出射された光を、WLOマイクロレンズアレイ220のΘ=±15°の角度発散によって定められる3次元体積内の個々の方向にマッピングする。
【0020】
例示的な実施形態を示す図6及び図7を参照して分かるように、多数の光学素子610、620及び630は、互いに対して、及びQPI装置画素グループG1,G2,...,GNの関連するアレイに対して正確に位置合わせされるマイクロレンズアレイ層710、720及び730を形成するように作製される。図7に示す例示的な実施形態は、QPI装置210、及び関連するQPI装置カバーガラス760も含む。光学系610、620及び630の設計では、QPI装置カバーガラス760の発光面の画像を取得するためにQPI装置カバーガラス760の厚み及び光学特性を考慮する。図7の例示的な実施形態は、空間光学型指向性光変調器の完全なアセンブリを示す。図7に示す本発明の空間光学型指向性光変調器のこの例示的な実施形態の典型的な全厚は5ミリメートル未満になる。指向性光変調器のこのようなコンパクト性は、先行技術の指向性光変調技術では恐らく達成不可能である。
【0021】
図8及び図9に、空間光学型指向性光変調器の動作原理を示す。図8には、画素グループGiの1つの軸に沿ったサイズが便宜上n=2mとなるように選択した、QPI装置の発光画素の(n×n)の2次元アレイで構成された変調グループGiのうちの1つの例示的な実施形態を示している。図8を参照して分かるように、画素グループGiによって達成できる方向変調アドレス指定能力は、変調グループGiを含む画素の、2つの軸x及びyの各々に沿ったmビットのワードを使用したアドレス指定能力を通じて実現される。図9には、QPI装置の画素グループGiを含む(n×nの)画素から出射された光の、例示的な実施形態600などの関連するWLOマイクロレンズの角度発散±Θにより定められる3次元体積内の個々の方向へのマッピングを示している。説明例として、QPI装置の個々の画素の寸法が(5×5)ミクロンであり、QPI装置の画素グループが(n×n)=(28×28)=(256×256)の画素アレイで構成され、関連するWLOマイクロレンズの角度発散がΘ=±15°である場合、QPI装置の発光面におけるサイズが(1.28×1.28)ミリメートルのQPI装置の2次元変調画素グループGiの各々からは、Θ=±15°の角度発散に及ぶ(256)2=65,536個の個別にアドレス指定可能な指向性光ビームを生成することが可能であり、これにより各65,536方向に生成される光は、典型的には各画素の色成分の比較的高い周波数パルス幅変調を使用して、その色及び強度も個別に変調することができるが、必要に応じて比例制御などの他の制御法を使用することもできる。
【0022】
QPI装置ベースの空間光学型指向性光変調器のあらゆる所望の空間的及び方向的変調能力は、これまでの設計例で説明したような方向変調グループGiの(N×M)のアレイを使用して可能になる。例えば、(256)2=65,536の方向的変調分解能をもたらすN=320×M=240の空間的変調分解能を有する空間光学型指向性光変調器を形成することが必要である場合、この空間光学型指向性光変調器は、(320×240)の方向変調グループのアレイを含み、(5×5)ミクロンの画素サイズを有するQPI装置を使用する場合には、空間光学型指向性光変調器の全体的なサイズは約41×31cmになる。このような空間光学型指向性光変調器から出射される光は、そのWLOマイクロレンズアレイに関連する角度発散±Θ(例えば、例示的な実施形態600についてはΘ=±15°)内で(320×240)の解像度で空間的に変調し、65,536の解像度で方向的に変調することができ、また各方向における色及び強度を変調することもできる。
【0023】
ウェハレベルのマイクロレンズアレイの角度発散±Θ内の個別にアドレス指定可能な方向の数という面から見た光変調器の方向変調の解像度は、発光マイクロエミッタアレイQPI装置の画素ピッチを選択すること、又はウェハレベルのマイクロレンズアレイのレンズピッチを選択すること、或いはこれらの2つの組み合わせによって決まる。当業者には、図6に示すようなレンズシステムを、より広い又は狭い角度発散±Θを可能にするように設計できることが明らかである。当業者には、あらゆる所望の方向的変調分解能を生じるように各変調グループGi内の画素の数を少なく又は多くできることも明らかである。
【0024】
このような空間光学型指向性光変調器は、使用するQPI装置の総画素分解能に応じて、多数のQPI装置を含むタイル状アレイを用いて実装することができる。例えば、画素分解能が(1024×1024)のQPI装置を使用する場合、このような各QPI装置を使用して、(2×2)の変調グループGiのアレイを実現することができ、また図11に示すこのようなQPI装置のタイル状アレイ(3×3)を使用して、(6×6)の空間的光変調分解能及び65,536の方向的光変調分解能を有する空間光学型指向性光変調器が実現されるようになる。
【0025】
空間光学型指向性光変調器を実装するQPI装置のアレイのタイル配置は、発光QPI装置及びその関連するWLOによって実現できるコンパクト性によって可能になる。例えば、図7に示すような実装では、図7に示すような、幅、高さ及び厚みが5.12×5.12×5ミリメートルのQPI装置/WLOアセンブリを作製すること、又は先の例の(2×2)の変調グループの空間光学型指向性光変調器を実現することが可能になる。発光面の逆側に位置するマイクロボールグリッドアレイ(MBGA)を電気的インターフェイスとするこのようなQPI装置/WLOアセンブリを実装することも可能であり、これによりQPI装置/WLOアセンブリの頂面全体が装置の発光面を構成することが可能になり、これにより多数のこのようなQPI装置/WLOアセンブリをシームレスにタイル配置してあらゆる所望のサイズの空間光学型指向性光変調器を実装することがさらに可能になる。図11は、多数のQPI装置/WLOアセンブリをタイル配置して任意のサイズの空間光学型指向性光変調器を実装することを示す図である。
【0026】
図8及び図9の説明図を参照しながら、空間光学型指向性光変調器の動作原理について説明する。図8には、方向変調にmビットの分解能を使用する、各変調グループGiの2次元アドレス指定能力を示す。上述したように、変調グループGiのn×nアレイ内の(2m×2m)個の個々の画素から出射される光は、その関連するWLO素子により、関連するWLOマイクロレンズの角度発散±Θ内の22mの光方向にマッピングされる。各変調グループGi内の個々の画素の(x、y)次元座標を使用すると、出射される光ビームの角座標(θ、φ)は以下によって与えられる。
【数1】
【0027】
式中、角度(θ、φ)は、θ=0における極軸が変調グループGiの発光面のz軸に平行な球面座標であり、m=log2nは、変調グループGiのx及びyの画素分解能を表すために使用されるビット数である。
【0028】
空間光学型指向性光変調器の空間分解能は、全体的な空間光学型指向性光変調器を含む変調グループの2次元アレイ内の個々の変調グループGiの各々の座標によって単純に定められる。当然ながら、1つのグループの画素と隣接グループのマイクロレンズとの間には多少のクロストークが存在する。しかしながら、このクロストークは、以下の設計態様によって実質的に低減される。第1に、QPI装置の本質的に平行な発光により、通常、QPI装置の画素から出射された光は、QPI装置の画素が発光ダイオードである場合には±17°の円錐形に、或いはQPI装置の画素がレーザーダイオードである場合には±5°の円錐形に限定される。従って、図6に示すように、ウェハレベルオプティクス(WLO)のコリメートレンズ素子をQPI装置のカバーガラス660の近傍に配置すると、各変調グループのエッジ画素から出射される光の大部分は、その関連するWLOレンズ素子600に限定されるようになる。第2に、さらなる対策として、WLOマイクロレンズアレイの隣接するレンズ間の光の漏出(クロストーク)をさらに避けるために、各画素グループの少数(いくつか)のエッジ画素をオフにする。例えば、画素が発光ダイオードであるQPI装置の発光が±17°に限定されており、第1のマイクロレンズ素子が図6に示すように近接して配置されているとすれば、シミュレーションにより、5画素しか含まない変調グループの外縁部周囲のダークリングがクロストークを1%未満に低減することが分かっている。QPI装置の画素がレーザーダイオードである場合、QPI装置の画素発光は、さらに狭い±5°の円錐形に限定されるので、オフにする必要がある画素の数はさらに減少し、その必要がない場合さえもある。最終的に、アレイ内のQPI装置内のアクティブな画素間に、いくつかの(少数の)非アクティブな、ブランクの、又は常時消灯する画素の位置が生じることがある。当然ながら、必要に応じて邪魔板及び/又は帯域制限用光分散器を使用することもできるが、これらは光変調器の設計を複雑化し、過剰な光損失を引き起こす傾向にある。
【0029】
図10に、本発明の空間光学型指向性光変調器のデータ処理ブロック図の例示的な実施形態を示す。空間光学型指向性光変調器への入力データは複数のビットワードでフォーマットされ、これにより各入力されるワードは、1つのフィールドが、空間光学型指向性光変調器を含む変調グループアレイ内の変調グループGiのアドレスであり、残りの2つのデータフィールドが、その変調グループから出射される光のデータ表現を色、強度及び方向に関して提供する3つのデータフィールドを含むようになる。図10を参照して分かるように、データ処理ブロック120は、入力データの変調グループアドレスフィールドを復号し、指定された変調グループに関連するQPI装置に光変調データフィールドをルーティングする。データ処理ブロック130は、ルーティングされた変調グループアドレスフィールドを復号し、指定された変調グループのアドレスにマッピングする。データ処理ブロック140は、方向変調データフィールドを復号し、変調グループ内の指定された画素アドレスのアドレスにマッピングする。データ処理ブロック150は、結果として得られた画素アドレスを、入力データの関連する光強度及び色データフィールドに結び付ける。データ処理ブロック160は、指定された画素アドレスを復号し、空間光学型指向性光変調器を含む指定されたQPI装置内の指定された画素に光変調データをルーティングする。
【0030】
方向変調を表すために16ビットを使用し、各方向における変調された光強度及び色を表すために24ビットを使用した際には、各変調グループの変調データワードを表す総ビット数は40ビットになる。空間光学型指向性光変調器を構成する変調グループを連続的にアドレス指定するために、このような40ビットのワードを空間光学型指向性光変調器に入力し、すなわち連続アドレス指定を使用して変調グループデータの40ビットワードを入力することを、一般性を失わずに仮定した場合、図10のブロック120は、この連続的に入力されたデータワードを指定のQPI装置にルーティングする役割を担うようになる。図10のブロック130は、指定された変調グループに変調データをルーティングする役割を担うようになる。図10のブロック140は、16ビットの方向変調データフィールドを、指定された変調グループと共に指定された画素アドレスにマッピングする役割を担うようになる。図10のブロック150は、24ビットの光強度及び色データを、マッピングされる画素グループアドレスに結び付ける役割を担うようになる。図10のブロック160は、24ビットの光強度及び色変調データを、空間光学型指向性光変調器を含む指定されたQPI装置内の指定された画素にルーティングする役割を担うようになる。この40ビットワードの連続データ入力の例示的なデータ処理フローでは、空間光学型指向性光変調器が、その開口部から出射される光の強度、色及び方向を、その入力データ内の符号化された情報に基づいて変調する。一例として、光強度及び色変調は、多色画素のオン/オフ時間をパルス幅変調して光の平均強度を制御し、結果的に得られる色を構成する各色成分の強度を制御することであってもよいが、必要に応じて他の制御法を使用することもできる。いずれにせよ、方向及び強度が制御され、多色システムでは、色、方向及び強度が制御される。
【0031】
考えられる用途:
本発明の空間光学型指向性光変調器は、3Dディスプレイを実装するための液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトとして使用することができる。この空間光学型指向性光変調器を単独で使用して、例えば図11に示すような多数のQPI装置/WLOアセンブリのタイル状アレイとして実現される任意のサイズの3Dディスプレイを実装することができる。光変調器は、2D高解像度ディスプレイとして動作することもできる。この場合、QPI装置の個々の画素を使用して色及び強度を変調し、その統合されたWLOを使用してディスプレイの視野角を満たす。光変調器の入力データのフォーマットを所望の動作モードに見合うように適合させることにより、光変調器を2Dディスプレイモードから3Dディスプレイモードに切り換えることも可能である。光変調器を2Dディスプレイとして使用する場合、その光の角度発散は、WLOマイクロレンズアレイ±Θに関連するものになり、個々の変調グループGiの画素分解能を利用して高空間分解能を達成する。
【0032】
図12に、別の実施形態である時空間光学型指向性光変調器を概念的に示す。図12に示すように、この指向性光変調器は、発光面上にWLOマイクロレンズアレイ(MLA)220を直接搭載した発光マイクロアレイQPI装置210で構成され、アセンブリ全体が、少なくとも1つの軸を中心に、好ましくはそのx軸及びy軸を中心に±αx及び±αyの範囲内の角度だけ時間的に関節運動する。図12に示すようなQPI/MLAアセンブリ230の関節運動は、アセンブリ全体を2軸ジンバル上に配置することにより、ジンバルのx軸を±αxの範囲内の角度だけ時間的に作動させ、ジンバルのy軸を±αyの範囲内の角度だけ時間的に作動させることによって達成される。2軸ジンバルによって実現されるx軸及びy軸の時間的関節運動は、QPI/MLAアセンブリ230から出射される光の方向変調角を、MLA220のマイクロレンズ素子(図4を参照)により提供される角度範囲を越えてx軸を中心に2αxだけ、及びy軸を中心に2αyだけ時間的に拡大するようになる。本明細書では、ジンバル及び2軸ジンバルという単語は一般的な意味で使用され、常にいずれかの2本の直交する軸の一方又は両方を中心とする少なくとも制限された角度を通じた回転を可能にするあらゆる構造を意味する。従って、定義には、この能力を提供する同心リング、球継ぎ手及びその他のいずれかの構造が含まれる。
【0033】
図12に示すようなQPI/MLAアセンブリ230のx軸及びx軸の関節運動により、方向(d1,d2,...,dn)に出射される光は、MLA220のレンズ素子によって与えられる角度範囲に、x方向に2αx、y方向に2αyを加えた範囲まで広がる多数の光方向(d1i,d2i,...,dni);i=1,2,...,に時間的に多重化される。このことを、1つの関節運動軸に沿ったQPI/MLAアセンブリ230の角度的発光範囲の時間的拡大を示す図13Aに例示目的で示す。図13Aにおいて、角度Θは、MLA220の1つのレンズ素子の角度範囲を表し、角度αは、ジンバルがx軸及びy軸を中心にそれぞれ角度αx(t)及びαy(t)だけ関節運動した結果としてのレンズ素子の瞬時的複合関節運動角を表す。図12に示すとともに図13Aにより説明するQPI/MLAアセンブリ230の関節運動により、QPI駆動回路を通じて個別にアドレス指定可能なQPI装置210の発光マイクロスケールアレイ内の画素は、空間的、彩色的及び方向的に変調された光を出射できるようになり、これにより方向的に変調された光の角度範囲は、MLA220のレンズ素子の角度範囲Θ(又は開口数)を越えてx方向に角度2αx及びy方向に角度2αyだけ時間的に拡張される。さらに、時空間光学型指向性光変調器200の時間的関節運動により、変調された光方向(d1,d2,...,dn)の数が、(Θ+αx)(Θ+αy)/Θ2として表される各関節運動の方向に、角度範囲が拡張する割合だけ時間的に増加する。
【0034】
時空間光学型指向性光変調器200のQPI/MLAアセンブリ230の2軸関節運動は、時間的に連続するものであっても、又は不連続(段階的)なものであってもよい。図13Bに、関節運動が時間的に連続する場合1310、及び作動が時間的に不連続な場合1320の、1つの軸におけるQPI/MLAアセンブリ230の複合的な時間的関節運動角α(t)を例示目的で示す。時空間光学型指向性光変調器200の時間的関節運動が不連続又は段階的である場合(1320)、典型的な角度ステップのサイズは、MLA220の角度範囲Θと、QPI/MLAアセンブリ230の空間分解能との比率に比例することが好ましい。図13A及び図13Bに示すように、通常、時空間光学型指向性光変調器のQPI/MLAアセンブリ230の時間的関節運動は、2軸の各々を中心とした反復的(又は周期的)で単独的ものになる。通常、時空間光学型光変調器の関節運動の反復周期は、ディスプレイの入力データフレームの持続時間に比例してこれと同期する(参考までに、典型的なディスプレイへの画像入力データは毎秒60フレームで到来し、しばしば60Hzフレームレート入力と呼ばれる)。時空間光学型光変調器により提供される拡張された角度範囲は、図13A及び図13Bに示す時間的関節運動の最大値±αxmaxによって決まり、MLA220のレンズ素子の角度範囲をΘとする値±(Θ+αxmax)によって求められる。通常、x軸及びy軸の関節運動の周期性は、時空間光学型指向性光変調器200の所望の拡張された角度範囲の時間的範囲が、必要なディスプレイの入力フレームレート内に収まるようにまとめて選択される。
【0035】
図12図13及び図14には、MLAレンズ素子の多数の時間的角度範囲断面520で構成された、時空間光学型指向性光変調器200のQPI/MLAアセンブリ230の角度範囲断面510を示している。QPI/MLAアセンブリ230のx軸及びy軸をそれぞれ中心とした適切に選択された時間的関節運動αx(t)及びαy(t)により、MLA220のレンズ素子の多数の時間的に多重化された角度範囲で構成される角度範囲が生成されるようになる。この角度範囲の断面形状は、QPI/MLAアセンブリ230のx軸及びy軸を中心とした角関節運動αx及びαyの大きさに応じてアスペクト比を適合させることができる。x方向及びy方向を中心とした関節運動速度は、時間的に生成されるこの角度範囲内の光方向が、入力画像データの変調フレーム内に収まる適当な負荷サイクル(変調持続時間)を有することを確実にするのに十分なものとなる。例えば、入力画像データの変調フレームが、一般に60Hz画像フレームレートと呼ばれる60画像フレーム/秒である場合、図14に示す各時間的角度範囲内の各光方向は1フレームにつき1回変調される必要があり、従って図14に示す角度範囲を生成するために必要な関節運動速度は、x軸又はy軸を中心にいずれも少なくとも180Hzになる。換言すれば、図14に示す角度範囲の例では、時間的角度範囲のサイズが各軸における角度範囲のサイズの3倍であり、図14の説明図のx方向又はy方向を中心とした関節運動速度は、入力画像データフレームレートの少なくとも3倍である必要がある。MLAレンズ素子の角度範囲は、重なっていても、又は重なっていなくてもよい。一般に、QPI/MLAアセンブリ230のx軸又はy軸を中心とする関節運動速度は、各軸に沿った角度範囲のサイズ(°単位)と同じ軸に沿った角度範囲のサイズ(°単位)との比率に等しい係数を入力画像データの変調フレームレートに乗じたものに少なくとも等しいものである必要がある。
【0036】
図14を参照すると、角度範囲を有し、QPI装置210を構成する多数の画素に対応する多数の方向的に変調された出射光を含む、時空間光学型指向性光変調器200のQPI/MLAアセンブリ230の時間的関節運動では、光ビームのいくつかが時間的に減少した際に、新たな方向的に変調された光ビームの組が、時空間光学型指向性光変調器200の拡張された角度範囲が全てカバーされるまでパイプライン方式で連続的に追加される。関節運動した開口部の範囲内に所与の方向が時間的に留まっている時に、所与の瞬間にQPI/MLAアセンブリ230の全ての発光開口部を利用して、この方向において所望の光ビーム強度を蓄積(変調)する(通常はパルス幅変調によって行われるが、必要に応じて比例制御を使用することもできる)。この多数の方向的に変調される光ビームの時空間光学的なパイプライン方式の結果、時空間光学型光変調器の応答時間を、最小限のレイテンシで画像データ入力速度に見合うようにすることができる。この所与の方向が角度範囲内に留まる継続時間により、その方向の光強度を変調するために利用可能な変調時間が決まり、この結果、拡張された角度範囲の周辺領域内の方向は、補正されない限り角度範囲の内部領域よりも強度が低くなり得る。この強度エッジのテーパ化の効果は、一般に時空間光学型光変調器の場合を除く光学系のエッジで生じるフレネル損失と若干類似しており、このような効果は、時空間光学型指向性光変調器200のQPI/MLAアセンブリ230の時間的関節運動の速度を適切に選択することによって補正することができる。
【0037】
選択肢として、ここでも3×3の例を用いて、1つのレンズ素子のx軸を中心とした角度範囲(半角)をΘxとし、1つのレンズ素子のy軸を中心とした角度範囲をΘyとした場合、αxが2Θxに等しくαyが2Θyに等しければ、関節運動を含む総角度範囲は、1つのマイクロレンズ素子の角度範囲の3倍(2Θxの3倍又は2Θyの3倍)になる。一例として、x軸については、これら3つの連続的な角度範囲は以下のようになる。
(−αx−Θx)〜(−Θx)、
(−Θx)〜(Θx)、及び
(Θx)〜(Θx+αx)。
各角度範囲は、関節運動の角度増分も構成する。
【0038】
各方向の3つの連続する個々の角度範囲は、以下のように2次元角度範囲マトリクスと見なすことができる。
1、2、3
4、5、6
7、8、9
【0039】
この選択肢は不連続法であり、すなわち割り当て時間にわたって角度範囲1を表示し、第1の軸を中心に1角度増分だけ進み、同じ割り当て時間にわたって角度範囲2を表示し、また1角度増分だけ進み、割り当て時間にわたって角度範囲3を表示した後で、他軸において1角度増分だけ進んで割り当て時間にわたって範囲6を表示し、この軸において1角度増分だけ戻り、割り当て時間にわたって角度範囲5を表示し、以下同様である。割り当て時間に角度範囲9を表示した後には、9を繰り返す(割り当て時間の2倍にわたって表示し続ける)ことができ、その後、1つの軸における同時に2つ以上の角度増分を避けるために後戻りするが、こうすると、より高い速度を使用しない限りフリッカが発生すると予想される。より良い方法は、角度範囲9から角度範囲1に移行すること、すなわち2つの軸上で同時に2角度増分だけジャンプすることである。しかしながら、2つの軸上における2角度増分のジャンプでは、x軸とy軸が互いに独立し、全ての変化が角度加速の後に角度減速を含み、従って2角度増分の変化のほうが1角度増分の変化よりも平均速度が速くなるので、1つの軸上における1角度増分の角度変化の2倍の長さを取るべきではない。さらなる選択肢は、不連続法と連続法の組み合わせを含むことができる。要するに、多くの選択肢が存在し、これらは全て本発明の範囲に含まれる。
【0040】
本明細書では1500と称する本発明の1つの実施形態を図15に示しており、この図には、この実施形態の等角図、上面図及び側面図が含まれる。図15に示すように、時空間光学型指向性光変調器は、複数のシリコン基板層、すなわちヒンジ層1521、スペーサ層1528及び基層1530を用いて作製された2軸ジンバルアセンブリ1520の上面に、(図12に示す)QPI/MLAアセンブリ230を結合することによって実現される。図15に示すように、2軸ジンバルアセンブリ1520のヒンジ層1521は、外側フレーム1522、内側リング1523、及びQPI/MLAアセンブリ230が結合される内側セグメント1525で構成される(以下、1525を同義的に装置ボンディングパッド1525とも呼ぶ)。外側フレーム1522と、内側リング1523と、内側セグメント1525との間の間隙は、標準的な半導体リソグラフィ法を用いてエッチングされる。内側セグメント1525は、典型的には各々が約0.3〜0.5mm幅の2つのシリコンヒンジ1524により、x軸に沿って内側リング1523に物理的に接続され、これらのシリコンヒンジ1524は、x軸ヒンジの役割を果たすとともにジンバルの中立的なx軸位置も定めて、x軸の関節運動のための機械的抵抗ばねの役割を果たす。内側リング1523は、典型的には各々が約0.3〜0.5mm幅の2つのシリコンヒンジ1526により、y軸に沿って外側フレーム1522に接続され、これらのシリコンヒンジ1526は、y軸ヒンジの役割を果たすとともにジンバルの中立的なy軸位置も定めて、y軸の関節運動のための機械的抵抗ばねの役割を果たす。2対のシリコンヒンジ1524及び1526は、x軸及びy軸の関節運動が行われる中心となる2軸ジンバルの枢動軸を構成する。2軸ジンバルアセンブリ1520のヒンジ層1521の内側セグメント1525は、フリップチップはんだボールなどの標準的なはんだ付け技術を用いてQPI/MLAアセンブリ230が結合される多数のコンタクトパッドを含み、従って内側セグメント1525は、QPI/MLAアセンブリ230が結合されるボンディングパッドになる。2軸ジンバルアセンブリ1520のヒンジ層1521の内側セグメント1525には、x軸及びy軸シリコンヒンジ1524及び1526を介して内側セグメント1525の上面の一連のコンタクトパッドを外側フレーム1522の周辺に沿って配置された一連の装置コンタクトパッド1527に接続する多数の金属レールが埋め込まれる。内側セグメント1525の上面の一連のコンタクトパッドは、QPI/MLAアセンブリ230の裏面に電気的及び物理的に接触するコンタクトパッドである。
【0041】
図15の側面図を参照すると、QPI/MLAアセンブリ230が、内側セグメント1525の上面に結合された形で示されている。上述したように、この結合は、はんだ又は共晶ボールグリッドアレイタイプの結合を用いた内側セグメント1525の上面のコンタクトパッドとQPI/MLAアセンブリ230の裏面のコンタクトパッドとの間の電気的及び物理的接点結合である。図15の側面図には、ベンゾシクロブテン(BCB)ポリマー接着などを用いて基層1530の上面及びヒンジ層の裏面にウェハレベルで結合されるスペーサ層1528も示している。スペーサ層1528の高さ(又は厚み)は、内側セグメント1525及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230の角部の最大作動角での垂直変位に対応するように選択される。内側セグメント1525の対角線が共に5mmであり、角部における最大関節運動角が15°である場合、スペーサ層1528の厚みは、内側セグメント1525の角部の最大関節運動における垂直変位に対応するために約0.65mmとすべきである。
【0042】
図15の側面図を参照すると分かるように、内側セグメント1525及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230の関節運動は、内側セグメント1525の裏面の4つの角部に配置された電磁石の組1535、及び内側セグメント1525の裏面の4つの角部と位置合わせされて基層1530の上面に配置された永久磁石1536の組を使用して行われる。電磁石1535は、内側セグメント1525の裏面で多層インプリントリソグラフィを用いてウェハレベルで形成された金属コアを有するコイルである。永久磁石1536は、典型的にはネオジム磁石(Nd214B)などの薄い磁気ストリップである。上述したような、内側セグメント1525及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230の関節運動は、内側セグメント1525及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230を上述したように時間的に関節運動させる、電磁石の組1535と永久磁石1536の間の磁力の適切な時間的変動に影響を与えるのに適した時間的振幅変動を有する電気信号で電磁石の組1535を駆動させることによって行われる。上述した、QPI装置210により生成され、内側セグメント1525に組み込まれた金属レール及び接点を介して電磁石の組1535に供給される、電磁石の組1535に対する電気駆動信号は、QPI装置210の画素アレイから出射され強度及び色を変調された光の所望の方向変調を可能にする範囲で、QPI装置210によって行われる画素変調に同期される。電磁石の組1535に対する電気駆動信号の時間的変動は、図15に示すような内側セグメント1525及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230のx軸及びy軸を中心とした時間的角関節運動を可能にするように選択される。通常、本発明の実施形態1500によって実現できる図13Bに示す時間的角関節運動α(t)の最大値±αmaxは、ヒンジ層1521のシリコン基板の厚み、並びにシリコンヒンジ1524及び1526の選択された幅に応じて±15°〜±17°になる。
【0043】
上述した、QPI装置210により生成され、内側セグメント1525に組み込まれた金属レール及び接点を介して電磁石の組1535に供給される、電磁石の組1535に対する電気駆動信号は、基本成分及び補正成分で構成される。電磁石の組1535に対する電気駆動信号の基本成分は公称値を表し、補正成分は、シリコンヒンジ1524及び1526と位置合わせされて内側セグメント1525の裏面に配置される4つのセンサの組により生成される角関節運動の誤差値から導出される。これらのセンサは、基層1530の上面に配置された4つのIRエミッタと位置合わせされて内側セグメント1525の裏面に配置された赤外線(IR)検出器のアレイである。これらの4つのIR検出器アレイの出力値は、ここでも上述した内側セグメント1525に組み込まれた金属レール及び接点を介してQPI装置にルーティングされて、導出された関節運動の角度と実際の関節運動の角度の誤差推定値を計算するために使用され、QPIにより供給された駆動信号に対する補正として電磁石の組1535に組み込まれる。内側セグメント1525の裏面に配置されるセンサは、ジンバルの2軸の各々に沿った作動角を検出するように正しく位置合わせされたマイクロスケールジャイロとすることもできる。
【0044】
本明細書では1600と称する本発明の別の実施形態を図16に示す。図16は、この実施形態の等角図及び側面図を含む。図16に示すように、本発明の実施形態1600は、頂部にQPI/MLAアセンブリ230が結合された2軸ジンバルアセンブリ1620で構成される。図16には、実施形態1600の分解等角図も示して、この実施形態の2軸ジンバルアセンブリ1620の構成層を示している。図16に示すように、時空間光学型指向性光変調器は、複数のシリコン基板層、すなわちパッド層1621、ばね層1625及び基層1630を用いて作製された2軸ジンバルアセンブリ1620の上面に、(図12に示す)QPI/MLAアセンブリ230を結合することによって実現される。パッド層1621の上面は、フリップチップはんだボールなどの標準的なはんだ付け技術を用いてQPI/MLAアセンブリ230が結合される多数のコンタクトパッドを含み、従ってパッド層1621の上面は、QPI/MLAアセンブリ230が結合される結合層/コンタクトパッド1623になる。パッド層1621の裏面は、UVインプリントリソグラフィなどを用いてパッド層1621の裏面にポリカーボネート重合体をウェハレベルでエンボス加工することによって形成される球状ピボット1635を含む。パッド層1621及びその裏面にエンボス加工された球状ピボット1635は、ヒンジパッド1621/1635と呼ばれる。この球状ピボット1635の中心の高さによって角偏向のx軸及びy軸の高さが決まる。基層1630の上面は、基層1630の上面においてポリカーボネートポリマをウェハでエンボス加工することにより形成される球状ソケット1636を含む。基層1630及びその上面にエンボス加工された球状ソケット1636は、台座1630/1636と呼ばれる。パッド層1621の裏面に含まれる球状ピボット1635、及び基層1630の上面に含まれる球状ソケット1636の表面曲率は、ヒンジパッド1621/1635が台座1630/1636の頂部に配置された時に2軸関節パッドとなるように±を適合される。球状ピボット1635及び球状ソケット1636のエンボス加工面は、数nmRMS程度の表面粗度の面から見て光学的品質であるが、関節運動に起因して2つの面間で起こり得る摩擦は、球状ピボット1635及び球状ソケット1636の表面を黒鉛の薄層(50〜100nm)でコーティングすることによって低減される。
【0045】
ヒンジパッド1621/1635は、ばね層1625内にエッチングされた単一の螺旋形ばね1626を4つの角部の各々に含むばね層1625により、台座1630/1636の表面曲率の範囲内で適所に保持される。図16の等角分解図に示すように、4つの螺旋形ばねの各々の内端は、パッド層1621の裏面に位置する同一のコンタクトパッド1622に対応する内側ボンディングパッド1627を含む。螺旋形ばね1626には、内側ボンディングパッド1627からの電気インターフェイス信号を、ばね層1625の裏面の周縁部に位置する一連のエッジ接点/パッド1628にルーティングするために使用される複数の金属レールが埋め込まれる。ばね層1625の外端の裏面上のエッジ接点/パッド1628は、基層1630の周縁部に位置する適合するボンディングパッドの組1629に対応する。基層1630の上面上のエッジ接点は、基層内に埋め込まれた金属レールを介して、基層1630の裏面上に位置する装置コンタクトパッドの組1631に接続される。図16の側面図に示す本発明の実施形態1600の最終アセンブリでは、ばね層1625のエッジ接点/パッド1628の裏面が基層1630の上面ボンディングパッド1629に結合し、螺旋形ばね1626の内側ボンディングパッド1627がパッド層1621の裏面の対応するコンタクトパッド1622に結合した時に、4つの螺旋形ばね1626が拡張される。上記で説明したように、ばね層1625がパッド層1621の裏面及び基部層1630の螺旋形ばね1626の上面に結合すると、4つの螺旋形ばねは完全に拡張し、その完全な拡張した構成において、(1)球状ソケット1636内に球状ピボット1635を保持するために必要なばね負荷抵抗を生じること、(2)ヒンジパッド1621/1635の中立位置を維持するのに必要な機械的バランスを生じること、及び(3)装置コンタクトパッド1631からQPI/MLAアセンブリ230の結合層/コンタクトパッド1623に電気インターフェイス信号をルーティングすること、という複数の目的を果たす。図16の側面図を参照すると、QPI/MLAアセンブリ230は、パッド層1621の結合層/コンタクトパッド1623の上面に結合された形で示されている。この結合は、はんだ又は共晶ボールグリッドアレイタイプの結合を用いた結合層/コンタクトパッド1623とQPI/MLAアセンブリ230の裏面のコンタクトパッドとの間の電気的及び物理的接点結合である。この動作構成では、装置アセンブリ1600全体が、基層の裏面に位置するコンタクトパッド1631を用いて基板に、或いははんだ又は共晶ボールグリッドアレイタイプの結合を用いてプリント基板に結合される。
【0046】
図16の側面図には、ヒンジパッド1621/1635及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230の角部の最大作動角での垂直変位に対応するように選択される球状ソケット1636の拡大された高さも示している。例えば、ヒンジパッド1621/1635及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230の対角線が5mmであり、角部における最大作動角が±30°である場合、球状ソケット1636の拡大された高さの厚みは、ヒンジパッド1621/1635及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230の角部の最大作動角での垂直変位に対応するために約1.25mmとすべきである。
【0047】
パッド層1621及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230の作動は、球状ピボット1635内に埋め込まれた電磁石の組、及び球状ソケット1636内に埋め込まれた永久磁石の組を用いて行われる。上記の段落で説明した作動動作に影響を与えるために、球状ピボット1635に埋め込まれた電磁石には作動電気駆動信号がルーティングされる。球状ピボット1635に埋め込まれた電磁石に対する作動電気駆動信号の基本成分は公称値を表し、角関節運動から導出される補正成分は、パッド層1621の裏面に配置された4つのセンサの組により生成される誤差値を表す。これらのセンサは、基層1630の上面に配置された4つのIRエミッタと位置合わせされてパッド層1621の裏面に配置された赤外線(IR)検出器のアレイである。これらの4つのIR検出器アレイの出力値は、ここでも上述したパッド層1621に組み込まれた金属レール及び接点を介してQPI装置にルーティングされて、導出された関節運動の角度と実際の関節運動の角度の誤差推定値を計算するために使用され、QPI装置により供給された駆動信号への補正として、球状ピボット1635に埋め込まれた電磁石の組に組み込まれる。パッド層1621の裏面に配置されるセンサは、ジンバルの2軸の各々に沿った作動角を検出するように正しく位置合わせされたマイクロスケールジャイロとすることもできる。
【0048】
球状ソケット1636に埋め込まれた永久磁石は、典型的にはネオジム磁石(Nd2Fe14B)などの薄い磁気ロッド又はワイヤであり、球状ソケット1636の湾曲したキャビティにわたって均一な磁場を与えるように成形される。上述したような、パッド層1621及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230の作動は、パッド層1621及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230を上述したように時間的に関節運動させる、球状ピボット1635に埋め込まれた電磁石の組と球状ソケット1636内に埋め込まれた永久磁石との間の磁力の適切な時間的変動に影響を与えるのに適した時間的振幅変動を有する電気信号で球状ピボット1635に埋め込まれた電磁石の組を駆動させることによって行われる。上述した、QPI装置210により生成され、パッド層1621に組み込まれた金属レール及び接点を介してルーティングされる、球状ピボット1635に埋め込まれた電磁石の組に対する電気駆動信号は、QPI装置の画素アレイから出射され強度及び色を変調された光の所望の方向変調を可能にする範囲で、QPI装置によって行われる画素変調に同期される。球状ピボット1635に埋め込まれた電磁石の組に対する電気駆動信号の時間的変動は、図15に示すようなパッド層1621及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230のx軸及びy軸の両方に沿った時間的角関節運動を可能にするように選択される。通常、本発明の実施形態1600によって実現できる図15に示す時間的角関節運動α(t)の最大値±αmaxは、パッド層1621及び結合されるQPI/MLAアセンブリ230の角部の最大垂直変位を規定する球状ソケット1636の拡張された高さに応じて±30°〜±35°になる。
【0049】
当業者であれば、上記の段落で説明した本発明の実施形態1500及び1600のジンバルアクチュエータを、電磁石及び永久磁石の位置を交換することによって実質的に同じ目的を達成するように実装できることが分かるであろう。
【0050】
本発明の2つの例示的な実施形態1500及び1600は、主に各々が実現できる時間的角関節運動α(t)の最大値±αmax、及び各実施形態がQPI/MLAアセンブリ230の境界を越えて必要とする外部領域が異なる。第1に、本発明の実施形態1600では、図16に示すように、2軸ジンバルがQPI/MLAアセンブリ230の占有面積に完全に収容される(以下、ゼロエッジの特徴と呼ぶ)のに対し、本発明の実施形態1500では、図15に示すように、2軸ジンバルがQPI/MLAアセンブリ230外側境界の外周に収容される。第2に、実施形態1600が達成できる時間的角関節運動α(t)の最大値±αmaxは、恐らく実施形態1500が実現できるものの2倍になり得る。当然ながら、実施形態1600が達成できる時間的角関節運動α(t)の大きな最大値±αmaxは、実施形態1500よりも大きな鉛直高さを必要とするという犠牲によって得られるものである。実施形態1600のゼロエッジの特徴は、大面積ディスプレイを形成するようにタイル配置するのに適しており、実施形態1500の低プロファイル(低い高さ)の特徴は、モバイル用途のためのコンパクトなディスプレイを形成するのに適している。
【0051】
MLA220のマイクロレンズシステム610、620及び630の角度範囲Θは、マイクロレンズシステム610、620及び630の屈折面の適切な設計選択を通じて、又はその光学素子の数を増減することにより、図6の例示的な実施形態の±15°より大きくすることも、又は小さくすることもできる。しかしながら、画素変調グループGi内の画素数という観点から見た所与の解像度については、MLA220マイクロレンズシステムの角度範囲Θを変化させると、本発明の時空間光学型指向性光変調器のQPI/MLAアセンブリ230により出射される方向的に変調された光ビーム間の角度分解能(分離)が変化するようになる。例えば、上述した例示的な実施形態のΘ=±15°の角度範囲では、画素グループGiが(128×128)の画素を含む場合、本発明の時空間光学型指向性光変調器のQPI/MLAアセンブリ230により出射される方向的に変調された光ビーム間の角度分解能は、近似的にδΘ=0.23°になる。このδΘ=0.23°という同じ角度分解能値は、MLA220マイクロレンズシステムの角度範囲をΘ=±7.5°に、画素グループGiを構成する画素の数を(64×64)画素に低減することによって達成することもできる。一般に、MLA220のマイクロレンズシステムにより高いF/#(すなわち、より小さな角度範囲の値Θ)を使用すると、より小さな画素変調グループGiのサイズを用いて所与の角度分解能値を達成することができ、この結果、QPI装置210の所与の画素分解能の範囲内でより多くの画素グループGiを形成するためにより多くの画素が利用可能になり、従って本発明の時空間光学型指向性光変調器のQPI/MLAアセンブリ230により達成できる空間分解能よりも高い空間分解能が得られるようになる。この設計上のトレードオフにより、MLA220のマイクロレンズシステムの設計パラメータのF/#と、QPI/MLAアセンブリ230によって達成できる空間分解能との間で適切なバランスを選択することができる。一方、空間分解能を高めるためにMLA220マイクロレンズシステムのF/#を高めると、本発明の時空間光学型指向性光変調器のQPI/MLA230によって達成できる角度範囲が減少する。この時点で、時間的角関節運動α(t)の最大値αmaxは、空間分解能を高めることを選択して失った角度範囲を回復するための設計上のトレードオフの一部になる。上述した例では、関節運動角の最大値αmaxを、αmax=±7.5°となるように選択した場合、本発明の時空間光学型方向変調器は、(64×64)画素の画素グループGiを使用して(αmax+Θ)=±15°の拡張された角度範囲を達成することができる。基本的に、δΘという所与の角度分解能値では、関節運動角の最大値αmaxは、時空間光学型方向変調器によって達成できる方向変調又は空間分解能の角度範囲を増やすために使用できるパラメータとしてトレードオフになる。
【0052】
本発明の時空間光学型光変調器は、方向的に変調された多数の光ビームを所与の時点で同時に生成するという点において、走査ミラーを使用して光ビームを時間方向的に変調する先行技術とは1つの非常に重要な側面が異なる。本発明の時空間光学型光変調器の場合、ジンバル付きのQPI/MLAアセンブリ230が関節運動して方向変調分解能及び角度範囲を拡張することにより、多数の方向的に変調された光ビームが時間的に多重化される。上述したように(図14を参照)、ジンバル付きのQPI/MLAアセンブリ230が関節運動すると、光ビームのいくつかが時間的に減少した際に、新たな方向的に変調された光ビームの組が、時間的に一部が抜け落ちたときに、本発明の時空間光学型指向性光変調器200により提供される拡張された角度範囲が全てカバーされるまでパイプライン方式で追加される。従って、QPI/MLAアセンブリ230の関節運動した開口部の範囲内に所与の方向が時間的に留まっている時に、所与の瞬間にジンバル付きQPI/MLAアセンブリ230の全ての発光開口部を利用して、この方向における所望の強度を蓄積する。この多数の方向的に変調される光ビームの時間的なパイプライン方式の結果、本発明の時空間光学型光変調器の応答時間を、最小限のレイテシで画像データ入力速度に見合うようにすることができる。また、本発明の時空間光学型指向性光変調器のジンバル付きQPI/MLAアセンブリ230の関節運動をノンストップパターンで行うことにより、ジンバル付きQPI/MLAアセンブリ230が本発明の時空間光学型光変調器の拡張された角度範囲にわたって関節運動する時に、その発光開口部のブランキングが最低限しか、又は全く行われなくなる。従って、本発明の時空間光学型光変調器により、先行技術の指向性光変調器の応答時間の遅さ、効率の悪さ及び体積の大きさという欠点は実質的に全て解消される。
【0053】
図8及び図9に、時空間光学型指向性光変調器の動作原理を示す。図8には、画素グループGiの1つの軸に沿ったサイズが便宜上n=2mとなるように選択した、QPI装置210の発光画素の(n×n)の2次元アレイで構成された画素グループGiのうちの1つの例示的な実施形態を示している。図8を参照して分かるように、画素グループGiによって達成できる方向変調アドレス指定能力は、変調グループGiを構成する(n×n)画素の、2つの軸x及びyの各々に沿ったmビットのワードを使用したアドレス指定能力を通じて実現される。図9には、QPI画素変調グループGiを構成する(n×n)個の画素から出射された光を、図6に示す例示的な実施形態のような関連するMLA220のマイクロレンズ素子の角度範囲Θにより定められる3次元体積内の個々の方向にマッピングしたものを示している。説明例として、QPIの個々の画素の寸法が(5×5)ミクロンであり、QPI画素グループGiが(n×n)=(27×27)=(128×128)の画素アレイで構成され、関連するMLA220のマイクロレンズ素子の角度範囲がΘ=±15°である場合、QPIの発光面におけるサイズ(0.64×0.64)ミリメートルのQPIの2次元変調画素グループGiの各々からは、Θ=±15°の角度範囲に及ぶ(128)2=16,384個の個別にアドレス指定可能な指向性光ビームを生成することが可能であり、これにより各16,384方向に生成される光は、色及び強度も個別に変調することができる。上述したように(図12及び図13Aを参照)、QPI/MLAアセンブリ230が、実施形態1500及び1600の2軸ジンバルを使用して関節運動すると、QPI/MLAアセンブリ230のレンズ素子により提供される方向変調角の範囲が、ジンバルにより提供される最大関節運動角±αmaxによって時間的に拡大される。従って、本発明の時空間光学型指向性光変調器により提供される方向変調角の範囲は、合計で±(Θ+αmax)の角度範囲にわたって時間的に拡大されるようになる。例えば、MLA220のレンズ素子の角度範囲がΘ=±15°であり、最大関節運動角がαmax=±30°の場合、時空間光学型指向性光変調器により提供される拡張された角度範囲は、(Θ+αmax)=±45°になり、この変調器が時間的に生成できる光変調方向は、[n(Θ+αmax)/Θ]2=9×QPI/MLAアセンブリ230により生成できる光変調方向の数(図14を参照)、すなわち、9(128)2=147,456個の光変調方向になる。すなわち、本発明の時空間光学型指向性光変調器により生成できる光変調方向の数は(3n×3n)になり、ここで(n×n)は、QPIの画素数の面から見たMLA220のレンズ素子の1つに関連する画素グループGiのサイズである。従って、この例では、時空間光学型指向性光変調器が、9×QPI/MLAアセンブリ230により提供される方向変調分解能までの拡張された方向変調分解能を提供する。一般に、時空間光学型指向性光変調器により提供される方向変調分解能は、±(Θ+αmax)の角度に及ぶ角度範囲内で[n(Θ+αmax)/Θ]2になる。
【0054】
上記の設計例で説明したようなQPI画素変調グループGiの(N×M)のアレイを使用すれば、本発明の時空間光学型指向性光変調器の方向変調能力に加えて空間変調も可能になる。例えば、上記の例の(9×128)2=147,456という方向変調分解能を提供するN=16×M=16空間変調分解能を有する本発明の指向性光変調器を形成することが必要である場合、本発明の時空間光学型指向性光変調器は、(16×16)の方向変調グループGiのアレイを含み、(5×5)ミクロンの画素サイズを有するQPIを使用する場合、時空間光学型指向性光変調器全体のサイズは、約10.24×10.24mmになる。上記の例の角度範囲値を使用すると、このような本発明の空間光学型指向性光変調器から出射された光は、(16×16)の解像度で空間変調され、±45°の角度範囲内において147,456の解像度で方向的に変調され、各方向における色及び強度も変調することができる。
【0055】
上記の例に示すように、所与の角度範囲内における個別にアドレス指定可能な方向の数という面から見た時空間光学型光変調器の空間及び方向変調分解能は、発光マイクロエミッタアレイQPI装置210の解像度及び画素ピッチ、MLA220レンズ素子のピッチ、MLA220レンズ素子の角度範囲、及び変調器ジンバルの最大関節運動角を選択することによって決まる。当業者には、上記の説明で示した教示に従ってあらゆる所望の空間及び方向変調能力を実現できる時空間光学型指向性光変調器を形成するために、MLAレンズシステムをより広い又はより狭い角度範囲が可能になるように設計することができ、ジンバル設計をより広い又はより狭い関節運動角が可能になるように選択することができ、各変調グループ内の画素数をより少なく又はより多くなるように選択できることが明らかである。
【0056】
本発明の空間光学型指向性光変調器を使用すれば、あらゆる所望の空間及び方向変調能力を実現することができる。上記の例では、単一の10.24×10.24mmのQPI装置210を用いて、(16)2の空間分解能及び(3×128)2の方向分解能を有する本発明の空間光学型指向性光変調器をどのように実装できるかを示した。高い空間分解能を実現するために、本発明の時空間光学型光変調器は、本発明のより小さな空間分解能の時空間光学型指向性光変調器を数多く含むタイル状アレイを用いて実装することができる。例えば、上記の例の時空間光学型指向性光変調器の(3×3)のアレイを図11に示すようにタイル配置した場合、結果として得られる時空間光学型指向性光変調器は、(3×16)2の空間分解能及び(3×128)2の方向分解能を提供するようになる。高空間分解能バージョンを実現するために本発明の多数の時空間光学型方向変調器をタイル状に配置することが可能なのは、その体積寸法がコンパクトなためである。例えば、それ自体の例示的な幅、高さ及び厚みがそれぞれ10.24×10.24×5mmである単一のQPI装置210を用いた上記の例の時空間光学型指向性光変調器を使用して、幅、高さ及び厚みの寸法がそれぞれ3.07×3.07×0.5cmである、図11に示すさらなる高分解能バージョンを形成することができる。例えば、このタイル配置を、より小さな解像度時空間光学型指向性光変調器の(30×30)のアレイを含むように拡張した場合、結果として得られる時空間光学型指向性光変調器は、(30×16)2の空間分解能及び(3×128)2の方向分解能を有し、幅、高さ及び厚みはそれぞれ30.07×30.07×0.5cmになる。上記の例の多数の時空間光学型指向性光変調器を、その裏面に位置するマイクロボールグリッドアレイ(MBGA)の電気接点を用いてバックプレーンに結合することにより、図11に示す本発明の時空間光学型指向性光変調器の高空間分解能バージョンを実装することが可能になり、実施形態1600のゼロエッジの特徴を前提とすれば、これにより多数のこのような指向性光変調器装置のシームレスなタイル配置を実現してあらゆる所望のサイズの時空間光学型指向性光変調器を実装することが可能になる。当然ながら、図11に示す時空間光学型指向性光変調器のアレイのサイズは、あらゆる所望の空間分解能を実現するために必要な範囲まで増大させることができる。空間分解能を高めるために、時空間光学型指向性光変調器の方向分解能を犠牲にすることも可能である。例えば、画素変調グループのサイズを(64×64)に低減した場合、図11に示す(3×3)のアレイは、(3×32)2の空間分解能及び(3×64)2の方向分解能をもたらすようになる。特筆すべきは、図11に示す拡張された空間開口部を提供する時空間光学型指向性光変調器のアレイが、本発明の時空間光学型指向性光変調器の実施形態1600の上述したゼロエッジの特徴によって可能になる点である。
【0057】
図8及び図9の説明図を参照して、時空間光学型指向性光変調器の動作原理を説明する。図8には、方向変調にmビットの分解能を使用する変調グループGiの各々の2次元アドレス指定能力を示す。上述したように、変調グループGiの(2m×2m)の個々の画素から出射された光は、その関連するMLA220の素子により、関連するMLAのマイクロレンズ素子の±Θの角度範囲内で22mの光方向にマッピングされる。変調グループGiの各々における個々の画素の(x,y)次元の座標を使用すると、出射される光ビームの角座標(θ、φ)は、以下により与えられる。
【数2】
式中、αx(t)及びαy(t)は、それぞれ時間エポックtにおけるx軸及びy軸を中心とした関節運動角の値であり、角度θ(t)及びφ(t)は、θ=0における極軸が変調グループGiの発光面のz軸に平行な、時間エポックtにおける方向変調球面座標の値であり、m=log2nは、変調グループGi内のx及びy画素分解能を表すために使用されるビット数である。時空間光学型指向性光変調器の空間分解能は、全ての時空間光学型指向性光変調器を含む変調グループの2次元アレイ内の個々の変調グループGiの各々の座標(x,y)により定められる。基本的に、この時空間光学型光変調器は、その変調グループアレイにより定められる空間座標(x,y)及び方向座標(θ、φ)によって記述される光照射野を時間的に生成(変調)することができ、方向座標(θ、φ)は、変調グループGi内の発光画素の座標(x,y)の値、及び上記の方程式3及び4により定義される時空間光学型指向性光変調器の関節運動角の時間値によって定められる。
【0058】
図10には、空間光学型指向性光変調器のデータ処理ブロック図の例示的な実施形態を示しており、本発明の時空間光学型の実施形態にも適用可能である。16ビットを使用して方向変調を表し、典型的な24ビットを使用して各方向における変調された光強度及び色を表すという上記の説明は、本発明の時空間光学型の実施形態にも適用可能である。
【0059】
考えられる用途:
本発明の時空間光学型指向性光変調器を使用して、例えば図11に示すような多数の時空間光学型指向性光変調器装置のタイル状アレイとして実現される任意のサイズの3Dディスプレイを実装することができる。この時空間光学型指向性光変調器によって実現できる拡張された角度範囲は、体積がコンパクトで広い視野角を提供しながら、大型でコストの掛かる光学アセンブリを使用しない3Dディスプレイの実現を可能にする。この時空間光学型指向性光変調器によって達成できるコンパクトな体積のレベルは、デスクトップ、及び場合によってはモバイル3Dディスプレイの実現を可能にする。さらに、この時空間光学型指向性光変調器は、その拡張された方向変調能力により、その拡張された角度範囲内で、ヒトの視覚系の眼の角度分離に相応するδΘの角度分解能値で多数のビューを変調することができ、従って表示する3Dコンテンツを視聴するために眼鏡を使用する必要がない3Dディスプレイになる。実際に、本発明の時空間光学型指向性光変調器が生成できる独立して変調される光ビームの多さを考慮すると、この時空間光学型指向性光変調器は、生成される複数のビュー間の十分な角度分解能値によって3D画像を変調し、これにより一般に3Dディスプレイのパフォーマンスを妨げて眼の疲労を引き起こす輻輳調節矛盾(VAC)を排除することができる。換言すれば、本発明の時空間光学型指向性光変調器は、その角度分解能により、視聴者の眼の疲労を引き起こさないVACフリーな3D画像を生成することができる。この時空間光学型指向性光変調器は、その光照射野変調能力により、合成ホログラフィ3Dディスプレイを実装するために使用できる3D光照射野ディスプレイの基礎となることもできる。
【0060】
この時空間光学型指向性光変調器は、3Dディスプレイを実装するための液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトとして使用することもできる。この時空間光学型指向性光変調器は、2D高解像度ディスプレイとして動作することもできる。この場合、QPI装置210の個々の画素を使用して色及び強度を変調し、MLA220を使用してディスプレイの視野角を埋める。時空間光学型光変調器の入力データのフォーマットを所望の動作モードに見合うように適合させることにより、時空間光学型光変調器を2D表示モードから3D表示モードに切り換えることも可能である。時空間光学型指向性光変調器を2Dディスプレイとして使用する場合、その光角度範囲は、高空間分解能を実現するために利用される個々の変調グループGiの画素分解能を有する、MLA220のマイクロレンズ素子にジンバルの関節運動角±(Θ+αmax)を加えたものに関連したものになる。
【0061】
従って、本発明には多くの側面があり、これらの側面は、単独で、或いは様々な組み合わせ又は部分的組み合わせで望む通りに実践することができる。本明細書では、限定ではなく例示を目的として本発明のいくつかの好ましい実施形態を開示し説明したが、当業者であれば、以下の特許請求の範囲の全容によって定められる本発明の思想及び範囲から逸脱することなく本明細書において形式及び詳細の様々な変更を行うことができると理解するであろう。
【符号の説明】
【0062】
d1〜d4 方向
p1〜p4 画素
図1
図2
図3
図4
図8
図9
図10
図13A
図13B
図14
図15
図5
図6
図7
図11
図12
図16