(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板ホルダは、回転可能に前記基板を保持するものであり、前記第1の成膜過程および前記第2の成膜過程において、前記基板ホルダは前記基板を回転させることを特徴とする請求項2または3に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
前記第1の特性変化は、前記基板の前記中心部における前記接合抵抗値が、前記基板の前記周辺部における接合抵抗値よりも高いものであり、前記第2の特性変化は、前記基板の前記中心部における前記接合抵抗値が、前記基板の前記周辺部における接合抵抗値よりも低いものであることを特徴とする請求項5に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
前記第1の絶縁物ターゲットおよび前記第2の絶縁物ターゲットは、酸化マグネシウムターゲットであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0014】
(トンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)の構造の説明)
以下に、TMR素子の構造の例を示す。以下に示すTMR素子は、本発明の一実施形態に係るTMR素子の製造方法により製造することができるものである。
【0015】
図1は、非特許文献1に記載の面内磁化型のTMR素子(以下、単にTMR素子という)の積層構造を示す模式図である。
【0016】
図1に示すように、TMR素子100では、まず、処理基板の上に、下部電極層108として、例えばTaとCuを含む金属層又は金属化合物層が積層されている。具体的には、下部電極層108は、例えばTa(5nm)/CuN(20nm)/Ta(5nm)のような構造とする。なお、本明細書では、材料名又は後ろの括弧内に厚さを記載した材料名を「/」で区切ることにより各材料の層が積層されてなる積層構造を表すものとし、「/」の右側の層ほど、積層構造において上部側に位置するものとする。下部電極層108において、上部のTaは下地膜の役目を兼ね備えており、Ta以外でもHf、Nb、Zr、Ti、MoまたはWなどの金属としてもよい。さらに、その上に例えばNi、Fe、Cr、Ruのうち少なくとも1つの元素を含む層を成膜してもよい。
【0017】
下部電極層108上には、例えばIrMn、PtMn、FeMn、NiMn、RuRhMnまたはCrPtMn等からなる例えば厚さ3〜20nm程度の反強磁性層107が形成されている。反強磁性層107上には、例えばCoFe等の強磁性層からなる例えば厚さ1〜5nm程度のリファレンス層106が形成されている。リファレンス層106上には、例えばRu、Cr、Rh、Ir、Reのうち少なくとも1つから選ばれる、またはこれらの金属のうち2つ以上の合金からなる例えば厚さ0.85nm程度の非磁性中間層105が形成されている。非磁性中間層105上には、例えばCoFeまたはCoFeB等の強磁性層からなる例えば厚さ1〜5nm程度のリファレンス層104が形成されている。
【0018】
上記反強磁性層107、リファレンス層106、非磁性中間層105、およびリファレンス層104は、シンセティック型のリファレンス層を構成している。このシンセティック型のリファレンス層は、反強磁性層107とリファレンス層106との2層構造からなる構成であってもよい。シンセティック型のリファレンス層は、磁化方向が固定された層である。
【0019】
リファレンス層104上には、トンネルバリア層103が形成されている。トンネルバリア層103の材料は、高いMR比を得るために酸化マグネシウム(MgO)が好適である。その他、トンネルバリア層103の材料は、Mg、Al、Ti、Zn、Hf、Ge、Siの少なくとも1つまたは2つ以上を含有する酸化物でもよい。
【0020】
トンネルバリア層103上には、例えばCoFeBもしくはCo、Fe、Ni等の少なくとも1つまたは2つ以上の合金からなる材料が、1層または2層以上形成されてなる構造である例えば厚さ1〜10nm程度のフリー層102が形成されている。フリー層102は、磁化が固定されていない強磁性層であり、リファレンス層の磁化との相対角度によって抵抗を変化させる。
【0021】
フリー層102上には、上部電極層101として、例えばTa(8nm)/Ru(5nm)/Cu(30nm)/Ru(7nm)のような積層構造を有する層が形成されている。上部電極層101は、素子を保護する機能をも有しており、Taの部分は、例えばRu、TiまたはPtなどの材料に置き換えてもよい。
【0022】
上記
図1に示すようなTMR素子は、クラスタ型基板処理装置によって真空一貫で作製することができる。
【0023】
なお、
図1では、反強磁性層107は厚さ15nmのPtMn層であり、リファレンス層106は厚さ2.5nmのCo
70Fe
30(各数値は原子%を表し、以下同様)層であり、非磁性中間層105は厚さ0.85nmのRu層であり、リファレンス層104は厚さ3nmのCo
60Fe
20B
20層であり、トンネルバリア層103は厚さ1.0nmのMgO層であり、フリー層102は厚さ3nmのCo
60Fe
20B
20層である。
【0024】
図2は、非特許文献2に記載の垂直磁化型のTMR素子(以下、p−TMR素子という)の積層構造を示す模式図である。
【0025】
図2に示すように、p−TMR素子200では、まず、処理基板の上に、バッファー層211、210が順次形成されている。例えば、バッファー層211には、Ni、Fe、Cr、Ru少なくとも1つの元素を含む材料が用いられる。また、バッファー層210には、Ta、Hf、Nb、Zr、Ti、MoまたはWなどの金属がよく、その他、Mg、Al、Ta、Ti、Zn、Hf、Ge、Siの少なくとも1つまたは2つ以上を含有する酸化物としてもよい。
【0026】
バッファー層211上には、例えばCoFeB等の強磁性層からなるフリー層209が形成されている。さらに、このCoFeB層と後述のトンネルバリア層208のMgO層の間には、Co、Feの少なくとも1つまたは2つ以上の合金層が配置されていてもよい。CoFeBまたはCoFeB/CoFe磁性層の厚さは、トータルで例えば0.8〜2.0nm程度である。
【0027】
フリー層209上には、トンネルバリア層208が形成されている。トンネルバリア層208の材料も、高いMR比を得るためにMgOが好適である。その他、トンネルバリア層208の材料は、Mg、Al、Ti、Zn、Hf、Ge、Siの少なくとも1つまたは2つ以上を含有する酸化物でもよい。
【0028】
トンネルバリア層208上には、例えばFe、CoFe等の強磁性層からなる例えば厚さ0.2〜1nm程度のリファレンス層207が形成されている。リファレンス層207上には、例えばCoFeB等の強磁性層からなる例えば厚さ0.5〜2.0nm程度のリファレンス層206が形成されている。リファレンス層206上には、例えばTaなどからなる配向分離層205が形成されている。配向分離層205上には、垂直磁気異方性をリファレンス層206およびリファレンス層207に付与するリファレンス層204が形成されている。
【0029】
図2では、リファレンス層204の例として、Co/Ptが繰り返し積層され、最上層にCoが形成されてなる積層構造を有するものを示している。その他にも、リファレンス層204としては、Co/Pd、Co/Pt、Co/Niのような積層構造、TbTeCo、GdFeCoのようなアモルファス材料、FePt、CoPt、MnGa、MnAlのような規則化合金のいずれの形態のものでもよい。Co/Pd、Co/Pt、Co/Niは、繰り返し積層されてもよく、その繰り返し数は特に限定されるものではない。
【0030】
また、リファレンス層207を省いて、リファレンス層206のCoFeBが直接トンネルバリア層208に接する形としてもよい。さらに、配向分離層205は、Ta以外にも、Ta、Hf、Nb、Zr、Ti、Mo、W、Pt、Ruの少なくとも一つもしくは2つ以上の合金やMg、Al、Ta、Ti、Zn、Hf、Ge、Siの少なくとも1つまたは2つ以上を含有する酸化物としてもよい。
【0031】
リファレンス層204上には、例えばRu、Cr、Rh、Ir、Reのうち少なくとも1つまたは2つ以上の合金からなる例えば厚さ0.8nm程度の非磁性中間層203が形成されている。非磁性中間層203上には、リファレンス層202が形成されている。
【0032】
図2では、リファレンス層202の例として、Co/Pdが繰り返し積層されてなる積層構造を有するものを示している。その他にも、リファレンス層202としては、Co/Pd、Co/Pt、Co/Niのような積層構造、TbTeCo、GdFeCoのようなアモルファス材料、FePt、CoPt、MnGa、MnAlのような規則化合金で構成のいずれの形態のものでもよい。Co/Pd、Co/Pt、Co/Niは、繰り返し積層されてもよい。Co/Pd、Co/Pt、Co/Niは、繰り返し積層されてもよく、その繰り返し数は特に限定されるものではない。
【0033】
上記リファレンス層207、リファレンス層206、配向分離層205、リファレンス層204の積層構造部、非磁性中間層203、およびリファレンス層202は、シンセティック型のリファレンス層を構成している。なお、このシンセティック型のリファレンス層は、非磁性中間層203およびリファレンス層202を省き、リファレンス層207、リファレンス層206、配向分離層205、およびリファレンス層204で形成される構造としてもよい。
【0034】
リファレンス層202上には、例えばTaからなる例えば厚さ5nmのキャップ層201が形成されている。Taは、例えばRu、Ti、Ptなどの材料に置き換えてもよい。
【0035】
上記
図2に示すようなTMR素子も、クラスタ型基板処理装置によって真空一貫で作製することができる。
【0036】
なお、
図2では、バッファー層211は厚さ5nmのRuCoFe層であり、バッファー層210は厚さ2nmのTa層であり、フリー層209は厚さ0.8nmのCoFeB層であり、トンネルバリア層208は厚さ0.9nmのMgO層であり、リファレンス層207は0.5nmのFe層であり、リファレンス層206は厚さ0.8nmのCoFeB層であり、配向分離層205は厚さ0.3nmのTa層であり、リファレンス層204は厚さ0.25nmのCo層と厚さ0.8nmのPt層との積層体が4回繰り返して積層され、最上層に厚さ0.3nmのCo層が形成された積層構造のものであり、非磁性中間層203は厚さ0.9nmのRu層であり、リファレンス層202は厚さ0.25nmのCo層と厚さ0.8nmのPt層との積層体が14回繰り返して積層された構造のものであり、キャップ層201は厚さ20nmのRu層である。
【0037】
(スパッタリング装置の説明)
図3を参照して、本実施形態に係るスパッタリング装置(以下、「成膜装置」ともいう)の構成について説明する。本実施形態に係るスパッタリング装置は、RFスパッタリング装置であり、上記
図1及び
図2に示すようなTMR素子におけるトンネルバリア層に用いられる酸化マグネシウム膜などの酸化膜その他の絶縁膜を成膜することができるものである。
【0038】
図3に示すように、成膜装置1は、処理室としての真空容器2を備える。真空容器2には、その内部を排気するための排気部としてのターボ分子ポンプ48およびドライポンプ49が排気ポート8を介して接続されている。また、成膜装置1は、真空容器2へ放電用のガスを導入可能なガス導入機構15を備えている。
【0039】
真空容器2の内部には、その上方において、被スパッタ面が露出している絶縁物ターゲット4がターゲットホルダ6に保持されている。絶縁物ターゲット4は、成膜すべき絶縁膜を構成する絶縁物材料からなるものであり、成膜すべき絶縁膜の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、酸化膜を成膜する場合には、酸化物ターゲットを用いることができる。特に、酸化マグネシウム膜を成膜すべき場合には、絶縁物ターゲット4として、酸化マグネシウムターゲットを用いることができる。
【0040】
なお、
図3では、絶縁物ターゲット4の数が2である場合を示しているが、絶縁物ターゲット4の数は3以上の数であってもよい。
【0041】
また、ターゲット4から放出されたスパッタ粒子が到達する所定の位置には、絶縁膜を表面に成膜すべき基板10を載置するための基板ホルダ7が設けられている。基板10は、真空容器2に設けられているゲートバルブ42を介して、搬入および搬出される。基板ホルダ7の基板載置面の周囲には、基板10の端部や側壁、裏面などへの膜の付着を防止するためのマスク11が設けられてもよい。基板ホルダ7は、基板10を載置している基板載置面を自転可能に構成され、基板10を載置した状態で、基板10をその面内で回転可能に構成されている。本実施形態においては、基板ホルダ7の回転軸と基板10の回転軸は一致するよう構成されている。基板ホルダ7の回転は、基板ホルダ駆動機構31によって制御される。
【0042】
そのほか、真空容器2には、真空容器2の内部の圧力を測定するための圧力計41が設けられている。また、真空容器2内において、基板ホルダ7の上方の空間の周囲を囲むように筒状のシールド40(防着シールド部材)が設けられている。
【0043】
絶縁物ターゲット4は、基板10の斜向かいに配置され、基板10に対して傾きを持って対向している。本実施形態においては、絶縁物ターゲット4の径は、基板10の径よりも小さなものが用いられている。本実施形態に示すように、絶縁物ターゲット4を基板ホルダ7及び基板10に対して傾斜して対向した位置に設けることで、絶縁物ターゲット4の径が小さなものを用いた場合にも、基板10上に成膜された絶縁膜について、基板10の面内で良好な膜厚分布が得られる。
【0044】
なお、絶縁物ターゲット4が基板ホルダ7及び基板10に対して傾斜しているとは、
図3に示すように、表面が平坦な未使用の絶縁物ターゲット4を用いた際に、その表面と基板10の表面とが平行ではないことをいう。
【0045】
ターゲットホルダ6には、高周波電源(以下、RF電源ともいう)12が接続されている。RF電源12とターゲットホルダ6との間には、不図示の整合器が設けられる。RF電源12により、ターゲットホルダ6に電圧が印加され、真空容器2の内部空間にプラズマが形成されることで、スパッタリングが行われる。ターゲットホルダ6の裏面には、マグネトロンユニット19が配置されている。マグネトロンユニット19により、ターゲット4の近傍にプラズマを閉じ込めるための磁力線が形成される。
【0046】
ターゲットホルダ6の近傍には、円筒状の防着部材3がターゲットホルダ6の周囲を覆うように設置されており、スパッタ粒子が真空容器2の内面に直接付着するのを防止している。また、ターゲットホルダ6と基板ホルダ7の間には、シャッター13が設けられている。シャッター13は、シャッター駆動機構14により制御されるようになっている。これにより、シャッター13は、絶縁物ターゲット4と基板10とが互いに傾斜して対向する開状態と、絶縁物ターゲット4と基板10とが互いに遮蔽された閉状態とを切り替え可能に構成されている。
【0047】
スパッタリング装置1では、MgOターゲットなどの絶縁物ターゲット4を2つ以上設けることも可能である。絶縁物ターゲット4を2つ以上配置することにより、1つの絶縁物ターゲット4を用いて放電した場合よりも成膜速度が速くなり、生産性を高めることができる。
【0048】
ガス導入機構15は、放電用のガスを導入するための配管、ガスを貯蔵するボンベ、ガスの流量を制御するためのマスフローコントローラー、ガスの流れを遮断したり開始したりするためのバルブ類、減圧弁やフィルターなどから構成されている。
【0049】
次に、
図4を用いて絶縁物ターゲット4と基板10との位置関係を説明するための、各種パラメータについて説明する。
【0050】
まず、角度θについて説明する。
図4に示すように、角度θは、直線N1と直線N3とがなす角度である。
【0051】
直線N3は、基板10の被処理面を含む面の法線である。あるいは、直線N3は、基板ホルダ7における基板10が載置される面により定義されてもよい。すなわち、直線N3は、基板ホルダ7の基板10が載置される面を含む面の法線であると定義することもできる。
【0052】
直線N1は、絶縁物ターゲット4の被スパッタ面の中心cを通る、絶縁物ターゲット4の被スパッタ面の法線である。なお、絶縁物ターゲット4は、基板10に対する成膜処理を行うことで、その被スパッタ面の形状が変化するが、直線N1は、絶縁物ターゲット4の使用による表面形状の変化に応じて変化するものではない。すなわち、直線N1は、絶縁物ターゲット4が未使用の、被スパッタ面の表面が平坦である状態をもって定義される。あるいは、直線N1は、ターゲットホルダ6における、絶縁物ターゲット4が載置される面により定義されてもよい。すなわち、直線N1は、ターゲットホルダ6における、絶縁物ターゲット4が載置されて面の法線であって、絶縁物ターゲット4の被スパッタ面の中心cを通過することになるものと定義することもできる。
【0053】
直線N2は、基板10の被成膜面の中心を通る、基板10の被成膜面の法線である。なお、基板10は、これに対する成膜処理を行うことで、その被成膜面の形状が変化するが、直線N2は、基板10が成膜される前の、被成膜面の表面が平坦である状態をもって定義される。あるいは、直線N2は、基板ホルダ7における、基板10が載置される面により定義されてもよい。すなわち、直線N2は、基板ホルダ7における、基板10の法線であって、基板10の被成膜面の中心を通過することになるものと定義することもできる。
【0054】
角度θは、直線N3と、絶縁物ターゲット4に関する直線N1が一致している状態を0度とする。そして、その状態から、絶縁物ターゲット4表面の中心を回転の中心として、直線N1と直線N3を含む面の面内方向に絶縁物ターゲット4を回転させたときの直線N3と直線N1とのなす角度をθと定義する。
【0055】
本実施形態に係る成膜装置1では、絶縁物ターゲット4の中心と基板10の中心とが互いにずれるように、ターゲットホルダ6と基板ホルダ7とが配置されている。本実施形態では、θ=0度の状態から、絶縁物ターゲット4の表面が基板10の側に向く方向に絶縁物ターゲット4を回転させた場合の角度を「+」、反対の方向に絶縁物ターゲット4を回転させた場合の角度を「−」とする。したがって、例えば0度<θ<+90度においては、絶縁物ターゲット4の中心法線である直線N1と、基板10の中心法線である直線N2とは、絶縁物ターゲット4を基準として基板10の側で交差することになる。
【0056】
次に、オフセット距離およびT/S距離について説明する。
【0057】
オフセット距離は、基板10の中心を通る直線N2と直線N3との間の距離である。
【0058】
T/S距離は、絶縁物ターゲット4の表面の中心位置から基板10の表面を含む面Sまでの直線N3に沿った距離である。あるいは、T/S距離は、ターゲットホルダ6における、絶縁物ターゲット4が載置される面と、基板ホルダ7における基板10が載置される面と、により定義されてもよい。
【0059】
なお、角度θについて基板10への成膜処理が可能な範囲において特に制限はない。ただし、基板10に絶縁膜を成膜した際の膜厚の面内分布、およびスパッタ粒子の基板10上への付着効率を考慮すると、15度≦θ≦60度であることが好ましい。
【0060】
次に、
図5を用いて、本実施形態の説明に用いられる「基板の表面を含む面における絶縁物ターゲットの投影面」について説明する。
【0061】
図5に示すように、基板10を含む面における絶縁物ターゲット4の投影面Pは、絶縁物ターゲット4の表面上の各点から、絶縁物ターゲット4の表面に対して垂直な方向に、すなわち直線N1に沿った方向に仮想上の直線を延ばし、各直線と基板10を含む面との交点を考えることで求めることができる。
【0062】
なお、本実施形態に係る成膜装置1において、基板ホルダ7には、上下動および水平移動可能な機構が設けられており、上記オフセット距離及びT/S距離をそれぞれ所定の距離に設定して成膜を実行することが可能になっている。また、ターゲットホルダ6には、上記基板10に対する絶縁物ターゲット4の角度θを変更可能な揺動機構が設けられており、所定の角度θに設定して成膜を実行することが可能になっている。
【0063】
また、本実施形態の説明に用いられる「基板の表面を含む面における絶縁物ターゲットの投影面の状態」について説明する。
【0064】
「基板の表面を含む面における絶縁物ターゲットの投影面の状態」は、基板の表面を含む面における絶縁物ターゲットの投影面の位置と、その投影面の形状とを用いて決定される。上述した、角度θ、T/S距離、およびオフセット距離の少なくともいずれかを変化させることで、基板10を含む面における絶縁物ターゲット4の投影面Pが変化する。例えば、角度θを変化させた場合、投影面の形状が変化する。また、T/S距離およびオフセット距離のうちの少なくとも一方を変化させた場合には、基板の表面を含む面におけるターゲットの投影面の位置が変化する。
【0065】
ここで、
図6に、絶縁物ターゲットとしてMgOターゲットを用い、T/S距離を変化させて絶縁膜としてのMgO膜を基板上に成膜した場合の、基板上の位置およびRA(抵抗面積積)の関係の例を示す。なお、角度θについては、いずれもθ=30度にて成膜を行った。
図6に示すグラフの横軸は、基板の中心を通る一直線上における基板の各点の位置を表しており、基板の中心を0としている。縦軸は、基板の各点の位置におけるRAを現している。RAは、基板の中心における値を1.0とし、標準化した値を示している。MgO以外の膜の構成については、
図2に示した構成と同様である。RAの測定は、
図2に示される積層構造を形成し、素子分離を行う前の状態において行った。
【0066】
図6に示す結果から分かるように、例えばT/S距離が240mmの場合、基板中心で最もRAが低く、基板外周に向かってRAが増加し、その後、最外周においてはわずかに低下する。一方、T/S距離を260mmとし、基板の表面を含む面におけるMgOターゲットの投影面を変化させた場合、基板中心付近で最もRAが高く、基板外周に向かってRAが低下していく。ここで、各T/S距離におけるRA分布(1σ、以下同様)を算出したところ、T/S距離240mmでは9.2%、250mmでは4.3%、260mmでは9.6%であった。なお、MgO膜を成膜した基板(ウェハ)端部から幅10mmの周縁部であるエッジエクスクルージョンについては、RAの測定を行わずRA分布の算出から除外した。
【0067】
上述したRA分布を低減するために、本実施形態では、2つの成膜過程を組み合わせて、スパッタ法により酸化膜などの絶縁膜の成膜を行う。
【0068】
具体的には、まず、基板ホルダとターゲットホルダとの相対的な位置関係が第1の関係にあるとき、あるいは、基板の表面を含む面における絶縁物ターゲットの投影面が第1の状態にあるときに第1の成膜過程を行う。この第1の成膜過程では、基板の中心部から周辺部にかけて所定の特性に関して第1の特性変化を有する膜が得られるように成膜する。ここで、所定の特性とは、例えば上述したRAといった電気的特性などである。
【0069】
そして、基板ホルダとターゲットホルダとの相対的な位置関係が第2の関係にあるとき、あるいは、基板の表面を含む面におけるターゲットの投影面が第2の状態にあるときに第2の成膜過程を行う。この第2の成膜過程では、基板の中心部から周辺部にかけて少なくとも一部に、第1の特性変化と同じ特性に関して第1の特性変化とは逆の傾向を有する第2の特性変化を有する膜が得られるように成膜する。
【0070】
一例としては、第1の成膜過程において、T/S距離を240mmとしてMgO膜の成膜を行い、次の第2の成膜過程において、T/S距離を260mmとしてMgO膜の成膜を行う。
【0071】
このような第1及び第2の成膜過程を含む工程を経ることで、第1の成膜過程において堆積される絶縁膜における、基板の中心部から周辺部の少なくとも一部にかけて生ずる第1の特性変化が、第2の成膜過程において堆積される絶縁膜における、基板の中心部から周辺部の少なくとも一部にかけて生ずる第2の特性変化によって相殺される。この結果、基板の中心部から周辺部に向かうRAなどの所定の特性のばらつきを低減することが可能となる。さらに、絶縁物ターゲットとして酸化物ターゲットを用いて酸化膜の形成を行うことにより、金属膜の酸化により酸化膜を形成する場合に比べて、高いMR比を得ることができる。
【0072】
図7に、本実施形態に係る方法を用いた場合の、基板面内の各点におけるRAのばらつきの例を示す。
図7に示すグラフの横軸および縦軸は
図6に示すグラフと同様である。本実験では、絶縁物ターゲットとしてMgOターゲットを用い、絶縁膜としてのMgO膜を基板上に成膜した。第1の成膜過程および第2の成膜過程における成膜時間の合計は65秒に固定している。そして第1の成膜過程においては、T/S距離を240mmとし、第2の成膜過程においてはT/S距離を260mmとし、各成膜過程における処理時間を変化させた場合の基板面内の各点におけるRAの変化を調べた。
【0073】
図7において、プロットaは、第1の成膜過程において50秒、第2の成膜過程において15秒の成膜を実行した場合の結果を示している。このときのRA分布は2.4%であった。プロットbは、第1の成膜過程において45秒、第2の成膜過程において20秒の成膜を実行した場合の結果を示している。このときのRA分布は3.4%であった。プロットcは、第1の成膜過程において32.5秒、第2の成膜過程において32.5秒の成膜を実行した場合の結果を示している。このときのRA分布は4.2%であった。
図7に示す結果から分かるように、本実施形態に係る方法を用いてMgO膜の成膜を行った場合、そのRA分布は、
図6に示す結果のいずれよりも良好なものとなった。
【0074】
ここで、本実施形態の説明において用いたRAについて説明を行う。RAは接合抵抗値を意味し、RA=Rp×A(Ω・μm
2)で定義される。ここで、Rpは、固定層と自由層の磁化が平行な(抵抗が低い)状態における抵抗値である。Aは、素子の断面積(電流方向に垂直な面)である。RAの測定には、米IBM社と独Infineon Technologies社が開発した技術であるCIPT(Current In-Plane Tunneling)法と、CAPRES社のマイクロスコピック12ポイントプローブの技術とを用いて開発された測定器で測定する方法を用いる。測定の対象としては、トンネル磁気抵抗膜を加工して形成されたTMR素子を用いて測定することができる。あるいは、より簡易的に測定できるCIPT測定器で測定したRA値を用いてもよい。本実施形態では、CIPT測定器で測定したRA値を用いている。
【0075】
CIPT法は、TMR膜の膜面に垂直方向の抵抗を測定し、磁気抵抗効果膜の表面に4本のプローブを接触させて抵抗値を測定する方法である。例として、
図1に示すTMR膜(TMR素子)を測定対象とした場合について説明する。CIPT法によって測定されるTMR膜の抵抗は、トンネルバリア層であるMgO層の上部の水平方向の抵抗Rtと、MgO層の下部の水平方向の抵抗Rbと、MgO層に垂直な方向の抵抗RAの合成抵抗となる。TMR膜の下部と上部の電極は、電気抵抗が小さい金属層とすることにより、MgO層の上部と下部の水平方向の抵抗を低減させ、合成抵抗のうちの垂直な方向の抵抗RAの測定精度を高めることができる。この様にCIPT法を用いることにより、接合抵抗値であるRAが測定可能となる。
【0076】
なお、上述の説明では、第1の成膜過程と第2の成膜過程とを単一の絶縁物ターゲットを用いて行う場合について説明した。しかしながら、各成膜過程は、同一の絶縁物材料製の複数の絶縁物ターゲットを用いて実行してもよい。複数の絶縁物ターゲットを同時にスパッタして成膜を行うことで、成膜速度を高め、生産性を向上させることが可能となる。
【0077】
また、上述の説明では、第1の成膜過程と第2の成膜過程を同一の絶縁物ターゲットを用いて行う場合について説明した。すなわち、所定の絶縁物ターゲットをスパッタして第1の成膜過程を行った後に、基板ホルダを駆動させ、T/S距離を変更したうえで、再度同一の絶縁物ターゲットをスパッタして第2の成膜過程を行っていた。しかしながら、第1の成膜過程において用いる絶縁物ターゲットと、第2の成膜過程において用いるターゲットとを同一絶縁物材料製だが別個の異なる絶縁物ターゲットとし、これらの絶縁物ターゲットを同時にスパッタすることで、第1の成膜過程および第2の成膜過程を同時に実行してもよい。これら異なる絶縁物ターゲットでは、互いにT/S距離を異なるものとする。この方法は、1つの基板ホルダに対して複数のターゲットホルダが設けられた装置において、ターゲットホルダと基板ホルダの距離が各々のターゲットホルダで異なるスパッタリング装置を用いることで実行可能である。このような方法を採ることで、T/S距離を変化させる工程が不要となるため、基板処理時間を短縮し、生産性を高めることが可能である。
【0078】
上述した実施形態では、T/S距離を変更することで、基板の被処理面を含む面における絶縁物ターゲットの投影面の状態を変化させていた。しかしながら、絶縁物ターゲットの投影面の状態を変化させる方法はこれに限定されるものではない。例えば、第1の成膜過程において用いる絶縁物ターゲットと、第2の成膜過程において用いる絶縁物ターゲットとの基板に対する傾き角度θ(
図4参照)を異ならせることで、基板の被処理面を含む面におけるターゲットの投影面を変化させることができる。
【0079】
このように、絶縁物ターゲットの基板に対する傾き角度θを変化させた場合にも、T/S距離を変化させた場合と同様に、基板の中心部から周辺部にかけて生ずる所定の特性に関する特性変化の傾向を変えることができる。例えば、第1の成膜過程において、θ=θ1である第1の絶縁物ターゲットをスパッタして酸化物層などの絶縁膜の成膜を行う。次に、第2の成膜過程において、θ=θ2(ただし、θ1≠θ2)である第2の絶縁物ターゲットをスパッタして酸化物層などの絶縁膜の成膜を行う。このとき、第2の成膜過程において成膜される絶縁膜は、第1の成膜過程で成膜される絶縁膜の基板の中心部から周辺部にかけて生ずる所定の特性に関する第1の特性変化に対して、基板中心部から周辺部にかけて少なくとも一部に、第1の特性変化と同じ特性に関して第1の特性変化とは逆の傾向を有する第2の特性変化を示す絶縁膜が得られるように、第2の成膜過程を行う。
【0080】
なお、絶縁物ターゲットの基板に対する傾き角度θを変化させる方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、同一の絶縁物ターゲットを用い、ターゲットホルダに、基板に対する角度θを変更可能な揺動機構を設け、第1の成膜過程を実行した後に、角度θを変更させ、第2の成膜過程を実行してもよい。あるいは、予め角度θ1に設定された絶縁物ターゲットを用いて第1の成膜過程を実行した後に、予め角度θ2に設定された別の絶縁物ターゲットを用いて第2の成膜過程を実行してもよい。または、予め角度θ1に設定された絶縁物ターゲットと、予め角度θ2に設定された別の絶縁物ターゲットとの両方を用いて、同時に成膜過程を行うことで、第1の成膜過程および第2の成膜過程を同時に実行してもよい。
【0081】
また、上記のように、T/S距離を変更したり角度θを変化させたりすることとともに、またはこれらに代えて、オフセット距離(
図4参照)を変更することにより、基板の被処理面を含む面におけるターゲットの投影面を変化させることもできる。
【0082】
ここで、
図8および
図9を用いて、上記実施形態の各工程における装置の各要素の動作を説明する。
図8は、上記実施形態に係るRFスパッタリング処理を示すフローチャートである。また、
図9は、
図8で説明したフローチャートを実行する際の各時点における「RF電力」、「T/S距離」、「基板ホルダの回転」および「シャッターの位置」の各々の状態を表したタイミングチャートである。
【0083】
ステップS91では、基板搬送口であるゲートバルブ42を介して、基板10を真空容器2内に搬送し、基板ホルダ7上に保持させる。このとき基板ホルダ7は、不図示の基板保持手段との間で基板の受け渡しを行うために、「搬送位置」に位置する。
【0084】
なお、放電開始前の所定のタイミングで、ターボ分子ポンプ48およびドライポンプ49により所定の圧力になるように真空容器2内を排気するとともに、ガス導入機構15により真空容器2内に放電用のガスを導入する。
【0085】
ステップS92では、基板ホルダ駆動機構31を駆動することで、基板ホルダ7とターゲットホルダ6との相対的な位置関係が第1の関係となるように基板ホルダ7を上下動させる。これにより、T/S距離を所定の距離に設定する。
図9では、このときの基板ホルダ7の位置を「第1の位置」として示している。なお、搬送位置と第1の位置は同じであってもよい。また、このとき、基板ホルダ7の上下動とともに、または基板ホルダ7の上下動に代えて、ターゲットホルダ6の揺動機構により角度θを所定の角度に設定してもよい。
【0086】
続いてステップS92では、基板ホルダ駆動機構31によって基板ホルダ7を回転させるとともに、絶縁物ターゲット4に対してRF電源12によりRF電力を印加して放電を行う。このとき、絶縁物ターゲット4の近傍に配されるシャッター13は、絶縁物ターゲット4と基板10との間(遮蔽位置)に位置している。このように放電開始時においてシャッター13により絶縁物ターゲット4を遮蔽しているのは、放電開始時はスパッタレートが安定しないためである。
【0087】
スパッタレートが安定した後は、ステップS93で、シャッター13を絶縁物ターゲット4と基板10との間ではない位置(非遮蔽位置)に移動させ、基板10に第1の成膜過程のRFスパッタリングを行う。これにより、MgO膜などの絶縁膜を成膜する。
【0088】
次のステップS94では、シャッター13を遮蔽位置に移動させることで成膜を一時的に停止する。そして、基板ホルダ駆動機構31を駆動することで、基板ホルダ7とターゲットホルダ6との相対的な位置関係が第2の関係となるように基板ホルダ7を上下動させる。これにより、ステップS92で設定したT/S距離を変更する。
図9では、このときの基板ホルダ7の位置を「第2の位置」として示している。なお、このとき、基板ホルダ7の上下動とともに、または基板ホルダ7の上下動に代えて、ターゲットホルダ6の揺動機構により角度θをステップS92での角度から変更してもよい。
【0089】
次のステップS95では、再度シャッター13を非遮蔽位置に移動させ、基板10に第2の成膜過程のRFスパッタリングを行う。これにより、MgO膜などの絶縁膜を成膜する。
【0090】
次のステップS96では、RF電源12によるRF電力の印加を停止するとともに、シャッター13を遮蔽位置に移動させて成膜を終了させる。なお、RF電力の印加の停止と、シャッター13の遮蔽位置への移動は同時でなくともよい。
【0091】
次のステップS97では、基板10を搬送位置に移動させるために基板ホルダ駆動機構31によって基板ホルダ7を搬送位置に移動させる。その後、基板10を真空容器2から搬出し、RFスパッタリング処理が完了となる。
【0092】
なお、
図9では、ステップS92乃至ステップS95、すなわち第1の成膜過程、T/S距離の変更および第2の成膜過程に亘って継続してRF電力が印加されている場合について示している。しかしながら、RF電力の印加はこの場合に限定されるものではなく、例えば、RF電力の印加をステップS92乃至ステップS95の各々のステップの切り替わりの際に停止してもよい。ただし、ステップS92乃至ステップS95に亘って継続してRF電力を印加することは、RF電力の印加を開始してからスパッタレートが安定するまでの待機時間を省略できるため、スループット向上の観点から好ましい。
【0093】
ここで、
図10を用いて本実施形態に係るスパッタリング装置を動作させるための制御装置について説明する。
図10は、本実施形態に係るスパッタリング装置に用いられる制御装置を示している。
【0094】
図10に示すように、制御装置は、記憶装置51を具備する主制御部50を備えている。主制御部50に具備された記憶装置51には、本実施形態に係る種々の基板処理プロセスを実行する制御プログラムが格納されている。例えば、制御プログラムは、マスクROMとして実装される。あるいは、ハードディスクドライブ(HDD)などにより構成される記憶装置51に、外部の記録媒体やネットワークを介して制御プログラムをインストールすることも可能である。主制御部50は、ターゲットに高周波電力を印加するためのRF電源12、基板ホルダ駆動機構31、シャッター駆動機構14、及びゲートバルブ42等とそれぞれ電気的に接続されている。これにより、制御装置の主制御部50は、スパッタリング装置1の動作を管理し、制御できるように構成されている。
【0095】
記憶装置51は、さらに第1の成膜過程および第2の成膜過程を実行するためのデータを保持していてもよい。例えば、記憶装置51は角度θ、T/S距離およびオフセット距離の各々に関して、基板の中心部から周辺部の少なくとも一部にかけて接合抵抗値が減少する膜が得られる条件と、基板の中心部から周辺部の少なくとも一部にかけて接合抵抗値が増加する膜が得られる条件とを保持している。そして、記憶装置51が、これらの条件を第1の成膜過程および第2の成膜過程において用いる条件として予め記憶していてもよい。
【0096】
(MRAMについての説明)
次に、上記TMR素子の製造方法を用いて製造したTMR素子を用いたMRAMについて説明する。
図11は、MRAM700の概略構造を示す断面図である。
【0097】
MRAM700の基板701には、薄膜トランジスタTrが形成されている。薄膜トランジスタTrのソース/ドレイン拡散層は、コンタクトプラグ703、配線704−1、配線704−2、および下部電極層705を介してTMR素子710に電気的に接続されている。
【0098】
TMR素子710は、下部電極層705の上側に形成された固定磁性層720と、固定磁性層720上に形成されたトンネルバリア層721と、トンネルバリア層721上に形成された自由磁性層722とを有している。
【0099】
また、TMR素子710の下側には、下部電極層705の下方に離間するワード線706が配設されている。ワード線706は、紙面に対して垂直方向に延びる帯状に形成されている。また、TMR素子710の上側には、ワード線706と直交する方向に延びる帯状のビット線707が配設されている。すなわち、TMR素子710は、互いに直交するワード線706とビット線707との間に配設されている。
【0100】
TMR素子710は、下部電極層705の上側に、固定磁性層720、トンネルバリア層721、および自由磁性層722を積層し、これら固定磁性層720、トンネルバリア層721、および自由磁性層722にエッチングを施してパターニングすることによって形成されている。
【0101】
本実施形態に係る方法を用いて製造されたTMR素子710を用いることで、磁気抵抗効果の再現性やウェハ内の面内均一性を改善することができ、MRAMの生産性である歩留りを向上させることができる。