【実施例】
【0024】
図面を参照して以下に各実施例を詳細に説明する。
(第1実施例)
図1に第1実施例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。
サファイア(Al
2O
3)からなる基板22上に、窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層24が形成されている。基板22には、サファイアに代えて炭化シリコン(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を利用してもよい。バッファ層24上に、p−GaN層32(第1層の一例)と、SI(Semi Insulated)−GaN層62(中間層の一例)と、AlGaN層34(第2層の一例)が積層されている。
SI(Semi Insulated)−GaN層62は、p−GaN層32とAlGaN層34との間に介在している。p−GaN層32には、マグネシウム(Mg)がドーピングされている。AlGaN層34は、その半導体結晶にアルミニウム(Al)を含有しており、p−GaN層32やSI−GaN層62よりもバンドギャップが大きい。
ニッケル(Ni)と金(Au)の積層構造からなるゲート電極44が、AlGaN層34の表面側の紙面中央に直接的にショットキー接触して形成されている。ゲート電極44を挟んだ紙面左右の位置関係に、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造からなるドレイン電極42とソース電極46が、AlGaN層34に対してオーミック接触して形成されている。SI−GaN層62は実質的に真性半導体の層で形成されている。
【0025】
次に、この半導体装置の動作をエネルギーバンド図を参照して説明する。
図2に、
図1の要部断面図のII-II線に対応するエネルギーバンド図を示す。このエネルギーバンド図中に示される番号は、
図1に示す要部断面図の各層の番号に対応している。
図2(a)は、ゲート電極44に電圧が印加されていない状態であり、
図2(b)は、ゲート電極44に正電圧が印加されている状態である。
図2(a)に示すように、AlGaN層34のバンドギャップがp−GaN層32やSI−GaN層62よりも大きいことから、そのバンドギャップ差に基づいて、AlGaN層34とSI−GaN層62の接合界面のうちのSI−GaN層62側に、ポテンシャル井戸52が形成されている。このポテンシャル井戸52の電位レベルは、ゲート電極44が0Vのときはフェルミ準位(E
F)よりも上側に存在しており、2DEGが発生していない。したがって、ゲート電極44が0Vのときは、この半導体装置のドレイン電極42とソース電極46間に電流が流れない。即ち、ノーマリオフとして作動する。
【0026】
一方、
図2(b)に示すように、ゲート電極44に正電圧が印加されると、ポテンシャル井戸52が、フェルミ準位よりも下側に存在することになり、したがってこのポテンシャル井戸52内に2DEGが発生する。この2DEGはポテンシャル井戸52内に沿って2次元的に移動して、ドレイン電極42とソース電極46間を流れる。これにより、この半導体装置はオンとなる。
このとき、2DEGの電子は、不純物濃度が少ないSI−GaN層62に沿って移動する。したがって、電子が不純物によって散乱される確率は小さく、電子の移動度の大きい状態が実現される。
【0027】
なお、上記の半導体装置において、AlGaN層34とゲート電極44との間に、例えば酸化シリコン(SiO
2)からなる絶縁膜を介在させてもよい。絶縁膜を介在させると、ゲート電極44に正電圧が印加された場合に、ゲート電極44からAlGaN層34に向けて電流が流れる現象を禁止することができ、安定的な動作を実現することができる。
AlGaN層34には、n型不純物としてシリコン(Si)をドーピングしておくことが好ましい。AlGaN層34がn型であると、電子供給層として機能することから、オン抵抗をさらに低減させることができる。もっとも、AlGaN層34はp型でなければよく、SI(Semi Insulated)であってもよい。
【0028】
次に、
図1を参照して、この半導体装置の製造方法を説明する。
まずサファイア基板22を準備する。このサファイア基板22上に、低温下で有機金属気相エピタキシャル(MOCVD)法を用いて、バッファ層24を約50nmの膜厚で形成する。このとき、ガリウム原料としてトリメチルガリウム(TMGa)、窒素原料としてアンモニアガス(NH
3)を好適に利用することができる。
次に、このバッファ層24上に有機金属気相エピタキシャル法を用いて、p−GaN層32を約0.5μmの膜厚で形成する。このとき、ガリウム原料としてトリメチルガリウム(TMGa)、窒素原料としてアンモニアガス(NH
3)、ドーパント材料としてシクロペンタジエニルマグネシウム(CP2Mg)を好適に利用することができる。
次に、p−GaN層32上に有機金属気相エピタキシャル法を用いて、SI−GaN層62を約10nm(好ましくは5〜15nm)の膜厚で形成する。このとき、ガリウム原料としてトリメチルガリウム(TMGa)、窒素原料としてアンモニアガス(NH
3)を好適に利用することができる。また、このSI−GaN層62の不純物濃度が1×10
17cm
-3以下となるように形成するのが好ましい。このSI−GaN層62の膜厚は、形成されるポテンシャル井戸の範囲を充足していれば十分である。ポテンシャル井戸の幅は、利用される材料などによって変動するが、SI−GaN層62の膜厚は5〜15nmの範囲内であるのが好ましい。
次に、このSI−GaN層62上に有機金属気相エピタキシャル法を用いて、AlGaN層34を約25nmの膜厚で形成する。このとき、アルミニウム原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)、ガリウム原料としてトリメチルガリウム(TMGa)、窒素原料としてアンモニアガス(NH
3)を好適に利用することができる。なお、このAlGaN層34の成膜過程で、n型不純物としてモノシラン(SiH
4)を同時に利用し、AlGaN層34にn型不純物をドーピングしてもよい。
【0029】
次に、AlGaN層34の表面側に各種の電極を形成する工程を説明する。
まず、AlGaN層34上にチタン(Ti)とアルミニウム(Al)を順に蒸着する。その後に、フォト工程とエッチング技術を利用してドレイン電極42とソース電極46をパターニングする。パターニングした後に、RTA(Rapid Thermal Anneal)法によって550℃で30秒の熱処理を実施する。これにより、AlGaN層34に対するドレイン電極42とソース電極46の接触抵抗が低減され、オーミック接触が実現される。
次に、リフトオフ法を利用してゲート電極44を形成する。即ち、ゲート電極44を形成したい場所以外にレジスト膜を成膜した後に、ニッケル(Ni)と金(Au)を順に蒸着する。その後に、レジスト膜とともにそのレジスト膜上に形成されているニッケル(Ni)と金(Au)を剥離する。これにより、所望の位置関係にゲート電極44が形成される。
上記の工程を経て、第1実施例の半導体装置を形成することができる。
【0030】
上記の製造方法によると、バッファ層24上に形成されるp−GaN層32とSI−GaN層62にバンドギャップがないために、その層内に格子不整合などによる歪みが発生しない。なかでもSI−GaN層62が綺麗な結晶構造で形成されることから、このSI−GaN層62に沿って移動する2DEGの電子の移動度が大きくなる。したがってオン抵抗の小さい半導体装置を実現し易い。
【0031】
(第2実施例)
図3に、第2実施例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。
サファイア(Al
2O
3)の基板122上に、窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層124が形成されている。基板122には、サファイアに代えて炭化シリコン(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を利用してもよい。バッファ層124上に、p−GaN層132(第1層の一例)と、n−AlGaN層34(第2層の一例)が積層されている。
n−AlGaN層134にはシリコン(Si)がドーピングされている。なお、このn−AlGaN層134は、その半導体結晶にアルミニウム(Al)を含有しており、p−GaN層132よりもバンドギャップが大きい。
ニッケル(Ni)と金(Au)の積層構造からなるゲート電極144が、n−AlGaN層34の表面側の紙面中央に直接的にショットキー接触して形成されている。このゲート電極144を挟んだ紙面左右の位置関係に、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造からなるドレイン電極142とソース電極146が、オーミック接触して形成されている。
【0032】
この半導体装置のn−AlGaN層134がp−GaN層132と接合する界面におけるp−GaN層132の極性はN面(V族の面)となっている。したがって、p−GaN層132上に形成されているn−AlGaN層134は、その接合界面の極性がGa面(III族の面)となっている。これにより、n−AlGaN層134の自発分極電界は、GaN層132との接合界面から離反する方向(この例では紙面上方向)に発生している。
一方、よく知られているように、n−AlGaN層134は、GaN層132よりも小さな格子定数であることから、格子不整合によりn−AlGaN層134には引張り歪みが生じている。この引張り歪みに基づいて、n−AlGaN層134内には成長方向と逆方向にピエゾ分極電界が発生している。即ち、n−AlGaN層134のピエゾ分極電界は、GaN層132との接合界面に向かう方向(この例では紙面下方向)に発生している。第2実施例では、ピエゾ分極電界と自発分極電界の向きが逆向きで構成されている。
【0033】
自発分極電界とピエゾ分極電界の強さは、n−AlGaN層134に含有されているアルミニウム(Al)の組成比などによって変動するが、通常は自発分極電界の方がピエゾ分極電界よりも大きい。
したがって、本実施例のように、自発分極電界がピエゾ分極電界と逆方向となるように構成されている場合、この両者を重畳した分極電界の方向は自発分極電界の方向と一致する。即ち、n−AlGaN層134内の分極電界の方向は、GaN層132との接合界面から離れる方向(この例では紙面上方向)に発生している。
【0034】
従来から知られるこの種の半導体装置では、n−AlGaN層134に相当する半導体層の自発分極電界は、その下方に形成されているGaN層132との接合界面の方向に向かって発生していた。即ち、自発分極電界とピエゾ分極電界の両者の分極方向が同じであり、いずれもGaN層132との接合界面の方向に向かって発生していた。そのため、自発分極電界とピエゾ分極電界を重畳した分極電界の方向は、当然にGaN層132との接合界面の方向に向かって発生していた。なお、従来のこの種の半導体装置において、自発分極電界がGaN層132との接合界面の方向に向かって発生していたのは、次の理由からである。
まず第1に、従来のこの種の半導体装置では、GaN層132を形成する場合に有機金属気相エピタキシャル(MOCVD)法を用いて形成していた。有機金属気相エピタキシャル(MOCVD)法を用いてGaN層132を形成すると、その成長は必ずGa面で終了する。したがって、その上方に形成されるn−AlGaN層134は、N面から成長が始まるので、必然的に自発分極電界はGaN層132との接合界面の方向に向かって発生していた。
第2に従来の技術思想では、自発分極電界とピエゾ分極電界の方向を揃え、ともにGaN層132との接合界面の方向に向かって発生させることで、その界面近傍に形成されるポテンシャル井戸を深くし、2DEGの密度を向上させようとする傾向にあった。これらの理由から、従来のこの種の半導体装置では、自発分極電界がGaN層132との接合界面の方向に向かって発生していたのである。
しかしながら、この構成を採用すると、半導体装置をノーマリオフとして機能させる場合にその動作が不安定になるという問題がある。本実施例では、従来採用していた自発分極電界とピエゾ分極電界の配置関係とは異なる配置関係を敢えて採用することによって、安定的なノーマリオフ動作をする半導体装置の実現に成功している。
【0035】
次に、第2実施例の半導体装置の動作をエネルギーバンド図を参照して説明する。
図4に、
図3の要部断面図のIV-IV線に対応するエネルギーバンド図を示す。このエネルギーバンド図中に示される番号は、
図3に示す要部断面図の各層の番号に対応している。
図4(a)は、ゲート電極144に電圧が印加されていない状態であり、
図4(b)は、ゲート電極144に正電圧が印加されている状態である。
図4(a)に示すように、n−AlGaN層134のバンドギャップがp−GaN層132よりも大きいことから、この両層間の接合界面では、フェルミ準位を合わせるようにエネルギーバンドが曲げられる。本実施例では、n−AlGaN層134内のエネルギーバンドが、ゲート電極144側からGaN層132との接合界面に向かって上方向に傾斜して形成されていることが分かる。これは、n−AlGaN層134内の分極電界の方向がGaN層132との接合界面から離れる方向に発生していることに起因している。これにより、n−AlGaN層134内からGaN層132との接合界面近傍に向けて電子キャリアが供給される現象の発生が抑制される。したがって、この接合界面近傍に2DEGが発生することができないために、ゲート電極144が0Vのときは、ドレイン電極142とソース電極146間に電流が流れない。即ち、ノーマリオフとして作動する。
【0036】
一方、
図4(b)に示すように、ゲート電極144に正電圧が印加されると、ポテンシャル井戸152が発生するとともに、その電位レベルがフェルミ準位よりも下側に存在することになる。したがってこのポテンシャル井戸152内に2DEGが発生する。2DEGの電子は、ポテンシャル井戸152内に沿って2次元的に移動して、ドレイン電極142とソース電極146間を流れる。これにより、この半導体装置はオンとなる。
【0037】
上記の構成に代えて、n−AlGaN層134が実質的に不純物を含有していない真性半導体の層で形成されていてもよい。
同様に、p−GaN層132が実質的に不純物を含有していない真性半導体の層で形成されていてもよい。オン抵抗の小さい半導体装置を実現することができる。
【0038】
第2実施例の製造方法は、その大部分において第1実施例の製造技術を利用することができる。ただし、GaN層132を形成する場合は、有機金属気相エピタキシャル(MOCVD)法に代えて、例えば分子線エピタキシャル(MBE)法を利用するのが好ましい。有機金属気相エピタキシャル(MOCVD)法では、上記したように、その結晶成長がGa面で終了してしまう。一方、分子線エピタキシャル(MBE)法を利用すると、その製造条件などを適宜調整することで、結晶成長をN面で終了させることができる。これにより、第2実施例の半導体装置を製造することが可能となる。
【0039】
(第3実施例)
図5に、第3実施例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。
サファイア(Al
2O
3)の基板222上に、窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層224が形成されている。基板222には、サファイアに代えて炭化シリコン(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を利用してもよい。バッファ層24上に、p−GaN層32(第1層の一例)と、n−AlGaN層34(第2層の一例)と、p−AlGaN層235(表面層の一例)が積層されている。
p−GaN層232とp−AlGaN層235には、マグネシウム(Mg)がドーピングされている。p−AlGaN層235とn−AlGaN層233は、その半導体結晶にアルミニウム(Al)を含有しており、p−GaN層232よりもバンドギャップが大きい。
ニッケル(Ni)と金(Au)の積層構造からなるゲート電極244が、p−AlGaN層235の表面側の紙面中央に直接的にショットキー接触して形成されている。このゲート電極244を挟んだ紙面左右の位置関係に、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造からなるドレイン電極242とソース電極246が、オーミック接触して形成されている。
なお、p−GaN層232は、実質的に不純物を含有していない真性半導体の層で形成されていてもよい。この場合、この層に沿って移動する2DEGに対する不純物散乱が抑制されることから、2DEGの移動度を大きくすることができる。
【0040】
次に、第3実施例の半導体装置の動作をエネルギーバンド図を参照して説明する。
図6に、
図5の要部断面図のVI-VI線に対応するエネルギーバンド図を示す。このエネルギーバンド図中に示される番号は、
図5に示す要部断面図の各層の番号に対応している。
図6(a)は、ゲート電極244に電圧が印加されていない状態であり、
図5(b)は、ゲート電極244に正電圧が印加されている状態である。
図6(a)に示すように、ゲート電極244に電圧が印加されていない場合、n−AlGaN層233内に対して、p−GaN層232とp−AlGaN層235の両方から空乏層が伸びて形成される。そのため、
図6(a)中のn−AlGaN層233内のエネルギーバンドに示されるように、そのエネルギーバンドは傾斜するとともに、伝導体の下限はフェルミ準位よりも上側に存在することになる。したがって、p−GaN層232との接合界面近傍に2DEGが発生することができないために、ゲート電極244が0Vのときは、この半導体装置のドレイン電極242とソース電極246間に電流が流れない。即ち、ノーマリオフとして作動する。
【0041】
一方、
図6(b)に示すように、ゲート電極244に正電圧が印加されると、ポテンシャル井戸252が発生するとともに、その電位レベルがフェルミ準位よりも下側に存在することになる。したがってこのポテンシャル井戸252内に2DEGが発生する。2DEGの電子はポテンシャル井戸252内に沿って2次元的に移動して、ドレイン電極242とソース電極246間を流れる。これにより、この半導体装置はオンとなる。
【0042】
本実施例の半導体装置では、n−AlGaN層233とp−AlGaN層235を接合することにより、n−AlGaN層233とp−AlGaN層235が空乏化される。これにより、p−GaN層232とn−AlGaN層233とで形成されるポテンシャル井戸がフェルミ準位よりも上側に存在することになり、極めて安定的なノーマリオフ動作が実現される。
なお、このn−AlGaN層233が実質的に完全空乏化されるためには、次の関係式を満たすようにn−AlGaN層233とp−AlGaN層235が設定されているのが好ましい。
Xd<(2εNdVd/(qNa(Na+Nd)))
1/2 ・・・・(1)
Xa<(2εNaVd/(qNd(Na+Nd)))
1/2 ・・・・(2)
ここで、Xdはn−AlGaN層233の膜厚であり、Ndはn−AlGaN層233のドナー密度であり、Xaはp−AlGaN層235の膜厚であり、Naはp−AlGaN層235のアクセプタ密度であり、Vdはn−AlGaN層233とp−AlGaN層235で形成される拡散電位であり、εはGaN半導体結晶の誘電率であり、qは電子電荷の絶対値である。
【0043】
次に、第3実施例の半導体装置の変形例の一例を示す。
図7に、その変形例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。なお、第3実施例と略同一の構成要素に関しては同一番号を付してその説明を省略する。
図5の半導体装置と対比すると、本変形例の特徴が明瞭に理解できる。本変形例では、第3実施例のn−AlGaN層233(第2層の一例)とp−AlGaN層235(表面層)に相当するn−AlGaN層236、238(第2層の一例)とp−AlGaN層237、239(上部層)の繰返しが積層して形成されている。具体的には、第1のn−AlGaN層236上に第1のp−AlGaN層237が形成され、さらにその上に第2のn−AlGaN層238と第2のp−AlGaN層239が積層して形成されている。
【0044】
本変形例のように、積層構造を採用することで、電子供給層に相当する第1のn−AlGaN層236や第2のn−AlGaN層238が実質的に空乏化されることを促進することができる。したがって、安定的なノーマリオフ動作を実現し易い。
また、ノーマリオフを実現する範囲内で、積層構造内の第2層の不純物濃度を比較的高く構成することが可能となるので、電子供給能力が増大し、オン抵抗を低減し得る。
また、積層構造を採用することで、ゲート電極244に正電圧を印加した場合でも、積層構造内のpn接合が逆バイアスされて、ゲート電極244からの電流の流入を防止することができる。半導体装置の安定的な動作を実現し易い。
【0045】
第3実施例の半導体装置の製造方法は、その大部分において第1実施例の製造技術を利用して具現化することができる。
【0046】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。