【0047】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から、かつ特許請求の範囲から明らかであると考えられる。
[本発明1001]
ガス状の一酸化窒素を含む治療ガスを哺乳動物に投与する工程;および
治療ガスの投与中または投与後に、血管作動性酸素運搬体を含む組成物を哺乳動物に投与する工程
を含む、血管作動性酸素運搬体投与後の哺乳動物における血管収縮を防止するかまたは減少させる方法であって、
治療ガスが、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後の哺乳動物における血管収縮の発生を防止するかまたは減少させるために有効な量で投与される、方法。
[本発明1002]
治療ガスが、吸入によって哺乳動物に投与される、本発明1001記載の方法。
[本発明1003]
治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、少なくとも20ppmである、本発明1002記載の方法。
[本発明1004]
治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、少なくとも40ppmである、本発明1002記載の方法。
[本発明1005]
治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、少なくとも80ppmである、本発明1002記載の方法。
[本発明1006]
治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、100ppm〜500ppmの範囲である、本発明1002記載の方法。
[本発明1007]
治療ガスが、少なくとも3分間連続して哺乳動物に投与される、本発明1002〜1006のいずれか一項記載の方法。
[本発明1008]
治療ガスが、少なくとも15分間連続して哺乳動物に投与される、本発明1002〜1006のいずれか一項記載の方法。
[本発明1009]
治療ガスが、少なくとも1時間連続して哺乳動物に投与される、本発明1002〜1006のいずれか一項記載の方法。
[本発明1010]
治療ガスの投与を、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与前に終わらせる、前記本発明のいずれか一項記載の方法。
[本発明1011]
治療ガスの投与を、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与の少なくとも3分前に終わらせる、本発明1010記載の方法。
[本発明1012]
治療ガスの投与を、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与の少なくとも15分前に終わらせる、本発明1010記載の方法。
[本発明1013]
治療ガスの投与を、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後に終わらせる、本発明1001〜1009のいずれか一項記載の方法。
[本発明1014]
治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度を、投与経過中に減少させる、本発明1001〜1013のいずれか一項記載の方法。
[本発明1015]
治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度を、投与の間全体または投与の一部の間に、一定の速度で減少させる、本発明1014記載の方法。
[本発明1016]
治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度を、投与経過中、1つまたは複数の段階的減少によって減少させる、本発明1014記載の方法。
[本発明1017]
ガス状の一酸化窒素を含む第一の治療ガスを哺乳動物に投与する工程;
第一の治療ガスの投与中または投与後に、血管作動性酸素運搬体を含む組成物を哺乳動物に投与する工程;および
第一の治療ガスの投与後に、ガス状の一酸化窒素を含む第二の治療ガスを哺乳動物に投与する工程であって、第二の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、第一の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度よりも低く、かつ第二の治療ガスの投与が(i)血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後、または(ii)血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与前もしくは投与中に始められ、かつ血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後も続く、工程
を含む、血管作動性酸素運搬体投与後の哺乳動物における全身および肺の血管収縮を防止するかまたは減少させる方法であって、
第一および第二の治療ガスが、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後の哺乳動物における全身および肺の血管収縮の発生を防止するかまたは減少させるために有効な量で投与される、方法。
[本発明1018]
第一および第二の治療ガスが吸入によって哺乳動物に投与される、本発明1017記載の方法。
[本発明1019]
第一の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、少なくとも20ppmである、本発明1018記載の方法。
[本発明1020]
第一の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、少なくとも40ppmである、本発明1018記載の方法。
[本発明1021]
第一の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、少なくとも80ppmである、本発明1018記載の方法。
[本発明1022]
第一の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、80ppm〜500ppmの範囲である、本発明1018記載の方法。
[本発明1023]
第一の治療ガスが、少なくとも3分間連続して哺乳動物に投与される、本発明1018〜1022のいずれか一項記載の方法。
[本発明1024]
第一の治療ガスが、少なくとも15分間連続して哺乳動物に投与される、本発明1018〜1022のいずれか一項記載の方法。
[本発明1025]
第一の治療ガスが、少なくとも1時間連続して哺乳動物に投与される、本発明1018〜1022のいずれか一項記載の方法。
[本発明1026]
第二の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、少なくとも5ppmである、本発明1018〜1025のいずれか一項記載の方法。
[本発明1027]
第二の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、40ppm未満である、本発明1018〜1026のいずれか一項記載の方法。
[本発明1028]
第二の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、20ppm未満である、本発明1018〜1026のいずれか一項記載の方法。
[本発明1029]
第二の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が、5ppm〜40ppmの範囲である、本発明1018〜1025のいずれか一項記載の方法。
[本発明1030]
第二の治療ガスが、少なくとも3分間連続して哺乳動物に投与される、本発明1018〜1029のいずれか一項記載の方法。
[本発明1031]
第二の治療ガスが、少なくとも15分間連続して哺乳動物に投与される、本発明1018〜1029のいずれか一項記載の方法。
[本発明1032]
第二の治療ガスが、少なくとも1時間連続して哺乳動物に投与される、本発明1018〜1029のいずれか一項記載の方法。
[本発明1033]
第二の治療ガスが、少なくとも2時間連続して哺乳動物に投与される、本発明1018〜1029のいずれか一項記載の方法。
[本発明1034]
第二の治療ガスが、少なくとも24時間連続して哺乳動物に投与される、本発明1018〜1029のいずれか一項記載の方法。
[本発明1035]
第一の治療ガスの投与を、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与前に終わらせる、本発明1018〜1034のいずれか一項記載の方法。
[本発明1036]
第一の治療ガスの投与を、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与の少なくとも3分前に終わらせる、本発明1035記載の方法。
[本発明1037]
第一の治療ガスの投与を、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与の少なくとも15分前に終わらせる、本発明1035記載の方法。
[本発明1038]
第一の治療ガスの投与を、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後に終わらせる、本発明1018〜1034のいずれか一項記載の方法。
[本発明1039]
第二の治療ガスの投与が、人工的酸素運搬体を含む組成物の投与前または投与中に始められ、かつ血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後に続く、本発明1018〜1038のいずれか一項記載の方法。
[本発明1040]
第二の治療ガスの投与が、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後に始められる、本発明1018〜1038のいずれか一項記載の方法。
[本発明1041]
単一ガス送達デバイスを用いて、第一の治療ガスおよび第二の治療ガスの両方を哺乳動物に送達し、かつ投与されるガス状の一酸化窒素の濃度を第一の治療ガスの投与中に減少させ、それによって第一の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度より低い濃度のガス状の一酸化窒素を有する第二の治療ガスをもたらす、本発明1018〜1040のいずれか一項記載の方法。
[本発明1042]
投与されるガス状の一酸化窒素の濃度を、第一の治療ガスの投与開始に続いて一定の速度で減少させ、それによって第二の治療ガスをもたらす、本発明1041記載の方法。
[本発明1043]
投与されるガス状の一酸化窒素の濃度を、第一の治療ガスの投与開始に続いて段階的な減少により減少させ、それによって第二の治療ガスをもたらす、本発明1041記載の方法。
[本発明1044]
第一の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が20ppm〜500ppmの範囲であり、かつ第二の治療ガス中のガス状の一酸化窒素の濃度が500ppb〜40ppmの範囲である、本発明1018記載の方法。
[本発明1045]
ホスホジエステラーゼ阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ増感剤、またはホスホジエステラーゼ阻害剤および可溶性グアニル酸シクラーゼ増感剤を、哺乳動物に投与する工程をさらに含む、前記本発明のいずれか一項記載の方法。
[本発明1046]
血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後に、ホスホジエステラーゼ阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ増感剤、またはホスホジエステラーゼ阻害剤および可溶性グアニル酸シクラーゼ増感剤を哺乳動物に投与する、本発明1045記載の方法。
[本発明1047]
ホスホジエステラーゼ阻害剤が、シルデナフィル、タダラフィル、またはバルデナフィルである、本発明1045または1046記載の方法。
[本発明1048]
一酸化窒素を放出する化合物を哺乳動物に投与する工程;および
一酸化窒素を放出する化合物の投与中または投与後に、血管作動性酸素運搬体を含む組成物を哺乳動物に投与する工程
を含む、血管作動性酸素運搬体投与後の哺乳動物における血管収縮を防止するかまたは減少させる方法であって、
一酸化窒素を放出する化合物が、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後の哺乳動物における血管収縮の発生を防止するかまたは減少させるために有効な量で投与される、方法。
[本発明1049]
一酸化窒素を放出する化合物が亜硝酸塩を含む、本発明1048記載の方法。
[本発明1050]
ホスホジエステラーゼ阻害剤または可溶性グアニル酸シクラーゼ増感剤を哺乳動物に投与する工程;および
血管作動性酸素運搬体を含む組成物を哺乳動物に投与する工程
を含む、血管作動性酸素運搬体投与後の哺乳動物における血管収縮を防止するかまたは減少させる方法であって、
ホスホジエステラーゼ阻害剤または可溶性グアニル酸シクラーゼ増感剤が、血管作動性酸素運搬体を含む組成物の投与後の哺乳動物における血管収縮の発生を防止するかまたは減少させるために有効な量で投与される、方法。
[本発明1051]
ホスホジエステラーゼ阻害剤が、環状グアノシン一リン酸(cGMP)ホスホジエステラーゼに関して選択的である、本発明1050記載の方法。
[本発明1052]
血管作動性酸素運搬体を含む組成物が赤血球を含む、前記本発明のいずれか一項記載の方法。
[本発明1053]
赤血球が自己赤血球である、本発明1052記載の方法。
[本発明1054]
赤血球が同種赤血球である、本発明1052記載の方法。
[本発明1055]
赤血球が、ドナーから取り出された後、かつ哺乳動物に投与される前、少なくとも3時間保存されている、本発明1052〜1054のいずれか一項記載の方法。
[本発明1056]
赤血球が、ドナーから取り出された後、かつ哺乳動物に投与される前、少なくとも24時間保存されている、本発明1052〜1054のいずれか一項記載の方法。
[本発明1057]
血管作動性酸素運搬体が人工的酸素運搬体である、本発明1001〜1051のいずれか一項記載の方法。
[本発明1058]
人工的酸素運搬体がヘムに基づく酸素運搬体である、本発明1057記載の方法。
[本発明1059]
ヘムに基づく酸素運搬体が、ヘム-アルブミンに基づく酸素運搬体またはヘム-デキストランに基づく酸素運搬体である、本発明1058記載の方法。
[本発明1060]
ヘムに基づく酸素運搬体がヘモグロビンに基づく酸素運搬体である、本発明1058記載の方法。
[本発明1061]
ヘモグロビンに基づく酸素運搬体が修飾ヘモグロビンを含む、本発明1060記載の方法。
[本発明1062]
ヘモグロビンに基づく酸素運搬体が架橋ヘモグロビンを含む、本発明1060記載の方法。
[本発明1063]
ヘモグロビンに基づく酸素運搬体が、架橋ポリヘモグロビン、架橋四量体ヘモグロビン、抱合体化ヘモグロビン、組換えヘモグロビン、または被包性のヘモグロビンを含む、本発明1060記載の方法。
[本発明1064]
ヘモグロビンに基づく酸素運搬体がヒトヘモグロビンを含む、本発明1060〜1063のいずれか一項記載の方法。
[本発明1065]
ヘモグロビンに基づく酸素運搬体が、ウシヘモグロビンまたはブタヘモグロビンを含む、本発明1060〜1063のいずれか一項記載の方法。
[本発明1066]
ヘモグロビンに基づく酸素運搬体を含む組成物を、静脈内、動脈内、または骨内注入によって哺乳動物に投与する、本発明1060〜1065のいずれか一項記載の方法。
[本発明1067]
哺乳動物が貧血を有する、前記本発明のいずれか一項記載の方法。
[本発明1068]
貧血が重症の急性貧血である、本発明1067記載の方法。
[本発明1069]
哺乳動物が手術の結果として失血を被っている、本発明1001〜1066のいずれか一項記載の方法。
[本発明1070]
手術が心臓手術または整形手術である、本発明1069記載の方法。
[本発明1071]
哺乳動物が外傷の結果として失血を被っている、本発明1001〜1066のいずれか一項記載の方法。
[本発明1072]
哺乳動物が、虚血性心疾患を有するかまたは急性の虚血性事象を被っている、本発明1001〜1066のいずれか一項記載の方法。
[本発明1073]
哺乳動物が心筋梗塞または脳卒中を被っている、本発明1072記載の方法。
[本発明1074]
急性の虚血性事象が、外科的な脈管再生、移植、または血管形成術によって引き起こされる、本発明1072記載の方法。
[本発明1075]
哺乳動物が治療前に臓器の血管痙攣を示す、本発明1001〜1066のいずれか一項記載の方法。
[本発明1076]
臓器が、脳、心臓、腎臓、肝臓、または胃腸管の臓器である、本発明1075記載の方法。
[本発明1077]
哺乳動物がヒトである、前記本発明のいずれか一項記載の方法。
[本発明1078]
治療ガスがタバコの煙の非存在下で吸入される、前記本発明のいずれか一項記載の方法。
[本発明1079]
哺乳動物の呼吸器系内にガスを送るように形成された管腔;
管腔中に存在する一酸化窒素ガスの濃度を測定するように形成された第一のメーター;
管腔中のガスの流速を測定するように形成された第二のメーター;および
管腔中で測定された一酸化窒素の濃度と管腔中で測定されたガスの流速を統合して、デバイスによって哺乳動物の呼吸器系に送達された一酸化窒素の量を決定する薬量計
を含む、ガス送達デバイス。
[本発明1080]
少なくとも1ppmの一酸化窒素を含む加圧ガスを含む容器をさらに含み、該容器が、管腔内または管腔と連通しているチャンバー内に加圧ガスを制御可能に放出するための機構を有する、本発明1079記載のデバイス。
[本発明1081]
加圧ガスの放出が哺乳動物の吸気の陰圧によって誘発され、かつ加圧ガス放出が呼吸の吸気周期に制限され、それによって呼吸死腔への吸気ガスの送達を減少させ、かつ吸気ガスの必要量を減少させる、本発明1080記載のデバイス。
[本発明1082]
少なくとも1ppmの一酸化窒素を含む加圧ガスを含む第一の容器;および
人工的酸素運搬体を含む組成物を含む第二の容器
を含む、キット。
[本発明1083]
ガス状の一酸化窒素送達デバイス;および
人工的酸素運搬体を含む組成物を含む容器
を含む、キット。
[本発明1084]
少なくとも1ppmの一酸化窒素を含む加圧ガスを含む第二の容器をさらに含む、本発明1083のキット。
[本発明1085]
ホスホジエステラーゼ阻害剤または可溶性グアニル酸シクラーゼ増感剤;および
人工的酸素運搬体を含む組成物
を含む、キット。
[本発明1086]
ホスホジエステラーゼ阻害剤が、cGMPホスホジエステラーゼに関して選択的である、本発明1085記載のキット。
[本発明1087]
(i)ホスホジエステラーゼ阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ増感剤、または一酸化窒素を放出する化合物;および(ii)人工的酸素運搬体を含む、薬学的組成物。
[本発明1088]
cGMPホスホジエステラーゼに関して選択的であるホスホジエステラーゼ阻害剤を含む、本発明1087記載の薬学的組成物。
[本発明1089]
酸素運搬体を含む組成物を、虚血-再灌流障害を有する哺乳動物に投与する工程;および
ガス状の一酸化窒素を含む治療ガスを哺乳動物に投与する工程
を含む、哺乳動物における虚血-再灌流障害を治療するための方法であって、
治療ガスの投与が、(i)酸素運搬体を含む組成物の投与前、投与中、もしくは投与後、または(ii)酸素運搬体を含む組成物の投与前もしくは投与中に始められ、かつ酸素運搬体を含む組成物の投与後に続く、方法。