(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実例となる実施形態が、以下に記載される。明確化のため、実際に実現されるすべての機構が本明細書に記載されるわけではない。当然ながら、任意のそのような実際の実施形態の開発において、実現によって異なる、システムに関連する制約およびビジネスに関連する制約の順守等の開発者の特定の目的を達成するために、多数の実現に特異な決定が行われるべきであることが理解される。さらに、そのような開発努力は、複雑かつ時間のかかるものであり得るが、それでもなお、本開示の利益を有する当業者にとっては日常的取り組みであり得ることが理解される。本明細書に開示されるシステムは、個々および組み合わせの両方で特許権保護が保証される、様々な発明の機構および構成要素を誇る。また、本明細書に記載される外科手術システムおよび関連方法は、概して、脊髄外科手術での使用に関して本明細書に記載されるが、脊髄および/または様々な他の神経組織の健康状態を評価することが有益であると実証され得る、外科手術ないしは別の方法による、任意の数の追加処置に好適であることも明確に留意される。
【0009】
執刀医が操作可能な神経生理学システム10は、本明細書に記載され、執刀医(および/または外科手術チームの他の構成員)の指示で、数多くの神経生理学的評価および/またはガイダンス評価を実施することができる。ほんの一例として、
図1〜2は、神経生理学システム10の基礎構成要素を図示する。システムは、制御ユニット12(好ましくは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備える、主ディスプレイ34と、システム10を制御するのに不可欠な処理機能を集合的に含有する、処理ユニット36とを含む)と、患者モジュール14と、刺激補助器(例えば、刺激プローブ16、様々な外科手術器具との接続のための刺激クリップ18、インライン刺激ハブ20、および刺激電極22)と、電位を検出するための複数の記録電極24とを備える。刺激クリップ18は、肉茎アクセス針26、k線27、タップ28、拡張器(単数または複数)30、組織開創器32等を含むが、必ずしもこれらに限定されない、任意の様々な外科手術器具をシステム10に接続するために使用することができる。また、ユーザへの出力の追加表現のため、および/またはユーザから入力を受信するために、1つ以上の補助フィードバックデバイス(例えば、
図11〜12の補助ディスプレイ46)も提供され得る。
【0010】
一実施形態では、神経生理学システム10は、静的肉茎完全性試験(「基礎刺激EMG」)、動的肉茎完全性試験(「動的刺激EMG」)、神経近接検出(「XLIF(登録商標)」)、神経筋経路評価(「攣縮試験」)、運動誘発電位監視(「手動MEP」および「自動MEP」)、体性感覚誘発電位監視(「手動SSEP」および「自動SSEP」)、非誘発監視(「持続EMG」)、ならびに外科手術ナビゲーション(「ナビゲーションガイダンス」)を含むが、必ずしもこれらに限定されない、任意の機能モードを実行するように構成することができる。また、神経生理学システム10は、脊椎の腰部領域内、胸腰部領域内、および頸部領域内のいずれかでの実施用に構成することができる。
【0011】
外科手術システム10の様々な機能モードに注意を向ける前に、システム10のハードウェア構成要素および機構を、より詳細に記載する。ほんの一例として、
図3に図示される、神経生理学システム10の制御ユニット12は、主ディスプレイ34と、神経生理学システム10を制御するために不可欠な処理機能を集合的に含有する、処理ユニット36とを含む。主ディスプレイ34は、好ましくは、情報をユーザに図式的に通信し、ユーザから命令を受信することができる、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備える。処理ユニット36は、刺激源(例えば、患者モジュール14、
図4〜6)に指令を出し、患者モジュール14からデジタルおよび/またはアナログ信号ならびに他の情報を受信し、EMGおよびSSEP応答信号を処理し、ディスプレイ34を介して、処理されたデータをユーザに表示する、コンピュータハードウェアおよびソフトウェアを含有する。制御ユニット12内のソフトウェアの主要機能には、タッチ画面主ディスプレイ34を介して、ユーザコマンドを受信することと、適したモード(基礎刺激EMG、動的刺激EMG、XLIF、自動MEP、手動MEP、手動SSEP、自動SSEP、および攣縮試験)で刺激を有効化することと、定義されたアルゴリズムに従って信号データを処理することと、受信されたパラメータおよび処理されたデータならびに監視システム状態を表示することとを含む。例示的な一実施形態によると、主ディスプレイ34は、好適なタッチ画面技術を備える、15インチのLCDディスプレイを備えることができ、処理ユニット36は、2GHzを備えることができる。
図3に示される処理ユニット36は、患者モジュール14との接続のための電力供給されたUSBポート38と、媒体ドライブ40(例えば、CD、CD−RW、DVD、DVD−RW等)と、ネットワークポートと、無線ネットワークカードと、ほんの一例として、ナビゲーションガイダンスセンサ、補助刺激アノード、外部デバイス(例えば、プリンタ、キーボード、マウス等)等の追加の補助器を取り付けるための複数の追加ポート42(例えば、USB、IEEE1394、赤外線等)とをさらに含む。好ましくは、使用中、制御ユニット12は、例えば、テーブルの上または可動式スタンドの上等、外科手術台の近くではあるが、外科手術野の外に置かれる。しかしながら、適正に覆われ、保護される場合、制御ユニット12は、外科手術(無菌)野内に置くことができることが理解される。
【0012】
ほんの一例として、
図4〜6に示される患者モジュール14は、制御ユニット12と通信するようにリンクされる。本実施形態では、患者モジュール14は、USBデータケーブル44を介して、制御ユニット12と通信するようにリンクされ、それから電力を受信する。しかしながら、患者モジュール14に、それ自体の電力供給源および他の既知のデータケーブル、ならびに患者モジュール14と制御ユニット12との間に通信を確立するために利用することができる無線技術を供給することができることが理解される。患者モジュール14は、制御ユニット12と通信するためのデジタル通信インターフェース、ならびに基礎刺激EMG、動的刺激EMG、XLIF(登録商標)、攣縮試験、手動MEP、および自動MEP、ならびにSSEPを含むが、必ずしもこれらに限定されない、神経生理学システム10のすべての機能モードを実施するために必要とされる、すべての記録および刺激電極、信号調整回路、刺激装置駆動およびステアリング回路、ならびに信号調整回路との電気的接続を含有する。一実施例では、患者モジュール14は、32の記録チャネルと、11の刺激チャネルとを含む。患者モジュール14の面上に、ディスプレイ(例えば、LCD画面)を提供することができ、簡単な状態読み取り値(例えば、電力投入試験の結果、取り付けられる電極ハーネス、およびインピーダンスデータ等)、またはより多くの処置関連データ(例えば、刺激閾値結果、現在の刺激レベル、選択された機能等)を示すために利用することができる。患者モジュール14は、外科手術中、無菌野内の患者の近くに位置付けることができる。一例として、患者モジュール14は、患者モジュール14のケーシングに取り付けられた、またはその一部を形成する、フック48を用いて、ベッドレールに取り付けることができる。
【0013】
図4〜6を参照すると、患者モジュール14は、患者モジュール14と他のシステム構成要素との間を接続し、接続を検証するための、多数のポートと、インジケータとを備える。制御ユニットポート50は、前述されるように、USBデータケーブル44を介して、制御ユニット12とデータおよび電力を通信するために提供される。4つの補助器ポート52が、刺激プローブ16、刺激クリップ18、インライン刺激ハブ20、およびナビゲーションガイダンスセンサ(または傾斜センサ)54を含むが、必ずしもこれらに限定されない、最大で同一の数の外科手術用補助器を接続するために提供されている。補助器ポート52は、刺激カソードを含み、患者モジュール14と取り付けられた補助器との間で、デジタル通信信号、3色LED駆動信号、ボタン状態信号、識別信号、および電力を伝送する。処置中に補助刺激アノードを取り付けることが望ましい、または必要である場合、好ましくは、2つの線状DINコネクタを備える一対のアノードポート56が、そうするために使用され得る。一対のUSBポート58は、USBハブとして、制御ユニット12に接続され、ほんの一例として、携帯型記憶ドライブ等の任意の数の接続を作り出すために使用することができる。
【0014】
デバイスが、ポート50、52、56、または58のうちのいずれか1つにプラグ接続されるとすぐに、神経生理学システム10は、関連デバイスが正常に稼動することを保証するために、回路の導通確認を自動的に実施する。各デバイスは、デバイスが相互から独立して確認されるように、患者モジュールとの別個の閉鎖回路を形成する。1つのデバイスが正常に稼動していない場合、デバイスは、個々に識別され得、一方、残りのデバイスは、それらの有効状態を示し続ける。導通確認の結果をユーザに伝達するために、各ポートに、インジケータLEDが提供される。したがって、
図7〜9の例示的な一実施形態によると、患者モジュール14は、1つの制御ユニットインジケータ60と、4つの補助器インジケータ62と、2つのアノードインジケータ64と、2つのUSBインジケータ66とを含む。好ましい実施形態によると、システムが、導通確認中に不完全な回路を検出する場合、適したインジケータが赤色に変わり、デバイスが正常に稼動していないことをユーザに警報する。一方、完全な回路が検出される場合、インジケータは緑色を示し、デバイスが所望通りに稼動するべきであることを知らせる。システムおよびMEP刺激の状態を示すために、追加のインジケータLEDを提供することができる。システムインジケータ68は、システムが作動可能である際に緑色を示し、システムが作動可能ではない際に赤色を示す。MEP刺激インジケータ70は、患者モジュールがMEP刺激信号を送達できる状態である際に点灯する。一実施形態では、MEP刺激インジケータ68は、作動可能状態を示すように、黄色を示す。
【0015】
システム10によって利用される、記録電極24および刺激電極22のアレイを接続するために、また、患者モジュール14は、複数の電極ハーネスポートも含む。示される実施形態では、患者モジュール14は、EMG/MEPハーネスポート72と、SSEPハーネスポート74と、補助ハーネスポート76(拡張および/またはカスタムハーネスのための)とを含む。各ハーネスポート72、74、および76は、形状化ソケット78を含み、これらは、適した電極ハーネス80上の一致する形状化コネクタ82に対応する。加えて、神経生理学システム10は、好ましくは、各モダリティ(例えば、EMG、EMG/MEP、およびSSEP)が、それに関連付けられる固有の色を有する、色コードシステムを採用することができる。ほんの一例として、および本明細書に示されるように、EMG監視(ねじ試験、検出、および神経開創器を含む)は、緑色と関連付けられ、MEP監視は、青色と関連付けられ、SSEP監視は、オレンジ色と関連付けられてもよい。したがって、各ハーネスポート72、74、76は、適した色でマークされ、これはまた、適したハーネス80にも対応する。専用色コードおよび形状化ソケット/コネクタインターフェースの組み合わせを利用することで、システムの設定が簡易化され、誤りが低減され、必要な手術前の準備の量を極めて最小限にすることができる。患者モジュール14、ならびに特に様々なポートおよびインジケータの数ならびに配置の構成は、本発明の例示的な一実施形態に従って記載されてきた。しかしながら、患者モジュール14は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の数の異なる配設で構成することができることを理解されたい。
【0016】
上述されるように、システム10の設定を簡易化するために、様々な機能モードのうちの1つを実施するために必要とされる、すべての記録電極24および刺激電極22(患者モジュール14内の前置増幅器にグランド基準を提供する共通電極23、および刺激電流の戻り経路を提供するアノード電極25を含む)は、ほんの一例として、
図7に図示されるように、共に束にされ、単一の電極ハーネス80内に提供される。特定の処置中に使用される所望の機能(単数または複数)によって、記録電極24および刺激電極22の異なるグループ化が必要とされる場合がある。一例として、SSEP機能は、EMG機能またはMEP機能のいずれかより多くの刺激電極22を必要とするが、また、EMG機能およびMEP機能のいずれかより少ない記録電極を必要とする。様々な機能モードの異なる電極要求を考慮するために、神経生理学システム10は、所望のモードに応じる、異なるハーネス80を採用することができる。一実施形態によると、システム10と共に使用するための3つの異なる電極ハーネス80、EMGハーネス、EMG/MEPハーネス、およびSSEPハーネスを提供することができる。
【0017】
ハーネス80の一方の端部は、形状化コネクタ82である。上述されるように、形状化コネクタ82は、形状化ソケット72、74、または76(ハーネス80に提供される機能によって)とのインターフェースをとる。各ハーネス80は、患者モジュール14上の適した形状化ソケット72、74、76に対応する、形状化コネクタ82を利用する。ソケットおよびコネクタの形状がハーネス80と一致しない場合、患者モジュール14との接続を確立することはできない。一実施形態によると、EMGおよびEMG/MEPハーネスは、両方ともEMG/MEPハーネスポート72にプラグ接続され、したがって、それらは、両方とも同一の形状化コネクタ82を利用する。ほんの一例として、
図8A〜8Cは、異なるハーネスポート72、74、76、およびコネクタ82によって使用される、様々な形状プロファイルを図示する。
図8Aは、EMGおよびEMG/MEPハーネスならびにポート72に関連付けられる、半円形状を図示する。
図8Bは、SSEPハーネスおよびポート74によって利用される、長方形状を図示する。最後に、
図8Cは、補助ハーネスおよびポート76によって利用される、三角形状を図示する。各ハーネスコネクタ82は、患者モジュール14へのハーネス80の種類を識別する、デジタル識別信号を含む。電極ハーネス80の反対側の端部は、リード線を介してハーネスコネクタ82にリンクされる、複数の電極コネクタ102である。電極コネクタ102を使用することで、ほんの一例として、表面乾燥ゲル電極、表面湿潤ゲル電極、および針電極等の任意の様々な既知の電極を使用することができる。
【0018】
MEPおよびSSEPモード中に使用される頭皮電極の簡単な定置を容易にするために、ほんの一例として、
図10Aに描写される、電極キャップ81を使用することができる。電極キャップ81は、SSEP監視のための2つの記録電極23と、MEP刺激送達のための2つの刺激電極22と、アノード23とを含む。異なる電極を絵で表すために、電極キャップ81上に図式インジケータを使用することができる。一例として、刺激電極を示すために、稲妻が使用されてもよく、記録電極を示すために、二重円が使用されてもよく、アノード電極を示すために、段付矢印が使用されてもよい。アノード電極線は、他の電極からさらに区別するために、白色に色付けられ、アノード電極を患者の肩上に定置できるように、他の電極線より大幅に長い。また、電極キャップ81の形状は、定置を簡易化するように設計することができる。ほんの一例として、キャップ81は、キャップ81が正しい配向で頭上の中心にある際、患者の鼻の方向を直接指し得る、尖端部を有する。単線は、電極キャップ81を患者モジュール14または電極ハーネス80に接続することができ、それによって患者の上部領域の周囲の線群を低減する。代替として、キャップ81は、電力供給装置と、システム10と通信するための無線アンテナとを備えることができる。
図10Bは、キャップ81と類似する、電極キャップ83の別の例示的な実施形態を図示する。電極を区別するために図式インジケータを使用するというよりはむしろ、色付き線を採用することができる。一例として、刺激電極22は、黄色に色付けられ、記録電極24は、灰色に色付けられ、アノード電極23は、白色に色付けられてもよい。ここでは、アノード電極は、患者の額上への定置用に構成されていると見える。代替の実施形態によると、電極キャップ(図示せず)は、患者の頭上に着用されるように構成される、ストラップまたは一式のストラップを備えることができる。適した頭皮記録および刺激部位が、ストラップ上に示されてもよい。一例として、電極キャップは、頭皮記録部位(SSEPのための)および頭皮刺激部位(MEPのための)のそれぞれの上にある、穴を有することができる。さらなる例示的な実施形態によると、各穴の周囲の境界は、その部位に指定される電極リード線の色と一致するように、色分けされてもよい。この場合、頭皮に指定される記録および刺激電極は、好ましくは、キャップ内の穴を通して頭皮に定置することができる、針電極およびらせん状電極のうちの1つである。
【0019】
電極リード線を指定の意図される定置のために色分けすることに加えて、またはその代わりに、電極コネクタ102の隣の各リード線の端部を、患者上への電極の適切な位置づけを示す、または表す、ラベル86でタグ付けすることができる。ラベル86は、好ましくは、適切な電極定置を、図式的に、およびテキストで明示する。
図9に示されるように、ラベルは、関連身体部分88および厳密な電極位置90を示す、図式画像を含むことができる。テキストで、ラベル86は、定置のための横腹100および筋肉(または解剖学的位置)96、電極の機能(例えば、刺激、記録チャネル、アノード、および基準−図示せず)、患者皮膚面(例えば、前部または後部)、脊髄領域94、および監視の種類92(例えば、ほんの一例として、EMG、MEP、SSEP)を示すことができる。一実施形態によると(ほんの一例として説明される)、電極ハーネス80は、様々な電極が、以下の、腰部EMGの表1、頸部EMGの表2、腰部/胸腰部EMGおよびMEPの表3、頸部EMGおよびMEPの表4、ならびにSSEPの表5に記載されるように、患者の周囲に位置付けられる(および好ましくは、適宜ラベル付けされる)ように設計される。
【0024】
【表5】
上述されるように、神経生理学的監視システム10は、ほんの一例として、
図11〜12に図示される、補助ディスプレイ46等の補助ディスプレイを含むことができる。補助ディスプレイ46は、主ディスプレイ34上に提供される情報のうちのいくつか、またはすべてを表示するように構成することができる。補助ディスプレイ34上でユーザに表示される情報には、任意の選択された機能モード(例えば、手動SSEP、自動SSEP、手動MEP、自動MEP、攣縮試験、基礎刺激EMG、動的刺激EMG、XLIF、持続EMG、およびナビゲーションガイダンス)、取り付けられた補助器(例えば、刺激プローブ16、刺激クリップ18、傾斜センサ54)、取り付けられる電極ハーネス(単数または複数)、インピーダンス試験結果、筋節/EMGレベル、刺激レベル、履歴報告、選択されたパラメータ、試験結果等に関する、英数字および/または図式情報が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。一実施形態では、補助ディスプレイ46は、その表示機能に加えて、ユーザ入力を受信するように構成することができる。したがって、補助ディスプレイ46は、システム10の代替の制御点として使用することができる。制御ユニット12および補助ディスプレイ46は、他方のディスプレイに示される出力を変化させることなく、一方のディスプレイから入力が受信されるように、リンクすることができる。これは、依然として、ORスタッフの他の構成員が、様々な目的(例えば、注釈を入力する、履歴を閲覧する等)のために、システム10を操作することを可能にする一方で、執刀医が、患者および試験結果への集中を維持することを可能にし得る。補助ディスプレイ46は、電池式であってもよい。有利に、補助ディスプレイ46は、無菌野の中、ならびに無菌野の外に位置付けることができる。無菌野内に位置付けるために、ディスプレイを収容するための使い捨ての無菌ケース47が提供されてもよい。代替として、ディスプレイ46は、無菌バッグに入れることができる。無菌ケース47および補助ディスプレイ46の両方は、外科手術野の近くおよび/またはその中に見られる、ポール、ベッドフレーム、照明器具、あるいは他の装置に取り付けることができる。複数の補助ディスプレイ46を制御ユニット12にリンクすることができることがさらに熟考される。これは、神経生理学情報を効果的に分散し、手術室全体を制御し得る。一例として、また、麻酔医に補助ディスプレイ46を提供することができる。これは、麻酔医に攣縮試験からの結果を提供し、神経生理学システム10の精度に悪影響を及ぼし得る、麻痺薬の使用についての注意を提供するのに特に有用であり得る。補助ディスプレイ46を制御ユニット12にリンクするために、有線または無線技術が利用されてもよい。
【0025】
システム10およびそれを備えるハードウェア構成要素の例示的な実施形態を記載してきたことで、ここで、システム10の神経生理学的機能性および方法論が、より詳細に記載される。神経監視システム10の様々なパラメータおよび構成は、外科的処置の標的位置(すなわち、脊髄領域)および/またはユーザの嗜好に依存し得る。一実施形態では、システム10を起動すると、ソフトウェアは、ほんの一例として
図13に図示される、起動画面を開く。起動画面は、ユーザが、標準プロファイルまたはシステムに以前に保存された任意のカスタムプロファイルから、そのうちの1つ(例えば、「標準頸部」、「標準胸腰部」、および「標準腰部」)を選択し得る、プロファイル選択ウィンドウ160を含む。プロファイルは、選択のために、アルファベット順に、脊髄領域で、または他の好適な基準で並べることができる。プロファイルは、制御ユニットのハードドライブ、もしくは例えば、USBメモリドライブ等の携帯型メモリデバイス、またはウェブサーバ上に保存することができる。
【0026】
プロファイルを選択することで、システム10は、選択されたプロファイル(標準またはカスタム)に割り当てられるパラメータに構成される。異なる機能モードの利用可能性は、選択されるプロファイルに依存し得る。ほんの一例として、頸部および胸腰部脊髄領域の選択は、手動SSEP、自動SSEP、手動MEP、自動MEP、攣縮試験、基礎刺激EMG、動的刺激EMG、XLIF、持続EMG、およびナビゲーションガイダンスモードを選択できるように、選択肢を自動的に構成することができ、一方、腰部領域の選択は、攣縮試験、基礎、差異、および動的刺激EMG試験、XLIF(登録商標)、ならびに神経開創器モードを選択できるように、選択肢を自動的に構成することができる。また、様々な機能モードに関連付けられる初期パラメータも、選択されるプロファイルに依存し得、例えば、システム10によって送達される刺激信号の特性は、プロファイルによって様々であり得る。一例として、刺激EMGモードに利用される刺激信号は、腰部プロファイルが選択される際、胸腰部プロファイルおよび頸部プロファイルのうちの1つが選択される際と対比して異なるように構成することができる。
【0027】
前述されるように、ハードウェア構成要素のそれぞれは、制御ユニット12が、どのデバイスが接続されており、かつ手術に使用できる状態であるかを判定できるようにする、識別タグを含む。一実施形態では、また、プロファイルは、適したデバイス(例えば、適切な電極ハーネス80および刺激補助器)が接続されている、および/または手術に使用できる状態である場合にのみ、選択できる。代替として、ソフトウェアは、それが既知の補助器および/またはハーネスがプラグ接続されていることに基づき、起動画面を飛び越えて、機能モードのうちの1つに直接ジャンプすることができる。標準パラメータ、および特にカスタマイズされた嗜好に基づいてプロファイルを選択する能力は、処置の着手時に、大幅に時間を節約し得、開始の直後に監視の使用可能性を提供する。起動画面から移動して、ソフトウェアは、上述されるように、あらゆる電極において実施される、電極試験画面およびインピーダンス試験に直接進む。許容可能なインピーダンス試験が完了した際、システム10は、監視に着手できる状態にあり、ソフトウェアは、システム10の神経生理学的監視機能が実施される、監視画面に進む。
【0028】
監視画面上に表示される情報には、任意の機能モード(例えば、手動SSEP、自動SSEP、手動MEP、自動MEP、攣縮試験、基礎刺激EMG、動的刺激EMG、XLIF、持続EMG、およびナビゲーションガイダンス)、取り付けられた補助器(例えば、刺激プローブ16、刺激クリップ18、傾斜センサ54)、取り付けられる電極ハーネス(単数または複数)、インピーダンス試験結果、筋節/EMGレベル、刺激レベル、履歴報告、選択されたパラメータ、試験結果等に関する、英数字および/または図式情報が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。ほんの一例として説明される一実施形態では、主監視画面上に表示されるこの情報には、表6に説明される、以下の構成要素が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0029】
【表6】
ほんの一例として、
図14に図示される、プロファイル設定ウィンドウ160から、カスタムプロファイルを作成し、保存することができる。標準プロファイルのうちの1つで開始して、音声168、部位選択170、試験選択172、および波形拡大縮小174ボタンのうちの1つを選択し、所望のパラメータが設定されるまで変更を行うことによって、パラメータを変えることができる。ほんの一例として、プロファイルは、特定の処置(例えば、ACDF、XLIF、および減圧)、特定の個人、およびその組み合わせのために生成し、保存することができる。各ボタンをクリックすることで、選択されるボタンに特異なパラメータ選択肢が、パラメータウィンドウ176内に表示される。試験選択ウィンドウのパラメータ選択肢は、一例として、
図14に図示される。ほんの一例として、試験選択ボタンを選択することによって、セッション試験を追加し、表示選択肢を変更することができる。試験選択域内から、すべての使用可能な試験機能(部位選択、使用可能なデバイス等に基づく)の機能に特異なパラメータがアクセスされ、要求に従って設定され得る。試験選択ボタンの下で複数の機能に使用可能な一選択肢は、3つの異なる表示選択肢から選択する能力である。ユーザは、数値形式で表示される結果、身体パネル上に表示される結果、および各電極に関連付けられるラベルを反映するラベル上に反映される結果、またはこの3つの任意の組み合わせを見ることを選択することができる。また、ユーザは、実際の波形を見ることを選択することができる。波形拡大縮小ボタン174を選択することによって、ユーザは、波形が表示される縮尺を調節することができる。音声ボタン168を選択することによって、システム音声および持続音声の両方を調節することができる。部位選択ボタン170を選択することによって、初期に選択された部位から変更する機会が設けられる。プロファイルの部位選択を調節することによって、使用可能な選択肢を変えることができる。一例として、ユーザが部位選択を頸部から腰部に変更する場合、MEP機能は、もはや選択肢として選択可能ではない場合がある。
図13は、部位選択画面の実施例である。
図19〜26、28〜35は、試験機能(例えば、手動SSEP、自動SSEP、手動MEP、自動MEP、攣縮試験、基礎刺激EMG、動的刺激EMG、XLIF、持続EMG、およびナビゲーションガイダンス)のそれぞれの試験選択タブの実施例を図示する。プロファイルは、制御ユニット12上に直接保存することができ、もしくはそれらは、携帯型メモリデバイスに保存することができ、またはウェブサーバ上にアップロードすることができる。
【0030】
ここで、GUIの監視画面200の様々な機構が記載される。患者モジュール14は、いったんシステムが設定され、電極ハーネスが接続され、患者に適用されると、神経生理学システム10が、すべての電極の制御ユニット12の指示の下でインピーダンス試験を行い得るように構成される。プログラムの起動を受けて、ユーザは、適した脊髄部位を選択した後(以下に記載される)、自動的に電極試験に導かれる。
図16は、ほんの一例として、GUIの例示的な実施形態に係る、電極試験画面の図式的実現による、電極試験の機構を図示する。電極試験画面104は、電極位置インジケータ108を伴う、ヒト姿
図105を含む。ハーネスインジケータ109は、患者モジュール14に接続されるハーネス(単数または複数)80を表示する。共通電極25およびアノード電極23を含む、使用中のハーネス(単数または複数)80上の各電極には、対応するチャネルボタン110が存在する。好ましくは、共通電極25およびアノード電極23は、許容可能なインピーダンスを独立して確認される。これを達成するために、アノード電極23および共通電極25は、両方とも、二重電極として提供される。アノード電極上のアノードリード線のうちの少なくとも1つは、可逆である。インピーダンス確認中、可逆アノードリード線は、リード線間のインピーダンスを測定することができるように、カソードに切り替わる。インピーダンス試験が完了した際、可逆リード線は、アノードに切り替わり戻る。チャネルボタン110は、筋肉名または対応する電極の対象域でラベル付けすることができる。刺激電極は、記録電極および刺激電極を区別するために、ほんの一例として、稲妻等の記号または他のインジケータで示すことができる。チャネルボタン110を選択することによって、関連チャネルが無効化される。無効化されたチャネルは、再度有効化されない限り(例えば、対応するチャネルボタン110を再び選択することによって)、インピーダンスを試験されず、それらは、応答またはエラーを監視されない。開始ボタン106(名称が「電極試験実行」の)を選択すると、システム10は、インピーダンス値を判定するように、各電極を個々に試験する。インピーダンスが、許容可能な制限内であると判定される場合、ヒト姿108上のチャネルボタン110および対応する電極描写が緑色になる。いずれかの電極のインピーダンス値が許容可能であると判定されない場合、関連チャネルボタン110および電極描写は赤色になり、ユーザに警報する。いったん試験が完了すると、承認ボタン112を選択することで、システム10の主監視画面が開かれる。
【0031】
神経監視システム10によって実施される機能には、以下に簡潔に記載される、攣縮試験、持続EMG、基礎刺激EMG、動的刺激EMG、XLIF(登録商標)、神経開創器、手動MEP、自動MEP、および手動SSEP、自動SSEP、ならびにナビゲーションガイダンスモードが挙げられるが、必ずしもこれらに制限されない。攣縮試験モードは、骨完全性(例えば、肉茎)試験等の神経生理学に基づく試験、神経検出、および神経切開創を実施する前に、神経筋経路に筋肉弛緩剤がないことを保証する、いわゆる「4連試験」を介して、神経筋経路を評価するように設計される。これは、名称「System and Methods for Assessing the Neuromuscular Pathway Prior to Nerve Testing」で、2005年10月7日に出願された、PCT特許出願第PCT/US2005/036089号内により詳細に記載され、その全体の内容は、参照することによって、本明細書に完全に記載されるかのように本明細書に組み込まれる。基礎刺激EMGおよび動的刺激EMG試験は、パイロット穴形成(例えば、千枚通しを介した)、パイロット穴準備(例えば、タップを介した)、ならびにねじ導入(中および後の)のすべての局面中に、骨の完全性(例えば、肉茎)を評価するように設計される。これらのモードは、名称「System and Methods for Performing Percutaneous Pedicle Integrity Assessments」で、2002年10月30日に出願された、PCT特許出願第PCT/US02/35047号、および名称「System and Methods for Performing Dynamic Pedicle Integrity Assessments」で、2004年8月5日に出願された、PCT特許出願第PCT/US2004/025550号により詳細に記載され、それらの全体の内容は、両方とも、参照することによって、本明細書に完全に記載されるかのように本明細書に組み込まれる。XLIFモードは、肉茎アクセス針26、k線42、拡張器44、開創器アセンブリ70を含む、神経監視システム10の様々な外科手術アクセス器具の使用中に、神経の存在を検出するように設計される。このモードは、名称「System and Methods for Determining Nerve Proximity,Direction,and Pathology During Surgery」で、2002年7月11日に出願された、PCT特許出願第PCT/US2002/22247号内により詳細に記載され、その全体の内容は、参照することによって、本明細書に完全に記載されるかのように本明細書に組み込まれる。神経開創器モードは、外科的処置中の神経の切開創前、中、および後に、神経の健康状態または病理学を評価するように設計される。このモードは、名称「System and Methods for Performing Surgical Procedures and Assessments」で、2002年9月25日に出願された、PCT特許出願第PCT/US2002/30617号内により詳細に記載され、その全体の内容は、参照することによって、本明細書に完全に記載されるかのように本明細書に組み込まれる。自動MEPおよび手動MEPモードは、運動経路を試験して、脳内の運動皮質を刺激し、上肢および下肢の様々な筋肉の結果として生じるEMG応答を記録することによって、脊髄への潜在的損傷を検出するように設計される。SSEP機能は、感覚経路を試験して、標的脊髄レベルより下の末梢神経を刺激し、脊髄レベルより上のセンサからの活動電位を記録することによって、脊髄への潜在的損傷を検出するように設計される。自動MEP、手動MEP、およびSSEPモードは、名称「System and Methods for Performing Neurophysiologic Assessments During Spine Surgery」で、2006年2月2日に出願された、PCT特許出願第PCT/US2006/003966号により詳細に記載され、その全体の内容は、参照することによって、本明細書に完全に記載されるかのように本明細書に組み込まれる。ナビゲーションガイダンス機能は、外科手術器具および/または移植片の最適な、または所望の軌道を判定し、外科手術中の外科手術器具および/または移植片の軌道を監視する能力を提供することによって、外科手術器具および/または移植片の安全かつ再現可能な使用を促進するように設計される。このモードは、名称「Surgical Trajectory Monitoring System and Related Methods」で、2007年7月30日に出願された、PCT特許出願第PCT/US2007/11962号、およびPCT特許出願第PCT/US2008/12121号内により詳細に記載され、それらの全体の内容は、それぞれ、参照することによって、本明細書に完全に記載されるかのように本明細書に組み込まれる。ここで、これらの機能が、簡潔に詳細に説明される。
【0032】
神経監視システム10は、自動MEP、手動MEP、自動SSEP、および手動SSEPモードのうちの1つ以上を使用して、脊髄の健康状態の評価を実施する。
【0033】
SSEPモードでは、神経監視システム10は、外科手術のレベルより下の脊髄から出る末梢感覚神経を刺激し、次いで、外科手術標的部位より上の神経系上に置かれた電極から電気的活動電位を測定する。また、正常な、または予想される結果からの差異が刺激信号送達の問題(例えば、誤って位置付けられた刺激電極、不適切な刺激信号パラメータ等)によるものではないことを保証するために、適用可能な標的部位より下の記録部位も、好ましくは、陽性対照測定として監視される。これを達成するために、刺激電極22が、所望の末梢神経(ほんの一例として、左および右後脛骨神経ならびに/または左および右尺骨神経等)の上の皮膚上に定置されてもよく、記録電極24は、記録部位(ほんの一例として、C2椎骨、Cp3頭皮、Cp4頭皮、エルブ点、膝窩等)上に位置付けられ、刺激信号は、患者モジュール14から送達される。
【0034】
脊髄における損傷は、脊髄を通る脊髄視床経路に沿って上る信号の伝送を妨害し、結果として、外科手術位置より上の記録部位(例えば、皮質および皮質下部位)に、衰弱した信号、遅延した信号、または信号の不在をもたらし得る。これらの発生を確認するために、システム10は、誘発される信号応答の振幅および遅延時間(latency)を監視する。一実施形態によると、システム10は、2つのモード、自動モードおよび手動モードのうちのいずれかのSSEPを実施することができる。自動SSEPモードでは、システム10は、信号応答の振幅および遅延時間と基準信号応答の振幅および遅延時間との間の差を比較する。差は、既定の「安全」および「危険」レベルに対して比較され、結果は、ディスプレイ34上に表示される。一実施形態によると、システムは、各刺激チャネルについて、個々に、皮質および皮質下部位のそれぞれの振幅ならびに遅延時間値のそれぞれに基づいて、安全および危険レベルを判定することができる。つまり、皮質下の振幅および皮質の振幅のいずれかが既定のレベルだけ減少する場合、または皮質下の遅延時間値および皮質の遅延時間値のいずれかが既定のレベルだけ増加する場合、システムは警報を発することができる。一例として、警報は、適用可能なチャネルに関連付けられる、赤色、黄色、緑色型の警報を備えることができ、赤色は、判定された値のうちの少なくとも1つが危険レベル内であることを示し、緑色は、すべての値が安全レベル内であることを示してもよく、黄色は、値のうちの少なくとも1つが安全レベルと危険レベルとの間であることを示してもよい。より多くの情報を生成するために、システム10は、組み合わせた結果を分析することができる。赤色、黄色、および緑色の警報に加えて、この情報を用いて、システム10は、達成される結果の考えられる原因を示すことができる。手動SSEPモードでは、信号応答波形ならびにこれらの波形に関連付けられる振幅および遅延時間値が、ユーザに表示される。次いで、ユーザは、基準信号応答間の比較を行うことができる。
【0035】
図17〜22は、神経監視システム10の一実施形態に係る、「手動SSEP」モードの例示的な画面表示である。
図17は、手術内監視(IOM)設定画面を図示し、これから、手動SSEPモードの様々な機構およびパラメータを、ユーザによって所望されるように制御および/または調節することができる。この画面を使用することで、ユーザは、手動モードと自動モードとの間で切り替え、刺激速度を選択し、各刺激標的部位(例えば、左尺骨神経、右尺骨神経、左脛骨神経、および右脛骨神経)の1つ以上の刺激設定(例えば、刺激電流、パルス幅、および極性)を変更する機会を有する。ほんの一例として、ユーザは、最初に、刺激部位タブ264のうちの1つを選択することによって、各末梢神経の1つ以上の刺激設定を変更することができる。
【0036】
刺激部位タブ264のうちの1つを選択することによって、
図18に見られる、制御ウィンドウ265が開かれ、これから、手動SSPE試験の様々なパラメータを、ユーザの嗜好に従って調節することができる。ほんの一例として、
図18は、左尺骨神経刺激部位の手動SSEP試験設定の画面上表示の図示である。強調表示された「左尺骨神経」刺激部位タブ264およびポップアップウィンドウタイトル266は、いずれかの設定を調節すると、左尺骨神経に送達される刺激信号が変更されることを示す。刺激信号のパラメータを設定するために、複数の調節ボタンが使用される。一実施例によると、刺激速度は、2.2〜6.2Hzの範囲から選択され、初期値は4.7Hzであってもよい。振幅設定は、(ほんの一例として)「+10」および「−10」とラベル付けされた振幅選択ボタン270を使用して、10mAの増分で増加または減少させることができる。(ほんの一例として)「+1」および「−1」とラベル付けされた振幅選択ボタン272を使用して、1mAの増分で振幅を増加または減少させることによって、より厳密な振幅選択を行うことができる。一実施例によると、振幅は、1〜100mAの範囲から選択され、初期値は10mAであってもよい。選択された振幅設定は、ボックス274内に表示される。パルス幅設定は、「+50」および「−50」とラベル付けされた幅選択ボタン276を使用して、50μ秒の増分で増加または減少させることができる。一実施例によると、パルス幅は、50〜300μ秒の範囲から選択され、初期値は200μ秒であってもよい。厳密なパルス幅設定278が、ボックス278内に示される。刺激信号の所望の極性を設定するために、極性制御280を使用することができる。(ほんの一例として)「刺激開始」とラベル付けされたSSEP刺激開始ボタン284を押すことによって、選択された刺激設定でのSSEP刺激を開始することができる。刺激設定調節は、左尺骨神経に関して記載されるが、刺激調節は、右尺骨神経、ならびに左および右脛骨神経を含むが、これらに限定されない、他の刺激部位に適用され得ることが理解される。代替として、以下に記載されるように、システム10は、各刺激チャネルの最適刺激パラメータを素早く判定するために、自動選択プロセスを利用することができる。
【0037】
SSEPを用いて脊髄の健康状態を監視するために、ユーザは、刺激信号に対する応答が変化しているかどうかを判定することができなければならない。この変化を監視するために、好ましくは、設定中に、基準が判定される。これは、単に、
図18に図示される設定画面上の「刺激開始」ボタン284の隣の「基準として設定」ボタン298を選択することによって達成することができる。各刺激部位の判定された基準記録を有することで、後続の監視は、処置および回復期間を通じて、更新された振幅および遅延時間測定値を取得するように、所望されるように実施され得る。
【0038】
図19は、SSEP監視機能の手動モードの例示的な画面表示を描写する。試験メニュー204上のモードインジケータタブ290は、「手動SSEP」が選択されているモードであることを示す。中央結果域201は、それぞれが刺激神経部位のうちの1つの信号応答波形を表示する専用である、4つのサブ域またはチャネルウィンドウ294に分割される。チャネルウィンドウ294は、神経刺激部位295、および記録位置291〜293のそれぞれの波形ウォーターフォールを含む情報を描写する。各刺激された神経部位について、システム10は、3つの異なる記録部位で行われた測定を表す、3つの信号応答波形を表示する。ほんの一例として、例えば、上記の表5に示されるように、3つの記録部位は、末梢291(刺激神経に近接する末梢神経からの)、皮質下292(脊椎)、および皮質293(頭皮)である。各区域は、神経/骨格構造を図示する、図形アイコンに関連付けられてもよい。SSEP刺激および記録は、上述される神経刺激部位および記録部位に関して記載されてきたが、SSEP刺激は、処置中に危険にさらされる、脊髄レベルより上の神経系に沿って、どこにでも位置し得る、任意の数の末梢感覚神経および記録部位に適用され得ることが理解される。
【0039】
SSEPモード(自動および手動)中、各刺激信号実行(各刺激チャネルへの)について、単一の波形応答が生成される。波形は、極左上の刺激および右に増加する時間を用いて配列される。一例として、波形は、刺激に続く100msウィンドウ内に捕獲される。刺激信号実行は、選択された刺激周波数で発射する所定の数の刺激パルスからなる。ほんの一例として、刺激信号は、4.7Hzの周波数で300のパルスを含むことができる。3つのSSEP記録チャネル、皮質、皮質下、および末梢のそれぞれにおいて、データの100msのウィンドウが獲得される。十分な数のパルスの後、同期誘発応答のみが残るように、非同期事象を除去するために、刺激実行中の同一のチャネルへの各逐次刺激ごとに、3つの獲得された波形は、同一の刺激実行中の以前の波形と合計され、平均される。したがって、システム10によって表示される最終的な波形は、検出される一連(例えば、300)の応答全体の平均を表す。
【0040】
後続の刺激実行ごとに、波形は、
図19〜21に描写されるように、合計で4つの波形が示されるまで、毎回わずかに下方に描写される。5回以上の刺激実行の後、以前の4回の刺激実行からの波形に加えて、基準波形が保持される。より古い波形は、波形ディスプレイから削除される。一実施形態によると、異なる波形を表すために、異なる色を使用することができる。例えば、基準波形は、紫色に色付けられてもよく、最後の刺激実行は、白色に色付けられてもよく、最後から2番目の刺激実行は、中灰色に色付けられてもよく、残りの刺激実行の最も早い刺激実行は、濃灰色に色付けられてもよい。
【0041】
一実施例によると、基準および最新波形に、波形に関連付けられる遅延時間および振幅値を示す、マーカ314、316を定置することができる。遅延時間は、刺激から第1の(最も早い)マーカまでの時間として定義される。各波形に、1つの「N」314および1つの「P」316マーカが存在する。Nマーカは、ウィンドウ内の最大平均標本値として定義され、P値は、ウィンドウ内の最小平均標本値として定義される。マーカは、波形と同一の色の水平線および垂直線からなる交差点を備えることができる。マーカでの値を示すテキストラベル317が各マーカに関連付けられる。2つのマーカのうちの前者は、遅延時間(例えば22.3ms)とラベル付けされる。2つのマーカのうちの後者は、振幅(例えば4.2μV)とラベル付けされる。振幅は、マーカでの平均標本値間のマイクロボルトでの差として定義される。遅延時間は、刺激から第1の(最も早い)マーカまでの時間として定義される。好ましくは、マーカは、システム10によって自動的に定置される(自動モードおよび手動モードの両方で)。手動モードでは、ユーザは、マーカを手動で定置する(および/または移動する)ことを選択することができる。
【0042】
チャネルウィンドウ294のうちの1つをさらに選択することで、そのウィンドウ294内に含有される波形が拡大される。
図22は、チャネルウィンドウ294のうちの1つを選択することによって達成される、拡大図の例示的な図示である。拡大図は、波形291〜293と、基準波形と、マーカ314および316と、マーカ318を移動するための制御と、波形拡大縮小332とを含む。最新波形のみが示されている。「すべてを基準として設定」ボタン310は、ユーザが、すべての3つの記録された波形を基準として設定する(または変更する)ことを可能にする。さらに、基準は、個々の「基準として設定」ボタン312を押すことによって、個々に設定(または変更)することができる。さらに、また、ユーザは、新しい測定点を確立するために、所望により、Nマーカ314およびPマーカ316を移動することができる。NおよびPマーカを所望の新しい位置に移動するために、方向制御矢印318を選択することができる。代替として、ユーザは、マーカ314、316を新しい位置にタッチアンドドラッグすることができる。波形制御332を利用することで、ユーザは、記録された波形を拡大および縮小することができる。
【0043】
図23〜26を参照すると、自動SSEPモードは、システム10が振幅および遅延時間値を判定し、値が逸脱する場合にユーザに警報することを除き、手動SSEPモードと同様に機能する。
図23は、ほんの一例として、自動SSEPモードの例示的な設定画面を示す。手動SSEPモードで前述される設定画面と同様に、ユーザは、手動モードと自動モードとの間で切り替え、刺激速度を選択し、1つ以上の刺激設定を変更することができる。ほんの一例として、ユーザは、手動モードおよび
図18に関して上述されるように、最初に、刺激部位タブ264のうちの1つを選択することによって、各末梢神経の1つ以上の刺激設定を変更することができる。一実施例によると、刺激速度は、2.2〜6.2Hzの範囲から選択され、初期値は4.7Hzであってもよく、振幅は、1〜100mAの範囲から選択され、初期値は10mAであってもよく、パルス幅は、50〜300μ秒の範囲から選択され、初期値は200μ秒であってもよい。
【0044】
自動モードでは、また、外科手術システム10は、設定画面から制御することができる、タイマ機能も含む。タイマドロップダウンメニュー326を使用して、ユーザは、タイマ適用の時間間隔を設定および/または変更することができる。タイマ機能の2つの別個の選択肢、(1)(ほんの一例として)「タイムアウト時の刺激自動開始」とラベル付けされる、自動開始ボタン322を押すことによって選択することができる、タイムアウト次第自動刺激、および(2)(ほんの一例として)「タイムアウト時の刺激促進」とラベル付けされる刺激促進ボタン324を押すことによって選択することができる、タイムアウト次第刺激催促促進が存在する。各SSEP監視エピソードの後、システム10は、選択された時間間隔に対応するタイマを開始し、時間が経過した際、選択される選択肢によって、システムがSSEP刺激を自動的に実施するか、または刺激催促が有効化される。刺激催促には、ほんの一例として、可聴音、音声記録、画面フラッシュ、ポップアップウィンドウ、スクローリングメッセージのうちのいずれか1つ、もしくはこれらの組み合わせ、またはユーザにSSEPを再度試験することを催促するための任意の他のそのような警報が挙げられる。また、記載されるタイマ機能は、手動SSEPモードにおいても実現することができることが熟考される。
【0045】
図24〜26は、SSEP機能の自動モードの例示的な画面上表示を描写する。一実施形態によると、ユーザは、英数字情報のみの画面(
図25)と、英数字情報および記録された波形を伴う画面(
図24)とを閲覧することを選択することができる。モードインジケータタブ290は、「自動SSEP」が選択されているモードであることを示す。波形選択タブ330は、ユーザが波形を英数字結果と共に表示するかどうかを選択することを可能にする。手動SSEPモードで前述される画面上表示と同様に、システム10は、各神経刺激部位のチャネルウィンドウ294を含む。チャネルウィンドウ294は、神経刺激部位295、波形記録、および関連記録位置291〜293(末梢、皮質下、および皮質)、ならびに基準と振幅測定値との間の変化率、および基準と遅延時間測定値との間の変化率を含む情報を表示することができる。ほんの一例として、また、各チャネルウィンドウ294は、任意に、各記録部位の基準波形および最新波形を示すことができる。システム10が振幅の大幅な減少または遅延時間の大幅な増加を検出する事象では、好ましくは、潜在的な危険性を執刀医に示すように、関連ウィンドウを、既定の色(例えば、赤色)で強調表示することができる。好ましくは、ユーザが危険性を容易に把握することができ、そのような危険性を回避する、または軽減するための是正措置をとることができるように、刺激結果は、色コードと共に執刀医に表示される。これは、例えば、専門の神経監視人材を必要とすることなく、SSEP監視結果が執刀医または助手によって解釈されるようにすることを、より容易に可能にすることができる。ほんの一例として、振幅の減少または遅延時間の増加が既定の危険レベル内である際、赤色が使用される。緑色は、測定された増加または減少が、既定の安全レベル内であることを示す。黄色は、既定の危険レベルと安全レベルとの間である測定値に対して使用される。ほんの一例として、また、システム10は、警告メッセージ334の使用を通じて、ユーザに潜在的な危険性を通知することもできる。警告メッセージは、ポップアップウィンドウの形態であるが、警告は、可聴音、音声記録、画面フラッシュ、スクローリングメッセージ、もしくはユーザに潜在的な危険性を通知する任意の他のそのような警報のうちの1つ、またはそれらの組み合わせによってユーザに通信することができることが理解される。
【0046】
図26を参照すると、再考のために、処置中のどの時点でも、前刺激実行を選択することができる。これは、例えば、事象バー208を開き、所望の事象を選択することによって達成することができる。事象からの詳細が示され、履歴の詳細は、メニュー画面302の右側上に示され、波形は、中央結果画面内に示される。この場合も同様に、ユーザは、適した「基準として設定」ボタン306を押すことによって、1つ以上の神経刺激部位の基準を再設定することを選択することができる。示される実施例では、システム10は、メニュー画面302の右側上に示される、07:51マークでの波形履歴を図示する。前の波形履歴は、外科手術システム10によって保存され、波形履歴ツールバー304内に格納される。自動SSEP機能に関してのみ記載するが、同一の機構は、手動SSEPモードからアクセスすることができ、ユーザは、「基準として設定」ボタン306を押すことによって、記録された刺激測定値を、各神経刺激部位の基準として設定することを選択することができることが理解される。ほんの一例として、システム10は、「現在の基準」通知308を用いて、ユーザに、適用可能な事象が既に現在の基準であるかどうかを通知する。
【0047】
SSEP信号応答の振幅および/または遅延時間におけるいずれかの変化をユーザに警報することに加えて、神経監視システム10は、SSEP応答における変化の考えられる原因を解明するために、すべての記録部位からのデータを評価することができることがさらに熟考される。その情報に基づき、プログラムは、変化の潜在的理由を示唆することができる。さらに、危険を回避するためにとられる潜在的行動を示唆することができる。神経生理学システム10は、例えば、麻酔監視機器等の手術室内の他の機器と通信するようにリンクすることができることがさらに熟考される。より高い精度および/またはより良い示唆をもたらすために、この他の機器からのデータを、プログラムによって考慮することができる。ほんの一例として、表7は、SSEPが、特定のSSEP結果および結果の組み合わせと関連付けられ得る、様々な警告を図示し、ユーザに示すことを図示する。例えば、左尺骨神経の刺激に対する応答において、エルブ点からの末梢応答は、振幅または遅延時間の変化を示さず、皮質下応答は、振幅の減少を示し、皮質応答は、振幅の減少を示す場合、事象ボックス206(
図25に示される)は、黄色または赤色のいずれかのインジケータ、ならびに「機械的損傷の可能性あり。脊髄虚血の可能性あり。」というテキストを示す。別の実施例として、すべての末梢、皮質下、および皮質記録部位に振幅の減少または応答の不在が存在する場合、システムは、「電極を確認」警告332(
図26)を示すことができる。今日、および結果をもたらす特定の状況(例えば、警告をもたらした外科手術的術策等)によって、ユーザは、最も賢明な一連の行為を判定するように、より良く備えることができる。
【0048】
【表7】
上述されるように、システム10は、各有効な刺激チャネル上でSSEP試験を行うための最適刺激パラメータを素早く選択するために、自動化試験を採用することができる。これは、最も望ましい結果をもたらす組み合わせが達成されるまで、様々なパラメータを自動的に調節する、任意の数のアルゴリズムに従って行うことができる。一例として、システム10は、EMGおよびMEPモダリティのI
threshを発見するために、以下に記載される探索アルゴリズムと同様のアルゴリズムを利用することができる。本実施例によると、所望の刺激パラメータは、最初に、各刺激部位(例えば、左後脛骨神経(LPTN)、右後脛骨神経(RPTN)、左尺骨神経(LUN)、および右尺骨神経(RUN))の最低I
thresh(既定の振幅V
threshを有する波形をもたらす、最低刺激信号強度である)を発見することによって判定される。ほんの一例として、LPTNのI
threshを判定するために、極性A(外科手術部位に近接するカソード)を使用して、初期の既定の刺激強度が、左PTN刺激部位に経皮的に適用される。左膝窩の記録電極から、V
thresh以上のV
ppを伴う応答が取得されない場合、極性B(外科手術部位に近接するアノード)が使用され、同一の刺激強度が適用される。いずれの極性の第1の刺激レベルでも応答が取得されない場合、極性は、再度切り替えられ、刺激強度が2倍にされる。したがって、極性Aを使用して、第2の刺激強度が適用される。左膝窩から応答が記録されない場合、極性は、反転され、同一の第2の強度の刺激が適用される。動員する(V
threshでのまたはそれを超えるV
ppをもたらす)応答が依然として存在しない場合、刺激強度は、V
thresh以上のV
ppを伴う誘発電位が存在するまで、再度2倍にされる。左膝窩において、V
threshを達成する第1の誘発電位が記録される極性設定は、この刺激部位の極性として設定される。V
threshを達成する第1の刺激強度および直前の刺激強度は、初期区分(bracket)を形成する。
【0049】
閾値電流I
threshが区分化された後、初期区分は、二分化を介して、既定の幅に逐次的に縮められる。これは、初期区分を二分化する(すなわち、その中点を形成する)第1の二分化刺激電流を適用することによって達成される。この第1の二分化刺激電流が動員する場合、区分は、初期区分の下半分に縮められる。この第1の二分化刺激電流が動員しない場合、区分は、初期区分の上半分に縮められる。I
threshが、既定の幅だけ分離するように刺激電流によって区分化されるまで、このプロセスは、各逐次区分に対して継続される。いったん特定の刺激チャネルのI
threshが判定されると、刺激強度は、検出された閾値より20%大きな値として設定される。これは、それぞれに最適刺激信号が設定されるまで、各刺激チャネルに対して繰り返される。各刺激チャネルについて、最適刺激信号を、連続して、または同時に判定することができる(同様の方法で以下に記載される多重チャネル閾値検出アルゴリズムに進むことによって)。次いで、判定された刺激値は、好ましくは、監視処置を通じて使用される。
【0050】
SSEP刺激パラメータを最適化するための閾値探索アルゴリズムは、
図40〜41を参照してさらに記載される。
図40は、刺激強度アルゴリズムが最適刺激パラメータを素早く検索する方法を図示する(フローチャートの形態で)。アルゴリズムは、最初に、極性Aを使用して、初期刺激強度で刺激し、これがI
recruitをもたらすかどうかを判定する(ステップ411)。アルゴリズムが、動員がないと判定する場合、アルゴリズムは、極性の方向を反転させ、極性Bを使用して、同一の初期刺激強度で刺激し、これがI
recruitをもたらすかどうかを判定する(ステップ412)。アルゴリズムが、動員がないと判定する場合、アルゴリズムは、ステップ413に移動し、刺激強度を2倍にする。ステップ414で、極性Aを使用して、アルゴリズムは、第2の強度で刺激し、これがI
recruitであるかどうかを判定する(ステップ414)。答えがいいえの場合、アルゴリズムは、ステップ415に進み、極性Bに反転させ、第2の強度で刺激する。答えが依然としていいえの場合、ステップ413が繰り返され、刺激強度は再度2倍にされる。ステップ411、413、414、または415中のいずれかの時点で、答えがはいの場合、アルゴリズムは、ステップ416に示されるように、および前述されるように、これを初期区分および極性として指定する。次いで、アルゴリズムは、ステップ417に移動し、区分は、二分化される。換言すれば、区分の中点での刺激が実施される。ステップ418で、アルゴリズムは、閾値が既知であり、所望の精度まで、既定の応答に必要とされる刺激強度が取得されるまで、区分を二分化する。ステップ419で、SSEP刺激強度は、検出された閾値より20%大きく設定される。
図41のステップ420に示されるように、いったん肢1のI
threshが発見されると、アルゴリズムは、第2のステップ(ステップ421)を開始し、ステップ411〜419を反映させることによって、肢2を処理する。この同一のプロセスは、肢3(ステップ422)および肢4(ステップ423)に対して繰り返される。刺激強度アルゴリズムが最適刺激パラメータを判定した後、SSEP神経生理学的試験を開始することができる(ステップ424)。
【0051】
図27〜39を参照して、神経生理学的監視システム10の残りの機能が簡潔に詳細に記載される。MEPモードでは、患者モジュール14を介して、刺激信号が運動皮質に送達され、上肢および下肢の様々な筋肉から、結果として生じる応答が検出される。より以前の試験からより後の試験でのI
threshの増加は、脊髄機能の低下を示し得る。同様に、以前に、同一の、またはより小さなI
stimに対して著しい応答を報告したチャネルへの所与のI
stimに対する著しいEMG応答の不在もまた、脊髄機能の低下を示す。これらのインジケータは、MEPモードのシステムによって検出され、執刀医に報告される。自動MEPモードでは、システムは、記載される多重チャネルアルゴリズムを使用して、好ましくは、処置の初期に、様々な監視される筋肉に対応する各チャネルのI
thresh基準を判定する。この場合も同様に、各チャネルのI
threshを判定するために、処置を通じて、後続の試験が行われてもよい。結果として生じるI
thresh値と対応する基準との間の差が、システム10によって計算され、既定の「安全」および「危険」差異値に対して比較される。I
thresh、基準、および差異値は、
図28に図示されるように、任意の他の判定された安全性レベルの表示(赤色、黄色、緑色コード等)と共に、ディスプレイ34上でユーザに表示される。手動MEPモードでは、ユーザは、刺激電流レベルを選択し、システムは、刺激信号が各チャネル上に著しい応答を誘発するかどうかを報告する。刺激結果は、
図27に描写されるように、「はい」および「いいえ」応答または他の同等の表示の形態で、ディスプレイ34上に示され得る。したがって、執刀医は、いずれかのモードを使用して、脊髄の可能性のある合併症を警報され得、執刀医の指示で、必要と見なされる任意の是正措置を行うことができる。
【0052】
神経監視システム10は、適用可能な電極ハーネス内に含有され、神経の上の皮膚上に定置される刺激電極22を介して、またはプローブ116等の外科手術補助器を使用した、脊髄神経の直接刺激によって、末梢神経(好ましくは、腰部および胸腰部適用での腓骨神経、ならびに頸部適用での正中神経)を電気的に刺激することによって、攣縮試験モードを介して、神経筋経路(NMP)評価を実施する。刺激された神経によって神経支配された筋肉から、誘発応答が検出され、記録され、その結果が分析され、少なくとも2つの応答間または刺激信号と応答との間の関係が識別される。識別される関係は、NMPの電流状態の指示を提供する。識別される関係には、複数の誘発応答間の大きさ比、および所与の刺激信号(単数または複数)に対する誘発応答の存在または不在のうちの1つ以上が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。
図29を参照すると、GUIディスプレイ34を介して、NMPの状態を示す試験の詳細、および神経試験を継続することにおける相対的な安全性が、執刀医に伝達される。システム10によって実施される様々な機能によって利用される監視画面200上の中央結果域201内に、機能に特異なデータが表示される。結果は、数値210として、電極ラベル86に対応する、強調表示されたラベルとして、または(攣縮試験の場合にのみ)刺激結果の棒グラフとして示すことができる。中央結果域201の片側上に、縮小可能(collapsible)デバイスメニュー202がある。デバイスメニューは、患者モジュール14に接続された各デバイスの図式表現を表示する。デバイスメニュー202の反対側には、縮小可能試験メニュー204が存在する。試験メニュー204は、動作可能な設定プロファイルの下で利用可能である、各試験を強調表示し、機能間を行き来する(navigate)ために使用することができる。縮小可能刺激バー206は、現在の刺激状態を示し、刺激を有効化するため、および制御するための刺激開始ボタンならびに刺激停止ボタン(図示せず)を提供する。縮小可能事象バー208は、処置を通じて取得された、すべての刺激試験結果を格納する。特定の事象をクリックすることで、ノートボックスが開き、後で処置報告に含めるための注釈を入力し、応答と共に保存することができる。また、事象バー208は、上述されるように、システム10が遠隔監視システムに接続される際、チャットボックス機構も備える。結果域202内に、攣縮試験に特異な結果が表示され得る。
【0053】
図29は、選択された機能が攣縮試験である間の監視画面200を描写する一方、監視画面200の機構は、すべての機能に同様に適用されることを理解されたい。結果に特異なデータが中央結果域201内に表示される。大きな飽和色数値(図示せず)が、閾値結果を示すために使用される。刺激応答レベルを示すための3つの異なる選択肢が提供される。第1、ユーザは、波形を見ることができる。第2、色分けされた電極ハーネスラベル86の類似度をディスプレイ上に示すことができる。第3、色分けされたラベル212を身体画像と一体化することができる。中央結果域201の片側上には、縮小可能デバイスメニュー202が存在する。デバイスメニューは、患者モジュール14に接続された各デバイスの図式表現を表示する。デバイスメニュー202からデバイスが選択される場合、インピーダンス試験が開始され得る。デバイスメニュー202の反対側には、縮小可能試験メニュー204が存在する。試験メニュー204は、動作可能な設定プロファイルの下で利用可能である、各試験を強調表示し、機能間を行き来するために使用することができる。縮小可能刺激バー206は、現在の刺激状態を示し、刺激を有効化するため、および制御するための刺激開始ボタンならびに刺激停止ボタン(図示せず)を提供する。縮小可能事象バー208は、ユーザが、監視画面から事例履歴全体を見ることができるように、処置を通じて取得されたすべての刺激試験結果を格納する。特定の事象をクリックすることで、ノートボックスが開き、後で、処置中に行われたすべての神経監視機能ならびに神経監視の結果を順に記録する処置報告に含むための注釈を入力し、応答と共に保存することができる。一実施形態では、報告は、手術室内に置かれた1つ以上のプリンタから即座に印刷することができる、あるいは、ほんの一例として、フロッピーディスク、および/またはUSBメモリスティック等の従来技術において既知の様々なメモリデバイスのいずれかにコピーすることができる。システム10は、ユーザの特定の必要性によって、完全報告または概略報告のいずれかを生成することができる。一実施形態では、また、患者モジュールの外科手術用補助器を識別するために使用される識別子は、それらのロット番号または他の識別情報を識別するように符号化することができる。補助器が識別されると、ロット番号を報告に自動的に追加することができる。代替として、手持ち式スキャナが提供され、制御ユニット12または患者モジュール14にリンクされてもよい。補助器パッケージングがスキャンされ、この場合も同様に、情報が処置報告に直接回され得る。また、事象バー208は、システム10が遠隔監視システムに接続されている際、手術室内のユーザが遠隔位置で関連神経監視を実施する個人と同時に通信できるように、チャットボックス機構も備える。
【0054】
神経監視システム10は、基礎刺激EMGおよび動的刺激EMG試験を介して、肉茎穴(形成中および/または形成後)および/またはねじ(導入中および/または導入後)の完全性を試験することができる。基礎刺激EMGを実施するために、試験プローブ116は、ねじの挿入の前にねじ穴内に定置されるか、または差し込まれたねじの頭の上に定置され、刺激信号が適用される。骨の絶縁特性は、特定の振幅まで刺激電流が神経と通信するのを阻止し、したがって、以下に記載される基礎閾値探索アルゴリズムを介して判定されるように、比較的高いI
threshをもたらす。しかしながら、肉茎壁がねじまたはタップによって切裂されている場合、切裂域内の電流密度は、刺激電流が隣接する神経根に通過する点まで増加し、それらは、より低い刺激電流で脱分極し、したがって、I
threshは、比較的低くなる。本明細書に記載されるシステムは、施術者に試験されたねじの現在のI
threshを知らせて、パイロット穴またはねじが肉茎壁を切裂しているかどうかを判定するために、この知識を利用することができる。
【0055】
動的刺激EMGモードでは、試験プローブ116は、例えば、タップ部材28または肉茎アクセス針26等の外科手術ツールを神経監視システム10に連結するために利用され得る、クリップ18と置換することができる。このように、ツールが使用中の間、刺激信号は、外科手術ツールを通過して、肉茎完全性試験を実施することができる。したがって、試験は、アクセス針26を神経監視システム10に連結することによって、パイロット穴形成中に、およびタップ28をシステム10に連結することによって、パイロット穴の準備中に実施することができる。同様に、肉茎ねじを神経監視システム10に連結することによって(肉茎ねじ器具類を介して等)、ねじの導入中に、完全性試験を実施することができる。
【0056】
基礎刺激EMGモードおよび動的刺激EMGモードの両方では、腰部試験における試験に使用される信号特性は、胸部および/または頸部レベル内を監視する際、胸部および頸部肉茎に対する脊髄の近接性のため、効果的ではない場合がある。腰部脊椎の肉茎内に形成される切裂は、結果として刺激が神経根に適用されるようにする一方、胸部または頸部肉茎内の切裂は、代わりに脊髄の刺激をもたらす場合があり、しかし脊髄は、刺激信号に対して、神経根と同じように応答しない場合がある。これを考慮するために、外科手術システム10は、選択される領域に基づき、異なる特性を有する刺激信号を送達する機能を備える。ほんの一例として、腰部領域が選択される際、刺激EMGモードの刺激信号は、単一パルス信号を備える。一方、胸部および頸部領域が選択される際、刺激信号は、多重パルス信号として構成することができる。
【0057】
刺激結果(数値のI
thresh値および色分けされた安全性レベル指示のうちの少なくとも1つを含むが、必ずしもこれらに制限されない)および他の関連データは、
図29および30に図示されるように、少なくとも主ディスプレイ34上でユーザに伝達される。
図29は、基礎刺激EMG試験が選択されている、監視画面200を図示する。
図30は、動的刺激EMG試験が選択されている、監視画面200を図示する。様々なねじ試験機能の一実施形態(例えば、基礎および動的)では、緑色は、10ミリアンペア(mA)を超える閾値範囲に対応し、黄色は、7〜10mAの刺激閾値範囲に対応し、赤色は、6mA以下の刺激閾値範囲に対応する。対応する神経のI
threshを示すために、タッチ画面表示26を介して、EMGチャネルタブを選択することができる。さらに、最低I
threshを処理するEMGチャネルを、この事実をユーザに明確に示すために、自動的に強調表示する、および/または色付けることができる。
【0058】
神経監視システム10は、外科手術標的部位への安全かつ再現可能なアクセスを確保するために、XLIFモードを介して、神経近接性試験を実施することができる。外科手術アクセス構成要素26〜32を使用して、システム10は、接触される、または侵害される場合、患者に神経の機能的障害をもたらしかねない、神経構造を有する任意の様々な組織を通る(またはその近くを通る)手術経路の確立の前、中、および後に、神経構造の存在を検出する。外科手術アクセス構成要素26〜32は、患者の皮膚と外科手術標的部位との間の組織を鈍的に解剖するように設計される。開創器32を標的部位に進めるのに十分な手術経路が確立されるまで、1つ以上の刺激電極を備える、直径が増加する拡張器が、標的部位に向かって進められる。拡張器が標的部位に進む際、刺激電極を介して、電気刺激信号が放出される。刺激信号は、刺激電極に近接する神経を刺激し、対応するEMG応答が監視される。神経が刺激電極により近づくと、ヒト組織に起因する抵抗が減少するため、筋肉応答を誘発するのに必要とされる刺激電流は減少し、神経組織を脱分極させるのに、より少ない電流を要する。以下に記載される基礎閾値探索アルゴリズムを使用し、刺激信号と神経との間の通信手段を提供し、したがってアクセス構成要素と神経との間の近接性関連指示を与えて、I
threshが計算される。XLIFモードが有効な監視画面200の実施例が、
図32に描写される。好ましい実施形態では、緑色または安全レベルは、10ミリアンペア(mA)以上の刺激閾値範囲に対応し、黄色レベルは、5〜9mAの刺激閾値範囲を示し、赤色レベルは、4mA以下の刺激閾値範囲を示す。
【0059】
また、神経監視システム10は、システムが、任意の上記に記載されるモードの間、持続EMG監視も行うことができる。持続EMG監視は、潜在的な危険性を示し得る、自発性筋肉活動を継続的に聞く。システム10は、5秒間(ほんの一例として)の休止状態の後、持続監視に自動的にサイクルすることができる。選択されたモードにおいて刺激信号を開始することで、システム10が再び5秒休止状態となるまで、持続監視は中断され、システム10が再び5秒間休止状態となった時、持続は再開する。持続EMGが有効な監視画面200の実施例が、
図33に描写される。
【0060】
また、神経監視システム10は、ナビゲーションガイダンス機能も実施することができる。ナビゲーションガイダンス機構は、ほんの一例として、パイロット穴形成中および/またはねじの挿入中に使用される、外科手術器具の軸軌道を監視することによって、安全かつ再現可能な肉茎ねじの定置を保証するために使用することができる。好ましくは、EMG監視は、ナビゲーションガイダンス機構と同時に実施されてもよい。ナビゲーションガイダンスを実施するために、補助器ポート62のうちの1つを介して、角度測定デバイス(以後、「傾斜センサ」)54が患者モジュール14に接続される。傾斜センサは、基準軸(例えば、「垂直」または「重力」等)に対する、その角度配向を測定し、制御ユニットは、測定値を表示する。傾斜センサは、外科手術器具に取り付けられるため、器具の角度配向も判定することができ、執刀医が、使用中、器具を所望の軌道に沿って位置づけ、維持することを可能にする。一般に、パイロット穴形成中、外科手術器具を所望の軌道に沿って配向し、維持するために、外科手術器具は、ゼロの角度位置に配向されている間に、肉茎に進められる(任意の開放、小さな開放、または経皮アクセスによって)。次いで、器具は、適切な頭−尾角度が到達されるまで、矢状面内で角度をつけられる。適切な頭−尾角度を維持して、外科手術器具は、適切な内側−外側角度に達するまで、横断面内で角度を付けられてもよい。いったん制御ユニット12が、内側−外側角度および頭−尾角度の両方が正確に適合されたことを示すと、器具は、パイロット穴を形成するために、肉茎に進められてもよく、穴形成が完了するまで、器具の角度軌道を監視する。
【0061】
制御ユニット12は、矢状面内(頭−尾角度)および横断面内(内側−外側角度)の傾斜センサの配向に対応する、任意の数値、図式、および音声フィードバックを通信することができる。内側−外側および頭−尾角度読み取り値は、傾斜センサが使用中の間、同時かつ継続的に、またはそれらの任意の他の変形で(例えば、個々におよび/または断続的に)表示されてもよい。
図34は、ほんの一例として、ナビゲーションガイダンス機能のGUI画面の一実施形態を図示する。器具の角度配向は、ユーザが所望の角度を発見するのを助長するように、色分けされた標的スキームと共に表示される。
【0062】
I
threshを取得し、それが提供する有用な情報を利用するために、システム10は、所与の刺激電流(I
Stim)に対応する各EMG応答のピーク間電圧(V
pp)を識別し、測定する。誤ったV
pp測定値をもたらす可能性のある、刺激および/または雑音アーチファクトの存在によって、応答の真のV
ppを識別することが困難である場合がある。この難問を克服するために、本発明の神経監視システム10は、上記に参照される、共同所有され、かつ同一出願人による、名称「System and Methods for Performing Dynamic Pedicle Integrity Assessment」で、2004年8月5日に出願された、PCT出願第PCT/US2004/025550号に完全に示され、記載されるもの等の任意の数の好適なアーチファクト除去技術を採用することができ、その全体の内容は、参照することによって、本明細書に完全に記載されるかのように本開示に組み込まれる。各EMG応答のV
ppを測定すると、V
pp情報は、既定のV
ppEMG応答をもたらすことができる最小刺激電流(I
Thresh)を識別するために、対応する刺激電流(I
stim)に関して分析される。本発明によると、I
Threshの判定は、任意の様々な好適なアルゴリズムまたは技術を介して達成され得る。
【0063】
図35A〜Dは、ほんの一例として、I
threshを素早く発見するために使用される、本発明の閾値探索アルゴリズムの原理を図示する。I
threshを発見するための方法は、区分化方法および二分化方法を利用する。区分化方法は、I
threshを含有すべき刺激電流の範囲(区分)を素早く発見し、二分化方法は、I
threshが指定の精度内で既知となるまで区分を狭める。チャネルの刺激電流閾値I
threshが最大刺激電流を超える場合、その閾値は、範囲外と見なされる。
【0064】
図35A〜Dは、本発明の閾値探索アルゴリズムの区分化機構を図示する。刺激は、(ほんの一例として)1mA等の最小刺激電流で開始する。関連電流値は、一部において、実施される機能に依存し(例えば、MEPには、高電流が使用され、他の機能には、一般に、低電流が使用される)、ここに記載される電流値は、例示のためだけのものであり、実際には、任意の規模に調節されてもよいことが理解される。各後続の刺激のレベルは、刺激電流が動員する(すなわち、V
thresh以上のV
ppを伴うEMG応答をもたらす)まで、先行の刺激レベルから2倍にされる。動員する第1の刺激電流(
図35Bでは8mA)は、動員していない最後の刺激電流(
図35Bでは4mA)と共に、初期区分を形成する。
【0065】
図35C〜Dは、本発明の閾値探索アルゴリズムの二分化機構を図示する。閾値電流I
threshが区分化された(
図35B)後、初期区分は、二分化を介して、(ほんの一例として)0.25mA等の既定の幅に逐次的に縮められる。これは、初期区分を二分化する(すなわち、初期区分の中点を形成する)第1の二分化刺激電流(
図35Cでは6mA)を適用することによって達成される。この第1の二分化刺激電流が動員する場合、区分は、初期区分の下半分(例えば、
図35Cでは4mA〜6mA)に縮められる。この第1の二分化刺激電流が動員しない場合、区分は、初期区分の上半分(例えば、
図35Cでは6mA〜8mA)に縮められる。I
threshが、既定の幅(この場合、0.25mA)だけ分離するように刺激電流によって区分化されるまで、このプロセスは、各逐次区分に対して継続される。示される本実施例では、これは、第2の二分化刺激電流(第2の区分の中点を形成する、または本実施例では5mA)を適用することによって達成され得る。この第2の二分化刺激電流は、I
thresh未満であるため、動員しない。このように、第2の区分は、その上半分(5mA〜6mA)に縮められ、第3の区分を形成する。次いで、第3の区分の中点(この場合、5.50mA)を形成する第3の二分化刺激電流が適用される。この第3の二分化刺激電流は、I
thresh未満であるため、動員しない。このように、第3の区分は、その上半分(5.50mA〜6mA)に縮められ、第4の区分を形成する。第4の区分の中点(この場合、5.75mA)を形成する第4の二分化刺激電流が適用される。第4の二分化刺激電流は、I
threshを超えるため、動員する。その最終区分は、5.50mA〜5.75mAである。5.50mAでの「応答」または動員、および5.75mAでの「無応答」または動員の欠如のため、I
threshは、この範囲内であると推測することができる。一実施形態では、この最終区分の中点が、I
threshとして定義されてもよいが、しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、最終区分内の任意の値が、I
threshとして選択されてもよい。有効なモードによって、アルゴリズムは、第1の応答チャネル(すなわち、最低I
threshを伴うチャネル)のI
threshを発見した後に停止することができ、または各チャネルのI
threshを判定するために、各チャネルに対して、区分化および二分化ステップを繰り返すことができる。一実施形態では、多重チャネルのI
threshの判定は、以下に記載される多重チャネル閾値検出アルゴリズムの追加ステップを採用することによって達成することができる。
【0066】
さらに、動的刺激EMGおよびXLIFを含むが、必ずしもこれらに限定されない、「動的」機能モードでは、システムは、刺激閾値レベルを継続的に更新し、そのレベルをユーザに示すことができる。そうするために、閾値探索アルゴリズムは、I
threshレベルを改めて繰り返し判定せず、むしろ、刺激電流閾値が変化しているかどうかを判定する。これは、
図35Dに図示されるように、最終区分の下端での刺激と上端での刺激との間で切り替えることを伴う段階を監視することによって達成される。閾値が変化していない場合、区分の下端刺激電流は、応答を誘発しないべきであり、一方、区分の上端刺激電流は、応答を誘発するべきである。これらの条件のいずれかが満足されない場合、区分は、適宜調節される。各閾値が区分化されることを保証し続けるために、有効なチャネルのそれぞれに対して、プロセスが繰り返される。刺激が、予測される応答を誘発するのに3回連続失敗する場合、次いで、アルゴリズムは、区分を再確立するために、区分化段階に戻る。監視段階中にI
threshの変化が検出される事象では、ユーザは、画面表示および/または音声フィードバックを介して、即座に警報され得る。ほんの一例として、I
threshの変化が検出された直後であるが、新しいI
thresh値が判定される前に、以前のI
threshに対応する、ディスプレイ上に示される色を、中間色(例えば、黒色、灰色等)に変更することができる。特定の安全性レベルを表すために、音声音が使用される場合、変化が検出され次第、音が停止されてもよい。いったん新しいI
thresh値が判定されると、値を表すように、色および/または音声音を再び変更することができる。
【0067】
代替の実施形態では、最小刺激電流で区分化段階に入ることで開始し、I
threshが区分化されるまで上方に区分化するというよりはむしろ、閾値探索アルゴリズムは、適した安全性レベルを即座に判定することで開始し、次いで区分化段階に入ってもよい。アルゴリズムは、境界電流レベルのうちの1つ以上での刺激を開始することによって、これを達成することができる。ほんの一例として、および
図36を参照して、アルゴリズムは、危険レベル(例えば、赤色)と注意レベル(例えば、黄色)との間の境界での刺激信号を送達することで開始することができる。第1の刺激の後、安全性レベルが明らかではない場合、アルゴリズムは、注意レベル(例えば、黄色)と安全レベル(例えば、緑色)との間の境界で、再度刺激することができる。いったん安全性レベルが既知になると(すなわち、安全性レベルが赤色の場合は第1の刺激の後、または安全性レベルが黄色もしくは緑色の場合は第2の刺激の後)、画面表示が適した色に更新されてもよく、および/または符号化された音声信号が放出されてもよい。画面表示が更新される際、アルゴリズムは、実際のI
thresh値を判定するために、区分化および二分化段階に移行することができる。I
thresh値が判定される際、ディスプレイは、追加情報を反映するように、再度更新され得る。動的モードでは、監視段階がI
threshの変化を検出する場合、アルゴリズムは、新しいI
threshを判定するために区分化および二分化段階に移行する前に、必要に応じて、境界レベル(単数または複数)で再度刺激し、色および/または音声信号を更新する。
【0068】
(一例として)MEP等のいくつかの機能では、機能が実施される度に各有効なチャネルのI
threshを取得することが望まれ得る。これは、潜在的問題を検出するための手段として、経時的なI
threshの変化を評価する(刺激EMGモード等で、安全であると判定された既定のレベル未満のI
threshを検出することとは対照的に)際に特に有利である。上述されるように、アルゴリズムを使用して、各有効なチャネルのI
threshを発見することができる一方、これは、それぞれが特定の時間遅延に関連付けられる、潜在的に大きな数の刺激を必要とし、応答時間を大幅に増加する可能性がある。繰り返し行われることで、これはまた、外科的処置を完了するのに必要とされる総時間を大幅に増加する可能性もあり、これは、患者に対するさらなる危険性および費用の増加をもたらし得る。この欠点を克服するために、神経監視システム10の好ましい実施形態は、各チャネルのI
threshを素早く判定する一方で、刺激の数を最小限にし、したがって、そのような判定を実施するのに必要とされる時間を削減するように、多重チャネル閾値探索アルゴリズムを有する。
【0069】
多重チャネル閾値探索アルゴリズムは、多重チャネルのI
threshが発見されている際、区分化および二分化ステップを完了するのに必要とされる刺激数を削減する。多重チャネルアルゴリズムは、既に獲得されているデータから結果が予測可能である刺激を省略することによって、そのようにする。刺激信号が省略される際、アルゴリズムは、刺激が行われたかのように進む。しかしながら、実際の動員結果を報告する代わりに、報告される結果は、以前のデータから推測される。これは、アルゴリズムが、刺激信号に関連する時間遅延なく、次のステップに即座に進むことを可能にする。
【0070】
どのチャネルのI
threshが処理されているかに関わらず、各刺激信号は、すべての有効なチャネルから応答を引き出す。つまり、いかなるチャネルも、刺激信号に答えて、動員する、または動員しない(この場合も同様に、チャネルは、約100μVのV
pp等、刺激信号がそのチャネルにとって有意義であると見なされるEMG応答を誘発する場合、動員したと考えられる)。各チャネルのこれらの動員結果は、記録され、保存される。後で、異なるチャネルのI
threshが処理される際、保存されたデータにアクセスすることができ、そのデータに基づき、アルゴリズムは、刺激信号を省略し、チャネルが所与の刺激電流で動員するかどうかを推測することができる。
【0071】
アルゴリズムが、刺激信号を省略し、以前の動員結果を報告することができる、2つの理由が存在する。刺激信号は、選択された刺激電流が以前の刺激の繰り返しである場合、省略することができる。ほんの一例として、1つのチャネルのI
threshを判定するために、1mAの刺激電流が適用され、別のチャネルのI
threshを判定するために、後で、1mAでの刺激が必要とされる場合、アルゴリズムは、刺激を省略し、以前の結果を報告することができる。必要とされた特定の刺激電流が以前に使用されていない場合、結果が以前のデータから既に明確である場合に、刺激信号を依然として省略することができる。ほんの一例として、以前のチャネルのI
threshを判定するために、2mAの刺激電流が適用され、現在のチャネルが動員しない場合、現在のチャネルのI
threshを判定するために、1mAの刺激が後で必要とされる際、アルゴリズムは、以前の刺激から、現在のチャネルが、2mAで動員しなかったため、1mAで動員しないことを推測することができる。したがって、アルゴリズムは、刺激を省略し、以前の結果を報告することができる。
【0072】
図37は、多重チャネル閾値探索アルゴリズムが、刺激するか、または刺激せず、単に以前の結果を報告するかを判定する、方法を図示する(フローチャート形態で)。アルゴリズムは、最初に、選択された刺激電流が既に使用されているかどうかを判定する(ステップ302)。刺激電流が使用されている場合、刺激は省略され、現在のチャネルの以前の刺激の結果が報告される(ステップ304)。刺激電流が使用されていない場合、アルゴリズムは、現在のチャネルのI
recruit(ステップ306)およびI
norecruit(ステップ308)を判定する。I
recruitは、現在のチャネル上で動員した、最低刺激電流である。I
norecruitは、現在のチャネル上で動員できなかった、最高刺激電流である。次に、アルゴリズムは、I
recruitがI
norecruitより大きいかどうかを判定する(ステップ310)。I
norecruitより大きくないI
recruitは、チャネル上のI
threshに変化が生じたことを示す。したがって、以前の結果は、現在の閾値状態を反映しない可能性があり、アルゴリズムは、所与の刺激電流に対する応答を推測するのにそれらを使用しない。アルゴリズムは、選択された電流で刺激し、現在のチャネルの結果を報告する(ステップ312)。I
recruitがI
norecruitより大きい場合、アルゴリズムは、選択された刺激電流が、I
recruitより高いかどうか、I
norecruitより低いかどうか、またはI
recruitとI
norecruitとの間であるかどうかを判定する(ステップ314)。選択された刺激電流がI
recruitより高い場合、アルゴリズムは、刺激を省略し、現在のチャネルが指定の電流で動員することを報告する(ステップ316)。選択された刺激電流がI
norecruitより低い場合、アルゴリズムは、現在のチャネルが選択された電流で動員しないことを推測し、その結果を報告する(ステップ318)。選択された刺激電流がI
recruitとI
norecruitとの間に含まれる場合、刺激の結果は、推測することができず、アルゴリズムは、選択された電流で刺激し、現在のチャネルの結果を報告する(ステップ312)。この方法は、あらゆる有効なチャネルのI
threshが判定されるまで繰り返されてもよい。
【0073】
明確化のため、
図38A〜Cは、2つのチャネル上のI
threshを判定するための、多重チャネル閾値探索アルゴリズムの使用を実例説明する。しかしながら、多重チャネルアルゴリズムは、2つのチャネルのI
threshを発見するためだけに限定されず、むしろ、神経監視システム10の好ましい実施形態によると、(例えば)8つのチャネル等の任意の数のチャネルのI
threshを発見するために使用され得ることを理解されたい。
図38Aを参照すると、チャネル1は、6.25mAであることが分かるI
threshを有し、チャネル2は、4.25mAであることが分かるI
threshを有する。チャネル1のI
threshは、
図38Bに図示されるように、上述される区分化および二分化方法を使用して、最初に発見される。区分化は、1mAの最小刺激電流で開始する(例示目的のみのため)。これが、処理される最初のチャネルであり、以前の動員結果が存在しないため、刺激は省略されない。刺激電流は、8mAで著しいEMG応答が誘発されるまで、各逐次刺激ごとに2倍にされる。4〜8mAの初期区分は、上述される二分化方法を使用して、刺激閾値I
threshが選択された幅または分解能だけ分離される(この場合も同様に、25mA)最終区分内に含有されるまで、二分化される。本実施例では、最終区分は、6mA〜6.25mAである。I
threshは、最終区分内の任意の点として、または最終区分の中点(この場合、6.125mA)として定義されてもよい。いずれの事象でも、I
threshは、チャネル1のI
threshとして選択され、報告される。
【0074】
いったんチャネル1のI
threshが発見されると、アルゴリズムは、
図38Cに図示されるように、チャネル2に取り掛かる。アルゴリズムは、この場合も同様に、4〜8mAである、初期区分を判定することによって、チャネル2の処理を開始する。区分化段階において必要とされる、すべての刺激電流は、チャネル1のI
threshの判定において使用されている。アルゴリズムは、チャネル1が以前の刺激に対してどのように応答したかを判定するために、戻って保存されたデータを参照する。保存されたデータから、アルゴリズムは、チャネル2が、1、2、および4mAの刺激電流で動員せず、8mAで動員することを推測することができる。これらの刺激は、省略され、推測された結果が表示される。二分化プロセスで選択された第1の二分化刺激電流(この場合、6mA)は、以前に使用されており、そのため、アルゴリズムは、刺激を省略し、チャネル2がその刺激電流で動員することを報告し得る。選択された次の二分化刺激電流(この場合、5mA)は、以前に使用されておらず、そのため、アルゴリズムは、5mAでの刺激の結果が依然として推測され得るかどうかを判定しなければならない。示される実施例では、I
recruitおよびI
norecruitは、それぞれ、6mAおよび4mAであると判定される。5mAは、I
recruitとI
norecruitとの間に含まれるため、アルゴリズムは、以前のデータから結果を推測できず、このため、刺激は省略することができない。次いで、アルゴリズムは、5mAで刺激し、チャネルが動員することを報告する。区分は、下半分に縮められる(次の二分化刺激電流を4.50mAにする)。4.5mAの刺激電流は、以前に使用されておらず、このため、アルゴリズムは、I
recruitおよびI
norecruitを再度判定する(この場合、5mAおよび4mA)。選択された刺激電流(4.5mA)は、I
recruitとI
norecruitとの間に含まれ、このため、アルゴリズムは、4.5mAで刺激し、結果を報告する。ここで、区分は、25mAのその最終幅である(例示目的のみのため)。I
threshは、最終区分内の任意の点として、または最終区分の中点(この場合、4.125mA)として定義されてもよい。いずれの事象でも、I
threshは、チャネル2のI
threshとして選択され、報告される。
【0075】
多重チャネル閾値探索アルゴリズムは、番号順にチャネルを処理するように上述されるが、チャネルが処理される実際の順序は、重要ではないことが理解される。チャネル処理順は、最高または最低閾値を最初にもたらすように(以下に記載される)偏ってもよく、または任意の処理順が使用されてもよい。さらに、各チャネルについてアルゴリズムの中間状態が保持されるという条件で、次のチャネルの処理を開始する前に、1つのチャネルについてアルゴリズムを必ずしも完了する必要はないことが理解される。チャネルは、依然として1回に1つ処理される。しかしながら、アルゴリズムは、1つ以上のチャネル間でサイクルすることができ、次のチャネルに移動する前に、そのチャネルに1つと少ない刺激電流を処理する。ほんの一例として、アルゴリズムは、第1のチャネルのI
threshを処理している間、10mAで刺激することができる。20mA(区分化段階における次の刺激電流)で刺激する前に、アルゴリズムは、任意の他のチャネルにサイクルし、それを10mAの刺激電流で処理することができる(適用可能な場合、刺激を省略する)。次の刺激を適用するために第1のチャネルに戻る前に、チャネルのうちのいずれかまたはすべてが、このように処理されてもよい。同様に、アルゴリズムは、20mAで刺激するために第1のチャネルに戻る必要はなく、代わりに、20mAレベルで最初に処理する、異なるチャネルを選択することができる。この方法では、アルゴリズムは、すべてのチャネルを本質的に共に進め、下の閾値チャネルを最初に発見するか、または上の閾値チャネルを最初に発見するように、順序を偏らせることができる。ほんの一例として、アルゴリズムは、1つの電流レベルで刺激し、次の刺激電流レベルに進む前に、各チャネルをそのレベルで順に処理することができる。アルゴリズムは、最低I
threshを伴うチャネルが区分化されるまで、このパターンで継続することができる。次いで、アルゴリズムは、I
threshが判定されるまで、そのチャネルを排他的に処理し、次いで、次の最低I
threshを伴うチャネルが区分化されるまで、1回に1つの刺激電流レベルで他のチャネルを処理するように戻ることができる。このプロセスは、最低から最高のI
threshの順序で各チャネルのI
threshが判定されるまで繰り返されてもよい。2つ以上のチャネルのI
threshが同一の区分内に含まれる場合、区分は、二分化されてもよく、どれが最低I
threshを有するかが明らかになるまで、区分内の各チャネルを順に処理する。最高I
threshを最初に判定することがより有利となる場合、アルゴリズムは、あらゆるチャネルの区分が発見されるまで、区分化段階を継続し、次いで、各チャネルを降順に二分化することができる。
【0076】
図39A〜Bは、有利に、特定のチャネルのI
thresh値が以前に判定されている際、I
threshを発見するために必要とされる刺激の数をさらに低減する能力を提供する、本発明の閾値探索アルゴリズムのさらなる機構を図示する。特定のチャネルの以前のI
thresh判定が存在する事象では、アルゴリズムは、区分化および二分化方法で改めて開始するというよりはむしろ、単に以前のI
threshを確認することで開始することができる。アルゴリズムは、最初に、チャネルの初期閾値判定を行っているかどうか、または以前のI
thresh判定が存在するかどうかを判定する(ステップ320)。初期判定ではない場合、アルゴリズムは、以下に記載されるように、以前の判定を確認する(ステップ322)。以前の閾値が確認される場合、アルゴリズムは、現在のI
threshとして、その値を報告する(ステップ324)。初期I
thresh判定である場合、または以前の閾値を確認することができない場合、アルゴリズムは、I
threshを判定し、値を報告するために、区分化機能(ステップ326)および二分化機能(ステップ328)を実施する(ステップ324)。
【0077】
探索アルゴリズムは、I
thresh(既定のEMG応答を誘発する最低刺激電流)を発見することに関して記載されるが、代替の刺激閾値が、脊髄の健康状態の評価または神経監視機能において有用であり得、探索アルゴリズムによって判定され得ることが熟考される。ほんの一例として、探索アルゴリズムは、刺激電圧閾値Vstim
threshを判定するために、システム10によって採用され得る。これは、著しいEMG応答V
threshを誘発するために必要な最低刺激電圧(最低刺激電流の対語として)である。区分化、二分化、および監視状態は、前述される電流に基づく区分の代わりに置換されている電圧に基づく区分を用いて、各有効なチャネルに対して、上述されるように行われる。さらに、MEP監視の文脈内に上述されるが、また、本明細書に記載されるアルゴリズムは、肉茎完全性(ねじ試験)、神経検出、および神経根切開創を含むが、これらに限定されない、任意の他のEMG関連機能の刺激閾値(電流または電圧)を判定するためにも使用され得ることが理解される。
【0078】
本発明は、本発明の目的を達成するための最良の形態に関して記載されてきたが、これらの教示を考慮して、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、変形物が達成され得ることが、当業者によって理解される。例えば、本発明は、コンピュータプログラミングソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアの任意の組み合わせを使用して実現され得る。本発明を実践する、または本発明に従って装置を構築する準備ステップとして、本発明に係るコンピュータプログラミングコード(ソフトウェアであるか、またはファームウェアであるかに関わらず)は、典型的に、固定(ハード)ドライブ、ディスケット、光学ディスク、磁気テープ、ROM、PROM等の半導体メモリ等の1つ以上の機械可読記憶媒体に記憶することができ、それによって、本発明に係る製品を作製する。コンピュータプログラミングコードを含有する製品は、記憶デバイスからコードを直接実行することによって、記憶デバイスからハードディスク、RAM等の別の記憶デバイスにコードをコピーすることによって、または遠隔実行のために、コードをネットワーク上で伝送することによって、使用される。当業者が想定することができるように、上記の多くの異なる組み合わせを使用することができ、したがって、本発明は、指定される範囲に制限されない。