(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば浴室内で使用する電子機器として、特許文献1には、スピーカを収容する筐体を備えたガス警報器が開示されている。当該筺体には、当該筐体を貫通する放音孔と、前記放音孔を囲むように筐体内部に向かって立設すると共にその開口が前記スピーカで塞がれた放音筒部と、が設けられており、当該放音筒部には、その内周面に鉛直下側に向かって凹の水溜り部が設けてある。
【0003】
このように警報器を構成することで、放音筒部の内周面に鉛直下側に向かって凹の水溜り部を設けることにより、放音孔から放音筒部内に水が侵入しても水溜り部に水が溜まるためスピーカの振動板に水が付着することがない。これにより、スピーカの振動板の発音不良を防止すると共にスピーカの劣化を防ぐことができる。
【0004】
また、特許文献1に記載の警報器には、一端が水溜り部に連通し他端が鉛直下側に開口し、筐体外面に凹に設けられた水抜き溝が設けてある。これにより、水溜り部に溜まった水が水抜き溝を通って筐体外部に排出される。このため、より確実に、スピーカの振動板の発音不良を防止すると共にスピーカの劣化を防ぐことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の警報器は、例えば浴室内で使用するものであるが、被検知ガスを筺体の内部に導入するガス導入口から水が浸入する虞がある。仮にガス導入口から水が筺体の内部に浸入すれば、当該内部に配設してあるガス検知素子や基板などの部材に水が触れたりして、これら部材が故障する虞があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、筺体の内部に水が浸入したとしても、筺体の内部に配設してある部材に水が触れ難く、かつ、浸入した水を筺体の外部に排出し易い電気機器の水抜き構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る電気機器の水抜き構造の第一特徴構成は、機器本体および当該機器本体の少なくとも一部を覆う封止体を有する筺体と、前記筺体の内部に設けられ、外部環境の変化を検知する検知部を配設した基板部と、前記封止体から前記筺体の内部の側に向って立設し、前記検知部を収容する収容部と、を備え、前記収容部に浸入した水を排出し、前記封止体の第一側面に形成した第一排水口に接続し、前記封止体に沿う収容部排水路を備え、前記第一側面に、被検知ガスを前記検知部に導入する被検知ガス導入口および前記第一排水口を備えた点にある。
【0009】
本構成のように収容部に検知部を収容することで、収容された検知部を筺体の内部空間から隔離することができる。よって、仮に筺体の内部に水が浸入したとしても、筺体の内部空間から隔離してある検知部に水が触れ難くなるため、検知部が水に触れることによる破損や劣化を未然に防止できる。
また、本構成のように、収容部に浸入した水を排出する収容部排水路が封止体に沿って形成してあれば、収容部に浸入した水を直ちに収容部排水路によって排出することができる。
【0010】
本構成では、前記収容部排水路を、前記封止体の第一側面に形成した第一排水口に接続してある。
【0011】
本構成のように第一排水口を側面に形成すれば、第一排水口を電気機器の下面に形成した場合に比べて下方からの水蒸気や煙が電気機器の内部に侵入し難くなる。
【0012】
また、本構成では、前記第一側面に、被検知ガスを検知部に導入する被検知ガス導入口および前記第一排水口を備える。
【0013】
本構成のように被検知ガス導入口および第一排水口を第一側面に形成すれば、被検知ガスを第一側面(被検知ガス導入口)から検知部に導入することができ、かつ、収容部排水路からの水や被検知ガス等を第一側面(第一排水口)から迅速に排出することができる。
【0014】
本発明に係る電気機器の水抜き構造の第二特徴構成は、前記収容部排水路が設置姿勢における鉛直方向かつ長辺方向に備えた点にある。
【0015】
本構成によれば、収容部に浸入した水をより迅速に収容部排水路によって排出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、機器本体および当該機器本体の少なくとも一部を覆う封止体によって形成された筺体を有する電気機器の水抜き構造である。
【0018】
図1〜6に示したように、当該電気機器Xは、機器本体10および当該機器本体10の少なくとも一部を覆う封止体20を有する筺体Yと、筺体Yの内部に設けられ、外部環境の変化を検知する検知部31を配設した基板部30と、封止体20から筺体Yの内部の側に向って立設し、検知部31を収容する収容部22と、を備える。本発明の電気機器Xの水抜き構造は、収容部22に浸入した水を排出し、封止体20の第一側面20aに形成した第一排水口22bに接続し、封止体20に沿う収容部排水路22aを備え、第一側面20aに、被検知ガスを検知部に導入する被検知ガス導入口26および第一排水口22bを備える。
【0019】
電気機器Xは、屋内や屋外で壁面に設置する態様であればどのような機器であってもよい。当該壁面に設置する電機機器としては、例えば防災用又は防犯用の警報器が挙げられる。当該警報器は、その内部に外部環境の変化を検知する検知部31を備える。当該検知部31は外部環境の変化を検知するセンサであればよく、このようなセンサとして、酸素センサ、COセンサ、都市ガスセンサなどのガスセンサ、火災センサなどを使用することができるが、これに限られるものではない。
【0020】
ガスセンサは、被検知ガスを検知するものであればどのような態様であってもよい。例えば酸素センサは酸素ガスを検出でき、COセンサは不完全燃焼で発生する一酸化炭素ガスを検出でき、都市ガスセンサは炭化水素ガス等の漏洩ガスを検出することができるものであれば、公知の半導体式センサ素子や接触燃焼式センサ素子などが使用できる。
火災センサは、温度の上昇を感知する温度センサや、煙感知機能を有する公知の散乱光式煙センサなどが使用できる。
【0021】
本実施形態では、電気機器Xとして、COガスの漏洩を検知するガス警報器を厨房の壁面に設置する態様について説明する。当該ガス警報器Xの形状は特に限定されるものではないが、本実施形態では上面視で矩形状であり、厚板状(例えば12×7×2.5cm)の形状を呈するものを例示する。この場合、当該ガス警報器Xは、例えばその長辺を地面に垂直に設置する縦置き姿勢(設置姿勢)によって設置することができる。
【0022】
機器本体10は基板部30を収容しており、底面11と側面12とを一体に形成して構成されている。即ち、底面11および側面12とで囲まれた空間に基板部30が収容される。側面12の端部(封止体20の側)には、封止体20と重ね配置される本体周縁端部12aが形成してある。本実施形態では、機器本体10に封止体20を組み付けた際、本体周縁端部12aと封止体20の封止端部21とが重ね配置されたときに、本体周縁端部12aが内側に位置する場合について説明する。
【0023】
また、本実施形態では、本体周縁端部12aに、ガス警報器Xの周縁に沿うように溝部Bが形成してある場合について説明する。この場合、封止端部21と本体周縁端部12aとが重ね配置されたとき、当該封止端部21は、本体周縁端部12aに形成された溝部Bを覆う。
【0024】
本体周縁端部12aには、その全周に亘って複数の防水リブ12bが形成されており、当該溝部Bは、隣接する防水リブ12bどうしの間の空間で構成される。当該溝部Bは、少なくとも一本形成すればよい。本実施形態では、二本の溝部Bを形成した場合について説明する。
【0025】
封止体20は、機器本体10の少なくとも一部を覆う部材である。本実施形態では、封止体20は、機器本体10の全体を覆う場合について説明する。
【0026】
封止体20には、報知部32が発した警報音を外部に放音するスピーカ開口部24、被検知ガスを検知部31に導入する被検知ガス導入口26、および、スイッチ操作を行うスイッチ押圧部27が形成してあり、封止体20の裏面に形成した凹部には、導光部28や電池29が配設してある。
尚、封止体20の表面には封止板40を貼り付けてある。当該封止板40には、スピーカ開口部24や被検知ガス導入口26に対応するスピーカ開口部44および被検知ガス導入口46がそれぞれ形成してある。
【0027】
基板部30には、検知部31、報知部32、LED33およびスイッチ部34などの部品が配設してある。本実施形態では、COガスを検知する検知部31として、電気化学式COセンサを使用した場合について説明する。電気化学式COセンサとは、COガスを、隔膜を通して触媒作用を有する作用電極上に導き、COガスを酸化することによりガス濃度に応じた電圧または電流を出力するセンサである。報知部32は、検知部31からの信号を受けて警報を発するものであればどのような態様であってもよく、例えば圧電スピーカなどを使用することができる。LED33が発した光は、導光部28を介して外部に放出される。
【0028】
検知部31は、封止体20から筺体Yの内部の側に向って立設した収容部22に収容してある。当該収容部22は、検知部31である電気化学式COセンサを収容できる形態であればその形状は特に限定されるものではなく、本実施形態では、矩形状を呈する場合を例示する。収容部22は、封止体20の裏面から立設し、基板部30によって収容部22の矩形状の開口が塞がれる。当該収容部22に検知部31を収容することで、収容された検知部31を筺体Yの内部空間から隔離することができる。仮に筺体Yの内部に水が浸入したとしても、筺体Yの内部空間から隔離してある検知部31に水が触れ難くなる。
【0029】
また、本発明では、収容部22に浸入した水を排出する収容部排水路22aが封止体20に沿って形成してある。当該収容部排水路22aは、設置姿勢における鉛直方向かつ長辺方向に備えてある。
収容部22は、検知部31である電気化学式COセンサが収容してあり、この電気化学式COセンサにCOガスを導入する被検知ガス導入口26が形成してある。ガス警報器Xを壁面に設置した場合、この被検知ガス導入口26から収容部22の内部に水が浸入する場合がある。しかし、本構成のように収容部22に浸入した水を排出する収容部排水路22aが封止体20に沿って形成してあれば、収容部22に浸入した水を直ちに収容部排水路22aから排出することができる。
尚、収容部22および基板部30の接触部分には、これら部材の隙間を埋めるシール材(図外)を配設してもよい。当該シール材は、例えばPET製の薄膜によって構成し、当該薄膜によって収容部22の矩形状の開口を覆うように配設すればよい。これにより、例えば被検知ガス導入口26から収容部22の内部に水が浸入した場合であっても、収容部22および基板部30の隙間から当該浸入した水が電気機器Xの内部空間に浸入するのを未然に防止できる。
【0030】
収容部排水路22aは、筺体Yの第一側面20aに形成した第一排水口22bに接続する。本構成では、収容部排水路22aの一端が収容部22に接続し、その他端が第一排水口22bに接続する。また、第一側面20aには、被検知ガスを検知部31に導入する被検知ガス導入口26および第一排水口22bを備える。
仮にガス警報器Xの底面に開口を形成してガス警報器Xを厨房の壁面に配設した場合に、調理中に発生した水蒸気や煙が当該底面の開口からガス警報器Xの内部に侵入する虞がある。しかし、本構成のように第一排水口22bを第一側面20aに形成すれば、上記水蒸気や煙は、当該底面の開口よりガス警報器Xの内部に侵入し難くなる。
【0031】
収容部排水路22aおよび第一排水口22bの接続位置において、下方に凹設した段部22cが形成してある。本明細書における「下方」とは、ガス警報器Xを設置姿勢の状態にした場合における下方のことをいう。
収容部排水路22aの一端は収容部22に接続しているため、被検知ガス導入口26から収容部22に導入されたCOガスは、収容部排水路22aを経由して第一排水口22bから排出できる。仮にCOガスがガス警報器Xの内部に滞留した状態が続くと、例えば報知部32の警報音が鳴り止むタイミングが遅れることとなる。そのためCOガスをガス警報器Xの外部に素早く排出できるのが好ましい。
また、第一排水口22bには、調理中に発生した油煙がガス警報器Xの内部に侵入するのを防止する油煙フィルタ22dが配設される場合がある。この場合、油煙フィルタの網目に、収容部排水路22aからの水が付着するなどして当該油煙フィルタが目詰まりする虞がある。この場合、COガスが第一排水口22bからガス警報器Xの外部に排出し難くなってしまう。
本構成のように、収容部排水路22aおよび第一排水口22bの接続位置において、下方に凹設した当該段部22cを形成することで、収容部排水路22aからの水が段部22cに溜まり易くなる。そのため、第一排水口22bに油煙フィルタを配設した場合、当該油煙フィルタに水が付着したとしても、油煙フィルタの下方(段部)付近のみに水が付着し易くなるため、油煙フィルタの全体が目詰まりし難くなる。よって本構成では、COガスを、収容部排水路22aを経由して第一排水口22bから確実に排出し易くできる。
尚、油煙フィルタ22dは第一排水口22bに配設される場合があることを説明したが、当該油煙フィルタ22dは第一排水口22bだけでなく、スピーカ開口部24や被検知ガス導入口26などに配設してもよい。
【0032】
収容部排水路22aは、第一側面20aに対向する第二側面20bに形成した第二排水口23bに接続する。
本構成では、第二排水口23bを第二側面20bに形成してあるため、第一排水口22bと同様に調理中に発生した水蒸気や煙がガス警報器Xの内部に侵入し難い。また、本構成では、収容部排水路22aからの水やCOガスをガス警報器Xの外部に排出する第二排水口23bを更に設けているため、当該水やCOガスをより効率よくガス警報器Xの外部に排出できる。
【0033】
本実施形態では、ガス警報器Xの周縁Aに、ガス警報器Xの内部に浸入した水を排出できる水抜部Cを形成してある。
【0034】
本構成では、水抜部Cが形成してある周縁Aが下向きになるようにガス警報器Xを配置した場合、ガス警報器Xの内部に浸入しようとした水を重力によって水抜部Cから排出することができる。即ち、溝部Bおよび防水リブ12bは、水の浸入方向に対して略直交する方向に設けられているため、防水リブ12bによって浸入してきた雨水等の水を堰き止めることができる。仮に最初の防水リブ12bを越えて雨水等がガス警報器Xの内部空間側に浸入してきた場合でも、これを次の防水リブ12bで堰き止めることができる。堰き止められた水は溝部Bを伝ってガス警報器Xの下方に流れ落ちて水抜部Cに到達し、外部に排出することができる。
【0035】
本実施形態では、水抜部Cは、本体周縁端部12aおよび封止端部21をそれぞれ重ね配置したときの隙間としている。
【0036】
このような隙間は、本体周縁端部12aに形成された溝部Bと通じている。よって、本構成によれば、機器本体10に封止体20を組み付けたときに形成される隙間を水抜部Cとすることができるため、容易に水抜部Cを形成することができる。
【0037】
また、当該隙間は、長辺の長さおよび短辺の長さに亘って形成できるため、水抜部Cを長く形成することができる。これにより、ガス警報器Xの内部に浸入しようとした水を排出できる領域をガス警報器Xの周縁に亘って確保することができる。このような隙間は、通常、細長い線状に形成される。この場合、水抜部Cに到達した水は、隙間を毛管現象により移動し易くなるため、効率よく水を外部に排出し易くなる。
【0038】
基板部30には、検知部31からの出力信号を受けて報知する報知部32が設けてある。封止体20の裏面には、封止体20から筺体Yの内部の側に向って立設し、報知部32の外周32aの少なくとも一部と係合する筒状部23が設けてある。また、当該筒状部23に浸入した水を排出する筒状部排水路23aが封止体20に沿って形成してあり、当該筒状部排水路23aは第二排水口23bに接続する。
【0039】
報知部32の外周32aには、筒状部23の係合部23cと係合する突起部32bが形成してある。筒状部排水路23aの一端は筒状部23の下方に接続し、他端は第二排水口23bに接続している。当該一端が筒状部23の下方に接続する位置は、設置姿勢における筒状部23の最下位置でもよいが、当該最下位置よりずれた位置でもよい。
本構成では、スピーカ開口部24からガス警報器X(筒状部23)の内部に浸入した水は、直ちに筒状部排水路23aを経由して第二排水口23bからガス警報器Xの外部に排出することができる。
【0040】
〔別実施の形態1〕
上述した実施形態では、溝部Bは本体周縁端部12aに形成してある場合について説明したが、これに限らず、封止端部21の側に溝部Bを形成してもよい。
【0041】
〔別実施の形態2〕
図6に示したように、第一排水口22bおよび第二排水口23bを接続する横断水路25を形成して、収容部排水路22aが第二排水口23bに接続するようにしてもよい。本構成では、収容部排水路22aからの水やCOガスが、第一排水口22bおよび第二排水口23bの何れか排出し易いほうから排出させることができるため、これらの排出効率が高まる。