特許第6096368号(P6096368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社バリュープレスの特許一覧

特許6096368商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法
<>
  • 特許6096368-商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法 図000002
  • 特許6096368-商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法 図000003
  • 特許6096368-商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法 図000004
  • 特許6096368-商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法 図000005
  • 特許6096368-商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法 図000006
  • 特許6096368-商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法 図000007
  • 特許6096368-商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法 図000008
  • 特許6096368-商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法 図000009
  • 特許6096368-商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6096368
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20170306BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-219608(P2016-219608)
(22)【出願日】2016年11月10日
【審査請求日】2016年11月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506246232
【氏名又は名称】株式会社バリュープレス
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】大木 佑輔
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−113421(JP,A)
【文献】 特開2007−219880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公開前の商品情報を評価する商品情報評価装置であって、
第1ユーザ属性の対象となる複数の第1ユーザに基づく複数の第1ユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、
め取得された参照用文字列データベース及び評価文字列データベースから、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問に対応する第1参照用文字列、及び前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの回答に対応する第1評価文字列を選択し、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問及び回答に基づいて、前記第1参照用文字列と前記第1評価文字列との第1関連性を分析し、前記第1ユーザ属性の対象となる前記複数の第1ユーザの特徴を集約した第1仮想ユーザ情報を取得する分析部と、
前記第1仮想ユーザ情報を参照して、前記第1評価文字列と、商品情報の文字列に対応する前記第1参照用文字列との第1商品関連性を取得する商品関連性取得部と、
前記第1商品関連性に基づいて、評価情報を取得する評価情報取得部と、
を備えることを特徴とする商品情報評価装置。
【請求項2】
前記分析部は、前記複数の第1ユーザ情報のそれぞれに基づいて、機械学習により前記第1仮想ユーザ情報を取得すること
を特徴とする請求項1記載の商品情報評価装置。
【請求項3】
前記商品関連性取得部は、前記第1仮想ユーザ情報を参照して、前記第1評価文字列と、サンプル商品情報の文字列に対応する前記第1参照用文字列とのサンプル商品関連性を取得し、
前記評価情報取得部は、前記サンプル商品関連性に基づいて、サンプル評価情報を取得し、
前記ユーザ情報取得部は、前記第1ユーザ属性の対象となる第1評価者が、前記サンプル商品情報を評価した第1評価者情報を取得し、
前記分析部は、前記第1評価者情報と、前記サンプル評価情報との比較に基づいて、前記第1仮想ユーザ情報を更新すること
を特徴とする請求項1又は2記載の商品情報評価装置。
【請求項4】
前記ユーザ情報取得部は、前記第1ユーザ属性とは異なる第2ユーザ属性の対象となる複数の第2ユーザに基づく複数の第2ユーザ情報を取得し、
前記分析部は、前記参照用文字列データベース及び前記評価文字列データベースから、前記複数の第2ユーザ情報の有するアンケートの質問に対応する第2参照用文字列、及び前記複数の第2ユーザ情報の有するアンケートの回答に対応する第2評価文字列を選択し、前記複数の第2ユーザ情報の有するアンケートの質問及び回答に基づいて、前記第2参照用文字列と前記第2評価文字列との第2関連性を分析し、前記第2ユーザ属性の対象となる前記複数の第2ユーザの特徴を集約した第2仮想ユーザ情報を取得し、
前記商品関連性取得部は、前記第2仮想ユーザ情報を参照して、前記第2評価文字列と、前記商品情報の文字列に対応する前記第2参照用文字列との第2商品関連性を取得し、
前記評価情報取得部は、前記第1商品関連性及び前記第2商品関連性に基づいて、前記評価情報を取得すること
を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の商品情報評価装置。
【請求項5】
公開前の商品情報を評価する商品情報評価システムであって、
第1ユーザ属性の対象となる複数の第1ユーザに基づく複数の第1ユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、
め取得された参照用文字列データベース及び評価文字列データベースから、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問に対応する第1参照用文字列、及び前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの回答に対応する第1評価文字列を選択し、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問及び回答に基づいて、前記第1参照用文字列と前記第1評価文字列との第1関連性を分析し、前記第1ユーザ属性の対象となる前記複数の第1ユーザの特徴を集約した第1仮想ユーザ情報を取得する分析手段と、
前記第1仮想ユーザ情報を参照して、前記第1評価文字列と、商品情報の文字列に対応する前記第1参照用文字列との第1商品関連性を取得する商品関連性取得手段と、
前記第1商品関連性に基づいて、評価情報を取得する評価情報取得手段と、
前記評価情報を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする商品情報評価システム。
【請求項6】
公開前の商品情報を評価する商品情報評価方法であって、
第1ユーザ属性の対象となる複数の第1ユーザに基づく複数の第1ユーザ情報を取得するユーザ情報取得ステップと、
め取得された参照用文字列データベース及び評価文字列データベースから、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問に対応する第1参照用文字列、及び前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの回答に対応する第1評価文字列を選択し、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問及び回答に基づいて、前記第1参照用文字列と前記第1評価文字列との第1関連性を分析し、前記第1ユーザ属性の対象となる前記複数の第1ユーザの特性を集約した第1仮想ユーザ情報を取得する分析ステップと、
前記第1仮想ユーザ情報を参照して、前記第1評価文字列と、商品情報の文字列に対応する前記第1参照用文字列との第1商品関連性を取得する商品関連性取得ステップと、
前記第1商品関連性に基づいて、評価情報を取得する評価情報取得ステップと、
前記評価情報を報知する報知ステップと、
を備えることを特徴とする商品情報評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公開前の商品情報を評価する商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新しい商品やサービスの売上に大きく影響する施策として、例えばユーザへのアンケート等を用いた意識調査や、広告等を含む商品やサービスに関する情報(以下、商品情報)における認知度や質の向上等が挙げられる。市場の動向や傾向をタイムリーに把握することを目的として、例えば特許文献1の配信情報サービスシステム等が開示されている。また、広告効果の評価を目的として、例えば特許文献2の情報処理装置等が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された情報配信サービスシステムは、Webサイトを訪問した多数のユーザにマーキングすることにより、そのユーザの同サイトにおける情報の参照傾向やアンケートへの回答傾向を収集し続け、マーキングしたそのユーザを意識モデルによる評価関数を基に仮想人格化し、その個々の仮想人格の示す意識傾向を市場意識として捕らえる手段を備える。
【0004】
特許文献2に開示された情報処理装置は、人間と人工物のインタラクションに関する情報処理装置であって、ユーザとの対話型なインタラクションを行う人工物から前記ユーザへ出力した広告と前記広告の対象物とを対応付けて記憶する対象物記憶部と、前記ユーザとの前記インタラクションにおいて、前記対象物記憶部に記憶されている前記広告又は前記対象物の登場に基づいて前記広告の広告効果を評価する評価部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−85081号公報
【特許文献2】特開2016−177443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
他方、商品情報に対する意識や評価は、ユーザの年代や性別等(ユーザ属性)毎に異なる場合が多い。この場合、意識調査として、例えば任意に分類されたユーザ属性毎に、有意水準を超える程度のユーザ数を対象とした意識調査を実施する必要がある。このため、1つの商品情報に対するユーザの評価を得る場合、膨大な時間や人件費を消費するという事情がある。
【0007】
この点、特許文献1及び特許文献2では、ユーザ属性毎に複数のユーザ数を対象とした商品情報の評価に関する開示はされておらず、上述した事情が含まれる。
【0008】
また、商品情報は、公開前に評価し、評価結果を踏まえて商品情報の質を向上させた後、公開することが望ましい。しかしながら、公開前に複数のユーザに意識調査を実施する場合、ユーザを通じて公開前の商品情報の流出を引き起こす可能性がある。このため、商品情報の流出に伴うユーザの意識低下を引き起こし、商品やサービスの売上低下に結びつく可能性がある。
【0009】
この点、特許文献1では、個々の仮想人格の示す意識傾向を市場意識として捕らえられるに過ぎず、特定の商品情報に対する評価を得ることができない。このため、上述した問題を解決することができない。
【0010】
また、特許文献2では、人工物を介して広告をユーザへ出力する。このため、公開前の商品情報に対する評価を得ることができない。仮に、非公開で実施した場合においても、一般ユーザを対象としており、公開前の商品情報の流出を引き起こす可能性がある。このため、上述した問題を解決することができない。
【0011】
上述した事情により、商品情報を公開せずに商品情報の評価を実施し、商品情報の質の向上を可能にすることが望まれている。
【0012】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明に係る商品情報評価装置は、公開前の商品情報を評価する商品情報評価装置であって、第1ユーザ属性の対象となる複数の第1ユーザに基づく複数の第1ユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、め取得された参照用文字列データベース及び評価文字列データベースから、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問に対応する第1参照用文字列、及び前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの回答に対応する第1評価文字列を選択し、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問及び回答に基づいて、前記第1参照用文字列と前記第1評価文字列との第1関連性を分析し、前記第1ユーザ属性の対象となる前記複数の第1ユーザの特徴を集約した第1仮想ユーザ情報を取得する分析部と、前記第1仮想ユーザ情報を参照して、前記第1評価文字列と、商品情報の文字列に対応する前記第1参照用文字列との第1商品関連性を取得する商品関連性取得部と、前記第1商品関連性に基づいて、評価情報を取得する評価情報取得部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
第2発明に係る商品情報評価装置は、第1発明において、前記分析部は、前記複数の第1ユーザ情報のそれぞれに基づいて、機械学習により前記第1仮想ユーザ情報を取得することを特徴とする。
【0015】
第3発明に係る商品情報評価装置は、第1発明又は第2発明において、前記商品関連性取得部は、前記第1仮想ユーザ情報を参照して、前記第1評価文字列と、サンプル商品情報の文字列に対応する前記第1参照用文字列とのサンプル商品関連性を取得し、前記評価情報取得部は、前記サンプル商品関連性に基づいて、サンプル評価情報を取得し、前記ユーザ情報取得部は、前記第1ユーザ属性の対象となる第1評価者が、前記サンプル商品情報を評価した第1評価者情報を取得し、前記分析部は、前記第1評価者情報と、前記サンプル評価情報との比較に基づいて、前記第1仮想ユーザ情報を更新することを特徴とする。
【0016】
第4発明に係る商品情報評価装置は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記ユーザ情報取得部は、前記第1ユーザ属性とは異なる第2ユーザ属性の対象となる複数の第2ユーザに基づく複数の第2ユーザ情報を取得し、前記分析部は、前記参照用文字列データベース及び前記評価文字列データベースから、前記複数の第2ユーザ情報の有するアンケートの質問に対応する第2参照用文字列、及び前記複数の第2ユーザ情報の有するアンケートの回答に対応する第2評価文字列を選択し、前記複数の第2ユーザ情報の有するアンケートの質問及び回答に基づいて、前記第2参照用文字列と前記第2評価文字列との第2関連性を分析し、前記第2ユーザ属性の対象となる前記複数の第2ユーザの特徴を集約した第2仮想ユーザ情報を取得し、前記商品関連性取得部は、前記第2仮想ユーザ情報を参照して、前記第2評価文字列と、前記商品情報の文字列に対応する前記第2参照用文字列との第2商品関連性を取得し、前記評価情報取得部は、前記第1商品関連性及び前記第2商品関連性に基づいて、前記評価情報を取得することを特徴とする。
【0017】
第5発明に係る商品情報評価システムは、公開前の商品情報を評価する商品情報評価システムであって、第1ユーザ属性の対象となる複数の第1ユーザに基づく複数の第1ユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、め取得された参照用文字列データベース及び評価文字列データベースから、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問に対応する第1参照用文字列、及び前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの回答に対応する第1評価文字列を選択し、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問及び回答に基づいて、前記第1参照用文字列と前記第1評価文字列との第1関連性を分析し、前記第1ユーザ属性の対象となる前記複数の第1ユーザの特徴を集約した第1仮想ユーザ情報を取得する分析手段と、前記第1仮想ユーザ情報を参照して、前記第1評価文字列と、商品情報の文字列に対応する前記第1参照用文字列との第1商品関連性を取得する商品関連性取得手段と、前記第1商品関連性に基づいて、評価情報を取得する評価情報取得手段と、前記評価情報を報知する報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
第6発明に係る商品情報評価方法は、公開前の商品情報を評価する商品情報評価方法であって、第1ユーザ属性の対象となる複数の第1ユーザに基づく複数の第1ユーザ情報を取得するユーザ情報取得ステップと、め取得された参照用文字列データベース及び評価文字列データベースから、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問に対応する第1参照用文字列、及び前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの回答に対応する第1評価文字列を選択し、前記複数の第1ユーザ情報の有するアンケートの質問及び回答に基づいて、前記第1参照用文字列と前記第1評価文字列との第1関連性を分析し、前記第1ユーザ属性の対象となる前記複数の第1ユーザの特性を集約した第1仮想ユーザ情報を取得する分析ステップと、前記第1仮想ユーザ情報を参照して、前記第1評価文字列と、商品情報の文字列に対応する前記第1参照用文字列との第1商品関連性を取得する商品関連性取得ステップと、前記第1商品関連性に基づいて、評価情報を取得する評価情報取得ステップと、前記評価情報を報知する報知ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1発明〜第4発明によれば、仮想ユーザ情報を参照して、商品情報を評価した評価情報が取得される。このため、特定のユーザ属性の対象となる複数のユーザの特徴を反映した評価情報を取得することができる。これにより、公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる。また、特定のユーザ属性を対象とした評価情報を容易に取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【0020】
特に、第2発明によれば、仮想ユーザ情報は、機械学習により取得される。このため、ユーザ情報に含まれない文字列に対応する商品情報に関しても、精度の高い評価情報を取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【0021】
特に、第3発明によれば、分析部が、評価者情報とサンプル評価情報との比較に基づいて、仮想ユーザ情報を更新する。このため、仮想ユーザ情報の評価と、現実のユーザの評価との乖離度が小さくなり、評価情報の精度を向上させることができる。これにより、公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる。
【0022】
特に、第4発明によれば、互いに異なるユーザ属性の対象となる複数の仮想ユーザ情報を参照して、評価情報を取得する。このため、複数のユーザ属性を対象とした評価情報を容易に取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【0023】
第5発明によれば、仮想ユーザ情報を参照して商品情報が評価され、評価情報を報知する手段を備える。このため、特定のユーザ属性の対象となる複数のユーザの特徴を反映した評価情報に基づいて、商品情報の再検討ができる。これにより、公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる。また、特定のユーザ属性を対象とした評価情報を容易に取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【0024】
第6発明によれば、仮想ユーザ情報を参照して商品情報が評価され、評価情報を報知するステップを備える。このため、特定のユーザ属性の対象となる複数のユーザの特徴を反映した評価情報に基づいて、商品情報の再検討ができる。これにより、公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる。また、特定のユーザ属性を対象とした評価情報を容易に取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、第1実施形態における商品情報評価システムの全体構成を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態における商品情報評価装置により取得された評価情報の一例を示す模式図である。
図3図3(a)は、第1実施形態における商品情報評価装置の構成の一例を示す模式図であり、図3(b)は、第1実施形態における商品情報評価装置の機能の一例を示す模式図である。
図4図4は、第1実施形態におけるユーザ属性の対象となるユーザ情報を示す模式図である。
図5図5は、第1実施形態における評価文字列と参照用文字列との関連性の一例を示す模式図である。
図6図6は、第1実施形態における商品関連性及び評価情報の一例を示す模式図である。
図7図7は、第1実施形態における商品情報評価システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2実施形態における仮想ユーザ情報を更新する一例を示す模式図である。
図9図9は、第2実施形態における商品情報評価システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を適用した実施形態における商品情報評価システムの一例について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(第1実施形態:商品情報評価システム100の構成)
図1図6を参照して、第1実施形態における商品情報評価システム100構成の一例について説明する。図1は、本実施形態における商品情報評価システム100の全体構成を示すブロック図である。
【0028】
商品情報評価システム100は、商品情報評価装置1を備える。商品情報評価装置1は、例えば公衆通信網4を介して、サーバ2、クライアント端末3、及びユーザ端末5の少なくとも何れかと接続される。
【0029】
<商品情報評価装置1>
図2は、本実施形態における商品情報評価装置1により取得された評価情報の一例を示す模式図である。図2に示すように、商品情報評価装置1には、公開前の広告等を含む商品やサービスに関する情報(商品情報)が入力され、商品情報評価装置1は商品情報を取得する。商品情報評価装置1は、仮想ユーザ情報(仮想人格)を参照して、公開前における商品情報の評価情報を取得する。ここで、「商品情報」は、文章等の文字の他、画像及び映像も含む。また、「サービス」は、ウェブ上のサービスや、接客サービス等を含む。また、「公開前」とは、商品情報の発表前、公表前等を含み、商品情報における関係者以外のユーザに対して、商品情報を知る手段(例えば刊行物への記載、テレビ放送やウェブ上における開示)を実施する前の状態を示し、また、特定の企業等に対する商品情報の説明等を実施する前の状態を示す。
【0030】
商品情報評価装置1は、複数のユーザ情報に基づいて、仮想ユーザ情報を取得する。複数のユーザ情報は、特定のユーザ属性の対象となる複数のユーザから取得される。ここで、「ユーザ属性」とは、各ユーザを分類するパラメータを示し、例えば年齢、性別、居住地域、職業等を含む。このため、1つの仮想ユーザ情報は、共通のユーザ属性を含む複数のユーザの特徴を有する1つの仮想人格として表現すことができる。商品情報評価装置1は、仮想ユーザ情報を参照して、商品情報を評価した評価情報を取得する。
【0031】
商品情報評価装置1は、例えば、それぞれ異なるユーザ属性の対象となる複数の仮想ユーザ情報を取得し、各仮想ユーザ情報を参照して、商品情報の評価情報を取得する。図2の場合、第1仮想ユーザ情報は、ユーザ属性「40代男性、会社員」の対象となる100人のユーザから取得されたユーザ情報に基づく。第2仮想ユーザ情報は、ユーザ属性「20代男性、学生」の対象となる98人のユーザから取得されたユーザ情報に基づく。第3仮想ユーザ情報は、ユーザ属性「30代女性、主婦」の対象となる102人のユーザから取得されたユーザ情報に基づく。各仮想ユーザ情報を参照することで、上述した各ユーザ属性の対象となるユーザの特徴を反映した評価情報を取得できる。なお、図2に示された評価情報の形式は一例であり、評価情報の形式は任意である。
【0032】
図3(a)は、商品情報評価装置1の構成の一例を示す模式図である。商品情報評価装置1として、パーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器が用いられる。図3(a)に示すように、商品情報評価装置1は、筐体10と、CPU101と、ROM102と、RAM103と、記憶部104と、I/F105〜107とを備える。各構成101〜107は、内部バス110により接続される。
【0033】
CPU(Central Processing Unit)101は、商品情報評価装置1全体を制御する。ROM(Read Only Memory)102は、CPU101の動作コードを格納する。RAM(Random Access Memory)103は、CPU101の動作時に使用される作業領域である。記憶部104は、仮想ユーザ情報等の各種情報が記憶される。記憶部104として、例えばHDD(Hard Disk Drive)の他、SSD(solid state drive)等が用いられる。
【0034】
I/F105は、公衆通信網4を介してサーバ2等との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。I/F106は、入力部分108との情報の送受信を行うためのインターフェースである。入力部分108として、例えばキーボードが用いられ、商品情報評価システム100の管理者等は、入力部分108を介して、各種情報又は商品情報評価装置1の制御コマンド等を入力する。I/F107は、出力部分109との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。出力部分109は、記憶部104に保存された各種情報、又は商品情報評価装置1の処理状況等を出力する。出力部分109として、ディスプレイが用いられ、例えばタッチパネル式でもよい。
【0035】
図3(b)は、商品情報評価装置1の機能の一例を示す模式図である。商品情報評価装置1は、ユーザ情報取得部11と、分析部12と、商品関連性取得部13と、評価情報取得部14と、出力部15と、入力部16と、情報DB17とを備える。なお、図3(b)に示した機能は、CPU101が、RAM103を作業領域として、記憶部104等に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。また、各構成11〜17は、例えば人工知能により制御されてもよい。ここで、「人工知能」は、いかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
【0036】
<ユーザ情報取得部11>
ユーザ情報取得部11は、各ユーザ属性の対象となる複数のユーザに基づく複数のユーザ情報を取得する。例えば図4に示すように、n種類のユーザ属性(第1ユーザ属性、第2ユーザ属性、…、第nユーザ属性)に分類し、各ユーザ属性の対象となるm人のユーザに基づくユーザ情報を取得する場合、ユーザ情報取得部11が取得する総ユーザ情報数は、n×mで表される。なお、ユーザ情報数mは、例えば評価の有意性を判断する有意水準を超える数である。
【0037】
ユーザ情報は、アンケートの質問及び回答、並びに回答したユーザの対象となるユーザ属性を有する。アンケートの質問として、例えばユーザの嗜好に関する質問の他、広告、商品、サービス、又は特定の記事等に関する印象や関心度等の内容が用いられる。
【0038】
例えば、アンケートの質問として、「この商品(又はサービス)の紹介テキストを読んで(又は画像を見て)、この商品(又はサービス)への評価を10段階でお答えください。」、「この会社の紹介テキストを読んで、この会社への評価を10段階でお答えください。」、「この記事のテキストを読んで、この記事への評価を10段階でお答えください。」等の表現が用いられる。アンケートの回答形式として、例えば「好き」、「嫌い」等を選択する評価形式の他、10段階や5段階等の3段階以上の評価度形式が用いられてもよく、質問「好きな場所は?」に対する「東京」等の記述形式が用いられてもよい。
【0039】
ユーザ情報が文章等の文字を含む場合、ユーザ情報取得部11は、例えば、単語、形態素、句、節等、あらゆる文法上の構造単位の中から何れか1以上の単位に亘り、ユーザ情報から文字列の抽出を行う。ユーザ情報が画像を含む場合、ユーザ情報取得部11は、例えば、ユーザ情報として取得した画像の画素毎における輝度値等に基づき特徴量を抽出し、抽出された特徴量から画像を分類する。その後、後述する情報DB17に記憶された画像分類データベースを参照して、分類された画像に対応する文字列の抽出を行う。なお、ユーザ情報が映像を含む場合、ユーザ情報取得部11は、例えば映像を複数の画像として処理する。
【0040】
<分析部12>
分析部12は、各ユーザ属性の対象となる複数のユーザ情報に基づいて、評価文字列と参照用文字列との関連性を分析し、仮想ユーザ情報を取得する。ここで、「関連性」とは、図5に示すように、評価文字列と参照用文字列とが、どの程度関連しているかの度合いを示し、例えば10段階や5段階等の3段階以上の関連度(図5では百分率及び線の特徴で表示)で示される。すなわち、分析部12は、関連性を分析することで、各ユーザ属性に対応する複数のユーザ情報の特徴を集約し、1つの仮想ユーザ情報として取得することができる。
【0041】
評価文字列は、ユーザ情報の回答に対応する文字列を有する。評価文字列として、例えば「好き」、「嫌い」、「得意」、「苦手」、「喜び」、「悲しみ」、「面白い」、「つまらない」、「ほしい」、「いらない」等のユーザの回答から抽出された文字列が用いられる。評価文字列は、仮想ユーザ情報を参照して商品情報の評価情報を取得するとき、評価のパラメータとして用いられる。すなわち、評価文字列の種類が多くなるにつれて、評価情報のパラメータが多くなる。このため、評価文字列を多くすることで、商品情報に対して多角的に評価した結果を取得することができる。
【0042】
参照用文字列は、アンケートの質問に対応する文字列を有する。参照用文字列として、例えば「関東」、「関西」、「赤」、「青」、「PC」等のアンケートの質問から抽出された文字列が用いられる。参照用文字列は、仮想ユーザ情報を参照して商品情報の評価情報を取得するとき、評価対象として用いられる。すなわち、参照用文字列の種類が多くなるにつれて、評価情報の評価対象が多くなる。このため、参照用文字列を多くすることで、商品情報に対して詳細に評価した結果を取得することができる。
【0043】
分析部12は、例えば複数のユーザ情報に基づいて、機械学習により仮想ユーザ情報を取得する。このため、アンケートの質問内と一部一致又は完全一致の参照用文字列の他、類似(同一概念、類語等を含む)する参照用文字列を用いて、評価文字列との関連性を分析することができる。分析部12は、例えばアンケートの質問内における複数の文字列の組み合わせに対応する参照用文字列を用いて、評価文字列との関連性を分析してもよい。複数の文字列間の組み合わせとして、例えば、名詞−動詞、名詞−形容詞、形容詞−動詞、名詞−名詞の何れかの組み合わせが用いられる。
【0044】
<商品関連性取得部13>
商品関連性取得部13は、仮想ユーザ情報を参照して、評価文字列と、商品情報の文字列に対応する参照用文字列との商品関連性を取得する。商品情報が文章等の文字を含む場合、商品関連性取得部13は、例えば、単語、形態素、句、節等、あらゆる文法上の構造単位の中から何れか1以上の単位に亘り、商品情報から文字列の抽出を行う。商品情報が画像を含む場合、商品関連性取得部13は、例えば商品情報として取得した画像の画素毎における輝度値等に基づき特徴量を抽出し、抽出された特徴量から画像を分類する。その後、情報DB17に記憶された画像分類データベースを参照して、分類された画像に対応する文字列の抽出を行う。なお、ユーザ情報が映像を含む場合、商品関連性取得部13は、例えば映像を複数の画像として処理する。
【0045】
例えば図6に示すように、仮想ユーザ情報を参照して、商品情報の文字列に対応する参照用文字列、評価文字列、及び関連性(関連度)が商品関連性として取得される。例えば図5に示すように、第1仮想ユーザ情報を参照したとき、参照用文字列「PC」、評価文字列「得意」、及び関連度「50%」が取得され、参照用文字列「青」、評価文字列「嫌い」、及び関連度「15%」が取得される。
【0046】
また、商品関連性取得部13は、例えば、取得された商品関連性に類似する参照用文字列、評価文字列、及び関連性を取得してもよい。この場合、例えば参考情報として、参照用文字列「赤」、評価文字列「好き」、及び関連度「12%」が取得される。なお、商品関連性取得部13は、参考情報を商品関連性に含ませてもよい。
【0047】
商品関連性を取得する条件として、商品情報の文字列に対応する参照用文字列と、評価文字列との関連性が一定以上の場合の他、例えば、関連性が一定以下の場合や、一定の範囲内に関連性が含まれる場合等に設定してもよい。商品関連性を取得する関連性の条件は、例えば管理者等が任意に設定できる。なお、商品情報の文字列に類似する参照用文字列が複数存在するとき、例えば関連度が10±10%等のバラつきを有してもよい。
【0048】
<評価情報取得部14>
評価情報取得部14は、商品関連性に基づいて、評価情報を取得する。評価情報取得部14は、商品関連性に基づいた任意の評価情報の形式を選択し、評価情報を取得する。評価情報の形式として、例えば図2に示したように、評価の合計及び評価結果が選択される。この他、評価情報の形式として、例えば関連性に基づく10段階や5段階等の3段階以上の評価度や、評価のヒストグラム等が選択されてもよく、評価形式は管理者等により任意に設計、選択できる。
【0049】
また、商品関連性に複数の評価文字列が含まれている場合、例えば評価情報の形式として、評価文字列を組み合わせた評価結果の形式を選択してもよい。例えば、図6に示したように、第1仮想ユーザ情報を参照して取得された商品関連性が「PC」:「得意50%」、「青」:「嫌い15%」の場合、評価結果として「青色を他の色に変更することで、好印象となる可能性あり」等のコメントを含む評価情報を取得できるようにしてもよい。このため、ユーザ情報の回答に対応する評価文字列以外の表現を用いて、評価結果を表現することができる。
【0050】
上記に加え、商品関連性取得部13において参考情報が取得された場合、例えば評価結果として、「青色を赤色に変更することで、好印象となる可能性あり」等のコメントを含む評価情報を取得できるようにしてもよい。このため、商品情報の評価結果に加えて、改善点を提案することができる。
【0051】
また、評価情報取得部14は、例えば、各仮想ユーザ情報を参照して得られた複数の商品関連性に基づいて、評価情報を取得してもよい。このため、複数のユーザ属性を踏まえた多角的な評価情報を取得することができる。
【0052】
<出力部15>
出力部15は、評価情報を出力する。出力部15は、I/F107を介して出力部分109に評価情報を送信する他、例えばI/F105を介してクライアント端末3等に評価情報を送信してもよい。出力部15は、評価情報の他、例えばユーザ情報等の各種情報を送信してもよい。
【0053】
評価情報を受信した出力部分109又はクライアント端末3等は、評価情報を報知する。報知の形式として、例えば、図2に示したようなテキスト形式の他、音声形式、グラフ、表等の評価値に基づいた形式、評価結果に基づいて顔の表情を変化(笑顔、怪訝な表情等)の可視化された形式にしてもよい。
【0054】
<入力部16>
入力部16は、商品情報評価装置1に入力されたユーザ情報等の各種情報を受信する。入力部16は、I/F106を介して入力部分108から入力された各種情報を受信する他、例えばI/F105を介してクライアント端末3又はユーザ端末5等から入力された各種情報を受信する。
【0055】
<情報DB17>
情報DB17には、ユーザ情報データベース、画像分類データベース、評価文字列データベース、参照用文字列データベース、仮想ユーザ情報データベース、商品関連性データベース、評価形式データベース、評価情報データベース等の各種情報が記憶される。情報DB17には、例えば、アンケートの質問データベース及び回答データベース、並びにユーザ属性データベースが記憶されてもよい。各構成11〜16は、必要に応じて情報DB17に各種情報を記憶させ、又は各種情報を取出す。なお、「データベース」とは、各種情報に分類された情報(データ)の集まりを示す。
【0056】
<サーバ2>
サーバ2には、各種情報に関するデータベースが記憶されている。このデータベースには、例えば公衆通信網4を介して送られてきた情報が蓄積される。サーバ2には、例えば情報DB17と同様の情報が記憶され、公衆通信網4を介して商品情報評価装置1と各種情報の送受信が行われてもよい。
【0057】
<クライアント端末3>
クライアント端末3は、商品情報評価装置1を利用するクライアントが保有する。クライアント端末3として、例えば、パーソナルコンピュータ等の電子機器が用いられる。
【0058】
<公衆通信網4>
公衆通信網4は、商品情報評価装置1及びクライアント端末3等が通信回路を介して接続されるインターネット網等である。公衆通信網4は、いわゆる光ファイバ通信網で構成されてもよい。また、公衆通信網4は、有線通信網には限定されず、無線通信網で実現してもよい。
【0059】
<ユーザ端末5>
ユーザ端末5として、主に携帯電話が用いられ、それ以外ではスマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ、IoT(Internet of Things)デバイス等の電子機器の他、あらゆる電子機器で具現化されたものが用いられてもよい。ユーザは、例えばユーザ端末5を用いてアンケートの質問を商品情報評価装置1から受信し、回答をユーザ情報として商品情報評価装置1に送信する。
【0060】
(第1実施形態:商品情報評価システム100の動作)
次に、本実施形態における商品情報評価システム100の動作の一例について説明する。図7は、本実施形態における商品情報評価システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0061】
<ユーザ情報取得手段:ステップS110>
図7に示すように、先ず、各ユーザ属性の対象となる複数のユーザから、複数のユーザ情報を取得する(ユーザ情報取得手段:ステップS110)。ユーザ情報取得部11は、商品情報評価装置1に入力されたユーザ情報を取得する。
【0062】
ユーザ情報は、管理者等により入力部分108を介して入力される他、例えば、公衆通信網4を介して各ユーザ端末5等から入力されてもよく、予め情報DB17又はサーバ2に記憶させて、必要に応じてユーザ情報取得部11に取出されてもよい。この他、予めクライアント等が保有するユーザ情報の内、必要なユーザ情報のみをユーザ情報取得部11が取得してもよい。
【0063】
ユーザ情報取得部11は、取得したユーザ情報から文字列の抽出を行った後、ユーザ情報を情報DB17に記憶させる。ユーザ情報取得部11は、ユーザ属性毎に複数のユーザ情報を分割して情報DB17に記憶させる他、例えばユーザ情報を、質問データ、回答データ、及びユーザ属性データに分割し、各データを情報DB17に記憶させてもよい。
【0064】
例えば、ユーザ情報としてアンケートの回答のみが、ユーザ端末5から送信されてもよい。この場合、ユーザ情報取得部11は、ユーザ情報を送信したユーザ端末5のアドレス等に基づき、情報DB17に記憶されたユーザ属性データベースを参照して、ユーザ属性を特定してもよい。同様に、ユーザ情報取得部11は、情報DB17に記憶された質問データベースを参照して、アンケートの回答に対応する質問を特定してもよい。
【0065】
また、ユーザ情報取得部11は、例えば複数種類のユーザ属性の対象となるユーザ情報を取得した後、特定のユーザ属性毎に分類して情報DB17に記憶させてもよい。
【0066】
なお、ユーザ情報取得部11は、取得したユーザ情報を未処理の状態で情報DB17に記憶させてもよく、この場合、上述したユーザ情報から文字列の抽出は、分析部12が実施してもよい。
【0067】
<分析手段:ステップS120>
次に、複数のユーザ情報に基づいて、予め取得された評価文字列と参照用文字列との関連性を分析し、仮想ユーザ情報を取得する(分析手段:ステップS120)。分析部12は、情報DB17から評価文字列データベース、参照用文字列データベース、及びユーザ情報を取出す。
【0068】
分析部12は、図5に示すように、ユーザ情報の回答に対応する評価文字列を評価文字列データベースから選択し、ユーザ情報の質問に対応する参照用文字列を参照用文字列データベースから選択する。このとき、回答に対応する評価文字列、及び質問に対応する参照用文字列として、回答及び質問の文字列と一部一致又は完全一致の他、類似する評価文字列及び参照用文字列が選択されてもよい。その後、分析部12は、選択した評価文字列と参照用文字列との関連性を分析する。
【0069】
例えば、質問が、「関東は好き?」であり、回答が「好き」を回答した場合、参照用文字列「関東」と、評価文字列「好き」との関連度が高まる。このようにして、各ユーザ属性の対象となる複数のユーザ情報の関連性を分析することで、各ユーザ属性の対象となるユーザの特徴を集約した仮想ユーザ情報が取得される。分析部12は、取得した仮想ユーザ情報を、情報DB17に記憶させる。
【0070】
<商品関連性取得手段:ステップS130>
次に、仮想ユーザ情報を参照して、評価文字列と、商品情報の文字列に対応する参照用文字列との商品関連性を取得する(商品関連性取得手段:ステップS130)。商品関連性取得部13は、情報DB17から商品情報及び仮想ユーザ情報を取出す。商品情報は、予め管理者等により入力部分108を介して入力される他、例えば、公衆通信網4を介してクライアント端末3等から入力され、入力部16を介して情報DB17に記憶される。
【0071】
商品関連性取得部13は、商品情報から文字列の抽出を行う。商品関連性取得部13は、仮想ユーザ情報内の参照文字列から、商品情報の文字列に対応する参照用文字列を選択する。このとき、商品情報の文字列に対応する参照用文字列として、商品情報の文字列と一部一致又は完全一致の他、類似する参照用文字列が選択されてもよい。商品関連性取得部13は、例えば商品情報内における複数の文字列の組み合わせに対応する参照用文字列を選択してもよい。複数の文字列間の組み合わせとして、例えば、名詞−動詞、名詞−形容詞、形容詞−動詞、名詞−名詞の何れかの組み合わせが用いられる。
【0072】
その後、商品関連性取得部13は、図6に示すように、選択された参照用文字列、評価文字列、及び関連性を、商品関連性として取得する。商品関連性取得部13は、例えば、取得した商品関連性に類似する参照用文字列を選択し、関連性の高い評価文字列を参考情報として取得してもよい。商品関連性取得部13は、取得した商品関連性及び参考情報を、情報DB17に記憶させる。
【0073】
<評価情報取得手段:ステップS140>
次に、商品関連性に基づいて、評価情報を取得する(評価情報取得手段:ステップS140)。評価情報取得部14は、情報DB17から評価形式データベース及び商品関連性を取出し、必要に応じて参考情報を取出す。評価情報取得部14は、商品関連性に基づいて、評価形式データベースを参照して評価情報の形式を選択し、評価情報を取得する。評価情報取得部14は、取得された評価情報を、情報DB17に記憶させる。なお、評価情報の形式は、管理者等により入力部分108を介して選択されてもよい。また、評価情報取得部14は、商品関連性を評価情報として取得してもよい。
【0074】
<報知手段:ステップS150>
次に、評価情報を報知する(報知手段:ステップS150)。出力部15は、情報DB17から評価情報を取得し、出力部分109に評価情報を送信する。出力部分109は、受信した評価情報を報知する。出力部15は、出力部分109に評価情報を送信する他、公衆通信網4を介してクライアント端末3に評価情報を送信してもよい。この場合、クライアント端末3は、受信した評価情報を報知する。これにより、本実施形態の商品情報評価システム100の動作が終了する。なお、上述した動作は、ステップS110及びステップS120を行ったあと、異なる商品情報を用いてステップS130〜ステップS150を繰り返し行ってもよい。また、ステップS110〜ステップS140において、各種情報を情報DB17に記憶したが、各種情報を情報DB17に記憶させずに次のステップを行ってもよい。
【0075】
本実施形態によれば、仮想ユーザ情報を参照して、商品情報を評価した評価情報が取得される。このため、特定のユーザ属性の対象となる複数のユーザの特徴を反映した評価情報を取得することができる。これにより、公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる。
【0076】
また、本実施形態によれば、特定のユーザ属性を対象とした評価情報を容易に取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【0077】
また、本実施形態によれば、仮想ユーザ情報は、機械学習により取得される。このため、ユーザ情報に含まれない文字列に対応する商品情報に関しても、精度の高い評価情報を取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【0078】
また、本実施形態によれば、互いに異なるユーザ属性の対象となる複数の仮想ユーザ情報を参照して、評価情報を取得する。このため、複数のユーザ属性を対象とした評価情報を容易に取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【0079】
また、本実施形態によれば、仮想ユーザ情報を参照して商品情報が評価され、評価情報を報知する手段(ステップS150)を備える。このため、特定のユーザ属性の対象となる複数のユーザの特徴を反映した評価情報に基づいて、商品情報の再検討ができる。これにより、公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる。また、特定のユーザ属性を対象とした評価情報を容易に取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【0080】
また、本実施形態によれば、仮想ユーザ情報を参照して商品情報が評価され、評価情報を報知するステップS150を備える。このため、特定のユーザ属性の対象となる複数のユーザの特徴を反映した評価情報に基づいて、商品情報の再検討ができる。これにより、公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる。また、特定のユーザ属性を対象とした評価情報を容易に取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【0081】
また、本実施形態によれば、仮想ユーザ情報は、例えば3段階以上の関連度を有する。このため、仮想ユーザ情報の精度を向上させることができる。これにより、公開前の商品情報の質をさらに向上させることが可能となる。また、評価情報は、例えば3段階以上の評価度を有する。このため、商品情報に関する精度の高い評価情報を取得することができる。これにより、公開前の商品情報の質をさらに向上させることが可能となる。
【0082】
(第2実施形態:商品情報評価システム100の構成)
次に、図8を参照して、第2実施形態における商品情報評価システム100の一例について説明する。第2実施形態と、第1実施形態との違いは、分析部12が、評価者情報とサンプル評価情報との比較に基づいて、仮想ユーザ情報を更新する点である。上述した実施形態と同じ部分に関しては、説明を省略する。
【0083】
図8は、本実施形態における仮想ユーザ情報を更新する一例を示す模式図である。図8に示すように、仮想ユーザ情報の更新には、サンプル商品情報が用いられる。サンプル商品情報は、仮想ユーザ情報を更新するための情報であり、公開前後の条件は問わない。
【0084】
商品関連性取得部13は、仮想ユーザ情報を参照して、評価文字列と、サンプル商品情報の文字列に対応する参照文字列とのサンプル商品関連性を取得する。評価情報取得部14は、サンプル商品関連性に基づいて、サンプル評価情報を取得する。
【0085】
ユーザ情報取得部11は、仮想ユーザ情報のユーザ属性の対象となる評価者が、サンプル商品情報を評価した評価者情報を取得する。評価者は、1人以上の実在するユーザであり、仮想ユーザ情報のユーザ属性の対象であれば、任意で選択できる。
【0086】
分析部12は、評価者情報と、サンプル評価情報との比較に基づいて、仮想ユーザ情報を更新する。例えば、評価者情報の評価結果が「B判定」に対し、サンプル評価情報の評価結果が「A判定」となり、各情報の評価結果が異なる(乖離度が大きい)場合がある。このとき、分析部12は、各評価結果の乖離度が大きい原因として、サンプル商品関連性の「関東」:「嫌い10%」の関連度と判断し、関連度を「10%」から「20%」に修正する。このように、分析部12は、サンプル評価情報と評価者情報との乖離度を小さくするように、仮想ユーザ情報を更新する。
【0087】
(第2実施形態:商品情報評価システム100の動作)
次に、本実施形態における商品情報評価システム100の動作の一例について説明する。図9は、本実施形態における商品情報評価システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0088】
図9に示すように、ステップS110〜ステップS150までは、上述した実施形態と同様である。
【0089】
<サンプル商品関連性を取得する手段:ステップS160>
次に、サンプル商品関連性を取得する(ステップS160)。商品関連性取得部13は、情報DB17からサンプル商品情報及び仮想ユーザ情報を取出す。サンプル商品情報は、予め管理者等により入力部分108を介して入力される他、例えば、公衆通信網4を介してインターネット上等から取得され、入力部16を介して情報DB17に記憶される。
【0090】
商品関連性取得部13は、サンプル商品情報から文字列の抽出を行う。商品関連性取得部13は、仮想ユーザ情報内の参照文字列から、サンプル商品情報の文字列に対応する参照用文字列を選択する。このとき、サンプル商品情報の文字列に対応する参照用文字列として、サンプル商品情報の文字列と一部一致又は完全一致の他、類似する参照用文字列が選択されてもよい。
【0091】
その後、商品関連性取得部13は、図8に示すように、選択された参照用文字列、評価文字列、及び関連性を、サンプル商品関連性として取得する。商品関連性取得部13は、取得したサンプル商品関連性を、情報DB17に記憶させる。
【0092】
<サンプル評価情報を取得する手段:ステップS170>
次に、サンプル評価情報を取得する(ステップS170)。評価情報取得部14は、情報DB17から評価形式データベース及びサンプル商品関連性を取出す。評価情報取得部14は、サンプル商品関連性に基づいて、評価形式データベースを参照して評価情報の形式を選択し、サンプル評価情報を取得する。評価情報取得部14は、取得されたサンプル評価情報を、情報DB17に記憶させる。
【0093】
<評価者情報を取得する手段:ステップS180>
次に、評価者情報を取得する(ステップS180)。ユーザ情報取得部11は、ステップS160で用いた仮想ユーザ情報のユーザ属性の対象となる評価者が、サンプル商品情報を評価した評価者情報を取得する。評価者情報の形式は、サンプル評価情報の形式と同様である。
【0094】
ユーザ情報取得部11は、商品情報評価装置1に入力された評価者情報を取得する。評価者情報は、管理者等により入力部分108を介して入力される他、例えば、公衆通信網4を介して評価者の保有するユーザ端末5等から入力されてもよく、予め情報DB17又はサーバ2に記憶させて、必要に応じてユーザ情報取得部11に取出されてもよい。ユーザ情報取得部11は、評価者情報を情報DB17に記憶させる。
【0095】
<仮想ユーザ情報を更新する手段:ステップS190>
次に、仮想ユーザ情報を更新する(ステップS190)。分析部12は、情報DB17から評価者情報及びサンプル評価情報を取出す。分析部12は、例えば評価者情報を基準として、サンプル評価情報の乖離度を算出する。分析部12は、算出された乖離度の原因となるサンプル商品関連性の評価文字列、参照用文字列、及び関連性を選択する。分析部12は、乖離度を小さくするように、選択された商品関連性の評価文字列、参照用文字列、及び関連性を修正する。これにより、仮想ユーザ情報が更新される。分析部12は、更新した仮想ユーザ情報を情報DB17に記憶させる。これにより、本実施形態の商品情報評価システム100の動作が終了する。
【0096】
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、仮想ユーザ情報を参照して、商品情報を評価した評価情報が取得される。このため、特定のユーザ属性の対象となる複数のユーザの特徴を反映した評価情報を取得することができる。これにより、公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる。
【0097】
また、本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、特定のユーザ属性を対象とした評価情報を容易に取得することができる。これにより、商品情報を評価するために必要となるユーザ情報の質問量、及び依頼するユーザ数を削減することができるため、時間及び人件費を削減することが可能である。
【0098】
また、本実施形態によれば、分析部12が、評価者情報とサンプル評価情報との比較に基づいて、仮想ユーザ情報を更新する。このため、仮想ユーザ情報の評価と、現実のユーザの評価との乖離度が小さくなり、評価情報の精度を向上させることができる。これにより、公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1…商品情報評価装置、
10…筐体、
11…ユーザ情報取得部、
12…分析部、
13…商品関連性取得部、
14…評価情報取得部、
15…出力部、
16…入力部、
17…情報DB、
100…商品情報評価システム、
101…CPU、
102…ROM、
103…RAM、
104…記憶部、
105〜107…I/F、
108…入力部分、
109…出力部分、
110…内部バス、
2…サーバ、
3…クライアント端末、
4…公衆通信網、
5…ユーザ端末
【要約】
【課題】公開前の商品情報の質の向上を図ることが可能となる商品情報評価装置、商品情報評価システム、及び商品情報評価方法を提供する。
【解決手段】公開前の商品情報を評価する商品情報評価装置1であって、第1ユーザ属性の対象となる複数の第1ユーザから、複数の第1ユーザ情報を取得するユーザ情報取得部11と、 前記複数の第1ユーザ情報に基づいて、予め取得された評価文字列と参照用文字列との第1関連性を分析し、第1仮想ユーザ情報を取得する分析部12と、前記第1仮想ユーザ情報を参照して、前記評価文字列と、商品情報の文字列に対応する前記参照用文字列との第1商品関連性を取得する商品関連性取得部13と、前記第1商品関連性に基づいて、評価情報を取得する評価情報取得部14と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9