【実施例】
【0126】
EVAの実施例:
0)ゼロサンプルとしての基本配合物
配合:
EVA 00119 40%
ATH 60%
結果:
TS: 8.9
TR: 6.5
EL: 0.29
SCR: E13
MFI(190/10): 1.6
UL 94 V(3.2mm): V−0
LOI: 28
注釈:
この配合物はケーブル産業において標準であると認められているものに相当し、ポリマー系PE/EVAの実施例の比較の基礎となる。
【0127】
1)
配合:
EVA 40%
MKRS−HT 60%
結果:
TS: 9.8
EL: 1.6
SCR: E14/E12
UL 94 V(3.2mm): (V−2)*
LOI: 26
MFI(190/10): 1.4
*:残燼時間は非常に長く、その結果としてUL 94垂直に準じる分類はn.m.(満たされない)である
注釈:
この配合物では修飾再炭化RM(MKRS−HT)のみを使用する。機械的値は標準と一致する。残燼時間は対応する共力剤、例えばスズ酸亜鉛、ホウ酸塩等の添加によって抑制することができる。
【0128】
2)
配合:
EVA 40%
MKRS−HT 60%;コーティングによる表面修飾「D」
結果:
TS: 14.4
EL: 1.5
SCR: E15/E14
UL 94 V(3.2mm): V−1
LOI: 29
MFI(190/10): 2.3
注釈:
この配合物では、配合「D」に従う表面修飾を有する修飾炭化RM(MKRS−HT)のみを使用する。機械的値は標準と比較して非常に良好であり、電気的値も同様に非常に良好であり、加工性が顕著に改善される(2倍)。耐炎値も同様に改善される。該化合物は非常に多くのW&C用途に使用することができる。
【0129】
3)
配合:
EVA 35%
MR2S−NT 30%
MKRS−HT 30%
ナノクレイ 5%
MRRSとナノクレイとの混合物に表面修飾「A」を付加する。
結果:
TS: 16.6
EL: 3.41
E−Mod: 189
SCR: E15/E15
UL 94 V(3.2mm): V−0
LOI: 28
注釈:
この配合物では、表面修飾「A」を有する修飾再水和RM(MR2S−NT)と修飾炭化RM(MKRS−HT)との標的混合物、すなわち修飾炭化再水和赤泥を使用する。機械的値及び電気的値は非常に良好である。優れた比接触抵抗値が示される。耐炎性は同等のATH防炎化合物に一致する。
【0130】
4)
配合:
EVA 40%
MKRS−HT 26%
MDH 26%
ナノクレイ 5%
Flamtard S 3%
全ての非ポリマー成分に表面修飾「C」を付加する。
結果:
TS: 15
EL: 1.75
SCR: E15/E14
UL 94V(1.6mm): V−0
LOI: 49
注釈:
この配合物では、従来のOHFR充填剤(ここではMDH)との標的組合せの修飾炭化RM(MKRS−HT)を共力剤(ナノクレイ、スズ酸亜鉛)と組み合わせて使用する。機械的、電気的及びFR特徴は上述の標準と比較して優れている。
【0131】
5)
配合:
EVA 55%
MKRS−HTナノスケール 18.5%
MDH 18.5%
ナノクレイ 5%
Flamtard S 3%
非ポリマー成分に表面修飾「B」を付加する。
結果:
TS: 19.6
EL: 2.9
SCR: E15/E15
UL 94 V(1.6mm): V−0
LOI: 41
注釈:
この配合物では配合「B」に従う表面修飾を有する、配合物4)と比較して減少した量の難燃剤(ナノスケールのMKRS−HTとMDH及び共力剤(ナノクレイ及びFlamtard S)との組合せ)を使用する。それにもかかわらず、配合物4)と同等の結果が達成される。
【0132】
PVCの実施例:
0)ゼロサンプルとしての基本配合物
配合:
PVC DS 7060 24.7%
可塑剤DIOP 12.3%
ATHスーパーファインSF4 ESD 61.7%
Irgastab EZ 712 1.3%
結果:
発火時間(sec) 34
PHRR(KW/m
2) 118
THR(MJ/m
2) 50.8
比減光面積(m
2/kg) 116.5
防火性能指数(m
2 s/KW) 0.3
煙パラメーター(MW/kg) 18.7
注釈:
この配合物はPVC配合物の参照標準である。
【0133】
1)
配合:
PVC DS 7060 24.7%
可塑剤DIOP 12.3%
MKRS−HT 61.7%
Irgastab EZ 712 1.3%
結果:
発火時間(sec) 69
PHRR(KW/m
2) 106
THR(MJ/m
2) 23.1
比減光面積(m
2/kg) 122.0
防火性能指数(m
2 s/KW) 0.7
煙パラメーター(MW/kg) 14
注釈:
この配合物では修飾炭化RM(MKRS−HT)を使用する。耐炎値はATHベースの標準と比較して改善される。
【0134】
PPの実施例:
0)ゼロサンプルとしての基本配合物
配合:
PP 8400 35%
MDH 65%
結果:
TS: 24.3
TR: 10.8
EL: 0.021
E−Mod: [3400]:
a(n): 5.8
UL 94 V(3.2mm): V−0
MFI(230/5): 4.6
注釈:
この配合物は、プラスチック産業で認められているMDHをベースとする参照標準である。
【0135】
1)
配合:
PP 8400 35%
MKRS−HT 65%
結果:
TS: 17.5
EL: 0.23
UL 94 V(3.2mm): V−2
MFI(230/5): 1.5
注釈:
この配合物では修飾炭化RM(MKRS−HT)のみを使用する。破断点伸びはゼロサンプルと比較して改善されているが、耐炎値は本明細書で規定された値のレベルに到達しない。
【0136】
2)
配合:
PP 8400 35%
MKRS−HT 60%
Nano 5%
非ポリマー成分に表面修飾「D」を付加する。
結果:
TS: 19.1
EL: 0.56
a(n): o.Br(67)
UL 94 V(3.2mm): V−0
MFI(230/5): 6.1
注釈:
この配合物では、修飾炭化赤泥(MKRS−HT)に加えてナノクレイも共力剤として使用され、配合「D」に従う表面コーティングを使用する。機械的値及び耐炎性値は標準と一致する。加工性は大幅に改善する。
【0137】
耐炎有機臭素を有するポリプロピレンの実施例
0)ゼロサンプルとしての基本配合物
配合:
PP 8400 63%
ペンタブロモジフェニルエーテル 12%
三酸化アンチモン 5%
マイカ 20%
結果:
TS: 23.6
EL: 0.023
a(n): 15.5
UL 94 V(1.6mm): V−2
MFI(230/5): 7
注釈:
これは以下の配合物に対する比較サンプルとなるポリオレフィンFR配合物を構成する。
【0138】
1)
配合:
PP 8400 63%
ペンタブロモジフェニルエーテル 6%
三酸化アンチモン 2%
MKRS−HT 29
結果:
TS: 25.8
EL: 0.17
a(n) 破断なし(w. br.)
UL 94 V(1.6mm): V−0
MFI(230/5): 6
解説:
有機ハロゲン/三酸化アンチモン耐炎系への負荷量(パーセント)を半減し、マイカの代わりに本発明によるMKRS−HTを使用することによって、UL 94垂直に準じた燃焼試験においてV−0を達成する化合物が得られる。これに関連して、機械的値はゼロサンプルよりも大幅に良好となる。
【0139】
ポリアミドの実施例:
0)ゼロサンプルとしての基本配合物
配合:
PA B3L 45%
MDH(H−7) 55%
結果:
E−Mod: 5000
TS(TR): 58(58)
EL: 0.023
a(n): 21
UL 94(3.2mm): V−0
注釈:
PA B3LはとりわけFI保護回路等のFR用途に使用される、広く用いられている「エンジニアリングプラスチック」PAの衝撃強度修飾モデルである。この配合物は、対応するプラスチック産業において防炎ポリアミド参照標準とみなされている。
【0140】
1)
配合:
PA B3L 45%
MKRS−HT 55%
結果:
TS: 55
TR: 55
EL: 0.018
E−Mod: 4520
a(n): 19
UL 94 V(3.2mm): V−2
注釈:
この配合物では修飾炭化RM(MKRS−HT)を使用する。機械的値は標準に一致し、耐炎性値は標準よりも低い。
【0141】
2)
配合:
PA B3L 45%
MKRS−HT 55%(表面修飾Aを付与する)
結果:
TS(TR): 65(65)
EL: 0.09
E−Mod: 5600
a(n): 32
UL 94V(3.2mm): V−1;(1.6mm):n.e.
注釈:
この配合物では、修飾炭化RM(MKRS−HT)に加えて「A」を使用する。表面修飾Aはとりわけ化合物の耐炎性を極めて大幅に改善し、標準のレベルには達しないが配合物1)よりも大幅に良好である。加えて、機械的特徴も大幅に改善し、技術的に要求の厳しい用途に有用である。
【0142】
3)
配合:
PA B3L 45%
MKRS−HT 50%
ナノクレイ 5%
非ポリマー成分に表面修飾「D」を付加する。
結果:
TS: 63
TR: 63
EL: 0.29
E−Mod: 5500
a(n): 34
UL 94 V(3.2mm):V−0;(1.6mm):V−1
注釈:
この配合物では、修飾炭化赤泥(MKRS−HT)に加えて、共力剤ナノクレイ及び配合「D」に従う表面修飾を使用する。この複合配合物は優れた耐炎性をもたらし、電気部品の壁厚の低減を可能にする。この場合、機械的値は業界標準に達する。
【0143】
論考
優れた無機ハロゲンフリー防炎剤は再水和によって、また本発明によるとバイヤー法に従ってATHをボーキサイトから得る場合に廃棄物として生じる赤泥の再炭化によって得ることができる。化学的処理を行わない場合、赤泥は同様にギブサイト/ベーマイト又はゲーサイトの残渣に起因する或る特定の難燃効果、及び赤泥における他の相乗効果を示すが、全体として程度の差はあるが変動し、すなわち不確定である。規定の特徴を有する難燃剤は再水和、とりわけRMの再炭化によってのみ作製される。
【0144】
アルミニウム及び鉄の水酸化物/酸化水酸化物の含量は再水和によって増大する。これらの生成物はおよそ220℃〜350℃でその難燃作用を示す。酸化鉄及びCO
2への分解によっておよそ350℃〜500℃でその難燃効果を示す炭酸Fe(II)は、とりわけ赤泥の再炭化によって作製される。
【0145】
このため、350℃〜500℃の温度範囲で作用する、すなわち高温難燃剤を構成するか、又は220℃〜350℃の温度範囲で作用する、すなわち低温域難燃剤を構成する難燃剤は、反応の特別な実行又は混合によって作製することができ、低温域及び高温域の両方をカバーし、220℃〜500℃で活性である。
【0146】
同様に特異的又は相乗的に作用する、本来は赤泥中に存在する物質、例えばケイ酸塩、ケイ酸アルミニウム、TiO
2等と合わせると、各々のポリマーに合わせた新規の費用効率の高いOHFR生成物を利用可能である。これまでに市販されている製品はATH及びMDHであり、180℃〜およそ350℃で作用する。ATHは180℃〜およそ220℃の範囲をカバーし、いわゆる「高温難燃剤」であるMDHは最大350℃の範囲をカバーする。赤泥から再水和によって、又は本発明によると再炭化によって得られる生成物は、単一の生成物によって220℃〜350℃、350℃〜500℃、すなわち220℃〜500℃の温度範囲をカバーする。
【0147】
赤泥から作製される生成物を物理的変化及び化学的変化の両方に供することができる。物理的変化は、特に平均粒径及び残留水分含量の調整と理解される。化学的変化は「可溶性Na
2O」(水溶性ナトリウム化合物)の割合の調整、並びに例えばオルガノシラン、有機チタン酸塩、有機アルミン酸ジルコニウム、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸誘導体、軟化剤、オリゴマー、ポリマー前駆体、ポリマー、アイオノマー、ホウ酸及びその金属塩誘導体、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛又はそれらの組合せ等の物質による表面コーティングを含む。さらに、これらの生成物は例えば有機粘土(ナノクレイ)、スズ化合物、ホウ酸、フルオロポリマー(5%未満)等の共力剤と組み合わせることができる。
【0148】
実施例では以下のポリマーを用いて試験を行った:EVA、PP、ポリアミド6及びPVC。試験はゼロサンプルであるATH、MDH及びペンタブロモフェニルエーテル/三酸化アンチモンとの比較によって実行した。MKRS−HT又はMR2S−NT/MKRS−Hを本発明による生成物として使用した。
【0149】
以下の結果を達成することができた。
【0150】
EVA
実施例で言及される配合物により、非常に良好な機械的値、優れた比接触抵抗値、及びATHを付加した化合物と同等の耐炎値をもたらす化合物が得られた。化合物は全てのW&C用途で使用することができる。
【0151】
PVC
実施例1)に示す配合物は、ATHベースの標準と比較してその耐炎値の点で改善されている。
【0152】
PP
実施例2)に示す配合物はその機械的値及び耐炎値が標準と一致している。
【0153】
耐炎有機臭素を付加するPPの場合、配合物1)ではゼロサンプルと比較すると、ペンタブロモジフェニルエーテル/酸化アンチモンの量が半減し、マイカが除外されている。この目的で、MKRS−HTを組み入れた。この配合物はより良好な機械的特徴を示し、防火UL 94垂直(VO)を達成した。
【0154】
PA
実施例3)に示す配合物は標準と一致する機械的値を達成する。耐炎性が優れている。
【0155】
このため、全体として修飾炭化赤泥(MKRS−HT)若しくは修飾再水和赤泥(MR2S−NT)、又はそれらの混合物は、例えば特別なプロセス管理又はMR2S−NT及びMKRS−HTの混合によって、これまでATH及びMDHによって包含されていた技術の生成物と一致するOHFR系を生じることを確証することができる。本発明によると、MKRS−HTを用いて高温域(350℃〜500℃)に非常に好適な更なる製品が市場に導入される。さらに、修飾によって作製される生成物MR2S−NT及び/又はMKRS−HTを組み込んだ赤泥マトリックスは、アルミニウム及び鉄の水酸化物/酸化水酸化物が作用する反応間隔が、より高い温度範囲へとシフトするようである。
【0156】
シデライト最適化MKRS−HT変形物の表面修飾は水保持の優れた挙動によって得られる。すなわち、比接触抵抗の低下はほとんど観察されない。これは無機防炎剤の驚くべき結果である。
【0157】
概して、修飾炭化及び/又は再水和赤泥、すなわちMKRS−HT又はMR2S−NT又はMKRS−HT/MR2S−NTを用いると、これまで使用されてきた製品と比較して顕著により経済的な各々のポリマーに合わせたOHFR系を発見することができ、この場合に機械的値、中でも耐炎値に関して同等の結果を達成することができることを確証することができる。これらのOHFR系を市販の製品、例えばATH、MDH、ブルーサイト又はハンタイト等と混合し、特別な効果を達成又は強調することもできる。
【0158】
さらに、本発明によると赤泥、修飾再水和及び炭化赤泥、並びにそれらの混合物を特定の用途においてバライトの代替とすることができることを確証することができる。このようにして準備された生成物は、「バライトと同等の効果」に加えて難燃効果も示す。このため二重効果が存在する。かかる用途の例は例えばフェンダーである。
【0159】
さらに、本発明によると赤泥、修飾再水和及び炭化赤泥、並びにそれらの混合物が遮音効果を有することを確証することができる。このため、それらを備える生成物は難燃効果に加えて遮音効果も示す。このため、この場合も二重効果が存在する。かかる用途の例は特に建築業に使用されるプラスチック系に対するものである。
【0160】
赤泥、修飾再水和及び炭化赤泥、並びにそれらの混合物は遮音を目的として無機材料系に添加することもできる。この場合の例は石膏プラスターボード、スクリード、コンクリート等である。重要な用途は特に建築業でのものである。
【0161】
驚くべきことに、本発明による修飾赤泥には、バライトと比較して放射能の遮蔽において及び掘削液用の比重調整材として以下に記載されている多くの利点があることが見出された。
【0162】
更なる非常に興味深い用途は、いわゆる培養土中の泥炭に代わるものとして生態学的に正しい代替物を得ることへの要求に起因するものであり、この代替物は、従来の材料の場合には恒久的な問題であり、バイオマスの成長を制限する風食(高密度!)及び脱水に対する抵抗性が高く、更には遍在する胞子により急速にカビが生えることもない。
【0163】
放射線に対する遮蔽としての修飾赤泥の使用が以下に記載されている。本発明により修飾された赤泥は、高密度であることから(掘削泥用途における比重調整材としての適用について詳述されているように更に増大することもできる)、現在バライトに見られる以外の用途にも使用することができる。文献には、鉄化合物が特に高エネルギー電離放射線の分野における遮蔽媒体として非常に効果的であることが記載されている。また、(主に工業用の沸騰水型)原子炉において、いわゆる「鉄外壁」が放射線防護の理由からバライトコンクリート製の第2のケーシング及び任意の第3「プレート」に囲まれた一次遮蔽として使用されている。欧州及び更にはアメリカ大陸のどちらにおいても既に比較的長い間、広義での(軍事、発電及び更には医療を発端とするいずれのもの)原子力産業由来の高放射性廃棄物の最終貯蔵所設計について集中的な調査が行なわれている。本件では簡略化のために、基本設計を2つにしている:
a)岩塩ドームでの貯蔵、
b)花崗岩山地での貯蔵。
【0164】
a)には、例えば岩塩ドームの上にある「石膏ドーム」を通って水の浸透が起こるとしたら、岩塩ドームは長期に亘って地質に溶け込むであろうという誤った前提がある。残念なことに、そうではない。
【0165】
変法b)でもこの危険性が存在する。結果として、地質構造事象により水の浸透が引き起こされる可能性があったとしても、水溶性であった場合に地下水へと入り込む可能性がある放射性同位体の放出、及び多孔質岩の形成により表面へと拡散する可能性がある放射性ガス(ラドン、クリプトン等)の放散を排除する見込みを高くすることができる方法について技術的に実行/実現可能な予防措置を考慮しなければならない。
【0166】
本発明による修飾赤泥は、驚くべきことにこの目的に非常に適している。以下の特性は放射線遮蔽効果に寄与するものである:
いわゆるナノクレイ(例えばモンモリロナイト)と組み合わせた複合システムであり、この複合システムは粉末混合物として若しくは粉末から押し出された成型体として使用されるか、又は水を吸収し、永続的な水の浸入に対抗し、システム全体を安定化させる貯蔵システム全体において非常に高い水圧を構築する、吸水性のいわゆる「超吸着」ポリマーシステム(すなわちポリアクリレート誘導体)において配合される;
加えて、非常に高いBET表面積が、最終貯蔵システム内の放出物質、特に放射性ガスの吸収に影響し、結果として有害な物質が(地下)水では可溶性同位体として又は更には大気中では放射性ガスとして生物圏に放出されるのを防ぐ。その結果、複数の調製システムにおいて、本発明による化合物は高放射性、及び中間レベルから低レベルの放射性の廃棄物の最終貯蔵所での充填剤として使用することを目的としている。
【0167】
修飾赤泥の使用の上述の利点に加えて、充填剤である本発明による化合物及びその調製物は、いつでも「回収可能」であり、再生可能な材料の「宝庫」として最終貯蔵所を後で使用することには何ら障害がないことも有益である。
【0168】
さらに本発明による化合物及びその調製システムは完全に再生可能であり、緊急の場合にはそれらを、ガラス固化した高放射性廃棄物の入った最終貯蔵所のケーシングから多大な費用を伴わずにいつでも分離することができる。
【0169】
さらに本発明は、電磁放射線の減衰又は遮蔽への修飾赤泥の使用に関する。
【0170】
放射線は空間内のエネルギーの自由伝搬と理解されている。この場合、粒子放射線と電磁放射線とが区別される。粒子放射線は質量を有し、光よりもゆっくりと伝搬する荷電粒子又は非荷電粒子からなる。電磁放射線は、光子放射線とも称され、周期的に変化する電場及び磁場からなる。これには可視光、紫外線及び熱放射線に加えて、X線、宇宙放射線及びγ放射線も含まれる。電磁放射線は波長、周波数及び振幅に特徴があり、真空中でのその伝搬速度量は光の速度とほぼ等しい。
【0171】
光子放射線は物質に衝突すると、吸収又は散乱によって減衰する。自然法則に従う指数関数的な放射線の減衰により、理論上放射線の範囲を無限のものとすることが可能である。この場合、減衰が高エネルギー電子の形成により起こり、次いで高エネルギー電子が他の原子と相互作用し得る(光電効果、コンプトン効果、ペアリング、従来の散乱)。
【0172】
減衰の程度は一般に、物体密度、物体に含まれる原子の原子数、及び物体層の厚さによって変わる。
【0173】
粒子放射線又は電磁放射線は、正に帯電したイオン又は分子残基が残るように原子又は分子から電子を除去することが可能であり、電離放射線とも呼ばれる。
【0174】
組織に対する電離放射線の生物学的影響は細胞における巨大分子、特にDNAの変化に基づくものである。この場合、直接的な放射線による損傷(確率的及び確定的な放射線による損傷、並びに放射線の催奇形的影響)又は間接的な放射線による損傷(損傷を与えるラジカルの形成)が起こる場合がある。高い細胞交替及び高い増速速度を有する組織が特に放射線による損傷を受けやすい。
【0175】
そのため、放射線防護はほとんどの国において法的規制の対象であり、集団及び職業上の被曝者又は被曝患者を防護するために電離放射線への接触が規制されている。
【0176】
これに関連して本発明によると、本発明による化合物が電磁放射線、特にx線及び/又はガンマ線に対する減衰効果及び/又は遮蔽効果を示すことが確認されている。
【0177】
本発明による使用の特定の有益な実施形態では、電磁放射線は特にx線又はガンマ線である。
【0178】
本発明の他の有益な実施形態では、本発明による修飾赤泥は例えば撮像医療機器において使用される。
【0179】
図10は、層の厚さd=10cmの異なる材料についてのガンマ線の減衰IO/Iのエネルギー依存を示すグラフ図である。材料1−表4による材料、材料2−炭酸鉄(II)。比較のために、SiO2を図に含めている。
【0180】
【表5】
【0181】
表4に、試験対象の材料1及び材料2、並びに参照材料SiO
2の組成(質量%[m%]単位)を示す。材料混合物の算出密度は最下行に示している。
【0182】
図10において、X軸は100keV〜3MeVで選択されたエネルギー範囲である。Y軸にはIM比を示しており、IM比は厚さd=10cmの吸収体に衝突するガンマ線の強度が減衰する因子を表す。200keV付近の低エネルギー範囲では、減衰が非常に大きく、SiO
2、材料1及び材料2ではおよそ50、50000及び500に達する。ガンマ線のエネルギーが増大するにつれて減衰は低減する。概して、材料1の遮蔽効果は他の2つの材料のものよりも大幅に良好であることを確認することができる。
【0183】
掘削泥用の比重調整材としての修飾赤泥の使用が以下に記載されている。
【0184】
現在、バライト(硫酸バリウム)が、4.2g/cm
3を超える密度から掘削泥の比重調整材として主に使用されている。この場合、バライトに存在する付随物質(多くの場合ストロンチウム及び水銀化合物)は批判的に見られている。これは後に掘削プロセスにおいて、掘削孔の壁から遊離させるために酸を用いて溶解することを可能にするために、バライトと比べて密度が低いにもかかわらず炭酸カルシウムを比重調整材として使用しなければならないためである。この場合に本発明による物質の利点が発揮される。本発明による化合物において最大含量の炭酸鉄(II)へと反応を導くことにより、後の掘削プロセスにおける酸を用いたCO
2の放出による掘削孔の遊離が特に有益となる。この場合、本発明による化合物、すなわち4.5g/cm
3を超える高密度の利点が保持される。結果として、第2の比重調整材として炭酸カルシウムを使用する必要がなくなる。環境適合性は本発明による化合物の生成に基づくモニタリングにより確保することができる。本発明による化合物は磁性であることから、「掘削液」から比重調整材を分離する全く新しい可能性が生じる。比較的低い温度での本発明による化合物の焼結プロセスにより、密度はおよそ3.7g/cm
3から4.5g/cm
3超へと増大する。
【0185】
本発明による修飾赤泥の比重は、ゆっくりと回転する直接加熱型又は間接加熱型の回転炉にて、非酸化雰囲気下において1時間〜2時間の経過時間、少なくとも150℃の温度〜多くとも350℃の温度に加熱することで増大する。この場合例えば、含有されるゲーサイト(比重4g/cm
3〜4.1g/cm
3)はヘマタイト(比重4.9g/cm
3〜5.1g/cm
3)へと一部又は完全に変換される。本発明による修飾赤泥の比重の増値により、掘削液システムにおけるバライトの直接置換が可能となり、本発明による化合物の粒径分布及び比表面積(BETに従うものである)は実質的に一定に保たれる。本発明による修飾赤泥の比重は3.9g/cm
3であり、上記のプロセスを用いて4.65g/cm
3へと増大した本発明による化合物の比重がマイクロメトリクスガス比重瓶を用いて求められている。掘削液用の比重調整材として一般に市販されているバライト(例えばGWE Pumpenboese GmbH、ドイツ)は、データシートによるとおよそ4.25g/cm
3の比重を有する。
【0186】
掘削液の充填容量はマーシュファンネルを用いてTAZとして求められている。
【0187】
AZ(フロー時間)及びRAZ(残りのフロー時間)を測定するための標準的な掘削液(1m
3の水+30kgのベントナイト+ポリマー+各比重調整材;密度を1.5kg/Lに調整)における比較試験において、バライトでは41秒のAZ、32秒のRAZが得られ、比重を増大させた本発明による化合物では39秒のAZ及び29秒のRAZが得られた。
【0188】
土壌類似基質としての修飾赤泥の使用が以下に記載されている。
【0189】
植物を栽培するのに現在使用されることの多い方法は多少の泥炭を含む材料の使用である。これは欧州では泥炭抽出のために枯渇寸前の泥炭地の排水が未だに行われており、一方でロシアにおいても同様の計画を実行する恐れがあるため、この湿地帯環境の保護の理由から厳しく批判されている。これらの理由から、泥炭基質の使用は持続することが不可能であり、利用可能な泥炭の量は年々否応なく低減している。世界規模で考えると、数十億トンの本発明の化合物の原材料である赤泥が言うならば廃棄物として利用可能である。
【0190】
本発明による修飾赤泥の驚くべき発見である施肥効果は上記の明細書での更なる利点を構成するものである。
【0191】
試験の説明:
(a)土壌基質
95箇所の土壌地点でのJuelicher Buerdeの土壌(サトウダイコン品質)
本発明による修飾赤泥
AOS-Stade製の(ex)赤泥、1回洗浄
Floratorfの培養土(25%泥炭を含む)
(b)プランター
貯水器を備えたEMSA製のAquaGreen 100cm
c)水
完全に脱塩した水(ミリポア品質)
d)試験植物
リーフレタス(ラクトゥカ・サティバ変種クリスパ)
ケシ(パパベル・ソムニフェラム亜種)
マルメロ(シドニア・オブロンガ)
【0192】
2011年から開始し、2013年10月までの植物試験の実施:
植物試験は、プランターへの基質の導入から開始し、基質は20cmの高さまで入れる。「満水」の表示が示されるまで、脱ミネラル水を貯水器の底に注ぐ。水を定期的に点検し、再度満たす。この場合水の添加量は満水時の高さに戻すようなものである。2つの植物ポットそれぞれに同じ植物を植え、3ヶ月毎に1つの植物を採り出し、目視検査して、生育の高さを測定する。細根の網目構造を比較評価する。リーフレタスの種を、種の入った袋に指定されているように、評価をより容易にする目的で、根の網目構造がぶつからないように15cm間隔で土壌に蒔く。次いでそれぞれに200mLの脱ミネラル水を給水する。ケシの場合、ケシの種それぞれを1cmの深さに押し込んだ後、200mLの脱ミネラル水を給水する。層状のマルメロの種も同様に各基質に15cm間隔で1cmの深さで蒔く。多年生植物であるマルメロ植物の場合、生育の高さのみを測定する。ケシは二年生植物であり、播種を前の年の晩夏に行い、育ち始めた植物を屋外にて越冬された場合に最良の結果が得られる。リーフレタスの生育期間は6ヶ月から7ヶ月である。プランターを屋外の半影下で東から南東の向きに置き、試験中は動かさなかった。各基質及び3種の植物タイプについての測定値は下記の表に見ることができる。
【0193】
結果:
本発明による化合物は3種の試験植物タイプにおいて最も適した基質であることが分かる。
【0194】
【表6】
【0195】
【表7】
【0196】
全体の印象から、サトウダイコン土壌及び修飾赤泥でのマルメロの木が、枝の数、植物の高さ及び葉の数を反映して最もバランスの良い生育を示していた。
【0197】
【表8】
【0198】
サトウダイコン土壌及び本発明による化合物上の植物が最も大きな満開の花をつけ、その色は白色からピンク色及び暗赤色、暗紫色と様々であった。