特許第6096546号(P6096546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096546
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】桑茶の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/605 20060101AFI20170306BHJP
   A23F 3/06 20060101ALI20170306BHJP
   A23F 3/34 20060101ALI20170306BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20170306BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20170306BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   A61K36/605
   A23F3/06 S
   A23F3/34
   A61P3/10
   A61P9/12
   A61P3/02
   A61P3/02 101
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-57529(P2013-57529)
(22)【出願日】2013年3月21日
(65)【公開番号】特開2014-181220(P2014-181220A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】599132786
【氏名又は名称】浦添市
(73)【特許権者】
【識別番号】513068849
【氏名又は名称】公益社団法人浦添市シルバー人材センター
(73)【特許権者】
【識別番号】504237050
【氏名又は名称】独立行政法人国立高等専門学校機構
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】特許業務法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】普天間 樹
(72)【発明者】
【氏名】伊東 昌章
(72)【発明者】
【氏名】藏屋 英介
【審査官】 佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−219632(JP,A)
【文献】 特開2004−292404(JP,A)
【文献】 特開2011−074021(JP,A)
【文献】 特開平06−133732(JP,A)
【文献】 特開昭61−132164(JP,A)
【文献】 群馬県養蚕試験場研究報告, 桑茶の製造方法, 2002, Vol.8, pp.27-28
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00−36/9068
A23L 2/00− 2/40
A23F 3/00− 5/50
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
日経テレコン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細断した桑葉を蒸煮した後、乾燥し、これを焙煎する桑茶の製造であって、生桑葉の蒸煮を80ないし100℃の温度で、1ないし8分間行ない、焙煎を80〜120℃の温度で、10〜20分間行なうことを特徴とする桑茶の製造方法。
【請求項2】
乾燥を40〜80℃の温度で、8〜16時間行うことを特徴とする請求項1記載の桑茶の製造方法。
【請求項3】
桑葉がシマグワ(Morus australis Poir)である請求項1または2記載の桑茶の製造方法。
【請求項4】
得られた桑茶が煎茶様または抹茶様のものである請求項1ないしの何れかの項に記載の桑茶の製造方法。
【請求項5】
細断した生桑葉を80ないし100℃の温度で、1ないし8分間蒸煮し、次いでこれを乾燥し、80〜120℃の温度で、10〜20分間焙煎することにより得られる桑煎茶。
【請求項6】
生桑葉が、シマグワの桑葉である請求項記載の桑煎茶。
【請求項7】
細断した生桑葉を80ないし100℃の温度で、1ないし8分間蒸煮し、次いでこれを乾燥し、80〜120℃の温度で、10〜20分間焙煎した後、平均粒径20ないし40μmとなるまで粉砕することにより得られる桑抹茶。
【請求項8】
生桑葉が、シマグワの桑葉である請求項記載の桑抹茶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、桑茶の製造方法に関し、更に詳細には、原料である桑葉に含まれる有効成分量の低下を抑制しながら、その味覚を向上させた桑茶の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
桑葉は、古くは養蚕用飼料として広く利用されていたが、近年では養蚕用の需要が激減している。しかし一方、桑葉は漢方において、糖尿病の治療や血圧抑制に薬効を示すことが知られていることから、これを乾燥した後煎じて桑茶とし、これを健康増進等を目的に飲用することが行われている。
【0003】
これは、桑葉中には、タンパク、食物繊維や、各種のビタミン類、フラボノイド類、ポリフェノール類、植物ステロールなどの生理機能活性成分、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛などのミネラル、アミノ酸等を豊富に含有する他、1−デオキシノジリマイシン(DNJ)と呼ばれるα−グルコシダーゼ(AGH)の活性を阻害する物質が含まれているためである。
【0004】
これら成分のうち、DNJは、植物中では桑葉のみに含まれるといわれているが、特に、沖縄、奄美で成長する「シマグワ(Morus australis Poir)」の桑葉中での含有量が高く、本発明者らが調べたところでは、本土産の桑葉の2.5〜4倍もの量が含まれていた。
【0005】
上記のように桑葉は、健康目的の飲料として利用可能ではあるが、毎日飲用するには、単に健康によいだけでは不十分であり、その味覚も優れており、嗜好性が高いことも望まれている。
【0006】
ところで、単に桑葉を日干しや陰干しして乾燥させて得た桑茶は青臭くて特異な味があり、極めて飲みにくいものであるため、その青臭さや特異な味を除去するための方法が検討されている。例えば、特許文献1には、新鮮な桑の葉を蒸熱,揉捻処理した後,160〜280℃で攪拌(焙焼)する製造法が開示されている。
【0007】
このように焙焼した桑茶は、青臭さ等は若干改善されるものの、茶葉を焙焼した焙茶が有する香ばしい味や香りとは程遠いものであり、温かい時はまだしも、冷えると特異な味を呈し、飲用しがたいという問題がある。また、発酵茶として知られている紅茶やウーロン茶の製法を、そのまま桑の葉に適用しても青臭さが消失せず、味の改善にも効果がなかった。
【0008】
更に近年、桑の葉の青臭さや特異な味を取り除くための新たな技術が数多く報告されている(特許文献2から9)。しかしこれらの技術によっても、味覚の面で、あるいは有効成分の保持の点で、何れも十分といえるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平3−65167
【特許文献2】特開平5−153941
【特許文献3】特開平9−206019
【特許文献4】特開2002−95441
【特許文献5】特開2002−171918
【特許文献6】特開2006−101732
【特許文献7】特開2007−60908
【特許文献8】特開2007−89554
【特許文献9】特開2009−153530
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、桑葉に含まれる有効成分、特にDNJの含量低下を抑制しながら、その味覚が向上した桑茶の製造方法の提供をその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、桑の葉、特に沖縄等に生育するシマグワに着目し、これに含まれるDNJの分解を最小限に抑えつつ、風味の高い桑茶を得ることを目的として研究を行った。そして、この結果、目的とする桑茶を得るには、基本的に細断した桑葉を蒸煮した後、乾燥し、焙煎するという順序の方法が適切であることを知った。そして更に、桑茶が飲み物として優れた風味と、DNJの分解を防ぐことのできる条件を実験的に追求した結果、本発明を完成した。
【0012】
すなわち本発明は、細断した桑葉を蒸煮した後、乾燥し、これを焙煎する桑茶の製造であって、生桑葉の蒸煮を80ないし100℃の温度で、1ないし8分間行うことを特徴とする桑茶の製造方法である。
【0013】
また本発明は、焙煎を80〜120℃の温度で、10〜20分間行うことを特徴とする上記の桑茶の製造方法である。
【0014】
更に本発明は、乾燥を40〜80℃の温度で、8〜16時間行うことを特徴とする前記の桑茶の製造方法である。
【0015】
更にまた本発明は、桑葉がシマグワ(Morus australis Poir)である前記に記載の桑茶の製造方法である。
【0016】
また更に本発明は、上記に記載の方法により得られる桑煎茶および桑抹茶を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明方法により得られる桑茶は、極めて風味の良いものであり、しかも桑葉に特徴的な血糖値上昇抑制成分であるDNJをほぼそのまま維持したものである。従って、本発明方法で得られる桑茶の飲用により、桑葉に含まれる、タンパク、食物繊維や、生理機能活性成分、ミネラル、アミノ酸等を容易に摂取することができるので、手軽な健康飲料として利用できるものである。
【0018】
また、本発明方法で得られ桑茶、特にシマグワを原料とする桑茶は、DNJを豊富に含み、血糖値上昇抑制作用を有するので、糖尿病の患者や、糖尿病予備軍と呼ばれる人の日常的な飲料として極めて優れたものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の桑茶は、適切な大きさに切断した桑葉を蒸煮し、次いで乾燥後、焙煎することにより調製される。
【0020】
本発明において原料として使用される桑葉は、その品種に特に制約はなく、ロソウ(Morus lhou)、ヤマグワ(Morus bombycis)等、公知の品種の桑の葉を利用できる。しかしながら、DNJの含量が極めて多いという点から、シマグワ(Morus australis Poir)の葉を利用することが好ましい。
【0021】
原料となる桑葉は、まず、目視などにより枯れ葉などの付着した異物を取り除いた後、水洗いなどで洗浄する。次いでこれを適切な大きさに細断する。この細断は、桑葉の主葉脈に平行に、例えば幅10mm〜20mm程度の大きさの短冊状とすることが好ましい。
【0022】
次いで、この細断した葉を蒸煮する。この蒸煮は、市販の蒸し器(PE業務用角蒸器2段等)などの器具を用い、80〜100℃の範囲の温度で、1〜8分間の範囲で行う。この蒸煮のより好ましい条件は、85〜95℃の温度で、2〜6分間である。
【0023】
この蒸煮温度が低かったり、蒸煮時間が短かったりして蒸煮が不十分である場合は、桑葉に含まれる酵素が不活性化されないために起こる有機物の化学反応により、青臭みが残ったり、食味や色味の低下等の問題が生じる。逆に、蒸煮温度が高過ぎたり、蒸煮時間が長すぎたりした場合は、桑葉が赤味や蒸れ臭を持つことがあり、好ましくない。
【0024】
更に、このように蒸煮された桑葉は、乾燥され、水分が除去される。この乾燥は、風乾等の自然乾燥であってもよいが、工業的には乾燥機を用いる機械乾燥が好ましい。機械乾燥の場合の乾燥条件は、乾燥温度が40〜80℃程度、好ましくは、50〜70℃であり、乾燥時間が8〜16時間程度、好ましくは10〜14時間である。
【0025】
この乾燥温度が低すぎたり、乾燥時間が短かったりして乾燥が不十分である場合は、桑葉中に水分が残り、カビ等の発生の原因となることがある。
【0026】
このように乾燥された桑葉は、焙煎される。この焙煎は、市販の焙煎機(遠赤外線食品火入れ機 BAI-SEN 等)などの焙煎機を用い、80〜120℃程度の温度、好ましくは、90〜110℃の温度で、10〜20分間程度、好ましくは、12〜18分間行えばよい。
【0027】
この焙煎温度が低かったり、焙煎時間が短かったりして焙煎が不十分である場合は、香味や食味の低下等の問題が生じる。逆に、焙煎温度が高過ぎたり、焙煎時間が長すぎたりした場合は、色味や食味が低下すると共に焦げ臭が生じる場合があり好ましくない。
【0028】
以上のようにして得られる本発明の桑茶は、そのままで、あるいは更に、粒度分布測定機(レーザ回折式粒度分布測定装置 SALD-2200)等で測定した場合の平均粒径が20ないし40μm程度の微細粉末となるまで粉砕して最終的な製品とされる。
【0029】
まず、上記方法で得られた桑茶(以下、「桑煎茶」ということがある)をそのままで使用する場合は、この桑煎茶にその100〜200重量倍程度の、60〜90℃程度の熱水を加え、得られる熱水抽出物をそのまま飲用すればよい。この桑煎茶の態様で飲用した場合、桑茶の特有の甘みと風味が味わえると共に、桑煎茶中から滲出したDNJ等の有効成分を摂取することができる。
【0030】
一方、上記方法で得られた桑茶を微細粉末としたもの(以下、「桑抹茶」ということがある)は、そのまま水やお湯、あるいは牛乳や豆乳に懸濁させて飲用することができる。この桑抹茶の態様で飲用した場合は、桑茶から滲出する有効成分の他、桑茶に含まれている全ての有効成分を飲用することが可能であり、健康維持に極めて有効である。また、この桑抹茶は、上記のような飲用のみならず、これを食品素材として各種食品等に配合することもできる。特に、糖質が多い食品に有利に配合することができる。
【実施例】
【0031】
次に実施例を挙げ、本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。なお、以下の実施例において平均粒径は、粒度分布測定機(レーザ回折式粒度分布測定装置 SALD-2200)によって測定した値である。
【0032】
実 施 例 1
桑茶の製造:
浦添市で栽培したシマグワ(Morus australis Poir)の桑木から1〜2m程度の長さに生育した枝を刈り取り、その桑葉を傷つけないように摘み取る。この摘み取った桑葉から、目視により枯れ葉などの異物を取り除き、更にこれを水洗いすることにより、付着した汚れを除去する。
【0033】
上記のように洗浄した桑葉を、主葉脈と平行に、幅1cm程度の短冊状となるよう細断し、これを蒸煮する。蒸煮は、蒸し器(PE業務用角蒸器2段)に入れ、90℃の温度で、4分間行う。蒸し上がった細断桑葉は、室温(25℃)まで放冷した後、乾燥機(電気食品乾燥機 TE-10-AD)に入れ、60℃の温度で、12時間乾燥を行う。
【0034】
乾燥した桑葉は、焙煎機(遠赤外線食品火入れ機 BAI-SEN)中、100℃の温度で、15分間焙煎し、本発明桑茶1を得る。乾燥後、このものをそのまま包装容器に封入して、桑煎茶(本発明品1A)を得る。また、本発明桑茶1を、粉砕機(トルネードミル TM-25)を用いて平均粒径30μm程度まで粉砕し、桑抹茶(本発明品1B)を得る。
【0035】
実 施 例 2
実施例1における、蒸し時間を2分とする以外は、実施例1と同一にして、桑煎茶(本発明品2A)および桑抹茶(本発明品2B)を得る。
【0036】
実 施 例 3
実施例1における、蒸し時間を6分とする以外は、実施例1と同一にして、桑煎茶(本発明品3A)および桑抹茶(本発明品3B)を得る。
【0037】
比 較 例 1
実施例1において、焙煎温度を150℃とする以外は、実施例1と同一にして、桑煎茶(比較品1A)および桑抹茶(比較品1B)を得る。
【0038】
比 較 例 2
実施例1における、焙煎時間を150℃、焙煎時間を30分とする以外は、実施例1と同一にして、桑煎茶(比較品2A)および桑抹茶(比較品2B)を得る。
【0039】
試 験 例 1
味覚官能試験:
実施例1〜3および比較例1〜2で調製した桑煎茶(本発明品1A〜3Aおよび比較品1A〜2A)並びに桑抹茶(本発明品1B〜3Bおよび比較品1B〜2B)について、その味覚を8名のパネラーにより、下記基準で味と色味を評価した。この結果を表1に示す。
【0040】
評価基準:
評 点 : 内 容
◎ : 8名のパネラー中、7名以上が味および色味が良好と評価したもの。
○ : 8名のパネラー中、5〜6名が味および色味が良好と評価したもの。
△ : 8名のパネラー中、3〜4名が味および色味が良好と評価したもの。
× : 8名のパネラー中、2名以下が味および色味が良好と評価したもの。
【0041】
【表1】
【0042】
この結果から、味、色味の良い桑茶を得るには、焙煎が必要であることが示されると共に、30分以上の焙煎や150℃以上の焙煎では味、色味が低下することが示された。
【0043】
試 験 例 2
α−グルコシダーゼ阻害活性およびDNJ含量測定試験:
実施例1ないし3および比較例1ないし2で得た桑煎茶をマルチビーズショッカー(MB755HS 安井機械)により、1500rpmで60秒間処理、粉砕し、粉末を得た。この粉末100mgに1mLの80%エタノールを加え、室温で一晩抽出した。この抽出液を、10,000rpmで、30分間遠心分離し、その上清を回収して検体溶液とした。
【0044】
この溶液について、下記方法により、それらのα−グルコシダーゼ阻害活性を測定した

また、DNJについては、LC−MS法により、各検体溶液中の濃度を、前記DNJ標準溶液から下記方法で調製した溶液を使用して得た検量線を用い測定した。この結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
この結果から、150℃以上の焙煎では有効成分が低下することが明らかになった。
【0047】
[α―グルコシダーゼ阻害活性測定法]
(1)α−グルコシダーゼ酵素液の調製:
市販ラット小腸アセトン粉末(I1630−10 SIGMA)1gを10mLの蒸留水に懸濁させ、超音波破砕機(sonifier250 Branson)により氷冷しながら1分間の超音波処理を3回行なった。この懸濁液を10,000rpm、15分間遠心分離して遠心上清を回収し、これを−30℃で凍結保存した。この凍結保存物を、使用時に融解させ、α−グルコシダーゼ酵素液として使用した。
【0048】
(2)α−グルコシダーゼ阻害活性の測定:
70μLの0.1Mマレイン酸緩衝液(pH6.0)に10μLの0.5Mマルトース加えて混合する。これに、各検体試料10μlを加えて38℃で10分間プレインキュベートした後に、10μlの酵素溶液を加え、37℃で1時間恒温槽(CTU−Mini TAITEC)で反応させる。反応液に100μlの2.0Mのマレイン酸―トリスーNaOH緩衝液(pH7.4)を加えて反応を停止させる。
【0049】
この反応で遊離したグルコース量を、グルコースCII−テストワコー(和光純薬)により、波長550nmの吸光度をナイクロプレートリーダーで測定することにより定量した。なお、酵素阻害試験は反復試験を3回行い、阻害率(%)は次式により算出した。
【0050】
阻害率(%)=[((A−B)―(C−D)/(A−B))]×100
A:対照溶液の吸光度
B:対照溶液のブランクの吸光度
C:試料溶液の吸光度
D:試料溶液ブランクの吸光度
【0051】
[デオキシノジリマイシン標準液の調製]
1―デオキシノジリマイシン生化学用(和光)10mgを100%メタノールで溶解し、50mLの標準原液とした。この標準原液を100%メタノールで0.2、0.5、1、2および5μg/mLにそれぞれ希釈し、これを標準溶液として用いた。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明で得られた桑茶は、味、香味等の風味や、香味の良いものであると共に、桑葉が有する有効成分を多く含むものである。従って、嗜好性の高い飲料としてはもちろん、このものを他の食品素材等と組み合わせ、機能性のある食品とすることもできるものである。