(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096551
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】ターボ冷凍機
(51)【国際特許分類】
F25B 1/053 20060101AFI20170306BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
F25B1/053 C
F25B1/00 387F
F25B1/00 389A
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-64981(P2013-64981)
(22)【出願日】2013年3月26日
(65)【公開番号】特開2014-190578(P2014-190578A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】503164502
【氏名又は名称】荏原冷熱システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】天野 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】大塚 晃一郎
【審査官】
西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭61−005578(JP,B2)
【文献】
特開2007−232353(JP,A)
【文献】
特開2005−024163(JP,A)
【文献】
特開昭61−180860(JP,A)
【文献】
特開平02−133758(JP,A)
【文献】
特開平06−317290(JP,A)
【文献】
特開昭57−038692(JP,A)
【文献】
実開昭55−020049(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第02541164(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 1/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷水から熱を奪って冷媒が蒸発し冷凍効果を発揮する蒸発器と、冷媒を羽根車によって圧縮するターボ圧縮機と、圧縮された冷媒ガスを冷却水で冷却して凝縮させる凝縮器とを備えたターボ冷凍機において、
ターボ圧縮機から吐出される冷媒ガスを駆動用ガスとして蒸発器に滞留する油を含んだ冷媒を吸引してターボ圧縮機の油タンクに回収するエジェクタと、
ターボ圧縮機からエジェクタに冷媒ガスを供給する冷媒供給配管に設置され、該冷媒供給配管を流れる冷媒ガスの圧力を制御する制御弁と、
前記制御弁の開度を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記ターボ圧縮機から前記エジェクタに供給される冷媒ガスの圧力(Pd)と前記蒸発器から前記エジェクタに吸引される冷媒の圧力(Pe)との圧力比(Pd/Pe)が所定値になるように前記制御弁の開度を制御することを特徴とするターボ冷凍機。
【請求項2】
エジェクタを複数個設け、エジェクタと前記ターボ圧縮機のサクションベーン二次側を配管で接続したことを特徴とする請求項1に記載のターボ冷凍機。
【請求項3】
前記圧力比(Pd/Pe)の所定値は、冷媒の種類により変わることを特徴とする請求項1に記載のターボ冷凍機。
【請求項4】
冷媒がR134aである場合、前記圧力比(Pd/Pe)の所定値は約1.7であることを特徴とする請求項3に記載のターボ冷凍機。
【請求項5】
前記ターボ圧縮機から前記エジェクタに供給される冷媒ガスの圧力は、前記冷媒供給配管において前記制御弁の下流側に設置された圧力センサにより測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のターボ冷凍機。
【請求項6】
前記蒸発器から前記エジェクタに吸引される冷媒の圧力(Pe)は、前記蒸発器に設置された圧力センサにより測定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のターボ冷凍機。
【請求項7】
前記蒸発器から前記エジェクタに吸引される冷媒の圧力(Pe)は、前記蒸発器と前記エジェクタとを接続する配管に設置された圧力センサにより測定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のターボ冷凍機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ冷凍機に係り、特に圧縮機の吐出ガスを駆動用ガスとしたエジェクタで蒸発器に滞留する油を含んだ冷媒を油タンクに回収する方式のターボ冷凍機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍空調装置などに利用されるターボ冷凍機は、冷媒を封入したクローズドシステムで構成され、冷水(被冷却流体)から熱を奪って冷媒が蒸発して冷凍効果を発揮する蒸発器と、前記蒸発器で蒸発した冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスにする圧縮機と、高圧の冷媒ガスを冷却水(冷却流体)で冷却して凝縮させる凝縮器と、前記凝縮した冷媒を減圧して膨張させる膨張弁(膨張機構)とを、冷媒配管によって連結して構成されている。そして、圧縮機として冷媒ガスを多段の羽根車によって多段に圧縮する多段圧縮機を用いた場合は、凝縮器と蒸発器の間の冷媒配管中に設置した中間冷却器であるエコノマイザで生じる冷媒ガスを圧縮機の中間段(多段の羽根車の中間部分)に導入することが行われている。
【0003】
ターボ冷凍機は高速回転体である圧縮機を有しており、圧縮機には、回転体を支持する軸受と、回転体を増速して所定の回転数を得るための増速機が設けられている。軸受と増速機には、フロン系冷媒と相溶性の油を給油して潤滑と冷却機能を維持している。油を保持する油タンク部は、冷媒系統への油の漏洩を防ぐためにターボ冷凍機の低圧部分に均圧管(油タンク均圧管)で均圧されている。
しかしながら、回転体の軸封部分や前述の均圧管(油タンク均圧管)を経由して一部の油が冷媒系統に漏洩することは完全には回避できない。冷媒系統への油の漏洩が継続すると、油タンクに保有する油が減少して軸受と増速機への給油が不可能となり、ターボ冷凍機の運転を継続することができなくなる。そのため、ターボ冷凍機においては、冷媒系統からの油回収機能が非常に重要な役割を果たす。
従来の油回収方法は、圧縮機の吐出ガスを駆動用ガスとしたエジェクタで油が最終的に滞留する蒸発器或いは圧縮機サクションベーン二次側から油を含んだ冷媒を油タンクに回収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭55−20049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来の油回収方法では、冷凍機のヘッド条件、すなわち、冷却水温度条件によってエジェクタの駆動圧力が決まるため、エジェクタの性能ピーク点での運転ができない場合があり、エジェクタの油回収機能を有効に活用できない。そのため、油タンクに油を充分に回収することができなくなり、油タンクに保有する油が減少して軸受と増速機への給油が不可能となり、ターボ冷凍機の運転を継続することができなくなるという問題がある。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、エジェクタの駆動用ガスの圧力制御を行うことにより、エジェクタの充分な油回収機能を確保して、冷凍機の安定した運転を継続できるターボ冷凍機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明の一態様は、冷水から熱を奪って冷媒が蒸発し冷凍効果を発揮する蒸発器と、冷媒を羽根車によって圧縮するターボ圧縮機と、圧縮された冷媒ガスを冷却水で冷却して凝縮させる凝縮器とを備えたターボ冷凍機において、ターボ圧縮機から吐出される冷媒ガスを駆動用ガスとして蒸発器に滞留する油を含んだ冷媒を吸引してターボ圧縮機の油タンクに回収するエジェクタと、ターボ圧縮機からエジェクタに冷媒ガスを供給する冷媒供給配管に設置され、該冷媒供給配管を流れる冷媒ガスの圧力を制御する制御弁と、前記制御弁の開度を制御する制御装置とを備え
、前記制御装置は、前記ターボ圧縮機から前記エジェクタに供給される冷媒ガスの圧力(Pd)と前記蒸発器から前記エジェクタに吸引される冷媒の圧力(Pe)との圧力比(Pd/Pe)が所定値になるように前記制御弁の開度を制御することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、ターボ圧縮機と凝縮器を接続する冷媒配管から分岐して冷媒をターボ圧縮機からエジェクタに導く冷媒供給配管が設置され、冷媒供給配管にはエジェクタの上流側に制御弁が設けられている。制御装置は、制御弁の開度を制御することによりエジェクタに供給される冷媒の圧力を制御する。これにより、エジェクタ吸引部における吸引圧力を制御することができる。したがって、エジェクタの性能ピーク点での運転が可能となるため、エジェクタの油回収機能を充分確保でき、冷凍機の安定した運転が可能となる。
本発明によれば、制御装置は、エジェクタの一般的な特性から性能ピーク点となる最適な、エジェクタ駆動圧力比Pd/Peとなるように制御弁の開度を制御する。
【0008】
本発明の好ましい態様は、エジェクタを複数個設け、エジェクタと前記ターボ圧縮機のサクションベーン二次側を配管で接続したことを特徴とする。
本発明によれば、ターボ冷凍器のサクションベーン二次側に滞留する油を含んだ冷媒を油タンクに回収できる。
【0010】
本発明の好ましい態様は、前記圧力比(Pd/Pe)の所定値は、冷媒の種類により変わることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、冷媒がR134aである場合、前記圧力比(Pd/Pe)の所定値は約1.7であることを特徴とする。
【0011】
本発明の好ましい態様は、前記ターボ圧縮機から前記エジェクタに供給される冷媒ガスの圧力は、前記冷媒供給配管において前記制御弁の下流側に設置された圧力センサにより測定することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記蒸発器から前記エジェクタに吸引される冷媒の圧力(Pe)は、前記蒸発器に設置された圧力センサにより測定することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記蒸発器から前記エジェクタに吸引される冷媒の圧力(Pe)は、前記蒸発器と前記エジェクタとを接続する配管に設置された圧力センサにより測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エジェクタの性能ピーク点となるエジェクタ圧力比で運転することで充分な油回収機能を確保して、油タンクに必要かつ充分な量の油を保有することが可能となり、冷凍機の安定した運転を継続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明に係るターボ冷凍機の実施形態を示す模式図である。
【
図2】
図2は、エジェクタの詳細構造を示す模式的断面図である。
【
図3】
図3は、エジェクタ駆動圧力比Pd/Peとエジェクタ吸引部の吸引圧力とで表されるエジェクタ性能を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るターボ冷凍機の実施形態を
図1乃至
図3を参照して説明する。
図1乃至
図3において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明に係るターボ冷凍機の実施形態を示す模式図である。
図1に示すように、ターボ冷凍機は、冷媒を圧縮するターボ圧縮機1と、圧縮された冷媒ガスを冷却水(冷却流体)で冷却して凝縮させる凝縮器2と、冷水(被冷却流体)から熱を奪って冷媒が蒸発し冷凍効果を発揮する蒸発器3と、凝縮器2と蒸発器3との間に配置される中間冷却器であるエコノマイザ4とを備え、これら各機器を冷媒が循環する冷媒配管5によって連結して構成されている。
【0015】
図1に示す実施形態においては、ターボ圧縮機1は多段ターボ圧縮機から構成されており、多段ターボ圧縮機は二段ターボ圧縮機からなり、一段目羽根車11と、二段目羽根車12と、これらの羽根車11,12を回転させる圧縮機モータ13とから構成されている。一段目羽根車11の吸込側には、冷媒ガスの羽根車11,12への吸込流量を調整するサクションベーン14が設けられている。ターボ圧縮機1は軸受や増速機を収容するギアケーシング15を備えており、ギアケーシング15の下部には軸受と増速機に給油するための油タンク16が設けられている。ギアケーシング15は油タンク均圧管17によってターボ圧縮機1の低圧部分に均圧されている。ターボ圧縮機1は、流路8によってエコノマイザ4と接続されており、エコノマイザ4で分離された冷媒ガスはターボ圧縮機1の多段の圧縮段(この例では2段)の中間部分(この例では一段目羽根車11と二段目羽根車12の間の部分)に導入されるようになっている。
【0016】
図1に示すように構成されたターボ冷凍機の冷凍サイクルでは、ターボ圧縮機1と凝縮器2と蒸発器3とエコノマイザ4とを冷媒が循環し、蒸発器3で得られる冷熱源で冷水が製造されて負荷に対応し、冷凍サイクル内に取り込まれた蒸発器3からの熱量およびモータ13から供給されるターボ圧縮機1の仕事に相当する熱量が凝縮器2に供給される冷却水に放出される。一方、エコノマイザ4にて分離された冷媒ガスはターボ圧縮機1の多段圧縮段の中間部分に導入され、一段目圧縮機からの冷媒ガスと合流して二段目圧縮機により圧縮される。2段圧縮単段エコノマイザサイクルによれば、エコノマイザ4による冷凍効果部分が付加されるので、その分だけ冷凍効果が増加し、エコノマイザ4を設置しない場合に比べて冷凍効果の高効率化を図ることができる。
【0017】
図1に示すように、ターボ圧縮機1と凝縮器2を接続する冷媒配管5から分岐して冷媒をターボ圧縮機1からエジェクタ20に導く冷媒供給配管5BPが設置されている。冷媒供給配管5BPには、エジェクタ20の上流側に電動式の制御弁21が設けられており、制御弁21の開度を制御することにより、エジェクタ20に供給される冷媒の圧力を制御できるようになっている。エジェクタ20の吐出側はギアケーシング15に接続されている。一方、蒸発器3およびターボ圧縮機1のサクションベーン二次側は、配管6を介してエジェクタ20に接続されている。冷媒供給配管5BPには、電動式の制御弁21の二次側において冷媒の圧力(エジェクタ駆動圧)を測定する圧力センサS1が設置されている。また、蒸発器3には蒸発器3内の圧力を測定する圧力センサS2が設置されている。電動式の制御弁21、圧力センサS1および圧力センサS2は、それぞれ制御装置10に接続されている。
【0018】
制御装置10には、圧力センサS1から冷媒の圧力(エジェクタ駆動圧)Pdが入力されて、圧力センサS2から蒸発器3の圧力Peが入力される。制御装置10は、ターボ圧縮機1からエジェクタ20に供給される冷媒ガスの圧力(Pd)と蒸発器3からエジェクタ20に吸引される冷媒の圧力(Pe)との圧力比であるエジェクタ駆動圧力比Pd/Peを演算し、演算値に基づいて電動式の制御弁21の開度を制御し、エジェクタ駆動圧力比Pd/Peが所定値になるように、エジェクタ20に供給される冷媒の圧力を制御するように構成されている。なお、蒸発器3からエジェクタ20に吸引される冷媒の圧力(Pe)は、蒸発器3とエジェクタ20とを接続する配管6に設置した圧力センサにより測定してもよい。
【0019】
図2は、エジェクタ20の詳細構造を示す模式的断面図である。
図2に示すように、エジェクタ20は概略T字状の形状を有し、エジェクタ20にはターボ圧縮機1から延びる配管と油タンクに延びる配管とが一直線上に位置するように接続され、これら2つの配管に対して略垂直に蒸発器3およびターボ圧縮機1のサクションベーン二次側から延びる配管が接続されている。エジェクタ20内には、ノズル20nとディフューザ20dとの間にエジェクタ吸引部20sが形成されている。
【0020】
制御装置10は、電動式の制御弁21の開度を制御することにより、
図2に示すように構成されたエジェクタ20へ供給される冷媒ガスの圧力を制御するようになっている。すなわち、制御装置10は、エジェクタの一般的な特性から性能ピーク点となる最適な、エジェクタ駆動圧力比Pd/Peとなるように電動式の制御弁21を開閉制御する。
【0021】
図3は、エジェクタ駆動圧力比Pd/Peとエジェクタ吸引部の吸引圧力とで表されるエジェクタ性能を示すグラフである。
図3に示すエジェクタ吸引部の吸引圧力の極小点がエジェクタの性能ピーク点であり、この性能ピーク点は、実験的にエジェクタ駆動圧力比Pd/Pe=1.7程度である。具体例を言うと、冷媒をR134aとした場合、冷水出口温度7℃、冷却水出口温度37℃の一般的な空調温度条件では、蒸発圧力が360kPa・A、凝縮圧力すなわち吐出圧力が960kPa・A程度となり、エジェクタ駆動圧力比は、おおよそ2.7と過剰となる。この場合、エジェクタの性能ピーク点から実際の運転点がずれてしまうため、前述のような油回収機能不全の課題が表出する。
【0022】
本発明においては、前述の電動式の制御弁21を閉動作させて、電動式の制御弁21の二次側の圧力、すなわちエジェクタ20のエジェクタ駆動圧Pdを低下させて、エジェクタ駆動圧力比Pd/Peを1.7程度とさせる。冷水出口温度7℃固定で冬期,中間期などの低冷却水温度条件の場合は、エジェクタ駆動圧力比Pd/Peが1.7を下回る場合がある。この場合、電動式の制御弁21を全開としてエジェクタ駆動圧力比の過剰な低下を回避する制御も設ける。
【0023】
本発明によれば、ターボ圧縮機1からエジェクタ20に供給される冷媒ガスの圧力(Pd)と蒸発器3からエジェクタ20に吸引される冷媒の圧力(Pe)との圧力比であるエジェクタ駆動圧力比Pd/Peを演算し、演算値に基づいて電動式の制御弁21の開度を制御し、エジェクタ駆動圧力比Pd/Peが所定値になるように、エジェクタ20に供給される冷媒の圧力(P
d)を制御する。これにより、エジェクタ20の性能ピーク点での運転が可能となるため、エジェクタ20の油回収機能を充分確保でき、冷凍機の安定した運転が可能となる。
【0024】
図1においては、エジェクタ20を1個設ける例を示したが、エジェクタ20を複数個設け、一つのエジェクタ20を配管で蒸発器3に接続し、他の一つのエジェクタ20を配管でターボ圧縮機のサクションベーン二次側に接続してもよい。すなわち、各エジェクタ20は、蒸発器3とターボ圧縮機のサクションベーン二次側の各箇所から個別に油回収を行うようになっている。この場合、各エジェクタ20に供給される駆動用ガスとしての冷媒ガスの圧力を制御弁で制御する構成は、上述したとおりである。
【0025】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0026】
1 ターボ圧縮機
2 凝縮器
3 蒸発器
4 エコノマイザ
5 冷媒配管
5BP 冷媒供給配管
6 配管
8 流路
10 制御装置
11 一段目羽根車
12 二段目羽根車
13 圧縮機モータ
14 サクションベーン
15 ギアケーシング
16 油タンク
17 均圧管
20 エジェクタ
20d ディフューザ
20n ノズル
20s エジェクタ吸引部
21 電動式の制御弁
S1 圧力センサ
S2 圧力センサ