(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
(安定化剤、安定化方法)
本発明の安定化剤及び安定化方法は、(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物であって、該混合物に対する(B)エリソルビン酸の質量比が0.1〜0.7である混合物を有効成分として含有するものである。
【0012】
(A)アスコルビン酸には光学異性体が存在するが、単一の異性体でも、ラセミ体でもよい。中でも、非重合体カテキン類のより一層の劣化抑制の観点から、L体が好ましい。
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸は、それぞれ市販品を使用することが可能である。
【0013】
本発明においては、(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(B)エリソルビン酸の質量比[(B)/[(A)+(B)]]を0.1〜0.7の範囲内とするが、非重合体カテキン類のより一層の劣化抑制の観点から、0.13以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.18以上が更に好ましく、また0.65以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.55以下が更に好ましい。かかる質量比[(B)/[(A)+(B)]]の範囲としては、好ましくは0.13〜0.65、より好ましくは0.15〜0.6、更に好ましくは0.18〜0.55である。
【0014】
また、本発明においては、(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(C)非重合体カテキン類の質量比[(C)/[(A)+(B)]]を0.7〜10の範囲内とするが、非重合体カテキン類のより一層の劣化抑制の観点から、1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.8以上が更に好ましく、2.2以上が更に好ましく、2.4以上が更に好ましく、また8以下が好ましく、6以下がより好ましく、4.5以下が更に好ましい。かかる質量比〔(C)/[(A)+(B)]〕の範囲としては、好ましくは0.7〜8、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1.2〜8、更に好ましくは1.8〜8、更に好ましくは2〜8、更に好ましくは2.2〜6、更に好ましくは2.4〜4.5である。ここで、本明細書において「(C)非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称である。本発明においては、これら8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
【0015】
(C)非重合体カテキン類は、通常、Camellia属、例えば、C.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)より得られる茶抽出物に含まれている。
【0016】
抽出に使用する茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、非重合体カテキン類の含有量の点から、緑茶が好ましい。また、抽出方法としては、ニーダー抽出、攪拌抽出(バッチ抽出)、向流抽出(ドリップ抽出)、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。
【0017】
また、本発明においては、茶抽出物の代わりに茶抽出物の濃縮物又は精製物を使用してもよく、また茶抽出物に茶抽出物の濃縮物又は精製物を配合したものを使用してもよい。ここで、「茶抽出物」とは、茶から熱水又は親水性有機溶媒を用いて抽出したものであって、濃縮や精製操作が行われていないものをいう。なお、親水性有機溶媒として、例えば、エタノール等のアルコールを使用することができる。また、「茶抽出物の濃縮物」とは、茶抽出物から溶媒の一部を除去して非重合体カテキン類濃度を高めたものをいい、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載の方法により調製することができる。その形態としては、固体、水溶液、スラリー状等の種々のものがある。茶抽出液の濃縮物として市販品を使用してもよく、例えば、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等が挙げられる。また、茶抽出物の精製物は、茶抽出物又はその濃縮物を、エタノール等の有機溶媒と水の混合溶媒で抽出処理したり、活性炭や酸性白土又は活性白土と接触処理さる等の方法や、更にタンナーゼ処理等を行って調製することができる。精製方法としては公知の方法を採用することが可能であるが、例えば、特開2007−89561号記載の方法を挙げることができる。
【0018】
本発明においては、(C)非重合体カテキン類に、有効量の(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物を添加すればよい。例えば、0.03〜0.25質量%の非重合体カテキン類を含有する組成物に対して、(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物を0.015〜0.07質量%添加することが挙げられる。
【0019】
非重合体カテキン類の濃度は、生理効果の観点から、非重合体カテキン類を含む組成物中に、0.03質量%以上が好ましく、0.04質量%以上がより好ましく、0.06質量%以上が更に好ましく、0.08質量%以上が更に好ましく、0.09質量%以上が更に好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、0.11質量%以上が更に好ましく、0.12質量%以上が更に好ましい。また、非重合体カテキン類の劣化抑制の観点から、非重合体カテキン類を含む組成物中に、0.25質量%以下が好ましく、0.23質量%以下がより好ましく、0.22質量%以下が更に好ましく、0.21質量%以下が更に好ましい。かかる非重合体カテキン類の濃度の範囲としては、好ましくは0.03〜0.25質量%、より好ましくは0.04〜0.25質量%、更に好ましくは0.06〜0.25質量%、更に好ましくは0.08〜0.25質量%、更に好ましくは0.09〜0.25質量%、更に好ましくは0.1〜0.23質量%、更に好ましくは0.11〜0.22質量%、更に好ましくは0.12〜0.21質量%である。なお、本明細書において、非重合体カテキン類の濃度は、前述の8種の合計量に基づいて定義される。また、非重合体カテキン類の測定は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
【0020】
また、(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物の添加量は、非重合体カテキン類の劣化抑制の観点から、非重合体カテキン類を含む組成物中に、0.015質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.025質量%以上が更に好ましく、また0.07質量%以下が好ましく、0.065質量%以下がより好ましく、0.06質量%以下が更に好ましい。かかる(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物の添加量の範囲としては、好ましくは0.015〜0.07質量%、より好ましくは0.02〜0.065質量%、更に好ましくは0.025〜0.06質量%である。
【0021】
本発明の安定化剤及び安定化方法は、非重合体カテキン類を含有すれば組成物の種類に特に限定なく適用することができるが、例えば、非重合体カテキン類を含有する飲食品等に適用することができる。非重合体カテキン類を含有する飲食品としては、例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料等の飲料の他、パン、ケーキ、クッキー、ビスケット等の菓子、ゼリー、ヨーグルト、アイスクリーム等のデザート等を挙げることができる。なお、飲食品の形態は特に限定されず、摂取しやすい形態であれば、固形、粉末、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。
【0022】
(容器詰飲料)
本発明の容器詰飲料は、(A)アスコルビン酸、(B)エリソルビン酸及び(C)非重合体カテキン類を含有するものである。
本発明の容器詰飲料中の(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の全質量に対する(B)エリソルビン酸の質量比[(B)/[(A)+(B)]]は、0.1〜0.7であるが、非重合体カテキン類のより一層の劣化抑制の観点から、0.13以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.18以上が更に好ましく、また0.65以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.55以下が更に好ましい。かかる質量比[(B)/[(A)+(B)]]の範囲としては、好ましくは0.13〜0.65、より好ましくは0.15〜0.6、更に好ましくは0.18〜0.55である。
【0023】
また、本発明の容器詰飲料中の(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の合計含有量は、非重合体カテキン類の劣化抑制の観点から、0.015質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.025質量%以上が更に好ましく、また0.07質量%以下が好ましく、0.065質量%以下がより好ましく、0.06質量%以下が更に好ましい。かかる(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の合計含有量の範囲としては、好ましくは0.015〜0.07質量%、より好ましくは0.02〜0.065質量%、更に好ましくは0.025〜0.06質量%である。
容器詰飲料中の(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸を定量するには、公知の方法を用いることができる。例えば、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)を用いる方法(平成22年度 福岡市保健環境研究所報 36号(2010年)、47〜50頁)、ホモシステイン還元法により測定用試料を調製し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定する方法(ジーエルサイエンス(株)テクニカルノート)等が挙げられる。
【0024】
本発明の容器詰飲料中の(C)非重合体カテキン類の含有量は0.03〜0.25質量%であるが、生理効果の観点から、0.04質量%以上がより好ましく、0.06質量%以上が更に好ましく、0.08質量%以上が更に好ましく、0.09質量%以上が更に好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、0.11質量%以上が更に好ましく、0.12質量%以上が更に好ましい。また、非重合体カテキン類のより一層の劣化抑制の観点から、0.23質量%以下が好ましく、0.22質量%以下がより好ましく、0.21質量%以下が更に好ましい。かかる非重合体カテキン類の濃度の範囲としては、好ましくは0.04〜0.25質量%、より好ましくは0.06〜0.25質量%、更に好ましくは0.08〜0.25質量%、更に好ましくは0.09〜0.25質量%、更に好ましくは0.1〜0.23質量%、更に好ましくは0.11〜0.22質量%、更に好ましくは0.12〜0.21質量%である。
【0025】
また、本発明の容器詰飲料中の(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の全質量に対する(C)非重合体カテキン類の質量比[(C)/[(A)+(B)]]は0.7〜10であるが、非重合体カテキン類のより一層の劣化抑制の観点から、1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.8以上が更に好ましく、2.2以上が更に好ましく、2.4以上が更に好ましく、また8以下が好ましく、6以下がより好ましく、4.5以下が更に好ましい。かかる質量比〔(C)/[(A)+(B)]〕の範囲としては、好ましくは0.7〜8、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1.2〜8、更に好ましくは1.8〜8、更に好ましくは2〜8、更に好ましくは2.2〜6、更に好ましくは2.4〜4.5である。
【0026】
本発明の容器詰飲料のpH(20℃)は、風味及び保存安定性の観点から、2以上が好ましく、3以上が好ましく、そして5以下が好ましく、4以下が更に好ましい。pHの範囲としては、好ましくは2〜5、更に好ましくは3〜4である。
【0027】
本発明の容器詰飲料としては、例えば、緑茶飲料等の不発酵茶飲料、烏龍茶飲料等の半発酵茶飲料、紅茶飲料等の発酵茶飲料が挙げられる。また、例えば、炭酸飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、スポーツドリンク、エネルギードリンク、ニアウォーター、アイソトニック飲料、ハイポトニック飲料、ハイパートニック飲料等とすることもできる。
【0028】
本発明の容器詰飲料は公知の方法により製造することが可能であるが、例えば、茶抽出物と、質量比[(B)/[(A)+(B)]]が前記範囲内にある(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物を配合し、(C)非重合体カテキン類の濃度、及び質量比[(C)/[(A)+(B)]]を調整して製造することができる。
【0029】
本発明の容器詰飲料には、所望により、酸味料、甘味料、炭酸ガス、ビタミン、ミネラル、環状オリゴ糖、起泡剤、泡安定剤、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、野菜エキス類、花蜜エキス類、品質安定剤等の添加剤を単独で又は2種以上を組み合わせて配合することができる。なお、添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定可能である。
【0030】
また、本発明の容器詰飲料に使用できる容器としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器が挙げられる。
更に、容器に充填後、例えば、金属缶のような加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件で殺菌することができる。他方、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
【0031】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の非重合体カテキン類の安定化剤及び安定化方法、並びに容器詰飲料を開示する。
【0032】
<1−1>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物であって、該混合物に対する(B)エリソルビン酸の質量比[(B)/[(A)+(B)]]が0.1〜0.7である混合物を有効成分として含み、前記混合物に対する(C)非重合体カテキン類の質量比[(C)/[(A)+(B)]]が0.7〜10である、非重合体カテキン類の安定化剤。
【0033】
<1−2>
(C)非重合体カテキン類に、(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物であって、該混合物に対する(B)エリソルビン酸の質量比[(B)/[(A)+(B)]]が0.1〜0.7である混合物を、該混合物に対する(C)非重合体カテキン類の質量比[(C)/[(A)+(B)]]が0.7〜10となるように添加する、非重合体カテキン類の安定化方法。
【0034】
<1−3>
(A)アスコルビン酸が、好ましくはL−アスコルビン酸である、前記<1−1>記載の非重合体カテキン類の安定化剤又は前記<1−2>記載の非重合体カテキン類の安定化方法(以下、「非重合体カテキン類の安定化剤又は非重合体カテキン類の安定化方法」を「安定化剤等」と称する)。
<1−4>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(B)エリソルビン酸の質量比[(B)/[(A)+(B)]]が、好ましくは0.13以上、より好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.18以上であって、好ましくは0.65以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.55以下である、前記<1−1>〜<1−3>のいずれか一に記載の安定化剤等。
<1−5>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(B)エリソルビン酸の質量比[(B)/[(A)+(B)]]が、好ましくは0.13〜0.65、より好ましくは0.15〜0.6、更に好ましくは0.18〜0.55である、前記<1−1>〜<1−4>のいずれか一に記載の安定化剤等。
<1−6>
(C)非重合体カテキン類が、好ましくはエピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、ガロカテキン及びカテキンから選ばれる少なくとも1種である、前記<1−1>〜<1−5>のいずれか一に記載の安定化剤等。
<1−7>
(A)非重合体カテキン類が、好ましくは不発酵茶、半発酵茶又は発酵茶から得られた茶抽出物、その濃縮物又はそれらの精製物、更に好ましくは緑茶抽出物、その濃縮物又はそれらの精製物に由来するものである、前記<1−1>〜<1−6>のいずれか一に記載の安定化剤等。
<1−8>
好ましくは非重合体カテキン類を含有する組成物に適用される、前記<1−1>〜<1−7>のいずれか一に記載の安定化剤等。
<1−9>
非重合体カテキン類を含有する組成物が、好ましくは非重合体カテキン類を含有する飲食品、更に好ましくは飲料(好ましくは緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料)、菓子(好ましくはパン、ケーキ、クッキー、ビスケット)、又はデザート(好ましくはゼリー、ヨーグルト、アイスクリーム)である、前記<1−8>記載の安定化剤等。
<1−10>
非重合体カテキン類を含む組成物中の(A)非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.04質量%以上、更に好ましくは0.06質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.09質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.11質量%以上、更に好ましくは0.12質量%以上であって、好ましくは0.25質量%以下、より好ましくは0.23質量%以下、更に好ましくは0.22質量%以下、更に好ましくは0.21質量%以下である、前記<1−8>又は<1−9>記載の安定化剤等。
<1−11>
非重合体カテキン類を含む組成物中の(A)非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは0.03〜0.25質量%、より好ましくは0.04〜0.25質量%、更に好ましくは0.06〜0.25質量%、更に好ましくは0.08〜0.25質量%、更に好ましくは0.09〜0.25質量%、更に好ましくは0.1〜0.23質量%、更に好ましくは0.11〜0.22質量%、更に好ましくは0.12〜0.21質量%である、前記<1−8>〜<1−10>のいずれか一に記載の安定化剤等。
<1−12>
非重合体カテキン類を含む組成物中の(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物の添加量が、好ましくは0.015質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.025質量%以上であって、好ましくは0.07質量%以下、更に好ましくは0.065質量%以下である、前記<1−8>〜<1−11>のいずれか一に記載の安定化剤等。
【0035】
<1−13>
非重合体カテキン類を含む組成物中の(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物の添加量が、好ましくは0.015〜0.07質量%、より好ましくは0.02〜0.065質量%、更に好ましくは0.025〜0.06質量%である、前記<1−8>〜<1−12>のいずれか一に記載の安定化剤等。
<1−14>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(C)非重合体カテキン類の質量比[(C)/[(A)+(B)]]が、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.8以上、更に好ましくは2.2以上、更に好ましくは2.4以上であって、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4.5以下である、前記<1−1>〜<1−13>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類の安定化剤。
<1−15>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(C)非重合体カテキン類の質量比[(C)/[(A)+(B)]]が、好ましくは0.7〜8、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1.2〜8、更に好ましくは1.8〜8、更に好ましくは2〜8、更に好ましくは2.2〜6、更に好ましくは2.4〜4.5である、前記<1−1>〜<1−14>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類の安定化剤。
<1−16>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(C)非重合体カテキン類の質量比[(C)/[(A)+(B)]]が、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.8以上、更に好ましくは2.2以上、更に好ましくは2.4以上であって、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4.5以下となるように添加する、前記<1−1>〜<1−12>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類の安定化方法。
<1−17>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(C)非重合体カテキン類の質量比[(C)/[(A)+(B)]]が、好ましくは0.7〜8、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1.2〜8、更に好ましくは1.8〜8、更に好ましくは2〜8、更に好ましくは2.2〜6、更に好ましくは2.4〜4.5となるように添加する、前記<1−1>〜<1−12>、<1−16>のいずれか一に記載の非重合体カテキン類の安定化方法。
【0036】
<2−1>
次の成分(A)〜(C);
(A)アスコルビン酸、
(B)エリソルビン酸、及び
(C)非重合体カテキン類 0.03〜0.25質量%
を含み、
成分(A)及び成分(B)の全質量に対する成分(B)の質量比[(B)/[(A)+(B)]]が0.1〜0.7であり、かつ
成分(A)及び成分(B)の全質量に対する成分(C)の質量比[(C)/[(A)+(B)]]が0.7〜10である、容器詰飲料。
【0037】
<2−2>
(A)アスコルビン酸が、好ましくはL−アスコルビン酸である、前記<2−1>記載の容器詰飲料。
<2−3>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(B)エリソルビン酸の質量比[(B)/[(A)+(B)]]が、好ましくは0.13以上、より好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.18以上であって、好ましくは0.65以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.55以下である、前記<2−1>又は<2−2>記載の容器詰飲料。
<2−4>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(B)エリソルビン酸の質量比[(B)/[(A)+(B)]]が、好ましくは0.13〜0.65、より好ましくは0.15〜0.6、更に好ましくは0.18〜0.55である、前記<2−1>〜<2−3>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−5>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物の含有量が、好ましくは0.015質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.025質量%以上であって、好ましくは0.07質量%以下、更に好ましくは0.065質量%以下である、前記<2−1>〜<2−4>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−6>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物の含有量が、好ましくは0.015〜0.07質量%、より好ましくは0.02〜0.065質量%、更に好ましくは0.025〜0.06質量%である、前記<2−1>〜<2−5>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−7>
(A)非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは0.04質量%以上、より好ましくは0.06質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.09質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.11質量%以上、更に好ましくは0.12質量%以上であって、好ましくは0.23質量%以下、より好ましくは0.22質量%以下、更に好ましくは0.21質量%以下である、前記<2−1>〜<2−6>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−8>
(A)非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは0.04〜0.25質量%、より好ましくは0.06〜0.25質量%、更に好ましくは0.08〜0.25質量%、更に好ましくは0.09〜0.25質量%、更に好ましくは0.1〜0.23質量%、更に好ましくは0.11〜0.22質量%、更に好ましくは0.12〜0.21質量%である、前記<2−1>〜<2−7>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−9>
(C)非重合体カテキン類が、好ましくはエピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、ガロカテキン及びカテキンから選ばれる少なくとも1種である、前記<2−1>〜<2−8>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−10>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(C)非重合体カテキン類の質量比[(C)/[(A)+(B)]]が、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.8以上、更に好ましくは2.2以上、更に好ましくは2.4以上であって、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4.5以下である、前記<2−1>〜<2−9>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
【0038】
<2−11>
(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物に対する(C)非重合体カテキン類の質量比[(C)/[(A)+(B)]]が、好ましくは0.7〜8、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1.2〜8、更に好ましくは1.8〜8、更に好ましくは2〜8、更に好ましくは2.2〜6、更に好ましくは2.4〜4.5である、前記<2−1>〜<2−10>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−12>
pHが、好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であって、好ましくは5以下、更に好ましくは4以下である、前記<2−1>〜<2−11>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−13>
pHが、好ましくは2〜5、更に好ましくは3〜4である、前記<2−1>〜<2−12>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−14>
更に、好ましくは酸味料、甘味料、炭酸ガス、ビタミン、ミネラル、環状オリゴ糖、起泡剤、泡安定剤、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、野菜エキス類、花蜜エキス類及び品質安定剤から選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<2−1>〜<2−13>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−15>
当該容器詰飲料の容器が、好ましくはPETボトル、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、又は瓶である、前記<2−1>〜<2−14>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
<2−16>
加熱殺菌されたものである、前記<2−1>〜<2−15>のいずれか一に記載の容器詰飲料。
【実施例1】
【0039】
非重合体カテキン類の分析
フィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は0.1mol/Lの酢酸水溶液、B液は0.1mol/Lの酢酸アセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエントの条件は、以下のとおりである。
【0040】
時間(分) A液濃度(体積%) B液濃度(体積%)
0.0 97 3
5.0 97 3
37.0 80 20
43.0 80 20
43.5 0 100
48.5 0 100
49.0 97 3
60.0 97 3
【0041】
製造例1
〔緑茶抽出物の精製物の製造〕
市販の緑茶抽出物(ポリフェノンHG、三井農林社製)200gを常温、250r/min攪拌条件下の95質量%エタノール水溶液800g中に分散させ、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを投入後、約10分間攪拌を続けた。その後、2号ろ紙でろ過した。その後、活性炭16gを添加し再び2号ろ紙でろ過した。次に0.2μmメンブランフィルターによって再ろ過し、濁りの除去を行った。40℃、減圧下にてエタノールを留去し、減圧濃縮を行う精製カテキン製剤を得た。得られたカテキン製剤は、非重合体カテキン類の含有量が15質量%であった。
【0042】
実施例1〜6及び比較例1〜9
製造例1で得られた緑茶抽出物の精製物を使用し、表1(非重合体カテキン類0.1250質量%)及び表2(同0.2000質量%)に示す割合で各成分を配合して撹拌後、108℃、30秒間殺菌(UHT殺菌)した後、PETボトルに充填して容器詰飲料を調製した。得られた容器詰飲料を55℃で7日間保存し、保存後の非重合体カテキン類の残存量を測定した。測定結果を表1及び表2にぞれぞれ示す。また、非重合体カテキン類濃度が0.125質量%のときの、(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸の混合物中の(A)アスコルビン酸の質量比と、非重合体カテキン類の残存率との関係を
図1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
表1及び2から、非重合体カテキン類に、(A)アスコルビン酸及び(B)エリソルビン酸を一定の量比で含む混合物を含有せしめることで、非重合体カテキン類の劣化を抑制できることが確認された。