(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0014】
〔第1の実施の形態〕
(コネクタ)
第1の実施の形態におけるコネクタについて説明する。本実施のコネクタは、
図1に示されるように、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを嵌合することにより接続されるものである。尚、本実施の形態においては、コネクタとは、雄コネクタ10と雌コネクタ20とにより形成されるものを意味する場合と、雌コネクタ20等を意味する場合とがある。
【0015】
雄コネクタ10は、雄コネクタ本体部11、マイナスのプラグ端子12、プラスのプラグ端子13を有しており、マイナスのプラグ端子12及びプラスのプラグ端子13は、直流の電力を供給することにより作動する電子機器30等に接続されている。尚、雄コネクタ10においては、マイナスのプラグ端子12及びプラスのプラグ端子13は、略同じ長さとなるように形成されている。また、本実施の形態においては、マイナスのプラグ端子及びジャック端子とは、マイナス極のプラグ端子及びジャック端子を意味し、プラスのプラグ端子及びジャック端子とは、プラス極のプラグ端子及びジャック端子を意味するものとする。また、マイナス極を一方の極、プラス極を他方の極と記載する場合がある。
【0016】
雌コネクタ20は、マイナスのジャック端子22、第1のプラスのジャック端子23、第2のプラスのジャック端子24、抵抗25、コンデンサ26を有している。雌コネクタ20は、30V程度の直流を供給することのできる電源40に接続されている。尚、電源40は、30VDCを超え、400VDC程度が定格となる電源であってもよい。具体的には、電源40の負極にはマイナスのジャック端子22が接続されており、電源40の正極には第2のプラスのジャック端子24と、抵抗25及びコンデンサ26を介した第1のプラスのジャック端子23が接続されている。
【0017】
また、雄コネクタ10と嵌合させる状態では、雌コネクタ20において、マイナスのジャック端子22は、第1のプラスのジャック端子23よりも、雄コネクタ10に近い側に設けられている。また、第1のプラスのジャック端子23は、第2のプラスのジャック端子24よりも、雄コネクタ10に近い側に設けられている。即ち、第1のプラスのジャック端子23及び第2のプラスのジャック端子24は、プラスのプラグ端子13の延びる方向の延長線上に設けられており、第1のプラスのジャック端子23及び第2のプラスのジャック端子24は、プラスのプラグ端子13と接触するものであって、第2のプラスのジャック端子24は、第1のプラスのジャック端子23よりも奥に設けられている。
【0018】
上述したように、電源40の正極と第2のプラスのジャック端子24との間には、抵抗25及びコンデンサ26が設けられている。具体的には、電源40の正極は、コンデンサ26の一方の端子と接続されており、コンデンサ26の他方の端子は抵抗25の一方の端子と接続されており、抵抗25の他方の端子は第1のプラスのジャック端子23と接続されている。尚、本実施の形態においては、負極またはマイナスを一方の極と記載し、正極またはプラスを他方の極と記載する場合がある。
【0019】
(コネクタの接続方法及び接続解除方法)
次に、本実施の形態におけるコネクタの接続方法及び接続解除方法について説明する。
図2及び
図3に基づき本実施の形態におけるコネクタの接続方法を説明し、
図4及び
図5に基づき本実施の形態におけるコネクタの接続解除方法を説明する。
【0020】
本実施の形態におけるコネクタを接続する際には、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを近づけ、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを接触させ嵌合させることにより接続する。
【0021】
具体的には、
図2(a)に示されるように、雄コネクタ10と雌コネクタ20とが離れている状態から、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを近づけることにより、
図2(b)に示される状態となる。これにより、雄コネクタ10におけるマイナスのプラグ端子12と雌コネクタ20におけるマイナスのジャック端子22とが接触する。しかしながら、この状態においては、プラスの側では、プラスのプラグ端子13と第2のプラスのジャック端子24とは接触していないため、電源40からの電力が、雄コネクタ10及び雌コネクタ20を介し、電子機器30に供給されることはない。
【0022】
次に、更に、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを近づけることにより、
図3(a)に示されるように、雄コネクタ10におけるプラスのプラグ端子13と雌コネクタ20における第1のプラスのジャック端子23とが接触する。しかしながら、第1のプラスのジャック端子23と電源40の正極との間には、コンデンサ26が設けられているため絶縁されており、この状態においては、電源40からの電力が、雄コネクタ10及び雌コネクタ20を介し、電子機器30に供給されることはない。
【0023】
次に、更に、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを近づけることにより、
図3(b)に示されるように、雄コネクタ10におけるプラスのプラグ端子13と雌コネクタ20における第2のプラスのジャック端子24とが接触する。この状態においては、雄コネクタ10におけるマイナスのプラグ端子12と雌コネクタ20におけるマイナスのジャック端子22とが接触しており、第2のプラスのジャック端子24は、電源40の正極と接続されている。よって、雄コネクタ10におけるプラスのプラグ端子13と雌コネクタ20における第2のプラスのジャック端子24とが接触することにより、電源40から、雄コネクタ10及び雌コネクタ20を介し、電子機器30に電力が供給される。
【0024】
次に、本実施の形態におけるコネクタの接続解除方法を説明する。
【0025】
本実施の形態におけるコネクタの接続を解除する際には、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを離すことにより、即ち、雌コネクタ20から雄コネクタ10を引き抜くことにより接続を解除する。
【0026】
具体的には、
図3(b)に示されるように、電源40における電力が雄コネクタ10及び雌コネクタ20を介し、電子機器30に供給されている状態から、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを少し離すことにより、
図4(a)に示される状態となる。これにより、雄コネクタ10におけるプラスのプラグ端子13と雌コネクタ20における第2のプラスのジャック端子24とが離れ、第2のプラスのジャック端子24を介しては、電源40からの電力が供給されなくなる。
【0027】
しかしながら、この状態においては、雄コネクタ10におけるプラスのプラグ端子13と雌コネクタ20における第1のプラスのジャック端子23とは接触している。よって、コンデンサ26に蓄積されている電荷が、抵抗25を介し、雄コネクタ10におけるプラスのプラグ端子13に流れる。この際流れる電流は、コンデンサ26に蓄積された電荷が抵抗25により制限を受けつつ流れるため、電流制限されており、また、電流が流れることにより、プラスのプラグ端子13における電位は徐々に低下していく。よって、雄コネクタ10におけるプラスのプラグ端子13と雌コネクタ20における第2のプラスのジャック端子24との間においては、アーク放電は発生しない。
【0028】
この後、コンデンサ26に蓄積されている電荷がすべて流れてしまうと、電源40の正極と第1のプラスのジャック端子23との間に設けられたコンデンサ26により絶縁されるため、電源40からの電力が電子機器30に供給されることはない。
【0029】
次に、更に、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを離すことにより、
図4(b)に示される状態となり、雄コネクタ10におけるプラスのプラグ端子13と雌コネクタ20における第1のプラスのジャック端子23とが離れる。この状態においては、雄コネクタ10におけるマイナスのプラグ端子12と雌コネクタ20におけるマイナスのジャック端子22とが接触しているが、プラスの側では、プラスのプラグ端子13と第2のプラスのジャック端子24とは接触していない。このため、電源40からの電力が、雄コネクタ10及び雌コネクタ20を介し、電子機器30に供給されることはない。
【0030】
次に、更に、雄コネクタ10と雌コネクタ20とを離すことにより、
図5に示されるように、雄コネクタ10におけるマイナスのプラグ端子12と雌コネクタ20におけるマイナスのジャック端子22とが離れ、雌コネクタ20より雄コネクタ10が引き抜かれた状態となる。これにより、本実施の形態におけるコネクタの接続が解除される。
【0031】
〔第2の実施の形態〕
(コネクタ)
第2の実施の形態におけるコネクタについて説明する。本実施のコネクタは、
図6に示されるように、雄コネクタ110と雌コネクタ120とを嵌合することにより接続されるものである。尚、本実施の形態においては、コネクタとは、雄コネクタ110と雌コネクタ120とにより形成されるものを意味する場合と、雌コネクタ120を意味する場合とがある。
【0032】
雄コネクタ110は、雄コネクタ本体部11、マイナスのプラグ端子112、プラスのプラグ端子113を有しており、マイナスのプラグ端子112及びプラスのプラグ端子113は、直流の電力を供給することにより作動する電子機器30等に接続されている。雄コネクタ110においては、マイナスのプラグ端子112は、プラスのプラグ端子113よりも長くなるように形成されている。
【0033】
雌コネクタ120は、マイナスのジャック端子122、第1のプラスのジャック端子123、第2のプラスのジャック端子124、抵抗25、コンデンサ26を有している。雌コネクタ120は、30V程度の直流を供給することのできる電源40に接続されている。尚、電源40は、30VDCを超え、400VDC程度が定格となる電源であってもよい。具体的には、電源40の負極にはマイナスのジャック端子122が接続されており、電源40の正極には第2のプラスのジャック端子124と、抵抗25及びコンデンサ26を介した第1のプラスのジャック端子123が接続されている。
【0034】
また、雄コネクタ110と嵌合させる状態では、雌コネクタ120において、第1のプラスのジャック端子123は、第2のプラスのジャック端子124よりも、雄コネクタ110側に設けられている。即ち、第1のプラスのジャック端子123及び第2のプラスのジャック端子124は、プラスのプラグ端子113の延びる方向の延長線上に設けられており、第1のプラスのジャック端子123及び第2のプラスのジャック端子124は、プラスのプラグ端子113と接触するものであって、第2のプラスのジャック端子124は、第1のプラスのジャック端子123よりも奥に設けられている。
【0035】
上述したように、電源40の正極と第2のプラスのジャック端子124との間には、抵抗25及びコンデンサ26が設けられている。具体的には、電源40の正極は、コンデンサ26の一方の端子と接続されており、コンデンサ26の他方の端子は抵抗25の一方の端子と接続されており、抵抗25の他方の端子は第1のプラスのジャック端子123と接続されている。
【0036】
(コネクタの接続方法及び接続解除方法)
次に、本実施の形態におけるコネクタの接続方法及び接続解除方法について説明する。
図7及び
図8に基づき本実施の形態におけるコネクタの接続方法を説明し、
図9及び
図10に基づき本実施の形態におけるコネクタの接続解除方法を説明する。
【0037】
本実施の形態におけるコネクタを接続する際には、雄コネクタ110と雌コネクタ120とを近づけ、雄コネクタ110と雌コネクタ120とを接触させ嵌合させることにより接続する。
【0038】
具体的には、
図7(a)に示されるように、雄コネクタ110と雌コネクタ120とが離れている状態から、雄コネクタ110と雌コネクタ120とを近づけることにより、
図7(b)に示される状態となる。これにより、雄コネクタ110におけるマイナスのプラグ端子112と雌コネクタ120におけるマイナスのジャック端子122とが接触する。しかしながら、この状態においては、プラスの側では、プラスのプラグ端子113と第2のプラスのジャック端子124とは接触していないため、電源40からの電力が、雄コネクタ110及び雌コネクタ120を介し、電子機器30に供給されることはない。
【0039】
次に、更に、雄コネクタ110と雌コネクタ120とを近づけることにより、
図8(a)に示されるように、雄コネクタ110におけるプラスのプラグ端子113と雌コネクタ120における第1のプラスのジャック端子123とが接触する。しかしながら、第1のプラスのジャック端子123と電源40の正極との間には、コンデンサ26が設けられているため絶縁されており、この状態では、電源40からの電力が、雄コネクタ110及び雌コネクタ120を介し、電子機器30に供給されることはない。
【0040】
次に、更に、雄コネクタ110と雌コネクタ120とを近づけることにより、
図8(b)に示されるように、雄コネクタ110におけるプラスのプラグ端子113と雌コネクタ120における第2のプラスのジャック端子124とが接触する。この状態においては、雄コネクタ110におけるマイナスのプラグ端子112と雌コネクタ120におけるマイナスのジャック端子122とが接触しており、第2のプラスのジャック端子124は、電源40の正極と接続されている。よって、雄コネクタ110におけるプラスのプラグ端子113と雌コネクタ120における第2のプラスのジャック端子124とが接触することにより、電源40から、雄コネクタ110及び雌コネクタ120を介し、電子機器30に電力が供給される。
【0041】
次に、本実施の形態におけるコネクタの接続解除方法を説明する。
【0042】
本実施の形態におけるコネクタの接続を解除する際には、雄コネクタ110と雌コネクタ120とを離すことにより、即ち、雌コネクタ120から雄コネクタ110を引き抜くことにより接続を解除する。
【0043】
具体的には、
図8(b)に示されるように、電源40における電力が雄コネクタ110及び雌コネクタ120を介し、電子機器30に供給されている状態から、雄コネクタ110と雌コネクタ120とを少し離すことにより、
図9(a)に示される状態となる。これにより、雄コネクタ110におけるプラスのプラグ端子113と雌コネクタ120における第2のプラスのジャック端子124とが離れ、第2のプラスのジャック端子124を介しては、電源40からの電力が供給されなくなる。
【0044】
しかしながら、この状態においては、雄コネクタ110におけるプラスのプラグ端子113と雌コネクタ120における第1のプラスのジャック端子123とは接触しているため、コンデンサ26に蓄積されている電荷が抵抗25を介し、雄コネクタ110におけるプラスのプラグ端子113に流れる。この際流れる電流は、コンデンサ26に蓄積された電荷が抵抗25により制限を受けつつ流れるため、電流制限されており、また、電流が流れることにより、プラスのプラグ端子113における電位は徐々に低下していく。よって、雄コネクタ110におけるプラスのプラグ端子113と雌コネクタ120における第2のプラスのジャック端子124との間においては、アーク放電は発生しない。
【0045】
この後、コンデンサ26に蓄積されている電荷がすべて流れてしまうと、電源40の正極と第1のプラスのジャック端子123との間に設けられたコンデンサ26により絶縁されているため、電源40からの電力が電子機器30に供給されることはない。
【0046】
次に、更に、雄コネクタ110と雌コネクタ120とを離すことにより、
図9(b)に示される状態となり、雄コネクタ110におけるプラスのプラグ端子113と雌コネクタ120における第1のプラスのジャック端子123とが離れる。この状態においては、雄コネクタ110におけるマイナスのプラグ端子112と雌コネクタ120におけるマイナスのジャック端子122とが接触しているが、プラスの側では、プラスのプラグ端子113と第2のプラスのジャック端子124とは接触していない。よって、電源40からの電力が、雄コネクタ110及び雌コネクタ120を介し、電子機器30に供給されることはない。
【0047】
次に、更に、雄コネクタ110と雌コネクタ120とを離すことにより、
図10に示されるように、雄コネクタ110におけるマイナスのプラグ端子112と雌コネクタ120におけるマイナスのジャック端子122とが離れ、雌コネクタ120より雄コネクタ110が引き抜かれた状態となる。これにより、本実施の形態におけるコネクタの接続が解除される。
【0048】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0049】
(コネクタの構造)
次に、本実施の形態におけるコネクタではないが、一般的なコネクタ200の構造及び外観等について
図11〜
図17に基づき説明する。このコネクタ200は、GND端子221、マイナスのジャック端子222、プラスのジャック端子223を有しており、プリント基板230に設置されている。プリント基板230に設置されているGND端子221、マイナスのジャック端子222、プラスのジャック端子223はカバー部210に覆われており、カバー部210には、GND端子221に対応する開口部211、マイナスのジャック端子222に対応する開口部212、プラスのジャック端子223に対応する開口部213が設けられている。カバー部210内には、プリント基板230に設置されているGND端子221、マイナスのジャック端子222、プラスのジャック端子223の各々を囲む内部絶縁部231が設けられている。
【0050】
尚、
図11は、コネクタ200の外観の斜視図であり、
図12は、カバー部210を取り除いた状態の斜視図であり、
図13は、内部絶縁部231を取り除いた状態の斜視図である。また、
図14は、コネクタ200の側面図であり、
図15は、上面図であり、
図16は、
図15における一点鎖線15A−15Bにおいて切断した断面図であり、
図17は、内部絶縁部231を取り除いた状態の側面図である。
【0051】
本実施の形態におけるコネクタにおいては、プラスのジャック端子223を第1のプラスのジャック端子とした場合、このプラスのジャック端子223よりもプリント基板230側に、不図示の第2のプラスのジャック端子が設けられ、更に、プリント基板230には、第1のプラスのジャック端子に接続される不図示の抵抗及びコンデンサが設置される。
【0052】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。