特許第6095964号(P6095964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095964
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】感光性組成物及び硬化物
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/50 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   C08F2/50
【請求項の数】6
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-269632(P2012-269632)
(22)【出願日】2012年12月10日
(65)【公開番号】特開2014-114386(P2014-114386A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田代 貴之
(72)【発明者】
【氏名】山下 真奈
(72)【発明者】
【氏名】山口 淳
(72)【発明者】
【氏名】萩原 裕介
【審査官】 久保田 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−107225(JP,A)
【文献】 特開2011−221476(JP,A)
【文献】 特開2012−111943(JP,A)
【文献】 特開2010−067621(JP,A)
【文献】 特開2010−017936(JP,A)
【文献】 特開平06−016731(JP,A)
【文献】 特開2000−159833(JP,A)
【文献】 米国特許第06028124(US,A)
【文献】 特開2012−133032(JP,A)
【文献】 特開2012−068593(JP,A)
【文献】 特開平10−221843(JP,A)
【文献】 特開2011−076002(JP,A)
【文献】 特許第6054153(JP,B2)
【文献】 特許第5989469(JP,B2)
【文献】 特許第5602189(JP,B2)
【文献】 特許第5770054(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0059752(US,A1)
【文献】 特開2012−158745(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/121235(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00− 2/60
C09D 4/00−201/10
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)〜(3)を含有する感光性組成物であって、着色剤、金属酸化物粉末及び金属粉末のいずれもを実質的に含有せず、重合性物質(D)100重量%中の単官能ラジカル重合性物質(D1)及び官能ラジカル重合性物質(D2)の含有量が合計で33〜70重量%であり、
前記重合性物質(D)100重量%中の前記単官能ラジカル重合性物質(D1)の含有量が3〜20重量%であり、前記2官能ラジカル重合性物質(D2)の含有量が30〜60重量%であることを特徴とする感光性組成物。
(1)アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(A1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(A3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(A5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(A6)及びチタノセン誘導体系重合開始剤(A7)からなる群から選ばれる少なくとも1種の光ラジカル開始剤(A)
(2)活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)及び/又は活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)
(3)重合性物質(D)
【請求項2】
前記単官能ラジカル重合性物質(D1)が、炭素数3〜35の単官能(メタ)アクリルアミド化合物(D11)、炭素数4〜35の単官能(メタ)アクリレート化合物(D12)、炭素数6〜35の単官能芳香族ビニル化合物(D13)及び炭素数3〜20の単官能ビニルエーテル化合物(D14)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性物質である請求項記載の感光性組成物。
【請求項3】
前記2官能ラジカル重合性物質(D2)が炭素数4〜35の2官能(メタ)アクリレート化合物(D22)、及び炭素数3〜20の2官能ビニルエーテル化合物(D24)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性物質である請求項1又は2記載の感光性組成物。
【請求項4】
前記重合性物質(D)100重量%に対する前記光ラジカル開始剤(A)の含有量が0.05〜30重量%、前記重合性物質(D)100重量%に対する前記活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)及び/又は前記活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)の含有量〔(B)と(C)の合計〕が0.05〜30重量%である請求項1〜のいずれか記載の感光性組成物。
【請求項5】
ナノインプリントプロセスを用いるフラットパネルディスプレイ用である請求項1〜のいずれか記載の感光性組成物。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか記載の感光性組成物が活性光線の照射により硬化されてなる硬化物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射により透明な硬化物を形成する感光性組成物及び感光性組成物が硬化されてなる硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイの好調な需要が続いており、フラットパネルディスプレイ用に用いられる材料には、密着性、表面硬度、透明性、耐光性、耐候性、耐熱性、平坦性、表面硬度等の様々な要求項目があり、特に密着性においては、様々な基材に適応できる材料が求められている。
【0003】
これらフラットパネルディスプレイ用に用いられる材料として、通常の光ラジカル開始剤のみを用いる重合では、酸素による硬化阻害を受け、表面付近の硬化性が悪く、硬度、耐擦傷性が充分でない。この問題を解決するために、特定の無機粒子を使用することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の発明は特定の構造の無機粒子を併用するものであり、硬度、耐擦傷性を満足する点においては改良されているが、基材への密着性が不良となり、かつ、透明な塗膜等の硬化物を得たい場合、透明性が保持できないという問題がある。
【0004】
したがって、密着性においては、基材による密着性のばらつきが大きく、適合する基材が限られているため、各種基材への密着性に優れる樹脂システムの開発が強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−076002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、各種基材への密着性、硬度、耐擦傷性、耐熱性に優れ、かつ透明な硬化物(塗膜等)を形成する感光性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、下記(1)〜(3)を含有する感光性組成物であって、着色剤、金属酸化物粉末及び金属粉末のいずれもを実質的に含有せず、重合性物質(D)100重量%中の単官能ラジカル重合性物質(D1)及び/又は2官能ラジカル重合性物質(D2)の含有量が合計で10〜70重量%であることを特徴とする感光性組成物;並びにこの感光性組成物が活性光線の照射により硬化されてなる硬化物である。
(1)光ラジカル開始剤(A)
(2)活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)及び/又は活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)
(3)重合性物質(D)
【発明の効果】
【0008】
本発明の感光性組成物を使用することにより、各種基材への密着性、硬度、耐擦傷性、耐熱性に優れ、かつ、透明な硬化物が製造可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の感光性組成物は、下記(1)〜(3)を含有する;
(1)光ラジカル開始剤(A)
(2)活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)及び/又は活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)
(3)重合性物質(D)
【0010】
以下に、本発明の感光性組成物の必須構成成分である(A)〜(D)について、順に説明する。
【0011】
本発明において光ラジカル開始剤(A)とは、活性光線によりラジカルを発生する化合物を意味し、例えば、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(A1)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A2)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(A3)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A4)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(A5)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(A6)及びチタノセン誘導体系重合開始剤(A7)である。
(A)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0012】
アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(A1)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド[BASF社製(LUCIRIN TPO)]及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド[BASF社製(IRGACURE 819)]等が挙げられる。
【0013】
α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A2)としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 907)]、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン[BASF社製(IRGACURE 369)]及び1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン[BASF社製(IRGACURE 379)]等が挙げられる。
【0014】
ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(A3)としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 651)]等が挙げられる。
【0015】
α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A4)としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン[BASF社製(IRGACURE 184)]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[BASF社製(DAROCUR 1173)]、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 2959)]及び2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 127)]等が挙げられる。
【0016】
ベンゾイン誘導体系重合開始剤(A5)としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
【0017】
オキシムエステル誘導体系重合開始剤(A6)としては、1,2−オクタンジオン−1−(4−[フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)][BASF社製(IRGACURE OXE 01)]及びエタノン−1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)[BASF社製(IRGACURE OXE 02)]等が挙げられる。
【0018】
チタノセン誘導体系重合開始剤(A7)としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム[BASF社製(IRGACURE 784)]等が挙げられる。
【0019】
本発明の感光性組成物中の光ラジカル開始剤(A)の含有量は、光硬化性の観点から、重合性物質(D)100重量%に対して、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
【0020】
本発明における活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)は、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】
一般式(1)又は(2)において、Aは下記一般式(3)〜(10)のいずれかで表される2価又は3価の基であり、Ar〜Arはそれぞれ独立にベンゼン環骨格を少なくとも1個有し、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は複素環基であって、Ar〜Ar、Ar及びArは1価の基、Arは2価の基であり、(X及び(Xは陰イオンを表し、aは0〜2の整数、bは1〜3の整数で、かつa+bは2又は3でAの価数と同じ整数である。
【0023】
【化2】
【0024】
一般式(5)〜(8)におけるR〜Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、RとR、RとR、及びRとRは互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0025】
一般式(2)におけるAとして、酸発生効率の観点から好ましいのは、一般式(5)及び一般式(7)〜(10)で表される基であり、一般式(5)及び(8)〜(10)で表される基が更に好ましい。
【0026】
一般式(1)及び一般式(2)におけるAr〜Arは、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物が紫外〜可視光領域に吸収をもつようになる基である。
Ar〜Arにおけるベンゼン環骨格の数は、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4である。
ベンゼン環骨格を1個有する場合の例としては、例えばベンゼン、又はベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、キノリン、クマリン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格を2個有する場合の例としては、例えばナフタレン、ビフェニル、フルオレン、又はジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、キサントン、キサンテン、チオキサントン、アクリジン、フェノチアジン及びチアントレン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格を3個有する場合の例としては、例えば、アントラセン、フェナントレン、ターフェニル、p−(チオキサンチルメルカプト)ベンゼン及びナフトベンゾチオフェン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格を4個有する場合の例としては、例えばナフタセン、ピレン、ベンゾアントラセン及びトリフェニレン等から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
【0027】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、フッ素及び塩素が好ましい。
【0028】
炭素数1〜20のアシル基としては、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、バレリル基及びシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
【0029】
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、sec−又はtert−ブチル基、n−、iso−又はneo−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基等が挙げられる。
【0030】
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−又はiso−プロポキシ基、n−、sec−又はtert−ブトキシ基、n−、iso−、又はneo−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基及びオクチルオキシ基等が挙げられる。
【0031】
炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−又はiso−プロピルチオ基、n−、sec−又はtert−ブチルチオ基、n−、iso−又はneo−ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基及びオクチルチオ基等が挙げられる。
【0032】
炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、例えばトリメチルシリル基及びトリイソプロピルシリル基等のトリアルキルシリル基等が挙げられる。ここでアルキルは直鎖構造でも分岐構造でも構わない。
【0033】
Ar〜Arの置換する原子又は置換基として、酸発生効率の観点から好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアシル基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルキルチオ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
【0034】
Ar〜Ar、Ar及びArとして、酸発生効率の観点から好ましいのは、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、p−(チオキサンチルメルカプト)フェニル基、m−クロロフェニル基及びチオキサンチル基である。
【0035】
Arとして、酸発生効率の観点から好ましいのは、フェニレン基、2−又は3−メチルフェニレン基、2−又は3−メトキシフェニレン基、2−又は3−ブチルフェニレン基及び2−又は3−クロロフェニレン基である。
【0036】
一般式(1)又は(2)において(X又は(Xで表される陰イオンとしては、ハロゲン化物アニオン、水酸化物アニオン、チオシアナートアニオン、炭素数1〜4のジアルキルジチオカルバメートアニオン、炭酸アニオン、炭酸水素アニオン、ハロゲンで置換されていてもよい脂肪族又は芳香族カルボキシアニオン(安息香酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロアルキル酢酸アニオン、及びフェニルグリオキシル酸アニオン等)、ハロゲンで置換されていてもよい脂肪族又は芳香族スルホキシアニオン(トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等)、6フッ化アンチモネートアニオン(SbF)、リンアニオン[6フッ化リンアニオン(PF)及び3フッ化トリス(パーフルオロエチル)リンアニオン(PF(C)等]及びボレートアニオン(テトラフェニルボレート及びブチルトリフェニルボレートアニオン等)等が挙げられ、酸発生効率の観点から、リンアニオン、ハロゲンで置換された脂肪族スルホキシアニオン及びボレートアニオンが好ましい。
【0037】
活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)として、酸発生効率の観点から好ましいのは、トリフェニルスルホニウムカチオン、トリ−p−トリルスルホニウムカチオン又は[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムカチオンをカチオン骨格として有する化合物、及び、下記一般式(11)〜(14)で示される化合物であり、更に好ましいのは下記一般式(11)〜(14)で示される化合物である。
【0038】
【化3】
【0039】
一般式(11)〜(14)における(X〜(Xは陰イオンを表し、具体的には一般式(1)又は(2)における(X又は(Xとして例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
【0040】
本発明における活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)は下記一般式(15)又は下記一般式(16)で示される化合物等が挙げられる。
【0041】
【化4】
【0042】
式中、Aは前記一般式(3)〜(10)のいずれかで表される2価又は3価の基であり、Ar〜Ar12はそれぞれ独立にベンゼン環骨格を少なくとも1個有し、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は複素環基であって、Ar〜Ar10及びAr12は1価の基、Ar11は2価の基であり、(X及び(Xは陰イオンを表し、cは0〜2の整数、dは1〜3の整数で、かつc+dは2又は3でAの価数と同じ整数である。
【0043】
ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
【0044】
一般式(16)におけるAとして、酸を発生する効率の観点から好ましいのは、前記一般式(5)及び一般式(7)〜(10)で表される基であり、一般式(5)及び(8)〜(10)で表される基が更に好ましい。
【0045】
一般式(15)又は一般式(16)におけるAr〜Ar12は、一般式(15)又は一般式(16)で表される化合物が紫外〜可視光領域に吸収をもつようになる基である。
Ar〜Ar12におけるベンゼン環骨格の数は、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4であり、Ar〜Ar12の具体例としては、一般式(1)又は一般式(2)のAr〜Arとして例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
【0046】
(X及び(Xとしては、一般式(1)又は(2)における(X又は(Xとして例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
【0047】
活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)として、酸発生効率の観点から好ましいのは、(4−メチルフェニル){4−(2−メチルプロピル)フェニル}ヨードニウムカチオン、[ビス(4−t−ブチルフェニル)]ヨードニウムカチオン、[ビス(4−t−ブチルフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ヨードニウムカチオン及び[ビス(4−メトキシフェニル)]ヨードニウムカチオンをカチオン骨格として有する化合物、並びに、これら以外の下記一般式(17)〜(20)で示される化合物であり、更に好ましいのは下記一般式(17)〜(20)で示される化合物(例示した化合物を含む)である。
【0048】
【化5】
【0049】
一般式(17)〜(20)において、R〜R13は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基であり、(X〜(X12は陰イオンを表す。
【0050】
ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
【0051】
〜R13として好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数1〜20のアシル基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
【0052】
一般式(17)〜(20)における(X〜(X12としては一般式(1)又は(2)における(X又は(Xとして例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
【0053】
一般に可視光領域(360nm〜830nm;JIS−Z8120参照)での硬化に使用可能な光重合開始剤は、可視光を吸収するため開始剤自体が着色しており、硬化膜の色相に悪影響を与るが、一般式(2)又は一般式(16)で示される化合物を使用することにより硬化膜の色相への悪影響を抑止することができる。
【0054】
本発明の感光性組成物中の活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)及び/又は活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)の含有量〔(B)と(C)の合計〕は、光硬化性の観点から、重合性物質(D)100重量%に対して、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
【0055】
本発明における重合性物質(D)としては、単官能ラジカル重合性物質(D1)、2官能ラジカル重合性物質(D2)、及び3官能以上のラジカル重合性物質(D3)等の公知の化合物を用いることができる。基材密着性と硬化速度の観点から、重合性物質(D)は、単官能ラジカル重合性物質(D1)及び/又は2官能ラジカル重合性物質(D2)を、重合性物質(D)100重量%中に合計で10〜70重量%含有する必要があり、好ましくは15〜65重量%、更に好ましくは30〜60重量%である。
また、基材密着性の観点から、重合性物質(D)は、単官能ラジカル重合性物質(D1)を含有するのが好ましく、1〜20重量%含有するのが更に好ましく、特に好ましくは3〜20重量%、最も好ましくは5〜10重量%である。また、硬化速度の観点で2官能ラジカル重合性物質(D2)を含有するのが好ましく、1〜69重量%含有するのが更に好ましく、特に好ましくは10〜65重量%、最も好ましくは、30〜60重量%である。したがって、基材密着性と硬化速度の観点から、単官能ラジカル重合性物質(D1)及び2官能ラジカル重合性物質(D2)の併用が好ましい。
尚、上記「単官能ラジカル重合性物質(D1)」とは、重合性官能基の数が1個のラジカル重合性物質を意味し、「2官能ラジカル重合性物質(D2)」とは、重合性官能基の数が2個のラジカル重合性物質を意味し、「3官能以上のラジカル重合性物質(D3)」とは、重合性官能基の数が3個以上のラジカル重合性物質を意味する。以下同様の記載法を用いる。
【0056】
また、必要により、ハイドロキノン類等の重合禁止剤を併用してもよい。
【0057】
単官能ラジカル重合性物質(D1)及び2官能ラジカル重合性物質(D2)として、例えば、炭素数3〜35の単官能(メタ)アクリルアミド化合物(D11)、炭素数4〜35の単官能(メタ)アクリレート化合物(D12)、炭素数6〜35の単官能芳香族ビニル化合物(D13)、炭素数3〜20の単官能ビニルエーテル化合物(D14)、その他の単官能ラジカル重合性化合物(D15)、炭素数4〜35の2官能(メタ)アクリレート化合物(D22)及び炭素数3〜20の2官能ビニルエーテル化合物(D24)等が挙げられる。
尚、上記及び以下において、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
【0058】
炭素数3〜35の単官能(メタ)アクリルアミド化合物(D11)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリロイルモルフォリン以外のものなどが挙げられる。
【0059】
炭素数4〜35の単官能(メタ)アクリレート化合物(D12)としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下、EOと記載)変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(以下、POと記載)変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート及びEO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のビニルエーテル基及び/又はアリルエーテル基を有しないものなどが挙げられる。
【0060】
炭素数6〜35の単官能芳香族ビニル化合物(D13)〔後述するビニルエーテル化合物(D14)は含まない。〕としては、例えば、ビニルチオフェン、ビニルフラン、ビニルピリジン、スチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン及び4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
【0061】
炭素数3〜20の単官能ビニルエーテル化合物(D14)としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル及びフェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
【0062】
その他の単官能ラジカル重合性化合物(D15)としては、例えば、アクリロニトリル、脂肪族ビニルエステル化合物(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びバーサチック酸ビニル等)、脂肪族アリルエステル化合物(酢酸アリル等)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリデン及び塩化ビニル等)及びオレフィン化合物(エチレン及びプロピレン等)等の芳香族エステル化合物以外のものなどが挙げられる。
【0063】
炭素数4〜35の2官能(メタ)アクリレート化合物(D22)としては、例えば、1,4−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0064】
炭素数3〜20の2官能ビニルエーテル化合物(D24)としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、アルキレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、アルキレンオキサイド変性ビスフェノールFジビニルエーテル等が挙げられる。
【0065】
これらの内、硬化速度と密着性の観点から好ましいのは、炭素数3〜35の単官能(メタ)アクリルアミド化合物(D11)、炭素数4〜35の単官能(メタ)アクリレート化合物(D12)及び炭素数4〜35の2官能(メタ)アクリレート化合物(D22)である。
【0066】
3官能以上のラジカル重合性物質(D3)としては、3〜6価のアルコールの3〜6官能(メタ)アクリレート化合物(D31)、3〜6価のアルコールの3〜6官能ビニルエーテル化合物(D32)及び、その他の3官能以上のラジカル重合性化合物(D33)が挙げられる。
【0067】
3〜6価のアルコールの3〜6官能(メタ)アクリレート化合物(D31)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0068】
3〜6価のアルコールの3〜6官能ビニルエーテル化合物(D32)としては、例えば、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテルEO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、PO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等が挙げられる。
【0069】
その他の3官能以上のラジカル重合性化合物(D33)としては、例えば、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0070】
3官能以上のラジカル重合性物質(D3)として好ましいのは、3〜6価のアルコールの3〜6官能(メタ)アクリレート化合物(D31)であり、更に好ましくは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。
【0071】
本発明の感光性組成物は、得られる硬化物の透明性の点から、着色材料である、着色剤(無機顔料及び有機顔料等の顔料、染料)、金属酸化物及び金属粉末のいずれもを実質的に含有しない必要がある。 ここで、実質的に含有しないとは、感光性組成物中の含有量が1重量%未満であることを意味する。
【0072】
本発明の感光性組成物は、必要により、溶剤、増感剤及び密着性付与剤(シランカップリング剤等)等を含有することができる。
【0073】
溶剤としては、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル類(エチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン及びメシチレン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ゲラニオール、リナロール及びシトロネロール等)及びエーテル類(テトラヒドロフラン及び1,8−シネオール等)等が挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
感光性組成物における溶剤の含有量は、0〜99重量%であることが好ましく、更に好ましくは3〜95重量%、特に好ましくは5〜90重量%である。
【0074】
増感剤としては、ケトクマリン、フルオレン、チオキサントン、アントラキノン、ナフチアゾリン、ビアセチル、ベンジル及びこれらの誘導体、ペリレン並びに置換アントラセン等が挙げられる。増感剤の含有量は、感光性組成物に対して0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
【0075】
密着性付与剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム及びアセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。密着性付与剤の含有量は、感光性組成物に対して0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
【0076】
本発明の感光性組成物は、更に、使用目的に合わせて、分散剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等の(メタ)アクリル樹脂以外のものなどを含有することができる。
【0077】
本発明の感光性組成物は、光ラジカル開始剤(A)と、重合性物質(D)と、活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)及び/又は活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)と、必要により溶剤その他の成分等とをボールミル又は3本ロールミル等で混練することで得られる。混練温度は好ましくは10℃〜40℃、更に好ましくは20℃〜30℃である。
【0078】
本発明の感光性組成物を硬化するのに用いる活性光線としては、可視光線、紫外線等が挙げられる。
本発明の感光性組成物は、360nm〜830nmの活性光線の照射で光硬化できるため、一般的に使用されている高圧水銀灯の他、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ及びハイパワーメタルハライドランプ等(UV・EB硬化技術の最新動向、ラドテック研究会編、シーエムシー出版、138頁、2006)が使用できる。また、LED光源を使用した照射装置も好適に使用できる。さらに、太陽光、低圧水銀灯、半導体レーザー等も使用できる。活性光線の照射時及び/又は照射後に酸発生剤から発生した酸を拡散させる目的で、加熱を行ってもよい。加熱温度は、好ましくは30℃〜200℃であり、更に好ましくは35℃〜150℃、特に好ましくは40℃〜120℃である。
【0079】
本発明の感光性組成物の基材への塗布方法としては、スピンコート、ロールコート及びスプレーコート等の公知のコーティング法並びにナノインプリントプロセス、平版印刷、カルトン印刷、金属印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷及びグラビア印刷といった印刷法を適用できる。また、微細液滴を連続して吐出するインクジェット方式の塗布にも適用できる。
【0080】
上記ナノインプリントプロセスとは、所望のパターンの解像度がナノオーダーで描かれた金型を用い、その金型に感光性組成物を塗布したフィルムに圧力をかけて圧着し、その後、フィルム側から光硬化のため露光を行い、金型から硬化樹脂フィルムを剥離することにより、ナノ賦形加工されたフィルムを得るプロセスのことを言う。
【実施例】
【0081】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に規定しない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
【0082】
[スルホニウム塩誘導体(B)の製造]
製造例1
[活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B−1){化学式(21)で表される化合物}の合成]
【0083】
【化6】
【0084】
(1)2−(フェニルチオ)チオキサントン[中間体(B−1−1)]の合成:
2−クロロチオキサントン11.0部、チオフェノール4.9部、水酸化カリウム2.5部及びN,N−ジメチルホルムアミド162部を均一混合し、130℃で9時間反応させた後、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水200部中に投入し、生成物を析出させた。これをろ過し、残渣を水で濾液のpHが中性になるまで洗浄した後、残渣を減圧乾燥させ、黄色粉末状の生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/ヘキサン=1/1:容量比)で精製し、中間体(B−1−1)(黄色固体)3.1部を得た。
【0085】
(2)2−[(フェニル)スルフィニル]チオキサントン[中間体(B−1−2)]の合成:
中間体(B−1−1)11.2部、アセトニトリル215部及び硫酸0.02部を40℃で撹拌しながら、これに30%過酸化水素水溶液4.0部を徐々に滴下し、40〜45℃で14時間反応させた後、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水200部中に投入し、生成物を析出させた。これをろ過し、残渣を水で濾液のpHが中性になるまで洗浄した後、残渣を減圧乾燥させ、黄色粉末状の生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/トルエン=1/3:容量比)にて生成物を精製して、中間体(B−1−2)(黄色固体)13.2部を得た。
【0086】
(3)スルホニウム塩誘導体(B−1)の合成:
中間体(B−1−2)4.3部、無水酢酸4.1部及びアセトニトリル110部を40℃で撹拌しながら、これにトリフルオロメタンスルホン酸2.4部を徐々に滴下し、40〜45℃で1時間反応させた後、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水150部中に投入し、クロロホルムで抽出し、水相のpHが中性になるまで水で洗浄した。クロロホルム相をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去した後、トルエン50部を加えて超音波洗浄器でトルエン中に分散し約15分間静置してから上澄みを除く操作を3回繰り返して、生成した固体を洗浄した後、残渣を減圧乾燥した。この残渣をジクロロメタン212部に溶かし、10%トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム水溶液65部中に投入してから、室温(約25℃)で2時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、有機溶媒を減圧留去することにより、スルホニウム塩誘導体(B−1)(黄色固体)5.5部を得た。
【0087】
製造例2
[活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C−1){化学式(22)で表される化合物}の合成]
【0088】
【化7】
【0089】
トルエン[東京化成工業(株)製]6.5部、イソプロピルベンゼン[東京化成工業(株)製]8.1部、ヨウ化カリウム[東京化成工業(株)製]5.35部及び無水酢酸20部を酢酸70部に溶解させ、10℃まで冷却し、温度を10±2℃に保ちながら、濃硫酸12部と酢酸15部の混合溶液を1時間かけて滴下した。25℃まで昇温し、24時間攪拌した。その後、反応溶液にジエチルエーテル50部を加え、水で3回洗浄し、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣にトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウム118部を水100部に溶解させた水溶液を加え、25℃で20時間攪拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル500部を加え、水で3回洗浄し、有機溶剤を減圧留去することで目的とするヨードニウム塩誘導体(C−1)(淡黄色液体)14.0部を得た。
【0090】
実施例1〜22
表1に示す単官能ラジカル重合性物質(D1)、2官能ラジカル重合性物質(D2)、3官能以上のラジカル重合性物質(D3)、光ラジカル開始剤(A)と、活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)及び/又は活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)とを用いて、表1に記載の部数の(D1)〜(D3)と、「光ラジカル開始剤(A)5部、活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)又は活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)0.5部〔ただし、実施例9においては、(B)と(C)各々2.5部〕」をボールミルを用いて25℃で3時間混練して、本発明の感光性組成物(Q−1)〜(Q−22)を製造した。
【0091】
【表1】
【0092】
比較例1〜19
表2に示す部数の単官能ラジカル重合性物質(D1)、2官能ラジカル重合性物質(D2)及び3官能以上のラジカル重合性物質(D3)と、光ラジカル開始剤(A)を5部使用し、必要により、活性光線により酸を発生するスルホニウム塩誘導体(B)又は活性光線により酸を発生するヨードニウム塩誘導体(C)を0.5部使用する以外は実施例1と同様にして、比較用の感光性組成物(Q’−1)〜(Q’−19)を製造した。
【0093】
【表2】
【0094】
表1及び2に記載の化合物に関して、(A)としてのLUCIRIN TPOはBASF社製の商品を用いた。
【0095】
[密着性]
実施例1〜22及び比較例1〜19で得た各感光性組成物を、表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡社製コスモシャインA4300、以下の評価にも同じものを用いた。]、表面処理を施した厚さ80μmのTAC(トリアセチルセルロース)フィルム[富士フイルムホールディング社製TF−80UL)、厚さ125μmのPMMA(ポリメチルメタクリレート)フィルム[三菱レイヨン社製アクリプレンHBS010P]、厚さ25μmのPP(ポリプロピレン)フィルム[日本ポリプロ社製ウィンテックWFX4TA]及び厚さ100μmのCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルム[日本ゼオン社製ゼオノアフィルムZF14]に、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布し、ベルトコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製「ECS−151U」、以下の評価にも同じ装置を用いた。)を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cmであった。
PET、TAC、PMMA、PP及びCOPフィルムに塗工した硬化後の塗膜について、JIS K−5600−5−6に準拠し、碁盤目セロハンテープ剥離試験により密着性を評価した。
【0096】
[透明性(透過率及びヘイズ)]
実施例1〜22及び比較例1〜19で得た各感光性組成物を、表面処理を施した厚さ100μmの上記PETフィルムに、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布し、上記ベルトコンベア式UV照射装置を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cmであった。
硬化後の塗膜をJIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner(株)製]を用いて透過率及びヘイズを測定した(基材のPETフィルムの値をブランクとして差し引いた)。いずれも単位は%である。
尚、透過率が90%以上で、ヘイズが0.5%以下であれば、産業上利用する上で問題ない透明性である。
【0097】
[鉛筆硬度]
実施例1〜22及び比較例1〜19で得た各感光性組成物を、表面処理を施した厚さ100μmの上記PETフィルムに、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布し、上記ベルトコンベア式UV照射装置を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cmであった。
硬化後の塗膜について、JIS K−5400に準拠して、鉛筆硬度を測定した。
【0098】
[耐擦傷性]
実施例1〜22及び比較例1〜19で得た各感光性組成物を、表面処理を施した厚さ100μmの上記PETフィルムに、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布し、上記ベルトコンベア式UV照射装置を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cmであった。
硬化後の塗膜を、スチールウール#0000を用い、1cmあたり250gの荷重をかけて30往復擦傷後、外観を目視により以下の基準で評価した。
◎:全く傷が付かない。
○:引っかき傷が数本程度認められる。
×:多数の引っかき傷が認められ、表面が白濁する。
【0099】
[耐熱性]
実施例1〜22及び比較例1〜19で得た各感光性組成物を、表面処理を施した厚さ100μmの上記PETフィルムに、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布して、上記ベルトコンベア式UV照射装置を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cmであった。
上記硬化後塗膜を85℃の送風定温恒温器(DKN302:ヤマト科学(株)製)に入れ、100時間又は300時間温調した。温調後の樹脂フィルムを目視、及び形状測定顕微鏡(超深度形状測定顕微鏡VK−8550、キーエンス(株)製)を用いて50倍で観察し、以下の基準により評価した。
◎:温調前と外観変化が全く認められず、かつ変色無し。
○:温調前と外観変化が全く認められないが、変色有り。
△:目視では変化がないが、顕微鏡にて温調前と変化が認められる。
×:目視で温調前と変化が認められる
【0100】
[硬化性]
実施例1〜22及び比較例1〜19で得た各感光性組成物を、表面処理を施した厚さ100μmの上記PETフィルムに、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布した。露光については下記2種の照射装置を用いて実施した。
(1)上記ベルトコンベア式UV照射装置を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cmであった。
(2)スポット式LED照射装置(フォセオン・テクノロジー社製「RX FireFlex」)を使用して露光を行なった。露光量は395nmとして150mJ/cmであった。
硬化後塗膜の光照射直後の硬化性を、指触及び爪で強く引っ掻くことにより、以下の評価基準で評価した。
◎:表面にタックがなく爪で傷つかない。
○:表面にタックはないが、爪で傷つく。
△:表面にタックがあり、爪で傷つく。
×:未硬化。
【0101】
[耐黄変性]
実施例1〜22及び比較例1〜19で得た各感光性組成物を、表面処理を施した厚さ100μmの上記PETフィルムに、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布して、上記ベルトコンベア式UV照射装置を使用して露光を行った。露光量は365nmとして10,000mJ/cmであった。外観を目視にて観察し、以下の基準により評価した。
◎:黄変なし。
○:白色紙の上で観察すると僅かに黄変有り。
△:蛍光灯下で黄変が認められる。
×:激しい黄変が認められる。
【0102】
[パターン再現性]
実施例1〜22及び比較例1〜19で得た各感光性組成物を、表面処理を施した厚さ100μmの上記PETフィルムに、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布して、ライン幅10nm、深さ10nmのラインパターンを有する金型に塗布したフィルムをローラーで押し当て、上記ベルトコンベア式UV照射装置を使用してフィルム面から露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cmであった。メチルエチルケトン2mLを塗膜を覆うように塗布し、その後、循風乾燥機を使用して80℃で2分間乾燥させた。メチルエチルケトンを完全に乾燥させた塗膜をAFM(原子間力顕微鏡)で、金型のパターンを再現しているか以下の基準で評価した。
◎:ライン幅10nm±0.5nm、かつパターン高さ10nm±0.5nm。
○:ライン幅10nm±2nm、かつパターン高さ10nm±2nm。
△:ライン幅10nm±5nm、かつパターン高さ10nm±5nm。
×:ラインパターンを確認できない。
【0103】
これらの評価結果を表3及び表4に示す。
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の感光性組成物は、各種基材への密着性、硬度、耐擦傷性、耐熱性に優れ、かつ透明な硬化物を形成可能であるため、フラットパネルディスプレイ用として極めて有用である。