【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・ウェブサイト「http://www.nsk−kk.co.jp/menu/Frameset.htm」及び「http://www.nsk−kk.co.jp/menu/MENUR.html」に掲載、2014年2月14日 ・第48回スーパーマーケット・トレードショー2014にて、パンフレットを配布、2014年2月12〜2014年2月14日 ・第48回スーパーマーケット・トレードショー2014にて、レジ袋ホルダーを公開、2014年2月12〜2014年2月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ケーシングの底壁は、前記ケーシングにおける背面壁の下端から下方に延びるように設けられた下方延長部が、前方に曲げ起こされることによって形成されている請求項6に記載のレジ袋ホルダー。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、各レジ袋は非常に薄く、さらに静電気等の影響によってレジ袋同士が付着しているため、上記特許文献1,2に示す従来のレジ袋ホルダーにおいては、重ね合わせた多数のレジ袋から、1枚ずつ正確にレジ袋を取り出すことは困難であり、必要枚数以上のレジ袋を不本意にも取り出してしまうという課題があった。そうすると、余分に取得したレジ袋を店員に返却したり、レジ袋を余計に購買してしまう等、購買者に不便をかけるおそれがある。
【0007】
また重ね合わされた多数のレジ袋を、あらかじめ1枚ずつ分離させた状態で設置しておけば、レジ袋を1枚ずつ取得することは容易である。しかしながらその場合には、多数のレジ袋を1枚ずつ分離する作業が非常に面倒で準備作業を簡単に行えず、現実的な解決策とは言い難い。
【0008】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、多数のレジ袋を簡単にセットできるとともに、レジ袋を1枚ずつ確実に取り出すことができるレジ袋ホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
【0010】
[1]上部にレジ袋取出口が設けられたケーシングと、
前記ケーシングにおける前記レジ袋取出口の近傍に設けられ、かつ左右方向に沿って延びるように配置されるレジ袋掛止棒と、
重ね合わされた多数のレジ袋の一半部を残り半部の前側に対向させるように2つ折りにしたレジ袋群を、その折り曲げ部内側を前記レジ袋掛止棒に掛止した状態で、2つ折りのレジ袋群の一半部を後方に押し込むことにより、前記一半部と共に前記残り半部を前記ケーシングの背面壁に押し付けるようにしたレジ袋押付手段と、を備え、
前記レジ袋掛止棒に掛止された2つ折りのレジ袋群における最外側のレジ袋を、前記レジ袋取出口を介して引き出すことによって、最外側のレジ袋が前記ケーシングの外部に取り出されるように構成されていることを特徴とするレジ袋ホルダー。
【0011】
[2]前記レジ袋押付手段は、ウエイト部材を備え、
前記ウエイト部材が、前記ケーシング内において後方に向けて斜め下向きに自重によりスライド移動するように設けられ、
前記ウエイト部材を自重によって2つ折りのレジ袋群に圧接させて、そのレジ袋群を前記ケーシングの背面壁に押し付けるように構成されている前項1に記載のレジ袋ホルダー。
【0012】
[3]前記ケーシングは両側壁を有し、
その両側壁における前側上部から後側下部に向けて斜め方向に延びるガイド用スリットがそれぞれ設けられ、
前記ウエイト部材の両端部が、前記ガイド用スリットにその長さ方向に沿ってスライド自在に挿入されている前項2に記載のレジ袋ホルダー。
【0013】
[4]前記ガイド用スリットにおける前側上部に位置する一端が開放される一方、
前記ケーシングは前面に開口部を有し、前記ケーシングにその前面開口部を開閉自在な前扉が設けられ、
前記前扉の裏面側における前記ガイド用スリットの一端開放部に対応して抜け止め片が設けられ、
前記前扉を閉じた際に前記抜け止め片によって前記ガイド用スリットの一端開放部が閉塞されるように構成されている前項3に記載のレジ袋ホルダー。
【0014】
[5]前記ケーシングの前面側に情報表示スペースが設けられている前項1〜4のいずれか1項に記載のレジ袋ホルダー。
【0015】
[6]前記ケーシングは底壁と両側壁とを有し、
前記ケーシングの底壁の両側端縁と、前記ケーシングの両側壁の下端縁との間に隙間が形成されている前項1〜5のいずれか1項に記載のレジ袋ホルダー。
【0016】
[7]前記ケーシングの底壁は、前記ケーシングにおける背面壁の下端から下方に延びるように設けられた下方延長部が、前方に曲げ起こされることによって形成されている前項6に記載のレジ袋ホルダー。
【0017】
[8]前記ケーシングは底壁を有し、
前記ケーシングの底壁は、その前部が後部よりも上方に配置されて、前記底壁の前部下方に干渉防止スペースが形成されている前項1〜7のいずれか1項に記載のレジ袋ホルダー。
【発明の効果】
【0018】
発明[1]のレジ袋ホルダーによれば、レジ袋押付手段によって2つ折りのレジ袋群をケーシングの背面壁に押し付けているため、レジ袋を取り出す際に各レジ袋に下向きの抵抗力が付与されることにより、最外側のレジ袋だけを他のレジ袋から確実に切り離して取り出すことができる。さらに2つ折りのレジ袋群をレジ袋掛止棒に掛止して、そのレジ袋群をレジ袋押付手段によって押し付けるだけで簡単に、多数のレジ袋をセットすることができる。
【0019】
発明[2][3]のレジ袋ホルダーによれば、スライド自在なウエイト部材を自重によってレジ袋群に押し付けるようにしているため、構造が簡素で動作信頼性も高くなり、故障等のトラブルの発生を有効に防止することができる。
【0020】
発明[4]のレジ袋ホルダーによれば、ウエイト部材が不用意に脱落してしまう等の不具合を確実に防止でき、より一層利便性を向上させることができる。
【0021】
発明[5]のレジ袋ホルダーによれば、広告等の情報も表示することができる。
【0022】
発明[6]のレジ袋ホルダーによれば、底壁の両側端縁と、両側壁の下端縁との間に隙間を形成しているため、その隙間を介してケーシング内に入り込んだゴミや埃等の塵埃をケーシングの外部に掃き出すことができ、清掃作業を容易に行える。
【0023】
発明[7]のレジ袋ホルダーによれば、底壁の両側端縁と、両側壁の下端縁とを一致させる必要がないため、高い寸法精度が要求されず、ケーシング、ひいてはレジ袋ホルダー自体の製作をより一層簡単に行うことができる。
【0024】
発明[8]のレジ袋ホルダーによれば、上下方向に並べて配置した場合、上側のレジ袋ホルダーにおける底壁13の前端部下側に、部位が存在しない干渉防止スペースが設けられるため、下側のレジ袋ホルダーからレジ袋を取り出す際に、手が上側のレジ袋ホルダーの底壁に干渉するようなことがなく、下側のレジ袋ホルダーからもレジ袋をスムーズに取り出すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1〜
図5はこの発明の実施形態であるレジ袋ホルダーPを示す図である。なお本明細書においては、発明の理解を容易にするため、
図5Aに向かって左側を「前側」「正面側」または「表面側」とし、右側を「後側」「背面側」または「裏面側」として説明する。
【0027】
これらの図に示すように、本実施形態のレジ袋ホルダーPは、鏡面仕上げされたスチール製のケーシング1を備えている。このケーシング1は、背面壁11と、両側壁12,12と、底壁13とを備え、前面から上面にかけての領域が外部に開放されている。本実施形態において、両側壁12,12は、背面壁11の両側縁部から側方に延長形成された延長部が前方に曲げ加工されることにより、背面壁11に一体に形成されている。さらに底壁13も両側壁12,12と同様に、背面壁11の下縁部から下方に延長形成された延長部が前方に曲げ加工されることにより、背面壁11に一体に形成されている。
【0028】
両側壁12,12は、その下端縁における後半部が水平に形成されるとともに、前半部が前方に向かうに従って上方に位置する斜め上向きに形成されている。さらに底壁13は、両側壁12の下端縁に沿うように、後半部が水平に形成されるとともに、前半部が前方に向かうに従って上方に位置する斜め上向きに形成されている。換言すると、底壁13の前部は、後部よりも上方に配置されており、
図5A等に示すように前部の下側に、部位が存在しない干渉防止スペース(空間部)15が形成されている。
【0029】
なお、両側壁12,12の下端縁と、底壁13の両側縁部との間には隙間14が形成されている。
【0030】
両側壁12,12には、その前縁の上部から後縁の高さ方向中間部にかけてガイド用スリット16,16がそれぞれ形成されている。このガイド用スリット16,16は、後方に向かって斜め下向きの方向に直線状に延びるように形成されている。さらにガイド用スリット16,16における前側上部の端部(一端)は前方に向かって斜め上方に開放されるとともに、後側下部の端部(他端)は閉塞されている。
【0031】
ここで、本実施形態においては、ケーシング1の前面から上面にかけての部分が開放されているが、この開放部のうち、ガイド用スリット16の前端よりも上側の開放部が、レジ袋取出口10として構成されるとともに、ガイド用スリット16の前端よりも下側の開放部が前面開口部20として構成されている。
【0032】
またケーシング1の上端部のやや前寄りの位置におけるレジ袋取出口10の近傍には、レジ袋掛止棒4が左右方向に沿って水平に配置されている。このレジ袋掛止棒4は、その両端部がケーシング1の両側壁12に固定されることによって、両側壁12間に架け渡されるように配置されている。本実施形態において、このレジ袋掛止棒4は金属製のパイプによって構成されている。
【0033】
本実施形態において、レジ袋掛止棒4には、後に詳述するように多数のレジ袋91を掛止して保持できるようになっている。
【0034】
また
図5A〜
図5Cに示すようにケーシング1の背面壁における背面側(後面側)の上下両側の4箇所には、後方に突出し、かつ下方に屈曲する鉤状の取付フック19が固定されており、後述するようにこの取付フック19を介して、レジ袋スタンド5に着脱自在に取り付けることができるようになっている。
【0035】
ガイド用スリット16には、レジ袋押付手段として機能する棒状ないしパイプ状のウエイト部材3が取り付けられる。このウエイト部材3は、所定の重量を有する金属製のパイプ(ウエイト本体)31と、そのパイプ31の両端に取り付けられた軸具32とを備えている。
【0036】
このウエイト部材3の両端における軸具32,32が、ケーシング1の両側におけるガイド用スリット16,16にその一端開放部から挿入されることにより、ウエイト部材3がガイド用スリット16の長さ方向に沿ってスライド自在に取り付けられる。換言すると、ウエイト部材3は、ケーシング1内において後方に向けて斜め下向きの方向に沿ってスライド自在に取り付けられている。
【0037】
なお本実施形態においては、ウエイト部材3の軸具32は、スライド移動がスムーズに行われるように円形断面に形成しておいても良い。
【0038】
前扉2は、鏡面仕上げされたスチール板によって構成されており、ケーシング1の前面開口部20に適合配置できるように前面開口部20の形状に対応して形成されている。前扉2の両側縁部には、その両側縁部が裏面側に折り返されるようにして縁曲げ部21が形成されており、その両側縁曲げ部21の下端部がケーシング1の両側壁の下部前端に回転自在にそれぞれ取り付けられている。これにより、
図5Cに示すように前扉2を手前(前方)に引き込んで倒伏させることによって、前面開口部20を開放させた開き状態と、
図5Aに示すように前扉2を後方に押し上げて起立させることによって、前面開口部20を前扉2により閉塞した閉じ状態との間で開閉自在となっている。
【0039】
前扉2の両側縁曲げ部21の上端部には、係合孔22が形成されている。またその係合孔22に対応して、ケーシング1の両側壁12の上端前縁部には、外側から前扉ロックねじ18がねじ込まれた状態に取り付けられている。
【0040】
そして、前扉2を押し上げてケーシング1の前面開口部20を閉塞した際には、前扉2の係合孔22がケーシング1の前扉ロックねじ18に対応して配置されるようになっている。さらにその状態で、前扉ロックねじ18をねじ込んで係合孔22に挿入すると、前扉ロックねじ18が係合孔22に係合することによって、前扉2が前面開口部20を閉塞した状態に固定(ロック)されるようになっている。またこの前扉ロック状態から前扉ロックねじ18を緩めて係合孔22から抜き出すと、前扉ロックねじ18と係合孔22との係合が解除されて前扉ロック解除状態となり、前扉2の開き操作を行えるようになっている。なお前扉ロック解除状態では、前扉ロックねじ18の先端部をケーシング1にねじ込んで前扉ロックねじ18をケーシング1に保持しておくことによって、前扉ロックねじ18が脱落してしまうような不具合を防止することができる。
【0041】
また前扉2にはその裏面側における上端部の両側縁部に、ケーシング1におけるガイド用スリット16の一端開口部に対応して、抜け止め片23が裏面側に突出するように固定されている。
図5Cに示すようにこの抜け止め片23は、前扉2を閉じた際に、ガイド用スリット16の一端開口部を閉塞するように配置される。
【0042】
従ってこの状態、つまり前扉2を閉じた状態では、ガイド用スリット16にスライド自在に挿入されるウエイト部材3が抜け止め片23に係合することによって、ウエイト部材3がガイド用スリット16の一端開口部から不用意に抜け出して脱落してしまうのを防止することができる。なお言うまでもなく、前扉2を開いた状態では、ガイド用スリット16の一端開口部が開放されるため、その前端開口部を介して、ウエイト部材3をガイド用スリット16から取り外すことができるようになっている。
【0043】
また前扉2はその表面(前面)側に、着脱自在にアクリル板等からなる透明板26が着脱自在に取り付けられており、その透明板26と扉板2との間に、各種の情報を表示した紙やプラスチックフィルム等の情報表示手段を挟持できるようになっている。従ってその情報表示手段によって、前扉2の前面に広告等を表示できるようになっている。つまり本実施形態においては、前扉2の前面を情報表示スペース25として用いることができる。
【0044】
以上のように構成されたレジ袋ホルダーPは、
図6および
図7に示すように、レジ袋スタンド5に取り付けられる。
【0045】
このレジ袋スタンド5は、ベース板51と、そのベース板51に立設され、かつ互いに平行に垂直に延びる左右一対の支柱52,52と、一対の支柱52,52間に架橋され、かつ上下方向に適宜間隔をおいて配置される複数のホルダー掛止棒53とを備えている。
【0046】
このレジ袋スタンド5に本実施形態のレジ袋ホルダーPが取り付けられる。すなわちレジ袋ホルダーPの裏面に取り付けられた取付フック19を、レジ袋スタンド5の適当なホルダー掛止棒53に掛止することによってレジ袋ホルダーPをレジ袋スタンド5に固定する。本実施形態においては、レジ袋スタンド5にレジ袋ホルダーPを上下方向に所定間隔おきに複数配置するようにしている。
【0047】
一方
図3に示すように、本実施形態のレジ袋ホルダーPにおいて、レジ袋91を保持させるには、レジ袋ホルダーPの前扉2を開いて、前面開口部20を開放させておく。さらにウエイト部材3をケーシング1のガイド用スリット16から抜き出して取り外しておく。
【0048】
続いて多数枚のレジ袋91が重ね合わされたレジ袋群9を、その上側半部を下側半部に対向させるように前方に折り曲げて2つ折りの状態とする。その2つ折りのレジ袋群9を、ケーシング1内にそのレジ袋取出口10および前面開口部20を介して収容しつつ、2つ折りのレジ袋群9の折り曲げ部内側をケーシング1のレジ袋掛止棒4に引っ掛ける。この状態では、ケーシング1内において、レジ袋群9の上側半部と下側半部とが前後に対向するように配置され、上側半部が前面側(表面側)に配置されるとともに、下側半部が後面側(裏面側)に配置されている。なお言うまでもなく、本発明では、レジ袋群9の前後反転させて、つまり下側半部が前面側、上側半部が後面側に配置されるようにセットしても良い。
【0049】
次に
図2に示すように、ウエイト部材3の両端軸具32をケーシング1のガイド用スリット16の一端開放部から挿入し、ウエイト部材3をガイド用スリット16に沿って後方ないし下方にスライドさせていき2つ折りのレジ袋群9における上側半部に押し当てる。この状態で、作業者がウエイト部材3から手を離してやれば、レジ袋群9を保持することができる。すなわち、ウエイト部材3は自重によってレジ袋群9に対し、ガイド用スリット16に沿う方向、つまり後方やや斜め下向きの方向に押し込む力(付勢力)が作用する。この付勢力によってレジ袋群9の上側半部(表側半部)が後方に押し込まれて、レジ袋群9の上側半部と下側半部とが互いに重なり合った状態でケーシング1の背面壁11に押し付けられる。これによりレジ袋群9はその上側半部と下側半部とが安定状態に支持されてレジ袋掛止棒4に掛止した状態で保持される。
【0050】
その後
図1に示すように、前扉2を閉じて前面開口部20を閉塞してから、前扉ロックねじ18をねじ込んで前扉2の係合孔22に挿入することによって、前扉2を閉じた状態にロックする。
【0051】
これにより本実施形態のレジ袋ホルダーPに対するレジ袋91のセットが完了する。
【0052】
こうしてレジ袋91がセットされたレジ袋ホルダーPから、顧客(購買者)がレジ袋91を取り出すには、レジ袋取出口10を介してレジ袋群9の折り曲げ部において最も外側に配置されるレジ袋91を摘んで引き上げれば、最も外側の1枚のレジ袋91だけを抜き出すことができる。この抜き取り操作においては、レジ袋群9が2つ折りにされて、その上側半部および下側半部がウエイト部材3によってケーシング1の背面壁11に押し付けられているため、レジ袋91を取り出す際に、各レジ袋91に下向きの抵抗力が付与される。その抵抗力によって、最外側(1枚目)のレジ袋91を摘み上げた際に、そのレジ袋91に追従して2枚目以降のレジ袋91が引き上げらるのが防止され、1枚目のレジ袋91が2枚目以降のレジ袋91から確実に切り離される。従って1枚目のレジ袋91だけを簡単かつ確実に抜き取ることができ、必要以上の余分なレジ袋91を取り出してしまうような不具合を確実に防止することができる。
【0053】
また本実施形態のレジ袋ホルダーPにおいては、2つ折りのレジ袋群9をレジ袋掛止棒4に掛止して、ウエイト部材3をガイド用スリット16に挿入するだけで簡単にレジ袋91をセットすることができる。このように簡単な操作で確実に多数のレジ袋91をセットでき、レジ袋91のセット操作等の準備作業に手間取る等の不具合も確実に防止することができる。
【0054】
なお、レジ袋91が順次取り出されて、レジ袋91の枚数が減少するに従って、つまり2つ折りのレジ袋群9が薄くなるに従って、ウエイト部材3がガイド用スリット16に沿って後側下部に次第にスライドしていくことになる。そして全てのレジ袋91が取り出されると、ウエイト部材3のパイプ(ウエイト本体)31がケーシング1の背面壁11に直接接触することになる(
図5B参照)。
【0055】
さらに本実施形態のレジ袋ホルダーPにおいては、ウエイト部材3を自重によってレジ袋群9に押し付けてレジ袋群9を束ねて保持するようにしているため、構造が簡素で動作の信頼性も高く、故障等のトラブルの発生を有効に防止できるとともに、コストも削減することができる。
【0056】
また本実施形態のレジ袋ホルダーPにおいては、ケーシング1の前面開口部20に開閉自在に前扉2を取り付けているため、通常時には、前扉2が閉塞されることにより、ケーシング1内が隠蔽されるとともに、全体として箱型のシンプルな外観形状となる。このため、良好な美観を得ることができ、商品価値を一層向上させることができる。
【0057】
さらに本実施形態のレジ袋ホルダーPにおいては、前扉2の前面を情報表示スペース25として利用しているため、広告等の情報の表示も併用して行うことができ、汎用性を向上させることができる。
【0058】
また本実施形態のレジ袋ホルダーPにおいては、前扉2に抜け止め片23を取り付けて、前扉閉塞時に抜け止め片23によって、ガイド用スリット16の一端開放部を閉塞するようにしているため、前扉2を閉じてレジ袋ホルダーPをセットした状態では、ウエイト部材3がガイド用スリット16の一端開放部から抜け出すのを防止することができる。このため例えばレジ袋91の取出操作に伴って、ウエイト部材3が不用意に抜け出してしまうような不具合を確実に防止することができ、利便性を一層向上させることができる。
【0059】
また本実施形態のレジ袋ホルダーPにおいては、ケーシング1の底壁13を、ケーシング1の背面壁11の下端から下方に延長した下方延長部を前方に曲げ起こして形成するようにしているため、ケーシング1の底壁13を簡単に形成することができる。
【0060】
特に本実施形態においては、底壁13の両側端縁と、両側壁12の下端縁との間に隙間14を形成しているため、ケーシング1内に入り込んだゴミや埃等の塵埃を、隙間14を介してスムーズにケーシング1の外部に掃き出すことができる。このため、清掃作業を容易に行えて、メンテナンス作業の負担も軽減でき、長期間、安心して使用することができる。
【0061】
しかも底壁13と両側壁12との間に隙間14を形成しているため、換言すれば、底壁13の両側端縁と、両側壁12の下端縁とを正確に一致させる必要がないため、高い寸法精度が要求されず、ケーシング1、ひいてはレジ袋ホルダーPの製作をより一層簡単に行うことができる。
【0062】
また本実施形態のレジ袋ホルダーPは、レジ袋スタンド5に並べて取り付けることができるため、複数のレジ袋ホルダーPを設置することができ、所要数のレジ袋ホルダーPを確実にセットすることができる。このため複数のレジ袋ホルダーPによって、十分な量のレジ袋91を予めセットしておくことができ、レジ袋91の補充作業等を頻繁に行う必要がなくなり、その分、店員の作業負担を軽減させることができる。
【0063】
さらに本実施形態のレジ袋ホルダーPは、上下方向に並べて取り付けるとともに、ケーシング1の底壁13の前半部を、前側に向けて上方に傾斜するように形成して、底壁13の前端部下側に、ケーシング1の部位が存在しない干渉防止スペース15を設けている。このため
図6(b)に示すように、上下に並んだレジ袋ホルダーPのうち、下側のレジ袋ホルダーPから購買者がレジ袋91を取り出す際に、購買者の手が上側のレジ袋ホルダーPの底壁13に干渉するようなことがなく、レジ袋91をスムーズに取り出すことができ、より一層利便性を向上させることができる。
【0064】
ところで、上記実施形態においては、前扉18を前扉ロックねじ18のねじ止めによって閉塞状態にロックするようにしているが、本発明において、前扉18を閉塞状態にロックする手段は限定されるものではない。例えば、前扉およびケーシングの一方に回転自在にフックを設けるとともに、残り一方に係合ピンを設けておき、前扉を閉じた状態でフックを係合ピンに係合することにより、前扉をロックするようにしても良いし、前扉およびケーシングの少なくとも一方にマグネット(磁石)を取り付けておき、そのマグネットの磁気吸着力によって、前扉を閉塞状態にロックするようにして良い。
【0065】
さらに本発明においては、以下に説明するように、前扉落とし込み方式によって、前扉をロックするようにしても良い。すなわち、前扉18の下端部におけるケーシング1との枢着部を、少なくとも前扉閉塞状態で上下方向にスライド自在に取り付けておく。例えば、前扉18の下端部両側における縁曲げ部21に、前扉閉塞状態(前扉起立状態)で上下方向に長い長孔を形成するとともに、その長孔に対応させて、ケーシング1の両側壁12の下端に回転軸部材を取り付けておき、その回転軸部材を長孔に回転自在にかつスライド自在に挿入する。これにより、前扉2を開閉自在にかつ上下方向にスライド自在に支持する。一方
図8に示すように、前扉2の上端部両側における縁曲げ部21に切欠部6を形成する。この切欠部6は、前扉起立状態において、上下方向に延び、かつ下端が裏面側(後方)に開放されたL字状に形成されている。またケーシング1の両側壁12に、L字状切欠部6に対応させて係合ピン65が取り付けられている。そして、前扉18を全閉する直前に上方にスライドさせることにより、
図6(a)に示すように前扉18のL字状切欠部6の下端開放部を、ケーシング1の係合ピン65に対応させて配置する。その状態で同図(b)に示すように、前扉18を閉塞することによって、係合ピン65をL字状切欠部6の下端開放部から挿入する。その後同図(c)に示すように、前扉18を下方に落とし込むようにスライドさせることにより、係合ピン65をL字状切欠部6の上端部に位置させる。こうして前扉2を閉塞状態にロックするようにしている。
【0066】
また上記実施形態においては、ウエイト部材3を自重によってポリ袋群9に圧接するようにしたレジ袋押付手段を採用しているが、それだけに限られず、本発明においては、ポリ袋群9を押し付けることができる構造であれば、どのようなレジ袋押付手段を採用しても良い。例えば、前扉2の裏面側に圧縮バネ等の蓄勢部材(レジ袋押付手段)を設けて、その圧縮バネの伸び方向の反発力(蓄勢力)によって、ポリ袋群9を背面側に押し付けるようにしても良い。
【0067】
また上記実施形態においては、ウエイト部材3をガイドするための手段が、スリット16によって構成される場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、ウエイト部材3を所定の方向にスライド自在にガイドできる構造であれば、どのようなガイド手段を用いても良い。
【0068】
また上記実施形態においては、レジ袋群9の2つ折りの形態として、レジ袋群9の上側半部を下側半部に対向させるような2つ折りの形態を採用しているが、それだけに限られず、本発明においては、レジ袋群9の2つ折りの形態は限定されるものではない。例えばレジ袋群9の右側半部および左側半部のうち、一半部を残り半部に対向させるような2つ折りの形態としても良いし、レジ袋群9を斜め折りで折り曲げるような2つ折り形態としても良い。
【0069】
また上記実施形態においては、ケーシング1の前面開口20に取り付けられる前扉2を縦開き式で開閉するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、前扉を横開き式で開閉するようにしても良い。
【0070】
さらに本発明においては、前扉2を必ずしも設ける必要はない。つまり、前扉2を取り除いておき、ケーシング1の前面開口部20を常に開放した状態となるように構成しても良い。
【0071】
また上記実施形態においては、レジ袋ホルダーPをレジ袋スタンド5に設置するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、汎用の商品陳列棚に、レジ袋ホルダーPを設置するようにしても良い。
【0072】
また上記実施形態においては、レジ袋ホルダーPをレジカウンターの手前等に設置しておき、そのレジ袋ホルダーPから顧客がレジ袋91を取り出すようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、レジ袋ホルダーPを例えばレジカウンター内に設置しておき、そのレジ袋ホルダーから店員がレジ袋を取り出すようにしても良い。