【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技機は、入賞口に入賞した遊技球を遊技盤裏面側の所定の排出位置へと誘導する球通路を備えた遊技機において、以下の構成を備えたことを特徴とする。
(1)前記球通路は、前記入賞口と前記排出位置との間において、上端及び下端を遊技盤の裏面に沿う方向に向けて設置された可撓性チューブを備えていること。
(2)前記可撓性チューブは、内部を透視できる合成樹脂素材によって形成されていること。
【0010】
本発明の遊技機によれば、入賞口と排出位置との間を可撓性チューブとしたので、盤面構成の変更があった場合も、球通路を容易に変更することが可能となる。また、本発明の遊技機では、この可撓性チューブを、上端及び下端を遊技盤の裏面に沿う方向に向けて設置する構成としたので、可撓性チューブを後方に大きく屈曲する必用がなく、遊技盤設計上の制限要素とならない。よって、遊技盤の盤面構成の変更に対して適切な球通路の設置を容易に実施することができる。
【0011】
また、可撓性チューブの内部を透視できることにより、製造工程において遊技球の流れを確認する作業を容易に実施でき、遊技球の流れを妨げたりしない様に設置する作業を容易に実施できる。また、合成樹脂素材で製造された可撓性チューブは全体として連続した円弧状に湾曲されるので、設置に際して他の部品との干渉を避ける様に曲がりを形成しても、潰れない様に曲げることが容易であり、内面に引っ掛かり部分が生じない球通路とすることができる。特に、内面平滑なチューブとし、フッ素系合成樹脂の様に、耐摩耗性が高く、遊技球を滑らせ易い素材を用いるとよい。なお、内部を透視可能とするに当たっては、透明に限らず、半透明としても構わない。
【0012】
また、これら本発明の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(3)入り口を前記入賞口の背後に臨ませ、遊技球を当該入り口から後方に導いた後に下方に導く誘導路を有する遊技球案内部を備えると共に、前記可撓性チューブは、前記遊技球案内部の下方に向かう誘導路に連続して下方に伸びる様に設置されていること。
【0013】
入り口を入賞口の背後に臨ませた遊技球案内部を備えることにより、可撓性チューブによる球通路を正確な入り口位置を有する様に設置する作業を容易に実施できる。そして、この遊技球案内部が入り口から後方に導いた後に下方に導く誘導路を備えることにより、可撓性チューブの上端を遊技盤の裏面に沿わせつつ、遊技盤裏面との間に適度な隙間を形成することができる。従って、可撓性チューブの設置についての自由度を高めると共に、入り口を正確に設置することができる。
【0014】
この場合、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(4)前記遊技球案内部が前記誘導路に連続して下方に伸びる下向き筒部を有し、前記可撓性チューブは、その上端部を前記下向き筒部に外嵌させる様にして前記遊技球案内部に対して下方から装着されていること。
【0015】
かかる構成を採用することにより、遊技球案内部の誘導路から可撓性チューブへと連続する部分を通過する遊技球が衝突する様な下流側での内側への出っ張りを形成することなく可撓性チューブを遊技球案内部に対して装着することができる。よって、遊技球をスムーズに排出位置へと落下させることができる。
【0016】
この場合、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(5)前記下向き筒部は、根元に外側に飛び出す段部を有すると共に、下端に向かって肉厚が徐々に減少されていること。
【0017】
下向き筒部の根元の段部が可撓性チューブの上端位置を規制し、装着作業における位置決めを容易に行うことができる。また、下向き筒部を下端に向かって肉厚が徐々に減少されたものとすることで、例えば、内面側の径を徐々に広げる様に肉厚減少させることで、下向き筒部と可撓性チューブの連続部分での内径の変化量を小さくすることができる。逆に、下向きつつ部の外面側の径を徐々に小さくなる様に肉厚減少させることで、下向き筒部に対して可撓性チューブを装着し易くすることができる。
【0018】
これら遊技球案内部を備える場合、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(6)前記遊技球案内部には、前記下向き筒部の上端付近において遊技球を検知する検知スイッチが備えられていること。
【0019】
遊技球案内部の下向き筒部の上端付近に検知スイッチを備えることにより、遊技球が可撓性チューブに至る前に正確にカウントすることができる。ここで、遊技球案内部を合成樹脂射出成形による一体成形品、あるいは合成樹脂射出成形部品を組み立てた組立体としておけば、検知スイッチの設置が容易となり、検知位置を正確に設定することができる。この場合、下向き筒部を備え、その根元に外側に広がる段部を有するものにあっては、当該段部の付近に検知スイッチを設置する様に構成すれば、遊技球案内部をコンパクトに設計できると共に検知スイッチの設置位置が安定する。この結果、遊技盤の盤面変更に対して、遊技球案内部をコンパクトな汎用部品化することも可能となる。
【0020】
また、遊技球案内部を備えた遊技機は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(7)前記可撓性チューブの下端部には、当該可撓性チューブの下端開口を前記排出位置に臨ませる様に位置決めする球出口部材が備えられていること。
【0021】
かかる構成をも採用することにより、可撓性チューブによる球通路の下端側の位置決めを正確かつ容易に実行することができる。なお、球通路を複数有する遊技機にあっては、球出口部材は、個々の球通路の個々の可撓性チューブ毎に設けるとよい。可撓性チューブの設置の自由度が高くなり、互いに重なり合わない様に適切な配置を容易に実施することができる。
【0022】
この場合、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(8)前記球出口部材が上方に伸びる上向き筒部を有し、前記可撓性チューブは、その下端部を前記上向き筒部に内嵌させる様にして前記球出口部材に対して上方から装着されていること。
【0023】
かかる構成を採用することにより、可撓性チューブをしっかりと装着できると共に上向き筒部の上端が内側への出っ張りを形成することがない。よって、遊技球をスムーズに排出位置へと落下させることができる。
【0024】
この場合、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(9)前記球出口部材は、前記上向き筒部の根元に内側に向かう段部を有し、該段部は、前記上向き筒部に装着された前記可撓性チューブの内面よりも内側に飛び出さない寸法とされていること。
【0025】
上向き筒部の根元の段部で可撓性チューブの下端位置を規定できると共に、段部はチューブの内面よりも内側に飛び出さない寸法なので、遊技球の流れを妨げることがない。
【0026】
これら遊技球案内部及び球出口部材を備えた遊技機は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(10)前記可撓性チューブは、前記遊技球案内部から前記球出口部材に向かう間に上昇部を形成しない様に蛇行させて設置されていること。
【0027】
可撓性チューブを蛇行させることで遊技球の落下速度を減速気味にコントロールすることもでき、遊技球案内部から球出口部材に向かう間に上昇部を形成しない様に蛇行させることで、遊技球が留まる様なトラップ構造を避けることができる。
【0028】
この場合、さらに、以下の様に構成するとよい。
(11)前記遊技盤の裏面には、当該遊技盤側に伸びる枠部を有する裏ユニットが取り付けられ、前記遊技球案内部及び前記球出口部材は前記裏ユニットの前面側に取り付けられ、前記可撓性チューブは、前記裏ユニットの枠部の内側に位置する様に、前記遊技球案内部と前記球出口部材との間に装着されていること。
【0029】
かかる構成を備えることにより、蛇行する様に設置した可撓性チューブは裏ユニットの枠部の内側に収まり、裏ユニットの裏面側に取り付けられる種々の基板等の設置に対して影響を与えない。また、遊技球案内部及び球出口部材を裏ユニットの前面側に取り付けるので、これら遊技球案内部及び球出口部材も枠部の内側に収まる。そして、これら遊技球案内部及び球出口部材は、入賞口や排出位置の変更に伴って裏ユニット側の取付ネジ孔等を変更するだけで正確な位置に設置することができる。
【0030】
上記目的を達成するためになされた遊技機は、次の様に構成することもできる。
即ち、入賞口に入賞した遊技球を遊技盤裏面側の所定の排出位置へと誘導する球通路を備えた遊技機において、以下の構成を備えたことを特徴とする遊技機。
(21A)前記球通路として、入り口を前記入賞口の背後に臨ませ、遊技球を当該入り口から後方に導いた後に下方に導く誘導路を有する遊技球案内部と、当該遊技球案内部の下方に向かう誘導路に連続して下方に伸びる様に設置された可撓性チューブと、前記可撓性チューブの下端開口を前記排出位置に臨ませる様に位置決めする球出口部材とを備えていること。
(21B)前記遊技盤の裏面には、当該遊技盤側に伸びる枠部を有する裏ユニットが取り付けられ、前記遊技球案内部及び前記球出口部材は前記裏ユニットの前面側に取り付けられ、前記可撓性チューブは、前記裏ユニットの枠部の内側に位置する様に、前記遊技球案内部と前記球出口部材との間に装着されていること。
【0031】
さらに、以下の構成をも備えている遊技機。
(22A)前記遊技球案内部が前記誘導路に連続して下方に伸びる下向き筒部を有し、前記可撓性チューブは、その上端部を前記下向き筒部に外嵌させる様にして前記遊技球案内部に対して下方から装着されていること。
(22B)前記球出口部材が上方に伸びる上向き筒部を有し、前記可撓性チューブは、その下端部を前記上向き筒部に内嵌させる様にして前記球出口部材に対して上方から装着されていること。
(22C)前記可撓性チューブは、前記遊技球案内部から前記球出口部材に向かう間に上昇部を形成しない様に設置されていること。
【0032】
さらに、以下の構成をも備えている遊技機。
(23A)前記下向き筒部は、根元に外側に飛び出す段部を有すると共に、下端に向かって肉厚が徐々に減少されていること。
(23B)前記球出口部材は、前記上向き筒部の根元に内側に向かう段部を有し、該段部は、前記上向き筒部に装着された前記可撓性チューブの内面よりも内側に飛び出さない寸法とされていること。
【0033】
さらに、以下の構成をも備えている遊技機。
(24)前記遊技球案内部には、前記下向き筒部の上端付近において遊技球を検知する検知スイッチが備えられていること。