(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096548
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】音響映像コンテンツのための視聴レベル設定方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/454 20110101AFI20170306BHJP
H04N 21/485 20110101ALI20170306BHJP
【FI】
H04N21/454
H04N21/485
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-62718(P2013-62718)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2013-201759(P2013-201759A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2016年3月23日
(31)【優先権主張番号】12305336.5
(32)【優先日】2012年3月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】フランク ボッタ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ガラルド
(72)【発明者】
【氏名】セドリック ペネット
(72)【発明者】
【氏名】クレア−エレーヌ デマティ
【審査官】
久保 光宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開平8−242440(JP,A)
【文献】
特表2000−502851(JP,A)
【文献】
大盛善啓,「ユーザ嗜好による映像オブジェクトのフィルタリング方式に関する考察」,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2004年 3月12日,Vol.103, No.739,第37〜42頁,ISSN:0913-5685
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N21/00−21/858
CSDB(日本国特許庁)
IEEEXplore(IEEE)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響映像コンテンツの視聴レベルを設定する方法であって、前記音響映像コンテンツは、それぞれが複数の視聴レベルに関連付けられた複数のフレームを含み、前記方法は、
前記複数のフレームから2つまたはそれ以上のフレームを表示するステップと、
前記表示されたフレームから1つのフレームを選択するステップと、
前記音響映像コンテンツの視聴レベルを、前記選択されたフレームに関連付けられた視聴レベルに設定するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記表示された2つまたはそれ以上のフレームからの1つのフレームは、前記音響映像コンテンツの音響映像セグメントに関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記音響映像コンテンツの前記音響映像セグメントは、コマンドの導入の後に、または前記表示するステップの後に再生される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記表示された2つまたはそれ以上のフレームからのいくつかのフレームは、前記音響映像コンテンツの音響映像セグメントにそれぞれ関連付けられている、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記音響映像セグメントは、前記表示するステップにおいて同時に再生される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記音響映像セグメントは、コマンドの導入と同時に再生される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のフレームの各々に関連付けられている前記視聴レベルが自動的に決定される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記複数のフレームの各々に関連付けられている前記視聴レベルが手動で入力される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記音響映像コンテンツに関する初期視聴レベルを設定するステップを含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記2つまたはそれ以上のフレームは、視聴レベルの増加順に表示される、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記2つまたはそれ以上のフレームに属しているフレームであって、前記初期視聴レベルよりも高い視聴レベルに関連付けられているフレームが不明瞭に表示される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記表示された2つまたはそれ以上のフレームの前記視聴レベルは、共通のカテゴリに関連付けられている、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
音響映像コンテンツの視聴レベルを設定するように構成されたシステムであって、前記音響映像コンテンツは、それぞれが複数の視聴レベルに関連付けられた複数のフレームを含み、前記システムは、
前記複数のフレームから2つまたはそれ以上のフレームを表示するように構成されたレンダリング部と、
前記複数のフレームから1つのフレームを選択し、前記音響映像コンテンツの視聴レベルを、前記選択されたフレームに関連付けられた視聴レベルに設定するように構成されたプロセッサと、
を含む、前記システム。
【請求項14】
前記表示された2つまたはそれ以上のフレームからの各フレームは、前記音響映像コンテンツの音響映像セグメントに関連付けられ、前記レンダリング部は、コマンドの導入の後に、または前記表示の後に、前記音響映像コンテンツの1つの前記音響映像セグメントを再生するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記表示された2つまたはそれ以上のフレームからの各フレームは、前記音響映像コンテンツの音響映像セグメントに関連付けられ、前記レンダリング部は、コマンドの導入の後に、または前記表示の後に、前記音響映像セグメントを同時に再生するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記音響映像コンテンツに関する初期視聴レベルを設定するように構成される、請求項13から15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
前記レンダリング部は、前記2つまたはそれ以上のフレームを視聴レベルの増加順に表示するように構成される、請求項13から15のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
前記レンダリング部は、前記2つまたはそれ以上のフレームに属しているフレームであって、前記初期視聴レベルよりも高い視聴レベルに関連付けられているフレームを不明瞭に表示するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペアレンタルコントロール支援の分野に関し、特に音響映像コンテンツに適用されるペアレンタルコントロール支援に関する。
【背景技術】
【0002】
子供が不適切な音響映像コンテンツを視聴するのを防ぐために、過去にいくつかの技術的解決法が提案されてきた。ある解決法は、視聴者が視聴しようとしているコンテンツが不快感を与える性質のものである可能性があることを視聴者に示すように、映像に重ね合わされるロゴを追加するものである。ロゴは、例えば米国映画協会(MPAA:Motion Picture Association of America)などの評価システムに従った評価を示すことができる。しかしながら、標準システムのように、採用される評価システムの正確さがどのようなものであっても、人は異なる感性を有しているので、必ずしも全ての人が同じ音響映像コンテンツに対して同じ評価を与えるとは限らない。その上、評価システムは最小公分母に過ぎない。理想的には、親が、音響映像コンテンツが自身の子供にとって適切かどうかについて意見を形成する前に全ての音響映像コンテンツを視聴するべきである。この場合の問題は、非常に多くの時間を要することであり、このことがこの解決法を非現実的なものにしている。しかしながら、このことは、音響映像コンテンツを評価するために音響映像コンテンツ自体がいかに重要であるかということを示している。「1枚の絵は1千の言葉に匹敵する」ということわざに基づいて、特許文献1に説明されている別の解決法は、例示のコンテンツに基づいてペアレンタルロックレベルを設定するものである。音響映像コンテンツ102の抽出された例がユーザに示され、その例示に基づいて、ユーザは、その音響映像コンテンツの視聴をブロックするか否かを決定する。音響映像コンテンツがそのメタデータに評価を含む場合には、この評価は将来の使用のために保持される。類似の評価を有する更なる音響映像コンテンツが
ブロードキャストされるとき、この音響映像コンテンツは自動的にブロックされる。この解決法は、親が、多数の複雑な評価の重要性を知る必要がないという利点を有する。なぜなら、例示のコンテンツがその重要性を親に直接的に示しているからである。しかしながら、例えばバイオレンスのスケールに対して、評価システムによって同様に評価された2つの音響映像コンテンツが、同一人によって異なって認識されることが起こり得る。また、音響映像コンテンツが全く評価されていないこともあり得る。このような場合、親は、全ての音響映像コンテンツを視聴するという古い解決法に戻らなければならないが、やはり、親にはそのようなことをする時間は無い。結局、親は、2つの解決法、すなわち、意見を形成するために全ての音響映像コンテンツを視聴することと、相対的に当てにならない評価システムに頼ることのいずれかを選択しなければならなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,684,240号明細書
【発明の概要】
【0004】
音響映像コンテンツの視聴レベルを設定するための方法が提案される。音響映像コンテンツは、複数の視聴レベルにそれぞれ関連付けられた複数のフレームを含み、この方法は、複数のフレームから2つまたはそれ以上のフレームを表示するステップと、表示されたフレームから1つのフレームを選択するステップと、音響映像コンテンツの視聴レベルを、選択されたフレームに関連付けられた視聴レベルに設定するステップと、を含む。
【0005】
この方法によれば、音響映像コンテンツを表すフレームの単一のビューが生成される。単一ビューにより、ユーザは設定すべき正しい視聴レベルをより速く決定を行うことができる。
【0006】
好ましくは、2つまたはそれ以上の表示されたフレームからの上記1つのフレームは、音響映像コンテンツの音響映像セグメントに関連付けられる。
【0007】
有利には、音響映像コンテンツの音響映像セグメントは、コマンドが導入されると、あるいは表示ステップの後に再生される。これは、関連付けられた視聴レベルが、ユーザが期待していたものに対応するか否かを、ユーザがより詳細な方法で確認するのを可能にする。
【0008】
有利には、2つまたはそれ以上の表示されたフレームからのいくつかフレームは、音響映像コンテンツの音響映像セグメントにそれぞれ関連付けられる。
【0009】
好ましくは、音響映像セグメントは、表示ステップの後、および任意選択でコマンドの導入の後、同時に再生される。
【0010】
任意選択で、フレームの各々に関連付けられた視聴レベルは自動的に決定される。あるいはまた、視聴レベルは手動で入力されても良い。
【0011】
有利には、当該方法は、初期視聴レベルを設定する先行ステップを含む。この初期視聴レベルは、次いで、ユーザによって、音響映像コンテンツのコンテンツを以前視聴した映像音声コンテンツのコンテンツと比較するのに使用され得る。
【0012】
好ましくは、2つまたはそれ以上のフレームが視聴レベルの増加順に表示される。かかる構成によれば、ユーザは、表示されるフレームの不快な範囲を素早く視認することができる。
【0013】
有利には、2つまたはそれ以上のフレームに属しているフレームであって、かつ初期視聴レベルよりの高い視聴レベルに関連付けられた1つのフレームが、ぼかして表示される。これにより、ユーザは、自身にとって過剰な不快感を与えるコンテンツに晒されることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明を実装することができるシステムを示す図である。
【
図2】バイオレンスレベルの基準に従って視聴レベルを設定することをできるユーザインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
より良い理解のために、本発明は、図面を参照しつつ、以下の実施例においてより詳細に説明される。本発明は記述された実施例に限定されず、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、特定された特徴を適宜組合せおよび/または変形することができる。
【0016】
図1は、本発明の使用を可能にするシステムを示す。受信機101は、音響映像コンテンツ102を受信する。音響映像コンテンツ102は、ネットワーク103(例えばインターネット)を介して受信機にリンクされたサーバに格納される。受信機はメモリ105を含む。このメモリ105は、受信された音響映像コンテンツ102を格納することができる。音響映像コンテンツ102を物理媒体104(例えばブルーレイディスク)に格納することもできる。メモリ105に格納された適切な命令のセットを受信した後、受信機は、音響映像コンテンツ102をレンダリングする前にデコードするのに好適なプロセッサ107を含む。任意選択で、受信機は、物理媒体104上に格納された音響映像コンテンツ102を読み出すのに適合されたメディアリーダ106(例えばブルーレイリーダ)を含む。当該システムは、音響映像コンテンツ102をレンダリングするための手段、例えばディスプレイ108および/またはラウドスピーカ109を含む。
【0017】
音響映像コンテンツ102は、視聴レベル202に関連付けられたフレームを含む。視聴レベル202は、音響映像コンテンツ102の一部分がどの程度不快であるかを示す目安である。視聴レベル202を、バイオレンスレベルに関連付けることができる。視聴レベル202を、視聴者に対して潜在的に不快感を与え得るものに実際に関連付けることができる。視聴レベル202は、音響映像コンテンツ102の画像、音声部分、字幕の文、またはこれらの組合せに基づくものとしることができる。視聴レベル202は、一側面において不快なコンテンツ(例えばバイオレンス、セックス、ホラー)のカテゴリと、別の側面において当該カテゴリに関連付けられた値(これは、例えば1から10の間に含まれる値とすることができる。この値が大きいほど、選択されたカテゴリに応じた関連するコンテンツがより不快なものであることを示す。)の組合せの形を取り得る。
【0019】
音響映像コンテンツ102は、視聴レベルにそれぞれ関連付けられている音響映像セグメントおよび/またはフレームを含むことができ、フレームおよびセグメントの双方が、音響映像コンテンツ102の一部または全体の不快さの程度を表すものと仮定される。視聴レベル202は、音響映像コンテンツ102について固有のものとすることができる。例えば、視聴レベル202は、音響映像コンテンツ102のメタデータの一部とすることができる。視聴レベル202は、音響映像コンテンツ102を生成する過程における非常に早い段階で、手動で注釈をつけられることもある。セグメントまたはフレームは、自動的な手法で視聴レベルに関連付けられ得る。仮に視聴レベル202が例えばバイオレンスのスケールに対応する場合、バイオレンスシーンに関連する音響映像セグメントおよび/またはフレームがバイオレンスのスケールに従って検知され、格付けされる。そのような検知を可能にする方法および技術は公知であり、例えば、Gongなどによる「Detecting Violent Scenes in Movies by Auditory and Visual Cue, 9
th Pacific Rim Conference on Multimedia, Natlcheng Kung Univ Tainan TAIWAN、DED 09-13, 2008, pp.317-326」に記載されている。
【0020】
いったん、音響映像コンテンツ102が受信機101によって受信されると、メモリ105に記憶されている“Watchning_level_setter”と称されるプログラムが、ユーザによる専用コマンドが導入されると、受信機のプロセッサ107によって実行される。“Watchning_level_setter”が音響映像コンテンツ102を解析すると、各々が視聴レベル202に関連付けられている少なくとも2つのフレームがディスプレイに表示される。ユーザは、専用コマンド203
“Select level”により、自身が設定したい視聴レベル202に対応するいずれかのフレームを選択することができる。フレームのピクチャ表現により、ユーザにとって、設定すべき視聴レベル102の正確さについて直観的な判断をすることがより容易になる。選択された視聴レベル202は、メモリ105に格納される。選択された視聴レベル202は、1つのプロファイルに関連付けられ得る。例えば、3人のユーザ、ユーザA、ユーザBおよびユーザCの各々が、メモリ105に記憶されている1つのプロファイルを有する場合、選択された視聴レベル202はユーザBおよびユーザCのプロファイルに関連付けられる。その結果、選択された視聴レベル202よりも高い視聴レベル202を有する選択対象の音響映像コンテンツ102は、ユーザBおよびユーザCによって視聴されない。これは、コンテンツがディスプレイ上に再生されるのを妨げることによってなされる。例えば、代替的な音響映像コンテンツ102がスクランブルされる。あるいはまた、“Offensive content(不快なコンテンツ)”というメッセージをディスプレイ上に表示することもできる。
【0021】
好ましくは、表示されたフレームを、不快さの増加順に表示することができる。例えば、これは、1つの軸に沿ってフレームが表示されることによってなされる。すなわち、あるフレームは低い視聴レベル202に対応する一方の端部側に配置され、あるフレームは高い視聴レベル202に対応する他方の端部側に配置される。かかる構成によれば、ユーザは、音響映像コンテンツ102の不快さの範囲の単一ビューを見ることができる。例えば、選択された基準がバイオレンスである場合、ユーザは音響映像コンテンツ102に含まれるバイオレンスの範囲の単一のビューを直ぐに得ることができる。これにより、ユーザは音響映像コンテンツ102に含まれるバイオレンスを表すフレームを見ることによって、確信を持って視聴レベル202を設定することができる。画像それ自体は、例えばMPAA評価などの評価がなされると、不快なコンテンツをより表すものとなる。
【0022】
好ましくは、表示されるフレームの各々は、音響映像コンテンツ102の音響映像セグメントにそれぞれ関連付けられる。任意選択で、音響映像コンテンツ102は、関連付けられて表示されるフレームの選択の際に再生される。音響映像セグメントを再生することの利点は、音響映像セグメントが1つのフレームよりも多くの情報を含むことである。その上、音響映像セグメントに関連付けられた音声が任意選択で再生されると、ユーザは音響映像コンテンツ102に含まれる不快な言葉に直接気付く。任意選択で、選択されたフレームに関連付けられる音響映像セグメントは、専用コマンド204が導入されると、再生される。
【0023】
好ましくは、全てのセグメントにそれぞれ関連付けられる音響映像セグメントは、同時に再生される。かかる動作により、ユーザは、自身が視聴レベルを設定したいレベルのシーンを直ちに見ることができる。任意選択で、音声はラウドスピーカにおいてミュートされる。これにより、ユーザは、一緒に再生される音声トラックに邪魔されること無く、音響映像コンテンツ102に含まれる不快さを評価することができる。同時再生は、フレームの表示ステップにおいて、または専用コマンドが導入されると、実行され得る。
【0024】
セグメントに関連付けられる視聴レベル202は、自動的に決定されても良い。これは、例えば、プログラム“Watchning_level_setter”の実行において行われる。このプログラム、特に、上述したGong等の上記文献の実装方法および技術は、音響映像コンテンツ102を解析する。ユーザは、例えばバイオレンス基準などの分野を入力する。バイオレンスシーンを代表するフレームが抽出され、視聴レベル202が抽出された各フレームに関連付けられる。
【0025】
任意選択で、音響映像コンテンツ102のセグメントに関連付けられる視聴レベル202は、手動で決定されても良い。これは、ユーザが音響映像コンテンツ102のコンテンツを良く知っているときに特に有効である。なぜなら、ユーザは、どのシーンが例えば暴力的であるかを既に知っており、ユーザは既に知っているシーンに視聴レベルを設定することをより直観的に行なうことができるからである。仮に、例えば、ユーザが映画“羊たちの沈黙”のシーンを思い出した場合、ユーザはいくつかのシーンを選択し、映画のフレームに視聴レベル202を設定することができる。例えばバイオレンスのような不快な分野だけでなく、フレームに関連付けられるこれらの視聴レベル202がメモリ105に記憶され得る。専用コマンドにより、ユーザはシーンを選択し、分野および値(例えば、シーン1に対応するフレーム、値5.75、バイオレンス)を選ぶ。これらの入力データはメモリ105に記憶されるので、それらを後に再使用することができる。ユーザが注釈をつけた音響映像コンテンツ102が多いほど、より多くのデータがメモリ105に記憶される。
【0026】
自動と手動の組合せによる注釈付けも可能である。
【0027】
任意選択で、例えば専用コマンドを用いて初期視聴レベル202を設定することができる。初期視聴レベル202を設定し、新しい音響映像コンテンツ102の解析を行うと、初期視聴レベル202よりも高い視聴レベル202を有する音響映像セグメントはブロックされ得る。
【0028】
任意選択で、視聴レベル202は、音響映像コンテンツ102全体に対して関連付けられても良い。例えば、[“バイオレント”8]に対応する視聴レベル202を、映画“羊たちの沈黙”に関連付けることができる。この視聴レベル202は、1から10までのスケール範囲で10が最も暴力的である場合において、映画“羊たちの沈黙”が、値“8”に対応する程度に暴力的であると考えられていることを意味する。
【0029】
任意選択で、フレームが表示されたときに、表示されたフレームの視聴レベル202よりも高い視聴レベル202を有する音響映像コンテンツ102の音響映像セグメントのパーセンテージを示す値が、音響映像コンテンツ102の解析中に決定され表示される。
【0030】
任意選択で、新しい音響映像コンテンツ102の導入部分において、初期視聴レベル202が設定されると、新しい音響映像コンテンツ102は解析され、音響映像セグメントに関連付けられるフレームが抽出される。フレームの視聴レベル202が初期視聴レベル202よりも高いフレームは不明瞭に表示されるように、これらのフレームの一部または全てが表示される。かかる動作により、ユーザは、自身を過剰に不快にさせるフレームまたは音響映像セグメントに晒されなくなる。
<付記1>
音響映像コンテンツの視聴レベルを設定する方法であって、前記音響映像コンテンツは、それぞれが複数の視聴レベルに関連付けられた複数のフレームを含み、前記方法は、
前記複数のフレームから2つまたはそれ以上のフレームを表示するステップと、
前記表示されたフレームから1つのフレームを選択するステップと、
前記音響映像コンテンツの視聴レベルを、前記選択されたフレームに関連付けられた視聴レベルに設定するステップと、
を含む、前記方法。
<付記2>
前記表示された2つまたはそれ以上のフレームからの1つのフレームは、前記音響映像コンテンツの音響映像セグメントに関連付けられる、付記1に記載の方法。
<付記3>
前記音響映像コンテンツの前記音響映像セグメントは、コマンドの導入の後に、または前記表示するステップの後に再生される、付記2に記載の方法。
<付記4>
前記表示された2つまたはそれ以上のフレームからのいくつかのフレームは、前記音響映像コンテンツの音響映像セグメントにそれぞれ関連付けられている、付記2に記載の方法。
<付記5>
前記音響映像セグメントは、前記表示するステップにおいて同時に再生される、付記4に記載の方法。
<付記6>
前記音響映像セグメントは、コマンドの導入と同時に再生される、付記4に記載の方法。
<付記7>
前記複数のフレームの各々に関連付けられている前記視聴レベルが自動的に決定される、付記1から6のいずれかに記載の方法。
<付記8>
前記複数のフレームの各々に関連付けられている前記視聴レベルが手動で入力される、付記1から6のいずれかに記載の方法。
<付記9>
初期視聴レベルを設定する先行ステップを含む、付記1から8のいずれかに記載の方法。
<付記10>
前記2つまたはそれ以上のフレームは、視聴レベルの増加順に表示される、付記1から8のいずれかに記載の方法。
<付記11>
前記2つまたはそれ以上のフレームに属しているフレームであって、前記初期視聴レベルよりも高い視聴レベルに関連付けられているフレームが不明瞭に表示される、付記9に記載の方法。