特許第6096429号(P6096429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6096429フローティングナットおよびフローティングボルト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096429
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】フローティングナットおよびフローティングボルト
(51)【国際特許分類】
   F16B 37/04 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   F16B37/04 J
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-137618(P2012-137618)
(22)【出願日】2012年6月19日
(65)【公開番号】特開2014-1802(P2014-1802A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002052
【氏名又は名称】日本ドライブイット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美
(72)【発明者】
【氏名】石井 一義
【審査官】 鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−008020(JP,U)
【文献】 特開2011−140978(JP,A)
【文献】 特開平06−042518(JP,A)
【文献】 特開2005−083460(JP,A)
【文献】 実開平04−048410(JP,U)
【文献】 実開昭57−182623(JP,U)
【文献】 実開昭60−169416(JP,U)
【文献】 特開2001−278110(JP,A)
【文献】 実開昭53−149166(JP,U)
【文献】 実開平03−059510(JP,U)
【文献】 特開2003−053844(JP,A)
【文献】 特開2000−046026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 23/00−43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローティング区域を成す平面内の閉鎖開口(1)を有する第1プレート(2)と、
その第1プレート(2)の裏面に接して、前記第1プレート(2)の前記平面の面積よりも小さく且つその閉鎖開口(1)を閉塞または横架する第2プレート(3)と、
その第2プレート(3)の中央に突設され、軸径が前記閉鎖開口(1)より小で、その閉鎖開口(1)を貫通し且つその閉鎖開口(1)の範囲内を移動できる軸部(4)と、
その軸部(4)の軸線上に形成したネジ孔(9)と、
第1プレート(2)の表面に接し、前記閉鎖開口(1)を閉塞または横架すると共に、前記軸部(4)の外周に被嵌されるファスナ(5)とを具備し、
前記ファスナ(5)は、板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6 )の孔縁に複数の欠切部(8)が形成され、外周から係止孔(6)に向かい山形に形成されて、その外周が第1プレート(2)の表面に接すると共に、係止孔(6)が前記軸部(4)外周に被嵌されて軸方向外側に前記軸部(4)を付勢し、前記軸部(4)の移動調整が可能で、前記第1プレート(2)の前記閉鎖開口(1)内を前記第2プレート(3)の前記軸部(4)の移動が可能とすることを特徴とするフローティングナット。
【請求項2】
フローティング区域を成す平面内の閉鎖開口(1)を有する第1プレート(2)と、
その第1プレート(2)の裏面に接して、前記第1プレート(2)の前記平面の面積よりも小さく且つその閉鎖開口(1)を閉塞または横架する第2プレート (3)と、
その閉鎖開口(1)を貫通し且つその閉鎖開口(1)の範囲内を移動でき、第2プレート(3)の中央に突設され、軸径が前記閉鎖開口(1)より小で、前記閉鎖開口(1)を貫通する軸部(4)と、
その軸部(4)の軸線上に形成したネジ孔(9)と、
第1プレート(2)の表面に裏面側が接し、前記閉鎖開口(1)を閉塞または横架すると共に、前記軸部(4)が貫通する第3プレート(3a)と、
前記軸部(4)の外周の外ネジ(7)に螺着されて、第3プレート(3a)の表面側に接するナッ ト(10)と、を具備し、
前記ナット(10)は、前記軸部(4)を軸線方向の外側に付勢し、前記軸部(4)の移動調整が可能で、前記第1プレート(2)の前記閉鎖開口(1)内を前記第2プレート(3)の前記軸部(4)の移動が可能とするように締結されることを特徴とするフローティングナット。
【請求項3】
フローティング区域を成す平面内の閉鎖開口(1)を有する第1プレート(2)と、
その第1プレート(2)の裏面に接して、前記第1プレート(2)の前記平面の面積よりも小さく且つその閉鎖開口(1)を閉塞または横架する第2プレート(3)と、
その第2プレート(3)の中央に突設され、軸径が前記開口(1)より小で、その閉鎖開口(1)を貫通し且つその閉鎖開口(1)の範囲内を移動できる閉鎖開口(1)を貫通する軸部(4)を有するボルト(4a)と、
第1プレート(2)の表面に接し、前記閉鎖開口(1)を閉塞または横架すると共に、前記ボルト(4a)の外周に被嵌されるファスナ(5)とを具備し、
前記ファスナ(5)は、板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に複数の欠切部(8)が形成され、外周から係止孔(6)に向かい山形に形成されて、その外周が第1プレート(2)の表面に接すると共に、係止孔(6)が前記ボルト(4a)の外周に被嵌されて軸方向外側にそのボルト(4a)を付勢し、前記軸部(4)の移動調整が可能で、前記第1プレート(2)の前記閉鎖開口(1)内を前記第2プレート(3)の前記軸部(4)の移動が可能とすることを特徴とするフローティングボルト。
【請求項4】
フローティング区域を成す平面内の閉鎖開口(1)を有する第1プレート(2)と、
その第1プレート(2)の裏面に接して、前記第1プレート(2)の前記平面の面積よりも小さく且つその閉鎖開口(1)を閉塞または横架する第2プレー ト(3)と、
その第2プレート(3)の中央に突設され、軸径が前記閉鎖開口(1)より小で、その閉鎖開口(1)を貫通し且つその閉鎖開口(1)の範囲内を移動できる軸部(4)を有するボルト(4a)と、
第1プレート(2)の表面に裏面側が接し、前記閉鎖開口(1)を閉塞または横架すると共に、前記ボルト(4a)が貫通する第3プレート(3a)と、
前記ボルト(4a)に螺着されて、第3プレート(3a)の表面側に接するナット(10)を具備し 、
前記ナット(10)は、そのボルト(4a)を軸方向の外側に付勢するように締結されることを 特徴とするフローティングボルト。
【請求項5】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載のフローティングナットにおいて、
第1プレート(2)が台形に曲折されたフローティングナット。
【請求項6】
請求項1又は請求項2若しくは請求項5のいずれかに記載のフローティングナットにおいて、
前記ファスナ(5)は、円形の外周を有する板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に放射状に複数の欠切部(8)が形成されたフローティングナット。
【請求項7】
請求項1又は請求項2若しくは請求項5のいずれかに記載のフローティングナットにおいて、
前記ファスナ(5)は、方形の外周を有する板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に互いに略平行な4本の欠切部(8)が形成され、
第1プレート(2)が台形に曲折され、その台形の頂部の両縁に、ファスナ(5)の可動範囲を規制するストッパ(20)が立ち上げられたフローティングナット。
【請求項8】
請求項3又は請求項4のいずれかに記載のフローティングボルトにおいて、
第1プレート(2)が台形に曲折されたフローティングボルト
【請求項9】
請求項3又は請求項4若しくは請求項8のいずれかに記載のフローティングボルトにおいて、
前記ファスナ(5)は、円形の外周を有する板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に放射状に複数の欠切部(8)が形成されたフローティングボルト
【請求項10】
請求項3又は請求項4若しくは請求項8のいずれかに記載のフローティングボルトにおいて、
前記ファスナ(5)は、方形の外周を有する板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に互いに略平行な4本の欠切部(8)が形成され、
第1プレート(2)が台形に曲折され、その台形の頂部の両縁に、ファスナ(5)の可動範囲を規制するストッパ(20)が立ち上げられたフローティングボルト
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーシングの内部等に取付けて、そこにボルト等を介して各種部品を固定する際、そのナット等が水平方向に移動できるようにしたフローティングナットおよびフローティングボルトに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、既に特許文献1に記載のフローティングナットを提案している。
このフローティングナットは、中央にネジ孔を有するナット板と、それを支持する支持板とを有し、その支持板の長手方向両端を折り返してナット板を抱持するものである。そしてナット板が平面に沿って移動可能としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−94783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このフローティングナットは、金属板よりなる支持板の両端部を折り返して、内部にナット板を抱持し、そのナット板が平面方向に移動できるようにしたものである。
この種のフローティングナットは、それにボルトを締結する際、慎重に行わないと、ナット板にかかる外力により、支持板の折返し部を変形させてしまう。すると、その支持機能を失うことになる。
また、ボルトの不用意な操作により支持板の変形が大きいと、ナット板がケーシング内に脱落することも有り、ケーシングを解体してナット板を取り出さなければならない。
更に、支持板自体はケーシングにリベットやスポット溶接等で固着されているため、支持機能を失ったフローティングナットの付け替えに労力と時間を要する。
【0005】
また、ナット板の移動のし易さは、ナット板を抱持する抱持力による。その抱持力の調整は、極めて厳密に行なう必要がある。通常は支持板のナット板の押さえ部分に僅かの凸面を形成しプレス圧力を調整することで行われる。強すぎればナット板の移動ができず、弱すぎればナット板が不用意に移動し、ボルトとの芯合わせができなくなる。その状態で、ボルトを締め付けるとフローティングナットのねじ部を損傷し、締め付けが困難乃至は不能となる場合がある。
特に、ケーシングの壁にフローティングナットを取り付けた場合には、ナット板の自重が作用するので移動のしやすさと保持力の兼ね合いは微妙な調整が必要となる。
この支持板によるナット板押さえ構造では、ナットの稼動範囲の大きさ、ナットサイズの違いおよび使用場所等により支持板のナット板押さえ部分の形状を変更しなければならないので、支持板の加工時のプレス型を変える必要があり製作にコストもかかる。
【0006】
そこで本発明は、ボルト締結の際に、不用意に支持板を変形することがなく且つ、ナットの抱持力を容易に且つ最適に調整することができる新たなフローティングナットおよびフローティングボルトを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明は、フローティング区域を成す平面内の閉鎖開口(1)を有する第1プレート(2)と、
その第1プレート(2)の裏面に接して、前記第1プレート(2)の前記平面の面積よりも小さく且つその閉鎖開口(1)を閉塞または横架する第2プレート(3)と、
その第2プレート(3)の中央に突設され、軸径が前記閉鎖開口(1)より小で、その閉鎖開口(1)を貫通し且つその閉鎖開口(1)の範囲内を移動できる軸部(4)と、
その軸部(4)の軸線上に形成したネジ孔(9)と、
第1プレート(2)の表面に接し、前記閉鎖開口(1)を閉塞または横架すると共に、前記軸部(4)の外周に被嵌されるファスナ(5)とを具備し、
前記ファスナ(5)は、板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6 )の孔縁に複数の欠切部(8)が形成され、外周から係止孔(6)に向かい山形に形成されて、その外周が第1プレート(2)の表面に接すると共に、係止孔(6)が前記軸部(4)外周に被嵌されて軸方向外側に前記軸部(4)を付勢し、前記軸部(4)の移動調整が可能で、前記第1プレート(2)の前記閉鎖開口(1)内を前記第2プレート(3)の前記軸部(4)の移動が可能とすることを特徴とするフローティングナットである。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、フローティング区域を成す平面内の閉鎖開口(1)を有する第1プレート(2)と、
その第1プレート(2)の裏面に接して、前記第1プレート(2)の前記平面の面積よりも小さく且つその閉鎖開口(1)を閉塞または横架する第2プレート(3)と、
その閉鎖開口(1)を貫通し且つその閉鎖開口(1)の範囲内を移動でき、第2プレート(3)の中央に突設され、軸径が前記閉鎖開口(1)より小で、前記閉鎖開口(1)を貫通する軸部(4)と、
その軸部(4)の軸線上に形成したネジ孔(9)と、
第1プレート(2)の表面に裏面側が接し、前記閉鎖開口(1)を閉塞または横架すると共に、前記軸部(4)が貫通する第3プレート(3a)と、
前記軸部(4)の外周の外ネジ(7)に螺着されて、第3プレート(3a)の表面側に接するナッ ト(10)と、を具備し、
前記ナット(10)は、前記軸部(4)を軸線方向の外側に付勢し、前記軸部(4)の移動調整が可能で、前記第1プレート(2)の前記閉鎖開口(1)内を前記第2プレート(3)の前記軸部(4)の移動が可能とするように締結されることを特徴とするフローティングナットである。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、フローティング区域を成す平面内の閉鎖開口(1)を有する第1プレート(2)と、
その第1プレート(2)の裏面に接して、前記第1プレート(2)の前記平面の面積よりも小さく且つその閉鎖開口(1)を閉塞または横架する第2プレート(3)と、
その第2プレート(3)の中央に突設され、軸径が前記開口(1)より小で、その閉鎖開口(1)を貫通し且つその閉鎖開口(1)の範囲内を移動できる閉鎖開口(1)を貫通する軸部(4)を有するボルト(4a)と、
第1プレート(2)の表面に接し、前記閉鎖開口(1)を閉塞または横架すると共に、前記ボルト(4a)の外周に被嵌されるファスナ(5)とを具備し、
前記ファスナ(5)は、板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に複数の欠切部(8)が形成され、外周から係止孔(6)に向かい山形に形成されて、その外周が第1プレート(2)の表面に接すると共に、係止孔(6)が前記ボルト(4a)の外周に被嵌されて軸方向外側にそのボルト(4a)を付勢し、前記軸部(4)の移動調整が可能で、前記第1プレート(2)の前記閉鎖開口(1)内を前記第2プレート(3)の前記軸部(4)の移動が可能とすることを特徴とするフローティングボルトである。
【0010】
請求項4に記載の本発明は、フローティング区域を成す平面内の閉鎖開口(1)を有する第1プレート(2)と、
その第1プレート(2)の裏面に接して、前記第1プレート(2)の前記平面の面積よりも小さく且つその閉鎖開口(1)を閉塞または横架する第2プレー ト(3)と、
その第2プレート(3)の中央に突設され、軸径が前記閉鎖開口(1)より小で、その閉鎖開口(1)を貫通し且つその閉鎖開口(1)の範囲内を移動できる軸部(4)を有するボルト(4a)と、
第1プレート(2)の表面に裏面側が接し、前記閉鎖開口(1)を閉塞または横架すると共に、前記ボルト(4a)が貫通する第3プレート(3a)と、
前記ボルト(4a)に螺着されて、第3プレート(3a)の表面側に接するナット(10)を具備し 、
前記ナット(10)は、そのボルト(4a)を軸方向の外側に付勢するように締結されることを 特徴とするフローティングボルトである。
【0011】
請求項5に記載の本発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のフローティングナットにおいて、
第1プレート(2)が台形に曲折されたフローティングナットである。
【0012】
請求項6に記載の本発明は、請求項1又は請求項2若しくは請求項5のいずれかに記載のフローティングナットにおいて、
前記ファスナ(5)は、円形の外周を有する板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に放射状に複数の欠切部(8)が形成されたフローティングナットである。
【0013】
請求項7に記載の本発明は、請求項1又は請求項2若しくは請求項5のいずれかに記載のフローティングナットにおいて、
前記ファスナ(5)は、方形の外周を有する板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に互いに略平行な4本の欠切部(8)が形成され、
第1プレート(2)が台形に曲折され、その台形の頂部の両縁に、ファスナの可動範囲を規制するストッパ(20)が立ち上げられたフローティングナットである。
請求項8に記載の本発明は、請求項3又は請求項4のいずれかに記載のフローティングボルトにおいて、
第1プレート(2)が台形に曲折されたフローティングボルトである。
請求項9に記載の本発明は、請求項3又は請求項4若しくは請求項8のいずれかに記載のフローティングボルトにおいて、
前記ファスナ(5)は、円形の外周を有する板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に放射状に複数の欠切部(8)が形成されたフローティングボルトである。
請求項10に記載の本発明は、請求項3又は請求項4若しくは請求項8のいずれかに記載のフローティングボルトにおいて、
前記ファスナ(5)は、方形の外周を有する板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に互いに略平行な4本の欠切部(8)が形成され、
第1プレート(2)が台形に曲折され、その台形の頂部の両縁に、ファスナ(5)の可動範囲を規制するストッパ(20)が立ち上げられたフローティングボルトである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載のフローティングナットは、板バネからなるファスナ5が第1プレート 2の表面に接し、そのファスナ5が軸部4を軸方向外側に付勢するものである。
そのため、ボルトをフローティングナットに止着するときに加わる垂直な外力は、ファスナ5と第1プレート2で支持され、従来のように第1プレートの抱持部を変形することがない。
また、ボルトをフローティングナットに止着するとき、第1プレート2の閉鎖開口1内で、第2プレート3の前記軸部4の移動が可能とする、ファスナの付勢力を有し、軸部4が不用意に移動し過ぎることを防止し、その必要量の移動調整が容易で、フローティングナットにボルトを介して他の部品を確実に締結できる効果がある。また、上記の形状を有するファスナ5は汎用の量産品を使用できると共に、第1プレート2の形状を単純化でき、製造容易で安価にフローティングナットを提供できる。
【0015】
請求項2に記載のフローティングナットは、軸部4の外周にナット10が螺着されて、そ の軸部4を外側に付勢するものである。そのナット10の締結力の調整により、軸部4の付 勢力を最適な値にでき、第1プレート2の閉鎖開口1内で、第2プレート3の前記軸部4の移動が可能とする。そのため、ボルトをフローティングナットに止着するとき、軸部4が不用意に移動し過ぎることを防止し、その必要量の移動調整が容易で、フローティングナットにボルトを介して他の部品を確実に締結できる効果がある。また、上記のナット10は汎用の量産品を使用できると共に、第1プレート2の形状を単純化でき、製造容易で安価なフローティングナットを提供できる。
さらには、ボルトをフローティングナットに止着するときに加わる垂直な外力は、ナッ ト10と第1プレート2で支持され、従来のように第1プレートの抱持部を変形することがない。
【0016】
請求項3に記載のフローティングボルトは、板バネからなるファスナ5が第1プレート 2の表面に接し、そのファスナ5の係止孔6がボルト4aを軸方向外側に付勢するものであ る。そして、第1プレート2の閉鎖開口1内で、第2プレート3のボルト4aの移動を可能とする。
そのため、ナット16をボルト4aに止着するとき、ファスナの付勢力により、ボルト4aが 不用意に移動し過ぎることを防止し、その移動調整が容易なため、フローティングボルトにナット16を介して他の部品を確実に締結できる効果がある。また、上記の形状を有する ファスナ5は汎用の量産品を使用できると共に、第1プレート2の形状を単純化でき、製 造容易で安価なフローティングボルトを提供できる。
【0017】
請求項4に記載のフローティングボルトは、ボルト4aの外周にナット10が螺着されて、 そのボルト4aを外側に付勢するものである。そのナット10の締結力の調整により、ボルト 4aの付勢力を最適な値にできる。そして、第1プレート2の閉鎖開口1内で、第2プレート3のボルト4aの移動を可能とする。
そのため、別のナット16をフローティングボルトに止着 するとき、ボルト4aの移動調整が容易で、フローティングボルトに別のナット16を介して 他の部品を確実に締結できる効果がある。また、上記のナット10は汎用の量産品を使用できると共に、第1プレート2の形状を単純化でき、製造容易で安価なフローティングナッ トを提供できる。
【0018】
請求項5又は請求項8に記載のフローティングナットまたはボルトは、第1プレート2が台形に曲折されているため、第2プレート3を台形の内側に収納し、その状態でそれら全体を基板12等に取付けることができる。
【0019】
請求項6又は請求項9に記載のフローティングナットまたはボルトは、ファスナ(5)が、円形の外周を有する板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に放射状に複数の欠切部(8)が形成されたから、ファスナ5のバネのバランスがよく、その軸部4が何れの方向にも円滑に移動できる。
【0020】
請求項7又は請求項10に記載のフローティングナットまたはボルトは、ファスナ(5)が、方形の外周を有する板バネからなり、その中央に係止孔(6)を有すると共に、係止孔(6)の孔縁に互いに略平行な4本の欠切部(8)が形成され、
第1プレート(2)が台形に曲折され、その台形の頂部の両縁に、ファスナの可動範囲を規制するストッパ(20)が立ち上げられたから、ファスナ5がストッパ20に規制された範囲のみを移動することができる。そのため、ファスナ5が他の隣接部品と干渉することかない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施例のフローティングナット17の分解斜視図。
図2】同フローティングナット17の組立て状態を示す斜視図。
図3】同フローティングナット17の裏面側平面図。
図4図3のIV−IV矢視における使用状態を示す説明図。
図5】同フローティングナット17の使用時におけるファスナ5の移動範囲を示す説明図。
図6】本発明の第2実施例のフローティングナット17の取付け状態を示す断面図。
図7】他の実施例における第2プレート3と軸部4との接合部の一部断面図。
図8】本発明の他のフローティングナット17の平面図。
図9】本発明のさらに他のフローティングナット17の平面図。
図10】本発明の他のフローティングナット17の平面図。
図11】本発明の他のフローティングナット17の平面図。
図12】本発明のさらに他のフローティングナット17の一部破断説明図。
図13】本発明のさらに他のフローティングナット17の説明図。
図14】本発明のフローティングボルト18の取付け状態を示す説明図。
図15】本発明のさらに他のフローティングボルト18の取付けを示す説明図。
図16】本発明のさらに他のフローティングボルト18の取付けを示す説明図。
図17】本発明の他のフローティングナットの分解斜視図。
図18】同ナットの使用状態を示す縦断面説明図。
図19】同ナットの使用時におけるファスナー5の移動範囲を示す説明図。
図20】本発明のさらに他のフローティングナットの使用状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面に基づいて本発明の各実施の形態につき説明する。
図1図5は、本発明の第1実施例であり、請求項1に記載の発明である。
このフローティングナット17は、第1プレート2と第2プレート3とファスナ5とからなる。第1プレート2はその長手方向を断面ハット状に曲折し、その両端部に第1プレートの取付孔16aが穿設され、中央に開口1を穿設している。取付孔16aにはリベットやボルトが挿入され、基板12に取り付けられる。なお、取付孔16aを設けないで平面とし、スポット溶接等で基板12に取り付けてもよい。
また、幅方向両側には側部2aが曲折形成され、第1プレート2の剛性を高めると供に、第2プレート3の角部が第1プレートより突出するのを防止する。
【0023】
第2プレート3は、開口1の直径より大なる長辺を有し、短辺はそれよりも小に形成されている。そして、第2プレート3の中心に軸部4が固定されている。軸部4の軸線上には、ネジ孔9が設けられている。
なお、軸部4と第2プレート3とを別部品で形成し、図7の如くカシメ固定してそれを製造することができる。
或いは、第2プレート3と軸部4とを一体に成形してもよい。軸部4の直径は、開口1の直径よりも小である。
【0024】
次に、ファスナ5はその外直径が開口1より大であり、内歯付きの皿バネからなり、その底部5bの外周に筒部5aが僅かに立ち上げ形成され、底部5bの周縁部から中心に向って図4の如く傾斜して突出する皿状部を有し、その中心に図1の如く係止孔6が形成されている。係止孔6の直径は、軸部4の外直径よりも僅かに小である。そして係止孔6には、放射状に多数の欠切部8が欠切されている。
ファスナ5の底部5bの外周の筒部5aは必ずしも必要ではないが、ファスナ5の剛性を高めるためおよび軸部4にファスナ5を圧入するときの工具外周の位置決めとして有用である。
そして第2プレート3と軸部4とが一体化された状態で、第1プレート2の裏面側に第2プレート3を接触させ、軸部4を開口1に貫通させる。次いで、軸部4にファスナ5の係止孔6を圧入する。すると、図2及び図4に示す如く、ファスナ5の底部5bが第1プレート2の表面に圧接する。その圧接の接触抵抗は、ファスナ5を軸部4に圧入するときの圧入調整により行なう。
【0025】
すると、軸部4はファスナ5の弾発力により第2プレートの軸部4を第2プレート3側と反対方向に付勢されることになる。すなわち、軸部4はファスナ5の弾発力により軸方向外側に付勢される。その付勢力を適宜な値になるようにファスナ5を軸部4に嵌着すればよい。すると、軸部4のネジ孔9にボルトを取付ける際、不用意に軸部4が平面方向に移動することなく、両者の軸線を合わせるに必要な移動量だけ軸部4を移動させることが可能となる。
そして一例として図4に示す如く、第1プレート2を基板12に適宜な方法で固定し、取付部材13を基板12にボルト14を介して締結固定することができる。このとき、軸部4は図において右方に移動し、取付部材13のボルト孔13aに整合される。それによりボルト14を軸部4のネジ孔9に締結して、取付部材13を基板12に固定することができる。
図5はそのファスナ5の移動範囲を示す説明図であり、同図において水平方向および垂直方向に移動させることができる。一例として、実線の状態から鎖線の状態にファスナ5を移動できる。
【0026】
次に、図6は本発明の第2実施例のフローティングナット17を示し、この例が図2のそれと異なる点は、第1プレート2の形状のみである。
この第1プレート2はカップ状に形成され、その開口端のフランジ部が基板12に適宜手段により固定されるものである。そして、取付部材13を基板12にボルト14を介して締結固定するものである。
このとき、フローティングナット17の軸部4が平面方向に移動し、軸線が整合される。
本実施例では、第1プレート2がカップ状に形成されているので、基板12に対して第1プレート2がスペーサの役目をし、しかもフローティングナットとしたので、取付部材13の締結固定が容易となる。
【0027】
次に、図8図11は夫々他の実施例を示し、これらが図3のそれと異なる点は、第2プレート3の形状または第1プレート2の開口1の形状である。
図8の例は、第2プレート3が正方形に形成され開口1を閉鎖するようにされている。
図9の例は、第2プレート3が三角形に形成され、その角部が開口1に横架(架橋)されている。
図10の例は、第1プレート2の開口1が第1プレート2の取付け方向と同方向の長手方向に細長いと共に、第2プレート3の長手方向がそれに直交するように架橋されている。
図11の例は、第1プレート2の開口1が第1プレート2の取付け方向と垂直方向の幅方向に細長く形成され、第2プレート3が第1プレート2の長手方向に架橋されている。
なお、図8図11は、第1プレート2の開口1と第2プレート3の形状関係について説明したが、本構成は同様に、第1プレート2の開口1とファスナ5の外周輪郭形状にも適用できる。
【0028】
次に、図12は本発明のさらに他の実施例であり、軸部4と第2プレート3とが別部品からなる。
軸部4は、頭部15を一端に有し、その直径は第1プレート2の開口1よりも小である。そして第2プレート3に軸部4が貫通され、ファスナ5によりその軸部4が止着されるものである。
【0029】
次に、図13は本発明のさらに他の実施例であり、本発明の請求項2に記載のものである。
これは第2プレート3の中心に軸部4が突設され、その外周の外ネジ7にナット10が第3プレート3aを介して第1プレート2に適宜圧力で締結される。それにより、軸部4は軸線方向外側に付勢され、第2プレート3と第1プレート2との接触抵抗を適宜な値に保持するものである。なお、ナット10と第3プレート3aを一体に構成してもよい。
軸部4の中心にはネジ孔9が形成され、そのネジ孔9に取付部材13のボルト孔13aを介してボルト14が締結されるものである。このとき、第2プレート3および軸部4はボルト孔13aの軸線に整合するように平面方向に移動する。ナット10の締結力を適宜な値にすることにより、軸部4が不用意に移動することを防止し且つ、軸部4のネジ孔9とボルト孔13aとの位置合わせを容易にすることができる。
さらに、このナット10には、緩み止め板22が設けられ、それがナットのネジ孔周縁にかしめ固定されている。この緩み止め板22は、ナット10のネジ孔程度の内直径で、環状に形成され、その内周に部分的に爪部22aが突設され、それが軸部4の外ネジ7に係止される。それによって、ナット10が緩むことを防止している。
【0030】
次に、図14は本発明のフローティングボルト18の第1実施例であり、請求項3に記載の発明である。これは第2プレート3の中心にボルト4aが固定されたものである。
この例では、第1プレート2に複数のフローティングボルト18が取付けられている。そして一例として、スタッド19を有する、取付部材13を第1プレート2に固定するとき、夫々のボルト4aにナット16を介して締結される。このとき同図において、右側のボルト4aが左方向に移動してボルト孔13aの軸線とボルト4aの軸線とが整合される。
【0031】
次に、図15は本発明のフローティングボルト18の第2実施例である。この例が前記第1実施例と異なる点は、ボルト4aと第2プレート3とが別体であり、ボルト4aが頭部15を有するものである。そして、ボルト4aの付根に先ずファスナ5が嵌着され、次いでそれが第2プレート3及び第1プレート2の開口1を貫通する。次いでファスナ5がボルト4aの外周に嵌着されるものである。この例では、上下一対のファスナ5によって、ボルト4aが軸方向外側に付勢される。その付勢力を適宜に維持することにより、ボルト4aが平面方向に移動するとき不用意に、より大きく移動することを防止できる。
【0032】
次に、図16は本発明のフローティングボルト18の第3実施例であり、これは請求項4に記載の発明に相当する。
このフローティングボルト18が、図14の実施例と異なる点は、ファスナ5の変わりにナット10を用いたものである。そしてそのナット10を第3プレート3aを介して、第2プレート3に適宜圧力で締結する。それにより、ボルト4aを軸線方向外方に付勢し、それが平面方向に不用意に移動することを防止すると共に、必要量だけ平面方向に移動させることが容易となる。なお、ナット10と第3プレート3aを一体に構成してもよい。この例も、前記図13の例と同様に、ナット10に緩み止め板22が設けられ、その爪部22aが軸部4の外ネジに係止され、緩み止めを行なう。
【0033】
次に、図17は本発明のさらに他のフローティングナットの分解斜視図であり、この例が図1の実施例と異なる点は、ファスナ5の形状および第1プレート2にストッパ20を設けた点である。このファスナ5は、方形の外周を有する板ばねからなり、その長辺側両側に補強壁5dが立ち上げられ、係止孔6の回りに互いに離間して設けた欠切部8がほぼ互いに平行に形成されている(図19参照)。また、第1プレート2には、ファスナ5側に複数のストッパ20がその両側に立上げられている。さらに、軸部4には環状溝21が設けられ、そこにファスナ5の変形部5cの先端が係止される。
【0034】
このファスナ5の変形部5cは図18(B)のごとく、自由状態で軸線方向外側に突出した状態から、取付時にその変形部5cを軸線方向内側へ押込むことにより、その先端を環状溝21に係止する。即ち、変形部5cはファスナ5を取り付ける際、図18(B)の、実線の状態から鎖線の状態に移動する。
そして係止されると、変形部5cはもとの自由状態に戻る付勢力が働き、軸部4を軸線方向外側に付勢する。
次に、ファスナ5は図19に示すごとく、その補強壁5dがストッパ20に当接するまで移動が可能である。このストッパ20によって、ファスナ5の一部が第1プレート2から外側に飛び出すことがない。それにより、フローティングナットに隣接する部品とファスナ5とが干渉することを防止できる。
【0035】
次に、図20は本発明のさらに他の実施例であり、この例が図18の実施例と異なる点は、ファスナ5の変形部5cの自由状態における形状のみである。この変形部5cは自由状態において、同図(B)の実線のごとくその底部5bに平行である。そして、取付時においては実線の状態から鎖線の状態に押込まれ、その反作用として軸部4を軸方向外方に付勢する。
【0036】
図17図20に示す実施例のフローティングナットは、基板12の縁部にフローティングナットを取り付ける場合に有用である。すなわち、第1実施例のような外周円形のファスナ5を用いた場合、図5に示すように第1プレート2よりファスナ5が飛び出すことがある。
すると、これを基板12の縁部に使用すると、基板12よりファスナ5の一部分が飛び出すことになり、他の基板類の取り付けに支障をきたしたり、ファスナ5の飛び出し部が損傷を受けたりする不具合が生ずるおそれがある。
また、基板12の縁部が折り曲げられて壁状になっている場合は、フローティングナットの稼動範囲を制限することとなる。
【0037】
本実施例においては、ファスナ5の外周を方形にすることにより、基板12の縁部であってもファスナ5が第1プレート2より飛び出すことがなく、しかも第1プレート2の開口1に沿ったフローティング範囲を確保できる。
更に、ストッパ20を設けることで、第2プレート3が図1に示すような方形であると、ファスナ5の方形を第1プレート2に取り付けるときに方向を合わせる必要がなく、任意の位置で組み付け可能である。
すなわち、第2プレート3とファスナ5がクロスした状態で組みつけられても、ストッパ20によって制限されるので第1プレート2よりファスナ5の角部が飛び出すことがない。
【符号の説明】
【0038】
1 開口
2 第1プレート
2a 補強壁
3 第2プレート
3a 第3プレート
4 軸部
4a ボルト
5 ファスナ
5a 筒部
5b 底部
5c 変形部
5d 補強壁
【0039】
6 係止孔
7 外ネジ
8 欠切部
9 ネジ孔
10 ナット
12 基板
13 取付部材
13a ボルト孔
14 ボルト
【0040】
15 頭部
16 ナット
16a 取付孔
17 フローティングナット
18 フローティングボルト
19 スタッド
20 ストッパ
21 環状溝
22 緩み止め板
22a 爪部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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図20