(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明では、
図11に示すように、開口扉121Bにおけるヒンジ部121Hが上方に設けられているので、開口扉121Bが開口することを禁止するロック機構121Aが、挿通された電線CAの近傍に配置されている。ロック機構121Aの近傍はガタが発生し易いので、
図11(B)に示した開口扉121Bと下方ホイール112の縁部との隙間Kが大きくなり易い。この隙間Kが大きくなると、当該隙間Kに電線CAが噛み込まれて電線の架線工事の作業効率が低下する場合があるので好ましくない。
また特許文献2に記載の発明では、架線工事の際に電線の上方または下方に電線と平行に張る補助ケーブルを案内するガイド270を有している。このガイド270の上端部には自身を吊下げるケーブルCUが接続され、下端部には別の吊金車を吊下げるケーブルCLが接続される。しかし、
図12(B)に示すように、ガイド270の上端部と下端部を結ぶ仮想直線LZが鉛直方向に対して傾斜しているので、複数の吊金車を吊下げた場合、その重量で吊金車200が傾斜する可能性がある。吊金車が傾斜すると、電線挿通空間SKに挿通されている電線CAが、ホイール213、214の中央の凹部から縁部に移動し、噛み込まれ易くなるので、好ましくない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、挿通した電線が噛み込まれることをより抑制し、電線の架線工事の作業効率が低下することを抑制することができる架線工事用金車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る架線工事用金車は次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、平行となるように配置された略板状の第1フレーム部材及び第2フレーム部材と、前記第1フレーム部材と前記第2フレーム部材との間に回転可能に支持された第1ホイールと第2ホイールと第3ホイールと、を有して電線支持体に電線を架設する際に使用される架線工事用金車において、前記第1フレーム部材及び前記第2フレーム部材には、所定の三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれの回転軸を有するように前記第1ホイール、前記第2ホイール、前記第3ホイールが配置されている。
そして、前記第1フレーム部材の少なくとも一部は、前記所定の三角形の頂角に相当する位置に配置されている前記第1ホイールと、前記所定の三角形の底辺の両端に相当する位置に配置されている前記第2ホイール及び前記第3ホイールと、の間に形成されて電線が挿通される電線挿通空間を開閉可能な回動扉であり、前記回動扉は、前記第2ホイールと前記第3ホイールのそれぞれの少なくとも一部を覆っており、前記回動扉を閉じた状態において、前記回動扉と前記第2ホイール、及び前記回動扉と前記第3ホイール、との間に形成された隙間には、当該隙間を埋めるためのスペーサが設けられている。
【0006】
この第1の発明によれば、第2ホイール及び第3ホイールと、回動扉との間の隙間はスペーサにて埋められている。
これにより、架線工事用金車の電線挿通空間に挿通された電線が噛み込まれる可能性が考えられる隙間を予め埋めておくので、挿通された電線が噛み込まれることをより抑制し、電線の架線工事の作業効率が低下することを抑制することができる。
【0007】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る架線工事用金車であって、前記回動扉は、施錠と開錠を可能とするロック機構と、回動軸となるヒンジ機構と、を有し、前記第1ホイールの少なくとも一部を覆っており、前記ロック機構は、前記第1ホイールの近傍に設けられており、前記ヒンジ機構は、前記回動扉の縁部の近傍であって前記第2ホイールの近傍と、前記回動扉の縁部の近傍であって前記第3ホイールの近傍と、に設けられている。
【0008】
この第2の発明によれば、回動扉のヒンジ機構を下方の第2ホイール及び第3ホイールの近傍に設け、回動扉のロック機構を上方の第1ホイールの近傍に設けている。
挿通した電線の噛み込みが発生し易いのは、下方の第2ホイール及び第3ホイールと回動扉との間であるが、施錠と開錠を可能とするロック機構のガタよりも、回動可能とするヒンジ機構のガタのほうが、ガタの範囲をより小さくすることが容易であるので、下方の第2ホイール及び第3ホイールの近傍に、回動扉のロック機構を設けるよりもヒンジ機構を設けるほうが、挿通した電線が噛み込まれることをより抑制することができる。
【0009】
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る架線工事用金車であって、前記第1ホイールが前記第2ホイール及び前記第3ホイールよりも上となるように吊下げた場合において、前記第2フレーム部材における前記第1フレーム部材と反対の側には、一方端が前記第1ホイールの上方に固定されて他方端が前記第2ホイールと前記第3ホイールとの間の下方に固定された円弧状の湾曲形状を有するガイド部材が取り付けられており、前記ガイド部材における前記第1ホイールの上方となる位置には、前記架線工事用金車から上方に向かって凸状に湾曲された上方屈曲部が形成されており、前記ガイド部材における前記第2ホイールと前記第3ホイールとの間の下方となる位置には、前記架線工事用金車から下方に向かって凸状に湾曲された下方屈曲部が形成されている。
そして、前記上方屈曲部を用いて前記架線工事用金車を吊下げた場合、前記上方屈曲部と前記下方屈曲部とを通る第1仮想直線が、鉛直方向に平行であるとともに当該架線工事用金車の重心を通るように、前記上方屈曲部の位置と前記下方屈曲部の位置が設定されている。
【0010】
この第3の発明によれば、ガイド部材の上方屈曲部を用いて架線工事用金車を吊下げた場合、上方屈曲部と下方屈曲部とを通る第1仮想直線が、鉛直方向に平行であるとともに当該架線工事用金車の重心を通るように、上方屈曲部の位置と下方屈曲部の位置が設定されているので、架線工事の際に、架線工事用金車の下方に複数の架線工事用金車を吊下げても架線工事用金車が傾斜しない。
従って、電線挿通空間に挿通された電線が第2ホイールや第3ホイールの縁部に移動しにくくなるので、挿通した電線が噛み込まれることをより抑制し、電線の架線工事の作業効率が低下することを抑制することができる。
【0011】
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明〜第3の発明のいずれか1つに係る架線工事用金車であって、前記第1フレーム部材と前記第2フレーム部材には、前記第2ホイールの回転軸と前記第3ホイールの回転軸とに直交する第2仮想直線に交差するガイドローラ回転軸であって前記回動扉が閉じた状態において前記回動扉に略平行な前記ガイドローラ回転軸の回りに回転可能に支持されて前記電線挿通空間の側に突出したガイドローラが設けられている。
【0012】
この第4の発明によれば、第1フレーム部材と第2フレーム部材には、電線挿通空間の側に突出するガイドローラが設けられている。
これにより、電線挿通空間に挿通した電線が噛み込まれることをより抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。
なお、図中においてX軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Z軸は上方に向かう鉛直方向を示し、X軸とY軸は水平方向を示している。
【0015】
●[第1の実施の形態の架線工事用金車1の構造(
図1、
図2)]
本発明の架線工事用金車の第1の実施の形態を説明する。
図1は第1の実施の形態の架線工事用金車1の正面図を示しており、
図2は架線工事用金車1の側面図を示している。
架線工事用金車1は、平行となるように配置された略板状の第1フレーム部材21と第2フレーム部材22と、第1ホイール11、第2ホイール12、第3ホイール13、第1接続部材31、第2接続部材32、第1連結部材61、第2連結部材62等を有している。
【0016】
第1フレーム部材21と第2フレーム部材22は、上方に配置された第1接続部材31と、下方に配置された第2接続部材32と、にて接続されている。
第1接続部材31は、第1ホイール11の上方に配置されて第1連結部材61が設けられている。
第2接続部材32は、第2ホイール12と第3ホイール13との間に配置されて第2連結部材62が設けられている。
そして第1フレーム部材21と第2フレーム部材22には、所定の三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれの回転軸Z1、Z2、Z3を有するように第1ホイール11、第2ホイール12、第3ホイール13が配置されている。
第1ホイール11は、所定の三角形の頂角に相当する位置に配置されており、第2ホイール12及び第3ホイール13は、所定の三角形の底辺の両端に相当する位置に配置されている。
そして
図2に示すように、第1ホイール11と、第2ホイール12及び第3ホイール13と、の間には、電線CAを挿通するための電線挿通空間SKが形成されている。
【0017】
第1フレーム部材21は、電線挿通空間SKを開閉可能な回動扉21Bと、第2ホイール12と第3ホイール13とを保持する下方ホイール保持部21Cと、にて構成されている。従って第1フレーム部材21の少なくとも一部は回動扉21Bである。
また回動扉21Bは、閉じた状態において、第1ホイール11、第2ホイール12、第3ホイール13、のそれぞれの少なくとも一部を覆っている。
また第1フレーム部材21の回動扉21Bは、回動扉21Bを回動軸Z4回りに回動可能に支持するヒンジ機構21Hと、回動扉21Bの施錠と開錠を可能とするロック機構21Aと、を有している。
ロック機構21Aは、回動扉21Bの上端に相当する第1ホイール11の近傍に設けられている。
またヒンジ機構21Hは、回動扉21Bの下端の縁部の近傍であって第2ホイール12の近傍と、回動扉21Bの下端の縁部の近傍であって第3ホイール13の近傍と、に設けられている。そしてヒンジ機構21Hは、略三角形状の回動扉21Bにおける三角形の底辺の両端部に近い位置に設けてあることが好ましい。底辺の両端部に近い位置に設けることで、ヒンジ機構21Hのガタによる第2ホイール12(または第3ホイール13)と、回動扉21Bとの隙間を、より小さくすることができる。
またヒンジ機構とロック機構を比較した場合、開錠または施錠を行うロック機構よりも、回動軸回りに回動するヒンジ機構のほうが、ガタを小さくすることが容易である。
このように、第2ホイール12(または第3ホイール13)と、回動扉21Bとの隙間をより小さくすることで、電線挿通空間SKに挿通された電線CAが、この隙間に噛み込まれることを防止(抑制)することができる。
【0018】
また、回動扉21Bを閉じた状態において、回動扉21Bと第2ホイール12、及び回動扉21Bと第3ホイール13、との隙間を埋めるためのスペーサ42、43が、第1フレーム部材21の下方ホイール保持部21Cに設けられている。例えばスペーサ42、43は樹脂であり、隙間を適切に埋めるとともに、電線との摩擦を低減する。
このスペーサ42、43を設けて回動扉21Bと第2ホイール12、及び回動扉21Bと第3ホイール13、との隙間を埋めることで、電線挿通空間SKに挿通された電線CAが、この隙間に噛み込まれることを防止(抑制)することができる。
【0019】
また第1フレーム部材21の回動扉21Bと、第2フレーム部材22には、第2ホイール12の回転軸Z2と第3ホイール13の回転軸Z3とに直交する第2仮想直線L2に交差するガイドローラ回転軸Z5、Z6回りに回転可能に支持されたガイドローラ51、52が設けられている。なお本実施の形態では、第2仮想直線L2とガイドローラ回転軸Z5(Z6)は直交する例を示している。またガイドローラ回転軸Z5、Z6は回動扉21Bが閉じた状態において当該回動扉21Bに略平行である。
そしてガイドローラ51、52は、電線挿通空間SKの側に突出しており、電線挿通空間SKに挿通されて引き回される電線CAとの摩擦抵抗を軽減する。
また、回動扉21Bの縁部であってガイドローラ51の左右に相当する位置には、電線挿通空間SKの側に、抵抗低減部材41L、41Rが設けられている。この抵抗低減部材41L、41Rは例えば樹脂であり、ガイドローラ51と同様、電線CAとの摩擦抵抗を軽減する。また第2フレーム部材22の縁部であってガイドローラ52の左右に相当する位置にも、同様に抵抗低減部材41L、41Rが設けられている。
【0020】
第1接続部材31の上方には、架線工事用金車1を吊下げる際に使用される第1連結部材61が設けられている。
また第2接続部材32の下方には、別の架線工事用金車を吊下げる際に使用される第2連結部材62が設けられている。
そして第1連結部材61を用いて架線工事用金車1を吊下げた場合、第1連結部材61と第2連結部材62を通る仮想直線は、架線工事用金車の重心を通るように、第1連結部材61の位置と第2連結部材62の位置が設定されている。
【0021】
●[第2の実施の形態の架線工事用金車2の構造(
図3、
図4)]
次に
図3、
図4を用いて、第2の実施の形態の架線工事用金車2の構造について説明する。
図3及び
図4に示した第2の実施の形態の架線工事用金車2は、
図1及び
図2に示した第1の実施の形態の架線工事用金車1に対して、第1連結部材61と第2連結部材62が、ガイド部材70と第1可動連結部材71と第2可動連結部材72に変更されている点が異なり、他は同じである。
以下、この相違点について主に説明する。
【0022】
図3及び
図4に示すように、第1ホイール11が、第2ホイール12及び第3ホイール13よりも上となるように架線工事用金車2を吊下げた場合において、一方端が第1ホイール11の上方(この場合、第1接続部材31)に固定されて他方端が第2ホイール12と第3ホイール13との間の下方(この場合、第2接続部材32)に固定されたガイド部材70が、第2フレーム部材22における第1フレーム部材21と反対の側に設けられている。
またガイド部材70は、
図4に示すように、第1ホイール11〜第3ホイール13とは反対方向に向かって凸状となる円弧状に湾曲した形状である。
またガイド部材70には、ガイド部材70に沿って移動可能となるように、第1可動連結部材71、第2可動連結部材72が取り付けられている。
【0023】
また
図4に示すように、ガイド部材70における第1ホイール11の上方となる位置には、架線工事用金車2から上方に向かって凸状に湾曲された上方屈曲部70Aが形成されている。同様に、ガイド部材70における第2ホイール12及び第3ホイール13の間の下方となる位置には、架線工事用金車2から下方に向かって凸状に湾曲された下方屈曲部70Bが形成されている。
そして上方屈曲部70Aを用いて架線工事用金車2を吊下げた場合、
図4に示すように、上方屈曲部70Aと下方屈曲部70Bを通る第1仮想直線L1が鉛直方向に沿っている(鉛直方向に平行)とともに架線工事用金車2の重心Gを通るように、上方屈曲部70Aと下方屈曲部70Bの位置が設定されている。
このため、架線工事の際に、架線工事用金車2の下方に複数の架線工事用金車を吊下げても架線工事用金車2が傾斜しない。
従って、電線挿通空間SKに挿通された電線CAが第2ホイール12や第3ホイール13の縁部に移動しにくくなるので、挿通した電線CAが第2ホイールの縁部や第3ホイールの縁部に噛み込まれることをより抑制し、電線の架線工事の作業効率が低下することを抑制することができる。
またガイド部材70が円弧状に湾曲しているので、架線工事において、第1可動連結部材71または第2可動連結部材72に連結した補助ケーブルを、架線工事用金車2の上方から下方へ、または下方から上方へと移動させた際、滑らかに移動させることが可能であり、架線工事の作業効率が低下することを抑制することができる。
【0024】
●[架線工事用金車1、2の使用例(
図5、
図6)]
図5は、複数の工程からなる架線工事における1つの工程の様子を示している。
図5では、鉄塔T1、T2(電線支持体に相当)の間に、上段、中段、下段のそれぞれに電線が架け渡されており、この電線の張り替えの途中の状態の例を示している。
また
図6は、
図5をA−A方向から見た図であり、上段の架線工事用金車2に中段の架線工事用金車1がケーブルC1にて吊下げられ、中段の架線工事用金車1に下段の架線工事用金車1がケーブルC2にて吊下げられている様子を示している。
【0025】
上段は、新しい電線CA1に張り替え済みの状態であり、上段の架線工事用金車2は、電線CA1の上方に架け渡された補助ケーブルK1に吊下げられている。また上段の架線工事用金車2には新しい電線CA1が挿通されて設定された張力で電線CA1が架け渡されている様子を示している。
中段は、既設の電線CB2の端部に、連結部材CCを介して新しい電線CA2を接続し、既設の電線CB2をF方向に引っ張って、電線を張り替えする様子を示しており、中段の架線工事用金車1に挿通されている電線は、既設の電線CB2から新しい電線CA2に張り替えられる。
下段は、まだ既設の電線CB3が架け渡されている状態を示しており、新しい電線に張り替えられる前の状態を示している。
図6に示すように、上段の架線工事用金車2は、ケーブル連結部材75を介して補助ケーブルK1に吊下げられており、上方屈曲部70Aと下方屈曲部70Bを通る第1仮想直線が架線工事用金車2の重心を通るので、下方に複数の架線工事用金車1が吊下げられていても、架線工事用金車2は鉛直方向に対して傾斜しない。
【0026】
●[第3の実施の形態の架線工事用金車3の構造(
図7)]
図7(A)及び(B)は、第3の実施の形態の架線工事用金車3の正面図(A)と側面時(B)を示している。
第3の実施の形態の架線工事用金車3は、
図1、2に示した第1の実施の形態の架線工事用金車1に対して、ガイドローラ51A、52Aの個数と配置位置と傾斜状態が異なる。以下、この相違点について主に説明する。
図7(A)の正面図に示すように、ガイドローラ51Aは、第1フレーム部材21Xの左右の両端(電線挿通空間SKに挿通した電線の挿通方向における一方端の側と他方端の側)に設けられており、ガイドローラ51Aの回転軸であるガイドローラ回転軸Z5Aは鉛直方向に対して角度θbだけ傾斜している。なお
図7(A)では図示省略しているが、第2フレーム部材22Xの左右の両端にも鉛直方向に対して角度θbだけ傾斜したガイドローラ回転軸回りに回転するガイドローラ52Aが設けられている。
このように、第1フレーム部材21X(回動扉21BA)と第2フレーム部材22Xには、第2ホイール12の回転軸と第3ホイール13の回転軸とに直交する第2仮想直線L2に交差する(この場合、仮想直線L2に対して所定角度(90−θb[度])だけ傾斜した)ガイドローラ回転軸Z5Aであって回動扉21BAが閉じた状態において回動扉21BAに略平行なガイドローラ回転軸Z5Aの回りに回転可能に支持されて電線挿通空間SKの側に突出したガイドローラが設けられている。
ガイドローラの個数と配置位置と傾斜状態が異なっているので、第3の実施の形態の架線工事用金車3の第1フレーム部材21X、第2フレーム部材22X、回動扉21BA等は、第1の実施の形態の架線工事用金車1の第1フレーム部材21、第2フレーム部材22、回動扉21Bとは形状が少し異なっている。
なお、ロック機構21A、ヒンジ機構21H、の位置と構造や、スペーサ42、43の配置位置等、その他の点については第1の実施の形態の架線工事用金車1と同様であるので説明を省略する。
【0027】
●[第4の実施の形態の架線工事用金車4の構造(
図8)]
図8(A)及び(B)は、第4の実施の形態の架線工事用金車4の正面図(A)と側面時(B)を示している。
第4の実施の形態の架線工事用金車4は、
図7に示した第3の実施の形態の架線工事用金車3に対して、第1連結部材61と第2連結部材62が、ガイド部材70と第1可動連結部材71と第2可動連結部材72に変更されている点が異なる。以下、この相違点について主に説明する。
図8(A)及び(B)に示す第4の実施の形態の架線工事用金車4のガイド部材70、第1可動連結部材71、第2可動連結部材72は、
図3及び
図4に示した第2の実施の形態の架線工事用金車2のガイド部材70、第1可動連結部材71、第2可動連結部材72と同様である。
従って、
図8(B)に示すように、上方屈曲部70Aと下方屈曲部70Bを通る第1仮想直線L1が鉛直方向に沿っている(鉛直方向に平行)とともに架線工事用金車4の重心Gを通るように、上方屈曲部70Aと下方屈曲部70Bの位置が設定されている。
なお、ロック機構21A、ヒンジ機構21H、の位置と構造や、スペーサ42、43の配置位置、ガイドローラの個数や位置や傾斜状態等、その他の点については第3の実施の形態の架線工事用金車3と同様であるので説明を省略する。
【0028】
●[第5の実施の形態の架線工事用金車5の構造(
図9)]
図9(A)及び(B)は、第5の実施の形態の架線工事用金車5の正面図(A)と側面時(B)を示している。
第5の実施の形態の架線工事用金車5は、
図7(A)及び(B)に示した第3の実施の形態の架線工事用金車3に対して、ガイドローラ51B、52Bの傾斜状態が異なる。以下、この相違点について主に説明する。
図9(A)の正面図に示すように、ガイドローラ51Bは、第1フレーム部材21Yの左右の両端(電線挿通空間SKに挿通した電線の挿通方向における一方端の側と他方端の側)に設けられており、ガイドローラ51Bの回転軸であるガイドローラ回転軸Z5Bは鉛直方向である。なお
図9(A)では図示省略しているが、第2フレーム部材22Yの左右の両端にも鉛直方向であるガイドローラ回転軸回りに回転するガイドローラ52Bが設けられている。
このように、第1フレーム部材21Y(回動扉21BB)と第2フレーム部材22Yには、第2ホイール12の回転軸と第3ホイール13の回転軸とに直交する第2仮想直線L2に交差する(この場合、仮想直線L2に直交する)ガイドローラ回転軸Z5Bであって回動扉21BBが閉じた状態において回動扉21BBに略平行なガイドローラ回転軸Z5Bの回りに回転可能に支持されて電線挿通空間SKの側に突出したガイドローラが設けられている。
ガイドローラの傾斜状態が異なっているので、第5の実施の形態の架線工事用金車5の第1フレーム部材21Y、第2フレーム部材22Y、回動扉21BB等は、第3の実施の形態の架線工事用金車3の第1フレーム部材21X、第2フレーム部材22Y、回動扉21BAとは形状が少し異なっている。
なお、ロック機構21A、ヒンジ機構21H、の位置と構造や、スペーサ42、43の配置位置等、その他の点については第3の実施の形態の架線工事用金車3と同様であるので説明を省略する。
【0029】
●[第6の実施の形態の架線工事用金車6の構造(
図10)]
図10(A)及び(B)は、第6の実施の形態の架線工事用金車6の正面図(A)と側面時(B)を示している。
第6の実施の形態の架線工事用金車6は、
図9に示した第5の実施の形態の架線工事用金車5に対して、第1連結部材61と第2連結部材62が、ガイド部材70と第1可動連結部材71と第2可動連結部材72に変更されている点が異なる。以下、この相違点について主に説明する。
図10(A)及び(B)に示す第6の実施の形態の架線工事用金車6のガイド部材70、第1可動連結部材71、第2可動連結部材72は、
図3及び
図4に示した第2の実施の形態の架線工事用金車2のガイド部材70、第1可動連結部材71、第2可動連結部材72と同様である。
従って、
図10(B)に示すように、上方屈曲部70Aと下方屈曲部70Bを通る第1仮想直線L1が鉛直方向に沿っている(鉛直方向に平行)とともに架線工事用金車6の重心Gを通るように、上方屈曲部70Aと下方屈曲部70Bの位置が設定されている。
なお、ロック機構21A、ヒンジ機構21H、の位置と構造や、スペーサ42、43の配置位置、ガイドローラの個数や位置や傾斜状態等、その他の点については第5の実施の形態の架線工事用金車5と同様であるので説明を省略する。
【0030】
本発明の架線工事用金車1〜6は、本実施の形態で説明した構造、形状、外観等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。