(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電子制御ユニットはさらに、前記第1の電気式位置センサの前記動作位置と前記第1の磁気式位置センサの前記動作位置とを関連付ける第2のマッピング関数を適用するように構成されており、前記第2のマッピング関数は、前記第1の座標系内での前記第1の電気式位置センサに関する前記第1の調整された動作位置に応じて、前記第2の座標系内での前記第1の電気式位置センサに関するマッピングされた位置を生成する、請求項1に記載のシステム。
前記電子制御ユニットはさらに、前記完全に調整された動作位置を決定するときに、前記第1の磁気式位置センサ及び前記第2の磁気式位置センサに対する前記第1の電気式位置センサの実際の距離に応じて、前記第1及び前記第2の調整された動作位置のそれぞれを重み付けするように構成されている、請求項8に記載のシステム。
前記電子制御ユニットはさらに、前記第1の調整された動作位置に応じて、前記第1の電気式位置センサに対応する画像をディスプレイ上に表示するように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
前記第1の電気式位置センサの前記動作位置と前記第1の磁気式位置センサの前記動作位置とを関連付ける第2のマッピング関数を適用するステップをさらに含み、前記第2のマッピング関数は、前記第1の座標系内での前記第1の電気式位置センサに関する前記第1の調整された動作位置に応じて、前記第2の座標系内での前記第1の電気式位置センサに関するマッピングされた位置を生成する、請求項12に記載の作動方法。
前記第1の座標系内での前記医用デバイス上の第2の電気式位置センサに関する計画位置を決定するステップであって、前記第2の電気式位置センサは前記第1の磁気式位置センサに近接配置される、ステップと、
前記第1のマッピング関数を計算する前に、前記第1及び第2の電気式位置センサの前記計画位置を平均化するステップと
をさらに含む、請求項14又は15に記載の作動方法。
前記第2の座標系内での前記医用デバイス上の第2の磁気式位置センサに関する動作位置を決定するステップであって、前記第2の磁気式位置センサは前記第1の電気式位置センサに近接配置されている、ステップと、
前記第1の電気式位置センサの前記動作位置と前記第2の磁気式位置センサの前記動作位置とを関連付ける第2のマッピング関数を適用するステップであって、前記第2のマッピング関数は、前記第2の座標系内での前記第2の磁気式位置センサの前記動作位置に応じて、前記第1の座標系内での前記第2の磁気式位置センサに関するマッピングされた位置を生成する、ステップと、
前記第2の磁気式位置センサの前記マッピングされた位置に応じて、前記第1の座標系内での前記第1の電気式位置センサに関する第2の調整された動作位置を決定するステップと、
前記第1の調整された動作位置及び前記第2の調整された動作位置に応じて、前記第1の座標系内での前記第1の電気式位置センサに関する完全に調整された動作位置を決定するステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の作動方法。
前記完全に調整された動作位置を決定するステップは、前記第1の磁気式位置センサ及び前記第2の磁気式位置センサに対する前記第1の電気式位置センサの実際の距離に応じて、前記第1及び第2の調整された動作位置のそれぞれを重み付けするサブステップを含む、請求項19に記載の作動方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、様々な図において同一の構成要素を識別するために同じ参照番号が使用される図面を参照すると、
図1は、身体12内で医用デバイスをナビゲートするためのシステム10の一実施形態を示す。図示の実施形態では、この医用デバイスは、カテーテル14、具体的には、身体12内で心臓組織16の診断又は治療において使用するためのイリゲーション・アブレーション・カテーテルを備える。しかしながら、本教示によるシステム10は、診断又は治療のために身体12内で使用される多種多様の医用デバイスに関連する用途を見つけられ得ることを理解されたい。たとえば、システム10は、電気生理学的(EP:Electrophysiological)マッピング・カテーテル又は心腔内心エコー(ICE:Intradcardiac Echocardiography)カテーテルをナビゲートするために使用され得る。さらに、システムは、組織16以外の身体12の部分の診断又は治療で使用される医用デバイスをナビゲートするために使用され得ることを理解されたい。システム10は、電場ベースの位置決めシステム18と、磁場ベースの位置決めシステム20と、ディスプレイ22と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)24とを含むことができる。
【0018】
カテーテル14は、心臓組織16などの体内組織の検査、診断、及び治療のために設けられる。一実施形態によれば、カテーテル14は、アブレーション・カテーテル、より具体的には、イリゲーション無線周波(RF:Radio Frequency)アブレーション・カテーテルを含む。しかしながら、カテーテル14は例示のためにのみ設けられ、システム10はたとえば、電気生理学マッピング・カテーテル及び心腔内心エコー法(ICE:Intracardiac Echocardiograph)カテーテルを含む様々なカテーテルとともに使用するために、ならびに異なる様々な種類のアブレーション・エネルギー(たとえば、冷凍切除、超音波など)を提供するカテーテルを含む他の種類のアブレーション・カテーテルとともに使用するために適合されてよいことも理解されたい。カテーテル14は、灌注のために生理食塩水などの生体適合性流体に(たとえば、図示のように流体源26からの重力送りによる供給を有する固定速度ローラ・ポンプ又は容量可変シリンジ・ポンプを備えてよい)ポンプ28を通過させる流体源26に接続される。カテーテル14は、RFエネルギーの送達のためにアブレーション・ジェネレータ30にも電気的に接続される。カテーテル14は、ケーブル・コネクタ又はインタフェース32と、ハンドル34と、近位端38と遠位端40(本明細書で用いる場合、「近位」は医師に近いカテーテルの端を向いた方向を差し、「遠位」は医師及び(一般に)患者の身体内部から離れる方向を指す)を有するシャフト36と、1つ又は複数の電極42とを含むことができる。
図2を参照すると、本教示の一態様によれば、カテーテル14は、以下で説明する目的のために、1つ又は複数の電気式位置センサ44
1、44
2と、1つ又は複数の磁気式位置センサ46
1、46
2とをさらに含む。カテーテル14は、温度センサ、追加電極、及び対応する導体又はリード線などの、本明細書で図示されない他の従来の構成要素も含んでよい。
【0019】
コネクタ32は、ポンプ28から延びるコンジット又はケーブル、及びアブレーション・ジェネレータ30に、機械的接続、流体接続、及び電気接続を提供する。コネクタ32は当技術分野では慣習的であり、カテーテル14の近位端38に配置される。
【0020】
ハンドル34は、医師がカテーテル14を保持するための場所を提供し、身体12内でシャフト36を操作する又はこれを案内するための手段をさらに提供してよい。たとえば、ハンドル34は、遠位端40したがってシャフト36を操作するためにカテーテル14を通ってシャフト46の遠位端40へと延びるガイドワイヤの長さを変更するための手段を含むことができる。ハンドル34も当技術分野では慣習的であり、ハンドル34の構造が変化してよいことが理解されよう。
【0021】
シャフト36は、身体12内での移動のために構成された細長い可撓性部材である。シャフト36は、電極42、位置センサ44
1、44
2、46
1、46
2、関連する導体、及び場合によっては信号処理又は条件付けに使用される追加の電子部品を支持する。シャフト36はまた、流体(灌注液及び体液を含む)、医薬品、及び/又は手術道具もしくは手術機器の輸送、送達、及び/又は除去を可能にしてもよい。シャフト36は、ポリウレタンなどの従来の材料から作製されてよく、電気導体、流体、又は手術道具を収容するかつ/又はこれを輸送するように構成された1つ又は複数の内腔を画定する。シャフト36は、従来のイントロデューサ・シースを通って身体12内の血管又は他の構造に差し込まれ得る。シャフト36は、次に、ガイドワイヤ又はプルワイヤ又は遠隔制御案内システムを含む当技術分野で知られている他の手段を使用して、身体12を通って組織16などの所望の場所に操作又は案内され得る。
【0022】
電極42は、たとえば、電気生理学的試験、カテーテルの識別及び位置特定、ペーシング、ならびに心臓マッピング及びアブレーションを含む様々な診断及び治療の目的のために設けられてよい。
図2を参照すると、図示の実施形態では、カテーテル14は、シャフト36の遠位端40にアブレーション先端電極48を含む。しかしながら、電極42の数、方向、及び目的は変更されてよいことを理解されたい。
【0023】
電気式位置センサ44
1、44
2は、身体12内でのカテーテル14の位置を決定する際に使用するために設けられる。センサ44
1、44
2は、当技術分野では慣習的である。図示の実施形態では、センサ44
1、44
2は、電極、具体的には、カテーテル・シャフト36の遠位端40及び先端電極48の近位に位置する従来のリング電極を備える。センサ44
1、44
2は身体14内で、及びシステム18によって生成される電場内で移動するので、センサ44
1、44
2からの電圧読み取り値が変化し、それによって、電場内でのセンサ44
1、44
2の場所を示し、座標系50がシステム18によって確立される。センサ44
1、44
2は、従来のインタフェース(図示せず)によってECU24に位置信号を通信する。
【0024】
磁気式位置センサ46
1、46
2も、身体12内でのカテーテル14の位置を決定する際に使用するために設けられる。センサ46
1、46
2は、当技術分野では慣習的である。図示の実施形態では、センサ46
1、46
2はコイルである。センサ46
1、46
2は身体14内で、及びシステム20によって生成される磁場内で移動するので、各センサ46
1、46
2の電流出力が変化し、それによって、磁場内でのセンサ46
1、46
2の場所を示し、座標系52がシステム20によって確立される。センサ46
1、46
2は、遠位端40で又はその近傍でカテーテル14に巻き付けられてよく、センサ46
1、46
2が絶縁されるようにカテーテル14の壁に埋め込まれてよい。あるいは、センサ46
1、46
2は、
図2に示されるように、さらにカテーテル14に埋め込まれてもよいし、カテーテル14内の他の場所に置かれてもよい。センサ46
1、46
2は、身体12近傍の他のデバイスからの潜在的干渉を無効にするために、適切な絶縁及び/又は遮蔽(たとえば、導体箔又はワイヤメッシュ)も有してよい。センサ46
1、46
2は、
図2に示される形態以外の形態をとってよいことを理解されたい。センサ46
1、46
2は、たとえば、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、ならびに磁気抵抗材料及び圧電材料から作製されたセンサなどを含めて、磁場の変化を検出するための任意の従来の位置センサを含むことができる。センサ46
1、46
2は、従来のインタフェース(図示せず)によってECU24に位置信号を通信する。本教示の一態様によれば、センサ44、46のうち一方の検出される位置が他方の対応するセンサ44、46の位置を示し得るように、磁気式位置センサ46
1、46
2のそれぞれは、対応する電気式位置センサ44
1、44
2に近接配置される。磁気式位置センサ46
1、46
2は、たとえば、対応する電気式位置センサ44
1、44
2から約1.0〜約3.0ミリメートルのところに位置してもよいし、約2.0〜6.0ミリメートル離隔され得る2つの電気式位置センサ44
1、44
2の中心に置かれてもよい。
【0025】
システム18は、身体12内でのカテーテル14及び類似のデバイスの位置及び方向を決定するために設けられる。システム18は、St.Jude Medical,Inc.によって「ENSITE NAVX」という商標で入手可能であり、かつたとえば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる「Method and Apparatus for Catheter Navigation and Location Mapping in the Heart」という名称の米国特許第7,263,397号に記載されているシステムを含むことができる。システムは、低振幅電気信号が胸部を通過するとき、身体12は分圧器(又は電位差計又は加減抵抗器)として作用するという原理に基づいており、その結果、カテーテル14上の位置センサ44
1、44
2のうち一方などの電極で測定される電位又は電場強度は、オームの法則及び(たとえば冠静脈洞内の)基準電極の相対的位置関係を使用して1対の外部パッチ電極に対する電極したがってカテーテル14の位置を決定するために使用され得る。一構成では、システムは、身体12の対向する表面(たとえば、胸部と背部、胸部の左側と右側、及び首と脚)に置かれ、略直交するx軸、y軸、及びz軸を形成する3対のパッチ電極54と、ならびに一般的に胃の近傍に置かれ、基準値を提供し、ナビゲーション・システムに関する座標系50の原点として作用する基準電極/パッチ(図示せず)とを含む。正弦波電流がパッチ電極54の各対によって駆動され、カテーテル14に関連する1つ又は複数の位置センサ44
1、44
2に関する電圧測定値が取得される。測定される電圧は、パッチ電極54からの位置センサ44
1、44
2の距離の関数である。測定された電圧が基準電極における電位と比較され、ナビゲーション・システムの座標系50内での位置センサ44
1、44
2の位置が決定される。この例示的なシステムによれば、システム18は、パッチ電極54(すなわち54
X1、54
X2、54
Y1、54
Y2、54
Z1、54
Z2)と、スイッチ56と、信号発生器58とを含むことができる。
【0026】
パッチ電極54は、システム18の三次元座標系50内でのカテーテル14の位置を決定する際に使用される電気信号を生成するために設けられる。電極54は、組織16に関するEPデータを生成するために使用されてもよい。電極54は、身体12の表面に直交するように置かれ、身体12内の電場に固有な軸を作るために使用される。電極54
X1、54
X2は第1の(x)軸に沿って置くことができる。同様に、電極54
Y1、54
Y2は第2の(y)軸に沿って置くことができ、電極54
Z1、54
Z2は第3の(z)軸に沿って置くことができる。電極54のそれぞれは多重化スイッチ56に結合されてよい。ECU24は、適切なソフトウェアによって、スイッチ56に制御信号を提供し、それによって、電極54の対を信号発生器58に順次結合するように構成される。電極54の各対が励起されると、身体14内で、及び心臓などの関心領域内で、電磁場が生成される。励起されていない電極54における電圧レベルは、基準値として使用するために、フィルタリングされ、変換され、ECU24に提供されてよい。
【0027】
システム20も、身体12内でのカテーテル14及び類似のデバイスの位置及び方向を決定するために設けられる。システム20は、MediGuide,Ltd.によって「GMPS」という商標で入手可能であり、かつたとえば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる「Medical Imaging and Navigation System」という名称の米国特許第7,386,339号に全体的に図示及び記載されているシステムなどの、磁場を用いて身体12内でのカテーテル14の位置を検出するシステムを含む。そのようなシステムでは、直交するように配置された3つのコイルを有し、身体12内で磁場を作り出し、その磁場の強度、方向、及び周波数を制御するように配置された磁場発生器60が用いられてよい。磁場発生器60は、患者の上方又は下方(たとえば、患者テーブルの下)に位置してもよいし、別の適切な場所に位置してもよい。磁場はコイルによって生成され、カテーテル14に関連する1つ又は複数の位置センサ46
1、46
2に関する電流測定値又は電圧測定値が取得される。測定された電流又は電圧は、コイルからのセンサ46
1、46
2の距離に比例し、それによって、センサ46
1、46
2の位置がシステム20の座標系52内にあることを可能にする。
【0028】
ディスプレイ22は、診断及び治療を助ける目的で情報を医師に伝えるために設けられる。ディスプレイ22は、1つ又は複数の従来のコンピュータ・モニタ又は他のディスプレイ・デバイスを含んでよい。ディスプレイ22は、医師にグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI:graphical user interface)を示すことができる。GUIは、たとえば、組織16の外形の画像、組織16に関連する電気生理学的データ、様々な電極42に関する電圧レベルを経時的に示すグラフ、ならびにカテーテル14及び他の医用デバイスの画像ならびに組織16に対するカテーテル14及び他のデバイスの位置を示す関連情報を含む様々な情報を含むことができる。
【0029】
ECU24は、カテーテル14及びアブレーション・ジェネレータ30、システム18のスイッチ56、ならびにシステム20の磁気発生器60を含むシステム10の様々な構成要素の動作を制御するための手段を提供する。ECU24は、組織16の外形、組織16の電気生理学的特性、ならびに組織16及び身体14に対するカテーテル12の位置及び方向を決定するための手段も提供することができる。ECU24は、ディスプレイ22を制御するために使用されるディスプレイ信号を生成するための手段も提供する。ECU24は、1つ又は複数のプログラム可能なマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを備えてもよいし、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)を備えてもよい。ECU24は、中央処理装置(CPU)と、アブレーション・ジェネレータ30によって生成される信号を含む複数の入力信号をECU24が受け取ることができる入/出力(I/O)インタフェースと、カテーテル14上の電極42及び位置センサ44
1、44
2、46
1、46
2と、システム18のパッチ電極54とを含み、カテーテル14、ディスプレイ22、アブレーション・ジェネレータ30、システム18のスイッチ56、及びシステム20の発生器60を制御し、かつ/又はこれらにデータを提供するために使用される信号を含む複数の出力信号を生成することができる。
【0030】
本教示によれば、ECU24は、身体12内でカテーテル14をナビゲートするための方法を実施するためにコンピュータ・プログラム(すなわちソフトウェア)からのプログラミング命令を有するように構成され得る。プログラムは、ECU24の内部にある又はECU24の外部にあるメモリ(図示せず)などのコンピュータ記憶媒体に保存されてよく、メモリにあらかじめインストールされてもよいし、様々な種類のポータブル・メディア(たとえば、コンパクト・ディスク、フラッシュ・ドライブなど)又はファイル・サーバ又は電気通信ネットワークを介してアクセス可能な他のコンピューティング・デバイスからを含めて、デバイス10の外部にあるコンピュータ記憶媒体から取得されてもよい。
図3を参照すると、方法は、それぞれ座標系50、52内での電気式位置センサ44
1及び磁気式位置センサ46
1に関する計画位置を決定するステップ62、64から始まることができる。診断又は治療の処置に関する計画段階の間、カテーテル14(又はセンサ44
1、46
1を有する別の種類の医用デバイス)は、座標系50、52内で関心領域(たとえば心腔)の中に配置される。センサ44
1、46
1のサンプリングは、相関関係のある計画位置(基準点又は基点とも呼ばれる)の対を収集するために実行される。各計画位置は、
{nX
j,nY
j,nZ
j}
及び
{gX
j,gY
j,gZ
j}
という形態の、1対の電気的又は磁気的に測定された三次元座標であり、上式で、nは電場に基づく位置システム18の座標系50内のある点を差し、gは磁場に基づく位置システム20の座標系52内のある点を差し、j=1、2、….N、Nは計画位置の総数である。ステップ62、64は実質的に同時に実行され得ることを理解されたい。また、これらのステップは、カテーテル14上の複数の電気式位置センサ44及び磁気式位置センサ46に対して実施され得ることも理解されたい。いくつかのデバイスでは、複数の電気式位置センサ44が、単一の磁気式位置センサ46に近接して配置されてよく、それによって、磁気式計画位置ごとに複数の電気式計画位置の生成が行われる。そのような場合、方法は、磁気式位置センサ46に近接して配置された複数の電気式位置センサ44に関する複数の計画位置を平均化するステップ66をさらに含むことができる。カテーテル14上のセンサ44、46に関する計画位置の決定は、必要とされる又は所望されるよりも多くの位置を生成することができる。したがって、方法は、単一のセンサ(たとえば、電気式位置センサ44
1又は磁気式位置センサ46
1)又は複数のセンサ(たとえば、電気式位置センサ44
1及び44
2)に関する1対の計画位置の間の距離を比較するステップ68と、距離が所定の閾値に対する所定の特性(たとえば、4.0ミリメートルなどの所定の距離未満である)を満たす場合、計画位置のうち1つを廃棄するステップ70とをさらに含むことができる。
【0031】
計画位置が取得されると、計画段階は、電気式位置センサ44
1及び磁気式位置センサ46
1に関する計画位置に応じて、マッピング関数を計算するステップ72、74に進むことができる。1つのマッピング関数は、このマッピング関数が、電場ベースの位置決めシステム18の座標系50内での電気式位置センサの位置に応じて、磁場ベースの位置決めシステム20の座標系52内での電気式位置センサ44
1に関するマッピングされた位置を生成するように、電気式位置センサ44
1に関する計画位置と磁気式位置センサ46
1に関する計画位置を関連付ける。このマッピング関数は、座標系50、52間の位置合わせが厳密でなく、過剰適合雑音測定(over−fitting noisy measurement)なしでマッピングが滑らかであるように、動径基底関数又は薄板スプライン補間を使用して計算されてよく、基底関数はrとして選ばれ、ゼロでないスティフネス・パラメータはλとして選ばれる。補間に使用される基底関数は、動径基底関数の範囲から選択される。関数のセットに関する1つの可能な選択肢は、次のとおりである。
【数1】
上式で、「ベクトルnX」は計画位置{nX
j,nY
j,nZ
j}のベクトル表記であり(同様に、以下で参照されるように、「ベクトルgX」は計画位置{gX
j,gY
j,gZ
j}のベクトル表記を表す)、各関数は、対応する点「ベクトルnX
i」に中心を有する。上記の式の右辺は、標準的な表記法で次のように表すことができる。
【数2】
座標系50から座標系52へのマッピングは、次の関数によって表すことができる。
【数3】
上式で、
【数4】
は、計画位置は測定された位置に対してできる限り近くにマッピングされ、かつ接近の度合いは平滑化パラメータλによって制御されるように選ばれたパラメータである。次いで、次の式は、類似の数の未知のパラメータに関する連立一次方程式を提供することによって、未知のパラメータを定義する。
【数5】
上式で、δ
ijは、次の式によって定義されるクロネッカー記号である。
δ
ij=1,i=j
δ
ij=0,i≠j
これらの方程式の解は、座標系50内のある位置を座標系52にマッピングするために次のように適用可能なマッピング関数gFSを定義するために使用することができる。
【数6】
上記のステップに関するさらなる情報は、2011年9月13日に出願され、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/231,284号に記載されている。
【0032】
マッピング関数gFSは、次のように、この関数を電気式位置センサ44
1の位置測定に適用することによって、電場ベースの位置決めシステム18によって取得される読み取り値のシフト又はドリフトを検出するために使用されてよい。
【数7】
この結果は、座標系52内での対応する磁気式センサ46
1に関する位置測定値と比較して、必要とされる補正を得ることができる。
【数8】
この補正は、次に、座標系52内での各電気式位置センサ44の場所を補正するために適用することができる。
【数9】
【0033】
マッピング関数gFSは非線形性が高いので、座標系50内での全体的に均一なシフトは、この関数を適用しても適切に補正されないことがある。したがって、本教示の一態様によれば、逆マッピング関数IgFSの使用は、マッピング関数gFSを適用する前に座標系50内でドリフト及びシフトを直接補正するために開発されてきた。したがって、ステップ74では、磁場ベースの位置決めシステム20の座標系52内での磁気式位置センサ46
1の位置に応じて、電場ベースの位置決めシステム18の座標系50内での磁気式位置センサ46
1に関するマッピングされた位置を生成するように、電気式位置センサ44
1に関する計画位置と磁気式位置センサ46
1に関する計画位置を関連付けるマッピング関数が計算される。マッピング関数IgFSは、同じ基底関数を使用して磁気式計画位置と電気式計画位置を入れ替えることによって、マッピング関数gFSを計算するために使用される式に類似した式を使用して計算することができる。したがって、座標系52から座標系50へのマッピングは、次の関数によって表すことができる。
【数10】
上式で、
【数11】
は、計画位置は測定された位置に対してできる限り近くにマッピングされ、かつ接近の度合いは平滑化パラメータλによって制御されるように選ばれたパラメータである。次いで、次の式は、類似の数の未知のパラメータに関する連立一次方程式を提供することによって、未知のパラメータを定義する。
【数12】
上式で、δ
ijは、次の式によって定義されるクロネッカー記号である。
δ
ij=1,i=j
δ
ij=0,i≠j
これらの方程式の解は、座標系52内のある位置を座標系50にマッピングするために次のように適用可能なマッピング関数IgFSを定義するために使用することができる。
【数13】
図3は、ステップ72、74を、連続して発生すると示しているが、ステップ72、74の順序は逆にされてもよいし、他の実施形態では、ステップ72、74は同時に実行されてもよいことを理解されたい。
【0034】
マッピング関数IgFSはマッピング関数gFSの逆関数であることが意図されているが、この関数は、単なる近似逆関数である。したがって、マッピング関数を逐次適用することによって、元の位置の単なる近似値位置が得られる。
【数14】
マッピング関数IgFSをマッピング関数gFSの真の逆関数により近づけるために、方法は、追加の計画位置、具体的には仮想計画位置を利用することができる。したがって、方法は、任意選択で、座標系50内での電気式位置センサ44
1に関する仮想計画位置及び座標系52内での磁気式位置センサ46
1に関する対応する仮想計画位置を決定するステップ76、78を含んでよい。位置センサ44
1に関する仮想計画位置は、座標系50内の境界に位置してよい。次に、位置センサ46
1に関する対応する仮想計画位置は、位置センサ44
1に関する仮想計画位置にマッピング関数gFSを適用することによって取得されてよい(この実施形態では、ステップ74は順次ステップ72の後に行われることを理解されたい)。仮想計画位置は、ステップ62、64において決定された計画位置を囲む表面上のグリッド・パターンを近似することができる。この表面は、これらの計画位置を取り囲む、軸が位置合わせされた方形の平行六面体の面を含むことができる。あるいは、仮想計画位置は、計算リソースが十分な場合、計画位置が存在する体積も近似することができる。仮想計画位置の数は、計算効率を向上させるために、ステップ62、64で得られた計画位置の数よりも小さい数に制限されてよい。
【0035】
マッピング関数gFS及びIgFSが計算されると、カテーテル14又は別の医用デバイスが身体12内で関心領域に動かされ得る診断処置又は治療処置の動作段階が開始されてよい。したがって、方法は、電場ベースの位置決めシステム18の座標系50内での電気式位置センサ44
1に関する動作位置を決定するステップ80、及び磁場ベースの位置決めシステム20の座標系52内での位置センサ44
1に近接して配置された磁気式位置センサ46
1に関する動作位置を決定するステップ82に進むことができる。方法は、次に、マッピング関数IgFSを適用して、座標系52内での磁気式位置センサ46
1の動作位置に応じて、座標系50内での磁気式位置センサ46
1に関するマッピングされた位置を生成するステップ84に進むことができる。マッピングされた位置が取得されると、方法は、磁気式位置センサ46
1のマッピングされた位置に応じて、座標系50内での電気式位置センサ44
1に関する調整された動作位置又は補正された動作位置を決定するステップ86に進むことができる。具体的には、ステップ86は、座標系50内での電気式位置センサ44
1に関する動作位置と座標系50内での磁気式位置センサ46
1に関するマッピングされた位置との差を決定するサブステップ88を含むことができる。
【数15】
ステップ86はさらに、座標系50内での電気式位置センサ44
1に関する動作位置を前記の差によって修正して、座標系50内での電気式位置センサ44
1の調整された動作位置又は補正された動作位置を取得するサブステップ90を含むことができる。
【数16】
それによって、調整された動作位置は、座標系50内で電気式位置センサ44
1の位置を磁気式位置センサ46
1の位置と関連付けることによって、身体12内でのインピーダンスの変化から生じるドリフト及びシフトの説明となる。磁気式位置決めシステム20によって検出される座標系50内での磁気式位置センサ46
1の位置はインピーダンスの変化を受けにくいので、マッピング関数IgFSは、座標系50内での電気式位置センサ44
1の検出された位置のドリフト及びシフトを補正するために使用できる座標系50内での安定した基準を生成する。
【0036】
上記で説明した実施形態は、単一の磁気式位置センサ46
1を、電気式位置センサ44
1に関する位置基準として使用することを企図する。しかしながら、カテーテル14が複数の磁気式センサ46
1、46
2を装備する場合、又は磁気式位置センサ46を有する複数のカテーテルが身体12内で同時に用いられる場合、各磁気式位置センサ46に基づく補正因子を取得して、電気式位置センサ44
1に関する調整された動作位置を取得するために使用することができる。したがって、本教示による方法の別の実施形態は、各磁気式位置センサ46に対してステップ82、84、86(サブステップ88、90を含む)を繰り返し適用することができる。したがって、方法は、座標系52内でのカテーテル14上の磁気式位置センサ46
2などの電気式位置センサ44
1に近接して配置された別の磁気式位置センサに関する動作位置を決定するステップを含むことができる。方法は、マッピング関数IgFSを適用して、磁気式位置センサ46
2の動作位置に応じて、座標系50内での磁気式位置センサ46
2に関するマッピングされた位置を生成するステップをさらに含むことができる。方法は、磁気式位置センサ46
2のマッピングされた位置に応じて、座標系50内での電気式位置センサ44
1に関する調整された動作位置を決定するステップに進むことができる。具体的には、座標系50内の電気式位置センサ44
1に関する動作位置と座標系50内の磁気式位置センサ46
2に関するマッピングされた位置との差が再度決定され得る。
【数17】
その後、座標系50内の電気式位置センサ44
1に関する動作位置を先の差だけ修正して、座標系50内での電気式位置センサ44
1の調整された動作位置又は補正された動作位置を取得し得る。
【数18】
各磁気式位置センサ46のマッピングされた位置に応じて、座標系50内での電気式位置センサ44
1に関する調整された動作位置又は補正された動作位置を決定した後、方法は、座標系50内での電気式位置センサ44
1に関する完全に調整された動作位置(total adjusted operating position)を決定するステップ92に進むことができる。単一の磁気式センサ46の場合、完全に調整された動作位置は、単に、その磁気式センサに基づいて取得される調整された動作位置と同じであってよい。複数の磁気式位置センサ46の場合、完全に調整された動作位置は、様々な方法で算出され得る。一実施形態では、ステップ92は、調整された動作位置を平均化するサブステップ94を含む。別の実施形態では、ステップ92は、たとえば、電気式位置センサ44
1により近い磁気式位置センサ46
1に対して取得される調整された動作位置が、磁気式位置センサ46
2に対して取得される調整された動作位置よりも大きい重みを与えられるように、磁気式位置センサ46
1、46
2に対する電気式位置センサ44
1の実際の距離に応じて、調整された動作位置のそれぞれを重み付けするサブステップ94を含む。さらに別の実施形態では、調整された動作位置は、マッピング関数を構築するために使用される基準点からさらに移動するので、マッピング関数gFS及びIgFSにおける精度の潜在的な減少を補償するために、先に測定された計画位置からの各磁気式位置センサ46
1、46
2に関する動作位置の距離に基づいて重み付けされる。距離の決定は、当技術分野で知られている様々な方法で行うことができる。一実施形態では、磁界は、それぞれが計画位置のうち1つを含むか又は空であるセルのグリッドに分割される。センサ46
1、46
2に関する動作位置がわかると、対応するセルを識別することができ、周囲のセルを調べて、最も近い計画位置への距離を特定することができる。急激な変化又は不連続性を回避するために、計画位置から比較的遠く離れたセンサに基づく調整された動作位置に関する重み付けは、単純に距離に比例するのではなく、経時的に徐々に調整(増加又は減少)されてよい。したがって、磁気式位置センサ46が急激に移動する、身体14から取り外される、又は何らかの方法で使用不能にされる場合、完全に調整された動作位置へのその寄与分は、突然のシフトを引き起こすのではなく、徐々に調整される。唯一の又は最後の磁気式センサ46が使用不能になるか又は磁場を出る場合、その最後の既知の動作位置は、座標系50内での電気式位置センサ44
1に関する調整された動作位置又は補正された動作位置を取得する際に使用されるために保持される。センサ46が使用可能になるか又は磁場に戻った場合、最後の既知の動作位置から現在の動作位置への緩やかな移行が行われる。
【0037】
方法は、マッピング関数gFSを適用して、座標系50内の電気式位置センサ44
1に関する調整された動作位置「ベクトルn44
1corr」に応じて、座標系52内での電気式位置センサ44
1に関するマッピングされた位置を生成するステップ98に進むことができる。
【数19】
最後に、方法は、たとえばステップ94で獲得された値を使用することによって調整された動作位置「ベクトルn44
1corr」に対応してディスプレイ22上に電気式位置センサ44
1に対応する画像を表示するステップ100も含むことができる。
【0038】
次に
図4を参照すると、システム10及び方法の影響が示されている。システム10及び方法は、それぞれSt.Jude Medical,Inc.によって「ENSITE NAVX」という商標で、及びMediGuide,Ltd.によって「GMPS」という商標で、入手可能なシステムを使用して電気式位置センサ44及び磁気式位置センサ46に関して取得された位置データを使用して試験された。
図4は、システム及び方法を使用することなく決定された、磁気式位置センサ46に近接して配置された1つの軸に沿った1つの電気式位置センサ44の位置に関するトレース102を示す。
図4は、本明細書で説明するシステム10及び方法を使用して調整された又は補正された同じ位置センサ44の位置に関するトレース104をさらに示す。
図4に示されるように、システム及び方法を使用することによって、元のトレース102の変動性が減少し、信号のドリフトの多くが除去された。
【0039】
本教示により身体12内で医用デバイスをナビゲートするためのシステム10及び方法は、患者インピーダンス・レベルのシフト又はドリフトによる位置測定における一貫した補正又は誤差を可能にする。さらに、システム10及び方法は、追加基準カテーテルの使用ならびに結果として処置時間及びリスクの増加を必要としない。
【0040】
本発明の複数の実施形態をある程度の特殊性とともに前述したが、当業者は、本発明の趣旨又は範囲を逸脱することなく、開示された実施形態に多くの変更を加えることができるだろう。すべての方向に関する言及(たとえば、上部、下部、上向き、下向き、左、右、左向き、右向き、最上部、底部、より上方に、より下方に、垂直の、水平の、時計回り、反時計回り)は、本発明についての読者の理解を助けるために、識別の目的で使用されているにすぎず、特に本発明の位置、向き又は使用に関して制限を与えるものではない。接合に関する言及(たとえば、取り付けられる、結合される、接続される等)は、広義に解釈されるべきであり、要素の接続と要素間の相対的な動きとの間の中間メンバを含む場合がある。このように、接合に関する言及は、2つの要素が直接的に接続され、かつ互いに固定した関係にあることを必ずしも意味するものではない。上記の説明に含まれ、又は添付図面に示されるすべての内容は、限定的なものとしてではなく、単に例示的なものとして解釈されるべきであることが意図されている。添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の趣旨から逸脱することなく、細部又は構造に変更を加えることができる。