(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像処理装置から出力される撮像信号に応じて基板上に実装された部品を撮像し、撮像された前記部品の画像を前記画像処理装置に取り込んで処理することで前記部品の実装状態を検査する実装部品の検査装置であって、
前記部品を撮像角度が互いに異なる複数の方向から撮像し、入力された撮像信号のパルス幅の長さに応じてシャッターが個別に開閉駆動される複数の撮像装置と、
複数の前記撮像装置による撮像のための光を前記部品に投射し、入力された点灯信号のパルス幅の長さに応じて点灯駆動される照明装置と、
前記複数の前記撮像装置の各々と前記照明装置とを同期して制御する同期制御装置と、を備え、
複数の前記撮像装置のうち少なくとも一つの撮像装置が検査カメラとされると共に、該検査カメラの露光時間が他の撮像装置の露光時間に比べて最も長く設定され、
前記同期制御装置は、前記照明装置に、前記検査カメラの露光時間に応じた長さのパルス幅の前記点灯信号を出力する点灯制御回路と、前記撮像装置に、該撮像装置に設定された露光時間に応じた長さのパルス幅の前記撮像信号を出力する撮像制御回路と、を備え、所定の撮像信号が入力された場合に、前記点灯制御回路から前記照明装置に対して前記点灯信号を出力すると同時に、前記撮像制御回路から複数の前記撮像装置の各々に対して前記撮像信号を出力する実装部品の検査装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような検査装置では、部品を撮像する際に撮像用の光を投射するための照明装置が必要となる。そして、部品を撮像する際には、部品の撮像信号に加え、照明装置の点灯信号が制御側の装置から出力される。しかしながら、従来の構成では、各撮像装置や照明装置が画像処理装置としてのPC等に直接接続されていたため、撮像信号や点灯信号がシリアル通信によって画像処理装置から順に出力されることで、各撮像装置での撮像が順に実行されていた。そのため、検査時間にロスが生じていた。
【0005】
本明細書で開示される技術は、上記の課題に鑑みて創作されたものであって、基板上に実装された部品を複数の方向から撮像する実装部品の検査装置において、検査時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示される技術は、画像処理装置から出力される撮像信号に応じて基板上に実装された部品を撮像し、撮像された前記部品の画像を前記画像処理装置に取り込んで処理することで前記部品の実装状態を検査する実装部品の検査装置であって、前記部品を撮像角度が互いに異なる複数の方向から撮像する複数の撮像装置と、複数の前記撮像装置による撮像のための光を前記部品に投射する照明装置と、複数の前記撮像装置の各々と前記照明装置とを同期して制御する同期制御装置と、を備え、前記同期制御装置は、複数の前記撮像装置に設定された各露光時間のうち最も長い露光時間に合わせて前記照明装置に点灯信号を出力する点灯制御回路と、前記撮像装置による撮像を実行させる撮像信号を出力する撮像制御回路とを備え、所定の撮像信号が入力された場合に、前記点灯制御回路から前記点灯信号が出力されると共に、前記撮像制御回路から前記最も長い露光時間の前記撮像装置及び他の撮像装置に対して前記撮像信号が同期的に出力される実装部品の検査装置に関する。
【0007】
上記の実装部品の検査装置では、所定の撮像信号が入力された場合に、撮像制御回路から最も長い露光時間の撮像装置及び他の撮像装置に対して撮像信号が同期的に出力される。ここで、本明細書でいう撮像信号が同期的に出力されるとは、最も長い露光時間の撮像装置を基準として、照明装置の点灯時間内に他の撮像装置での撮像が終了するように、即ち露光が終了するように各撮像装置に対して撮像信号が出力されることをいう。
【0008】
従って、上記の実装部品の検査装置では、最も長い露光時間に合わせて照明装置に点灯信号が出力され、所定の撮像信号が入力されることで、照明装置への点灯信号と最も長い露光時間の撮像装置への撮像信号とが同期的に出力される。これにより、最も長い露光時間に合わせて照明装置が点灯する。そして、照明装置の点灯時間内に露光が終了するように他の撮像装置に対しても撮像信号が同期的に出力されることで、照明装置の点灯時間内に他の撮像装置での撮像が実行される。即ち、最も長い露光時間の撮像装置での撮像が実行される間に他の撮像装置での撮像が実行される。
【0009】
このように上記の実装部品の検査装置では、最も長い露光時間に合わせて照明装置の点灯及び各撮像装置での撮像を実行することができ、各撮像装置での撮像が順に実行される従来の構成と比べて検査時間にロスが生じることを防止ないし抑制することができる。その結果、従来の構成と比べて検査時間を短縮することができる。
【0010】
上記の実装部品の検査装置において、同期制御装置は、前記撮像制御回路から前記最も長い露光時間の前記撮像装置及び他の撮像装置に対して前記撮像信号を同時に出力してもよい。
【0011】
他の撮像装置での撮像が最も長い露光時間の撮像装置での撮像と同時に実行されない場合、照明装置の点灯時間内に他の撮像装置での撮像を終了させるため、最も長い露光時間の撮像装置での露光開始からの経過時間を計るための新たな回路等を組み込む必要がある。上記の構成によると、そのような新たな回路等を組み込む必要がないため、同期制御装置の構成を簡略化することができる。
【0012】
上記の実装部品の検査装置において、前記画像処理装置と前記同期制御装置との間がシリアル通信によって信号が入出力されてもよい。
【0013】
この構成によると、同期制御装置から各撮像装置に撮像信号を同時に出力しながら画像処理装置と同期制御装置との間でシリアル通信を実現することができるので、画像処理装置と各撮像装置との間がパラレル通信によって制御される場合と比べて、省配線化、及び低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本明細書で開示される技術によれば、基板上に実装された部品を複数の方向から撮像する実装部品の検査装置において、検査時間を短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して実施形態を説明する。本実施形態では、プリント基板(基板の一例)10上に実装された各電子部品(部品の一例)12を複数の方向から撮像することで電子部品12の実装状態を検査する実装部品の検査装置1について例示する(
図1参照)。実装部品の検査装置1では、各電子部品12が実装されたプリント基板10のリフロー半田工程前、又はリフロー半田工程後に、各電子部品12の実装状態の検査が実行される。
【0017】
図1に示すように、検査装置1は当該装置1の外部に設けられたシステムボード(画像処理装置の一例)20と電気的に接続されている。システムボード20と検査装置1との間は、LANケーブル22によって接続され、シリアル通信が行われる。検査装置1は、システムボード20によって全体が制御統括されている。
【0018】
システムボード20は、CPU等を含み、作業者からの指示を受け付ける受付部(不図示)等を備えている。システムボード20は、作業者から入力された(又は予め記憶されている)撮像プログラムに従って検査装置1に撮像信号を出力する。またシステムボード20は、検査装置1で撮像された電子部品12の画像を取り込んでその画像を処理し、作業者から入力された(又は予め記憶されている)検査基準に基づいて、検査対象である電子部品12の実装状態の良否を判断する。
【0019】
(検査装置の構成)
検査装置1は、
図1に示すように、同期制御装置30と、検査カメラ(撮像装置の一例)ICと、第1斜視カメラ(撮像装置の一例)OC1と、第2斜視カメラ(撮像装置の一例)OC2と、第1検査照明IL1と、第2検査照明IL2と、兼用照明(照明装置の一例)BLと、検査装置1の下方に設けられたステージ(不図示)と、を備えている。検査装置1では、検査対象となる各電子部品12が実装されたプリント基板10がステージ上に載置される。検査装置1は、プリント基板10上を予め区画された複数のエリアごとに撮像し、撮像されたエリアの各電子部品12についてその実装状態を検査する。
【0020】
同期制御装置30は、上述したLANケーブル22によってシステムボード20と接続されており、各カメラIC,OC1,OC2と各照明IL1,IL2,BLとを同期して制御する。同期制御装置30は、撮像プログラムに従った所定の撮像信号がシステムボード20から出力されると、各カメラIC,OC1,OC2に所定のパルス幅をもった撮像信号を出力するとともに、各照明IL1,IL2,BLに所定のパルス幅をもった点灯信号を出力する。
【0021】
各カメラIC,OC1,OC2では、同期制御装置30から出力される撮像信号が入力されると、その撮像信号のパルス幅の長さに相当する時間(露光時間)の間だけシャッターが開放される。そして各カメラIC,OC1,OC2では、シャッターが開いている間、撮像対象となるエリアの撮像が実行される。また、同期制御装置30は、各カメラIC,OC1,OC2で撮像された画像をシステムボード20に出力する。同期制御装置30の内部の電気的構成については、後で詳しく説明する。
【0022】
各カメラIC,OC1,OC2及び各照明IL1,IL2,BLは、ステージ側に開口する半球状のドーム部材(不図示)内に設けられている。このドーム部材は、システムボード20によって、ステージ上に載置されるプリント基板10の板面に沿った平面方向に移動可能に制御される。検査装置1では、このドーム部材が移動することで、各カメラIC,OC1,OC2及び各照明IL1,IL2,BLが一体となって移動する。
【0023】
検査カメラICは、ステージの上方に位置するようにドーム部材内に設けられ、プリント基板10上の撮像対象となるエリアを真上から撮像する。第1斜視カメラOC1及び第2斜視カメラOC2は、ステージの斜め上方に位置するようにドーム部材内に設けられ、プリント基板10上の撮像対象となるエリアを斜め上方から撮像する。第1斜視カメラOC1と第2斜視カメラOC2は、ステージからの距離が互いに等しく、その撮像角度が異なっている。また、検査カメラICのステージからの距離は、第1斜視カメラOC1及び第2斜視カメラOC2のステージからの距離よりも遠い。
【0024】
なお、システムボード20では、検査カメラICによって撮像される画像(以下、検査画像と称する)を用いて、検査対象である電子部品12の実装状態の良否が判断される。一方、各斜視カメラOC1,OC2によって撮像される画像(以下、斜視画像と称する)は、電子部品12の実装状態が不良である場合にその不具合要因を詳しく確認するために用いられる。
【0025】
各照明IL1,IL2,BLは、プリント基板10上の撮像対象となるエリアに電子部品12に白色光を投射する照明部材である。各照明IL1,IL2,BLは、いずれも明るさが等しく、撮像対象となるエリアに対して光を当てる角度、及びステージからの距離がそれぞれ異なっている。これにより、撮像対象となるエリア上の電子部品12について、撮像条件が異なる複数の検査画像を撮像できるようになっている。
【0026】
また、各照明IL1,IL2,BLは、いずれも円環状をなしており、平面視において同心円となるように上下方向に略等しい間隔でドーム部材の内側に設けられている。各照明IL1,IL2,BLは、上から順に第1検査照明IL1、第2検査照明IL2、兼用照明BLとされ、この順に径が大きい。
【0027】
第1検査照明IL1と第2検査照明IL2は、それぞれ検査カメラICによる撮像のための光をプリント基板10上の撮像対象となるエリアに投射する。第1検査照明IL1と第2検査照明IL2は、ステージからの距離が異なっており、第1検査照明IL1のステージからの距離が第2検査照明IL2のステージからの距離よりも遠い。
【0028】
兼用照明BLは、各カメラIC,OC1,OC2による撮像のための光をプリント基板10上の撮像対象となるエリアに投射する。なお、上述した検査カメラICは、円環状をなす各照明IL1,IL2,BLの軸線上であって第1検査照明IL1の上方に位置している。各照明IL1,IL2,BLでは、同期制御装置30から出力される点灯信号が入力されると、その点灯信号の長さに相当する時間(点灯時間)の間だけ点灯する。
【0029】
(同期制御装置の電気的構成)
次に同期制御装置30の内部の電気的構成について説明する。
図2に示すように、同期制御装置30は、その内部にMPU32と、3つの照明ドライブ回路34A,34B,34Cと、検査カメラドライブ回路36Aと、斜視カメラドライブ回路36Bと、を備えている。なお、MPU32は、図示はしないがプロセッサユニットの他、LANケーブル22を介してシステムボード20と通信するための通信制御回路、各照明ドライブ回路34A〜34Cに点灯信号を出力する点灯制御回路32A,各カメラドライブ回路36A〜36Cに撮像信号を出力する撮像制御回路32B等の周辺回路を含む。
【0030】
各照明ドライブ回路34A,34B,34Cは、同期制御装置30外に伸びる信号線S1,S2,S3によって各照明IL1,IL2,BLと電気的に接続されている。各照明ドライブ回路34A,34B,34Cは、MPU32から出力される点灯信号に応じて各照明IL1,IL2,BLを点灯駆動する。
【0031】
検査カメラドライブ回路36Aは、同期制御装置30外に伸びる信号線S4によって検査カメラICと電気的に接続されている。斜視カメラドライブ回路36Bは、同期制御装置30外に伸びる信号線S5によって第1斜視カメラOC1と第2斜視カメラOC2とにそれぞれ電気的に接続されている。各カメラドライブ回路36A,36Bは、MPU32から出力される撮像信号に応じて各照明IL1,IL2,BLのシャッターの開閉を駆動する。
【0032】
MPU32の撮像制御回路32Aは、撮像プログラムに従ってシステムボード20から与えられる情報に従って各カメラIC,OC1,OC2の露光時間を設定する。この露光時間は、撮像対象となるエリア、及び各カメラIC,OC1,OC2で異なるものとされる。また、撮像制御回路32Aは、設定された露光時間に相当する長さのパルス幅をもった撮像信号を、各カメラドライブ回路36A,36Bを介して各カメラIC,OC1,OC2に出力する。
【0033】
なお本実施形態では、検査カメラICのステージからの距離が各斜視カメラOC1,OC2のステージからの距離よりも大きいことから、各カメラIC,OC1,OC2の露光時間のうち、検査カメラICの露光時間が最も長い露光時間として設定される。また、第1斜視カメラOC1と第2斜視カメラOC2の露光時間は異なる露光時間で設定される。
【0034】
点灯制御回路32Bは、各カメラIC,OC1,OC2に設定された各露光時間のうち最も長い露光時間に合わせて各照明IL1,IL2,BLに点灯信号を出力する。上述の通り、本実施形態では検査カメラICの露光時間が最も長く設定されるから、点灯制御回路32Bは、検査カメラICの露光時間に相当する長さのパルス幅をもった点灯信号を出力することになる。
【0035】
(撮像処理)
本実施形態の検査装置1は以上のような構成であって、次に、システムボード20と検査装置1が実行する撮像処理について、
図3に示すフローチャートを参照して説明する。撮像処理は、撮像プログラムに従ってプリント基板10上の撮像対象となるエリアを撮像する処理である。撮像処理は、電子部品12が実装されたプリント基板10の半田リフロー工程前、又は半田リフロー工程後に、当該プリント基板10が検査装置1のステージ上に載置された状態で撮像プログラムに従って開始される。この撮像プログラムは、システムボード20の一部に予め記憶されていてもよいし、作業者が入力したものであってもよい。
【0036】
なお、撮像プログラムは、プリント基板10上の撮像対象となるエリアの撮像順序、撮像対象となるエリアについてどのカメラ及び照明を用いて撮像するのか、撮像対象となるエリアについて複数回撮像を実行する場合、どのような順序で撮像を実行するのか、斜視画像を撮像するのか、等の情報を含む。検査装置1では、斜視画像を撮像する場合、検査カメラICでの撮像とともに各斜視カメラOC1,OC2での撮像が実行される。
【0037】
撮像処理が開始されると、システムボード20は、まず上記撮像プログラムに従って、撮像対象となるエリアごとに複数の又は単一の撮像信号及び点灯信号を検査装置1のMPU32に出力する。このとき、システムボード20は、第1検査照明IL1を用いた検査カメラICのみでの撮像を実行する場合には第1の撮像信号を出力し、第2検査照明IL2を用いた検査カメラICのみでの撮像を実行する場合には第2の撮像信号を出力し、兼用照明BLを用いて検査カメラICでの撮像とともに各斜視カメラOC1,OC2での撮像を実行する場合には第3の撮像信号(所定の撮像信号の一例)を出力する。一つのエリアについて検査画像を複数回撮像する場合には、システムボード20は、上記撮像プログラムに従って上記各撮像信号のいずれかをMPU32に順に出力する。
【0038】
またシステムボード20は、上記撮像プログラムに従って、ステージ上に載置されたプリント基板10上の各電子部品12のうち、撮像対象となるエリアの真上に検査カメラICが位置するようにステージの上面に沿った平面方向に上述したドーム部材を移動させるための信号が検査装置1に出力され、当該信号に応じてドーム部材が移動されることで、各カメラIC,OC1,OC2が移動される(S2)。
【0039】
次に、MPU32は、システムボード20から出力された撮像信号が第3の撮像信号であるのか否かを判断する(S4)。MPU32は、撮像信号が第3の撮像信号でないと判断した場合(S4:NO)、S6に移行する。MPU32は、撮像信号が第3の撮像信号であると判断した場合(S4:YES)、S16に移行する。
【0040】
S6では、MPU32は、システムボード20から出力された撮像信号が第2の撮像信号であるのか否かを判断する。MPU32は、撮像信号が第2の撮像信号でないと判断した場合(S6:NO)、S8に移行する。MPU32は、撮像信号が第2の撮像信号であると判断した場合(S6:YES)、S12に移行する。
【0041】
なお、一つのエリアについて検査画像を複数回撮像する撮像プログラムである場合、システムボード20から一つのエリアについて複数回の撮像信号が順に出力される。撮像対象となるエリアについてシステムボード20から複数回の撮像信号が出力された場合、S4及びS6では、MPU32は、撮像が実行されていない撮像信号のうち最も先にシステムボード20から出力された撮像信号について判断する。
【0042】
従って、例えば撮像対象である一つのエリアについてシステムボード20から第1の撮像信号と第2の撮像信号と第3の撮像信号とが順に出力された場合、MPU32は、第1の撮像信号に基づいて撮像を実行し、次に、第2の撮像信号に基づいて撮像を実行し、次に、第3の撮像信号に基づいて撮像を実行する。
【0043】
S8では、MPU32は、撮像対象となるエリアに応じて、検査カメラICの露光時間を設定するとともに、設定された検査カメラICの露光時間に合わせて第1検査照明IL1の点灯時間を設定し、S10に移行する。S10では、MPU32は、設定された露光時間に相当する長さのパルス幅をもった撮像信号を検査カメラドライブ回路36Aに出力すると同時に、設定された点灯時間に相当する長さのパルス幅をもった点灯信号を照明ドライブ回路34Aに出力する。
【0044】
これにより、入力された点灯信号に応じて照明ドライブ回路34Aが第1検査照明IL1を点灯駆動し、それと同時に入力された撮像信号に応じて検査カメラドライブ回路36Aが検査カメラICのシャッターを開閉駆動する。MPU32は、S10の処理を実行すると、S20に移行する。
【0045】
S12では、MPU32は、撮像対象となるエリアに応じて、検査カメラICの露光時間を設定するとともに、設定された検査カメラICの露光時間に合わせて第2検査照明IL2の点灯時間を設定し、S14に移行する。S14では、MPU32は、設定された露光時間に相当する長さのパルス幅をもった撮像信号を検査カメラドライブ回路36Aに出力すると同時に、設定された点灯時間に相当する長さのパルス幅をもった点灯信号を照明ドライブ回路34Bに出力する。
【0046】
これにより、入力された点灯信号に応じて照明ドライブ回路34Bが第2検査照明IL2を点灯駆動し、それと同時に入力された撮像信号に応じて検査カメラドライブ回路36Aが検査カメラICのシャッターを開閉駆動する。MPU32は、S14の処理を実行すると、S20に移行する。
【0047】
S16では、MPU32は、撮像対象となるエリアに応じて、検査カメラIC及び各斜視カメラOC1,OC2の露光時間を設定する。本実施形態では、各カメラIC,OC1,OC2の露光時間のうち、検査カメラICの露光時間が最も長い露光時間として設定される。さらに、S16では、MPU32は設定された検査カメラICの露光時間に合わせて兼用照明BLの点灯時間を設定し、S18に移行する。
【0048】
S18では、MPU32は、設定された検査カメラICの露光時間に相当する長さのパルス幅をもった撮像信号を検査カメラドライブ回路36Aに出力し、かつ、設定された各斜視カメラOC1,OC2の露光時間に相当する長さのパルス幅をもった撮像信号を斜視カメラドライブ36Bに出力すると同時に、設定された点灯時間に相当する長さのパルス幅をもった点灯信号を照明ドライブ回路34Cに出力する。
【0049】
これにより、入力された点灯信号に応じて照明ドライブ回路34Cが兼用照明BLを点灯駆動し、それと同時に入力された撮像信号に応じて検査カメラドライブ回路36Aが検査カメラICのシャッターを開閉駆動し、かつ、入力された撮像信号に応じて斜視カメラドライブ36Bが各斜視カメラOC1,OC2のシャッターを開閉駆動する。MPU32は、S18の処理を実行すると、S20に移行する。
【0050】
S20では、MPU32は、設定された露光時間のうち最も長い露光時間が経過したのか否か、即ち検査カメラドライブ回路36Aに撮像信号が出力されてから設定された検査カメラICの露光時間が経過したのか否かを判断する。MPU32は、S20で検査カメラICの露光時間が経過したと判断した場合(S20:YES)、S22に移行する。MPU32は、S20で検査カメラICの露光時間が経過していないと判断した場合(S20:NO)、露光時間が経過するまでS20の処理を繰り返し実行する。
【0051】
S22では、MPU32は、撮像対象となるエリアについて、全ての検査画像の撮像を終了したのか否かを判断する。ここで、撮像対象である一つのエリアについてシステムボード20から複数回の撮像信号が出力されている場合、MPU32は、全ての撮像信号について撮像が実行されたのか否かを判断する。MPU32は、S22で全ての検査画像の撮像を終了したと判断した場合(S22:YES)、S24に移行する。MPU32は、S22で全ての検査画像の撮像を終了していないと判断した場合(S22:NO)、S4に戻る。
【0052】
S24では、MPU32は、プリント基板10上の撮像対象となる全てのエリアについて撮像を終了したのか否かを判断する。MPU32は、S24で撮像対象となる全てのエリアについて撮像を終了したと判断した場合(S24:YES)、撮像処理を終了する。MPU32は、S24で撮像対象となる全てのエリアについて撮像を終了したと判断した場合(S24:NO)、S2に戻り、次に撮像対象となるエリアの真上に検査カメラICが位置するように各カメラIC,OC1,OC2を移動する。
【0053】
なお撮像処理では、システムボード20からMPU32へ上記の各撮像信号が出力される間に、ドーム部材の移動が実行されてもよい。また撮像処理では、MPU32は、撮像した検査画像を順にシステムボード20に出力する。システムボード20は、検査装置1で撮像された画像を取り込むと、MPU32がS2において各カメラIC,OC1,OC2を移動する間、及び/又は撮像処理の終了後に、後述する画像検査処理を実行する。
【0054】
(タイミングチャート)
ここで、撮像対象となる一つのエリアについて、システムボード20から第1の撮像信号と第2の撮像信号と第3の撮像信号とが順に出力された場合における、各照明IL1,IL2,BL及び各カメラIC,OC1,OC2のタイミングチャートを、
図5を参照して例示する。
図5に示すタイミングチャートでは、横軸を経過時間として示している。
【0055】
図5に示すように、システムボード20から出力された第1の撮像信号によって、第1検査照明IL1が点灯すると同時に検査カメラICのシャッターが開かれ、検査カメラICでの撮像が実行される。そして、検査カメラICの露光時間の間、第1検査照明IL1の点灯が継続する。即ち、検査カメラICのシャッターが閉じるのと同時に第1検査照明IL1が消灯する。
【0056】
次に、システムボード20から出力された第2の撮像信号によって、第2検査照明IL2が点灯すると同時に検査カメラICのシャッターが開かれ、検査カメラICでの撮像が実行される。そして、検査カメラICの露光時間の間、第2検査照明IL2の点灯が継続する。即ち、検査カメラICのシャッターが閉じるのと同時に第2検査照明IL2が消灯する。
【0057】
次に、システムボード20から出力された第3の撮像信号によって、兼用照明BLが点灯すると同時に検査カメラICのシャッターと第1斜視カメラOC1のシャッターと第2斜視カメラOC2のシャッターとが同時に開かれ、検査カメラICと各斜視カメラOC1,OC2での撮像が実行される。ここで、検査カメラICの露光時間は各斜視カメラOC1,OC2の露光時間よりも長く設定されるので、第1斜視カメラOC1のシャッターと第2斜視カメラOC2のシャッターが検査カメラICのシャッターよりも先に閉じ、続いて検査カメラICのシャッターが閉じる。そして、検査カメラICの露光時間の間、兼用照明BLの点灯が継続する。即ち、検査カメラICのシャッターが閉じるのと同時に兼用照明BLが消灯する。
【0058】
(画像検査処理)
次に、システムボード20が実行する画像検査処理について、
図4に示すフローチャートを参照して説明する。画像処理が開始されると、システムボード20は、まず取り込んだ検査画像について、検査基準に基づいて画像の処理を実行する(S32)。次に、システムボード20は、取り込んだ検査画像から、作業者から入力された(又は予め記憶されている)検査基準に基づいて、取り込んだ検査画像の中の検査対象となる電子部品12について、その実装状態の良否を判断する(S34)。
【0059】
システムボード20は、検査対象となる電子部品12の実装状態が良好であると判断すると(S24:YES)、実装状態が良好であると判断した電子部品12について斜視画像が撮像されている場合には、その斜視画像を削除し(S26)、画像検査処理を終了する。
【0060】
システムボード20は、検査対象となる電子部品12の実装状態が良好でないと判断した場合(S34:NO)、電子部品12の実装エラーが検出されたものとしてエラー処理を実行し(S26)、画像検査処理を終了する。ここでいうエラー処理とは、検査装置1の動作を停止すること等をいう。実装エラーが検出された電子部品12について斜視画像が撮像されている場合、不具合要因を詳しく解明するために、検査装置1からシステムボード20に当該斜視画像が出力される。
【0061】
(実施形態の効果)
以上説明したように本実施形態の実装部品の検査装置1では、最も長い露光時間とされる検査カメラICの露光時間に合わせて兼用照明BLに点灯信号が出力され、第3の撮像信号が入力されることで、兼用照明BLへの点灯信号と最も長い露光時間の検査カメラICへの撮像信号とが同時に出力される。これにより、最も長い露光時間に合わせて兼用照明BLが点灯する。そして、兼用照明BLの点灯時間内に露光が終了するように各斜視カメラOC1,OC2に対しても撮像信号が同時に出力されることで、兼用照明BLの点灯時間内に各斜視カメラOC1,OC2での撮像が実行される。即ち、最も長い露光時間とされる検査カメラICでの撮像が実行される間に各斜視カメラOC1,OC2での撮像が実行される。
【0062】
このように本実施形態の実装部品の検査装置では、最も長い露光時間に合わせて兼用照明BLの点灯及び各カメラIC,OC1,OC2での撮像を実行することができ、各カメラIC,OC1,OC2での撮像が順に実行される従来の構成と比べて検査時間にロスが生じることを防止ないし抑制することができる。その結果、従来の構成と比べて検査時間を短縮することができる。
【0063】
また本実施形態では、上述したようにMPU32から各カメラIC,OC1,OC2に対して撮像信号が同時に出力されるため、検査カメラICでの露光開始からの経過時間を計るための新たな回路等を組み込む必要がなく、同期制御装置30の構成を簡略化することができる。
【0064】
また本実施形態では、システムボード20と同期制御装置30との間がシリアル通信によって信号が入出力される構成とされている。このような構成とされていることで、同期制御装置30から各カメラIC,OC1,OC2に撮像信号を同時に出力しながらシステムボード20と同期制御装置30との間でシリアル通信を実現することができるので、システムボード20と各カメラIC,OC1,OC2との間がパラレル通信によって制御される場合と比べて、省配線化、及び低コスト化を図ることができる。
【0065】
また本実施形態では、検査装置1が各カメラIC,OC1,OC2による撮像のための光を兼用する光を投射する兼用照明BLを備えているので、このような兼用照明BLを備えない構成、即ち各カメラIC,OC1,OC2用の照明装置が個別に制御される構成と比べて複数の照明装置を制御する必要がなく、検査時間を短縮することができる。
【0066】
<他の実施形態>
本発明は上記既述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0067】
(1)上記の実施形態では、同期制御装置のMPUから、最も長い露光時間が設定される検査カメラと、各斜視カメラとに対して、撮像信号が同時に出力される構成を例示したが、これに限定されず、MPUから検査カメラと各斜視カメラとに対して撮像信号が同期的に出力される構成であればよい。即ち、最も長い露光時間が設定される検査カメラを基準として、兼用照明の点灯時間内に各斜視カメラでの撮像が終了するように、即ち露光が終了するように各斜視カメラに対して検査カメラとずれたタイミングで撮像信号が出力される構成であってもよい。
【0068】
(2)上記の実施形態では、検査カメラと兼用照明とに対して撮像信号と点灯信号とが同時に出力される構成を例示したが、検査カメラの応答性や兼用照明の応答性によっては、検査カメラに撮像信号が出力されるのに先行して兼用照明に点灯信号が出力されてもよいし、兼用照明に点灯信号が出力されるのに先行して検査カメラに撮像信号が出力されてもよい。
【0069】
(3)上記の実施形態では、画像処理装置の一例であるシステムボードが検査装置とは別体である構成を例示したが、画像処理装置が検査装置の一部とされた構成であってもよい。
【0070】
(4)上記の実施形態では、1つの検査カメラと2つの斜視カメラとを備える構成を例示したが、検査カメラの数及び斜視カメラの数については限定されない。
【0071】
(5)上記の実施形態では、2つの検査照明と1つの兼用照明とを備える構成を例示したが、検査照明の数及び兼用照明の数については限定されない。
【0072】
(6)上記の実施形態では、撮像信号として、第1の撮像信号と第2の撮像信号と第3の撮像信号を例示したが、撮像信号の種類等については限定されない。
【0073】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。