(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シート状の外皮材の先端部分を内包材が載置された内側方向へ折り畳む第一折り工程と、第一折りされた外皮材の両側端部分を内包材が載置された内側方向へ折り畳む第二折り工程と、第一折り及び第二折りされた外皮材の芯部分の周りにそれ以外の外皮材を巻付け折り畳む最終折り工程を備えた包み込み食品の折り畳み方法であって、前記最終折り畳み工程において前記外皮材の芯部分を挟持装置にて挟持するとともに、外皮材を支持装置にて支持し、前記挟持装置が回転して前記芯部分の周りにそれ以外の外皮材を巻付ける際に前記挟持装置の回転に応じて前記支持装置を相対的に昇降して前記芯部分の周りにそれ以外の外皮材を密着させることを特徴とする該方法。
請求項1に記載の包み込み食品の折り畳み方法であって、前記挟持装置に対する前記支持装置の相対的な昇降位置を調整することにより前記芯部分の巻付ける外皮材の巻付けの強さを調整することを特徴とする該方法。
シート状の外皮材の先端部分を内包材が載置された内側方向へ折り畳む第一折りをする第一折り部と、第一折りされた外皮材の両側端部分を内包材が載置された内側方向へ折り畳む第二折りする第二折り部と、第一折り及び第二折りされた外皮材の芯部分の周りにそれ以外の外皮材を巻付け折り畳む最終折りをする最終折り部を備えた包み込み食品の折り畳み装置であって、前記最終折り畳み部は前記外皮材の芯部分を挟持する挟持装置と、外皮材を支持する支持装置を備えており、前記挟持装置が前記芯部分の周りにそれ以外の外皮材を巻付けるために回転する際に前記挟持装置の回転に応じて前記支持装置を相対的に昇降可能に備えたことを特徴とする該装置。
請求項3に記載の包み込み食品の折り畳み装置であって、前記支持装置はベルトコンベアであり、該ベルトコンベアは搬送面を傾斜させることにより前記コンベアを昇降する構成であることを特徴とする該装置。
請求項3に記載の包み込み食品の折り畳み装置であって、前記支持装置はベルトコンベアであり、該ベルトコンベアは搬送面を水平に維持した状態で昇降させることにより前記コンベアを昇降する構成であることを特徴とする該装置。
請求項3に記載の包み込み食品の折り畳み装置であって、シート状の外皮材の上面に第一折り及び第二折りを補助するための溝を形成する溝形成装置を備えたことを特徴とする該装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に記載された折り畳み成形装置では、第二折りされた外皮材を折り畳み内包材を包み込み最終製品を成形することは可能である。しかしながら、特許文献1に記載された折り畳み成形装置では、第三折り部と第四折り部とが別に備えられているため構造が複雑となる問題がある。また、第三折り部と第四折り部では設定された軌跡に沿って折り畳み成形されるため、芯部分に巻付ける外皮材の巻付けの強弱を調整できないという問題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載された折り畳み成形装置では、カーテン手段により搬送される外皮材を転動させながら内包材の周りに外皮材を巻き上げるため、最終製品毎に巻き上がりが変化してしまい、最終形状が安定しないという問題がある。また、巻き上げられた最終製品は略円柱状に成形されるため、ブリトーなど上面と下面が略平行な平面を有する略板状の製品を成形することに適していない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シート状の外皮材の先端部分を内包材が載置された内側方向へ折り畳む第一折り工程と、第一折りされた外皮材の両側端部分を内包材が載置された内側方向へ折り畳む第二折り工程と、第一折り及び第二折りされた外皮材の芯部分の周りにそれ以外の外皮材を巻付け折り畳む最終折り工程を備えた包み込み食品の折り畳み方法であって、前記最終折り畳み工程において前記外皮材の芯部分を挟持装置にて挟持するとともに、外皮材を支持装置にて支持し、前記挟持装置が回転して前記芯部分の周りにそれ以外の外皮材を巻付ける際に前記挟持装置の回転に応じて前記支持装置を相対的に昇降して前記芯部分の周りにそれ以外の外皮材を密着させることを特徴とする。
【0008】
また、前記挟持装置に対する前記支持装置の相対的な昇降位置を調整することにより前記芯部分の巻付ける外皮材の巻付けの強さを調整することを特徴とする。
【0009】
また、シート状の外皮材の先端部分を内包材が載置された内側方向へ折り畳む第一折りをする第一折り部と、第一折りされた外皮材の両側端部分を内包材が載置された内側方向へ折り畳む第二折りする第二折り部と、第一折り及び第二折りされた外皮材の芯部分の周りにそれ以外の外皮材を巻付け折り畳む最終折りをする最終折り部を備えた包み込み食品の折り畳み装置であって、前記最終折り畳み部は前記外皮材の芯部分を挟持する挟持装置と、外皮材を支持する支持装置を備えており、前記挟持装置が前記芯部分の周りにそれ以外の外皮材を巻付けるために回転する際に前記挟持装置の回転に応じて前記支持装置を相対的に昇降可能に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、前記挟持装置に対する前記支持装置の相対的な昇降位置を調整可能に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、前記支持装置はベルトコンベアであり、該ベルトコンベアは搬送面を傾斜させることにより前記コンベアを昇降する構成であることを特徴とする。
【0012】
また、前記支持装置はベルトコンベアであり、該ベルトコンベアは搬送面を水平に維持した状態で昇降させることにより前記コンベアを昇降する構成であることを特徴とする。
【0013】
また、シート状の外皮材の上面に第一折り及び第二折りを補助するための溝を形成する溝形成装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第三折りと第四折りを最終折り部で行うことができ、従来の装置に比べ装置の構造を簡略化することができる。また、外皮材の芯部分を挟持する挟持装置の回転に応じて外皮材を支持するコンベアを昇降可能に備えているため、略板状の最終製品であっても芯部分の周りにそれ以外の外皮材を確実に巻付け安定した折り畳み成形ができる。さらに、挟持装置の回転位置に対するコンベアの昇降位置を調整することができるため、芯部分に巻付ける外皮材の巻付けの強さを調整することができ、上述した従来の問題を解決することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る折り畳み成形装置1について
図1乃至
図7にて説明する。折り畳み成形装置1は、例えば、シート状のチーズ3aの上にシート状のハム3bを重ねた内包材3をシート状の外皮材4で包み込んだブリトー(最終製品P)を折り畳み成形するものとして説明する。
【0017】
折り畳み成形装置1は、オーブンで焼成された円形の外皮材4を搬送する搬送装置7を備えている。搬送装置7は無端状のコンベアベルト9を備えたベルトコンベアであり、該搬送装置7の搬送面9aの上方に外皮材4を感知する第一感知装置13、例えば光電スイッチと、その下流側に搬送される外皮材4の位置を調える整列装置を備えている。この整列装置は2本のピン形状の位置決め部材16を幅方向Wに沿って配置し、図示されない昇降装置により昇降可能に備えられている。整列装置の下流側には溝形成装置8を備えている。この溝形成装置8は溝形成ローラ11を回転可能に備えている。この溝形成ローラ11は長手方向に沿った回転軸11が搬送装置7の搬送方向Aに対し直交し、かつ、搬送面9aと平行になる幅方向Wに沿って配置されている。該溝形成ローラ11は外皮材4の折り畳み位置を補助するために外皮材4に折り目としての溝15を押圧形成する突条17を備えている。
【0018】
外皮材4の上面には、幅方向Wに沿って互いに平行な溝15aと搬送方向Aに対し傾きを有する溝15b,15cの3本の溝15が形成される。溝15b及び15cは搬送方向Aに沿った外皮材4の中心線4CLに対し対称に形成されており、溝15b及び15cの間隔は上流側(外皮材4の先端側)から下流側(外皮材4の後端側)に向かって狭くなるよう配置される。
【0019】
溝形成ローラ11の突条17は外皮材4の溝15a、15b、15cに対応するよう備えられている。溝15aに対応する突条17aは、溝形成ローラ11の長手方向に沿って、形成されている。また、溝15bに対応する突条17bと溝15cに対応する突条17cは、溝形成ローラ11の周方向に螺旋状で互いに逆巻きに形成されている。つまり、突条17bと突条17cは溝形成ローラ11の長手方向の中心に対し対称に配置され、また、突条17aに交差している。
【0020】
搬送装置7は溝形成ローラ11の下流側において外皮材4の上面にチーズ3a及びハム3bを載置する作業領域を備えている。チーズ3a及びハム3bは公知のスライサなどの切断装置を用いる、あるいは、人手などにより外皮材4の3本の溝15a、15b、15cに合わせてそれらの内側に載置される。
【0021】
搬送装置7の下流側には、第一折り部18が備えられている。第一コンベア19は、フレーム2に取りつけられた制御モータM1に連動連結された搬入端ローラとしての駆動ローラ21や搬出端ローラ23などのローラに無端状のコンベアベルト20を掛け回したベルトコンベアであり、搬送装置7の下流側に連設されている。第一コンベア19の側方にはブラケット26を介して空気圧シリンダ27が取りつけられている。搬出端ローラ23の上方には、空気圧シリンダ27の往復動するロッド27Rにブラケット28を介して押さえローラ25が配置されており、第一コンベア19に対し接近離反可能に備えられている。また、押さえローラ25は駆動ローラ21の回転軸22にプーリ及びベルトなどの公知の動力伝達機構(図示省略)を介して回転可能に備えられている。
【0022】
第一コンベア19の左側(
図1における紙面奥側)のサイドフレーム19aの外側面で、回転軸21aの下流側に上下のガイドレール41が平行に配置されている。上下のガイドレール41の間にはカムフォロア42が転動可能に配置され、該カムフォロア42は略くの字状の揺動アーム43の一方の基端部43aに取り付けられている。また、揺動アーム43の他方の基端部43bはフレーム2に取り付けられた直動式の空気圧シリンダ44の往復動するロッド44Rに連結軸45を介して回動可能に軸支されている。そして、揺動アーム43の略中央の屈曲部43cがフレーム2に取り付けられた支軸46に軸支されている。したがって、空気圧シリンダ44のロッド44Rの往復動にともなって揺動アーム43が揺動し、第一コンベア19及び押さえローラ26は、駆動ローラ21の回転軸21aを支点として搬出端ローラ23側が上下に往復動するよう揺動可能に備えられている。
【0023】
第一コンベア19の搬送面20aが水平となり、搬出端ローラ23が上死点に位置する際に、第一コンベア19の下流側には載置板29が搬出端ローラ23と僅かな隙間をあけて備えられている。載置板29は断面L字状の部材であり、載置板29の上面に第一コンベア19から搬送される外皮材4の下流側の一部(外皮材4の先端部分)を載置する載置面29aと、その載置面29aの上流側で直交し下方向に配置されたガイド面29bを備えている。載置面29aは搬送面20aと同一あるいは僅かに下方に配置されている。そして、載置面29aの上面に外皮材4を位置決めするストッパ30が取り付けられている。また、ストッパ30の上流側であり、載置面29aの上方には、外皮材4を感知する第二感知装置31が備えられている。
【0024】
第一コンベア19の搬送面20aが下方に傾き、搬出端ローラ23が下死点に位置する際に、搬出端ローラ23の下方に近接して第二コンベア32が備えられている。第二コンベア32は駆動ローラ33、搬入端ローラ34、搬出端ローラ35などに掛け回されたコンベアベルト36を備えたベルトコンベアである。駆動ローラ33はフレーム2に取りつけられた制御モータM3に連動連結されている。第二コンベア32の上方には第1押さえベルト部37、第二押さえベルト部38、第三押さえベルト部39が直列に備えられている。各押さえベルト部は、断面がVベルトと同様な断面台形の無端状の押さえベルトが複数本ずつ備えられている。第一押さえベルト部37は、搬入端プーリ51とその下流側に駆動プーリ52を備え、各プーリ51、52の両端側に第一押さえベルト53を2本ずつ掛け回している。また、第二押さえベルト部38は、駆動プーリ52とその下流側に中間プーリ54を備え、各プーリ52、54の中央部に第二押さえベルト55を4本掛け回している。さらに、第三押さえベルト部39は、中間プーリ54とその下流側に搬出端プーリ56を備え、各プーリ54、56の両端側に第三押さえベルト57を2本ずつ掛け回している。各プーリ51、52、54、56はそれらの長手方向を幅方向Wに沿って配置され、周面には押さえベルトを掛け回す断面V字形状の溝が形成されている。
【0025】
駆動プーリ52はフレーム2に取り付けられた制御モータM4に連動連結されている。また、各押さえベルト53、55、57の表面で形成される下面53a、55a、57aは、第二コンベア32の搬送面36aと所要の間隔を開けて備えられている。そして、第二コンベア32搬送速度と各押さえベルト53、55、57の表面の周回速度とを同じに駆動している。上記構成において、第一コンベア19から第一押さえベルト部37の上流側部分に渡って第一折り部18を構成する。
【0026】
第一折り部18の下流側には、第二折り部40が備えられている。第二コンベア32の上方には搬送面36aと僅かな隙間を開け、さらに、第一押さえベルト部37の下流側部分及び第二押さえベルト部38の左右にそれぞれフォールディングガイド58L、58Rが備えられている。フォールディングガイド58L、58Rは外皮材4の左右の両側端部分を水平状態から徐々にせり上げ、起立させ、さらには内包材3が載置される内側に折り畳む働きをするガイド面59L、59Rをそれぞれ備えるものである。また、第三押さえベルト部39の搬出端プーリ56の上流側の上方には外皮材4を感知する第三感知装置60が備えられている。
【0027】
さらに、第二折り部40の下流側には、最終折り部63が備えられている。第二コンベア32の下流側に第三コンベア65が昇降可能に備えられている。第三コンベア65は中央に位置する中央コンベア65C、その左右に位置する左コンベア65L及び右コンベア65Rの3本のコンベアにて構成されている。中央コンベア65Cは搬入端ローラとしての駆動ローラ66と搬出端ローラ67Cに掛け回されたコンベアベルト68Cを備えたベルトコンベアである。左コンベア65Lは駆動ローラ66と搬出端ローラ67Lに掛け回されたコンベアベルト68Lを備えたベルトコンベアである。また右コンベア65Rは駆動ローラ66と搬出端ローラ67Rに掛け回されたコンベアベルト68Rを備えたベルトコンベアである。左右のコンベア65L、65Rは、中央コンベア65Cに対しコンベア長が短く設けられている。
【0028】
第三コンベア65の上方、詳しくは、左右のコンベア65L、65Rの上方には、第四押さえベルト部75が備えられている。第四押さえベルト部75は、駆動プーリ76とその下流側に配置された搬出端プーリ77をそれらの長手方向を幅方向Wに沿って配置して備え、それらプーリ76、77の左右の端部に断面台形の無端状の押さえベルト78が左右に2本ずつ掛け回されている。各プーリ76、77の周面には押さえベルト78を掛け回す断面V字形状の溝が形成されている。また、第四押さえベルト部75は、各押さえベルト78の表面で形成される下面78aが第三コンベア65の搬送面65aと所要の間隔を開けて備えられている。また、第三コンベア65の搬送面65aの高さ位置から僅かに上方であって、押さえベルト78の左右の外側には、第ニ折りされた外皮材4の両側端の幅方向Wへの広がりを規制する幅規制部材69を第四押さえベルト部75とほぼ同じ長さに備えている。
【0029】
第三コンベア65及び第四押さえベルト部75は、左右のサイドフレーム79の間に一体的に取り付けられている。そして、フレーム2に取り付けられた制御モータM5が第三コンベア65の駆動ローラ66と連動連結されている。また、第四押さえベルト部75の駆動プーリ76は制御モータM5と歯車列機構80を介して連動連結されている。そして、第三コンベア65及び第四押さえベルト部75は、駆動ローラ66の回転軸66aを支点として搬出端ローラ67C側が上下に往復動するよう揺動可能に備えられている。
【0030】
また、左右のサイドフレーム79の両外側面で駆動ローラ66の下流側に上下のガイドレール81が平行に配置されている。上下のガイドレール81の間にはカムフォロア82が転動可能に配置され、該カムフォロア82は揺動アーム83の一方の基端部83aに取り付けられている。揺動アーム83の他方の基端部83bは左右のフレーム6に渡り回動自在に取り付けられた回動軸84に軸止されている。この回動軸84の一端はフレーム6に取りつけられた制御モータM6に連動連結されている。制御モータM6は駆動軸の回転位置や回転速度などを正確に制御するためにサーボモータを用いることが望ましい。
【0031】
したがって、制御モータM6の正逆方向への往復回動にともなって揺動アーム83が揺動し、第三コンベア65及び第四押さえベルト部75が上下に往復動可能に備えられている。第三コンベア65は上昇した際にその搬送面65aが第二コンベア32の搬送面36aと同一の高さである初期位置に設定され、この初期位置に対し所要の高さに下降する、あるいは、下降位置から上昇するよう制御される。
【0032】
第三コンベア65の左右のコンベア65L、65Rの下流側で、左右のコンベア65L、65Rより下流側に突出した中央コンベア65Cの下流側部分の左右には、挟持装置88が備えられている。一対の挟持装置88は第二折りされた外皮材4の芯部分5の両端部分を挟持するとともに外皮材4を最終製品Pまで折り畳むために回転する装置である。一対の挟持装置88は同一な構成であるため、ここでは、フレーム6の上面に備えられた搬送左側(
図2における上側)の装置について説明する。挟持装置88は対向するフィンガ89を直動式の空気圧シリンダ90の両側のロッド90Rに取り付けている。対向するフィンガ89は両側のロッド90Rの進退動作により互いに接近離反可能に備えられている。ここでは、対向するフィンガ89が互いに接近した状態を挟持位置とし、互いに離反した状態を開放位置あるいは待機位置と称す。この空気圧シリンダ90は前側プレート91Fに取り付けられた制御モータM7に連動連結されている。制御モータM7は空気圧シリンダ90を介したフィンガ89の回転位置や回転速度などを正確に制御するためにサーボモータを用いることが望ましい。
【0033】
前側プレート91Fの下側部分(
図2における下側)における両側(
図2における左右)には2本のスライドシャフト92が垂設され、スライドシャフト92の他端側に前側プレート91Fに対向する後側プレート91Rが取り付けられている。各スライドシャフト92にはスライダ93が相対的に摺動自在に取り付けられている。これらスライダ93はフレーム2の上面に固定されている。また、両側のスライダ93の間には、直動式の空気圧シリンダ94がそのロッド94Rを幅方向Wに沿って進退動作するよう配置され、シリンダ本体はフレーム2の上面に取り付けられている。ロッド94Rの先端(
図3参照)は前側プレート91Fに連結されている。
【0034】
したがって、空気圧シリンダ94のロッド94Rを進退動作させることにより前側プレート91Fが往復動し、前側プレート91Fと一体的に取り付けられたフィンガ89が第三コンベア65に対し接近離反可能に備えられている。そして、フレーム6の上面に備えられた搬送右側の挟持装置88を搬送左側の挟持装置88と同期して作動させることにより、左右のフィンガ89が互いに接近離反するものである。
【0035】
第三コンベア65の下流側には第四コンベア95を備えている。第四コンベア95は駆動ローラ96、搬入端ローラ97、搬出端ローラ98などに無端状のコンベアベルト99を掛け回したベルトコンベアである。第四コンベア95は左右のフレーム6の間に水平に取り付けたスパン100に左右のサイドプレート101を介して支持されている。駆動ローラ96は搬送右側のサイドプレート101に取り付けた制御モータM7に連動連結されている。そして、第四コンベア95の搬送面99aは第三コンベア65が上昇位置に停止した際の搬送面65aと同一の高さに配置されている。
【0036】
第四コンベア95の上方には第五押さえベルト部102が備えられている。第五押さえベルト部102は駆動プーリ103とその上流側に配置された搬入端プーリ104をそれらの長手方向を幅方向Wに沿って配置して備え、それらプーリ103、104の左右の端部に断面台形の無端状の押さえベルト105が左右に2本ずつ掛け回されている。各プーリ103、104の周面には押さえベルト105を掛け回す断面V字形状の溝が形成されている。
【0037】
第五押さえベルト部102は左右のフレーム6に架設された略コの字形状のフレーム106の中央部106aに吊り下げて取り付けられている。フレーム106は左右のフレーム6に対し昇降可能に備えられている。フレーム106の左右の脚部106bの下端には各フレーム6に取り付けられた軸受け部材107に摺動可能なスライドシャフト108が取り付けられている。そして、スライドシャフト108の下端には上下がフランジでそれらの間に溝が形成された係合部材109が取り付けられている。この溝にカムフォロア110が転動自在に係合される。このカムフォロア110は略くの字形状の揺動部材111の上方の基端部に取り付けられている。左右の揺動部材11の中央部は左右のフレーム6に回動自在に支持された回動軸112に軸止されている。さらに、右側の揺動部材111の下方の基端部は、フレーム6に揺動自在に取り付けられた直動式の空気圧シリンダ113の進退動作するロッド113Rの先端にジョイント部材を介して取り付けられている。したがって、空気圧シリンダ113のロッド113Rを進退動作させることにより左右の揺動部材111が回動軸112を支点として揺動し、フレーム106が昇降するものである。また、第五押さえベルト部102は、各押さえベルト105の下面105aが第三コンベア65の下流側に突出した中央コンベア65Cの搬送面65a及び第四コンベア95の搬送面99aと所要の間隔を開けて接近離反するよう昇降可能に備えられている。
【0038】
折り畳み成形装置1によるブリトーの成形工程について説明する。なお、説明の都合上、正面視した際の最終製品Pの形状について、搬送方向Aに沿った長さを横の長さ、上下方向に沿った長さを厚み、幅方向Wに沿った長さを幅と称す(
図7(j)参照)。オーブンで焼成された円形の外皮材4が搬送装置7により搬送され第一感知装置13により感知される。この感知信号を起点として整列装置の位置決め部材16が下降し外皮材4の到着を待つ。外皮材4は幅方向Wに位置ずれして搬送される場合もあるが、このような外皮材4であっても2本の位置きめ部材16に当接することにより外皮材4の中心が溝形成ローラ11の長手方向の中心と一致する。その後、位置決め部材16は上昇し外皮材4が所要距離進んだとき、あるいはタイマーなどによる所定時間経過後に溝形成ローラ11が外皮材4の搬送に同期して回転し、外皮材4の上面に3本の溝15a、15b,15cが形成される(溝形成工程、
図4参照)。さらに、外皮材4は搬送装置7により搬送されチーズ3a及びハム3bの内包材3が3本の溝15a、15b、15cに合わせてそれらの内側に載置される。内包材3は外皮材4のやや先端側(搬送下流側)に片寄って載置されている(内包材載置工程)。
【0039】
内包材3が載置された外皮材4は第一折り部18に搬送される。つまり、外皮材4は搬送装置7から第一コンベアに19に移乗され、さらに、外皮材4の先端部分(下流端部分)が載置板29に搬送される。このとき、第二感知装置31が外皮材4を感知し、この感知信号に基き外皮材4の先端側(下流端)がストッパ30に当接する位置にて第一コンベア19を停止させる。このとき、外皮材4に形成された溝15aは第一コンベア19の下流端と載置板29の上流端との間に位置している。そして、空気圧シリンダ27を作動させて押さえローラ25を第一コンベアに接近させて内包材3及び外皮材4を搬送面20aに押さえ付ける(
図5(a)参照)。
【0040】
次いで、空気圧シリンダ44を作動させて第一コンベア19及び押さえローラ25を駆動ローラ21の回転軸21aを支点として下方へ揺動させる。この際、外皮材4の先端部分、つまり、溝15aより先端側にある外皮材4は載置板29のガイド面29bに案内されて起立した状態に折れ曲がる(
図5(b)参照)。そして、第一コンベア19の下流端側が最下点まで下降したときを起点として第一コンベア19の搬送動作を再開し、あわせて押さえローラ25を回転して、傾斜した搬送面20a上の内包材3が外皮材4に対し位置ずれしないよう外皮材4などを押さえ付けながら第二コンベア32側に搬送する。この際、起立した外皮材4の先端部分は載置板29の下端部に当接して内包材3が載置された内側に折り畳まれ、第二コンベア32と第一押さえベルト部37の間に搬送される。そして、第一押さえベルト部37にて押さえ付けられ第一の折り畳みが完了する(第一折り工程、
図5(c)参照)。
【0041】
第一の折り畳みが終了した外皮材4は第二コンベア32と第一押さえベルト部37の間に挟まれた状態で第二折り部40に搬送される。第一押さえベルト部37の押さえベルト53は外皮材4の上面に形成された溝15b及び溝15cのやや内側に配置されている。外皮材4の左右の端部、つまり、溝15b及び溝15cより左右の外側にある外皮材4は第二コンベア32の上方に備えられた左右のフォールディングガイド58L、58Rのガイド面59L、59Rに沿って水平状態から徐々にせり上げられ、起立させられる。そして、外皮材4は第二押さえベルト部38の下方に搬送され、起立した外皮材4の両端部は内包材3が載置される内側に折り畳まれる。第二押さえベルト部38の押さえベルト55は折り畳まれた外皮材4の両端部に干渉することなく外皮材4の中央部を押さえ付ける位置に備えられている。さらに、外皮材4は第三押さえベルト部39の下方に搬送される。第三押さえベルト部39の押さえベルト57は、外皮材4の内側に折り畳まれた両端部を押さえ付ける作用をなす。この第二折りがなされた外皮材4は平面視において下流側に位置する後端側より上流側に位置する先端側の幅が狭く折り畳まれる(第ニ折り工程、
図5(d)参照)。
【0042】
第二の折り畳みが終了した外皮材4は最終折り部63に搬送される。外皮材4は上下においては初期位置に待機する第三コンベア65と第四押さえベルト部75の間に挟まれ、左右の幅方向においては幅規制部材69により幅方向Wへの広がりを規制された状態で搬送され、さらには、上昇位置に待機する第五押さえベルト部102の下方に搬送される。また、左右の挟持装置88は中央コンベア65C側に互いに接近し、かつ、対向するフィンガ89が上下に離反して待機している。そして、外皮材4は第三押さえベルト部39の搬送途中に備えられた第三感知装置60により感知された感知信号に基き外皮材4の搬送位置が演算装置により演算され、外皮材4が中央コンベア65Cの突出した下流側部分に到達したときに第三コンベア65及び第四押さえベルト部の搬送駆動が停止される。そして、中央コンベア65Cの左右に配置された挟持装置88の上下に対向するフィンガ89が互いに接近して外皮材4の芯部分5の両端部を挟持する(
図6(e)参照)。ここでは、外皮材4がほぼ水平な状態で第三コンベア65に支持されており、この状態を第二折りされた外皮材4の初期状態と称す。このとき、芯部分5は正面視において厚みに対し横の長さが長く、芯部分5の全体としては略板状をなしている。
【0043】
左右のフィンガ89は内包材3を外皮材4で覆うように芯部分5を
図6(f)乃至
図7(i)に図示するよう左回転する。つまり、本実施例においては、外皮材4の芯部分5を搬送方向Aに対し逆方向へ折り畳む態様として説明する。
図6(f)は外皮材4が初期状態から100度回転した状態を示しており、このとき、正面視における芯部分5の角部がフィンガ89の回転中心の下方に位置する態様となり、第三コンベア65が最も下降した位置に移動している。また、フィンガ89の回転速度は、例えば、相対的に高速な毎分150回転にて回転する。外皮材4が回転をする際には、芯部分5に巻付けられる残りの外皮材4が常に第三コンベア65の搬送面65aから芯部分5側に押しつけられるよう挟持装置88のフィンガ89の回転に応じて第三コンベア65の昇降を制御している。
【0044】
外皮材4がさらに回転すると第三コンベア65は上昇を開始する。
図6(g)は外皮材4の芯部分5が初期状態から180度回転し、全体としてほぼ水平な状態を示している。また、フィンガ89の回転速度は、例えば、相対的に低速な毎分100回転にて回転する。このとき、第三コンベア65は芯部分5に新たに巻付けられた外皮材4及び内包材3の厚みの分だけ初期位置より低い位置まで上昇している。このとき、搬送面65a上の外皮材4及び内包材3が芯部分の外皮材4や内包材3と接した状態に折り畳まれる(第三折り工程)。この第三折り工程において、第二折りされた外皮材4の両側端部が幅方向に拡がろうと動く場合があるが、芯部分5以外の外皮材5は幅規制部材69により両側端側が規制され、あわせて上方を第四押さえベルト部75、下方を第三ベルト65にて四方を囲まれているため拡がることなく、また、芯部分5に対し折り畳まれる外皮材4の内側に自ずと折り畳みようのしわが形成されるので、特許文献1に記載された外皮材4の後端部の幅拡がりを阻止する押さえ機構を備える必要がない。
【0045】
図7(h)は外皮材4が初期状態から280度回転した状態を示しており、第三コンベア65は前述と同様に最下降位置に下降している。そして、
図7(i)は外皮材4が初期状態から360度回転して外皮材4の折り畳み動作が終了した状態を示している。また、フィンガ89の回転速度は、例えば、フィンガ89の回転角度が240度から360度においては相対的に高速な毎分150回転にて回転する。このとき、第三コンベア65は初期位置まで上昇しており、外皮材4を緊密に巻き上げ折り畳み動作が完了し、最終製品Pが成形される(第四折り工程)。
【0046】
上記説明のように、挟持装置88のフィンガ89の回転速度は、芯部材5の形状、つまり、厚みと横の長さが相違するような場合、芯部材5の回転位置に応じて変速させることにより、所要の速度で昇降する支持装置としての第三コンベアとの相対的位置の調整が可能となり、残りの外皮材の折り畳みが安定するものである。なお、本実施例ではフィンガ89の回転速度を変速可能とし、支持装置を所要の速度で定速度で昇降するよう説明したが、フィンガ89の回転速度を所要の速度で定速度とし、支持装置の昇降速度をフィンガ89の回転位置に応じて変速させることも可能である。
【0047】
ここで、対向するフィンガ89を接近離反させる空気圧シリンダ90内の空気圧を大気に開放する(例えば、空気圧シリンダ90を作動させる電磁弁のポートを大気に連通する)ことによりフィンガ89を外力により移動自在な常態とする。また、フィンガ89の回転の停止後に第五押さえベルト部102を下降させて最終製品Pを中央コンベア65Cに押さえ付け、芯部分5を握り締めることなく最終製品Pの中に差し込まれた常態のフィンガ89を両側に離反させ最終製品Pからフィンガ89を抜き取る。そして、第三コンベア65、第四コンベア95及び第五押さえベルト部102を搬送駆動し最終製品Pを第四コンベア95へ移乗させる。最終製品Pの左右の端部は第五押さえベルト部102の押さえベルト105に押さえ付けられ左右の折り畳みを確実なものとして最終製品Pの外観、つまり、縦(厚み)に対し搬送方向Aに沿った横の長さが長く、幅方向Wに沿った長さを有する全体として略板状に整えるとともに、内包材3と外皮材4とを密着させる作用をなす。
【0048】
上述のとおり、最終折り部63では第三折り工程及び第四折り工程が連続して行われる。この最終折り工程において、新部分5に対する外皮材5の巻き付け強さを調整したいという要望がある。このような場合、挟持装置88の回転中心に対する第三コンベア65の昇降位置を制御(調節)して芯部分5に対して外皮材4を押し付ける位置を調節することによりその巻き付け強さを調整することができる。つまり、挟持装置88の回転に応じた第三コンベア65の昇降位置を挟持装置88の回転中心に対し近づけることにより巻きが強くなり、反対に、前記回転中心に対し遠ざけることにより外皮材5の押し付けが弱くなり相対的に巻きが緩くなる。上記説明から理解できるように、最終折り工程における第三コンベア65は外皮材4を搬送するものではなく、外皮材4を支持する支持装置として品得られている。
【0049】
本発明の実施の形態に係る襞形成装置の説明は概ね上記のとおりであるが、これに限らず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記実施例では、外皮材4を搬送方向Aに対し逆方向に折り畳むよう説明したが、外皮材4の上面に載置した内包材3を外皮材4で覆い包み込むよう芯部分5に外皮材4を巻き上げ折り畳むことにより最終製品Pを成形すればよいのであって、外皮材4の搬送方向に対する折り畳み方向は制限されるものではない。
【0050】
また、最終折り部63の第三コンベア65を駆動ローラ66の回転軸66aを支点として搬出端ローラ67C側を揺動することにより搬送面65aを昇降させるよう説明したが、例えば、第三コンベア63全体を昇降させることにより挟持装置88のフィンガ89の回転に応じて第三コンベア63の搬送面65aの昇降を制御し、芯部分5に対する残りの外皮材4の巻付けの強弱を調整することも可能である。
【0051】
また、フィンガ89に対し第三コンベア63を昇降させるよう説明したが、フィンガ89を第三コンベア63に対して昇降可能に備えてもよく、相対的に接近離反することにより外皮材4の折り畳み成形をすることができる。
【0052】
また、溝形成装置8を回転する溝形成ローラ11として説明したが、例えば、平板の下面に突条を設けたスタンパを用い、該平板を昇降させることにより外皮材4の上面に溝15を形成することも可能である。