(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ベース給気流路、ベース排気流路、及びベース出力流路が形成された略直方体をなすマニホールドベースと、前記マニホールドベースの上面に互いに隣接して取り付けられ、前記ベース給気流路、前記ベース排気流路、及び前記ベース出力流路が各々連通する2以上の電磁弁とを備えるマニホールドにおいて、
前記ベース給気流路は、前記マニホールドベースの一側面側に長手方向に貫通して形成されるベース給気共通流路に連通していること、
前記ベース出力流路は、前記マニホールドベースの他の側面に形成され、
前記ベース排気流路は、前記マニホールドベースの前記他の側面に形成されたベース溝と連通していること、
前記ベース排気流路には、メッシュフィルタが設けられていること、
を特徴をするマニホールド。
【背景技術】
【0002】
従来のマニホールドとして、
図6に示すマニホールド101が実施されている。このようなマニホールド101は、例えば、工場で基板等にマウントするための電子部品を搬送するために用いられる。マニホールド101は、搬送ロボットのロボットハンド内のヘッドに搭載され、使用される。
【0003】
マニホールド101は、2以上の電磁弁3と、略直方体のマニホールドベース102を備える。
図6に示すように、マニホールドベース102には、電磁弁3の弁給気流路13に対応してベース給気流路103が形成されている。電磁弁3の弁出力流路14に対応してベース出力流路104が形成されている。電磁弁3の弁排気流路15に対応してベース排気流路105が形成されている。
【0004】
ベース給気流路103は、ベース給気共通流路106に連通している。ベース給気共通流路106は、マニホールドベース102の一側面側に長手方向(図中紙面の手前側から裏方向に)に貫通して形成されている。ベース給気共通流路106は、真空源(不図示)に接続される。ベース排気流路105は、ベース排気共通流路107に連通している。ベース排気共通流路107は、マニホールドベース102の他の側面側に長手方向に貫通して形成されている。ベース排気共通流路107は、大気に開放されている。ベース出力流路104は、ベース給気共通流路106を避けるようにしてL字状に形成されている。ベース出力流路104は、吸着パッド(不図示)に接続される。
【0005】
工場で基板等にマウントするための電子部品を搬送する際のマニホールド101の作用を説明する。
ベース給気共通流路106に接続された真空源により、ベース給気流路103及びベース出力流路104を介して空気が吸引される。このとき、電子部品は、負圧力によって吸着パッドに吸着される。吸着パッドに吸着された電子部品は、搬送ロボットによって所定の位置まで搬送される。所定の位置まで搬送されると、大気が、ベース排気流路105及びベース出力流路104を介して吸入され、吸着パッドへの負圧が開放される。これにより、吸着パッドから電子部品が離脱される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のマニホールド101には、次のような問題があった。
すなわち、搬送ロボットを高速化させるため、ロボットハンド内のヘッドの重量を軽減し、小型化する強い要請があった。この高速化・小型化の要請により、電磁弁3の幅は約10mm程度となっている。しかし、マニホールドベース102内では、ベース給気共通流路106とベース排気共通流路107が、マニホールドベース102内で長手方向に並列して設けられている。そのため、ベース出力流路104は、ベース給気共通流路106とベース排気共通流路107を避けて設けなければならず、マニホールド101は、水平方向及び垂直方向に大きくなっていた。その結果、ロボットハンド内のヘッドの重量は重く、搬送ロボットを高速化させることは困難であった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためのものであり、小型化・軽量化されたマニホールドベースを備えたマニホールドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のマニホールドは、次のような構成を有している。
(1)ベース給気流路、ベース排気流路、及びベース出力流路が形成された略直方体をなすマニホールドベースと、前記マニホールドベースの上面に互いに隣接して取り付けられ、前記ベース給気流路、前記ベース排気流路、及び前記ベース出力流路が各々連通する2以上の電磁弁とを備えるマニホールドにおいて、前記ベース給気流路は、前記マニホールドベースの一側面側に長手方向に貫通して形成されるベース給気共通流路に連通していること、前記ベース出力流路は、前記マニホールドベースの他の側面に形成され、前記ベース排気流路は、前記マニホールドベースの前記他の側面に形成されたベース溝と連通していること、
前記ベース排気流路には、メッシュフィルタが設けられていること、を特徴とする。
【0011】
(
2)
ベース給気流路、ベース排気流路、及びベース出力流路が形成された略直方体をなすマニホールドベースと、前記マニホールドベースの上面に互いに隣接して取り付けられ、前記ベース給気流路、前記ベース排気流路、及び前記ベース出力流路が各々連通する2以上の電磁弁とを備えるマニホールドにおいて、前記ベース給気流路は、前記マニホールドベースの一側面側に長手方向に貫通して形成されるベース給気共通流路に連通していること、前記ベース出力流路は、前記マニホールドベースの他の側面に形成され、前記ベース排気流路は、前記マニホールドベースの前記他の側面に形成されたベース溝と連通していること、前記ベース溝の下面には、さらに排気溝が形成されていること、前記ベース溝には、多孔質フィルタが設けられていること、前記排気溝には、前記多孔質フィルタを保持するためのフィルタ保持凸部が形成されていること、を特徴とする。
【0012】
(
3)(
2)に記載のマニホールドにおいて、前記マニホールドベースは、押出成形により成形されること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
(1)ベース給気流路、ベース排気流路、及びベース出力流路が形成された略直方体をなすマニホールドベースと、前記マニホールドベースの上面に互いに隣接して取り付けられ、前記ベース給気流路、前記ベース排気流路、及び前記ベース出力流路が各々連通する2以上の電磁弁とを備えるマニホールドにおいて、前記ベース給気流路は、前記マニホールドベースの一側面側に長手方向に貫通して形成されるベース給気共通流路に連通していること、前記ベース出力流路は、前記マニホールドベースの他の側面に形成され、前記ベース排気流路は、前記マニホールドベースの前記他の側面に形成されたベース溝と連通していること、を特徴とするので、ベース排気流路は、他の側面に形成されたベース溝を介して大気が吸入され、ベース排気共通流路をなくすことができるため、ベース溝と同じ他の側面に、ベース出力流路を形成させることができる。これにより、マニホールドベースの小型化・軽量化を実現することができる。
また、前記ベース排気流路には、メッシュフィルタが設けられていること、を特徴とするので、ベース排気流路にメッシュフィルタがあることにより、大気が吸入されるとき、大気中のパーティクルが電磁弁の流路に混入しないため、弁のシール性を損なう恐れがない。
【0015】
(
2)
ベース給気流路、ベース排気流路、及びベース出力流路が形成された略直方体をなすマニホールドベースと、前記マニホールドベースの上面に互いに隣接して取り付けられ、前記ベース給気流路、前記ベース排気流路、及び前記ベース出力流路が各々連通する2以上の電磁弁とを備えるマニホールドにおいて、前記ベース給気流路は、前記マニホールドベースの一側面側に長手方向に貫通して形成されるベース給気共通流路に連通していること、前記ベース出力流路は、前記マニホールドベースの他の側面に形成され、前記ベース排気流路は、前記マニホールドベースの前記他の側面に形成されたベース溝と連通していること、を特徴とするので、ベース排気流路は、他の側面に形成されたベース溝を介して大気が吸入され、ベース排気共通流路をなくすことができるため、ベース溝と同じ他の側面に、ベース出力流路を形成させることができる。これにより、マニホールドベースの小型化・軽量化を実現することができる。また、前記ベース溝には、多孔質フィルタが設けられていること、前記ベース溝の下面には、排気溝が形成されていること、前記排気溝には、前記多孔質フィルタを保持するためのフィルタ保持凸部が形成されていること、を特徴とするので、ベース溝の下面に排気溝が形成されているため、大気を吸入するための流路を確保でき、多孔質フィルタによる抵抗を低減することができる。これにより、応答性を向上させることができる。また、ベース溝に多孔質フィルタが設けられ、排気溝にフィルタ保持凸部が形成されていることにより、大気が吸入されるとき、多孔質フィルタを保持しつつ、大気中のパーティクルが電磁弁の流路に混入しないため、弁のシール性を損なう恐れがない。
【0016】
(
3)(
2)に記載のマニホールドにおいて、前記マニホールドベースは、押出成形により成形されること、を特徴とするので、後加工を減らすことにより、安価に製品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
第1実施形態のマニホールド1について、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
図2は、マニホールド1を平面から見た図である。
図1は、第1実施形態に係るマニホールド1の、
図2に示すX−X断面図である。
図3は、マニホールドベース4単体を平面から見た図である。
【0019】
(電磁弁の構成)
図2に示すように、マニホールド1は、2以上の電磁弁3と、マニホールドベース4で構成される。まず、電磁弁3の構成を説明する。
図1に示すように、電磁弁3は、空気の流路を切り換えるための弁体12を有する弁部10と、弁体12を駆動させるためのソレノイド部30で構成される。
【0020】
弁部10は、略直方体の弁ボディ11を備えている。弁ボディ11には、長手方向(図中紙面の左側から右方向に)に貫通して貫通孔11aが形成されている。弁ボディ11の下面には、図中右から順に弁給気流路13、弁出力流路14、弁排気流路15の一端が開口されている。各流路13〜15の他端は、貫通孔11aと連通して開口されている。また、弁ボディ11の上面には、肉盗みのための複数の凹部11bが形成されている。
【0021】
貫通孔11aの一端には、中空円筒状のリテーナ16が取り付けられている。リテーナ16の一端面には、止栓21が取り付けられている。止栓21は、円柱状であり、外径寸法がリテーナ16の内径寸法よりやや小さな径にされている。止栓21には、Oリング25を装着するため、外周面に沿って凹部が環状に設けられている。止栓21の外部に面していない側には、凹部が形成され、消音部材24が設置されている。リテーナ16の他の端面には、給気弁座16bが形成されている。また、リテーナ16には、弁給気流路13と貫通孔11aとが連通した開口部に連通孔16aが形成されている。弁給気流路13とリテーナ16の内部は、連通孔16aを介して連通している。リテーナ16の給気弁座16bと貫通孔11aの間には、Oリング18を装着するため、外周面に沿って凹部が環状に設けられている。
【0022】
リテーナ16の内壁にはシリンダ16cが構成されており、ピストン20がシリンダ16c内を摺動可能に保持されている。ピストン20は、ピストン部20aにピストンロッド20bを一体的に成形したものである。ピストン部20aは、円柱状であり、外径寸法がシリンダ16cの内径寸法よりやや小さな径にされている。ピストン部20aには、Oリング26を装着するため、外周面に沿って凹部が環状に設けられている。ピストン部20aと止栓21との間には圧縮バネ23が介在されている。ピストンロッド20bは、弁体12を備えた円筒状のロッド22の一端と連結している。弁体12は、ゴム製のリング部材であって、ロッド22の中央外周に形成された弁体保持部22aに嵌合されている。
【0023】
弁ボディ11には、弁出力流路14と弁排気流路15との間の弁出力流路14側の端面に排気弁座11cが形成されている。排気弁座11cは、給気弁座16bに対向するように形成されている。給気弁座16bと排気弁座11cとの間であって、弁出力流路14上に位置する空間に弁室19が形成されている。弁室19内には、弁体12が収容される。弁体12は、給気弁座16b及び排気弁座11cのそれぞれに対して当接又は離間する。弁体12は、圧縮バネ23の付勢力によって給気弁座16bから離間する方向へ付勢されている。
【0024】
図1は、コイル32に通電されている状態を示す。可動鉄心36は、固定鉄心38に当接している。このとき、弁体12は、圧縮バネ23の付勢力によって給気弁座16bから離間し、排気弁座11cに当接する。これにより、弁給気流路13と弁出力流路14は連通孔16a、リテーナ16内及び弁室19を介して連通し、弁出力流路14と弁排気流路15は遮断される。
【0025】
一方、図示しないが、コイル32への通電が停止されると、弁体12は、圧縮バネ23の付勢力に抗して給気弁座16bに当接し、排気弁座11cから離間する。これにより、弁給気流路13と弁出力流路14は遮断され、弁出力流路14と弁排気流路15は、弁室19及び貫通孔11aを介して連通する。
【0026】
ソレノイド部30が配置されている弁ボディ11の面には、環状の装着溝11dが形成されている。装着溝11dには、位置調整手段としての弾性体からなるOリング17が装着されている。装着溝11dの深さは、Oリング17の厚みよりも小さくなるように設定され、Oリング17は、弁ボディ11の装着溝11dの高さよりも僅かに突出して装着溝11dに装着されている。
【0027】
ソレノイド部30は、
図1に示すように、ボンネット31を備えている。ボンネット31の内側には、円筒状のボビン33に導線を複数券回したコイル32が配設されている。磁気コア34の内部であって、弁ボディ11が位置する側には、磁気回路を形成する磁気回路形成部材として機能するガイドリング35が設けられている。ガイドリング35及びボビン33内には、略円柱状の可動鉄心36が摺動可能に保持されている。可動鉄心36の一端は、貫通孔11aに入り込むように設置され、その端面はロッド22の端面に当接している。また、可動鉄心36の一端には、外方に突出する鍔部36aが形成されている。ガイドリング35と鍔部36aとの間には、圧縮バネ37が介在されている。可動鉄心36は、圧縮バネ37の付勢力によりロッド22を押圧する方向へ付勢されている。
【0028】
ボビン33内には円柱状の固定鉄心38が設けられている。固定鉄心38の一端面は磁極面となっており、この磁極面が可動鉄心36の他端面と対向するように同軸上に配設されている。固定鉄心38の外径は、ボビン33の内径とほぼ同じ径になっている。ボビン33の一端には一対のコイル端子39が嵌挿されている。コイル端子39の一端はコイル32と電気的に接続されるとともに、コイル端子39の他端はソレノイド部30の上部に取り付けられる端子台40の接続端子41と電気的に接続されている。
【0029】
(マニホールドベースの構成)
次に、マニホールドベース4の説明をする。
マニホールドベース4は、略直方体のベースボディ51を備える。ベースボディ51の上面には、
図3に示すように、1つの電磁弁3に対し、ベース給気流路52、ベース出力流路54、ベース排気流路55の開口部が各々形成されている。
図1に示すように、ベースボディ51の一側面51a側には、長手方向(図中紙面の手前側から裏方向に)に貫通してベース給気共通流路53が形成されている。ベース給気流路52の一端は、ベース給気共通流路53に連通している。ベース給気流路52の他端は、電磁弁3の弁給気流路13に連通している。ベース給気流路52は、ベース給気共通流路53を介して真空源(不図示)に接続され、空気が吸引される。
【0030】
ベース出力流路54は、ベースボディ51にL字形状に形成されている。ベース出力流路54には、パーティクルを取り除くためのメッシュフィルタ56が備えられている。ベース出力流路54の一端には、ベースボディ51の他の側面51bに開口部が形成されている。ベース出力流路54の他端は、弁出力流路14に連通している。ベース出力流路54は、電子部品を吸着するための吸着パッド(不図示)に接続される。
【0031】
ベース排気流路55の一端は、矩形のベース溝58と連通している。ベース溝58は、ベースボディ51の他の側面51bに形成されている。ベース排気流路55の他端は、電磁弁3の弁排気流路15に連通している。ベース排気流路55には、パーティクルを取り除くためのメッシュフィルタ57が設置されている。メッシュフィルタ57は、帽子のような形状をしており、鍔部57aを有する。鍔部57aは、ベース排気流路55の径より僅かに大きく形成されている。メッシュフィルタ57をベース排気流路55に組み込むとき、鍔部57aを小さくし、ベース排気流路55でもとの形に戻すことにより、そのテンションを利用してベース排気流路55内に固定されている。
【0032】
(マニホールドの作用効果)
図1に示すように、コイル32に通電されると、可動鉄心36が図中左方向に移動して固定鉄心38に当接し、圧縮バネ23の付勢力によって弁体12は、給気弁座16bから離間する。このとき、ロッド22が可動鉄心36に当接する。この状態では、弁体12は、排気弁座11cに当接する。
これにより、弁給気流路13と弁出力流路14は、連通孔16a、リテーナ16内及び弁室19を介して連通し、弁出力流路14と弁排気流路15は遮断される。ベース給気共通流路53に接続された真空源により、ベース給気流路52及びベース出力流路54を介して空気が吸引される。電子部品は、その負圧力によって吸着パッドに吸着される。吸着パッドに吸着された電子部品は、搬送ロボットによって所定の位置まで搬送される。
【0033】
所定の位置まで搬送され、コイル32への通電が停止されると、可動鉄心36は、圧縮バネ37の付勢力により、図中右方向に移動し、ロッド22に当接する(不図示)。弁体12は、圧縮バネ23の付勢力に抗して給気弁座16bに当接し、排気弁座11cから離間する。これにより、弁給気流路13と弁出力流路14が遮断され、弁出力流路14と弁排気流路15が、弁室19及び貫通孔11aを介して連通する。大気が、ベース排気流路55及びベース出力流路54を介して吸入され、吸着パッドへの負圧が開放される。これにより、吸着パッドから電子部品が離脱される。
【0034】
ここで、従来のマニホールド101は、
図6に示すようにベース排気共通流路107を有している。しかし、第1実施形態に係るマニホールド1は、ベース排気共通流路107を用いなくても、他の側面51bにベース溝58を形成し、ベース排気流路55と連通することで、容易に大気を吸入することができる。これにより、マニホールドベース4の小型化・軽量化を実現し、さらに真空から大気圧への切り換えの応答時間が短く、応答性を高めることができる。
【0035】
また、大気に開放する際、メッシュフィルタ57が大気中のパーティクルを除去するため、電磁弁の流路にパーティクルが入り込むことなく、弁のシール性を保持することができる。なお、メッシュフィルタ57は、そのテンションによりベース排気流路55に保持されている。万が一、大気の吸入により、上方へ押し上げられたとしても、電磁弁3があるため外れることはない。また、下方へ落下したとしても、矩形のベース溝58により、ベースボディ51から落下することはない。
【0036】
以上、説明したように、第1実施形態に係るマニホールド1によれば、
(1)ベース給気流路52、ベース排気流路55、及びベース出力流路54が形成された略直方体をなすマニホールドベース4と、マニホールドベース4の上面に互いに隣接して取り付けられ、ベース給気流路52、ベース排気流路55、及びベース出力流路54が各々連通する2以上の電磁弁3とを備えるマニホールド1において、ベース給気流路52は、マニホールドベース4の一側面51a側に長手方向に貫通して形成されるベース給気共通流路53に連通していること、ベース出力流路54は、マニホールドベース4の他の側面51bに形成され、ベース排気流路55は、マニホールドベース4の他の側面51bに形成されたベース溝58と連通していること、を特徴とするので、ベース排気流路55は、他の側面51bに形成されたベース溝58を介して大気が吸入され、ベース排気共通流路をなくすことができるため、ベース溝58と同じ他の側面51bに、ベース出力流路54を形成させることができる。これにより、マニホールドベース4の小型化・軽量化を実現することができる。
【0037】
(2)(1)に記載のマニホールド1において、ベース排気流路55には、メッシュフィルタ57が設けられていること、を特徴するので、ベース排気流路55にメッシュフィルタ57があることにより、大気が吸入されるとき、大気中のパーティクルが電磁弁3の流路に混入しないため、弁のシール性を損なう恐れがない。
【0038】
<第2実施形態>
第2実施形態のマニホールド2について、図面を参照しながら説明する。
図4は、第2実施形態に係るマニホールド2の
図1に対応する断面図である。
図5は、
図4のY部拡大図である。
図2及び
図3に示す第1実施形態に係るマニホールド1及びマニホールドベース4の平面図は、第2実施形態に係るマニホールド2及びマニホールドベース5の平面図と共通であるため、
図2及び
図3では、第2実施形態に係るマニホールド2及びマニホールドベース5を括弧書きで示している。なお、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を図面に付し、説明を割愛する。
第1実施形態に係るマニホールド1では、マニホールドベース4に対し、メッシュフィルタ57を用いて説明した。しかし、第2実施形態に係るマニホールド2では、
図4に示すように、マニホールドベース5に対し、メッシュフィルタ57ではなく、多孔質フィルタ59を用いて構成される。多孔質フィルタ59は、メッシュフィルタ57と比較して、細かいパーティクル等をろ過することができるため、よりクリーンな状態を欲する場合に適用できる。なお、多孔質フィルタ59は、大気に開放する際、空気抵抗が大きいため、十分な大気の流通が得られず、応答性が悪いという懸念がある。
【0039】
図4に示すように、マニホールド2は、電磁弁3と、マニホールドベース5で構成される。マニホールドベース5のベース溝58には、断面が長方形の形状を有する多孔質フィルタ59が長手方向に嵌め込まれ、設置されている。ベース溝58の下面には、大気の流路を確保するための排気溝58aが形成されている。排気溝58aには、多孔質フィルタ59を保持するためのフィルタ保持凸部58bが形成されている。
【0040】
ここで、多孔質フィルタ59を、ベース溝58に対し、長手方向ではなく、短手方向に嵌め込むことも考えられる。しかし、短手方向に嵌め込むと、マニホールドベースは大きくなってしまう。マニホールドベースが大きくなることを避けるため、第2実施形態に係るマニホールド2では、多孔質フィルタ59を長手方向に嵌め込んでいる。しかし、長手方向に嵌め込んだ場合、大気に開放する際、多孔質フィルタ59による空気抵抗により、十分な大気の流通が得られなかった。また、多孔質フィルタ59内の大気の流れは、
図5に示す矢印P1に限定されていた。
そこで、ベース溝58に大気の流路を確保するための排気溝58aを形成することにより、矢印P1だけでなく、矢印P2、P3の大気の流れを生じさせ、大容量の大気を吸入することができるようにした。これにより、短い時間で大容量の大気を吸入させることができ、応答性が向上する。
また、多孔質フィルタ59を設置・交換するなどのメンテナンスの際、電磁弁3を外すことなく交換することができる。そのため、作業の効率性を向上させることができる。
【0041】
以上、説明したように、第2実施形態に係るマニホールド2によれば、ベース溝58には、多孔質フィルタ59が設けられていること、ベース溝58の下面には、排気溝58aが形成されていること、排気溝58aには、多孔質フィルタ59を保持するためのフィルタ保持凸部58bが形成されていること、を特徴とするので、ベース溝58の下面に排気溝58aが形成されているため、大気を吸入するための流路を確保でき、多孔質フィルタ59による抵抗を低減することができる。これにより、応答性を向上させることができる。また、ベース溝58に多孔質フィルタ59が設けられ、排気溝58aにフィルタ保持凸部58bが形成されていることにより、大気が吸入されるとき、多孔質フィルタ59を保持しつつ、大気中のパーティクルが電磁弁3の流路に混入しないため、弁のシール性を損なう恐れがない。
【0042】
上記に記載のマニホールド2において、マニホールドベース5は、押出成形により成形されること、を特徴とするので、後加工を減らすことにより、安価に製品を提供することができる。
【0043】
なお、本実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な改良、変形が可能である。
例えば、本発明のマニホールドは、真空と大気開放の負圧用3ポート弁に用いられているが、正圧用としても用いることができる。この場合、大気の流れは逆になる。例えば、第2実施形態に係るマニホールド2では、大気の流れを示す
図5の矢印P1、P2、P3は、逆の方向を向くようになる。
また、第1実施形態に係るマニホールド1では、ベース出力流路55にメッシュフィルタ57を設けているが、パーティクルの懸念がなければ、メッシュフィルタ57を設けなくてもよい。同様に、第2実施形態に係るマニホールド2では、ベース溝58に多孔質フィルタ59を設けているが、パーティクルの懸念がなければ、多孔質フィルタ59を設けなくてもよい。多孔質フィルタ59のないベース溝58に、排気溝58aが形成された状態では、さらに高い応答性が得られる。
また、第1実施形態に係るマニホールド1では、メッシュフィルタ57を設けている場合、ベース溝58に排気溝58aは形成されていないが、排気溝58aを設けてもよい。