特許第6096717号(P6096717)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6096717個別領域回路基板画像投影システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6096717
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】個別領域回路基板画像投影システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/377 20060101AFI20170306BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20170306BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20170306BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20170306BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   G09G5/36 520M
   G09G5/00 510A
   G09G5/00 510H
   G09G5/36 520P
   G09G5/00 550C
   G09G5/00 550B
   G09G5/00 510B
   G09G5/00 550X
   H04N7/18 B
   H04N5/74 Z
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-118992(P2014-118992)
(22)【出願日】2014年6月9日
(65)【公開番号】特開2015-7775(P2015-7775A)
(43)【公開日】2015年1月15日
【審査請求日】2014年8月19日
(31)【優先権主張番号】13/922,847
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514145729
【氏名又は名称】ノースロップ グルマン システムズ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORTHROP GRUMMAN SYSTEMS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アール アパーソン
【審査官】 斎藤 厚志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−209392(JP,A)
【文献】 米国特許第06091996(US,A)
【文献】 特開2011−058954(JP,A)
【文献】 特開2002−261498(JP,A)
【文献】 特開2005−108018(JP,A)
【文献】 特開2009−231764(JP,A)
【文献】 米国特許第4469553(US,A)
【文献】 特表2004−502250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/377
G09G 5/00
G09G 5/36
H04N 5/74
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラであって、
ユーザ入力に基づいて実行される、メモリに記憶されたアセンブリプログラム、テストプログラム及び診断プログラムの1つを選択し、
前記メモリに記憶された複数の異なる回路レイアウトから、所定の回路レイアウトを、前記アセンブリプログラム、前記テストプログラム及び前記診断プログラムのうち前記選択された1つに基づいて取得し、
前記取得された所定の回路レイアウトに基づいて、回路基板アセンブリの個別領域の位置に表示すべき構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と関連するビデオ信号を発生する
コントローラと、
前記ビデオ信号を受信し、前記アセンブリプログラム、前記テストプログラム及び前記診断プログラムのうち前記選択された1つによって定義された所定の時間の間、前記ビデオ信号を前記回路基板アセンブリ上に投影し、前記回路基板アセンブリの前記個別領域の位置に構成部品及びピンの双方又は何れか一方の前記画像を表示し、前記回路基板アセンブリの組立、検査及び診断修理の1つを容易にするディスプレイシステムと
を具える個別領域回路基板投影システム。
【請求項2】
請求項1に記載の個別領域回路基板投影システムにおいて、前記ディスプレイシステムを、構成部品及びピンの双方又は何れか一方の前記画像を前記回路基板アセンブリの前記個別領域の位置に直接投影するプロジェクタとした個別領域回路基板投影システム。
【請求項3】
請求項1に記載の個別領域回路基板投影システムにおいて、前記ディスプレイシステムを、プロジェクタ及びスクリーンとした個別領域回路基板投影システム。
【請求項4】
請求項3に記載の個別領域回路基板投影システムにおいて、更にカメラを具え、前記カメラが前記カメラの視野内の、回路基板アセンブリ並びに任意の構成部品及びユーザの指の画像を捕獲し、前記捕獲された前記画像を、前記回路基板アセンブリの前記捕獲した画像の前記個別領域の位置に重畳させる構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と一緒に表示させるディスプレイシステムに供給する個別領域回路基板投影システム。
【請求項5】
請求項1に記載の個別領域回路基板投影システムにおいて、前記ビデオ信号を、回路基板アセンブリの複数の個別領域の位置に同時に表示すべき構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と関連させ、前記ディスプレイシステムが前記ビデオ信号を受信するとともに、前記回路基板アセンブリの前記複数の個別領域の位置に構成部品及びピンの双方又は何れか一方の前記画像を同時に表示する個別領域回路基板投影システム。
【請求項6】
請求項1に記載の個別領域回路基板投影システムにおいて、前記ビデオ信号を、回路基板アセンブリの複数の個別領域内に順次に表示すべき構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と関連させ、前記ディスプレイシステムが前記ビデオ信号を受信するとともに、前記回路基板アセンブリの前記複数の個別領域の位置に構成部品及びピンの双方又は何れか一方の前記画像を順次に表示する個別領域回路基板投影システム。
【請求項7】
請求項6に記載の個別領域回路基板投影システムにおいて、更にユーザインタフェースを具え、前記ユーザインタフェースにより、ユーザが前記複数の個別領域の位置の各々に対する所定の前記個別領域の位置に構成部品及びピンの双方又は何れか一方を順次に表示するステップを行う個別領域回路基板投影システム。
【請求項8】
請求項1に記載の個別領域回路基板投影システムにおいて、更にユーザインタフェースを具え、前記ユーザインタフェースにより、検査及び診断修理処理の双方又は何れか一方のうちの1つに際して1つ以上の個別領域の位置に表示する構成部品のピン及びその他のピンの間の読み取りを行う計器又はオシロスコープを配置することをユーザに指示する個別領域回路基板投影システム。
【請求項9】
請求項1に記載の個別領域回路基板投影システムにおいて、更にユーザインタフェースを具え、前記ユーザインタフェースにより、ユーザが組立処理と、検査処理と、診断検査処理と、個別の構成部品及びピンの双方又は何れか一方を回路基板アセンブリ上に表示させる処理との少なくとも1つを選択する個別領域回路基板投影システム。
【請求項10】
回路基板アセンブリの組立、検査及び診断修理の少なくとも1つを容易にする方法において、
コントローラにおいて、ユーザ入力に基づいて実行される、メモリに記憶されたアセンブリプログラム、テストプログラム及び診断プログラムの1つを選択するステップと、
前記コントローラにおいて、前記メモリに記憶された複数の異なる回路レイアウトから所定の回路レイアウトを、前記アセンブリプログラム、前記テストプログラム及び前記診断プログラムのうち選択された1つに基づいて取得するステップと、
前記コントローラにおいて、前記取得された所定の回路レイアウトに基づいて、回路基板アセンブリの複数の個別領域の位置に表示すべき構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と関連するビデオ信号を発生するステップと、
ディスプレイシステムにおいて、前記アセンブリプログラム、前記テストプログラム及び前記診断プログラムのうち前記選択された1つによって定義された所定の時間の間、前記ビデオ信号を前記回路基板アセンブリ上に投影し、前記回路基板アセンブリの個別領域の位置の個別領域の位置に前記構成部品及びピンの双方又は何れか一方の前記画像を表示して前記回路基板アセンブリの組立、検査及び診断修理を容易にするステップと
を具える方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記ビデオ信号前記ディスプレイシステムのプロジェクタを介して前記回路基板アセンブリ上に直接表示させる方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法において、
前記回路基板アセンブリと、任意の構成部品及びユーザの指との、カメラの視野内の画像を捕獲するステップと、
ディスプレイシステムに、前記回路基板アセンブリの前記捕獲された画像の前記個別領域の位置に重畳された、構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像に関連したビデオ信号を提供するステップと、
をさらに含む方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法において、更に、前記回路基板アセンブリの前記検査及び前記診断修理の双方又は何れか一方のうちの1つに際して所定の個別領域の位置に表示する構成部品のピン及びその他のピンの間の読み取りを行う計器又はオシロスコープを配置することをユーザに指示するユーザインタフェースをディスプレイに表示するステップを具えている方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法において、更に、前記回路基板アセンブリ上に表示される個別の構成部品及びピンの双方又は何れか一方をユーザに選択させるユーザインタフェースをディスプレイに表示するステップを具えている方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に投影システムに関するものであり、特に個別領域回路基板画像投影システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術者による手動的な回路基板の組立(組合せ)は困難で面倒な処理である。例えば、回路カードアセンブリの組立を行う技術者は、部品番号や参照番号により部品を識別する部品リストにより、回路基板にはんだ付け又は接着すべき構成部品を識別する回路カードアセンブリの線図のコンピュータスクリーンか又は紙面上の写しの何れかを参照する。技術者は、組立図及び参照番号により部品位置を記憶し、部品を手に取り、回路カードアセンブリに目を移し、この部品を適切な位置及び向きで回路カードアセンブリ上に設置する必要がある。次に、この処理を次の部品に対して繰返し、この繰返しを回路基板アセンブリの組立が終了するまで行う。適切な動作の為の回路基板アセンブリの検査及び修理の双方又は何れか一方を行なう手動的な検査及び手動的な診断法の双方又は何れか一方に対しても上述したのと同様の技術が実行されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の1つの構成例によれば、個別領域回路基板投影システムを提供する。このシステムは、回路のレイアウトに基づく回路基板の個別領域のプログラムを実行し、回路基板アセンブリの個別領域の位置に表示すべき構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と関連するビデオ信号を発生するコントローラと、このビデオ信号を受信し、回路基板アセンブリの個別領域の位置に構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像を表示し、回路基板アセンブリの組立、検査及び診断修理の少なくとも1つを容易にするディスプレイシステムとを具える。
【0004】
本発明の1つの構成例によれば、他の個別領域回路基板投影システムを提供するものであり、このシステムは、回路のレイアウトに基づく回路基板の個別領域のプログラムを実行し、回路基板アセンブリの複数の個別領域の位置に表示すべき構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と関連するビデオ信号を発生するコントローラを具える。このシステムは更に、これらのビデオ信号を受信し、回路基板アセンブリの複数の個別領域の位置に構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像を表示し、回路基板アセンブリの組立、検査及び診断修理の少なくとも1つを容易にするディスプレイシステムと、ユーザが複数の個別領域の位置の各々に対する所定の個別領域の位置に構成部品及びピンの双方又は何れか一方を順次に表示するステップを行うようにするユーザインタフェースとを具える。
【0005】
本発明の他の構成例によれば、回路基板アセンブリの組立、検査及び診断修理の少なくとも1つを容易にする方法を提供する。この方法は、回路基板アセンブリの複数の個別領域の位置に表示すべき構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と関連するビデオ信号を発生させるために、回路のレイアウトに基づく回路基板の個別領域のプログラムを実行するステップと、ユーザが複数の個別領域の位置の各々に対する所定の個別領域の位置に構成部品及びピンの双方又は何れか一方を順次に表示するようにするユーザインタフェースを表示するステップと、回路基板アセンブリの組立、検査及び診断修理の少なくとも1つを容易にするユーザ命令に応答して、複数の個別領域の位置の各々に構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像を順次に表示するステップとを具える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】個別領域回路基板投影システムの一例を示す機能ブロック図である。
図2】個別領域回路基板投影システムの他の例を示す機能ブロック図である。
図3図1又は図2のシステムを用いる一例の組立処理中の第1の状態の回路カードアセンブリを示す線図である。
図4図1又は図2のシステムを用いる一例の組立処理中の第2の状態の回路カードアセンブリを示す線図である。
図5図1又は図2のシステムを用いる一例の組立処理中の第3の状態の回路カードアセンブリを示す線図である。
図6図1又は図2のシステムを用いる一例の組立処理中の第4の状態の回路カードアセンブリを示す線図である。
図7】ある手動的な検査を受けている回路基板アセンブリを示す線図である。
図8】他の手動的な検査を受けている回路基板アセンブリを示す線図である。
図9】診断修理処理を受けている回路基板アセンブリの一態様を示す線図である。
図10】診断修理処理を受けている回路基板アセンブリの他の一態様を示す線図である。
図11】ユーザインタフェースの一例を示す線図である。
図12】例示的なコントローラシステムを示すブロック線図である。
図13】本発明の一態様による、レゾネータに対する駆動信号制御方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、個別領域回路基板投影システム10の一例の機能ブロック図を示す。この個別領域回路基板投影システム10は、構成部品及びピンの画像及び向きを回路基板アセンブリ22上の個別領域の位置24に投影し、組立と、検査と、診断修理との何れか又は任意の組合せを容易にするための助けとなるように構成されている。異なる個別領域の位置における複数の画像は、例えば、同様な部品を組立てる際に同時に表示させるか、又は異なる個別領域の位置における構成部品を組立てるか或いは検査する際に順次に表示させることができる。システム10は、1つ以上の回路のレイアウト14と、1つ以上の回路基板の個別領域のプログラム16とを受信するコントローラ12を有している。1つ以上の回路のレイアウト14は、種々の異なる構成のものとしうる1つ以上の回路基板に対するピン及び構成部品のレイアウトを有しうる。回路のレイアウトは例えば、異なる部品を順次に表示するためのPDFファイルに変換されるCADファイルとすることができる。或いはまた、回路のレイアウトは、回路基板のピン(例えば、コンタクトピン、テストピン、プローブピン、等)や、回路基板の構成部品(例えば、集積回路、キャパシタ、抵抗、インダクタ、ディップスイッチ、等)の画像を表示する如何なるファイル形式又は実行コード(例えば、アニメーション)におけるものともすることができる。
【0008】
又、ユーザが種々の回路のレイアウト14と、回路基板の個別領域のプログラム16との双方又は何れか一方の中から選択するようにする随意のユーザインタフェース20が設けられている。ユーザは例えば、回路基板の組立を容易にするアセンブリプログラムを選択するか、又は適切な動作のために回路基板アセンブリを検査するテストプログラムを選択するか、又は回路基板アセンブリの修理を容易にするための診断プログラムを選択するか、又は個別領域の位置で回路基板アセンブリ上に結像させるべき1つ以上の構成部品及びピンの双方又は何れか一方をユーザに選択させるプログラムを選択するようにしうる。コントローラ12は、回路のレイアウトに基づいている回路基板の個別領域のプログラムの実行に応答してビデオ信号を発生するとともに、回路基板アセンブリの1つ又は複数の個別領域の位置に表示すべき構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と関連するビデオ信号を発生する。これらのビデオ信号は、構成部品及びピンの双方又は何れか一方を回路基板アセンブリ22上に直接投影するためにプロジェクタ18の形態のディスプレイシステムに供給される。コントローラ12はマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ又はパーソナルコンピュータ(PC)とすることができる。ユーザは、ユーザインタフェース20を介して画像を回路基板アセンブリ22上の異なる個別領域の位置に順次に表示させるステップを行うことができ、又はコントローラ12が画像を、選択された回路基板の個別領域のプログラムにより設定されたユーザ入力及びタイミングの双方又は何れか一方に自動的に基づくようにするステップを行うことができる。
【0009】
図2は、個別領域回路基板投影システム40の他の例の機能ブロック図を示す。この個別領域回路基板投影システム40は、回路基板アセンブリ上の個別領域の位置における構成部品及びピンの画像及び向きをディスプレイシステム54上の個別領域の位置56に投影し、組立と、検査と、診断修理との何れか又は任意の組合せを容易にするための助けとなるように構成されている。システム40は、1つ以上の回路のレイアウト44と、1つ以上の回路基板の個別領域のプログラム46とを受信するコントローラ42を有している。1つ以上の回路のレイアウト44は、種々の異なる構成のものとしうる1つ以上の回路基板に対するピン及び構成部品のレイアウトを有しうる。又、ユーザが種々の回路のレイアウト44と、回路基板の個別領域のプログラム46との双方又は何れか一方の中から選択するようにする随意のユーザインタフェース50が設けられている。
【0010】
コントローラ42はカメラ48に結合されており、このカメラ48によりこのカメラ48の視野領域内の、回路基板と、アセンブラ(組立者)の指と、アセンブリを回路基板アセンブリ52上に保持させる任意の構成部品との画像を捕獲(取得)する。このコントローラ42は、回路のレイアウトに基づく回路基板の個別領域のプログラム46の実行に応答してビデオ信号を発生させるとともに、回路基板アセンブリの個別領域の位置に表示すべき構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と関連するビデオ信号を発生する。コントローラ42は、カメラ48の捕獲画像を生ぜしめるとともに、表示すべき構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像を、ディスプレイシステム54に対する1個所以上の個別位置56において回路基板アセンブリ52の捕獲画像55の上に重畳させる。ディスプレイシステム54はコンピュータディスプレイシステムとするか、又は構成部品及びピンの双方又は何れか一方の投影画像とカメラの視野領域内の捕獲画像とを同時に表示するスクリーンディスプレイ及びプロジェクタとすることができる。従って、ユーザは、投影画像と回路基板アセンブリ52を考慮した表示捕獲画像とをディスプレイシステム54から見ながら回路基板アセンブリ52上で手作業することができる。ユーザは、ユーザインタフェース50を介して画像を回路基板アセンブリ55上の異なる個別領域の位置に順次に表示させるステップを行うことができ、又はコントローラ42が画像を、選択された回路基板の個別領域のプログラムにより設定されたユーザ入力及びタイミングの双方又は何れか一方に自動的に基づくようにするステップを行うことができる。
【0011】
図3〜6は、図1又は図2のシステムを用いる一例の組立処理中の回路カードアセンブリを示す。図3は、回路基板アセンブリ60上の第1の個別領域の位置62内に、ラベルC1〜C3を付した複数の構成部品の画像が投影されているこの回路基板アセンブリ60の頂面図を示している。図示するように、各構成部品の最初の参照ピン及び最後の参照ピンが参照番号及び構成部品の画像と一緒に、それぞれの構成部品に対する回路基板のコンタクトピン上に表示されている。構成部品の画像を表示することなしに、コンタクトピン及び参照ピンを表示しうることは勿論である。これに続いて、アセンブラは構成部品C1〜C3を、示された参照個所において回路基板アセンブリ60上に設置することができる。
【0012】
図4は、回路基板アセンブリ60上の第2の個別領域の位置64内に、ラベルC4〜C5を付した複数の構成部品の画像が投影されているこの回路基板アセンブリ60の頂面図を示している。図示するように、各構成部品の最初の参照ピン及び最後の参照ピンが参照番号及び構成部品の画像と一緒に、それぞれの構成部品に対する回路基板アセンブリ60のコンタクトピン上に表示されている。構成部品C4及びC5に対しては正極性及び負極性の指標(デジグネータ)が示され、アセンブラが構成部品C4及びC5をこれらの正しい極性位置に確実に設置されるようになっている。又、構成部品C1〜C3は第1の個別領域の位置62内に設置されている。これに続いて、アセンブラは構成部品C4及びC5を、示された参照個所において回路基板アセンブリ上に設置することができる。
【0013】
図5は、回路基板アセンブリ60上の第3の個別領域の位置66内に、ラベルC6〜C8を付した複数の構成部品の画像が投影されているこの回路基板アセンブリ60の頂面図を示している。図示するように、各構成部品の最初の参照ピン及び最後の参照ピンが参照番号及び構成部品の画像と一緒に、それぞれの構成部品に対する回路基板アセンブリ60のコンタクトピン上に表示されている。又、構成部品C4及びC5は第2の個別領域の位置64内に設置されている。これに続いて、アセンブラは構成部品C6〜C8を、示された参照個所において回路基板アセンブリ60上に設置することができる。
【0014】
図6は、回路基板アセンブリ60上の第4の個別領域の位置68内に、ラベルC9〜C11を付した複数の構成部品の画像が投影されているこの回路基板アセンブリ60の頂面図を示している。この図6の例では、複数の構成部品の各々が互いに同じ個数のピンを有するとともに、個別領域の位置66内の構成部品とほぼ同じであるが機能的に異なる状態を有している。図示するように、各構成部品の最初の参照ピン及び最後の参照ピンが参照番号及び構成部品の画像と一緒に、それぞれの構成部品に対する回路基板アセンブリ60のコンタクトピン上に表示されている。従って、これに続いて、アセンブラは構成部品C9〜C11を、示された参照個所において回路基板アセンブリ60上に正しい向きで設置し、それぞれの構成部品に対する回路基板アセンブリ60を完成させることができる。又、構成部品C6〜C8は第3の個別領域の位置66内に設置されている。
【0015】
図7及び図8は、手動的な検査処理を受けている回路基板アセンブリ61を示している。図7は、回路基板アセンブリ61上の第5の個別領域の位置70内に第1の対のテストポイントTP1及びTP2の画像が投影されているとともに、第6の個別領域の位置72上に第2の対のテストポイントTP3及びTP4の画像が投影されている回路基板アセンブリの頂面図を示している。ユーザは、ユーザインタフェースを介して、TP1及びTP2間に電圧計又はオシロスコープを配置することを指示され、読取結果を確認するか又は入力させることができる。続いて、ユーザは、ユーザインタフェースを介して、TP3及びTP4間に電圧計又はオシロスコープを配置することを指示され、読取結果を確認するか又は入力させることができる。
【0016】
図8は、回路基板アセンブリ上の第7の個別領域の位置74内に第3の対のテストポイントTP5及びTP6の画像が投影されているとともに、第8の個別領域の位置76上に第4の対のテストポイントTP7及びTP8の画像が投影されている回路基板アセンブリ61の頂面図を示している。ユーザは、ユーザインタフェースを介して、TP5及びTP6間に電圧計又はオシロスコープを配置することを指示され、読取結果を確認するか又は入力させることができる。続いて、ユーザは、ユーザインタフェースを介して、TP7及びTP8間に電圧計又はオシロスコープを配置することを指示され、読取結果を確認するか又は入力させることができる。ユーザのディスプレイは、各測定に対する検査結果を、或いは単一の“合格”又は“不合格”の指示を表示することができる。
【0017】
図9及び図10は、診断修理処理を受けている回路基板アセンブリ61を示している。図9は、第9の個別領域の位置78内に構成部品C1の第1のピンP1及び第2のピンP2の画像が投影されているとともに、第6の個別領域の位置72内に第2の対のテストポイントTP3及びTP4の画像が投影されている回路基板アセンブリ61の頂面図を示している。ユーザは、ユーザインタフェースを介して、第1のピンP1及び第2のピンP2間に電圧計又はオシロスコープを配置することを指示され、読取結果を確認するか又は入力させることができる。続いて、ユーザは、ユーザインタフェースを介して、TP3及びTP4間に電圧計又はオシロスコープを配置することを指示され、読取結果を確認するか又は入力させることができる。
【0018】
図10は、回路基板アセンブリ61上の第10の個別領域の位置82内に構成部品C7の第3のピンP3及び構成部品C8の第4のピンP4の画像が投影されているとともに、第8の個別領域の位置76上に第4の対のテストポイントTP7及びTP8の画像が投影されている回路基板アセンブリ61の頂面図を示している。ユーザは、ユーザインタフェースを介して、P3及びP4間に電圧計又はオシロスコープを配置することを指示され、読取結果を確認するか又は入力させることができる。続いて、ユーザは、ユーザインタフェースを介して、TP7及びTP8間に電圧計又はオシロスコープを配置することを指示され、読取結果を確認するか又は入力させることができる。ユーザのディスプレイは、診断修理の結果と回路基板アセンブリ60を修理する命令との双方を表示することができ、この表示には、修理中の個別領域の位置における種々の構成部品及びピンの更なる表示を含めることができる。
【0019】
図11は、ユーザが図1又は図2のシステムを動作させる異なる処理間の選択を行い得るユーザインタフェース90の一例を示す。このユーザインタフェースは、ユーザが組立処理と、検査処理と、修理処理と、特定の構成部品/ピンとの何れかを選択するようにするものである。これらの処理の選択肢の1つを選択することにより、前述したように、1つ以上の回路基板の個別領域のプログラム及び1つ以上の回路のレイアウトを呼出すこの選択した処理に対する特定の表示インタフェースが得られる為、構成部品及びピンの双方又は何れか一方を、選択処理中に回路基板の1つ以上の個別領域の位置に表示させることができる。
【0020】
図12は、図1及び2に示すコントローラ、図3〜6に示す組立処理、図7及び8に示す検査処理、図9及び10に示す診断修理処理及び図11に示すGUIのような、図1〜11に開示した例を実行しうるハードウェア構成部品の例示的コントローラシステム100を示すブロック線図である。システム100には、種々のシステム及びサブシステムを含めることができる。このシステム100には、パーソナルコンピュータや、ラップトップ型コンピュータや、ワークステーションや、コンピュータシステムや、アプライアンスや、特定用途向け集積回路(ASIC)や、サーバや、サーバブレードセンタや、サーバファームや、携帯機器、例えば、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、双方向テレビジョンセット、インターネットアプライアンス、プリンタ部分、等を含むことができる。
【0021】
システム100には、システムバス102と、処理ユニット104と、システムメモリ106と、メモリデバイス108及び110と、通信インタフェース112(例えば、ネットワークインタフェース)と、通信リンク114と、ディスプレイ116(例えば、ビデオスクリーン)と、入力デバイス118(例えば、キーボード及びマウスの双方又は何れか一方)とを含めることができる。システムバス102は、処理ユニット104及びシステムメモリ106と連通するようになっている。ハードディスクドライブ、サーバ、スタンドアローンデータベース又はその他の不揮発性メモリのような追加のメモリデバイス108及び110も、システムバス102と連通するようにしうる。システムバス102は、処理ユニット104、メモリデバイス106〜110、通信インタフェース112、ディスプレイ116及び入力デバイス118を動作可能状態に相互接続する。ある例では、システムバス102がユニバーサルシリアルバス(USB)ポートのような追加のポート(図示せず)を動作可能状態に相互接続するようにもする。
【0022】
処理ユニット104はコンピュータデバイスとすることができるとともに、特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができる。この処理ユニット104は、ここに開示する例の動作を実施する一組の命令を実行することができる。この処理ユニットにはプロセッサコアを含めることができる。追加のメモリデバイス106、108及び110は、データや、プログラムや、命令や、テキスト又はコンパイル形態のデータベースクエリや、コンピュータを動作させるのに必要としうるその他の如何なる情報をも記憶しうる。これらのメモリデバイス106、108及び110は、メモリカード、ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD:登録商標)又はネットワークを介してアクセスしうるサーバとして提供しうる。ある例では、メモリデバイス106、108及び110がテキスト、画像、映像及び音声の何れか又は任意の組合せを有するようにしうる。
【0023】
動作に当っては、例えば、回路のレイアウトに基づいた回路基板の個別領域のプログラムを実行して構成部品及びピンの双方又は何れか一方を個別領域の位置に表示するのにシステム100を用いることができる。このシステムを使用するためのマシン(例えば、コンピュータ)実行可能論理を、ある実施例に応じてシステムメモリ106と、メモリデバイス108と、メモリデバイス110との何れか又は任意の組合せに存在させることができる。処理ユニット104は、システムメモリ106と、メモリデバイス108及び110とから生じるマシン実行可能命令を実行する。
【0024】
図13は、回路基板アセンブリの組立、検査及び診断修理の少なくとも1つを容易にするための例示的方法を示す流れ図である。この方法は、回路のレイアウトに基づく回路基板の個別領域のプログラムを実行して、回路基板アセンブリの複数の個別領域の位置に表示させる構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像と関連するビデオ信号を発生させるステップ152で開始する。ステップ154では、複数の個別領域の位置の各々に対する所定の個別領域の位置に順次に構成部品及びピンの双方又は何れか一方を表示するステップをユーザが行いうるようにするユーザインタフェースが表示される。ステップ156では、ユーザの指令に応答させて構成部品及びピンの双方又は何れか一方の画像を、複数の個別領域の位置の各々に順次に表示して回路基板アセンブリの組立、検査及び診断修理の少なくとも1つを容易にする。
【0025】
上述したことは本発明の例示である。本発明を説明する目的のために考えられる構成部品又は手法のあらゆる組合せを記載することができないが、当業者にとって認識しうるように、本発明の更なる多くの組合せ及び置換が可能であるものである。従って、本発明は、特許請求の範囲を含む本発明の範囲内となるあらゆる変形及び変更例を包含するものである。
図1
図2
図11
図12
図13
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10