(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたような圧電シートを用いた圧力センサにおいては、圧力センサは、一般的に、両面テープによって支持部材に固定されている。両面テープは、圧電シートの外周縁に枠状に配置されている。
この場合、両面テープは剛性が低いので、圧電シートに荷重が作用したときに両面テープがたわむことがある。その場合、圧電シート自体のたわみ量が少なくなってしまう。つまり、上記の場合には、圧力センサの感度が低くなっている。
【0005】
本発明の課題は、圧力センサにおいて、感度を十分に高く維持することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る圧力センサは、支持部材に支持される圧力センサであって、圧電センサと、支持体とを備えている。圧電センサは、圧電シートを有する。支持体は、圧電センサを支持部材に対して支持させる部材である。支持体は、圧電シートの外周縁部分に圧電シートがたわみ容易となるように部分的に配置されている。
このセンサでは、圧電シートに荷重が作用すると、圧電シートがたわんで電荷を発生する。この場合、支持体が圧電シートの外周縁部分に圧電シートがたわみ容易となるように配置されているので、圧電シートが十分にたわむことができ、つまり圧電シートに加わる応力が高くなる。その結果、圧力センサの感度が高く維持される。
【0008】
支持体は、1GPa以上の弾性率を有していてもよい。
このセンサでは、圧電シートが十分にたわむことができ、つまり圧電シートに加わる応力が高くなる。その結果、圧力センサの感度が高く維持される。
【0009】
支持体は、圧電シートの角部に対応して配置されていてもよい。
このセンサでは、支持体の材料を減らしつつ、前記の効果が得られる。
【0010】
支持体は、圧電シートの対向する2辺に沿って配置されていてもよい。
このセンサでは、支持体の材料を減らしつつ、前記の効果が得られる。
【0011】
圧力センサは、第2支持体をさらに備えていてもよい。その場合、第2支持体は、圧電シートの外周縁において支持体が配置されていない部分に配置された、支持体より剛性が低い部材である。
このセンサでは、第2支持体によって、圧電シートと支持部材との間の隙間に外部から異物が侵入しにくい。
【0012】
本発明の他の見地に係る圧力センサは、支持部材に支持される圧力センサであって、圧電センサと、支持体とを備えている。圧電センサは、圧電シートを有する。
支持体は、圧電センサを支持部材に対して支持させる部材である。支持体は、圧電シートの外周縁に設けられた複数の支持突起構造を有する。
このセンサでは、圧電シートに荷重が作用すると、圧電シートがたわんで電荷を発生する。この場合、支持体が圧電シートの外周縁に設けられた複数の支持突起構造を有しているので、圧電シートに対して複数の支持突起構造が作用する箇所において圧電シートのたわみ量が大きくなり、つまり圧電シートに加わる応力が高くなる。その結果、圧力センサの感度が高く維持される。
【0013】
複数の支持突起構造は、互いに分離して設けられた複数の支持突起部材であってもよい。
【0014】
支持体は支持体本体を有しており、複数の支持突起構造は支持体本体に形成された複数の突起であっていてもよい。
【0015】
圧電センサは、支持体に対応して圧電シートの主面に部分的に設けられた電極をさらに有していてもよい。
このセンサでは、電極の配置が支持体に対応しているので、ノイズに強くなったり、コストダウンを実現できたりする。
なお、「支持体に対応して」とは、電極が支持体に対して少なくとも一部が平面視で重なっておりしかも支持体が配置されていない圧電シートの箇所を全て占めていることはない状態を意味しており、両者の形状及び位置が完全に一致している場合に限定されない。
圧電センサは、圧電シートに装着され、圧電シートへの接触を検出する接触検出部をさらに備えていてもよい。接触検出部は、抵抗膜式や静電容量方式など、従来の各種タッチセンサを採用可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る圧力センサでは、感度を十分に高く維持できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.第1実施形態
(1)圧力検出装置の全体構造
図1を用いて、本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置1の全体構造を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置の概略図である。
【0019】
圧力検出装置1は、押圧荷重を測定する機能を有している。
圧力検出装置1は、圧電部3と、圧電信号検出部5と、制御部7とを有している。圧電部3は、与えられた荷重に応じた圧電信号を発生する部材である。圧電信号検出部5は、圧電部3にて発生した圧電信号を検出する装置である。制御部7は、圧電信号検出部5との間で信号を送受信することで、圧力検出装置1の各種動作を制御する装置である。以下、圧力検出装置1の構成を詳細に説明する。
【0020】
(2)圧電部
圧電部3は、ガラス9と、圧電センサ11とを有している。ガラス9は、第1主面9aと第2主面9bとを有する。第2主面9b上には、圧電センサ11が形成されている。圧電センサ11は、
図1に示すように、ガラス9の第2主面9bの全面に形成されている。なお、圧電センサ11はガラス9の主面の全面に形成されていなくてもよく、つまりガラス9の主面の一部には、圧電センサ11が形成されていない部分があってもよい。
【0021】
圧電センサ11は、主に、圧電シート13と、圧電検出電極15と、基準電極17とを有している。圧電検出電極15は、圧電シート13のガラス9側の面に形成されている。基準電極17は、圧電シート13のガラス9と反対側の面に形成されている。圧電センサ11では、圧電検出電極15と基準電極17との間には、圧電シート13に与えられた荷重に応じた圧電信号が発生する。なお、圧電検出電極と基準電極とは位置が入れ替わっていてもよい。
なお、圧力検出装置1は、圧電部3を支持するための筐体16を有している。具体的には、圧電センサ11が筐体16の上面に支持又は固定されている。筐体16は、剛性が高い部材であることが好ましい。筐体16には表示装置が装着されていてもよい。
【0022】
圧電部3は、圧電センサ11を筐体16に支持させるための支持体18を有している。支持体18は、圧電シート13の外周縁部分に部分的に配置されている。具体的には、
図2に示すように、支持体18は、圧電シート13の角部に対応して配置された第1〜第4支持体18a〜18dから構成されている。なお、支持体18の両主面は平面である。
支持体18は、1GPa以上の弾性率を有する材料から構成されていることが好ましい。樹脂の場合は、おおよそ1〜10GPaの弾性率が得られる。具体的には、支持体18には、ABS(2.65GPa)、PC(2.45GPa)、PS(3〜3.5GPa)、PP(1.5〜2GPa)が用いられる。金属の場合は、おおよそ10〜1000GPaの弾性率が得られる。具体的には、支持体18には、Mg(45GPa)、SUS(199GPa)、Fe(192GPa)、Al(59GPa)が用いられる。
【0023】
(3)圧電シート
圧電シート13を構成する材料としては、セラミック圧電材料、フッ化物重合体又はその共重合体、キラリティーを有する高分子材料などが挙げられる。
セラミック圧電材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどが挙げられる。フッ化物重合体又はその共重合体としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。キラリティーを有する高分子材料としては、L型ポリ乳酸や、R型ポリ乳酸などが挙げられる。
【0024】
また、圧力検出装置1を、表示装置や、タッチパネルを備えた表示装置に適用する場合には、圧電部3を透明な材料により構成するか、又は、光が十分に透過できる程度に薄く構成することが好ましい。
【0025】
(4)電極
圧電検出電極15、基準電極17は、導電性を有する材料により構成できる。導電性を有する材料としては、インジウム−スズ酸化物(Indium−Tin−Oxide、ITO)、スズ−亜鉛酸化物(Tin−Zinc−Oxide、TZO)などのような透明導電酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(Polyethylenedioxythiophene、PEDOT)などの導電性高分子、などを用いることができる。この場合、上記の電極は、蒸着やスクリーン印刷などを用いて形成できる。
【0026】
また、導電性を有する材料として、銅、銀などの導電性の金属を用いてもよい。この場合、上記の電極は、蒸着により形成してもよく、銅ペースト、銀ペーストなどの金属ペーストを用いて形成してもよい。
【0027】
さらに、導電性を有する材料として、バインダー中に、カーボンナノチューブ、金属粒子、金属ナノファイバーなどの導電材料が分散したものを用いてもよい。
さらに、筐体16に接する基準電極17は、例えば筐体16側においてガラス又はタッチパネルを支持する金属板(例えば、SUS製)によって構成してもよい。
【0028】
なお、圧力検出装置1を表示装置又はタッチパネルを備えた表示装置に適用する場合には、圧電部3と同様、圧電検出電極15、基準電極17も透明な材料により構成するか、又は、光が十分に透過できる程度に薄く構成することが好ましい。
【0029】
(5)圧電信号検出部
図1に示すように、圧電信号検出部5は、2つの入力を有している。1つの入力は、圧電検出電極15に接続されている。もう1つの入力は、基準電極17に接続されている。
以上の構成により、圧電信号検出部5は、圧電シート13が押圧されたときに、圧電検出電極15と基準電極17との間(すなわち、圧電シート13の両主面間)に発生する圧電信号を検出できる。
【0030】
(6)制御部
制御部7は、圧電信号検出部5に接続されている。
制御部7は、圧電信号検出部5において圧電信号を検出不可能にすることと、圧電信号検出部5において圧電信号を検出可能とすることを切り替えるための圧電信号検出指令信号を出力可能である。
【0031】
制御部7は、例えば、圧力検出装置1のドライブシステムに含めることができる。当該ドライブシステムは、CPU(Central Processing Unit)、記憶部、及び圧電センサをドライブするためのインターフェースなどを備えたマイコンであってもよい。又は、当該ドライブシステムは、カスタムICなどにより1つのICに集約されていてもよい。
また、制御部7の上記機能は、上記マイコンやカスタムICなどの記憶部に記憶されたプログラムを、CPUやカスタムICなどに実行させることにより実現してもよい。
【0032】
2.第2実施形態
第1実施形態では、圧電センサは支持体のみによって筐体に支持されていたが、他の支持体をさらに用いてもよい。
【0033】
図3及び
図4に示すように、圧電センサ11は、第2支持体21をさらに有している。第2支持体21は、圧電シート13の外周縁において支持体18が配置されていない部分に配置された第2支持体21a〜21dから構成されている。具体的には、第2支持体21は、圧電シート13の各辺に対応して設けられている。第2支持体21は、支持体18より剛性が低い。
第2支持体21は、通常の機器では防塵性を有していることが好ましく、さらには必要に応じ防水性を有していることが好ましい。
第2支持体21は、弾性率が低い材料からなることが好ましい。第2支持体21の弾性率は1GPa以下であることが好ましい。具体的には、第2支持体21には、ゴム材(0.01〜0.1GPa)、ポリウレタンを発泡させたフォーム材、ゲル材が用いられる。
この圧電センサ11では、第2支持体21によって、圧電シート13と筐体16との間の隙間に外部から異物が侵入しにくい。
【0034】
3.第3実施形態
支持体は、圧電シートの外周縁部分のみに配置されており、圧電センサがたわみ容易となるように部分的に形成されていればよいので、支持体の配置形状は第1実施形態及び第2実施形態のような角部には限定されない。以下、支持体が圧電シートの対向する2辺に沿って配置された実施形態を説明する。
図5及び
図6に示すように、支持体23は、第1部分23a及び第2部分23bを有している。第1部分23a及び第2部分23bは、圧電シート13の短辺(図の左右辺)に細長い部材として形成されている。
なお、この実施形態の変形例として、第1部分23a及び第2部分23bは複数に分割されていてもよいし、圧電シート13の長辺に第2実施形態の第2支持体が設けられていてもよい。
【0035】
4.第4実施形態
支持体が圧電シートの対向する2辺に沿って配置された他の実施形態を説明する。
図7及び
図8に示すように、支持体25は、第1部分25a及び第2部分25bを有している。第1部分25a及び第2部分25bは、圧電シート13の長辺(図の上下辺)に細長い部材として形成されている。なお、この実施形態の変形例として、第1部分25a及び第2部分25bは複数に分割されていてもよいし、圧電シート13の短辺に第2実施形態の第2支持体が設けられていてもよい。
【0036】
5.第5実施形態
第1〜第4実施形態では、圧電センサの電極は圧電シートの主面全体に設けられていたが、以下、圧電センサの電極が支持体に対応して圧電シートの主面に部分的に設けられている実施形態を説明する。「支持体に対応して」とは、電極が支持体に対して少なくとも一部が平面視で重なっておりしかも支持体が配置されていない圧電シートの箇所を全て占めていることはない状態を意味する。つまり、この実施形態では、圧電センサの電極が、圧電シートの主面全体には形成されておらず、より具体的には圧電シートの内周側部分つまり中央部分には全く形成されていない。
図9及び
図10では、第3実施形態のように、支持体23は、第1部分23a及び第2部分23bを有している。第1部分23a及び第2部分23bは、圧電シート13の短辺(図の左右辺)に細長い部材として形成されている。また、ディスプレイ29が圧電シート13と筐体16との間に配置されている。ディスプレイ29は、圧電シート13に固定されており、支持体16との間に隙間を有している。ディスプレイ29と筐体16との間は空間が確保されていてもよいし、空間にスポンジ等の柔らかい部材が充填されていてもよい。
【0037】
圧電センサの電極は、第1部分23aに対応した第1圧電検出電極31及び第1基準電極33と、第2部分23bに対応した第2圧電検出電極35及び第2基準電極37とから構成されている。
【0038】
圧電センサ11の電極(第1圧電検出電極31、第1基準電極33、第2圧電検出電極35、第2基準電極37)は、図から明らかなように、支持体23(第1部分23a、第2部分23b)に対応している。具体的には、電極は支持体の少なくとも一部を覆っており、さらに支持体よりさらに中央側にも延びている。さらに具体的には、第1圧電検出電極31及び第1基準電極33は、第1部分23aに平面視で重なっている。また、第2圧電検出電極35及び第2基準電極37は、第2部分23bに平面視で重なっている。
より詳細には、第1圧電検出電極31及び第1基準電極33は、圧電シート13においてディスプレイ29の端部と第1部分23aとの間の部分に重なるように配置されている。また、第2圧電検出電極35及び第2基準電極37は、圧電シート13においてディスプレイ29の端部と第2部分23bとの間の部分に重なるように配置されている。このように電極が圧電シートにおいてディスプレイ端部と支持体との間の部分に対応して配置される理由は、圧電シートのディスプレイが装着された部分(中央部分)のたわみ量が少なく、そのため上記のディスプレイ端部と支持体との間の部分が圧電シートにおいて最もたわみ量が大きい部分だからである。この場合、当該対応部分のディスプレイ端部付近、さらには当該対応部分の支持体端部付近に応力集中が発生する。
この装置では、電極の配置が、出力が大きい場所に対応しているため、全面的に広く電極を形成する場合よりも、ノイズに強くなったり、コストダウンを実現できたりする。
なお、圧電センサの電極は支持体に対応してさえいればよいので、電極は、支持体の全体を覆っていてもよいし、支持体を部分的に覆っていてもよい。また、電極は、支持体以外に対応する部分を有していてもよい。
【0039】
6.第6実施形態
圧電センサの電極が支持体に対応して圧電シートの主面に設けられている実施形態をさらに説明する。
図11及び
図12では、第4実施形態のように、支持体25は、第1部分25a及び第2部分25bを有している。第1部分25a及び第2部分25bは、圧電シートの長辺(図の上下辺)に細長い部材として形成されている。また、ディスプレイ29が圧電シート13と筐体16との間に配置されている。ディスプレイ29は、圧電シート13に固定されており、支持体16との間に隙間を有している。ディスプレイ29と筐体16との間は空間が確保されていてもよいし、空間にスポンジ等の柔らかい部材が充填されていてもよい。
【0040】
圧電センサ11の電極は、第1部分25aに対応した第1圧電検出電極41及び第1基準電極43と、第2部分25bに対応した第2圧電検出電極45及び第2基準電極47とから構成されている。
圧電センサ11の電極(第1圧電検出電極41、第1基準電極43、第2圧電検出電極45、第2基準電極47)は、図から明らかなように、支持体25(第1部分25a、第2部分25b)に対応している。具体的には、電極は支持体の一部を覆っており、さらに支持体よりさらに中央側にも延びている。さらに具体的には、第1圧電検出電極41及び第1基準電極43は、第1部分25aの一部に平面視で重なっている。また、第2圧電検出電極45及び第2基準電極47は、第2部分25bの一部に平面視で重なっている。
より詳細には、第1圧電検出電極41及び第1基準電極43は、圧電シート13においてディスプレイ29の端部と第1部分25aとの間の部分に重なるように配置されている。また、第2圧電検出電極45及び第2基準電極47は、圧電シート13においてディスプレイ29の端部と第2部分25bとの間の部分に重なるように配置されている。このように電極が圧電シートにおいてディスプレイ端部と支持体との間の部分に対応して配置される理由は、圧電シートのディスプレイが装着された部分(中央部分)のたわみ量が少なく、そのため上記のディスプレイ端部と支持体との間の部分が圧電シートにおいて最もたわみ量が大きい部分だからである。この場合、当該対応部分のディスプレイ端部付近、さらには当該対応部分の支持体端部付近に応力集中が発生する。
この装置では、電極の配置が、出力が大きい場所に対応しているため、全面的に広く電極を形成する場合よりも、ノイズに強くなったり、コストダウンを実現できたりする。
【0041】
圧電センサの電極は支持体に対応してさえいればよいので、電極は、支持体の全体を覆っていてもよいし、支持体を部分的に覆っていてもよい。また、電極は、支持体以外に対応した部分を有していてもよい。
【0042】
7.第7実施形態
第1〜第6実施形態では支持体は平面で圧電センサを支持していたが、以下、支持体が複数の支持突起構造によって圧電センサを支持する実施形態を説明する。
図13及び
図14に示すように、圧電センサ11は、筐体16に支持されるための支持体51を有している。支持体51は、圧電シート13の外周縁部分のみに配置されている。
具体的には、
図14に示すように、支持体51は、圧電シート13の外周縁に周方向並んで配置された複数の支持突起部材51aから構成されている。支持突起部材51aは、円柱形状であり、両主面は平面である。また、支持突起部材51aは、周方向に等間隔で配置されている。
なお、支持体51を構成する材料は第1〜第6実施形態と同じであるが、異なっていてもよい。
【0043】
このセンサでは、圧電シート13に荷重が作用すると、圧電シート13がたわんで電荷を発生する。この場合、支持体51が圧電シート13の外周縁に設けられた複数の支持突起部材51aから構成されているので、圧電シート13に対して複数の支持突起部材51aが作用する箇所において圧電シート13のたわみ量が大きくなり、つまり圧電シート13の応力が高くなる。その結果、圧電センサ11の感度が高く維持される。
【0044】
なお、支持突起部材51aの形状、数、位置については、この実施形態に限定されない。例えば、支持突起部材は、周方向に2列以上で並んでいてもよいし、周方向の密度が異なる部分があってもよい。また、支持突起部材は、角柱形状であっても、円錐形状であってもよい。さらに、支持突起部材の圧電フィルム側の面は平面ではなく、凸状に湾曲した突起形状であってもよい。
【0045】
8.第8実施形態
支持体が複数の支持突起構造によって圧電センサを支持する実施形態をさらに説明する。
図15及び
図16に示すように、圧電センサ11は、筐体16に支持されるための支持体53を有している。支持体53は、圧電シート13の外周縁部分のみに配置されている。
具体的には、
図16に示すように、支持体53は、圧電シート13の外周縁に枠状に(連続した細長い帯状に)配置されている。支持体53は、図に示すように、支持体本体53aと、支持体本体53aの圧電シート13に接する側の面に形成された複数の突起53bを有する。突起53baは、周方向に延びる断面が山形形状の突起である。突起53bは先端が鋭角になっている。複数の突起53bは、互いに等間隔で配置されている。
なお、支持体53を構成する材料は第1〜第6実施形態と同じであるが、異なっていてもよい。
【0046】
このセンサでは、圧電シート13に荷重が作用すると、圧電シート13がたわんで電荷を発生する。この場合、支持体53は、圧電シート13に接する側の面に形成された複数の突起53bを有するので、
図17に示すように、圧電シート13に対して複数の突起53bが作用する箇所において圧電シート13のたわみ量が大きくなり、つまり圧電シートに加わる応力が高くなる。その結果、圧電センサ11の感度が高く維持される。
【0047】
なお、突起の形状、数、位置については、この実施形態に限定されない。例えば、突起は周方向に連続していなくてもよく、つまり複数に分割されていてもよい。また、突起は、先端がとがっていなくてもよく、例えば先端が平面であったり、丸くなっていたりしてもよい。
さらに、突起は周方向に長く延びていなくてもよく、個々の分離した突起であってもよい。その場合、例えば、突起は、円柱形状、円錐形状であってもよく、さらに先端がとがっていたり、丸まっていたり、平面形状でもよい。さらに、突起は支持体において密度が異なる部分があってもよい。
【0048】
9.第9実施形態
第7及び第8実施形態では、圧電センサの電極は圧電シートの主面全体に設けられていたが、以下、圧電センサの電極が支持体に対応して圧電シートの主面に設けられている実施形態を説明する。
図18及び
図19に示すように、圧電センサの電極は、支持体に対応して圧電シートの主面に設けられている。
この実施形態では、第7実施形態のように、支持体51は、複数の支持突起部材51aから構成されている。支持突起部材51aは、圧電シート13の外周縁に沿って並んで配置されている。
【0049】
圧電センサ11の電極は、支持体51に対応した圧電検出電極71及び基準電極73から構成されている。
圧電センサ11の電極(圧電検出電極71及び基準電極73)は、図から明らかなように、支持体51に対応している。具体的には、圧電センサ11の電極は、支持体51の幅よりわずかに広い幅で、圧電シート13の外周縁に沿って枠状に延びている。
この装置では、電極の配置が、出力が大きい場所に対応しているため、全面的に広く電極を形成する場合よりも、ノイズに強くなったり、コストダウンを実現できたりする。
【0050】
圧電センサの電極は支持体に対応してさえいればよいので、電極は、支持体の全体を覆っていてもよいし、支持体を部分的に覆っていてもよい。また、電極は、支持体以外に対応する部分を有していてもよい。
【0051】
10.第10実施形態
圧電センサの電極が支持体に対応して圧電シートの主面に設けられている実施形態をさらに説明する。
図20及び
図21に示すように、圧電センサの電極は、支持体に対応して圧電シートの主面に設けられている。
この実施形態では、第8実施形態のように、支持体53は、複数の突起53bを有している。
【0052】
圧電センサ11の電極は、支持体53に対応した圧電検出電極75及び基準電極77から構成されている。
圧電センサ11の電極(圧電検出電極75、基準電極77)は、図から明らかなように、支持体53に対応している。具体的には、圧電センサ11の電極は、支持体51の幅と概ね同じ幅で、圧電シートの外周縁に沿って枠状に延びている。
このセンサでは、電極の配置が、出力が大きい場所に対応しているため、全面的に広く電極を形成する場合よりも、ノイズに強くなったり、コストダウンを実現できたりする。
【0053】
圧電センサの電極は支持体に対応していればよいので、電極は、支持体の全体を覆っていてもよいし、支持体を部分的に覆っていてもよい。また、電極は、支持体以外に対応した部分を有していてもよい。
【0054】
11.第1〜第6実施形態の共通内容
第1〜第6実施形態において、圧力センサ(例えば、圧電部3)は、支持部材(例えば、筐体16)に支持される圧力センサであって、圧電センサ(例えば、圧電センサ11)と、支持体(例えば、支持体18、支持体23、支持体25)とを備えている。圧電センサは、圧電シート(例えば、圧電シート13)を有する。支持体は、圧電センサを支持部材に対して支持させる部材である。支持体は、圧電シートの外周縁部分に圧電シートがたわみ容易となるように配置されている。
このセンサでは、圧電シートに荷重が作用すると、圧電シートがたわんで電荷を発生する。この場合、支持体が圧電シートの外周縁部分に圧電シートがたわみ容易となるように配置されているので、圧電シートが十分にたわむことができ、つまり圧電シートに加わる応力が高くなる。その結果、圧力センサの感度が高く維持される。
【0055】
12.第7〜第10実施形態の共通内容
第7〜第10実施形態において、圧力センサ(例えば、圧電部3)は、支持部材(例えば、筐体16)に支持される圧力センサであって、圧電センサ(例えば、圧電センサ11)と、支持体(例えば、支持体51)とを備えている。圧電センサは、圧電シート(例えば、圧電シート13)を有する。
支持体は、圧電センサを支持部材に対して支持させる部材である。支持体は、圧電シートの外周縁に設けられた複数の支持突起構造(例えば、支持突起部材51a、突起53b)を有する。
このセンサでは、圧電シートに荷重が作用すると、圧電シートがたわんで電荷を発生する。この場合、支持体が圧電シートの外周縁に設けられた複数の支持突起構造を有しているので、圧電シートに対して複数の支持突起構造が作用する箇所において圧電シートのたわみ量が大きくなり(例えば、
図17参照)、つまり圧電シートに加わる応力が高くなる。その結果、圧力センサの感度が高く維持される。
【0056】
13.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0057】
以下は、実施形態同士の組み合わせの例である。
第7実施形態(
図13、
図14)の支持突起部材を、他の実施形態の支持体に適用してもよい。
第8実施形態(
図15、
図16)の支持突起を、他の実施形態の支持体に設けてもよい。