特許第6096585号(P6096585)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096585
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】容器蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   B65D47/08 110
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-93270(P2013-93270)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-213895(P2014-213895A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228442
【氏名又は名称】日本クロージャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(72)【発明者】
【氏名】山田 基勝
(72)【発明者】
【氏名】高橋 潤
(72)【発明者】
【氏名】杉山 尚
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−072112(JP,A)
【文献】 特開2012−076775(JP,A)
【文献】 実開平03−019869(JP,U)
【文献】 実開平05−035732(JP,U)
【文献】 実開平03−019865(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0056982(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0089776(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製中栓と合成樹脂製蓋本体とから構成され、
該中栓は円形閉塞壁及び該閉塞壁の外周縁に接続された筒形装着壁を含み、該装着壁を容器の口頸部の外周面に嵌合せしめることによって容器の口頸部に装着され、該閉塞壁が容器の口頸部を閉塞し、該閉塞壁には少なくとも1個の破断可能薄肉ラインが形成されていて少なくとも1個の変形乃至除去領域が規定されており、
該蓋本体は該中栓に装着される本体部及びヒンジ手段を介して該本体部に連結され該本体部を覆う閉位置と該本体部を露呈せしめる開位置との間を旋回自在である外蓋を含み、
該本体部は円形覆壁及び該覆壁の外周縁に接続された筒形嵌合壁を含み、該嵌合壁を該中栓の該装着壁の外周面に嵌合することによって該中栓に回転自在に装着され、該覆壁が該中栓の該閉塞壁の上方に位置し、該覆壁には少なくとも1個の排出開口が形成されており、
該外蓋は天面壁及び該天面壁から垂下するスカート壁を含み、
該覆壁には係止手段が配設され、該閉塞壁に規定されている該変形乃至除去領域には被係止手段が配設されており、該中栓に装着された該蓋本体を該中栓に対して所定方向に回転せしめると、該係止手段と該被係止手段との協働によって該破断可能薄肉ラインが破断され、該変形乃至除去領域が変形乃至除去されて該閉塞壁に通過開口が生成される、
容器蓋において、
一端は該中栓の該装着壁の外周面に接続され他端は該外蓋の該スカート壁の外周面に接続され、且つ破断可能弱化部を有するタンパーエビデント片が配設されており、
該中栓に対して該蓋本体が所要とおりに装着され、該蓋本体の該本体部に対して該外蓋が該閉位置に位置せしめられた状態において、該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に回転され或いは該蓋本体の該本体部に対して該外蓋が開位置に旋回せしめられると、該タンパーエビデント片の該破断可能弱化部が破断されて該タンパーエビデント片が2個の部分に分離される、
ことを特徴とする容器蓋。
【請求項2】
該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に回転された場合、該閉塞壁の該破断可能薄肉ラインの破断に先立って該タンパーエビデント片の該破断可能弱化部が破断される、請求項1記載の容器蓋。
【請求項3】
該破断可能弱化部は該タンパーエビデント片の該他端近傍に配設されている、請求項1又は2記載の容器蓋。
【請求項4】
該タンパーエビデント片の該一端は一体成形によって該装着壁の外周面に接続され、該タンパーエビデント片の該他端には係合手段が配設されており、該スカート壁の外周面には被係合手段が配設されており、該係合手段を該被係合手段に係合せしめることによって該タンパーエビデント片の該他端が該スカート壁の外周面に接続される、請求項1から3までのいずれかに記載の容器蓋。
【請求項5】
該タンパーエビデント片の該他端は一体成形によって該スカート壁の外周面に接続され、該タンパーエビデント片の該一端には係合手段が配設されており、該装着壁の外周面には被係合手段が配設されており、該係合手段を該被係合手段に係合せしめることによって該タンパーエビデント片の該一端が該装着壁に接続される、請求項1から3までのいずれかに記載の容器蓋。
【請求項6】
該係合手段は環形状部から構成されており、該被係合手段は該スカ−ト壁の外周面又は該装着壁の外周面から突出する柱部及び該柱部の先端に配設された板状部から構成されており、該環形状部に該板状部を挿通せしめて該環形状部を該柱部に掛けることによって該係合手段が該被係合手段に係合せしめられる、請求項4又は5記載の容器蓋。
【請求項7】
該環形状部は矩形開口を規定しており、該板状部は矩形である、請求項6記載の容器蓋。
【請求項8】
該タンパーエビデント片の該他端は、該ヒンジ手段の周方向中心から90度以上の角度間隔をおいて該スカート壁の外周面に接続されている、請求項1から7までのいずれかに記載の容器蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製中栓と合成樹脂製蓋本体とから構成され、蓋本体は中栓に装着される本体部及び閉位置と開位置との間を旋回自在に本体部に連結される外蓋を含む容器蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、合成樹脂製中栓(蓋栓)と合成樹脂製蓋本体(キャップ)とから構成された容器蓋が開示されている。中栓は円形閉塞壁及びこの閉塞壁の外周縁に接続された筒形装着壁を含み、装着壁を容器の口頸部の外周面に嵌合せしめることによって容器の口頸部に装着され、閉塞壁が容器の口頸部を閉塞する。閉塞壁には少なくとも1個の破断可能薄肉ラインが形成されていて少なくとも1個の除去領域が規定されている。蓋本体は天面壁及びこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁を有し、スカート壁を中栓の装着壁に螺着することによって中栓に装着される。天面壁の内面には係止手段が配設され、閉塞壁に規定されている除去領域には被係止手段が配設されており、中栓に装着された蓋本体を中栓に対して所定方向(上方から見て反時計方向)に回転せしめると、係止手段と被係止手段との協働によって破断可能薄肉ラインが破断され、除去領域が除去されて閉塞壁に通過開口が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−59933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したとおりの容器蓋には所謂タンパーエビデント特性が欠如している。例えば、内容物を収容し上記のとおりの容器蓋が装着されている容器が店頭に陳列されている時に、外蓋を閉位置から開位置に旋回せしめる、或いは中栓に対して蓋本体を所定方向に回転せしめて閉塞壁に形成されている破断可能薄肉ラインを少なくとも部分的に破断する、という悪戯が加えられても、かかる悪戯の根拠が残留することがなく、悪戯が加えられた容器を消費者が購入してしまう虞がある。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、上述したとおりの容器蓋に改良を加えてタンパーエビデント特性を付与する、即ち悪戯によって外蓋が閉位置から開位置に旋回され或いは中栓に対して蓋本体が所定方向に回転せしめられると、かかる悪戯の痕跡が残留するようにせしめることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、鋭意検討の結果、一端は中栓の装着壁の外周面に接続され他端は外蓋のスカート壁の外周面に接続され且つ破断可能弱化部を有するタンパーエビデント片を配設し、中栓に対して蓋本体が所要とおりに装着され、蓋本体の本体部に対して外蓋が閉位置に位置せしめられた状態において、中栓に対して蓋本体が所定方向に回転され或いは蓋本体の本体部に対して外蓋が開位置に旋回せしめられると、タンパーエビデント片の破断可能弱化部が破断されてタンパーエビデント片が2個の部分に分離されるようにせしめる、ことによって上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
【0007】
即ち、上記主たる技術的課題を達成する容器蓋として、本発明によれば、合成樹脂製中栓と合成樹脂製蓋本体とから構成され、
該中栓は円形閉塞壁及び該閉塞壁の外周縁に接続された筒形装着壁を含み、該装着壁を容器の口頸部の外周面に嵌合せしめることによって容器の口頸部に装着され、該閉塞壁が容器の口頸部を閉塞し、該閉塞壁には少なくとも1個の破断可能薄肉ラインが形成されていて少なくとも1個の変形乃至除去領域が規定されており、
該蓋本体は該中栓に装着される本体部及びヒンジ手段を介して該本体部に連結され該本体部を覆う閉位置と該本体部を露呈せしめる開位置との間を旋回自在である外蓋を含み、
該本体部は円形覆壁及び該覆壁の外周縁に接続された筒形嵌合壁を含み、該嵌合壁を該中栓の該装着壁の外周面に嵌合することによって該中栓に回転自在に装着され、該覆壁が該中栓の該閉塞壁の上方に位置し、該覆壁には少なくとも1個の排出開口が形成されており、
該外蓋は天面壁及び該天面壁から垂下するスカート壁を含み、
該覆壁には係止手段が配設され、該閉塞壁に規定されている該変形乃至除去領域には被係止手段が配設されており、該中栓に装着された該蓋本体を該中栓に対して所定方向に回転せしめると、該係止手段と該被係止手段との協働によって該破断可能薄肉ラインが破断され、該変形乃至除去領域が変形乃至除去されて該閉塞壁に通過開口が生成される、
容器蓋において、
一端は該中栓の該装着壁の外周面に接続され他端は該外蓋の該スカート壁の外周面に接続され、且つ破断可能弱化部を有するタンパーエビデント片が配設されており、
該中栓に対して該蓋本体が所要とおりに装着され、該蓋本体の該本体部に対して該外蓋が該閉位置に位置せしめられた状態において、該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に回転され或いは該蓋本体の該本体部に対して該外蓋が開位置に旋回せしめられると、該タンパーエビデント片の該破断可能弱化部が破断されて該タンパーエビデント片が2個の部分に分離される、
ことを特徴とする容器蓋が提供される。
【0008】
好ましくは、該中栓に対して該蓋本体が該所定方向に回転された場合、該閉塞壁の該破断可能薄肉ラインの破断に先立って該タンパーエビデント片の該破断可能弱化部が破断される。該破断可能弱化部は該タンパーエビデント片の該他端近傍に配設されているのが好都合である。好適実施形態においては、該タンパーエビデント片の該一端は一体成形によって該装着壁の外周面に接続され、該タンパーエビデント片の該他端には係合手段が配設されており、該スカート壁の外周面には被係合手段が配設されており、該係合手段を該被係合手段に係合せしめることによって該タンパーエビデント片の該他端が該スカート壁の外周面に接続される。或いは、該タンパーエビデント片の該他端は一体成型によって該スカート壁の外周面に接続され、該タンパーエビデント片の該一端には係合手段が配設されており、該装着壁の外周面には被係合手段が配設されており、該係合手段を該被係合手段に係合せしめることによって該タンパーエビデント片の該一端が該装着壁に接続される。該係合手段は環形状部から構成されており、該被係合手段は該スカ−ト壁の外周面又は該装着壁の外周面から突出する柱部及び該柱部の先端に配設された板状部から構成されており、該環形状部に該板状部を挿通せしめて該環形状部を該柱部に掛けることによって該係合手段が該被係合手段に係合せしめられるのが好適である。該環形状部は矩形開口を規定しており、該板状部は矩形であるのが好都合である。該タンパーエビデント片の該他端は、該ヒンジ手段の周方向中心から90度以上の角度間隔をおいて該スカート壁の外周面に接続されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の容器蓋においては、悪戯によって外蓋が閉位置から開位置に旋回され或いは中栓に対して蓋本体が所定方向に回転せしめられると、タンパーエビデント片の破断可能弱化部が破断されてタンパーエビデント片が2個の部分に分離され、かくして悪戯の痕跡が残留せしめられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を示す正面図。
図2図1に示す容器蓋の側面図。
図3図1に示す容器蓋における中栓の、一部を断面で示す側面図。
図4図3に示す中栓の平面図。
図5図1に示す容器蓋における蓋本体の正面図。
図6図5に示す蓋本体の平面図。
図7図5に示す蓋本体の断面図。
図8図1に示す容器蓋において、中栓に対して蓋本体を回転せしめた状態を示す側面図。
図9図1に示す容器蓋において、蓋本体の外蓋を開位置に旋回せしめた後に状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0012】
図1及び図2に図示する如く、全体を番号2で示す容器蓋は、合成樹脂製中栓4と合成樹脂製蓋本体6とから構成されている。中栓4はポリエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出成形又は圧縮成形によって成形することができ、同様に蓋本体6もポリエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出成形又は圧縮成形によって成形することができる。
【0013】
図3及び図4を参照して説明を続けると、中栓4は円形閉塞壁8と閉塞壁8の外周縁に接続された筒形装着壁10を含んでいる。閉塞壁8には少なくとも1個、図示の実施形態においては2個、の破断可能薄肉ライン11が形成されていて、少なくとも1個、図示の実施形態においては2個、の変形領域12が規定されている。そして、変形領域12の各々には被係止手段14が付設されている。かような中栓4はその装着壁10を容器の口頸部(図示していない)に被嵌することによって口頸部に装着され、閉塞壁8が口頸部を閉塞する。図示の中栓4における上述したとおりの構成は、本出願人の出願にかかる特願20013−039113の明細書及び図面(以下「先願明細書及び図面」という)に開示されている中栓と実質上同一であるので、その詳細な説明は先願明細書及び図面に委ね、本明細書においては省略する。
【0014】
図5乃至図7には蓋本体6が図示されている。蓋本体6は本体部16及び外蓋18を含んでいる。本体部16は円形覆壁20とこの覆壁20の外周縁に接続された筒形嵌合壁22とを有する。覆壁20には少なくとも1個、図示の場合は2個、の排出開口24が形成されている。覆壁20の上面には略円筒形状の排出案内壁26が形成されている。また、覆壁20の下面には2個の係止手段28(図7に係止手段28の一方のみを図示している)が形成されている。外蓋18は円形天面壁30とこの天面壁30の周縁から垂下する円筒形スカート壁32とを有する。特定角度部位においてスカート壁32の下端縁はヒンジ手段34を介して本体部16の嵌合壁22の上端縁に連結されており、本体部16に対して外蓋18は図7に二点鎖線で示す閉位置と図7に実線で示す成形位置(図9には開位置にある外蓋18が図示されているが、この開位置は図7に示す成形位置よりも幾分閉位置に近い)との間を旋回自在である。ヒンジ手段34に対して直径方向反対側の角度部位において、スカート壁32の外周面には半径方向外方に突出する弧状鍔36が付設されている。かような蓋本体6は嵌合壁22を中栓4の装着壁10に嵌合することによって中栓4に回転自在に装着され、覆壁20は中栓4の閉塞壁8の上方に位置する。蓋本体6における上述したとおりの構成も、上記先願明細書及び図面に開示されている蓋本体と実質上同一であるので、その詳細な説明は上記先願明細書及び図面に委ね、本明細書においては省略する。
【0015】
本発明に従って構成された容器蓋2においては、タンパーエビデント片38が配設されていることが重要である。図1及び図2と共に図3及び図4を参照して説明すると、図示の実施形態においては、タンパーエビデント片38は中栓4と一体に成形されており、中栓4の装着壁10の表面に一体接続された一端から細長く延出せしめられている。タンパーエビデント片38の他端即ち自由端には、矩形開口を規定する環形状部から構成された係合手段40が配設されている。タンパーエビデント片38の他端近傍(従って、係合手段40の近傍)には、横断面積を局部的に減少せしめることによって規定された破断可能弱化部42が形成されている。
【0016】
図1及び図2と共に図5及び図6を参照して説明を続けると、蓋本体6の外蓋18におけるスカート壁32の外周面には上記係合手段40と協働する被係合手段44が一体に形成されている。図示の実施形態における被係合手段44は、スカート壁32の外周面から半径方向外方に突出する柱部46とこの柱部46の先端に配設された矩形板状部48とから構成されている。上記タンパーエビデント片38の一端、即ち中栓4の装着壁10の外周面に接続された基端、と被係合手段44とは、中栓4に蓋本体を所要とおりに装着した図1及び図2に図示する状態において、周方向位置が略合致乃至整合せしめられているのが好都合である。上記タンパーエビデント片38の他端に配設された係合手段40は、矩形開口に被係合手段44の矩形板状部48を挿通せしめて環状形状部を被係合手段44の柱部46に掛けることによって、被係合手段44に係合せしめられ、かくしてタンパーエビデント片38の他端が外蓋18のスカート壁32の外周面に接続される。図6に図示する如く、板状部48の裏面片縁部に柱部46が接続されており、板状部48の裏面他縁部には突条50が形成されており、係合手段40を構成する環状形状部を一旦柱部46に掛けた後においては、柱部46からの環状形状部の離脱が充分に回避乃至抑制されるのが好都合である。
【0017】
上述したとおりの容器蓋2の使用様式を説明すると、上記先願明細書及び図面に詳細に記載されているとおり、中栓4の装着壁10に蓋本体6の本体部16における嵌合壁22を、両者の相対的角度位置を所要とおり整合せしめて被嵌することによって、中栓4に蓋本体6が回転自在に装着される。そして、中栓4の装着壁10を容器の口頸部(図示していない)に嵌合することによって、容器蓋2が容器の口頸部に装着され、中栓4の閉塞壁8が容器の口頸部を閉塞する。
【0018】
容器の内容物を消費する際には、最初に、中栓4に対して蓋本体6を図1及び図2において上方から見て反時計方向に所定角度、例えば300乃至320度程度回転せしめる(即ち図8に図示する状態にせしめる)。かくすると、上記先願明細書及び図面に記載する如く、蓋本体6の係止手段28が中栓4の被係止手段14に係止せしめられ、係止手段28及び被係止手段14を介して中栓4の閉塞壁8に形成されている破断可能薄肉ライン11が破断されて変形領域20が変形され、かくして閉塞壁8に通過開口(図示していない)が生成される。しかる後に、蓋本体6の外蓋18を閉位置(図8に図示する位置)から開位置(図9に図示する位置)に旋回せしめると、蓋本体6の覆壁20が露呈される。次いで、容器を傾動せしめると、中栓4の閉塞壁8に生成された通過開口及び蓋本体6の覆壁20に形成されている排出開口24を通して内容物が流出され、排出案内壁26に案内されて排出される。
【0019】
本発明に従って構成された容器蓋2においては、中栓4に対して蓋本体6を図1及び図2において上方から見て反時計方向に回転せしめると、中栓4の装着壁10の外周面に接続されたタンパーエビデント片38に対して外蓋18のスカート壁32の外周面に接続されたタンパーエビデント片38の他端が漸次離隔せしめられ、図8に示すとおり、タンパーエビデント片38の破断可能弱化部42に集中応力が作用して破断可能弱化部42が破断されてタンパーエビデント片38が2個の部分に分離される。タンパーエビデント片38の破断可能弱化部42の破断は、中栓4の閉塞壁8に形成されている破断可能薄肉ライン11の破断が開始される前、例えば中栓4に対して蓋本体6が50乃至60度程度回転される前に実現せしめられるのが好都合である。かような次第であるので、本発明に従って構成された容器蓋2においては、悪戯によって中栓4に対して蓋本体6が所要角度以上回転せしめられると、タンパーエビデント片38が2個の部分に分離され、これによって悪戯の痕跡が残留せしめられる。
【0020】
本発明に従って構成された容器蓋2においては、更に、中栓4に対して蓋本体6が反時計方向に回転せしめられるのに先立って、悪戯によって蓋本体6の外蓋18が、図1及び図2に実線で示し図7に二点鎖線で示す閉位置から図9に実線で示す開位置に旋回せしめられた場合にも、中栓4の装着壁10の外周面に接続されたタンパーエビデント片38に対して外蓋18のスカート壁32の外周面に接続されたタンパーエビデント片38の他端が漸次離隔せしめられ、図9に示すとおり、タンパーエビデント片38の破断可能弱化部42に集中応力が作用して破断可能弱化部42が破断されてタンパーエビデント片38が2個の部分に分離され、かくして悪戯の痕跡が残留せしめられる。
【0021】
以上、添付図面を参照して本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言を要しない。
【0022】
例えば、図示の実施形態においては、タンパーエビデント片38の一端を中栓4の装着壁10の外周面に一体に接続し、他端を係合手段40及び被係合手段44を介して外蓋18のスカート壁32の外周面に接続しているが、所望ならば、タンパーエビデント片の他端を外蓋のスカート壁の外周面に一体に接続し、一端を適宜の係合手段及び被係合手段を介して中栓の装着壁の外周面に接続することもできる。また、タンパーエビデント片の他端又は一端を係合手段及び被係合手段を介して外蓋のスカート壁の外周面又は中栓の装着壁の外周面に溶着することもできる。更に、所望ならば、中栓及び蓋本体と別個に成形したタンパーエビデント片の両端を中栓の装着壁の外周面及び外蓋のスカート壁の外周面に溶着することもできる。
【0023】
更に、図示の実施形態においては、中栓4の閉塞壁8に配設された破断可能薄肉ライン11が破断され変形領域12が変形されることによって閉塞壁8に通過開口が生成されるが、所望ならば上記特許文献1に開示されている如く、中栓の閉塞壁に配設されている破断可能薄肉ラインが破断されて破断領域が閉塞壁から分離され、かくして通過開口が生成されるように構成することもできる。
【符号の説明】
【0024】
2:容器蓋
4:中栓
6:蓋本体
8:閉塞壁
10:装着壁
11:破断可能薄肉ライン
12:変形領域
14:被係止手段
16:本体部
18:外蓋
20:覆壁
22:嵌合壁
24:排出開口
28:係止手段
30:天面壁
32:スカート壁
38:タンパーエビデント片
40:係合手段
42:破断可能弱化部
44:被係合手段
46:柱部
48:板状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9