(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被計量物としての車両に属する全ての車輪が同時に載置可能でありかつ該全ての車輪が同時に載置されたときに該車両がその前後方向において水平面に対して所定の角度で傾斜する傾斜姿勢を成すように構成された計量台と、
上記計量台を支持すると共に該計量台を介して自身に印加される荷重を検出する複数の荷重検出手段と、
上記複数の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値と上記前後方向における上記車両の重心の位置を表す車両重心位置情報とに基づいて該車両の重心の高さを求める車両重心高さ演算手段と、
を具備し、
上記計量台における上記全ての車輪のそれぞれが載置される部分は1つの平面上にあって不動であり、
上記計量台は上記車両が通行する通行路の一部を形成するように設けられた、
車両計量装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1実施形態について、
図1〜
図9を参照して説明する。
【0017】
本第1実施形態に係る車両計量装置10は、
図1に示す計量部20と、
図2に示す計量プロセッサ30と、を具備し、例えば計量所や運送業者の敷地内に設置される。この敷地内には、
図1における左側から右側に向かって被計量物としての車両100が通行する例えばアスファルト舗装された通行路40が敷設されており、この通行路40の途中に、計量部20が配置されている。そして、計量プロセッサ30は、管理室等の屋内に配置されている。なお、ここで言う車両100は、例えば駆動車102と当該駆動車102によって牽引される荷台車104とから成る牽引自動車であり、詳しくは2軸の駆動車102と2軸の荷台車104とから成る合計4軸のセミトレーラである。
【0018】
さらに、通行路40の途中であって、計量部20の手前、詳しくは後述する傾斜路面42の手前(
図1における左側)に、諸元情報取得手段としてのカードリーダ50が設置されている。このカードリーダ50は、車両100の搭乗者(運転手または同乗者)が携帯している図示しない諸元情報記憶手段としてのカードから、それに記憶されている当該車両100に関する諸元情報Dsを読み取るためのものであり、図示は省略するが、計量プロセッサ30に接続されている。なお、諸元データDsに詳細については、追って適宜に説明する。また、ここで言うカードとしては、例えば磁気ストライプカードやIC(Integrated Circuit)カードが採用可能であるが、特にRFID(Radio Frequency IDentification)タグが組み込まれた非接触型ICカードが好適である。勿論、このカードの仕様に合わせて、カードリーダ50の仕様も決まる。
【0019】
加えて、後述する計量台22の前側部(
図1における右側部分)の上方には、車両前後方向位置検出手段としての例えばカメラ60が設置されている。併せて、計量台22の横方、例えば左横方(
図1における紙面(車両100)の奥方側)には、車両左右方向位置検出手段としての距離センサ70が設置されている。これらカメラ60および距離センサ70もまた、計量プロセッサ30に接続されている。
【0020】
計量部20について、
図3をも参照してより具体的に説明すると、当該計量部20は、車両100に属する全ての車輪(タイヤ)106,106,…が同時に載置可能な計量台22と、この計量台22を支持する複数の、例えば4つの、荷重検出手段としてのロードセル24,24,…と、を備えている。このうちの計量台22は、車両載置面としての平らな上面を有している。そして、この計量台22の上面は、車両100の前後方向(進行方向)において傾斜しており、詳しくはこれを上方から見ると、車両100の前後方向を長手方向とする概略矩形であり、横方から見ると、特に右横方(
図1における紙面の手前側)から見ると、水平面に対して反時計回りにθという所定の角度を成して傾斜している。なお、車両100の左右方向においては、当該計量台22の上面(厳密には車両100の左右方向に沿う鉛直面による当該計量台22の切断面の上辺)は、水平である。従って、この計量台22の上面に車両100の全車輪106,106,…が同時に載置されている状態にあるときには、当該車両100は、その前後方向において水平面に対して所定の角度θを成して言わば上向きに傾斜する姿勢となり、左右方向においては水平姿勢となる。また、当然であるが、この計量台22の上面の長さ寸法(長手方向の寸法)L1(厳密には計量台22の上面に沿う方向における後述の前部ロードセルLC1(またはLC2)の中心軸と後部ロードセルLC3(またはLC4)の中心軸との相互間距離)は、車両100のホイールベースLa(厳密にはこれに最前輪軸である第1軸および最後輪軸である第4軸それぞれの車輪106の接地面長さを加味した寸法)よりも大きい(L1>La)。そして、当該計量台22の上面の幅寸法(短辺方向の寸法)L2(厳密には計量台22の上面に沿う方向における後述の左側ロードセルLC1(またはLC3)の中心軸と右側ロードセルLC2(またはLC4)の中心軸との相互間距離であって後述のL7に相当する距離)は、車両100のトレッドLb(厳密にはこれに左右それぞれの車輪106の幅寸法を加味した寸法)よりも大きい(L2>Lb)。一方、計量台22の下面は、各ロードセル24,24,…による支持面とされており、詳しくはその四隅近傍の部分が、当該支持面としての水平な平面とされている。このような構成の計量台22は、例えば剛性の高い金属製であり、併せて、リブ等の適当な補強部材によって補強されている。
【0021】
各ロードセル24,24,…は、計量台22の下面の四隅近傍にある上述の支持面と、通行路40の途中に設けられたピット44の底面と、の間に配置されている。これらのロードセル24,24,…は、互いに同一仕様のものであり、詳しくは概略柱状の起歪体を有し、この起歪体の荷重受け部である両端部が外方に向かって概略球状に突出した形状のいわゆるダブルコンベックス型のものである。そして、これらのロードセル24,24,…は、それぞれの起歪体の一方端部を上側端部として計量台22の上述の支持面に接触させると共に、当該起歪体の他方端部を下側端部としてピット44の底面に接触させた状態で、つまり当該起歪体を直立させた状態で、計量台22を支持する。なお、各ロードセル24,24,…の言わば基礎面となるピット44の底面、少なくともそのうちの当該各ロードセル24,24,…(起歪体の下側端部)との接触部分は、計量台22の上述の支持面と同様、水平な平面とされている。このようなダブルコンベックス型のロードセル24,24,…を採用する構成によれば、それぞれの起歪体への横方向外力の影響が抑制されると共に、当該起歪体自身が直立姿勢に自然復帰する作用を奏する等の利点がある。このことについては公知であり、また、本発明の本旨に直接関係しないので、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0022】
さらに、各ロードセル24,24,…には、例えばLC1,LC2,LC3およびLC4という個別の識別符号が付されている。具体的には、
図3に示すように、計量台22の左側前部隅(
図3における左上隅)に配置されたロードセル24に、LC1という識別符号が付されており、当該計量台22の右側前部隅(
図3における右上隅)に配置されたロードセル24に、LC2という識別符号が付されている。そして、計量台22の左側後部隅(
図3における左下隅)に配置されたロードセル24に、LC3という識別符号が付されており、当該計量台22の右側後部隅(
図3における右下隅)に配置されたロードセル24に、LC4という識別符号が付されている。これ以降、各ロードセル24,24,…について、これらの識別符号LC1,LC2,LC3およびLC4を用いて表現することがある。
【0023】
各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4は、計量台22を介して自身に印加される荷重の大きさを表すデジタル荷重検出信号W1,W2,W3およびW4を出力する。これらのデジタル荷重検出信号W1〜W4は、計量プロセッサ30に入力される。なお、各デジタル荷重検出信号W1〜W4には、計量台22の重量による荷重成分のように最初から各ロードセルLC1〜LC4に印加されているいわゆる初期荷重成分や、温度ドリフトによる零点変動成分等が、含まれているが、ここでは説明の便宜上、これらの成分については排除されているものとする。
【0024】
なお、上述したカメラ60は、その光軸が計量台22の上面に対して直角を成して向けられるように設置されている。このカメラ60としては、白黒のものであっても、カラーのものであってもよい。また、距離センサ70は、例えば赤外線を利用した赤外線方式のものであり、当該赤外線が計量台22の中心に向けて水平に発射されるように設置されている。この距離センサ70としては、赤外線方式以外の光方式や超音波方式のものが採用されてもよい。
【0025】
加えて、車両100の進行方向における計量部20の手前、言い換えれば計量台22の手前には、当該計量台22の上面に連なる傾斜路面42が設けられている。この傾斜路面42は、計量台22の上面と同じ方向に同じ角度θを成して傾斜しており、つまり当該計量台22の上面と共同して一連の傾斜平面46を形成している。そして、この傾斜路面42もまた、計量台22の上面と同様、これに車両100の全車輪106,106,…が同時に載置可能とされている。そのために、この傾斜路面42の長さ寸法L3は、車両100のホイールベースLaよりも大きい(L3>La)。そして、図示は省略するが、当該傾斜路面42の幅寸法(
図1における紙面の表裏方向の寸法)は、車両100のトレッドLbよりも大きく、好ましくは計量部20の上面の幅寸法L2よりも大きい。
【0026】
続いて、
図2の計量プロセッサ30の詳細を説明すると、当該計量プロセッサ30は、各ロードセルLC1〜LC4からのデジタル荷重検出信号W1〜W4の入力を受け付ける入出力インタフェース(I/O)回路32を有している。この入出力インタフェース回路32に入力された各デジタル荷重検出信号W1〜W4は、さらに演算手段としてのCPU(Central
Processing Unit)34に入力される。また、入出力インタフェース回路32には、上述のカードリーダ50から諸元情報Dsが入力される。併せて、当該入出力インタフェース回路32には、カメラ60の出力信号である映像信号Scおよび距離センサ70の出力信号である距離検出信号Sdが入力される。そして、これら諸元情報Ds,映像信号Scおよび距離検出信号Sdもまた、CPU32に入力される。
【0027】
CPU34は、これに付随されたメモリ回路36に記憶されている制御プログラムに従って動作する。このCPU34の動作については、後で詳しく説明する。また、CPU34は、入出力インタフェース回路32を介して命令入力手段としての操作キー38に接続されると共に、当該入出力インタフェース回路32を介して情報出力手段としてのディスプレイ39に接続されている。なお、これら操作キー38およびディスプレイ39は、互いに一体化されたものでもよく、例えばタッチスクリーンであってもよい。また、CPU34は、入出力インタフェース回路32を介して図示しないプリンタ等の外部装置にも接続されている。
【0028】
さて、本第1実施形態に係る車両計量装置10によれば、車両100の総重量値Wtを求めることができる。併せて、車両100の重心Gの位置および高さHを求めることができ、つまり当該重心Gに関する立体的な情報を求めることができる。さらに、車両100全体ではなく、荷台車104単体についても、その重量値Wt’を求めることができる。そして、この荷台車104単体の重心G’の位置および高さH’をも求めることができ、つまり当該荷台車104単体の重心G’の立体的な情報を求めることができる。
【0029】
このような言わば総合的な計量を実現するために、まず、車両100が通行路40を決められた道順に従って通行する。そして、この車両100が傾斜路面42に差し掛かる前に、当該車両100の諸元情報Dsが上述のカードリーダ50によって読み取られる。読み取られた諸元情報Dsは、計量プロセッサ30(CPU34)に入力される。これにより、計量プロセッサ30は、これから計量対象となる車両100の諸元情報Dsを認識する。
【0030】
その上で、車両100が傾斜路面42を通行して、さらに計量台22(の上面)に乗り込み、詳しくは当該車両100の全車輪106,106,…が1軸分ずつ順次ゆっくりと計量台22に乗り込む。すると、各ロードセルLC1〜LC4から相応のデジタル荷重検出信号W1〜W4が出力される。そして、これらのデジタル荷重検出信号W1〜W4は、計量プロセッサ30に入力される。
【0031】
計量プロセッサ30は、入力された各デジタル荷重検出信号W1〜W4に対して個別に移動平均処理等の適当なデジタルフィルタリング処理を施す。そして、このデジタルフィルタリング処理後の各デジタル荷重検出信号W1a〜W4aに基づいて、車両100の第1軸〜第4軸それぞれの車軸に印加される荷重値、いわゆる軸重値W〈1〉〜W〈4〉を、求める。なお、各デジタル荷重検出信号W1a〜W4aは、ゼロ調整およびスパン調整が適切に成されることで、それぞれに対応するロードセルLC1〜LC4への印加荷重値そのものを表すものとする。
【0032】
即ち、計量プロセッサ30は、各デジタル荷重検出信号W1a〜W4aを合算することで、各ロードセルLC1〜LC4への総合の印加荷重値Wa(=W1a+W2a+W3a+W4a)を求める。この総合印加荷重値Waは、上述の如く車両100が1軸分ずつ順次ゆっくりと計量台22に乗り込む過程で、
図4に示すように遷移する。具体的には、或る時点t1において、車両100の第1軸(の車輪106および106)が計量台22に乗り込むと、当該総合印加荷重値Waは、それまでの(つまり車両100を含め何らの物体も計量台22に載置されていないいわゆる空掛け状態にあるときの)Wa=0という値から多少の応答時間を掛けて当該第1軸への印加荷重値に応じたW〈1〉という値に遷移(増大)する。なお、この総合印加荷重値Waの遷移(立ち上がり)直後には、オーバーシュートを含む過渡応答振動ノイズ26が発生する。そして、時点t1よりも後の或る時点t2において、第2軸が計量台22に乗り込むと、総合印加荷重値Waは、第1軸および第2軸の2つの車軸への合計印加荷重値に応じた値W〈12〉に遷移する。このときもまた、オーバーシュートを含む過渡応答振動ノイズ26が発生する。さらに、時点t2よりも後の或る時点t3において、第3軸が計量台22に乗り込むと、総合印加荷重値Waは、第1軸〜第3軸の3つの車軸への合計印加荷重値に応じた値W〈13〉に遷移し、このときもまた、過渡応答振動ノイズ26が発生する。そして、時点t3よりも後の或る時点t4において、第4軸が計量台22に乗り込むと、つまり第1軸〜第4軸の全ての車軸が計量台22に載置されると、総合印加荷重値Waは、当該全ての車軸への合計印加荷重値に応じた値W〈14〉に遷移する。このときもまた、過渡応答振動ノイズ26が発生する。
【0033】
このように総合印加荷重値Waが段階的に遷移する過程において、計量プロセッサ30は、各段階における当該総合印加荷重値Wa(W〈1〉,W〈12〉,W〈13〉およびW〈14〉)を精確に特定する。例えば、時点t1〜時点t2の最初の段階に注目すると、計量プロセッサ30は、総合印加荷重値WaがWa=0という値からW〈1〉という値に遷移する途中で当該最初の段階用の判定基準値We〈1〉以上(Wa≧We〈1〉)となったときに、車両100の第1軸が計量台22に乗り込んだものと認識する。なお、最初の段階用の判定基準値We〈1〉は、当該最初の段階に入る直前の総合印加荷重値Waである0に所定の上乗せ値ΔWeが加算された値である。この上乗せ値ΔWeは、車両100に応じて、例えば上述の諸元情報Dsに含まれる当該車両100の車両重量(車重)Wsに関する情報に基づいて、適宜に設定される。その上で、計量プロセッサ30は、総合印加荷重値Waが安定するのを待ち、例えば当該総合印加荷重値Waの変動が或る一定期間(一定のサンプリング数)にわたって所定の判定基準幅ΔWr以内に収まるのを待つ。そして、この総合印加荷重値Waが安定した(と判定した)直後の所定期間にわたる当該総合印加荷重値Waの平均値を、最初の段階における荷重値W〈1〉として特定する。
【0034】
これと同様の要領で、計量プロセッサ30は、2番目以降の各段階における荷重値W〈12〉,W〈13〉およびW〈14〉を特定する。これに当たって、2番目の段階用の判定基準値We〈12〉は、最初の段階における荷重値W〈1〉に上述の上乗せ値ΔWeが加算された値(=W〈1〉+ΔWe)とされる。そして、3番目の段階用の判定基準値We〈13〉は、2番目の段階における荷重値W〈12〉に上乗せ値ΔWeが加算された値(=W〈12〉+ΔWe)とされる。そして、4番目の、つまり最後の、段階用の判定基準値We〈14〉は、3番目の段階における荷重値W〈13〉に上乗せ値ΔWeが加算された値(=W〈13〉+ΔWe)とされる。なお、それぞれの段階における荷重値W〈1〉〜W〈14〉が特定されるたびに、その旨を表すメッセージが、計量プロセッサ30のディスプレイ39に表示される。また、最後の段階における、つまり車両100の全車輪106,106,…が計量台22に載置された状態にあるときの、荷重値W〈14〉が特定されると、当該車両100の停止を指示するメッセージがディスプレイ39に表示される。この車両停止指示メッセージは、車両100の運転手に見えるように例えば計量台22(計量部20)の近傍に設置された図示しない外部表示手段としての電光掲示板にも表示される。この電光掲示板に表示された車両停止指示メッセージを受けて、車両100は、その全車輪106,106,…が計量台22に載置された状態で一旦停止する。なお、4番目の段階が最後の段階であること、つまり車両100の軸数が4であることは、上述の諸元情報Dsに含まれる当該軸数Mに関する情報に基づいて認識される。
【0035】
このようにして各段階における荷重値W〈1〉〜W〈14〉が特定された後、計量プロセッサ30は、第1軸〜第4軸それぞれの軸重W〈1〉〜W〈4〉を求める。なお、最初の段階における荷重値W〈1〉は、第1軸の軸重値〈1〉そのものである。そして、これ以外の第2軸〜第4軸それぞれの軸重W〈2〉〜〈4〉は、次の式1に基づいて求められる。
【0036】
《式1》
W〈2〉=W〈12〉−W〈1〉
W〈3〉=W〈13〉−W〈12〉
W〈4〉=W〈14〉−W〈13〉
【0037】
また、計量プロセッサ30は、最後の段階における荷重値W〈4〉を車両100の総重量値Wtとして認識する。そして、この車両100の総重量値Wtをディスプレイ39に表示する。併せて、この車両100の総重量値Wtに関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。なお、車両100の総重量値Wtは、次の式2によっても表される。
【0038】
《式2》
Wt=W〈1〉+W〈2〉+W〈3〉+W〈4〉
【0039】
さらに、計量プロセッサ30は、計量台22の前部を支持する2つのロードセルLC1およびLC2を前部ロードセル群LC12という1つの集合体と見なす。そして、この前部ロードセル群LC12を構成する2つのロードセルLC1およびLC2からの2つのデジタル荷重検出信号W1aおよびW2aを合算することで、当該前部ロードセル群LC12への車両100の総重量Wtによる印加荷重値W12(=W1a+W2a)を求める。
【0040】
これと同様に、計量プロセッサ30は、計量台22の後部を支持する2つのロードセルLC3およびLC4を後部ロードセル群LC34という1つの集合体と見なす。そして、この後部ロードセル群LC34を構成する2つのロードセルLC3およびLC4からの2つのデジタル荷重検出信号W3aおよびW4aを合算することで、当該前部ロードセル群LC34への車両100の総重量Wtによる印加荷重値W34(=W3a+W4a)を求める。
【0041】
加えて、計量プロセッサ30は、計量台22の左側を支持する2つのロードセルLC1およびLC3を左側ロードセル群LC13という1つの集合体と見なす。そして、この左側ロードセル群LC13を構成する2つのロードセルLC1およびLC3からの2つのデジタル荷重検出信号W1aおよびW3aを合算することで、当該左側ロードセル群LC13への車両100の総重量Wtによる印加荷重値W13(=W1a+W3a)を求める。
【0042】
これと同様に、計量プロセッサ30は、計量台22の右側を支持する2つのロードセルLC2およびLC4を右側ロードセル群LC24という1つの集合体と見なす。そして、この右側ロードセル群LC24を構成する2つのロードセルLC2およびLC4からの2つのデジタル荷重検出信号W2aおよびW4aを合算することで、当該左側ロードセル群LC24への車両100の総重量Wtによる印加荷重値W24(=W2a+W4a)を求める。
【0043】
ここで、車両100の全車輪106,106,…が計量台22に載置されている状態を当該車両100の前後方向における力学的要素に注目して図示すると、例えば
図5のようになる。この
図5によれば、次の式3の関係が成立する。
【0044】
《式3》
Lx・Wt=Lc・W〈2〉+(Lc+Ld)・W〈3〉+(Lc+Ld+Le)・W〈4〉
∴ Lx={Lc・W〈2〉+(Lc+Ld)・W〈3〉+(Lc+Ld+Le)・W〈4〉}/Wt
【0045】
この式3において、Lcは、車両100の第1軸(またはその接地点P1)と第2軸(またはその接地点P2)との間の距離であり、Ldは、第2軸(またはその接地点P2)と第3軸(またはその接地点P3)との間の距離であり、Leは、第3軸(またはその接地点P3)と4軸(またはその接地点P4)との間の距離である。これらの軸間距離Lc,LdおよびLeは、上述の諸元情報Dsに含まれる当該軸間距離Lc,LdおよびLeに関する情報に基づいて認識される。そして、Lxは、車両100の第1軸と当該車両100の重心Gとの間の当該車両100の前後方向における距離である。
【0046】
計量プロセッサ30は、この式3に基づく距離Lxを車両100の前後方向における重心位置として求める。そして、求められた距離Lxをディスプレイ39に表示する。併せて、この距離Lxに関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。
【0047】
なお、式3は、車両100の第1軸の接地点P1を中心とするモーメントに注目した釣り合い式であるが、これに限らず、例えば車両100の第4軸の接地点P4を中心とするモーメントに注目した釣り合い式に基づいて、当該車両100の前後方向における重心位置(Lx)が求められてもよい。
【0048】
さらに、
図5において、車両100の重心Gを通る鉛直線と当該車両100の各車輪106,106,…の接地面52との交点をP5とする。併せて、前部ロードセル群LC12による支持点P12を通る鉛直線と当該接地面52との交点をP6とする。すると、これら2つの点P5およびP6間の接地面52に沿う方向における(最短)距離は、L4+L5+Lf+Lx+H・tanθとなる。なお、L4は、点6と上述したカメラ60の設置位置(例えばレンズの主点)との間の接地面52に沿う方向における距離であり、既知である。そして、L5は、カメラ60の設置位置と車両100の先端部との間の接地面52に沿う方向における距離であり、当該カメラ60からの映像信号Scに基づいて求められる。また、Lfは、車両100の先端部と当該車両100の第1軸との間の接地面52に沿う方向(車両100の前後方向)における距離であり、上述の諸元情報Dsに含まれる当該距離Lfに関する情報に基づいて認識される。そして、Hは、車両100の重心Gの高さであり、詳しくは当該重心Gと接地面52との間の当該接地面52に対して直角な方向における距離である。
【0049】
加えて、前部ロードセル群LC12による支持点P12および後部ロードセル群LC34による支持点P34を含む水平面54と、車両100の重心Gを通る鉛直線と、の交点を、P7とする。すると、この点P7と前部ロードセル群LC12による支持点P12との間の水平方向における距離は、{L4+L5+Lf+Lx+H・tanθ}・cosθとなる。そして、前部ロードセル群LC12による支持点P12を中心するモーメントに注目すると、次の式4の関係が成り立つ。なお、この式4において、L6は、前部ロードセル群LC12による支持点P12と後部ロードセル群LC34による支持点P34との間の水平方向における距離であり、既知である。
【0050】
《式4》
[{L4+L5+Lf+Lx+H・tanθ}・cosθ]・Wt=L6・W34
∴ H=[{(L6・W34)/(Wt・cosθ)}−{L4+L5+Lf+Lx}]/tanθ
【0051】
即ち、計量プロセッサ30は、この式4に基づいて車両100の重心高さHを求める。そして、求められた重心高さHをディスプレイ39に表示する。併せて、この重心高さHに関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。なお、式4に代えて、例えば後部ロードセル群LC34による支持点P34を中心するモーメントに注目した釣り合い式に基づいて、車両100の重心高さHが求められてもよい。
【0052】
続いて、車両100の全車輪106,106,…が計量台22に載置されている状態を当該車両100の左右方向における力学的要素に注目して図示すると、例えば
図6のようになる。この
図6によれば、次の式5の関係が成立する。
【0053】
《式5》
L01・W01+(L01+Lb)・W02=L7・W24
where L01=L02+Lg−L03
【0054】
この式5において、L01は、左側ロードセル群LC13による支持点P13と車両100の左側車輪列の接地位置(中心位置)P01との間の水平方向における距離である。そして、L02は、上述した距離センサ70の設置位置(例えば赤外線の発受光部)と車両100の左側側面部との間の当該車両100の左右方向における距離であり、当該距離センサ70からの距離検出信号Sdに基づいて求められる。また、L03は、距離センサ70の設置位置と左側ロードセル群LC13による支持点P13との間の車両100の左右方向における距離であり、既知である。さらに、Lgは、車両100の左側側面部と当該車両100の左側車輪列の接地位置P01との間の当該車両100の左右方向における距離であり、上述の諸元情報Dsに含まれる当該距離Lgに関する情報に基づいて認識される。そして、L7は、左側ロードセル群LC13による支持点P13と右側ロードセル群LC24による支持点P24との間の車両100の左右方向における距離であり、既知である。また、W01は、車両100の左側車輪列への総合印加荷重値であり、W02は、当該車両100の右側車輪列への総合印加荷重値である。この式5に加えて、次の式6も成立する。
【0055】
《式6》
W01+W02=W13+W24=Wt
【0056】
計量プロセッサ30は、これら式5および式6から成る連立方程式を解くことで、車両100の左側車輪列への総合印加荷重値W01と、当該車両100の右側車輪列への総合印加荷重値W02と、を求める。なお、式5は、左側ロードセル群LC13による支持点P13を中心とするモーメントに注目した釣り合い式であるが、これに代えて、右側ロードセル群LC24による支持点P24を中心とするモーメントに注目した釣り合い式が採用されてもよい。
【0057】
さらに、
図6において、例えば車両100の左側車輪列の接地位置P01を中心とするモーメントに注目すると、次の式7が成立する。なお、この式7において、Lyは、車両100の左側車輪列の接地位置P01と当該車両100の重心Gとの間の水平方向(車両100の左右方向)における距離である。
【0058】
《式7》
Ly・Wt=Lb・W02
∴ Ly=(Lb・W02)/Wt
【0059】
また、車両100の左右方向における中心を基準として、この中心から当該車両100の重心Gまでの当該車両100の左右方向における距離をLzとすると、この言わば車両100の左右方向における重心Gの偏心量Lzは、次の式8によって表される。
【0060】
《式8》
Lz=Ly−(Lb/2)={(Lb・W02)/Wt}−(Lb/2)
【0061】
即ち、計量プロセッサ30は、この式8に基づく偏心量Lzを車両100の左右方向における重心位置として求める。そして、求められた左右方向偏心量Lzをディスプレイ39に表示する。併せて、この左右方向偏心量Lzに関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。なお、式7に代えて、例えば車両100の右側車輪列の接地位置P02を中心とするモーメントに注目した釣り合い式に基づいて、当該車両100の右側車輪列の接地位置P02と重心Gとの間の距離が求められ、ひいては左右方向偏心量Lzが求められてもよい。
【0062】
因みに、式8から分かるように、左右方向偏心量Lzが例えばLz=0のときは、車両100の重心Gは、当該車両100の左右方向における中心に位置する。そして、左右方向偏心量Lzが例えばLz<0(負数)のときは、車両100の重心Gは、当該車両100の中心よりも左側に位置し、言わば左側偏心(偏荷重)状態にある。これとは反対に、左右方向偏心量LzがLz>0(正数)のときは、車両100の重心Gは、当該車両100の中心よりも右側に位置し、言わば右側偏心状態にある。
【0063】
このようにして車両100の総重量値Wtと当該車両100の重心Gに関する立体的な情報(Lx,LzおよびH)とが求められた後、計量プロセッサ30は、荷台車104単体の重量値Wt’と当該荷台車104単体の重心G’に関する立体的な情報とを求める。なお、これに先立って、駆動車102単体が被計量物とされ、上述した車両100全体が被計量物とされたときと同様の要領で、当該駆動車102単体の重量値Wdと、当該駆動車102単体の重量Wdによる第1軸の軸重値Wd〈1〉および第2軸の軸重値Wd〈2〉とが、求められ、諸元情報Dsとして組み込まれる。
【0064】
その上で、計量プロセッサ30は、次の式9に基づいて荷台車104単体の重量値Wt’を求める。そして、求められた荷台車104単体の重量値Wt’をディスプレイ39に表示する。併せて、この荷台車104単体の重量値Wt’に関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。
【0065】
《式9》
Wt’=Wt−Wd
where Wd=Wd〈1〉+Wd〈2〉
【0066】
ここで、
図7を参照して、駆動車102における荷台車104(キングピン)との連結部分(カプラ)、いわゆる第5輪Pc、を中心とするモーメントに注目すると、次の式10が成立する。なお、この式16において、Lx’は、車両100の第5輪Pcと荷台車104単体の重心G’との間の当該車両100の前後方向における距離である。そして、Lhは、車両100の第5輪と第2軸との間の当該車両100の前後方向における距離であり、上述の諸元情報Dsに含まれる当該距離Lhに関する情報に基づいて認識される。
【0067】
《式10》
Lx’・Wt’=(Lh+Ld)・W〈3〉+(Lh+Ld+Le)・W〈4〉
∴ Lx’={(Lh+Ld)・W〈3〉+(Lh+Ld+Le)・W〈4〉}/Wt’
【0068】
計量プロセッサ30は、この式10に基づく距離Lx’を荷台車104単体の前後方向における重心位置として求める。そして、求められた距離Lx’をディスプレイ39に表示する。併せて、この距離Lx’に関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。なお、式10に代えて、例えば車両100の第4軸の接地点P4を中心とするモーメントに注目した釣り合い式に基づいて、当該距離Lx’が求められてもよい。
【0069】
さらに、
図8に示すように、駆動車102のみが計量台22に載置された状態、つまり当該駆動車102のみに属する車輪106,106,…の全てが同時に当該計量台22に載置された状態を、仮定する。この状態において、前部ロードセル群LC12による支持点P12を中心するモーメントに注目すると、次の式11の関係が成り立つ。なお、この式11において、W34dは、駆動車102単体の重量値Wdによる後部ロードセル群LC34への印加荷重値である。
【0070】
《式11》
L6・W34d={(L4+L5+Lf)・cosθ}・Wd〈1〉+{(L4+L5+Lf+Lc)・cosθ}・Wd〈2〉
∴ W34d=[{(L4+L5+Lf)・cosθ}・Wd〈1〉+{(L4+L5+Lf+Lc)・cosθ}・Wd〈2〉]/L6
【0071】
そして、改めて
図7を参照して、荷台車104のみが計量台22に載置された状態を仮定する。すると、荷台車104単体の重量Wt’による後部ロードセル群LC34への印加荷重値W34’は、次の式12のように表される。
【0072】
《式12》
W34’=W34−W34d
【0073】
その上で、前部ロードセル群LC12による支持点P12を中心するモーメントに注目すると、次の式13の関係が成り立つ。
【0074】
《式13》
[{L4+L5+Lf+Lc−Lh+Lx’+H’・tanθ}・cosθ]・Wt’=L6・W34’
∴ H’=[{(L6・W34’)/(Wt’・cosθ)}−{L4+L5+Lf+Lc−Lh+Lx’}]/tanθ
【0075】
即ち、計量プロセッサ30は、式11に基づいて駆動車102単体の重量Wdによる後部ロードセル群LC34への印加荷重値W34dを求め(言わば推定し)、さらに、式12に基づいて荷台車104単体の重量Wt’による後部ロードセル群LC34への印加荷重値W34’を求め、その上で、式13に基づいて荷台車104単体の重心G’の高さH’を求める。そして、求められた荷台車104単体の重心高さH’をディスプレイ39に表示する。併せて、この荷台車104単体の重心高さH’に関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。なお、式11に代えて、例えば後部ロードセル群LC34による支持点P34を中心するモーメントに注目した釣り合い式に基づいて、駆動車102単体の重量Wdによる当該前部ロードセル群LC12への印加荷重値W12dを求め、ひいては荷台車104単体の重心高さH’が求められてもよい。
【0076】
続いて、計量プロセッサ30は、車両100の全車輪106,106,…が計量台22に載置されているときの左側ロードセル群LC13への印加荷重W13のうち、当該車両100の第1軸の軸重W〈1〉と第2軸の軸重W〈2〉とのみによる成分W13〈12〉を、次の式14に基づいて求める。なお、この式14におけるW1〈12〉は、車両100の第1軸と第2軸とのみが計量台22に載置されている状態にあるときの左側前部のロードセルLC1への印加荷重値である。そして、W3〈12〉は、同状態にあるときの左側後部のロードセルLC3への印加荷重値である。
【0077】
《式14》
W13〈12〉=W1〈12〉+W3〈12〉
【0078】
そして、計量プロセッサ30は、この式14に基づく成分W13〈12〉を含む次の式15に基づいて、車両100の全車輪106,106,…が計量台22に載置されているときの左側ロードセル群LC13への印加荷重W13のうち、当該車両100の第3軸の軸重W〈3〉と第4軸の軸重W〈4〉とのみによる成分W13〈34〉を求める。なお、この式15に基づく成分W13〈34〉は、荷台車104単体の重量Wt’のみによる左側ロードセル群LC13への印加荷重値に相当する。
【0079】
《式15》
W13〈34〉=W13−W13〈12〉
【0080】
これと同様に、計量プロセッサ30は、車両100の全車輪106,106,…が計量台22に載置されているときの右側ロードセル群LC24への印加荷重値W24のうち、当該車両100の第1軸の軸重W〈1〉と第2軸の軸重W〈2〉とのみによる成分W24〈12〉を、次の式16に基づいて求める。なお、この式16におけるW2〈12〉は、車両100の第1軸と第2軸とのみが計量台22に載置されている状態にあるときの右側前部のロードセルLC2への印加荷重値である。そして、W4〈12〉は、同状態にあるときの右側後部のロードセルLC4への印加荷重値である。
【0081】
《式16》
W24〈12〉=W2〈12〉+W4〈12〉
【0082】
そして、計量プロセッサ30は、この式22に基づく成分W24〈12〉を含む次の式17に基づいて、車両100の全車輪106,106,…が計量台22に載置されているときの右側ロードセル群LC24への印加荷重W24のうち、当該車両100の第3軸の軸重W〈3〉と第4軸の軸重W〈4〉とのみによる成分W24〈34〉を求める。なお、この式17に基づく成分W24〈34〉は、荷台車104単体の重量Wt’のみによる右側ロードセル群LC24への印加荷重値に相当する。
【0083】
《式17》
W24〈34〉=W24−W24〈12〉
【0084】
ここで、荷台車104のみが計量台22に載置されている状態を仮定し、この状態にあるときの当該荷台車104(車両100)の左右方向における力学的要素に注目して図示すると、例えば
図9のようになる。この
図9によれば、上述の式5に準拠する次の式18が成立する。なお、この式18において、W01’は、荷台車104単体の重量Wt’による当該荷台車104単体(第3軸および第4軸)の左側車輪列への印加荷重値である。そして、W02’は、荷台車104単体の重量Wt’による当該荷台車104単体(第3軸および第4軸)の右側車輪列への印加荷重値である。
【0085】
《式18》
L01・W01’+(L01+Lb)・W02’=L7・W24〈34〉
【0087】
《式19》
W01’+W02’=W13〈34〉+W24〈34〉
【0088】
計量プロセッサ30は、これら式18および式19から成る連立方程式を解くことで、荷台車104単体の重量Wt’による当該荷台車104単体の左側車輪列への印加荷重値W01’と、当該荷台車104単体の右側車輪列への印加荷重値W02’と、を求める。なお、式18は、左側ロードセル群LC13による支持点P13を中心とするモーメントに注目した釣り合い式であるが、これに代えて、右側ロードセル群LC24による支持点P24を中心とするモーメントに注目した釣り合い式が採用されてもよい。
【0089】
さらに、
図9において、例えば荷台車104単体の左側車輪列の接地位置P01’を中心とするモーメントに注目すると、次の式20が成立する。なお、この式20において、Ly’は、荷台車104単体の左側車輪列の接地位置P01’と当該荷台車104単体の重心G’との間の水平方向(荷台車104単体の左右方向)における距離である。そして、Wcは、上述した第5輪Pcに印加される荷重であり、式21に基づいて求められる。
【0090】
《式20》
Ly’・Wt’=(Lb/2)・Wc+Lb・W02’
∴ Ly’={(Lb/2)・Wc+Lb・W02’}/Wt’
【0091】
《式21》
Wc=(W〈1〉+W〈2〉)−Wd
【0092】
そして、荷台車104単体の左右方向における中心を基準として、この中心から当該荷台車104単体の重心G’までの当該荷台車104単体の左右方向における距離をLz’とすると、この言わば荷台車104単体の左右方向における重心G’の偏心量Lz’は、上述の次の式8に準拠する次の式22によって表される。
【0093】
《式22》
Lz’=Ly’−(Lb/2)
【0094】
即ち、計量プロセッサ30は、この式22に基づく偏心量Lz’を荷台車104単体の左右方向における重心位置として求める。そして、求められた荷台車104単体の左右方向偏心量Lz’をディスプレイ39に表示する。併せて、この荷台車104単体の左右方向偏心量Lzに関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。なお、式20に代えて、例えば荷台車104単体の右側車輪列の接地位置P02’を中心とするモーメントに注目した釣り合い式に基づいて、当該荷台車104単体の右側車輪列の接地位置P02’と重心G’との間の距離が求められ、ひいては左右方向偏心量Lz’が求められてもよい。
【0095】
このようにして荷台車104単体の総重量値Wt’と当該荷台車104単体の重心G’に関する立体的な情報(Lx’,Lz’およびH’)とが求められると、全ての計量が完了したことを表すメッセージがディスプレイ39に表示される。また、この計量完了メッセージは、上述した電光掲示板にも表示される。この電光掲示板に表示された計量完了メッセージを受けて、車両100は、一旦停止を解除し、計量台22から1軸ずつ降りる。このとき、
図4に示したのとは反対に、各ロードセルLC1〜LC4に対応する各デジタル荷重検出信号W1a〜W4aは、段階的に減少し、最終的には0となる。
【0096】
このように、本第1実施形態に係る車両計量装置10によれば、車両100の全車輪106,106,…が計量台22に載置された状態にあるときに、当該車両100はその全体が前後方向において傾斜姿勢となる。このことは、車両100が本第1実施形態で例示されたセミトレーラ等の牽引自動車であるか否か拘らず、共通する。従って、牽引自動車に対応することができない上述の従来技術とは異なり、当該牽引自動車を含む各種車両100に対応することができる。つまり、牽引自動車を含む各種車両100の重心高さHを精確に求めることができる。さらに、車両100の重心高さHのみならず、荷台車104単体の重心高さH’をも求めることができる。
【0097】
なお、本第1実施形態において説明した内容は、本発明を実現するための1つの具体例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0098】
例えば、車両100として、4軸のセミトレーラを挙げたが、これに限らない。4軸以外のセミトレーラやフルトレーラの計量にも、本発明を適用することができる。また、トレーラ以外のトラックや乗用車等の計量にも、当然に本発明を適用することができる。
【0099】
また、計量台22に載置された車両100の前後方向の位置を検出するための車両前後方向位置検出手段として、カメラ60が採用されると共に、当該計量台22に載置された車両100の左右方向の位置を検出するための車両左右方向位置検出手段として、距離センサ70が採用されたが、これに限らない。いずれも、同様のカメラであってもよいし、距離センサであってもよいし、別のものが採用されてもよい。
【0100】
そして、計量台22(計量部20)の手前に傾斜路面42が設けられたが、これとは逆に、計量台22の奥方(
図1における右側)に傾斜路面42が設けられてもよい。この場合は、車両100が1軸ずつ計量台22から降りるときの総合荷重検出値Waに基づいて、当該車両100の第1軸〜第4軸の各軸重値W〈1〉〜W〈4〉が求められ、ひいては当該車両100の重心高さH等が求められる。
【0101】
さらに、これら計量台22の上面および傾斜路面42を含む傾斜平面46は、車両100にとって言わば上り坂とされたが、下り坂とされてもよい。極端には、車両100が前進ではなく後進することで、当該傾斜平面46を通行してもよい。
【0102】
加えて、ロードセル24の数が4つとされたが、4以外の数とされてもよい。ただし、ロードセル24の数がいくつであるかに拘らず、当該ロードセル24は計量台22の下面の周縁近傍に設けられるのが望ましい。
【0103】
また、ロードセル24として、ダブルコンベックス型のものが採用されたが、シングルコンベックス型のものが採用されてもよい。ただし、シングルコンベックス型のものが採用された場合には、ダブルコンベックス型のものが採用されることによる上述した利点が得られないことは、言うまでもない。
【0104】
そして、
図10に示すように、車両100の全左側車輪106,106,…が同時に載置可能な計量台22aと、当該車両100の全右側車輪106,106,…が同時に載置可能な計量台22bと、が別々に設けられると共に、左側の計量台22aを支持するロードセル24a,24a,…と、右側の計量台22bを支持するロードセル24b,24b,…とが、別々に設けられてもよい。この構成によれば、左側のロードセル24a,24a,…から得られるデジタル荷重検出信号の合算値は、車両100の全左側車輪106,106,…のうち左側の計量台22aに載置されているものへの印加荷重値を表す。そして、右側のロードセル24b,24b,…から得られるデジタル荷重検出信号の合算値は、車両100の全右側車輪106,106,…のうち右側の計量台22aに載置されているものへの印加荷重値を表す。従って特に、車両100および荷台車104単体それぞれの左右方向重心位置を表す左右方向偏心量LzおよびLz’を求めるのが容易となり、詳しくは車両左右方向位置検出手段としての距離センサ70が不要となる。
【0105】
次に、
図11〜
図14をも参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
【0106】
本第2実施形態に係る車両計量装置110は、
図11に示すように、第1実施形態に係る車両計量装置10における傾斜路面42に代えて、通行路面としての水平な路面120が設けられると共に、この水平路面120の途中に軸重計130が設けられたものである。これ以外の構成は、第1実施形態と同様であるので、同様な部分には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0107】
水平路面120は、計量台22(計量部20)の手前に設けられている。そして、この水平路面120の高さは、計量台22の上面の当該水平路面120との隣接部分である後部端縁と同じ高さに揃えられている。
【0108】
軸重計130は、言わば公知のものであり、例えば概略矩形平板状の載置板132と、この載置板132を支持する1以上、例えば4つの、軸重測定用荷重検出手段としてのロードセル134,134,…と、を備えるものである。載置板132は、その上面によって水平路面120の一部を形成しており、言い換えればそうなるようにその下面の四隅近傍を各ロードセル134,134,…によって支持されている。なお、載置板132の上面は、これに車両100の1軸分のみの車輪106および106が載置可能であり、そのような長さ寸法L10とされている。そして、図示は省略するが、各ロードセル134,134,…は、
図2に示した計量プロセッサ30に接続されている。また、この軸重計130から水平路面120の計量台22上面との隣接部分までは、載置板132の上面の長さ寸法L10を含め、車両100のホイールベースLaよりも大きいL11(>La)という距離が設けられている。加えて、当該軸重計130の手前(
図11の左側)においても、載置板132の上面の長さ寸法L10を含め、車両100のホイールベースLaよりも大きいL12(>La)という距離にわたって水平路面120が設けられている。そして、軸重計130の手前に、上述したカードリーダ50が設置されている。
【0109】
さて、本第2実施形態に係る車両計量装置によっても、第1実施形態に係る車両計量装置10と同様、総合的な計量を実現することができる。
【0110】
そのためにまず、車両100が通行路40を決められた道順に従って通行する。そして、車両100が軸重計130に差し掛かる前に、当該車両100の諸元情報Dsがカードリーダ50によって読み取られる。読み取られた諸元情報Dsは、第1実施形態と同様、計量プロセッサ30に入力される。
【0111】
その上で、車両100が軸重計130の上を通過し、つまり当該車両100の全車輪106,106,…が第1軸分ずつ載置板132の上を通過する。このときの各ロードセル134,134,…からのデジタル荷重検出信号を取得することで、計量プロセッサ30は、当該車両100の第1軸〜第4軸それぞれの軸重値W〈1〉”〜W〈4〉”を求める。なお、この軸重計130を用いて求められる軸重値W〈1〉”〜W〈4〉”は、車両100が水平姿勢にあるときの値である。これに対して、上述の第1実施形態における軸重値W〈1〉〜W〈4〉は、車両100がその前後方向において傾斜姿勢にあるときの値であり、このような差異があることに注意されたい。
【0112】
この後、車両100は、計量台22に乗り込み、全車輪106,106,…が当該計量台22に載置された状態で一旦停止する。この状態で、計量プロセッサ30は、車両100の総重量値Wtを求める。つまり、この状態にあるときの総合印加荷重値Waを当該車両100の総重量値Wtとして認識する。そして、第1実施形態と同様、計量プロセッサ30は、この車両100の総重量値Wtをディスプレイ39に表示すると共に、当該総重量値Wtに関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。なお、車両100の総重量値Wtは、上述の式2に準拠する次の式23によっても表される。
【0113】
《式23》
Wt=W〈1〉”+W〈2〉”+W〈3〉”+W〈4〉”
【0114】
ここで、車両100が水平姿勢にある状態を当該車両100の前後方向における力学的要素に注目して図示すると、例えば
図12のようになる。この
図12によれば、上述の式3に準拠する次の式24の関係が成立する。
【0115】
《式24》
Lx・Wt=Lc・W〈2〉”+(Lc+Ld)・W〈3〉”+(Lc+Ld+Le)・W〈4〉”
∴ Lx={Lc・W〈2〉”+(Lc+Ld)・W〈3〉”+(Lc+Ld+Le)・W〈4〉”}/Wt
【0116】
計量プロセッサ30は、この式24に基づく距離Lxを車両100の前後方向における重心位置として求める。そして、求められた距離Lxをディスプレイ39に表示すると共に、この距離Lxに関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。
【0117】
さらに、計量プロセッサ30は、第1実施形態と同様の要領で、車両100の総重量Wtによる前部ロードセル群LC12への印加荷重値W12を求めると共に、当該車両100の総重量Wtによる後部ロードセル群LC34への印加荷重値W34を求める。併せて、左側ロードセル群LC13への車両100の総重量Wtによる印加荷重値W13を求めると共に、当該車両100の総重量Wtによる右側ロードセル群LC24への印加荷重値W24を求める。
【0118】
その上で、計量プロセッサ30は、第1実施形態と同様、上述した式4に基づいて、車両100の重心高さHを求める。そして、求められた重心高さHをディスプレイ39に表示すると共に、この重心高さHに関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。
【0119】
加えて、計量プロセッサ30は、第1実施形態と同様、上述の式5および式6から成る連立方程式を解くことで、車両100の総重量Wtによる当該車両100の左側車輪列への総合印加荷重値W01と、当該車両100の右側車輪列への総合印加荷重値W02と、を求める。そして、上述の式8に基づいて、車両100の左右方向における重心位置を表す左右方向偏心量Lzを求める。そして、求められた左右方向偏心量Lzをディスプレイ39に表示すると共に、当該左右方向偏心量Lzに関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。
【0120】
このようにして車両100の総重量値Wtと当該車両100の重心Gに関する立体的な情報(Lx,LzおよびH)とが求められた後、計量プロセッサ30は、荷台車104単体の重量値Wt’と当該荷台車104単体の重心G’に関する立体的な情報とを求める。なお、これに先立って、
図8に示した如く駆動車102単体が被計量物とされ、上述した車両100全体が被計量物とされたときと同様の要領で、当該駆動車102単体の重量値Wdが求められる。併せて、当該駆動車102単体の重量Wdによる前部ロードセル群LC12への印加荷重値W12dと、後部ロードセル群LC34への印加荷重値W34dと、左側ロードセル群LC13への印加荷重値W13dと、右側ロードセル群LC24への印加荷重値W24dとが、求められる。そして、上述の式11と次の式25とから成る連立方程式に基づいて、駆動車102単体の重量Wdによる第1軸の軸重値Wd〈1〉および第2軸の軸重値Wd〈2〉が求められる。
【0121】
《式25》
Wd〈1〉+Wd〈2〉=W12d+W34d=Wd
【0122】
さらに、上述の式5に準拠する次の式26と上述の式6に準拠する式27との連立方程式に基づいて、駆動車102単体の重量Wdによる当該駆動車102単体の左側車輪列への印加荷重値W01dおよび右側車輪列への印加荷重値W02dが求められる。
【0123】
《式26》
L01・W01d+(L01+Lb)・W02d=L7・W24d
【0124】
《式27》
W01d+W02d=W13d+W24d=Wd
【0125】
このようにして求められた駆動車102単体の重量Wdによる第1軸の軸重値Wd〈1〉,第2軸の軸重値Wd〈2〉,左側車輪列への印加荷重値W01dおよび右側車輪列への印加荷重値W02dは、上述した諸元情報Dsとして組み込まれる。
【0126】
その上で、計量プロセッサ30は、第1実施形態と同様、上述の式9に基づいて、荷台車104単体の重量値Wt’を求める。そして、求められた荷台車104単体の重量値Wt’をディスプレイ39に表示すると共に、この荷台車104単体の重量値Wt’に関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。
【0127】
さらに、計量プロセッサ30は、上述の式10に基づいて、荷台車104単体の前後方向における重心位置を表す距離Lx’を求める。そして、求められた距離Lx’をディスプレイ39に表示すると共に、この距離Lx’に関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。
【0128】
加えて、計量プロセッサ30は、
図8に示した状態を仮定しつつ、上述の式11に基づいて、駆動車102単体の重量Wdによる後部ロードセル群LC34への印加荷重値W34dを求める。このとき、当該式11における駆動車102単体の重量Wdによる第1軸の軸重値Wd〈1〉および第2軸の軸重値Wd〈2〉には、諸元情報Dsに従う値が適用される。そして、上述の式12に基づいて、荷台車104単体の重量Wt’による後部ロードセル群LC34への印加荷重値W34’を求める。その上で、上述の式13に基づいて、荷台車104単体の重心高さH’を求める。そして、求められた荷台車104単体の重心高さH’をディスプレイ39に表示すると共に、この荷台車104単体の重心高さH’に関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。
【0129】
続いて、計量プロセッサ30は、上述の式5および式6から成る連立方程式を解くことで、車両100の総重量Wtによる当該車両100の左側車輪列への総合印加荷重値W01と、当該車両100の右側車輪列への総合印加荷重値W02と、を求める。
【0130】
そして、計量プロセッサ30は、次の式28に基づいて、荷台車104単体の重量Wt’による当該荷台車104単体の左側車輪列への印加荷重値W01’を求める。このとき、当該式28における駆動車102単体の重量Wdによる左側車輪列への印加荷重値W01dには、諸元情報Dsに従う値が適用される。
【0131】
《式28》
W01’=W01−W01d
【0132】
これと同様に、計量プロセッサ30は、次の式29に基づいて、荷台車104単体の重量Wt’による当該荷台車104単体の右側車輪列への印加荷重値W02’を求める。このとき、当該式29における駆動車102単体の重量Wdによる右側車輪列への印加荷重値W02dには、諸元情報Dsに従う値が適用される。
【0133】
《式29》
W02’=W02−W02d
【0134】
その上で、計量プロセッサ30は、上述の式8に準拠する次の式30に基づいて、荷台車104単体の左右方向における重心位置を表す左右方向偏心量Lz’を求める。そして、求められた荷台車104単体の左右方向偏心量Lz’をディスプレイ39に表示すると共に、当該左右方向偏心量Lz’に関する情報をプリンタ等の外部装置に出力する。
【0135】
《式30》
Lz’=Ly’−(Lb/2)={(Lb・W02’)/Wt’}−(Lb/2)
∵ Ly’=(Lb・W02’)/Wt’
【0136】
なお、この式30は、
図9に示した状態において、荷台車104単体の左側車輪列の接地位置P01’を中心とするモーメントに注目した釣り合い式に基づくため、当該式30に基づく演算においては、上述の式28に基づく当該荷台車104単体の左側車輪列への印加荷重値W01’は必要とされない。なお、この式30に代えて、荷台車104単体の右側車輪列の接地位置P02’を中心とするモーメントに注目した釣り合い式に基づいて、当該荷台車104単体の左右方向偏心量Lz’が求められてもよく、この場合に、式28に基づく荷台車104単体の左側車輪列への印加荷重値W01’が適用される。
【0137】
このようにして荷台車104単体の総重量値Wt’と当該荷台車104単体の重心G’に関する立体的な情報(Lx’,Lz’およびH’)とが求められると、第1実施形態と同様、全ての計量が完了したことを表すメッセージがディスプレイ39に表示される。また、この計量完了メッセージは、上述した電光掲示板にも表示される。この電光掲示板に表示された計量完了メッセージを受けて、車両100は、一旦停止を解除し、計量台22から降りる。
【0138】
このように、本第2実施形態によっても、第1実施形態と同様、車両100の全車輪106,106,…が計量台22に載置された状態にあるときに、当該車両100はその全体が前後方向において傾斜姿勢となる。従って、牽引自動車を含む各種車両100の重心高さHを精確に求めることができる。また、車両100の重心高さHのみならず、荷台車104単体の重心高さH’をも求めることができる。
【0139】
なお、
図11に示した構成によれば、計量部20(計量台22)と水平路面120とが隣接して設けられたが、これらは互いに離して設けられてもよい。勿論、この場合も、軸重計130の前後の水平路面120は、当該軸重計130の載置板132の上面を含め、車両100のホイールベースLaよりも大きい距離L11およびL12にわたって設けられることが肝要である。
【0140】
また、軸重計130を含む水平路面120が計量部20の手前に設けられたが、これとは逆に、計量部20の奥方(
図11における右側)に当該水平路面120が設けられてもよい。この場合、まず、計量部20による車両100の計量が行われ、その後に、軸重計130による当該車両100の計量が行われ、その上で、当該車両100の重心高さH等が纏めて求められる。
【0141】
さらに、
図11に示した構成における計量部20に代えて、例えば
図13に示す構成のような計量部220が採用されてもよい。即ち、この
図13に示す計量部220は、概略矩形平板状の載置台222を有しており、この載置台222の上面に、傾斜台224が設けられている。そして、載置台222の下面の四隅近傍が、各ロードセル24,24,…によって支持されている。この
図13に示す構成によっても、
図11に示した構成と同様の機能を奏する。また、この
図13に示す構成において、載置台222の上面の一部226によって水平路面120の一部が形成されるようにしてもよい。
【0142】
加えて、
図14に示すように、
図11に示した構成における水平路面120に代えて、
図1に示した構成のものと同様の傾斜路面230が設けられると共に、この傾斜路面230の途中に、軸重計140が設けられてもよい。この場合、軸重計140の載置板142として、その上面が傾斜路面230の一部を形成するように傾斜したものが採用される。この
図14に示す構成によれば、車両100がその前後方向において傾斜姿勢にあるときの当該車両100の総重量Wtによる各軸重W〈1〉〜W〈4〉が軸重計140を用いて求められると共に、駆動車102単体がその前後方向において傾斜姿勢にあるときの当該駆動車102単体の重量Wdによる各軸重Wd〈1〉およびWd〈2〉が求められ、これ以外は、上述の第1実施形態と同様の要領で計量が行われる。