(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第一の実施形態)
以下、本発明の第一の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る液体管理システムの基本構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る液体管理システム1Aは、半導体ウエハの洗浄装置100と接続され、該洗浄装置100に対して洗浄・乾燥液を供給する。なお、ここでは洗浄装置100に関する詳しい説明は省略するが、該洗浄装置100は、液体管理システム1Aから供給される洗浄・乾燥液を用いて半導体ウエハの洗浄を行う洗浄槽を少なくとも備えている。
【0019】
図1に示すように、液体管理システム1Aは、アルコール(本実施形態ではIPA)と純水(本実施形態では超純水)を混合した洗浄・乾燥液(以下、「洗浄液」と総称する。)が調製される混合槽4と、IPAを混合槽4に供給するアルコール供給手段と、超純水を混合槽4に供給する純水供給手段と、混合槽4に接続された濃度測定手段(濃度測定装置5)と、廃液タンク6と、当該システム1Aを統括的に制御する制御部7とを有する。
【0020】
上記したアルコール供給手段は、
図1に示すIPA供給源2、配管10および弁15aを少なくとも有する。
【0021】
IPA供給源2は、例えば、IPAが貯留された容器と、その容器内のIPAを混合槽4に圧送する手段とを有する。IPAを圧送する手段の具体例としては、ガス加圧やポンプ等が挙げられる。配管10は、IPA供給源2と混合槽4とを接続しており、IPA供給源2から混合槽4へIPAを導入するための流路を形成している。弁15aは、配管10に設けられるとともに、制御部7によって制御されており、IPAの導入開始又は導入停止やIPAの導入量などを調節する。
【0022】
上記した純水供給手段は、
図1に示す超純水供給源3、配管11および弁15bを少なくとも有する。
【0023】
配管11は、超純水供給源3と混合槽4とを接続しており、超純水供給源3から混合槽4へ超純水を導入するための流路を形成している。弁15bは、配管11に設けられるとともに、制御部7によって制御されており、超純水の導入開始又は導入停止や超純水の導入量などを調節する。超純水供給源3は、配管11を介して混合槽4と直接的に接続された超純水製造装置であってよい。また、超純水供給源3は、超純水製造装置によって製造された超純水を貯留するタンクと、該タンクに貯留されている超純水を配管11を介して混合槽4へ圧送するポンプ等を有していてもよい。
【0024】
IPAと超純水の供給直後の混合槽4内の洗浄液の濃度を均一にするため、混合槽4には攪拌機構が備えられているのが好ましく、例えば、ポンプ等による洗浄液の循環、ガス(N
2等)を吹き込んで攪拌できるようにされているのが好ましい。また、混合槽4の前段にラインミキサーを設け、配管10と配管11を合流させてラインミキサーを介して混合された洗浄液を混合槽4に貯留させてもよい。さらに、混合槽4の代わりにラインミキサーを設けてラインミキサーで混合された洗浄液を直接洗浄装置100に供給してもよい。したがって、特許請求の範囲で言う混合手段には混合槽のみならず、それ以外のものも包含する。
【0025】
混合槽4と濃度測定手段(濃度測定装置5)とは、配管12を介して互いに接続されている。混合槽4と廃液タンク6とは、配管13を介して互いに接続されている。
【0026】
そして、混合槽4と洗浄装置100とが配管14aを介して互いに接続され、配管14aを含む第一の送液手段により、混合槽4から濃度調整された洗浄液が洗浄装置100へ送られる。ここで、混合槽4内の洗浄液の成分濃度と、混合槽4から流出した直後の洗浄液の成分濃度とは実質的に同一である。よって、配管14a上に濃度測定装置5を設ける場合も、配管14aから分岐させた不図示の配管に濃度測定装置5を接続する場合も、混合槽4内の洗浄液の成分濃度を測定することが可能である。すなわち、本発明における洗浄液の成分濃度測定には、混合槽4内の洗浄液の成分濃度を測定することと、混合槽4から流出した直後の洗浄液の成分濃度を測定することの双方が含まれる。
【0027】
さらに、液体管理システム1Aは、洗浄装置100から排出された洗浄液を濃縮して混合槽4へ戻す濃縮器16を具備する。このため、洗浄装置100と濃縮器16とが配管14bを介して互いに接続され、配管14bを含む第二の送液手段により、洗浄装置100から排出された洗浄液が濃縮器16へ送られる。さらに、混合槽4と濃縮器16とが配管14cを介して互いに接続され、配管14cを含む第三の送液手段により、濃縮器16で濃縮された洗浄液が混合槽4へ送られる。そして廃液タンク6と濃縮器16とは、配管14dを介して互いに接続され、配管14dを含む第四の送液手段により、濃縮器16から出た廃液は廃液タンク6へ送られる。各々の送液手段には、目的の方向に液流を起こすポンプなどが必要に応じて設けられる。
【0028】
濃縮器16の濃縮手段には、浸透気化法(PV法;Pervaporation)や蒸発透過法(VP法;Vapor Permeation)のような膜分離技術を適用することが好ましい。熱源が小さくできる点でPV法が好ましい。一方、VP法は、装置の小型化および高効率に濃縮することができる。PV法やVP法で使用される膜は、既存のものが使用できる。例えば、ゼオライトなどの無機系、ポリイミド系、セルロース系、ポリビニルアルコール系の素材からなる膜などがある。
【0029】
ゼオライトは、機械的強度、脱水性能、耐熱性に優れており、高効率に濃縮することができる。ただし、耐水性が低いためIPA濃度が80%以上の液を処理する場合に適している。また、ゼオライトからの溶出を特に気にする場合は、VP法を適用するのが好ましい。ポリイミド系等の高分子系からなる膜は、ゼオライトよりも耐水性があり、IPA濃度が60%程度であっても処理することができる。
【0030】
次に、上記構成を有する液体管理システム1Aの動作について説明する。まず、制御部7によって、
図1に示す弁15a、15bが同時に、または順次に開かれるとともに、IPA供給源2および超純水供給源3からIPAおよび超純水が混合槽4へ供給される。ここでは、予め定められている一定の割合でIPAと超純水とが供給される。換言すれば、理想的な成分濃度(以下「理想濃度」と呼ぶ。)を有する洗浄液が得られるように予め定められた量のIPAと超純水とがそれぞれ供給される。これにより、混合槽4内でIPAと超純水とが混合され洗浄液が作られる。もっとも、この時点では、混合槽4内の洗浄液の成分濃度が理想濃度と完全に一致しているとは限らない。なぜなら、混合槽4には一定の割合でIPAと超純水とが供給されるが、この割合は計算上の割合だからである。
【0031】
混合槽4にIPAおよび超純水が供給され、所定量の洗浄液が作られると、弁15a、15bが閉じられる。次いで、濃度調整処理が開始される。具体的には、制御部7による制御の下、配管12を介して混合槽4内の洗浄液の一部が抜き取られ、その成分濃度が濃度測定装置5によって測定される。その後、濃度測定装置5による測定結果に応じて弁15aと弁15bの双方または一方が再度開かれるとともに、IPA供給源2と超純水供給源3の双方または一方によって、IPAと超純水の双方または一方が混合槽4へ補充される。より具体的には、混合槽4内の洗浄液の成分濃度を理想濃度に一致させるべく、濃度測定装置5による濃度測定と、IPAおよび/または超純水の補充とが何度か繰り返される。また、所定量の洗浄液を作るためのIPAおよび超純水の混合槽4への供給と、濃度調整処理とを同時に実行することもできる。具体的には、IPAおよび超純水を混合槽4に供給しつつ、混合槽4内の洗浄液の一部を抜き取って成分濃度を測定し、その測定結果に応じて弁15aと弁15bの双方または一方を開閉したり、開度を調整したりしてもよい。いずれにしても、本実施形態における制御部7は、本願請求項
1に係る発明の第一の制御手段として機能する。
【0032】
濃度測定のために抜き取られた洗浄液は、汚染の度合いに応じて混合槽4に戻されるか、廃棄(廃液タンク6に送ってもよく、別のラインで排出してもよい。)される。濃度測定装置5が配管14aから分岐されて接続されている場合は、配管14aに戻すか、洗浄装置100に送ってもよい。もっとも、濃度測定装置5としてカールフィッシャー水分計を用いる場合には、洗浄液に試薬を使用する必要がある。よって、濃度測定後の洗浄液は廃棄することが好ましい。
【0033】
上記のようにして理想濃度またはこれに近似した濃度の洗浄液が作られると、混合槽4から洗浄装置100への洗浄液の供給と、洗浄装置100から混合槽4への洗浄液の回収が開始される。具体的には、洗浄液が混合槽4から洗浄装置100と濃縮器16を経て再び混合槽4へと循環するように配管14a,14b,14cが設けられており、まず、混合槽4内の濃度調整された洗浄液は配管14aを介して洗浄装置100の洗浄槽へ供給される。続いて、洗浄装置100の洗浄から排出された洗浄液は配管14bを介して濃縮器16に送られる。
【0034】
洗浄槽では、洗浄液や水分がウエハの付着物として持ち出されたり持ち込まれたり、あるいは、蒸発などの影響により、ウエハ洗浄の過程で、洗浄槽での洗浄液のIPA濃度や不純物量が異なる。しかし一般には純水の混入、IPA蒸発などで、洗浄装置100から排出される洗浄液のIPA濃度は、混合槽4から洗浄装置100に供給される洗浄液のIPA濃度と比べて低下する。したがって、濃縮器16でIPAの濃縮を行う。
【0035】
濃縮器16を経た濃縮液は配管14cを介して混合槽4に送られ、濃縮器16から出る廃液は廃液タンク6へ送られる。混合槽4ではIPA供給手段や超純水供給手段により洗浄液のIPA濃度が調整され、この濃度調整された洗浄液は再び配管14aを介して洗浄装置100に送られる。このように、洗浄液は混合槽4から洗浄装置100と濃縮器16を経て再び混合槽4へと循環する。これにより、洗浄工程を停止させることなく、理想濃度の洗浄液を洗浄装置100に供給できる。
【0036】
本出願人は、特願2011−084456号および特願2011−084457号に示すように、
図1に示す構成において濃縮器16を使用せずに供給用配管と回収用配管のみにより、洗浄装置100と混合槽4との間で洗浄液を循環させつつ、該洗浄液の濃度を一定の範囲内に維持可能な液体管理システムを提案している。
【0037】
これらの先願発明では、洗浄液(IPAと純水を含む液体)の濃度を一定の範囲内に維持するために、アルコール供給手段と純水供給手段からアルコール又は純水の供給・制御を行っている。しかし、洗浄液の濃度条件等によっては、濃度調整に必要なアルコール又は純水量が多くなり、洗浄液の量が必要以上に多くなり、洗浄液(すなわち、アルコールと純水)を無駄に調製することになる点が懸念された。
【0038】
例えば、洗浄液のIPA濃度を95%に管理するとき、洗浄装置100への供給流速(平均)を1L/min、洗浄液の消失量を0.2L/min、洗浄装置100での純水混入量を0.1L/minとすると、洗浄装置100から混合槽4へ回収される洗浄液は流量(平均)0.9(=1−0.2+0.1)L/minで、IPA濃度84.4%となる。このとき、洗浄液の濃度を95%とするには、回収される洗浄液に対して99.9%のIPAを1.9L/min加える必要があり((84.4*0.9+99.9X)/(0.9+X)=95より、X=1.9)、濃度調整後の流量は2.8(=0.9+1.9)L/minとなるので、系内の液量は増加する(増加速度1.8(=2.8−1)L/min)。したがって、濃度調整された洗浄液の一部を系外に排出するか、もしくは、回収した洗浄液を一部捨ててその回収液量(回収率)を少なくするなどの対応が必要となり、いずれの対応もIPAを無駄に消費することになる。
【0039】
また、管理すべき洗浄液のIPA濃度が低い場合でも、洗浄装置100での純水混入量が多い(=洗浄装置で洗浄液が大きく希釈される)とIPAを無駄に消費する。例えば、洗浄液のIPA濃度を20%に管理するとき、洗浄装置100への供給流速(平均)を1L/min、洗浄液の消失量を0.1L/min、洗浄装置100での純水混入量を0.9L/minとすると、洗浄装置100から混合槽4に回収される洗浄液は流量(平均)1.8L/minで、IPA濃度10.0%となる。このとき、洗浄液の濃度を20%とするには、回収される洗浄液に対して99.9%のIPAを0.2L/min加える必要があり((10*1.8+99.9X)/(1.8+X)=20より、X=0.2)、濃度調整後の流量は2.0L/minとなるので、系内の液量は増加する(増加速度1.0(=2.0−1)L/min)。したがって、この場合も濃度調整された洗浄液の一部を系外に排出するか、もしくは、回収した洗浄液を一部捨ててその回収液量(回収率)を少なくするなどの対応が必要となり、いずれの対応もIPAを無駄に消費することになる。
【0040】
このような先願発明への懸念に対し、本実施形態は、洗浄装置100から混合槽4へ洗浄液を回収するための液体回収路に濃縮器16を設けたことにより、回収する洗浄液の濃縮を行い、洗浄液を循環させられるので、濃度調整のために添加するIPAの使用量を少なくすることができる。
【0041】
さらに、濃縮器16から混合槽4へ送る濃縮液のIPA濃度を一定の範囲(好ましくは理想濃度)に調整しておくことにより、混合槽4での濃度管理を安定的に高精度で行うことができる。また、洗浄液の系外への廃液量も少なくなる。
【0042】
「液量調整処理」
また本実施形態においては、混合槽4内の液体の量を所定の液量範囲内に維持する液量調整処理が行われてもよい。この場合、混合槽4内に不図示の液量測定手段(レベルセンサ)が設けられて、混合槽4内の洗浄液の液面(液量)が連続的または断続的に監視される。制御部7は、レベルセンサの監視結果に基づいて液量調整処理を実行する。具体的には、レベルセンサによる監視によって、混合槽4内の洗浄液の液量が、所定の液量範囲(混合槽4と洗浄装置100との間を循環可能で、洗浄槽における半導体ウエハの洗浄・乾燥に十分な量の範囲)を超えて減少していることが検知されると、弁15a、15bが開かれ、IPA供給源2および超純水供給源3から混合槽4へIPAおよび超純水が一定の割合で供給される。一方、レベルセンサによる監視によって、混合槽4内の洗浄液の液量が、所定の液量範囲を超えて増加していることが検知されると、制御部7は、廃液手段を制御して、混合槽4内の洗浄液の一部を廃棄させる。具体的には、配管13上の不図示の弁を開かせ、混合槽4内の洗浄液の一部を廃液タンク6へ廃棄させる。このようにして、混合槽4内には、理想濃度またはこれに近似した濃度を有する洗浄液が常に所定量だけ保持される。すなわち、本実施形態における制御部7は、本願請求項
3に係る発明の第二の制御手段としても機能する。
【0043】
しかし、上記のように洗浄液が循環する間にも、様々な要因によって洗浄液の成分濃度が変化する。最も一般的な濃度変化は、IPA濃度の低下であるが、それ以外の濃度変化もあり得る。そこで、洗浄液の循環中においても、上記濃度調整処理が連続的または断続的に実行される。具体的には、制御部7の制御の下、洗浄液の成分濃度が濃度測定装置5によって連続的または断続的に測定され、洗浄液の成分濃度が所定の濃度範囲を超えて変化している場合には、IPAと超純水の双方または一方が混合槽4へ補充される。具体的には、濃度測定装置5の測定結果に応じて、弁15aと弁15bの双方または一方が開かれるとともに、IPA供給源2と超純水供給源3の双方または一方が作動されて、IPAと超純水の双方または一方が混合槽4へ補充される。
【0044】
ここで、濃度調整に必要なIPAの量をなるべく少なくする観点からは、濃度調整処理の実行に先立って液量調整処理を実行することが好ましい。さらに、液量調整処理では、混合槽4内の洗浄液の量が所定の液量範囲内であって、かつ、該液量範囲の上限に達しない量に調整し、濃度調整処理では、混合槽4内の洗浄液の量が液量範囲の上限を超えないように、IPAと純水の双方または一方を供給する。
【0045】
濃度測定装置5としては、超音波濃度計、比抵抗計、赤外分光計、ブリックス計、比重計などを用いることもできる。また、液量測定手段としては、ロードセルを用いて混合槽4の荷重から混合槽4内の液量を求めるものでもよい。
【0046】
なお、上述の配管上には必要に応じてポンプや弁が設置される。また、必要に応じてフィルタを設置することもできる。さらに、配管上に熱交換器を設置して洗浄液の温度管理を行ってもよい。
【0047】
「汚染された洗浄液の処理」
さらに、半導体ウエハの洗浄・乾燥により洗浄液が不純物で汚染された場合などには、洗浄液を入れ替えてもよいが、本実施形態であれば、汚染された洗浄液の一部を配管13を介して廃液タンク6に抜き出し、IPAおよび超純水を混合槽4に供給することによって、不純物を希釈して理想濃度の洗浄液を作ることができる。これにより、汚染された洗浄液の全てを入れ替えなくても、洗浄工程を停止させることなく、理想濃度の洗浄液を洗浄装置に供給できる。該洗浄液の抜き出しと不純物の希釈は、別々に行ってもよいし、同時に行ってもよい。不純物を希釈するためのIPAと超純水の使用量を少なくするには、洗浄液の一部を抜き出して容量を少なくしてからIPAおよび超純水を混合槽4に供給して、不純物の希釈を行うことが好ましい。洗浄液が不純物で汚染された場合であって、混合槽4の液量が低下している場合には、汚染された洗浄液を廃液タンク6に抜き出さずにIPAおよび超純水を混合槽4に供給することによって、不純物を希釈して理想濃度の洗浄液を作ることができる。洗浄液の不純物濃度を監視するには、例えば、配管14a、14b、14cまたは12上またはこれらの分岐ラインや、混合槽4に直接接続されたサンプリングラインを介して、微粒子検出器(微粒子計)を設け、洗浄液中の微粒子(不純物)の量を監視すればよい。また、不純物が光を吸収する性質を持つ場合には、吸光光度計によって不純物の量を監視することもできる。
【0048】
(第二の実施形態)
以下、本発明の第二の実施形態について詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る液体管理システムの基本構成を示すブロック図である。
【0049】
図2に示される液体管理システム1Bは、洗浄装置100と混合槽4と濃縮器16の間での洗浄液の供給/回収用配管の接続構成以外の点は、第一の実施形態に係る液体管理システム1Aと本質的に同一の構成を有する。よって、液体管理システム1Aと共通する構成については
図2中に同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
本実施形態では、
図2に示すように、洗浄装置100と濃縮器16とは連通されておらず、洗浄装置100と混合槽4とが配管14a,14eを介して互いに接続されている。配管14aは、第一の実施形態と同様に混合槽4から濃度調整された洗浄液を洗浄装置100へ送る第一の送液手段を成す。配管14eは、洗浄装置100から排出された洗浄液を混合槽4へ送る第五の送液手段を成す。
【0051】
さらに、混合槽4と濃縮器16とが配管14c,14fを介して互いに接続されている。配管14cは、第一の実施形態と同様に濃縮器16で濃縮された洗浄液を混合槽4へ送る第三の送液手段を成す。配管14fは、洗浄装置100から排出された洗浄液を含んだ混合槽4内の洗浄液を濃縮器16へ送る第六の送液手段を成す。各々の送液手段には、目的の方向に液流を起こすポンプなどが必要に応じて設けられる。
【0052】
図2に示される液体管理システム1Bでは、まず、混合槽4で濃度管理された洗浄液は配管14aを介して洗浄装置100の洗浄槽へ供給される。洗浄装置100の洗浄槽から排出された洗浄液は配管14eを介して混合槽4に送られる。
【0053】
洗浄槽では、洗浄液や水分がウエハの付着物として持ち出されたり持ち込まれたり、あるいは、蒸発などの影響により、ウエハ洗浄の過程で、洗浄槽での洗浄液のIPA濃度や不純物量が異なる。しかし一般には純水の混入、IPA蒸発などで、洗浄装置100から排出される洗浄液のIPA濃度は、混合槽4から洗浄装置100に供給される洗浄液のIPA濃度と比べて低下する。したがって、混合槽4の洗浄液のIPA濃度は低下する傾向を示す。この洗浄槽から排出された洗浄液を含む混合槽4内の洗浄液を配管14fで濃縮器16に送り、IPAの濃縮を行う。
【0054】
濃縮器16の濃縮手段には、第一の実施形態と同様に、ゼオライト、ポリイミド系などからなる膜を用いたPV法またはVP法を適用することが好ましい。
【0055】
濃縮器16を経た濃縮液は配管14cを介して混合槽4に送られ、濃縮器16からの廃液は廃液タンク6へ送られる。混合槽4ではIPA供給手段や超純水供給手段により洗浄液のIPA濃度が調整され、この濃度調整された洗浄液は再び配管14aを介して洗浄装置100に送られる。このように、洗浄液は混合槽4と洗浄装置100の間、ならびに混合槽4と濃縮器16の間で循環するようになっている。これにより、洗浄工程を停止させることなく、理想濃度の洗浄液を洗浄装置100に供給できる。
【0056】
本実施形態は、混合槽4に回収された洗浄液を抜き出して濃縮した上で混合槽4に戻す濃縮器16を設けたことにより、第一の実施形態と同様、濃度調整のために添加するIPAの使用量を少なくすることができる。さらに、濃縮器16から混合槽4へ送る濃縮液のIPA濃度を一定の範囲(好ましくは理想濃度)に調整しておくことにより、混合槽4での濃度管理を安定的に高精度で行うことができる。また、洗浄液の系外への廃液量も少なくなる。
【0057】
とりわけ本実施形態は、洗浄装置100から回収した洗浄液を含む混合槽4内の洗浄液を抜き出して濃縮器16で濃縮した後に混合槽4に戻す構成であるため、混合槽4でのIPA濃度範囲の許容値を大きくとれる場合に適用できる。
【0058】
なお、配管14c,14fを用いた濃縮処理は、定常的に又は非定常的に行われてもよい。非定常の場合、混合槽4内が予め設定したIPA濃度以下となった時点で濃縮処理を開始し、一定の時間の濃度処理を行うか、又は、混合槽4のIPA濃度が別に設定した濃度以上となるまで濃縮処理を行う。
【0059】
また、混合槽4では、第一の実施形態と同様の液量調整処理や、汚染された洗浄液の処理を行うことが好ましい。
【0060】
(第三の実施形態)
以下、本発明の第三の実施形態について詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係る液体管理システムの基本構成を示すブロック図である。
【0061】
図3に示される液体管理システム1Cは、第一の実施形態に係る液体管理システム1Aにおいて洗浄装置から排出された洗浄液を精製する精製装置を濃縮器16の前段と後段のいずれか一方または両方に設けた点以外は、第一の実施形態に係る液体管理システム1Aと本質的に同一の構成を有する。よって、液体管理システム1Aと共通する構成については
図3中に同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
本実施形態では、
図3に示すように、洗浄装置100と精製装置17とが配管14bを介して互いに接続され、配管14bを含む第二の送液手段により、洗浄装置100から排出された洗浄液が精製装置17へ送られる。精製装置17は濃縮器16の液体導入側に配置されている。配管14cは、第一の実施形態と同様に濃縮器16で濃縮された洗浄液を混合槽4へ送る第三の送液手段を成す。各々の送液手段には、目的の方向に液流を起こすポンプなどが必要に応じて設けられる。
【0063】
なお、
図3では濃縮器16の前段に精製装置17を設置した構成を示しているが、前述のとおり、精製装置17は濃縮器16の後段または前後双方に設けられていてもよい。精製装置17を濃縮器16の後段に、すなわち濃縮器の液体導出側に設置する場合は、洗浄装置100と濃縮器16とを配管14bで接続し、精製装置17と混合槽4とを配管14cで接続する。
【0064】
図3に示される液体管理システム1Cでは、まず、混合槽4内の濃度調整された洗浄液は配管14aを介して洗浄装置100の洗浄槽へ供給される。続いて、洗浄装置100の洗浄槽から排出された洗浄液は配管14bを介して精製装置17に送られる。精製装置17を経た洗浄液は濃縮器16で処理される。
【0065】
洗浄槽では、洗浄液や水分がウエハの付着物として持ち出されたり持ち込まれたり、あるいは、蒸発などの影響により、ウエハ洗浄の過程で、洗浄槽での洗浄液のIPA濃度や不純物量が異なる。しかし一般には純水の混入、IPA蒸発などで、洗浄装置100から排出される洗浄液のIPA濃度は、混合槽4から洗浄装置100に供給される洗浄液のIPA濃度と比べて低下する。したがって、濃縮器16でIPAの濃縮を行う。また、洗浄装置100、ウエハ付着物、配管などからの不純物により、洗浄液の不純物量は上昇するため、精製装置17で、洗浄装置100から排出された洗浄液の不純物除去を行う。
【0066】
濃縮器16の濃縮手段には、第一の実施形態と同様に、ゼオライト、ポリイミド系などからなる膜を用いたPV法またはVP法を適用することが好ましい。
【0067】
精製装置17は、除去する対象によって適宜選択される。例えばイオン交換樹脂塔、イオン吸着膜、フィルタ(精密ろ過膜)、蒸留缶、蒸発缶などを精製装置17として適宜使用することができる。
【0068】
濃縮器16を経た濃縮液は配管14cを介して混合槽4に送られ、濃縮器16からの廃液は廃液タンク6へ送られる。混合槽4ではIPA供給手段や純水供給手段により洗浄液のIPA濃度が調整され、この濃度調整された洗浄液は再び配管14aを介して洗浄装置100に送られる。このように、洗浄液は混合槽4から洗浄装置100と精製装置17および濃縮器16を経て再び混合槽4へと循環する。これにより、洗浄工程を停止させることなく、理想濃度の洗浄液を洗浄装置100に供給できる。
【0069】
本実施形態は、洗浄装置100から混合槽4へ洗浄液を戻すための液体回収路に濃縮器16を設けたことにより、第一の実施形態と同様、濃度調整のために添加するIPAの使用量を少なくすることができる。さらに、濃縮器16から混合槽4へ送る濃縮液のIPA濃度を一定の範囲(好ましくは理想濃度)に調整しておくことにより、混合槽4での濃度管理を安定的に高精度で行うことができる。また、洗浄液の系外への廃液量も少なくなる。
【0070】
とりわけ本実施形態では、第一の実施形態に対して精製装置17が濃縮器16の前段と後段のいずれか一方または両方に設けられたため、高純度の洗浄液を安定して洗浄装置100へ供給することができる。
【0071】
また、混合槽4では、第一の実施形態と同様の液量調整処理を行うことが好ましい。
【0072】
(第四の実施形態)
以下、本発明の第四の実施形態について詳細に説明する。
図4は、本実施形態に係る液体管理システムの基本構成を示すブロック図である。
【0073】
図4に示される液体管理システム1Dは、第二の実施形態に係る液体管理システム1Bにおいて使用済洗浄液を精製する精製装置17を濃縮器16の前段と後段のいずれか一方または両方に設けた点以外は、第二の実施形態に係る液体管理システム1Bと本質的に同一の構成を有する。よって、液体管理システム1Bと共通する構成については
図4中に同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
本実施形態では、
図4に示すように、混合槽4と精製装置17とが配管14fを介して互いに接続され、配管14fを含む第六の送液手段により、洗浄装置100から排出された洗浄液を含む混合槽4内の洗浄液が精製装置17へ送られる。精製装置17は濃縮器16の液体導入側に配置されている。配管14cは、第二の実施形態と同様に濃縮器16で濃縮された洗浄液を混合槽4へ送る第三の送液手段を成す。各々の送液手段には、目的の方向に液流を起こすポンプなどが必要に応じて設けられる。
【0075】
なお、
図4では濃縮器16の前段に精製装置17を設置した構成を示しているが、前述のとおり、精製装置17は濃縮器16の後段または前後双方に設けられていてもよい。精製装置17を濃縮器16の後段に、すなわち濃縮器の液体導出側に設置する場合は、混合槽4と濃縮器16とを配管14fで接続し、精製装置17と混合槽4とを配管14cで接続する。
【0076】
図4に示される液体管理システム1Dでは、まず、混合槽4で濃度管理された洗浄液は配管14aを介して洗浄装置100の洗浄槽へ供給される。洗浄装置100の洗浄槽から排出された洗浄液は配管14eを介して混合槽4に送られる。これにより、混合槽4の洗浄液中には洗浄装置100から排出された洗浄液が一部含まれる。
【0077】
洗浄槽では、洗浄液や水分がウエハの付着物として持ち出されたり持ち込まれたり、あるいは、蒸発などの影響により、ウエハ洗浄の過程で、洗浄槽での洗浄液のIPA濃度や不純物量が異なる。しかし一般には純水の混入、IPA蒸発などで、洗浄装置100から排出される洗浄液のIPA濃度は、混合槽4から洗浄装置100に供給される洗浄液のIPA濃度と比べて低下する。また、洗浄装置100、ウエハ付着物、配管などからの不純物により、洗浄液の不純物量は上昇する。したがって、混合槽4内のIPA濃度は低下し、不純物量は上昇する傾向を示す。
【0078】
そこで、混合槽4内の洗浄液を配管14fで精製装置17に送り、精製装置17で洗浄液の不純物除去を行う。さらに、精製装置17で精製された洗浄液を濃縮器16に送り、IPAの濃縮を行う。
【0079】
濃縮器16の濃縮手段には、第一の実施形態と同様に、ゼオライト、ポリイミド系などからなる膜を用いたPV法またはVP法を適用することが好ましい。
【0080】
精製装置17は、除去する対象によって適宜選択される。例えばイオン交換樹脂塔、イオン吸着膜、フィルタ(精密ろ過膜)、蒸留缶、蒸発缶などを精製装置17として適宜使用することができる。
【0081】
濃縮器16を経た濃縮液は配管14cを介して混合槽4に送られ、濃縮器16からの廃液は廃液タンク6へ送られる。混合槽4ではIPA供給手段や純水供給手段により洗浄液のIPA濃度が調整され、この濃度調整された洗浄液は再び配管14aを介して洗浄装置100に送られる。このように、洗浄液は混合槽4と洗浄装置100の間、ならびに混合槽4と精製装置17および濃縮器16の間で循環するようになっている。これにより、洗浄工程を停止させることなく、理想濃度の洗浄液を洗浄装置100に供給できる。
【0082】
本実施形態は、混合槽4に回収された洗浄液を抜き出して濃縮した上で混合槽4に戻す濃縮器16を設けたことにより、第一の実施形態と同様、濃度調整のために添加するIPAの使用量を少なくすることができる。さらに、濃縮器16から混合槽4へ送る濃縮液のIPA濃度を一定の範囲(好ましくは理想濃度)に調整しておくことにより、混合槽4での濃度管理を安定的に高精度で行うことができる。また、洗浄液の系外への廃液量も少なくなる。
【0083】
とりわけ本実施形態では、第二の実施形態に対して精製装置17が濃縮器16の前段と後段のいずれか一方または両方に設けられたため、高純度の洗浄液を安定して洗浄装置100へ供給することができる。
【0084】
なお、配管14c,14fを用いた濃縮処理は、定常的に又は非定常的に行われてもよい。非定常の場合、混合槽4内が予め設定したIPA濃度以下となった時点で濃縮処理を開始し、一定の時間の濃度処理を行うか、又は、混合槽4のIPA濃度が別に設定した濃度以上となるまで濃縮処理を行う。
【0085】
また、混合槽4では、第一の実施形態と同様の液量調整処理を行うことが好ましい。
【0086】
また本実施形態は、第二の実施形態で説明したように、混合槽4のIPA濃度範囲の許容値を大きくとれる場合に好適である。
【0087】
(第五の実施形態)
以下、本発明の第五の実施形態について詳細に説明する。
図5は、本実施形態に係る液体管理システムの基本構成を示すブロック図である。
【0088】
図5に示される液体管理システム1Eは、第一の実施形態に係る液体管理システム1Aにおいて洗浄液を精製する精製装置を混合槽4と洗浄装置100の間の液体供給路に設けた点以外は、第一の実施形態に係る液体管理システム1Aと本質的に同一の構成を有する。よって、液体管理システム1Aと共通する構成については
図5中に同一の符号を付して説明を省略する。
【0089】
本実施形態では、
図5に示すように、混合槽4と精製装置17とが配管14aを介して互いに接続され、配管14aを含む第一の送液手段により、混合槽4から濃度調整された洗浄液が精製装置17へ送られる。さらに、精製装置17と洗浄装置100とが配管14gを介して互いに接続され、配管14gを含む第七の送液手段により、精製装置17で精製された洗浄液が洗浄装置100へ送られる。各々の送液手段には、目的の方向に液流を起こすポンプなどが必要に応じて設けられる。
【0090】
図5に示される液体管理システム1Eでは、まず、混合槽4内の濃度調整された洗浄液は配管14aを介して精製装置17に送られる。続いて、精製装置17で精製された洗浄液は配管14gを介して洗浄装置100の洗浄槽へ供給される。
【0091】
洗浄槽では、洗浄液や水分がウエハの付着物として持ち出されたり持ち込まれたり、あるいは、蒸発などの影響により、ウエハ洗浄の過程で、洗浄槽での洗浄液のIPA濃度や不純物量が異なる。しかし一般には純水の混入、IPA蒸発などで、洗浄装置100から排出される洗浄液のIPA濃度は、混合槽4から洗浄装置100に供給される洗浄液のIPA濃度と比べて低下する。したがって、洗浄装置100から排出された洗浄液を濃縮器16に送り、IPAの濃縮を行う。
【0092】
濃縮器16の濃縮手段には、第一の実施形態と同様に、ゼオライト、ポリイミド系などからなる膜を用いたPV法またはVP法を適用することが好ましい。
【0093】
精製装置17は、除去する対象によって適宜選択される。例えば、イオン交換樹脂塔、イオン吸着膜、フィルタ(精密ろ過膜)、蒸留缶、蒸発缶などを精製装置17として適宜使用することができる。なお、蒸留缶または蒸発缶を使用する場合は、使用条件によって精製前後のIPA濃度が変わる可能性があるので注意が必要である。
【0094】
濃縮器16を経た濃縮液は配管14cを介して混合槽4に送られ、濃縮器16からの廃液は廃液タンク6へ送られる。混合槽4ではIPA供給手段や純水供給手段により洗浄液のIPA濃度が調整され、この濃度調整された洗浄液は再び配管14a、精製装置17、配管14gを順次経て洗浄装置100に送られる。なお、洗浄装置100、ウエハ付着物、配管などからの不純物により、混合槽4に戻った洗浄液の不純物量は上昇するが、精製装置17で洗浄液の不純物を除去することができる。
【0095】
このように、洗浄液は混合槽4から精製装置17と洗浄装置100と濃縮器16を順に経て再び混合槽4へと循環する。これにより、洗浄工程を停止させることなく、理想濃度の洗浄液を洗浄装置100に供給できる。
【0096】
本実施形態は、洗浄装置100から混合槽4へ洗浄液を戻すための液体回収路に濃縮器16を設けたことにより、第一の実施形態と同様、濃度調整のために添加するIPAの使用量を少なくすることができる。さらに、濃縮器16から混合槽4へ送る濃縮液のIPA濃度を一定の範囲(好ましくは理想濃度)に調整しておくことにより、混合槽4での濃度管理を安定的に高精度で行うことができる。また、洗浄液の系外への廃液量も少なくなる。
【0097】
とりわけ本実施形態では、第一の実施形態に対して精製装置17が混合槽4と洗浄装置100の間の液体供給路に設けられたため、高純度の洗浄液を安定して洗浄装置100へ供給することができる。
【0098】
また、混合槽4では、第一の実施形態と同様の液量調整処理を行うことが好ましい。
【0099】
なお、濃縮器16および精製装置17を設置する位置は
図1〜
図5に示した場所に限られない。濃縮器16は、洗浄装置100から排出された洗浄液を回収して混合槽4へ戻すラインに設けてあればよい。一方、精製装置17は当該ラインまたは、洗浄装置100へ濃度調整された洗浄液を供給するラインに設けてあればよい。また、濃縮装置16と精製装置17の液体の通過順序も特に限定されない。したがって、精製後に濃縮、濃縮後に精製、精製後に濃縮し再び精製など、のような処理構成であってもよい。
【実施例】
【0100】
(実施例1)
次に本発明の実施例1を説明する。本実施例は上述した第一および第二の実施形態のより具体的な例である。
【0101】
枚葉スピン洗浄装置の洗浄槽に6インチのシリコンウエハをセットし、この洗浄槽に、IPAと純水を混合させてIPA濃度95%とした洗浄液と、純水とを交互に供給した。なお、洗浄されるシリコンウエハはクリーンルーム中に1週間放置したものである。
【0102】
純水の洗浄槽への流量は2L/min、上記IPA濃度の洗浄液の洗浄槽への流量は1L/minとし、これらの供給時間はともに1分とした。
【0103】
この洗浄槽には排液ラインが設けられており、上記の洗浄液供給中はこの排液ラインから排出された洗浄液を回収し、上記の純水供給中に排液ラインから排出される液については回収せずに系外へ排出した。
【0104】
このような洗浄槽に対する洗浄液と純水の交互供給を15回繰り返し、排出された洗浄液を10L回収した。回収液のIPA濃度は85%であった。この回収液を洗浄液の管理濃度95%とするためには、IPA新液(99.9%)を20L加える必要があり、このとき液量は少なくとも30Lになる。この液量は供給洗浄液量である15(=1×15)Lよりも多く、系内の洗浄液量が増えてしまうため洗浄液(IPA)が無駄となる。
【0105】
そこで、上記の回収液について、ゼオライト膜によるVP(Vapor Permeation)装置で濃縮処理を行い、IPA濃度99.9%の処理液を得た。濃縮処理により回収液から水分が除去されて回収液量全体が減少するため、回収液に対するIPAの添加量を減らすことができ、その結果IPAの無駄使いを防ぐことができる。なお、処理液のIPA濃度が洗浄液のIPA濃度未満の場合であっても、この効果は発揮できる。
【0106】
また、処理液のIPA濃度が洗浄液のIPA濃度付近になるように濃縮器を設計および調整すれば、混合槽での濃度調整が安定的に精度よく行うことができる。
【0107】
(実施例2)
次に本発明の実施例2を説明する。本実施例は上述した第三および第四の実施形態のより具体的な例である。
【0108】
枚葉スピン洗浄装置の洗浄槽に6インチのシリコンウエハをセットし、この洗浄槽に、IPAと純水を混合させてIPA濃度95%とした洗浄液と、純水とを交互に供給した。なお、洗浄されるシリコンウエハはクリーンルーム中に1週間放置したものである。
【0109】
純水の洗浄槽への流量は2L/min、上記IPA濃度の洗浄液の洗浄槽への流量は1L/minとし、これらの供給時間はともに1分とした。
【0110】
この洗浄槽には排液ラインが設けられており、上記の洗浄液供給中はこの排液ラインから排出された洗浄液を回収し、上記の純水供給中に排液ラインから排出される液については回収せずに系外へ排出した。
【0111】
このような洗浄槽に対する洗浄液と純水の交互供給を15回繰り返し、排出された洗浄液を10L回収した。
【0112】
このときの洗浄液中および回収液中の金属濃度をICP質量分析装置(ICP−MS)で測定した。測定結果を表1に示す。洗浄装置やウエハからの不純物が原因で、供給した洗浄液の金属濃度よりも回収液の金属濃度の方が高い結果となった。そこで、この回収液をイオン交換樹脂塔(アニオン樹脂とカチオン樹脂を一つの塔に充填した混床式)にて精製した。精製後の回収液の金属濃度を表1に示す。この表から、精製処理により、供給時の洗浄液と同等の金属濃度へと精製可能であることがわかる。
【0113】
【表1】
【0114】
また回収液のIPA濃度は85%であった。但し、精製前後でのIPA濃度の変化は無かった。この回収液を洗浄液の管理濃度95%とするためには、IPA新液(99.9%)を20L加える必要があり、このとき液量は少なくとも30Lになる。この液量は供給洗浄液量である15(=1×15)Lよりも多く、系内の洗浄液量が増えてしまうため洗浄液(IPA)が無駄となる。
【0115】
そこで、精製した回収液について、ゼオライト膜によるVP(Vapor Permeation)装置で濃縮処理を行い、IPA濃度99.9%の処理液を得た。濃縮処理により回収液から水分が除去されて回収液量全体が減少するため、回収液に対するIPAの添加量を減らすことができ、その結果IPAの無駄使いを防ぐことができる。なお、濃縮処理液のIPA濃度が洗浄液のIPA濃度未満の場合であっても、この効果は発揮できる。
【0116】
また、処理液のIPA濃度が洗浄液のIPA濃度付近になるように濃縮器を設計および調整すれば、混合槽での濃度調整が安定的に精度よく行うことができる。
【0117】
(実施例3)
次に本発明の実施例3を説明する。本実施例は上述した第三および第四の実施形態のより具体的な例である。但し、実施例2は精製後に濃縮処理を行う例であったが、本例は濃縮後に精製処理を行う例である。
【0118】
実施例2と同様の実験を行い、このときの回収液のIPA濃度を測定したところ、85%であった。この回収液を洗浄液の管理濃度95%とするためには、IPA新液(99.9%)を20L加える必要があり、このとき液量は少なくとも30Lになる。この液量は供給洗浄液量である15(=1×15)Lよりも多く、系内の洗浄液量が増えてしまうため洗浄液(IPA)が無駄となる。
【0119】
そこで、回収液について、ゼオライト膜によるVP(Vapor Permeation)装置で濃縮処理を行い、IPA濃度99.9%の処理液を得た。濃縮処理により回収液から水分が除去されて回収液量全体が減少するため、回収液に対するIPAの添加量を減らすことができ、その結果IPAの無駄使いを防ぐことができる。なお、濃縮処理液のIPA濃度が洗浄液のIPA濃度未満の場合であっても、この効果は発揮できる。また、濃縮処理液のIPA濃度が洗浄液のIPA濃度付近になるように濃縮器を設計および調整すれば、混合槽での濃度調整が安定的に精度よく行うことができる。
【0120】
また、供給時の洗浄液中および濃縮処理液中の金属濃度をICP質量分析装置(ICP−MS)で測定した。測定結果を表2に示す。洗浄装置やウエハ等からの不純物が原因で、供給した洗浄液の金属濃度よりも濃縮処理液の金属濃度の方が高い結果となった。そこで、この濃縮処理液をイオン交換樹脂塔(アニオン樹脂とカチオン樹脂を一つの塔に充填した混床式)にて精製した。精製後の処理液の金属濃度を表2に示す。この表から、精製処理により、供給時の洗浄液と同等の金属濃度へと精製可能であることがわかる。
【0121】
【表2】