特許第6096566号(P6096566)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6096566ネットワーク合唱における演奏開始同期システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096566
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】ネットワーク合唱における演奏開始同期システム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20170306BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
   G10K15/02
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-75467(P2013-75467)
(22)【出願日】2013年3月30日
(65)【公開番号】特開2014-199373(P2014-199373A)
(43)【公開日】2014年10月23日
【審査請求日】2016年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】穴見 尚司
【審査官】 千本 潤介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−094284(JP,A)
【文献】 特開2007−148004(JP,A)
【文献】 特開平10−039879(JP,A)
【文献】 特開2007−279772(JP,A)
【文献】 特開2008−310265(JP,A)
【文献】 特開平07−210182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
G10K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続された複数のカラオケ演奏端末において、同一のカラオケ楽曲を同時に演奏するとともに、各カラオケ演奏端末で入力された歌唱音声を他のカラオケ演奏端末へ送信してネットワーク合唱を行う機能を有し、各カラオケ演奏端末における前記カラオケ楽曲の予約順序を調整可能であるとともに、前記カラオケ楽曲を同時に演奏開始するためのシステムであって、予約管理手段と、予約楽曲通知手段と、合唱指定楽曲予約順序調整手段と、合唱モード移行手段と、合唱モード移行通知手段と、演奏開始指示許可手段と、を備え、
前記予約管理手段は、利用者により任意のカラオケ楽曲の選曲指示が行われると、少なくとも当該カラオケ楽曲の楽曲識別情報を予約待ち行列に登録して管理し、
前記予約楽曲通知手段は、前記選曲指示が行われたカラオケ楽曲がネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲である場合に、前記予約管理手段にて管理されている各カラオケ楽曲の楽曲識別情報及びその登録順序を、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末に通知し、
前記合唱指定楽曲予約順序調整手段は、前記予約管理手段にてネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲を前記予約待ち行列に登録する際に、自らの前記予約管理手段にて管理されている各予約楽曲の予約順序及びその演奏時間と、前記他のカラオケ演奏端末から通知された各予約楽曲の予約順序及びその演奏時間とに基づいて、自らのカラオケ演奏端末における各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間と、他のカラオケ演奏端末における各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間との差が所定の基準値以下となる予約楽曲の次に、前記ネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲を登録させ、
前記合唱モード移行手段は、前記ネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲が前記予約待ち行列の先頭となった場合に、演奏開始指示を待って当該カラオケ楽曲の演奏を開始する合唱モードへ移行し、
前記合唱モード移行通知手段は、前記合唱モードへ移行した場合に、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末に合唱モード移行信号を発信して、合唱モードに移行したことを通知し、
前記演奏開始指示許可手段は、ネットワーク合唱を行うすべてのカラオケ演奏端末が前記合唱モード移行信号を発信したことを検知した後に、前記ネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲の演奏開始指示信号の発信を許可する、
ことを特徴とするネットワーク合唱における演奏開始同期システム。
【請求項2】
前記予約楽曲通知手段は、前記選曲指示が行われたカラオケ楽曲がネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲である場合に、前記予約管理手段にて管理されている各カラオケ楽曲の楽曲識別情報及びその登録順序と、現に演奏されているカラオケ楽曲の残演奏時間を、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末に通知し、
前記合唱指定楽曲予約順序調整手段は、現に演奏されているカラオケ楽曲の残演奏時間を当該カラオケ楽曲の演奏時間とするとともに、当該カラオケ楽曲を前記予約管理手段にて管理されている各予約楽曲の先頭とみなす、
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク合唱における演奏開始同期システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク合唱における演奏開始同期システムに関するものであり、例えば、ネットワークを介して相互に接続されているカラオケ演奏端末を用いてデュエットを行う際に、各カラオケ演奏端末における楽曲予約順序を調整して、各カラオケ演奏端末で同時にデュエット楽曲の演奏を開始させることが可能なシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク接続されたカラオケシステムには、異なるカラオケ演奏端末間において、複数の歌唱者によるネットワーク合唱(例えば、デュエット)を行う機能を有しているものがある。このネットワーク合唱機能を有するカラオケシステムでは、ネットワーク合唱を所望する利用者間の合意に基づき、同一のカラオケ楽曲について、同時に演奏が開始され、各カラオケ演奏端末では、合唱相手の歌唱音声や歌唱姿態を視聴することができる。
【0003】
ネットワーク接続された複数のカラオケ演奏端末において、同一のカラオケ楽曲を同時期に演奏することができる技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術は、コンピュータを内蔵したカラオケ装置を、複数台連ねてホストコンピュータに接続し、コンピュータは、通信制御装置、CPU、採点部、I/Oインタフェースを備えており、再生装置が接続されている。また、再生装置には、曲目選択装置、アンプ、スピーカ、マイク、ディスプレイが接続されている。カラオケ装置を、ホストコンピュータの通信制御装置を介してCPUに接続し、CPUには、I/Oインタフェースを介して採点結果格納部、アクセス制御部、採点表作成部、同期演奏制御部を接続することにより、カラオケ装置相互間で採点結果を比較するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−210182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、デュエット曲等を別個のカラオケ演奏端末で同時に演奏して歌唱を楽しむためには、各カラオケ演奏端末の利用者が違和感を覚えないように、それぞれのカラオケ演奏端末における演奏開始タイミングを略一致させる必要がある。さらに、各カラオケ演奏端末では、それぞれ別個に選曲予約が行われており、既に複数のカラオケ楽曲が選曲予約されている場合には、各カラオケ演奏端末においてデュエット曲等の演奏順序を調整する必要がある。
【0006】
例えば、2台のカラオケ演奏端末でデュエット(ネットワーク合唱)を行う場合に、一方のカラオケ演奏端末では既に5曲の予約があり、他方のカラオケ演奏端末では既に3曲の予約があったとする。この場合、一方のカラオケ演奏端末において既に予約された5曲の演奏が終了するのを待って、両カラオケ演奏端末においてデュエット(ネットワーク合唱)を開始したのでは、他方のカラオケ演奏端末において、両者の予約楽曲数の差分である約2曲分の演奏時間だけ何もできないことになる。したがって、両カラオケ演奏端末において利用者に不快感や焦燥感を与えないように、デュエット(ネットワーク合唱)を開始するタイミングを調整する必要がある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、複数のカラオケ演奏端末がネットワーク接続されたカラオケシステムでネットワーク合唱を行う際に、各カラオケ演奏端末においてネットワーク合唱を行うためのカラオケ楽曲の予約順序を調整して、効率よくネットワーク合唱を行うことが可能なネットワーク合唱における演奏開始同期システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のネットワーク合唱における演奏開始同期システムは、上述した目的を達成するために提案されたもので、以下の特徴を有している。すなわち、本発明のネットワーク合唱における演奏開始同期システムは、ネットワーク接続された複数のカラオケ演奏端末において、同一のカラオケ楽曲を同時に演奏するとともに、各カラオケ演奏端末で入力された歌唱音声を他のカラオケ演奏端末へ送信してネットワーク合唱を行う機能を有し、各カラオケ演奏端末におけるカラオケ楽曲の予約順序を調整可能であるとともに、カラオケ楽曲を同時に演奏開始するためのシステムであって、予約管理手段と、予約楽曲通知手段と、合唱指定楽曲予約順序調整手段と、合唱モード移行手段と、合唱モード移行通知手段と、演奏開始指示許可手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
各手段は、それぞれ各カラオケ演奏端末が備える手段である。予約管理手段は、利用者により任意のカラオケ楽曲の選曲指示が行われると、少なくとも当該カラオケ楽曲の楽曲識別情報を予約待ち行列に登録して管理するための手段である。予約楽曲通知手段は、選曲指示が行われたカラオケ楽曲がネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲(ネットワーク合唱楽曲)である場合に、予約管理手段にて管理されている各カラオケ楽曲の楽曲識別情報及びその登録順序を、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末に通知するための手段である。なお、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末に通知する情報に、現に演奏されているカラオケ楽曲の残演奏時間を含めてもよい。
【0010】
合唱指定楽曲予約順序調整手段は、予約管理手段にてネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲(ネットワーク合唱楽曲)を予約待ち行列に登録する際に、自らの予約管理手段にて管理されている各予約楽曲の予約順序及びその演奏時間と、他のカラオケ演奏端末から通知された各予約楽曲の予約順序及びその演奏時間とに基づいて、自らのカラオケ演奏端末における各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間と、他のカラオケ演奏端末における各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間との差が所定の基準値以下となる予約楽曲の次に、ネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲(ネットワーク合唱楽曲)を登録させるための手段である。
【0011】
この際、現に演奏されているカラオケ楽曲の残演奏時間を当該カラオケ楽曲の演奏時間とするとともに、当該カラオケ楽曲を予約管理手段にて管理されている各予約楽曲の先頭とみなして、ネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲の予約順序を調整してもよい。
【0012】
合唱モード移行手段は、ネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲(ネットワーク合唱楽曲)が予約待ち行列の先頭となった場合に、演奏開始指示を待って当該カラオケ楽曲の演奏を開始する合唱モードへ移行するための手段である。合唱モード移行通知手段は、合唱モードへ移行した場合に、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末に合唱モード移行信号を発信して、合唱モードに移行したことを通知するための手段である。
【0013】
演奏開始指示許可手段は、ネットワーク合唱を行うすべてのカラオケ演奏端末が合唱モード移行信号を発信したことを検知した後に、ネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲(ネットワーク合唱楽曲)の演奏開始指示信号の発信を許可するための手段である。
【0014】
このような構成からなるネットワーク合唱における演奏開始同期システムでは、予め、ネットワーク接続された複数のカラオケ演奏端末の利用者同士でネットワーク合唱を行う旨の同意を行い、それぞれのカラオケ演奏端末を識別するための端末識別情報を記憶しており、さらに、ネットワーク合唱楽曲を識別するための楽曲識別情報についても合意が成立していることを前提として、本発明により実現されるネットワーク合唱を行うための機能を利用する。
【0015】
また、カラオケ楽曲の選曲予約はカラオケリモコン装置を用いて行うものとし、各カラオケ演奏端末は、選曲予約を行うためのカラオケリモコン装置とそれぞれペアリングされているものとする。さらに、各カラオケ演奏端末及び各カラオケリモコン装置は、通信ネットワークを介して他のカラオケ演奏端末又はカラオケリモコン装置と通信可能であり、これらの装置との間で種々のデータを送受信できるものとする。
【0016】
本発明のネットワーク合唱における演奏開始同期システムでは、例えば、各カラオケ演奏端末とペアリングされたカラオケリモコン装置を用いて選曲予約を行う。また、ネットワーク合唱を行うための機能を用いて、通信ネットワークで接続されたカラオケ演奏端末同士で、予め、ネットワーク合唱を行うカラオケ演奏端末(例えば、演奏端末ID)を認識するためにデータ交換を行う。さらに、ネットワーク合唱楽曲を識別するための楽曲識別情報(例えば、楽曲ID)についても、各カラオケ演奏端末においてデータ交換を行う。
【0017】
ネットワーク合唱を行う各カラオケ演奏端末では、予約管理手段の機能により、予約楽曲を予約待ち行列にて管理するが、この際、少なくとも当該予約楽曲の楽曲識別情報を予約順に並べて予約待ち行列を生成する。各予約楽曲の演奏時間は、例えば、楽曲識別情報に基づいて楽曲データベースを参照することにより取得することができるが、予約待ち行列において、楽曲識別情報に当該楽曲識別情報で特定されるカラオケ楽曲の演奏時間を関連付けて管理してもよい。
【0018】
そして、予約楽曲通知手段の機能により、選曲指示が行われたカラオケ楽曲がネットワーク合唱楽曲である場合に、予約管理手段にて管理されている各カラオケ楽曲の楽曲識別情報及びその登録順序を、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末に通知する。これにより、ネットワーク合唱を行う各カラオケ演奏端末では、他のカラオケ演奏端末における予約楽曲の予約順序を取得することができる。なお、上述したように、各予約楽曲の演奏時間は、例えば、楽曲識別情報に基づいて楽曲データベースを参照することにより取得することができる。また、予約楽曲通知手段の機能により通知する情報に、現に演奏されているカラオケ楽曲の残演奏時間を含めてもよい。
【0019】
そして、ネットワーク合唱を行う各カラオケ演奏端末では、合唱指定楽曲予約順序調整手段の機能により、ネットワーク合唱楽曲を予約待ち行列に登録する際に、予約順序の調整を行う。
【0020】
すなわち、自らの予約管理手段にて管理されている各予約楽曲の予約順序及びその演奏時間と、他のカラオケ演奏端末から通知された各予約楽曲の予約順序及びその演奏時間とに基づいて、所定の演算処理を行う。そして、自らのカラオケ演奏端末における各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間と、他のカラオケ演奏端末における各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間との差が所定の基準値以下となる予約楽曲の次に、ネットワーク合唱楽曲を登録(割り込み予約)させる。この際、各カラオケ演奏端末において、現に演奏している予約楽曲の残演奏時間を考慮して、それぞれの合計演奏時間を求めてもよい。
【0021】
例えば、予約待ち行列に登録されている予約楽曲の演奏時間を先頭側から降順に、順次加算してゆき、自らのカラオケ演奏端末における合計演奏時間と、他のカラオケ演奏端末における合計演奏時間とを比較し、その差が所定の時間以下(例えば、30秒以下)となった場合に、最後に演奏時間を加算した予約楽曲の次に、ネットワーク合唱楽曲を割り込み予約させる。また、各カラオケ演奏端末におけるすべての予約楽曲の演奏時間について、順次加算を行い、自らのカラオケ演奏端末における合計演奏時間と、他のカラオケ演奏端末における合計演奏時間との差が最小となった予約楽曲の次に、ネットワーク合唱楽曲を割り込み予約させてもよい。
【0022】
上述した演算は、各カラオケ演奏端末において同一のアルゴリズムを用いて実施されるため、各カラオケ演奏端末では、演奏待ち時間が略同一となるようにして、ネットワーク合唱楽曲を予約待ち行列に登録して管理することができる。
【0023】
そして、各カラオケ演奏端末においてネットワーク合唱楽曲が予約待ち行列の先頭となると、合唱モード移行手段の機能により、合唱モード(単曲モード)へ移行する。なお、合唱モード(単極モード)とは、カラオケ楽曲の演奏を自動的に開始せずに、所定の演奏開始指示があったことを条件として、当該カラオケ楽曲の演奏を開始するモードである。
【0024】
その後、合唱モード移行通知手段の機能により、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末に対して合唱モード移行信号を発信して、合唱モードに移行したことを通知する。合唱モード(単曲モード)に移行した各カラオケ演奏端末では、演奏開始指示許可手段の機能により、ネットワーク合唱を行うすべてのカラオケ演奏端末が演奏終了信号を発信したことを検知した後に、ネットワーク合唱楽曲の演奏開始指示信号の発信を許可する。
【0025】
この場合、演奏開始の主導権を持つカラオケ演奏端末は、ネットワーク合唱を行ういずれのカラオケ演奏端末であってもよいが、例えば、予め(主導権を有する)メインのカラオケ演奏端末として設定されたカラオケ演奏端末を決定しておくことができる。
【0026】
演奏開始指示信号の発信が許可されて演奏開始信号が発信されると、ネットワーク合唱を行うすべてのカラオケ演奏端末において、ネットワーク合唱楽曲の演奏が同時に開始する。
【発明の効果】
【0027】
本発明のネットワーク合唱における演奏開始同期システムによれば、ネットワーク合唱楽曲を予約待ち行列に登録する際に、各カラオケ演奏端末において既に予約待ち行列に登録されている予約楽曲の予約順序及び演奏時間に基づいて、ネットワーク合唱を行うすべてのカラオケ演奏端末において、演奏待ち時間の差が小さくなるように予約順序を決定している。
【0028】
したがって、各カラオケ演奏端末では、ネットワーク合唱楽曲が演奏されるまでの待ち時間の差が小さくなり、ネットワーク合唱を行うカラオケ演奏端末の間で待ち時間に不公平が生じることがない。また、ネットワーク合唱楽曲の予約順序が適切なものとなるので、利用者に対して不快感や焦燥感を与えることがなく、ネットワーク合唱の楽しさをより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態に係るネットワーク合唱における演奏開始同期システムを適用したカラオケ演奏端末の構成を示すブロック図。
図2】ネットワーク合唱における演奏開始の同期手順を示すタイミングチャート。
図3】ネットワーク合唱における演奏開始の同期手順を示すタイミングチャート。
図4】ネットワーク合唱における予約順序調整の手順を示す概念図(1)。
図5】ネットワーク合唱における予約順序調整の手順を示す概念図(2)。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明のネットワーク合唱における演奏開始同期システム(以下、演奏開始同期システムと略記する)の実施形態について説明する。図1図5は本発明の実施形態に係る演奏開始同期システムを示すもので、図1は演奏開始同期システムを適用したカラオケ演奏端末の構成を示すブロック図、図2及び図3は演奏開始の同期手順を示すタイミングチャート、図4及び図5は予約順序調整の手順を示す概念図である。
【0031】
<システムの概要>
本発明の実施形態に係る演奏開始同期システムは、ネットワーク接続された複数のカラオケ演奏端末において、同一のカラオケ楽曲(ネットワーク合唱楽曲)を同時に演奏するとともに、各カラオケ演奏端末で入力された歌唱音声を他のカラオケ演奏端末へ送信してネットワーク合唱を行う機能を有し、各カラオケ演奏端末におけるカラオケ楽曲の予約順序を調整可能であるとともに、同一のカラオケ楽曲(ネットワーク合唱楽曲)を同時に演奏開始するためのシステムである。
【0032】
なお、本実施形態で説明するカラオケ楽曲とは、楽曲識別情報(例えば、楽曲ID)で特定されるカラオケ楽曲のことである。すなわち、同じ名称のカラオケ楽曲であっても、アーティスト、歌詞、アレンジ等により、複数のバージョンが存在する場合があり、本実施形態では、これらのカラオケ楽曲を区別して扱っている。
【0033】
また、利用者を識別するための利用者識別情報は、利用者がカラオケ演奏端末を含むシステムにログインする際に取得するようになっている。すなわち、本実施形態の演奏開始同期システムでは、利用者が所持するIDカードをカラオケリモコン装置の受信部に近接させて利用者識別情報(例えば、利用者ID)を受信したり、利用者が所持する携帯情報端末の無線通信網及びネットワーク回線を介してカラオケ演奏端末に利用者識別情報を送信したり、利用者が所持する携帯情報端末から直接、カラオケ演奏端末に情報を送信したりすることにより、システムログインした利用者の利用者識別情報を取得することができる。なお、会員登録していない利用者であっても、仮の利用者識別情報(例えば、仮利用者ID)を発行して、システムログインできるようにしてもよい。
【0034】
また、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0035】
本発明の実施形態に係る演奏開始同期システムは、ネットワーク接続された複数のカラオケ演奏端末で、同一のカラオケ楽曲を同時に演奏するとともに、各カラオケ演奏端末で入力された歌唱音声を他のカラオケ演奏端末へ送信してネットワーク合唱を行う機能を有することを前提としている。
【0036】
例えば、このネットワーク合唱の機能では、合唱を希望する利用者がシステムログインしたカラオケ演奏端末において、カラオケリモコン装置等を利用して、合唱を希望する旨の指示入力を行う。利用者による合唱希望指示があると、合唱を希望した利用者の利用者識別情報(例えば、利用者IDやハンドルネーム)と、合唱を希望するカラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲ID)とからなる合唱希望情報が管理サーバに送信される。管理サーバでは、受信した合唱希望情報をデータベースにて管理する。また、このデータベースは、所定のタイミングで更新される。管理サーバでは、データベースにて管理された合唱希望情報に含まれる楽曲識別情報に基づいて、合唱希望楽曲リストを作成する。そして、利用者がカラオケ楽曲を選曲する際に、楽曲検索手段の機能により、入力した検索条件(曲名、アーティスト名、流行時期等)に基づいてカラオケ楽曲を検索する。検索結果は、例えば、カラオケリモコン装置の入出力表示部に一覧表示される。
【0037】
この際、合唱希望楽曲リストを参照して、検索結果となったカラオケ楽曲に関連付けられている楽曲識別情報が、合唱希望楽曲リストに含まれているカラオケ楽曲と、含まれていないカラオケ楽曲とを識別可能に表示する。検索結果に含まれるカラオケ楽曲の楽曲識別情報が合唱希望楽曲リストに存在する場合には、該当するカラオケ楽曲の表示欄にデュエットアイコンを表示したり、該当するカラオケ楽曲の表示を強調したり、該当するカラオケ楽曲の表示色を変更したりすることにより、その旨が報知される。
【0038】
合唱に応募する利用者が合唱希望楽曲リストに含まれているカラオケ楽曲を選曲して、合唱を行う旨の指示入力を行い、合唱を募集した利用者が承諾して、ネットワーク合唱を行うための準備が完了すると、ネットワーク合唱を行うことができるようになる。なお、合唱に参加するカラオケ演奏端末は2台に限られず、3台以上のカラオケ演奏端末を用いて合唱できるようなシステムとしてもよい。
【0039】
なお、ネットワーク合唱の機能は、上述した形態に限られるものではなく、ネットワーク接続された複数のカラオケ演奏端末で、同一のカラオケ楽曲を同時に演奏するとともに、各カラオケ演奏端末で入力された歌唱音声を他のカラオケ演奏端末へ送信してネットワーク合唱を行うことができれば、他の構成を有するシステムによりネットワーク合唱の機能を構築してもよい。
【0040】
<システムの具体的構成>
本発明の実施形態に係る演奏開始同期システム10は、図1に示すように、予約管理手段66と、予約楽曲通知手段67と、合唱指定楽曲予約順序調整手段68と、合唱モード移行手段69と、合唱モード移行通知手段70と、演奏開始指示許可手段71とにより実現される。
【0041】
本発明の実施形態に係る演奏開始同期システム10は、図1に示すように、管理サーバ20と複数のカラオケ演奏端末30とが、ルータ50及び通信ネットワーク(本実施形態では、インターネット40)を介して相互に接続されている。通信ネットワークは、公衆電話回線、専用電話回線、光通信回線、LAN等を用いることができるが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネット40により構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0042】
<管理サーバ>
管理サーバ20は、通信ネットワーク(インターネット40)を介して、複数のカラオケ演奏端末30との間でデータの送受信を行い、ネットワーク合唱の機能を実現するためのサーバで、サーバ制御手段21、データ送受信手段22、種々のデータを記憶するデータ記憶手段23を備えている。なお、ネットワーク合唱の機能を実現するための専用の管理サーバ20を備えるのではなく、他のサーバに管理サーバ20の機能を兼ね備えさせてもよい。また、仮想化技術により、一つのサーバを複数の機能を有するサーバとして機能させ、仮想化サーバの一つとして管理サーバ20を構築することができる。
【0043】
<サーバ制御手段/データ送受信手段>
サーバ制御手段21は、管理サーバ20を統括的に制御するための手段であり、CPU及びその周辺機器を含んで構成され、CPU等がROM等に格納されたプログラムに従って動作することにより制御機能を発揮するようになっている。データ送受信手段22は、各カラオケ演奏端末30との間で、歌唱音声等の各種データの送受信を行うための手段であり、通信ネットワーク(インターネット40)における通信方式の整合性を保つための通信回路やプログラムにより構成される。
【0044】
<データ記憶手段>
データ記憶手段23は、各カラオケ演奏端末30にシステムログインしている利用者の利用者識別情報(利用者ID)や、各利用者の歌唱履歴データ等を記憶するための装置であり、例えばHDDにより構成される。本実施形態では、ネットワーク合唱に必要な各種のデータが記憶されている。
【0045】
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係る演奏開始同期システム10を適用するカラオケ演奏端末30は、図1に示すように、カラオケ本体60、カラオケリモコン装置80、スピーカ81、マイクロホン82、表示装置83、ミキシングアンプ84を備えている。
【0046】
<マイクロホン/スピーカ>
マイクロホン82は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン82から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ84により、音楽再生制御手段72から送出される演奏音声信号とミキシングされるとともに増幅され、スピーカ81へ出力される。なお、マイクロホン82からの音声入力信号は、A/Dコンバータ73によりデジタル変換されて、ネットワーク合唱の相手となるカラオケ演奏端末30に対する歌唱音声信号の送信等に使用される。
【0047】
<表示装置>
表示装置83は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0048】
<カラオケ本体>
カラオケ本体60は、図1に示すように、ネットワーク送受信手段61、中央制御手段62、ROM63、RAM64、HDD65、予約管理手段66、予約楽曲通知手段67、合唱指定楽曲予約順序調整手段68、合唱モード移行手段69、合唱モード移行通知手段70、演奏開始指示許可手段71、音楽再生制御手段72、A/Dコンバータ73、映像再生制御手段74を備えている。
【0049】
<中央制御手段>
中央制御手段62は、カラオケ本体60を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM63等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0050】
<ROM/RAM>
ROM63は、カラオケ本体60を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM64は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM64を構成するのではなく、HDD等を用いて仮想的なRAM64を構成してもよい。
【0051】
本実施形態では、RAM64に予約待ち行列64a、予約順序/演奏時間情報64bが記憶されるようになっている。この予約待ち行列64aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成したデータテーブルであり、選曲者の利用者ID等、他の識別データが紐付けられている場合もある。また、予約順序/演奏時間情報64bは、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末30から受信したデータである。なお、図示しないが、本実施形態では、ネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲について、合唱フラグが付帯している。
【0052】
<HDD>
HDD65は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース65a、映像データベース65bが格納されている。なお、HDD65に替えて、あるいはHDD65とともに、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0053】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース65aは、複数のカラオケ楽曲について、演奏データ及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース65bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0054】
<ネットワーク送受信手段>
ネットワーク送受信手段61は、カラオケ本体60と管理サーバ20との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。なお、ローカル送受信手段を設けて、カラオケ本体60とカラオケリモコン装置80との間で、データの送受信を行うことが可能な構成としてもよい。この場合には、例えば、赤外線通信により、カラオケ本体60とカラオケリモコン装置80との間でデータの送受信が行われる。
【0055】
<予約管理手段>
予約管理手段66は、利用者により任意のカラオケ楽曲の選曲指示が行われると、少なくとも当該カラオケ楽曲の楽曲識別情報を予約待ち行列64aに登録して管理するためのプログラムからなる。すなわち、予約管理手段66は、楽曲検索手段80aの機能を用いて検索され、選曲予約された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列64aを生成し、この予約待ち行列64aをRAM64に格納して管理する。予約待ち行列64aには、選曲予約されたカラオケ楽曲の楽曲IDが演奏順に登録されている。なお、各予約楽曲の演奏時間は、例えば、楽曲識別情報(楽曲ID)に基づいて楽曲データベース65aを参照することにより取得することができるが、予約待ち行列64aにおいて、楽曲識別情報(楽曲ID)に当該楽曲識別情報(楽曲ID)で特定されるカラオケ楽曲の演奏時間を関連付けて管理してもよい。
【0056】
<予約楽曲通知手段>
予約楽曲通知手段67は、選曲指示が行われたカラオケ楽曲がネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲(ネットワーク合唱楽曲)である場合に、予約管理手段66にて管理されている各カラオケ楽曲の楽曲識別情報(楽曲ID)及びその登録順序を、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末30に通知するためのプログラムからなる。
【0057】
すなわち、予約楽曲通知手段67は、ネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲(ネットワーク合唱楽曲)の選曲指示が行われた場合に、各予約楽曲の予約順序(楽曲IDを予約順に並べた情報)を、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末30に通知する。なお、予約管理手段66は、各予約楽曲の楽曲IDを管理しているため、現在、予約待ち行列64aに登録されている各予約楽曲の楽曲IDに基づいて楽曲データベース65aを参照することにより、演奏時間を取得することができる。したがって、予約楽曲通知手段67で通知する情報に、各予約楽曲の演奏時間を含めてもよい。また、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末30に対して通知する情報には、現に演奏されているカラオケ楽曲の残演奏時間を含めてもよい。
【0058】
各カラオケ演奏端末30では、他のカラオケ演奏端末30から通知された予約楽曲の予約順序及び演奏時間情報を用いて、合唱指定楽曲予約順序調整手段68においてネットワーク合唱楽曲の予約順序を調整する。上述したように、本実施形態では、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末30から受信した予約楽曲に関する予約順序/演奏時間情報64bは、RAM64に記憶されている。
【0059】
<合唱指定楽曲予約順序調整手段>
合唱指定楽曲予約順序調整手段68は、予約管理手段66にてネットワーク合唱楽曲を予約待ち行列64aに登録する際に、自らの予約管理手段66にて管理されている各予約楽曲の予約順序及びその演奏時間と、他のカラオケ演奏端末30から通知された各予約楽曲の予約順序及びその演奏時間とに基づいて、自らのカラオケ演奏端末30における各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間と、他のカラオケ演奏端末30における各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間との差が所定の基準値以下となる予約楽曲の次に、ネットワーク合唱楽曲を登録させるためのプログラムからなる。
【0060】
すなわち、合唱指定楽曲予約順序調整手段68では、自らのカラオケ演奏端末30で既に予約待ち行列64aに登録されている予約楽曲と、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末30で既に予約待ち行列64aに登録されている予約楽曲について、その予約順序及び演奏時間情報を取得して、自らのカラオケ演奏端末30における各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間と、他のカラオケ演奏端末30における各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間との差が所定の基準値以下となる予約楽曲の次に、ネットワーク合唱楽曲を登録する。
【0061】
各カラオケ演奏端末30では、同一のアルゴリズムに基づく演算処理を行ってネットワーク合唱楽曲の予約順序を調整するため、ネットワーク合唱を行うすべてのカラオケ演奏端末30において、各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間の差が所定の基準値以下となる予約楽曲は合一に決定される。
【0062】
なお、予約楽曲通知手段67で通知する情報が予約楽曲の楽曲IDのみの場合には、各予約楽曲の楽曲IDに基づいて楽曲データベース65aを参照することにより、演奏時間を取得することができる。また、予約楽曲通知手段67で通知する情報に、各予約楽曲の演奏時間が含まれている場合には、通知された情報から各予約楽曲の楽曲IDに対応する予約楽曲の演奏時間を取得することができる。
【0063】
また、合唱指定楽曲予約順序調整手段68は、現に演奏されているカラオケ楽曲の残演奏時間を当該カラオケ楽曲の演奏時間とするとともに、当該カラオケ楽曲を予約管理手段66にて管理されている各予約楽曲の先頭とみなすことにより、ネットワーク合唱楽曲の予約順序を調整してもよい。すなわち、各カラオケ演奏端末30の予約管理手段66で管理されている予約楽曲に加えて、現に演奏されているカラオケ楽曲についても、合唱指定楽曲予約順序調整手段68において予約順序を調整する際の演算対象となる演奏時間に加えることにより、より一層、効率的にネットワーク合唱楽曲の予約順序を調整することができる。例えば、ネットワーク合唱を行う各カラオケ演奏端末30において現に演奏されている各カラオケ楽曲の残演奏時間の差が所定の基準値以下であれば、各カラオケ演奏端末30において、現に演奏されているカラオケ楽曲の次に、ネットワーク合唱楽曲を予約待ち行列64aに登録させることができる。
【0064】
<合唱モード移行手段>
合唱モード移行手段69は、ネットワーク合唱楽曲が予約待ち行列64aの先頭となった場合に、合唱モード(単曲モード)へ移行するためのプログラムからなる。なお、合唱モード(単曲モード)とは、演奏開始指示を待って当該カラオケ楽曲の演奏を開始する演奏開始モードである。
【0065】
すなわち、ネットワーク合唱を行う各カラオケ演奏端末30において、予約待ち行列64aに登録された予約楽曲の演奏が進み、ネットワーク合唱楽曲が予約待ち行列64aの先頭になると、合唱モード(単曲モード)へ移行して、カラオケ楽曲の自動演奏開始を行わないようにする。これにより、ネットワーク合唱を行う各カラオケ演奏端末30では、演奏開始指示を待って、同時にネットワーク合唱楽曲の演奏開始を行うことができるようになる。
【0066】
<合唱モード移行通知手段>
合唱モード移行通知手段70は、合唱モードへ移行した場合に、ネットワーク合唱を行う他のカラオケ演奏端末30に対して合唱モード移行信号を発信して、合唱モードに移行したことを通知するための手段である。
【0067】
すなわち、ネットワーク合唱楽曲が予約待ち行列64aの先頭となって合唱モード(単曲モード)に移行すると、合唱モード移行通知手段70の機能により、自らのカラオケ演奏端末30が合唱モード(単曲モード)に移行した旨を、他のネットワーク合唱を行う各カラオケ演奏端末30に通知する。これにより、ネットワーク合唱を行う各カラオケ演奏端末30では、他のカラオケ演奏端末30でネットワーク合唱を行う準備が整ったことを検知することができる。
【0068】
<演奏開始指示許可手段>
演奏開始指示許可手段71は、ネットワーク合唱を行うすべてのカラオケ演奏端末30が合唱モード移行信号を発信したことを検知した後に、ネットワーク合唱楽曲の演奏開始指示信号の発信を許可するためのプログラムからなる。すなわち、合唱モードに移行したすべてのカラオケ演奏端末30が合唱モードへ移行すると、演奏開始指示手段80cによる演奏開始指示信号の発信が許可される。
【0069】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段72は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース65aから抽出された演奏データを、ミキシングアンプ84に出力するための電子回路からなる。なお、演奏データがMIDI規格の演奏制御データである場合には、この演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生するとともにアナログ変換してミキシングアンプ84に出力する。上述したように、ミキシングアンプ84は、マイクロホン82から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段72から送出される演奏音声信号とをミキシングするとともに、アンプ機能により増幅してスピーカ81より出力するための装置である。また、ミキシングアンプ84には、ネットワーク合唱の相手となるカラオケ演奏端末30から送信されてきた歌唱音声信号が入力される。
【0070】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段74は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース65bから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づく歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置83に出力するためのプログラムからなる。
【0071】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置80は、ユーザインタフェース機能を備えており、ルータ50との間で無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置80は、楽曲検索手段80a、楽曲索引データベース80b、演奏開始指示手段80c、データ記憶部80d、入出力表示部80e、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム(図示せず)を備えている。なお、上述したように、カラオケ本体60とカラオケリモコン装置80との間で、データの送受信を行うことが可能な構成としてもよい。
【0072】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段80aは、利用者が入力した検索条件に基づいてカラオケ楽曲を検索するためのプログラムからなる。すなわち、楽曲検索手段80aは、利用者による検索条件(曲名、歌手名、音楽ジャンル区分、流行時期等)の入力に基づき、楽曲索引データベース80bを参照して楽曲を検索する。楽曲索引データベース80bは、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲ID・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・演奏形態・デュエット曲など、種々の属性情報がこれに含まれている。楽曲検索手段80aにより楽曲検索を行うとカラオケリモコン装置80の入出力表示部80eに、検索結果が一覧表示される。
【0073】
<データ記憶部>
データ記憶部80dは、選曲予約の履歴等を記憶するための領域で、図示しないが、選曲予約データ、選曲予約履歴データ等、各種のデータが記憶される。
【0074】
<入出力表示部>
入出力表示部80eは、例えば、タッチパネル式の液晶表示装置からなり、上述したように、楽曲検索手段80aにより検索を行う際の入力表示、検索結果の一覧表示、各種の案内表示等を行うとともに、表示されるアイコン等を操作することにより、入力指示を行うことができる。
【0075】
<演奏開始指示手段>
演奏開始指示手段80cは、ネットワーク合唱を行うすべてのカラオケ演奏端末30において演奏開始指示信号の発信が許可された場合に、これらのうちのいずれかのカラオケ演奏端末30とペアリングされたカラオケリモコン装置80から、他のカラオケ演奏端末30に対して、ネットワーク合唱楽曲の演奏開始指示信号を発信するためのプログラムからなる。すなわち、ネットワーク合唱を行うすべてのカラオケ演奏端末30において演奏開始指示信号の発信が許可され、演奏開始指示手段80cの機能により演奏開始指示信号が発信されると、自らのカラオケ演奏端末30及びネットワーク合唱の相手となるカラオケ演奏端末30において、ネットワーク合唱楽曲の演奏が同時に開始する。
【0076】
演奏開始信号を送信するカラオケリモコン装置80は、ネットワーク合唱を行ういずれのカラオケ演奏端末30とペアリングされたカラオケリモコン装置80であってよい。すなわち、予め主導権を有するメインのカラオケ演奏端末30として設定されたカラオケ演奏端末30(例えば、ネットワーク合唱の募集を行った利用者がログインしているカラオケ演奏端末30)とペアリングされたカラオケリモコン装置80が、利用者の指示入力に応じて演奏開始信号を送信するように構成することができる。
【0077】
演奏開始信号を発信したカラオケリモコン装置80とペアリングされたカラオケ演奏端末30と、演奏開始信号を受信したカラオケ演奏端末30では、ネットワーク合唱楽曲の演奏を同時に開始する。なお、演奏開始指示手段80cは、カラオケ本体60の機能手段としてもよい。
【0078】
<ネットワーク合唱楽曲の予約順序調整と演奏開始の同期手順>
図2図5を参照して、本実施形態の演奏開始同期システム10におけるカラオケ楽曲の予約及び演奏開始の同期手順を説明する。なお、以下の説明では、ネットワーク接続されたカラオケ演奏端末30において、ネットワーク合唱の合意が成立しているものとする。また、利用者間でネットワーク合唱を行うカラオケ演奏端末30同士では、予めお互いの演奏端末情報(例えば、演奏端末ID)を認識しているものとする。
【0079】
図2に示すように、カラオケ演奏端末(1)とペアリングされているカラオケリモコン装置(1)において、ネットワーク合唱を行うカラオケ楽曲(ネットワーク合唱楽曲)の選曲が行わると、カラオケ演奏端末(1)及びカラオケ演奏端末(2)に対して選曲予約情報を送信する(S1)。
【0080】
カラオケ演奏端末(1)が選曲予約情報を受信すると(S2)、カラオケ演奏端末(1)からカラオケ演奏端末(2)に対して、カラオケ演奏端末(1)で現に予約待ち行列に登録されている予約楽曲の予約順序を送信する(S4)。この際、送信する情報に、現に演奏されているカラオケ楽曲の残演奏時間を含めてもよい。カラオケ演奏端末(2)では、カラオケ演奏端末(1)から予約楽曲の予約順序を受信すると、各予約楽曲の演奏時間とともに、RAM等に記憶する(S5)。
【0081】
同様に、カラオケ演奏端末(2)では、カラオケリモコン装置(1)から選曲予約情報を受信すると(S3)、カラオケ演奏端末(1)に対して、現に予約待ち行列に登録されている予約楽曲の予約順序を送信する(S6)。カラオケ演奏端末(1)では、カラオケ演奏端末(2)から予約楽曲の予約順序を受信すると、各予約楽曲の演奏時間とともに、RAM等に記憶する(S7)。なお、ステップ4(S4)及びステップ5(S5)と、ステップ6(S6)及びステップ7(S7)は、どちらが先に実施されてもよく、並行処理であってもよい。
【0082】
カラオケ演奏端末(1)及びカラオケ演奏端末(2)では、それぞれ、予約楽曲の予約順序を受信するとともに、各予約楽曲の演奏時間を取得すると、合唱指定楽曲予約順序調整手段68の機能により、ネットワーク合唱楽曲の予約順序を調整して、予約待ち行列に登録(割り込み予約)させる(S8、S9)。
【0083】
合唱指定楽曲予約順序調整手段68によるネットワーク合唱楽曲の予約順序を調整するための演算には、種々のアルゴリズムを用いることができる。例えば、各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間の差が最初に基準値以下となる予約楽曲の次にネットワーク合唱楽曲を割込予約させてもよいし、すべての予約楽曲の演奏時間を順次加算して各合計演奏時間を算出し、当該合計演奏時間の差が最小となる予約楽曲の次にネットワーク合唱楽曲を割込予約させてもよい。
【0084】
まず初めに、各予約楽曲の演奏時間を順次加算した各合計演奏時間の差が最初に基準値以下となる予約楽曲の次にネットワーク合唱楽曲を割込予約させるアルゴリズムについて説明する。なお、カラオケ演奏端末(1)におけるネットワーク合唱楽曲の予約順序調整と、カラオケ演奏端末(2)におけるネットワーク合唱楽曲の予約順序調整のアルゴリズムは同一のものであるため、カラオケ演奏端末(1)及びカラオケ演奏端末(2)では、同一の手順で演算処理が行われる。
【0085】
図4に示すように、カラオケ演奏端末(1)の予約待ち行列で第1番目に予約登録されている楽曲(a1)の演奏時間(255秒)と、カラオケ演奏端末(2)の予約待ち行列で第1番目に予約登録されている楽曲(b1)の演奏時間(185秒)とを比較する。この例では、楽曲(a1)と楽曲(b1)の演奏時間の差は70秒である。本実施形態では、ネットワーク合唱楽曲の割り込み予約を許可する基準値を30秒以下と設定しているので、楽曲(a1)及び楽曲(b1)の後順位(第2番目)にネットワーク合唱楽曲を割り込み予約させることはできない。
【0086】
続いて、カラオケ演奏端末(1)の予約待ち行列で第1番目に予約登録されている楽曲(a1)の演奏時間(255秒)と、カラオケ演奏端末(2)の予約待ち行列で第1番目に予約登録されている楽曲(b1)の演奏時間(185秒)及び第2番目に予約登録されている楽曲(b2)の演奏時間(160秒)の合計値(345秒)とを比較する。
【0087】
この場合には、カラオケ演奏端末(1)の予約待ち行列に登録されている予約楽曲(a1)の演奏時間と、カラオケ演奏端末(2)の予約待ち行列に登録されている予約楽曲(b1及びb2)の演奏時間の合計値(総和)の差は90秒であり、基準値である30秒を超えているため、楽曲(a1)の後順位(第2番目)及び楽曲(b1及びb2)の後順位(第3番目)に、それぞれネットワーク合唱楽曲を割り込み予約させることはできない。
【0088】
続いて、カラオケ演奏端末(1)の予約待ち行列で第1番目に予約登録されている楽曲(a1)の演奏時間(255秒)及び第2番目に予約登録されている楽曲(a2)の演奏時間(245秒)の合計値(500秒)と、カラオケ演奏端末(2)の予約待ち行列で第1番目に予約登録されている楽曲(b1)の演奏時間(185秒)及び第2番目に予約登録されている楽曲(b2)の演奏時間(160秒)の合計値(345秒)とを比較する。
【0089】
この場合には、カラオケ演奏端末(1)の予約待ち行列に登録されている予約楽曲(a1及びa2)の演奏時間の合計値(総和)と、カラオケ演奏端末(2)の予約待ち行列に登録されている予約楽曲(b1及びb2)の演奏時間の合計値(総和)の差は155秒であり、基準値である30秒を超えているため、楽曲(a1及びa2)及び楽曲(b1及びb2)の後順位(第3番目)に、それぞれネットワーク合唱楽曲を割り込み予約させることはできない。
【0090】
続いて、カラオケ演奏端末(1)の予約待ち行列で第1番目に予約登録されている楽曲(a1)の演奏時間(255秒)及び第2番目に予約登録されている楽曲(a2)の演奏時間(245秒)の合計値(500秒)と、カラオケ演奏端末(2)の予約待ち行列で第1番目に予約登録されている楽曲(b1)の演奏時間(185秒)、第2番目に予約登録されている楽曲(b2)の演奏時間(160秒)及び第3目に予約登録されている楽曲(b3)の演奏時間(140秒)の合計値(485秒)とを比較する。
【0091】
この場合には、カラオケ演奏端末(1)の予約待ち行列に登録されている予約楽曲(a1及びa2)の演奏時間の合計値(総和)と、カラオケ演奏端末(2)の予約待ち行列に登録されている予約楽曲(b1、b2及びb3)の演奏時間の合計値(総和)の差は15秒であり、基準値である30秒以内となる。
【0092】
したがって、カラオケ演奏端末(1)では、楽曲(a1及びa2)の後順位(第3番目)にネットワーク合唱楽曲(N1)を割り込み予約させ、カラオケ演奏端末(2)では、楽曲(b1、b2及びb3)の後順位(第4番目)にネットワーク合唱楽曲(N1)を割り込み予約させる。
【0093】
次に、すべての予約楽曲の演奏時間を順次加算して各合計演奏時間を算出し、当該合計演奏時間の差が最小となる予約楽曲の次にネットワーク合唱楽曲を割込予約させるアルゴリズムについて説明する。上述したように、カラオケ演奏端末(1)におけるネットワーク合唱楽曲の予約順序調整と、カラオケ演奏端末(2)におけるネットワーク合唱楽曲の予約順序調整のアルゴリズムは同一のものであるため、カラオケ演奏端末(1)及びカラオケ演奏端末(2)では、同一の手順で演算処理が行われる。
【0094】
図5に示すように、カラオケ演奏端末(1)の予約待ち行列において、第1番目に予約登録されている楽曲(a1)の演奏時間(255秒)を取得する。続いて、カラオケ演奏端末(1)の予約待ち行列で第1番目に予約登録されている楽曲(a1)の演奏時間(255秒)及び第2番目に予約登録されている楽曲(a2)の演奏時間(245秒)の合計値(500秒)を算出する。そして、順次、楽曲(a1)の演奏時間、楽曲(a2)の演奏時間、楽曲(a3)の演奏時間の合計値(715秒)と、楽曲(a1)の演奏時間、楽曲(a2)の演奏時間、楽曲(a3)の演奏時間、楽曲(a4)の演奏時間の合計値(875秒)とを算出する。
【0095】
一方、カラオケ演奏端末(2)の予約待ち行列において、第1番目に予約登録されている楽曲(b1)の演奏時間(185秒)を取得する。続いて、カラオケ演奏端末(2)の予約待ち行列で第1番目に予約登録されている楽曲(b1)の演奏時間(185秒)及び第2番目に予約登録されている楽曲(b2)の演奏時間(160秒)の合計値(345秒)を算出する。そして、順次、楽曲(b1)の演奏時間、楽曲(b2)の演奏時間、楽曲(b3)の演奏時間の合計値(485秒)と、楽曲(b1)の演奏時間、楽曲(b2)の演奏時間、楽曲(b3)の演奏時間、楽曲(b4)の演奏時間の合計値(710秒)とを算出する。
【0096】
このように、すべての予約楽曲の演奏時間を順次加算して各合計演奏時間を算出し、当該合計演奏時間の差が最小値となる予約楽曲を選出する。上述した例において、合計演奏時間の差の最小値は(715秒−710秒=5秒)であり、当該合計演奏時間の差が最小となる予約楽曲は、カラオケ演奏端末(1)では楽曲(a3)であり、カラオケ演奏端末(2)では楽曲(b4)である。したがって、カラオケ演奏端末(1)では、楽曲(a3)の後順位(第4番目)にネットワーク合唱楽曲(N1)を割り込み予約させ、カラオケ演奏端末(2)では、楽曲(b4)の後順位(第5番目)にネットワーク合唱楽曲(N1)を割り込み予約させる。
【0097】
なお、予約順序調整のアルゴリズムは、上述したものに限られず、各カラオケ演奏端末における予約楽曲の合計演奏時間の差が所定の基準値以下となる予約楽曲の次に、ネットワーク合唱楽曲を登録することができれば、どのようなアルゴリズムを用いてもよい。
【0098】
次に、まず初めにカラオケ演奏端末(2)が合唱モード(単曲モード)に移行し、次いでカラオケ演奏端末(1)が合唱モード(単曲モード)に移行した場合を例にとって説明する。なお、合唱モード(単曲モード)に移行するカラオケ演奏端末の順序は、各カラオケ演奏端末において既に予約登録されているカラオケ楽曲の予約順序及び演奏時間に基づいて決定されるものであり、図3に示す例に限られるものではない。
【0099】
図3に示すように、カラオケ演奏端末(2)において、予約楽曲の演奏が進み、ネットワーク合唱楽曲が予約待ち行列の先頭となると(S12)、カラオケ演奏端末(2)は合唱モード(単曲モード)へ移行する(S13)。そして、カラオケ演奏端末(2)が合唱モード(単曲モード)へ移行すると、カラオケ演奏端末(2)からカラオケ演奏端末(1)に対して合唱モード移行信号を発信する(S14)。カラオケ演奏端末(1)では、カラオケ演奏端末(2)から合唱モード移行信号を受信すると、カラオケ演奏端末(2)が合唱モードへ移行した旨の記憶を行う(S15)。
【0100】
同様に、カラオケ演奏端末(1)において、予約楽曲の演奏が進み、ネットワーク合唱楽曲が予約待ち行列の先頭となると(S16)、カラオケ演奏端末(1)は合唱モード(単曲モード)へ移行する(S17)。そして、カラオケ演奏端末(1)が合唱モード(単曲モード)へ移行すると、カラオケ演奏端末(1)からカラオケ演奏端末(2)に対して合唱モード移行信号を発信する(S18)。カラオケ演奏端末(2)では、カラオケ演奏端末(1)から合唱モード移行信号を受信すると、カラオケ演奏端末(1)が合唱モードへ移行した旨の記憶を行う(S19)。
【0101】
この状態となると、カラオケ演奏端末(1)及びカラオケ演奏端末(2)は、ネットワーク合唱を行うすべてのカラオケ演奏端末が演奏終了信号を発信したことを検知したことになり、それぞれ演奏開始信号の発信を許可する(S20、S21)。そして、カラオケ演奏端末(1)とペアリングされたカラオケリモコン装置(1)から演奏開始信号が発信されると(S22)、この演奏開始信号を受信したカラオケ演奏端末(1)及びカラオケ演奏端末(2)において、ネットワーク合唱楽曲の演奏が同時に開始する(S23、S24)。
【0102】
なお、図2及び図3に示す例では、カラオケ演奏端末(1)が選曲予約及び演奏開始の主導権を持っているが、カラオケ演奏端末(2)が選曲予約及び演奏開始の主導権を持っていてもよい。また、カラオケ演奏端末(1)又はカラオケ演奏端末(2)のいずれか一方が選曲予約の主導権を持ち、他方が演奏開始の主導権を持つ構成としてもよい。さらに、ネットワーク合唱を行うカラオケ演奏端末30が3台以上の場合にも、上述した手順と同様の手順により演奏開始の同期を行うことができる。
【0103】
<他の実施形態>
本発明の演奏開始同期システム10及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、ネットワークを介して複数のカラオケ演奏端末30を接続するのではなく、一つの店舗内において、LAN接続された複数のカラオケ演奏端末30と、当該店舗内に設置された管理サーバ20とを利用して、演奏開始同期システム10を構成してもよい。
【符号の説明】
【0104】
10 演奏開始同期システム
20 管理サーバ
21 サーバ制御手段
22 データ送受信手段
23 データ記憶手段
30 カラオケ演奏端末
40 インターネット
50 ルータ
60 カラオケ本体
61 ネットワーク送受信手段
62 中央制御手段
63 ROM
64 RAM
64a 予約待ち行列
64b 予約順序/演奏時間情報
65 HDD
65a 楽曲データベース
65b 映像データベース
66 予約管理手段
67 予約楽曲通知手段
68 合唱指定楽曲予約順序調整手段
69 合唱モード移行手段
70 合唱モード移行通知手段
71 演奏開始指示許可手段
72 音楽再生制御手段
73 A/Dコンバータ
74 映像再生制御手段
80 カラオケリモコン装置
80a 楽曲検索手段
80b 楽曲索引データベース
80c 演奏開始指示手段
80d データ記憶部
80e 入出力表示部
81 スピーカ
82 マイクロホン
83 表示装置
84 ミキシングアンプ
図1
図2
図3
図4
図5