特許第6095960号(P6095960)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095960
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】運転者保護用ペダル装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 1/327 20080401AFI20170306BHJP
【FI】
   G05G1/327
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-258648(P2012-258648)
(22)【出願日】2012年11月27日
(65)【公開番号】特開2014-86069(P2014-86069A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年6月15日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0119268
(32)【優先日】2012年10月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】512307170
【氏名又は名称】ドン、ヒー、インダストリアル、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DONG HEE INDUSTRIAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユン、シク
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ジョン、ソン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、イアン、ソー
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヤン、レ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ウィ、サン
【審査官】 塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−510785(JP,A)
【文献】 特開2008−015882(JP,A)
【文献】 特開2006−103501(JP,A)
【文献】 特開2000−264180(JP,A)
【文献】 特開2005−138613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/327
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルメンバの上端後方部位にレバーヒンジ軸を媒介として回転可能に結合された逆回転レバー;及び
上記レバーヒンジ軸の前方側位置で上端部がペダルヒンジ軸を媒介としてペダルメンバに回転可能に結合されたもので、衝突及び追突事故時に上記ペダルメンバが後方に押し入ってきて上記逆回転レバーが車体の固定部材と接触して回転する時に上記逆回転レバーの回転力によりペダルメンバから分離する動作をするペダルアーム;を含み、
上記ペダルアームの上端部にはブッシュパイプが一体に備えられ、
上記ペダルヒンジ軸はペダルメンバとブッシュパイプを貫通して設置され、
上記ブッシュパイプはペダルヒンジ軸に対して回転可能に設置され、
上記逆回転レバーは、上記レバーヒンジ軸が貫通するレバー結合部;上記レバー結合部とU字型をなすようにレバー結合部の上下側から前方に突出するように一体に形成されたもので上記ブッシュパイプの上下側を囲む上部フォークと下部フォーク;及び、上記レバー結合部の上側に突出するように形成されたもので上記ペダルメンバが後方に押し入ってくる時にカウルブラケットと接触するレバー突起を含み、
上記レバー結合部と上部フォーク及び下部フォークは、左右方向の位置で互いに向い合って対する一組で構成され、
上記レバー結合部同士は連結部を介して連結され、
上記レバー突起は連結部上に位置するように形成され、
上記一組の下部フォークは、レバーピンによって連結され、
上記ペダルアームには上記逆回転レバーがカウルブラケットと接触して回転する時に上記レバーピンと接触するペダルアーム突起が一体で突出形成された、運転者保護用ペダル装置。
【請求項2】
上記ペダルメンバは、ダッシュパネルに固定結合され上記ペダルヒンジ軸が貫通するダッシュパネル結合部;
上記ダッシュパネル結合部の上端部と連結されてカウルパネルと結合されるカウルパネル結合部;及び
上記カウルパネル結合部と結合されて後方に突出した部位に上記レバーヒンジ軸が貫通するレバー支持部を含むことを特徴とする請求項1に記載の運転者保護用ペダル装置。
【請求項3】
事故が発生していない定常状態で上記ペダルアームがペダルヒンジ軸を中心として前方に回転する時には、上記ペダルアーム突起が上記レバーピンと接触しないように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の運転者保護用ペダル装置。
【請求項4】
上記ペダルメンバには、上記ペダルヒンジ軸が貫通する軸孔が形成され;
上記軸孔は連結通路を通じてペダルメンバの外縁と連結されるように形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の運転者保護用ペダル装置。
【請求項5】
上記軸孔と連結通路が連結される部位には、上記ペダルヒンジ軸が自重によって軸孔から抜けることを防止する離脱防止突起が一体で突出形成されたことを特徴とする請求項に記載の運転者保護用ペダル装置。
【請求項6】
上記ペダルメンバには上記ペダルヒンジ軸が貫通する軸孔が形成され;
上記軸孔には逆回転レバーが回転しながら上記ペダルヒンジ軸に力を加える時にペダルヒンジ軸によって切開されるノッチが上記ペダルメンバの外縁に向けて形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の運転者保護用ペダル装置。
【請求項7】
上記軸孔の半径方向に沿って上記ノッチの端からペダルメンバの外縁までの間隔は、上記軸孔の直径より小さな寸法に形成されたことを特徴とする請求項に記載の運転者保護用ペダル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運転者保護用ペダル装置に関するものであり、より詳しくは、衝突及び追突事故発生時にペダル装置による運転者の足の負傷(脛加撃、足首の折れ等)を最大限予防することができるようになった運転者保護用ペダル装置(PEDAL APPARATUS FOR PROTECTION AUTOMOBILE DRIVER)に関する技術である。
【発明の背景になる技術】
【0002】
一般的な車両で運転席下部のダッシュパネルには運転者の足によって操作される加速ペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル等が装着されている。
【0003】
一方、衝突及び追突事故が発生し、この時発生した衝撃力が大きくてエンジンルームが崩壊する状況が発生するようになれば、上記ペダル装置によって運転者が足に負傷を負う問題があった。
【0004】
すなわち、衝撃力によってダッシュパネル1とペダルメンバ2が後方(室内側)に押されるようになると、ペダルアーム3も共に矢印M1のように後方に押し入ってくるようになると同時に矢印R1のようにペダルヒンジ軸4を中心としてペダルの下段の端が上方に持ち上げられる回転をするようになる。
【0005】
この時、運転者がペダルを踏んでいない状況ならば、回転するペダルの端が運転者の脛の部位を強く打撃することにより運転者は足に負傷を負うようになり、もし運転者がペダルを踏んでいる状況ならば、回転するペダルによって運転者の足首が後にそり返りながら折れるようになることによって負傷を負うようになる問題があったのである。
【0006】
したがって、上記のような問題を解決するために、事故時にペダルメンバ2が後方に押し入ってくる時にペダルメンバ2とカウルブラケット5の結合を解除してペダルアーム3を下に下降させ、この時にペダルアーム3を矢印R2のように前方に強制回転させてペダルアーム3と運転者の足の間の間隔を最大限離隔させることによってペダルによる運転者の足の負傷を最小化させることができるように安全機構を備えたペダル装置が提案された。
【0007】
しかし、上記のようなペダル装置は、安全機構の構成部品数が多くて原価及び重量が大きく上昇する短所があり、特にペダルメンバ2とカウルブラケット5が互いに分離しない時にはペダルアーム3が前方に強制回転しないことによりペダルアーム3の継続した後方回転によって運転者の足の負傷が加重される短所があり、またペダルメンバ2が後方に押されてもカウルパネル6がダッシュパネル1より後方により多く押されなければならない等の条件を満足しなければならない短所がある。
【0008】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景についての理解増進のためのものであるだけで、この技術分野で通常の知識を有した者に既に知られた従来技術に該当することを認めるものとして受け入れられてはならないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国登録特許公報10−0820240号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、上記の問題点を解消するために案出されたものであって、衝突及び追突事故発生時、ペダルメンバが後方に押し入ってくる時にカウルブラケットとの接触でペダルアームの前方回転を誘導してペダルアームによる運転者の足の負傷(脛加撃、足首の折れ等)を最大限予防することができるようにし、特にペダルアームの前方回転を誘導する構成部品数を最小化して重量減少及び原価低減を図るようにし、さらにはペダルメンバがカウルパネル又はカウルブラケットと分離しなくてもペダルアームが前方に強制回転できるようになることによってペダルアームの前方回転誘導をより一層向上させることができるようになり、これによって運転者保護性能をより一層強化することができる運転者保護用ペダル装置を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明運転者保護用ペダル装置は、ペダルメンバの上端後方部位にレバーヒンジ軸を媒介として回転可能に結合された逆回転レバー;及び上記レバーヒンジ軸の前方側位置で上端部がペダルヒンジ軸を媒介としてペダルメンバに回転可能に結合されたもので、衝突及び追突事故時に上記ペダルメンバが後方に押し入ってきて上記逆回転レバーが車体の固定部材と接触して回転する時に上記逆回転レバーの回転力によりペダルメンバから分離する動作をするペダルアーム;を含むことを特徴とする。
【0012】
上記ペダルメンバは、ダッシュパネルに固定結合され上記ペダルヒンジ軸が貫通するダッシュパネル結合部; 上記ダッシュパネル結合部の上端部と連結されてカウルパネルと結合されるカウルパネル結合部;及び上記カウルパネル結合部と結合されて後方に突出した部位に上記レバーヒンジ軸が貫通するレバー結合部を含むことを特徴とする。
【0013】
上記ペダルアームの上端部にはブッシュパイプが一体に備えられ; 上記ペダルヒンジ軸はペダルメンバとブッシュパイプを貫通して設置され; 上記ブッシュパイプはペダルヒンジ軸に対して回転可能に設置されたことを特徴とする。
【0014】
上記逆回転レバーは、上記レバーヒンジ軸が貫通するレバー結合部; 上記レバー結合部とユー(U)字型をなすようにレバー結合部の上下側から前方に突出するように一体に形成されたもので上記ブッシュパイプの上下側を囲む上部フォークと下部フォーク;及び上記レバー結合部の上側に突出するように形成されたもので上記ペダルメンバが後方に押し入ってくる時にカウルブラケットと接触するレバー突起を含むことを特徴とする。
【0015】
上記レバー結合部と上部フォーク及び下部フォークは、左右方向の位置で互いに向い合って対する一組で構成され; 上記レバー結合部同士は連結部を介して連結され; 上記レバー突起は連結部上に位置するように形成されたことを特徴とする。
【0016】
上記一組の下部フォークは、レバーピンによって連結され; 上記ペダルアームには上記逆回転レバーがカウルブラケットと接触して回転する時に上記レバーピンと接触するペダルアーム突起が一体で突出形成されたことを特徴とする。
【0017】
事故が発生していない定常状態で上記ペダルアームがペダルヒンジ軸を中心として前方に回転する時には、上記ペダルアーム突起が上記レバーピンと接触しないように構成されたことを特徴とする。
【0018】
上記逆回転レバーは、上記レバーヒンジ軸が貫通するレバー結合部; 上記レバー結合部から上側に突出するように一体に形成されて上記ペダルメンバが後方に押し入ってくる時にカウルブラケットと接触する上部突起;及び上記レバー結合部から下側に突出するように一体に形成されたもので上記上部突起がカウルブラケットと接触した状態で逆回転レバーがレバーヒンジ軸を中心に回転する時に上記ブッシュパイプと接触してブッシュパイプを後方に押すことができるように力を提供する下部突起を含むことを特徴とする。
【0019】
上記ペダルメンバには、上記ペダルヒンジ軸が貫通する軸孔が形成され; 上記軸孔は連結通路を通じてペダルメンバの外縁と連結されるように形成されたことを特徴とする。
【0020】
上記軸孔と連結通路が連結される部位には、上記ペダルヒンジ軸が自重によって軸孔から抜けることを防止する離脱防止突起が一体で突出形成されたことを特徴とする。
【0021】
上記ペダルメンバには上記ペダルヒンジ軸の貫通する軸孔が形成され; 上記軸孔には逆回転レバーが回転しながら上記ペダルヒンジ軸に力を加える時にペダルヒンジ軸によって切開されるノッチが上記ペダルメンバの外縁に向けて形成されたことを特徴とする。
【0022】
上記軸孔の半径方向に沿って上記ノッチの端からペダルメンバの外縁までの間隔は、上記軸孔の直径より小さな寸法に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明による運転者保護用ペダル装置によれば、衝突及び追突事故発生時にペダルアームが運転者がいる後方に回転することができないのはもちろん、前方に強制回転して運転者と遠ざかるようになることによってペダルアームによる運転者の足の負傷を最大限予防することができるようになり、特にペダルアームを前方に強制回転させる構成が簡素化されることによって重量減少及び原価を大きく節減させることができ、さらにはペダルメンバがカウルパネル又はカウルブラケットと分離しなくてもペダルアームが前方に強制回転できるようになることによってペダルアームの前方回転誘導をより一層向上させることができるようになり、これによって運転者保護性能をより一層強化することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、従来のペダル装置の側面図。
図2図2は、本発明の一実施例の逆回転レバーを備えた運転者保護用ペダル装置の図面で、図2は分解斜視図。
図3図3は、図2の結合状態設置図面。
図4図4は、本発明の一実施例の逆回転レバーを備えた運転者保護用ペダル装置の図面で、逆回転レバーとペダルアームの結合状態図面。
図5図5は、本発明の一実施例の逆回転レバーを備えた運転者保護用ペダル装置の図面で、ペダルメンバに形成された軸孔を説明するための図面。
図6図6は、本発明の一実施例の逆回転レバーを備えた運転者保護用ペダル装置の図面で、事故発生時の作動状態図面。
図7図7は、本発明の一実施例の逆回転レバーを備えた運転者保護用ペダル装置の図面で、事故発生時の作動状態図面。
図8図8は、本発明の他の実施例の逆回転レバーを備えた運転者保護用ペダルの装置図面で、図8は、設置状態図面。
図9図9は、本発明の他の実施例の逆回転レバーを備えた運転者保護用ペダル装置についての図で、事故発生時の作動状態図面。
図10図10は、本発明の他の実施例の逆回転レバーを備えた運転者保護用ペダル装置についての図で、事故発生時の作動状態図面。
【発明を実施するための具体的な内容】
【0025】
以下では添付の図面を参照して本発明の望ましい実施例による運転者保護用ペダル装置について詳察することにする。
【0026】
本発明による運転者保護用ペダル装置は、図2及び図10に図示されたように、ペダルメンバ10の上端後方部位にレバーヒンジ軸20を媒介として回転可能に結合された逆回転レバー30;及び上記レバーヒンジ軸20の前方側位置で上端部がペダルヒンジ軸40を媒介としてペダルメンバ10に回転可能に結合されたもので、衝突及び追突事故時に上記ペダルメンバ10が後方に押し入ってきて上記逆回転レバー30が車体の固定部材(カウルブラケット又はカウルクロスバー)と接触して回転する時に上記逆回転レバー30の回転力によりペダルメンバ10から分離する動作をするペダルアーム50;を含む構成である。
【0027】
すなわち、上記ペダルメンバ10は、ダッシュパネル1に固定結合され、上記ペダルヒンジ軸40が貫通するダッシュパネル結合部11と、上記ダッシュパネル結合部11の上端部と連結されてカウルパネル6と結合するカウルパネル結合部12と、上記カウルパネル結合部12と結合して後方に突出した部位に上記レバーヒンジ軸20が貫通するレバー支持部13を含んだ形状である。
【0028】
ここで、上記レバー支持部13はコの字型に形成されたもので両端がカウルパネル結合部12に一体に結合し、中間部は後方に突出した構造で設置され、上記逆回転レバー30はレバー支持部13内に位置した状態でレバーヒンジ軸20を中心として車両前方に向かって回転可能に設置された構造である。
【0029】
上記レバーヒンジ軸20は、レバー支持部13を貫通してからナット21と締結されて設置され、上記ペダルヒンジ軸40は、ダッシュパネル結合部11を貫通してからナット41と締結されて設置された構造である。
【0030】
上記ペダルアーム50の上端部にはブッシュパイプ51が一体に備えられるが、上記ペダルヒンジ軸40はペダルメンバ10のダッシュパネル結合部11とブッシュパイプ51を貫通して設置される構造であるところ、これによって上記ペダルアーム50とブッシュパイプ51はペダルヒンジ軸40に対して回転可能に設置された構造になる。
【0031】
一方、上記逆回転レバー30は大きく2種の実施例の構成でなされるところ、一番目の実施例の構成は、図2ないし図7に図示されたもので、上記レバーヒンジ軸20が貫通するレバー結合部31と、上記レバー結合部31とユー(U)字型をなすようにレバー結合部31の上下側から前方に突出するように一体に形成されたもので上記ブッシュパイプ51の上下側を囲む上部フォーク32と下部フォーク33、上記レバー結合部31の上側に突出するように形成されたもので上記ペダルメンバ10が後方に押し入ってくる時にカウルブラケット5と接触するレバー突起34を含む構成である。
【0032】
ここで、上記レバー結合部31と上部フォーク32及び下部フォーク33は、強度向上及びより正確な動作のために左右方向の位置で互いに向い合って対する一組で構成されたものが望ましく、このような場合、上記一組のレバー結合部31同士は連結部35を介して連結され、上記レバー突起34は連結部35上に位置するように形成されたことを特徴とする。
【0033】
そして、上記一組の下部フォーク33は、レバーピン36によって連結された構成で、上記のように逆回転レバー30にレバーピン36が備えられれば、上記ペダルアーム50にはペダルアーム突起52が一体で突出形成されるところ、上記ペダルアーム突起52は、逆回転レバー30がカウルブラケット5と接触して回転する時に上記レバーピン36と接触するようになり、これにより上記ペダルアーム50は前方に回転する動作をするようになる。
【0034】
事故が発生していない定常状態で上記ペダルアーム50がペダルヒンジ軸40を中心として前方に回転する時には、上記ペダルアーム突起52が上記レバーピン36と接触しない構成であることが望ましい。
【0035】
上記逆回転レバー30の二番目の実施例の構成は、図8ないし図10に図示されたもので、上記レバーヒンジ軸20が貫通するレバー結合部37と、上記レバー結合部37から上側に突出するように一体に形成されて上記ペダルメンバ10が後方に押し入ってくる時にカウルブラケット5と接触する上部突起38と、上記レバー結合部37から下側に突出するように一体に形成されたもので上記上部突起38がカウルブラケット5と接触した状態で逆回転レバー30がレバーヒンジ軸20を中心に回転する時に上記ブッシュパイプ51と接触してブッシュパイプ51を後方に押すことができるように力を提供する下部突起39を含んだ構成である。
【0036】
そして、上記ペダルメンバ10には上記ペダルヒンジ軸40が貫通する軸孔14が形成されるが、上記軸孔14は、図2ないし図7のように、連結通路15を通じてペダルメンバ10の外縁と連結されるように形成されることができ、又は図8ないし図10のように、上記軸孔14には逆回転レバー30が回転しながら上記ペダルヒンジ軸40に力を加える時にペダルヒンジ軸40によって切開されるノッチ16が上記ペダルメンバ10の外縁に向けて形成された構造になることができる。
【0037】
ここで、上記軸孔14が連結通路15を通じてペダルメンバ10の外縁と連結されるように開口された構造ならば、上記軸孔14と連結通路15が連結される部位には上記ペダルヒンジ軸40が自重によって軸孔14から抜けることを防止する離脱防止突起17が一体で突出形成されることができる。
【0038】
そして、上記軸孔14にノッチ16が形成された構造ならば、上記軸孔14の半径r1方向に沿って上記ノッチ16の端からペダルメンバ10の外縁までの間隔L1は、上記軸孔14の直径より小さな寸法に形成されたものが望ましい。
【0039】
すなわち、軸孔14にノッチ16が形成された構造ならば、逆回転レバー30が回転しながらペダルヒンジ軸40に力を加える時に、上記ペダルヒンジ軸40はノッチ16を破りながらペダルメンバ10から離脱しなければならない。
【0040】
したがって、ノッチ16の端からダルメンバ10の外縁までの間隔L1が軸孔14の直径より大きくなれば、ペダルメンバ10の剛性が大きくなるにつれてペダルヒンジ軸40がノッチ16を破りながらペダルメンバ10から離脱することが難しくなるところ、このために上記ノッチ16の端からペダルメンバ10の外縁までの間隔L1は、0(zero)よりは大きくて上記軸孔14の直径より小さな寸法に形成されることが望ましい。
【0041】
一方、上記軸孔14が連結通路15を通じてペダルメンバ10の外縁と連結されるように開口された構造の場合、上記逆回転レバー30は、図1ないし図7のように上・下部フォーク32,33を備えた構造を使用するのが望ましく、そして上記軸孔14が開口構造ではなくて内周面に単純にノッチ16が形成された構造ならば、上記逆回転レバー30は図8ないし図10のように単純に上・下部突起38・39を備えた構造を使用するのが望ましい。
【0042】
以下、本発明ペダル装置の作用に対して説明する事にするところ、まず図2ないし図7の実施例について説明する。
【0043】
衝突及び追突事故が発生しない定常状態である時、運転者がペダルを踏むようになれば、ペダルアーム50はペダルヒンジ軸40を中心として図3に図示された矢印R11のように前方に向かって回転するようになるところ、この時ペダルアーム50と共に回転するペダルアーム突起52は、逆回転レバー30のレバーピン36と接触しない構成で、ペダルアーム50は事故が発生していない定常状態で正常な作動をするようになる。
【0044】
一方、事故が発生していない正常状態である時、逆回転レバー30の下部フォーク33はブッシュパイプ51の下端を支持している状態を維持するようになるところ、これによってペダルヒンジ軸40が軸孔14から抜ける現象は発生しない。
【0045】
そして、衝突及び追突事故が発生し、この時発生した衝撃力によってダッシュパネル1とカウルパネル6が崩壊しながらペダルメンバ10が後方(室内側)に押されるようになれば、ペダルアーム50も共に図3の矢印M11のように後方に押し入ってくる移動をするようになる。
【0046】
上記のようにペダルアーム50が後方に押し入ってくる過程で逆回転レバー30のレバー突起34が図6のようにカウルブラケット5と接触するようになれば、この時から逆回転レバー30はレバーヒンジ軸20を中心として図7に図示された矢印R12のように反時計方向に回転するようになり、逆回転レバー30の上部フォーク32はブッシュパイプ51を加圧するようになって、これによりペダルヒンジ軸40は軸孔14から抜けるようになり、その結果ペダルアーム50はペダルメンバ10から分離する。
【0047】
そして、逆回転レバー30が矢印R12のように反時計方向に回転をするようになれば、レバーピン36はペダルアーム突起52と接触をするようになり、このような状況でペダルアーム50がペダルメンバ10から分離すれば、上記ペダルアーム50はレバーピン36の加圧力によって図7の矢印R13のように前方に向かって回転するようになる。
【0048】
したがって、本発明によるペダル装置は、衝突及び追突事故発生時に逆回転レバー30の作動によりペダルアーム50がペダルメンバ10から分離しながら前方に回転する構造になるところ、これによってペダルアーム50による運転者の足の負傷を最大限予防することができる長所がある。
【0049】
すなわち、事故発生時、ペダルアーム50が前方に強制回転することよってペダルによって運転者の脛部位が加撃されたり又は運転者の足首が後にそり返りながら折れる負傷を防止することができるようになるのである。
【0050】
また、本発明によるペダル装置で事故発生時ペダルアーム50を前方に強制回転させる構成が単純に逆回転レバー30によってなされる構成で、構成部品数の簡素化によって重量減少及び原価を大きく節減することができる長所もある。
【0051】
また、本発明による実施例は、事故発生時ペダルメンバ10がカウルパネル6又はカウルブラケット5と分離せず、単純に後方に押し入ってきながら逆回転レバー30がカウルブラケット5と接触する状況さえ発生すれば、ペダルアーム50を前方に強制回転させることができる構成であるため、事故発生時ペダルアーム50の前方回転誘導をより一層向上させることができるようになり、これによって運転者保護性能をより一層強化させることができるようになる。
【0052】
次には、図8ないし図10の実施例について説明する。
【0053】
衝突及び追突事故が発生してない正常状態である時、ペダルヒンジ軸40はノッチ16が形成された軸孔14によって回転可能に支持された状態を維持する。
【0054】
そして、衝突及び追突事故が発生し、この時発生した衝撃力によってダッシュパネル1とカウルパネル6が崩壊しながらペダルメンバ10が後方(室内側)に押されるようになれば、ペダルアーム50も共に図8の矢印M12のように後方に押し入ってくる移動をするようになる。
【0055】
上記のようにペダルアーム50が後方に押し入ってくる過程で逆回転レバー30の上部突起38がカウルブラケット5と接触するようになれば、この時から逆回転レバー30はレバーヒンジ軸20を中心に図8に図示された矢印R14のように反時計方向に回転をするようになり、逆回転レバー30の下部突起39はブッシュパイプ51を加圧するようになって、これによりペダルヒンジ軸40は軸孔14のノッチ16を破りながら図10のようにペダルメンバ10から抜けるようになり、この結果ペダルアーム50はペダルメンバ10から分離する。
【0056】
そして、ペダルアーム50がペダルメンバ10から分離しても逆回転レバー30は継続して反時計方向に回転するため、上記逆回転レバー30の下部突起39はペダルアーム50の上端部を継続して室内側に押しやるようになり、これによってペダルアーム50の下端部は前方に最後まで逆回転する作動をするようになる。
【0057】
したがって、本発明の実施例はペダルアーム50が後方に押し入ってくる現象をなくすことができるようになるところ、これによりペダルによって運転者の脛部位が加撃されたり又は運転者の足首が後にそり返る等、ペダルアーム50による運転者の足の負傷を最大限予防することができるようになる。
【0058】
一方、上記のようなペダル装置は、ブレーキペダル、クラッチペダル等車両に装着される全てのペダル装置に適用することができることは勿論である。
【0059】
本発明は特定の実施例に関して図示して説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を脱しない限度内で、本発明が多様に改良及び変化されることができるということは当業界で通常の知識を有した者において自明なことである。
【符号の説明】
【0060】
5−カウルブラケット 10−ペダルメンバ
20−レバーヒンジ軸 30−逆回転レバー
40−ペダルヒンジ軸 50−ペダルアーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10